JPH08315728A - 巻線装置及びカソード用ヒータフィラメント巻線の製造方法 - Google Patents

巻線装置及びカソード用ヒータフィラメント巻線の製造方法

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JPH08315728A
JPH08315728A JP7118547A JP11854795A JPH08315728A JP H08315728 A JPH08315728 A JP H08315728A JP 7118547 A JP7118547 A JP 7118547A JP 11854795 A JP11854795 A JP 11854795A JP H08315728 A JPH08315728 A JP H08315728A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カソード用ヒータフィラメント巻線のように
巻回ピッチが繰り返して周期的に変化するような場合に
おける巻線作業を高速化し且つ長時間連続作業を可能と
する。 【構成】 軸心用線材11を所定の通線経路に沿って走
行させる送給装置22と、巻回用線材12を供給するボ
ビン23と、巻回用線材12を軸心用線材11に巻回す
る巻回装置25と、巻回用線材12に所定のテンション
を与えるテンショナー24と、ボビン23、巻回装置2
5、テンショナー24を搭載して通線経路を中心として
回転する回転部材41と、送給装置22による軸心用線
材11の送給速度と回転部材41の回転速度を所定の関
係で変化させて軸心用線材11に対する巻回用線材12
の巻回ピッチを変更する装置とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軸心用線材に巻回用線材
を巻き付けるための巻線装置及びカソード用ヒータフィ
ラメント巻線の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、陰極線管(CRT)の自動化連続
生産が進むにつれ、その電子銃に用いられるカソード用
ヒータフィラメントの品質の向上が求められる一方で、
カソード用ヒータフィラメントに用いる巻線の製造工程
の高速化が求められる傾向にある。
【0003】CRTにおいて電子放出するカソードを加
熱するカソード用ヒータフィラメントは、一例として次
のように製造されている。先ず、図8に示すように、
0.12mm径のモリブデン(Mo)線を軸心用線材1
1として用い、その上に0.05mm径のレニウムタン
グステン線からなる巻回用線材12を巻き付ける。ここ
で、巻回用線材12は細ピッチで巻かれた密巻部13、
粗ピッチで巻かれた粗巻部14、短い密巻部15、粗巻
部14の順でこれを周期的に繰り返して巻かれる。一例
として、密巻部13の巻回ピッチP1は0.094mm
±0.005mmであり、粗巻部14は密巻ピッチの約
15倍である。
【0004】軸心用線材11に巻回用線材12を巻き付
けるに当たっては、カソード用ヒータフィラメントの良
好な品質を得るため、1)巻回用線材12は軸心用線材
11に隙間なく巻き付けられること、2)巻回用線材1
2は、電気抵抗値が巻回によって変化しないように、過
大なテンションで引き延ばされることがないこと等の厳
しい要件が必要とされている。
【0005】その後洗浄及び両線材11、12に熱によ
る変化がない温度にてアニール処理を行い、カソード用
ヒータフィラメント1次巻線16が製造される。
【0006】次に1次巻線16を短い密巻部15の中央
で切断し、カソード用ヒータフィラメント用の巻線材1
7(図8)を得る。巻線材17は中央に密巻部13があ
り、その両側に粗巻部14が位置し、両端部に半分の長
さの短い密巻部15が付いた状態である。
【0007】図9は完成品のカソード用ヒータフィラメ
ントの正面図である。所定の長さに切り出された巻線材
17を図9に示すようなカソード用ヒータフィラメント
18の完成品形状に近い形に捻り巻き加工をし、端部の
短い密巻部15を切除する。次に巻線材17にハイアル
ミナコーティング19の処理を施し、熱処理を行う。そ
の後、特定の酸を用いて軸心用線材(モリブデン)11
を溶解し、コイル状に巻かれた巻回用線材(レニウムタ
ングステン)12だけを残してカソード用ヒータフィラ
メント18が完成する。
【0008】上述のようにカソード用ヒータフィラメン
トに用いる巻線16には巻回用線材12が細ピッチで巻
かれた部分と粗ピッチで巻かれた部分とが交互に周期的
に現れる。従って、軸心用線材11に巻回用線材12を
巻き付ける巻線装置においては巻回ピッチを変更するた
めに軸心用線材11の送り速度と巻回用線材12を巻き
付ける速度の関係を所定のタイミングで変化させる必要
がある。
【0009】従来、この種の巻線装置では速度の変更に
伴う巻回用線材12の緩みを防止するため、巻回用線材
12を供給するボビンに板ばねを直接接触させることで
ボビンに回転負荷を与え、それによって巻回用線材12
にテンションを与えている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来は巻回用線材12
にテンションを付与するに当たって、ボビンに直接板ば
ねを接触させる構成を採っていたので、巻回用線材12
のボビンに大容量ボビンを使用し且つ高速で巻線作業を
行うのが困難であった。すなわち、巻線量の多い大容量
ボビンはそのイナーシャが大であり、これを高速で回転
させた場合において、巻回用線材12のテンションを調
整するためにボビンの回転を板ばねでコントロールしよ
うとしてもこれを十分に行うことができず、加速時に巻
回用線材12が断線したり、逆に減速時にたるみが生じ
て軸心用線材11と巻回用線材12との間に隙間が生じ
て要求される精度を確保することができなかった。
【0011】そのため、従来は巻回用線材12を供給す
るボビンの容量を大きくできず、且つその回転速度も制
限されていた。さらに、ボビンの容量が小さいので巻回
用線材12が短時間で消費されてしまうので頻繁に巻線
装置を停止してボビンの交換をしなければならず、ボビ
ンの交換段取りに多くの工数を要し、これも巻線作業の
能率の向上の障害となっていた。
【0012】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであって、カソード用ヒータフィラメント巻線のよう
に巻回用線材の巻回ピッチが繰り返して周期的に変化す
るような巻線を製造する巻線装置において、巻線作業を
高速化し且つ長時間連続して作動できる巻線装置を提供
することを目的としている。
【0013】また本発明は、高品質なカソード用ヒータ
フィラメント巻線を能率よく製造できるカソード用ヒー
タフィラメント巻線の製造方法を提供することを目的と
している。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成する本
発明にかかる巻線装置は、軸心用線材に巻回用線材を巻
き付ける巻線装置において、軸心用線材を所定の通線経
路に沿って走行させる送給手段と、巻回用線材を供給す
るボビンと、前記ボビンから供給された前記巻回用線材
を走行する前記軸心用線材に巻回する巻回手段と、前記
ボビンから供給された前記巻回用線材に所定のテンショ
ンを与えるテンショナーと、前記ボビン、前記巻回手
段、前記テンショナーを搭載して前記通線経路を中心と
して回転する回転部材と、前記送給手段による前記軸心
用線材の送給速度と前記回転部材の回転速度を所定の関
係で変化させて該軸心用線材に対する前記巻回用線材の
巻回ピッチを変更する手段とを有することを特徴とす
る。
【0015】好適には、前記テンショナーは、前記ボビ
ンに所定の回転負荷を与えるトルク制御装置と、前記回
転部材に対する前記ボビンの回転を抑制するブレーキ装
置と、前記巻回用線材にテンションを与えるバックテン
ション付与装置とを有する。
【0016】また、上述の目的を達成する本発明にかか
るカソード用ヒータフィラメント巻線の製造方法は、軸
心用線材を送給しつつ該軸心用線材に巻回用線材を巻き
付けるカソード用ヒータフィラメント巻線の製造方法に
おいて、供給される前記巻回用線材のテンションに応じ
て該巻回用線材を供給するボビンの回転を制御しなが
ら、前記軸心用線材の送給速度と前記巻回用線材の巻き
付け速度を所定の関係で変化させて該軸心用線材に対す
る該巻回用線材の巻回ピッチを周期的に変更させること
を特徴とする。
【0017】
【作用】巻回用線材の巻回ピッチを変更するために軸心
用線材の送給速度と巻回用線材の巻き付け速度の関係を
変化させると、巻回用線材のテンションが変化する。テ
ンショナーはこの巻回用線材のテンションを所定の大き
さに保つように作用し、巻回ピッチが変更した場合にも
一定の状態で巻回作業を維持する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面によって詳細
に説明する。この実施例はCRTのカソード用ヒータフ
ィラメントに用いる巻線を製造する巻線装置として構成
されたものであり、本発明にかかるカソード用ヒータフ
ィラメント巻線の製造方法を使用している。
【0019】図1は本発明の一実施例にかかる巻線装置
の斜視図である。図1に示すように本巻線装置21は、
軸心用線材11を所定の通線経路に沿って走行させる送
給手段である送給装置22と、巻回用線材12を供給す
るボビン23と、巻回用線材12に所定のテンションを
与えるテンショナー24と、巻回用線材12を軸心用線
材11に巻き付ける巻回手段であるフライヤー巻回装置
25とを有している。
【0020】送給装置22は、供給する軸心用線材11
が巻かれた供給ローラ(図示せず)と巻き取りローラ2
6とを有し、巻き取りローラ26で軸心用線材11を巻
き取ることで軸心用線材11が所定の通線経路に沿って
走行する。巻き取りローラ26は例えばパルスモータか
らなるアクチュエータ27によって回転駆動され、アク
チュエータ27を図示しない制御装置により制御するこ
とで巻き取りローラ26の回転速度を正確に調整できる
ようになっている。
【0021】供給ローラと巻き取りローラ26の間に形
成される軸心用線材11の通線経路の途中にその通線経
路を中心として回転できるように前記ボビン23、テン
ショナー24、巻回装置25が設けられる。
【0022】要部の縦断面図を表す図2に示すように、
軸受台28に軸受29を介して中空の主軸30が前記通
線経路を中心として回転自在に支持され、主軸30の先
端側に中空のノズル31がテーパー嵌合によって着脱自
在に固定される。主軸30、ノズル31の中空部内に供
給ローラから供給された軸心用線材11が挿通され、軸
心用線材11はノズル31の先端に設けられたノズルチ
ップ32から外部に出る。
【0023】主軸30の外周部にはフランジを有する中
空のブレーキドラム33が軸受34を介して主軸30の
回転軸と同心状に回転自在に支持され、ブレーキドラム
33に対して固定板35を介して歯車36、スリーブ軸
37、ボビン23が固定されている。すなわち、ブレー
キドラム33、歯車36、ボビン23は互いに固定され
て一体化され、主軸30に回転自在に支持される。
【0024】図1に示すように、主軸30には駆動プー
リー38が固定され、駆動プーリー38にタイミングベ
ルト39が巻かれている。タイミングベルト39は図示
しない例えばパルスモータからなるアクチュエータに連
結され、アクチュエータの駆動によってタイミングベル
ト39を介して主軸30が回転駆動される。このアクチ
ュエータは前述のアクチュエータ27と同様に図示しな
い制御装置により制御され、主軸30の回転速度を巻き
取りローラ26と同期して正確に調整できるようになっ
ている。
【0025】これらのアクチュエータ及び制御装置によ
り、巻き取りローラ26と主軸30の回転速度を所定の
関係で変化させて軸心用線材11に対する巻回用線材1
2の巻回ピッチを変更する手段を構成している。尚、本
実施例では主軸30と巻き取りローラ26の同期を電気
的に取っているが、歯車等を用いて機械的に両者を同期
させるようにしてもよい。
【0026】図2に示すように主軸30には回転部材4
1が固定される。回転部材41には一定回転負荷を発生
する定トルク付与装置42が固定され、定トルク付与装
置42の回転軸43に固定されたトルク伝達歯車44が
前述の歯車36に噛み合うことでトルク制御装置を構成
している。
【0027】定トルク付与装置42は例えば、回転軸4
3に連結されたヒステリシス板の両側に永久磁石を配し
てなる磁力線式トルクコントローラであり、回転軸43
の回転に対して常に一定の回転負荷トルクを与える。こ
のトルクはトルク伝達歯車44、歯車36のギヤ比を適
当に選択するとことによって所要の大きさに調整されて
ボビン23に伝えられ、主軸30(回転部材41)に対
するボビン23の回転に所定の負荷トルクが常に作用す
ることとなる。
【0028】この定トルク付与装置42は、後述のブレ
ーキが解放されている状態においてもボビン23に回転
負荷トルクを与えることによって巻回用線材12のテン
ションが規定値を下回らないようにするためのものであ
り、必ずしも上述の磁力線式トルクコントローラに限ら
れるものではない。テンションが変動しても一定のトル
クを付与できるものであれば、例えば機械摩擦式のトル
クコントローラ等も使用することができる。
【0029】要部の横断面図を表す図3に示すように、
ボビン23に対して固定されているブレーキドラム33
の外周面にはブレーキシュー51が装着されると共にそ
の上にブレーキベルト52が巻き掛けられ、ブレーキ装
置を構成している。ブレーキベルト52の一端は回転部
材41に立設されたピン53に固定されると共に、ブレ
ーキベルト52の他端はブレーキリング54に立設され
たピン55に固定される。
【0030】ブレーキリング54は円環状の板状部材で
あり、図2に示すように回転部材41に回転軸と同心に
凹設された円環状の溝内に回転自在に嵌入している。図
3に示すように、ブレーキリング54にはばねポスト5
6が立設されると共に、ブレーキリング54の外側の回
転部材41にばねポスト57が立設され、両ばねポスト
56、57間にブレーキばね58が張設される。このブ
レーキばね58のばね力によりブレーキリング54は回
転部材41に対して図3で反時計回り方向に付勢されて
いる。
【0031】ブレーキばね58によってブレーキリング
54が反時計回り方向に回動すると、ブレーキリング5
4に一端を固定されているブレーキベルト52が引っ張
られ、ブレーキシュー51をブレーキドラム33に圧接
してボビン23の回転にブレーキがかかる。ブレーキば
ね58のばね力に抗してブレーキリング54を時計回り
方向に回動させるとブレーキベルト52が緩み、ブレー
キが解放される。
【0032】ブレーキリング54には図3に示すよう
に、ストッパアーム59が固定されると共に回転部材4
1にストッパピン60が固定され、ブレーキリング54
が反時計回り方向に回動したときにストッパアーム59
がストッパピン60に当接してブレーキリング54の回
動を制限するようになっている。
【0033】尚、通常時は、ブレーキばね58によって
ブレーキリング54が反時計回り方向に回動させられた
状態においてはブレーキベルト52がブレーキシュー5
1を締め付けることでブレーキリング54の回動が制限
されており、ストッパアーム59はストッパピン60に
は当接していない。ブレーキベルト52の損傷等、何ら
かの異常が発生したときに、ストッパアーム59がスト
ッパピン60に当接してブレーキリング54の過剰な回
動が防止される。
【0034】図3及び図3のIV矢視図を表す図4に示
すように、ブレーキリング54には作動アーム61が固
定される。作動アーム61は半径方向に延びて先端が回
転部材41の外縁部に達し、先端部にプーリーポスト6
2が固定される。プーリーポスト62は主軸30の回転
軸と平行な方向に延び、その先端にはテンションプーリ
ー63が回転自在に取り付けられる。
【0035】さらに、回転部材41にはプーリーポスト
62と平行な2本のプーリーポスト64、65が並んで
立設され、各プーリーポスト64、65の先端にそれぞ
れ導入プーリー66及び最終プーリー67が回転自在に
取り付けられている。ここで、導入プーリー66はテン
ションプーリー63と最終プーリー67の中間に位置
し、前記ブレーキばね58のばね力によってテンション
プーリー63が導入プーリー66及び最終プーリー67
から離間するような互いの位置関係となっている。尚、
後述するスネールガイド71を経由して巻回用線材12
が通線される関係から、最終プーリー67の回転軸は他
のプーリー63、66に比べて45度傾斜している。
【0036】導入プーリー66のプーリーポスト64の
所にはバックテンション付与装置が設けられている。図
3のV矢視図を表す図5、及び図5の側面図を表す図6
に示すように、導入プーリー66のプーリーポスト64
に隣接して主軸30の回転軸と平行な2本のガイドバー
68が回転部材41に固定され、2本のガイドバー68
に摺動自在にスライダ69が取り付けられる。ガイドバ
ー68にはそれぞれバックテンションばね70が巻装さ
れ、スライダ69はバックテンションばね70によって
回転部材41側に付勢される。スライダ69には巻回用
線材12に係合するガイド、例えばセラミックス等の摩
擦抵抗の少ない材料からなるスネールガイド71が固定
される。
【0037】ここで、ボビン23に巻かれていた巻回用
線材12は先ず導入プーリー66に掛けられ、次にテン
ションプーリー63に掛けられてそこで折り返し、スネ
ールガイド71に挿通されて最終プーリー67に至り、
そこからノズルチップ32に導かれるように経路が設定
される。
【0038】これらのトルク制御装置、ブレーキ装置、
バックテンション付与装置で巻回用線材12に所定のテ
ンションを与えるテンショナー24が構成される。
【0039】図7に示すようにノズル31の先端部には
保持ブロック81に回動自在に嵌入している。回転部材
41に立設された支柱82に着脱自在に固定された固定
ピン83の先端が保持ブロック81の位置決め穴に嵌入
しており、それにより保持ブロック81は回転部材41
と共に回転する。
【0040】保持ブロック81にはノズルチップ32の
先方に延びる巻回しガイド84が固定される。巻回しガ
イド84の先端には平坦面85が形成され、平坦面85
がノズルチップ32から出る軸心用線材11に当接する
ようになっている。これらにより巻回装置25が構成さ
れる。
【0041】また、図7に示すように回転部材41には
バランスウェイト86が固定され、回転部材41に搭載
された各種部品の重量バランスを取るようになってい
る。
【0042】このような装置において、軸心用線材11
に巻回用線材12を巻き付ける作業は次のように行われ
る。先ず準備作業として、軸心用線材11の送給装置2
2の供給ローラ(図示せず)から軸心用線材11、例え
ば0.12mm径のモリブデン線を引き出し、主軸3
0、ノズル31の中空部内を通して軸心用線材11の先
端を送給装置22の巻き取りローラ26に巻き付けて固
定する。
【0043】次にボビン23から巻回用線材12、例え
ば0.05mm径のレニウムタングステン線を引き出
し、導入プーリー66、テンションプーリー63、スネ
ールガイド71、最終プーリー67の順に掛け回し、先
端を軸心用線材11に数回巻き付けて巻回用線材12を
軸心用線材11と巻回しガイド84の平坦面85との間
に巻回用線材12を挟持する。ここまでは手動にて行
う。
【0044】次に、アクチュエータ27により巻き取り
ローラ26を回転させて軸心用線材11を巻き取ること
で軸心用線材11を送給させて軸心用線材11の送りを
開始する。それと同期して、図示しないアクチュエータ
により主軸30を介して回転部材41を回転させる。す
ると軸心用線材11の走行に連動する回転部材41の回
転により巻回用線材12が軸心用線材11に巻き付けら
れて行く。巻回用線材12が巻回された軸心用線材11
はそのまま巻き取りローラ26に巻き取られて行く。
【0045】ここで、巻回用線材12は回転部材41の
回転回数と同じ回数だけ軸心用線材11に巻き付いて行
くので、回転部材41の回転中は巻回用線材12は常に
ノズルチップ32の先に引き出され続ける。しかし、回
転開始時はブレーキばね58によってブレーキリング5
4は図3で反時計回り方向に回動し、これによりブレー
キシュー51がブレーキドラム33を締め付けている。
従って、ボビン23は回転部材41に対して回転でき
ず、巻回用線材12はボビン23から供給されない。
【0046】そのため当初はバックテンションばね70
のばね力に抗してスライダ69が移動することで通線経
路の短縮によって巻回用線材12を供給する。スライダ
69が移動するに伴ってバックテンションばね70は圧
縮されて徐々にばね力が増大し、巻回用線材12のテン
ションが増大する。
【0047】巻回用線材12のテンションはテンション
プーリー63を介してブレーキリング54を図3で時計
回り方向に回動させるように作用し、この方向はブレー
キを解放する方向である。従って、巻回用線材12のテ
ンションが増大するに従ってブレーキが徐々に解放され
て行き、巻回用線材12のテンションがある一定の値を
越えるとブレーキばね58に打ち勝ってブレーキを完全
に解放し、ボビン23が回転して巻回用線材12を供給
する。
【0048】尚、ブレーキ解放状態においてもボビン2
3には定トルク付与装置42により一定のトルクが与え
られているので、ボビン23が空転して巻回用線材12
を過剰に供給して巻回用線材12がたるんでしまう等の
不具合は発生しない。
【0049】一方で、ボビン23が回転して巻回用線材
12が供給されるとテンションが減少するが、テンショ
ンの減少はブレーキリング54を図3で時計回り方向に
回動させる力の減少につながり、結果的にブレーキ力が
増大してボビン23の回転を制限して巻回用線材12の
供給を減らす。これにより、巻回用線材12のテンショ
ンは短時間で平衡状態に収束し、その後は安定した巻回
用線材12の供給がなされる。
【0050】ここで、巻回用線材12のテンションの変
動に応じてテンションを吸収すべく機能するバックテン
ション付与装置の可動部、つまりスライダ69及びスネ
ールガイド70は重量が軽くイナーシャが小さいため、
巻回用線材12のテンションの急峻な変動にも敏感に追
従することが可能である。
【0051】また、スライダ69、スネールガイド70
は主軸30の回転軸と平行な方向に沿って移動するよう
に支持されているので、回転部材41の回転に伴う遠心
力の影響を受けにくくなっている。これにより、特に回
転部材41を高速回転させるときに、巻回用線材12の
テンションが回転部材41の回転数に影響を受けてテン
ションの調整が複雑になることが防止される。
【0052】尚、巻回作業中に巻回用線材12の断線が
生じた場合には、テンションがなくなるのでブレーキば
ね58によりブレーキリング54が回動してブレーキを
かけ、直ちにボビン23が停止される。
【0053】巻線作業を終了するときは、軸心用線材1
1及び巻回用線材12を適当な位置で手動にて切断して
終了する。
【0054】図8に示すカソード用ヒータフィラメント
1次巻線16の密巻部13、15及び粗巻部14は、軸
心用線材11の送給速度をコントロールする巻き取りロ
ーラ26の回転と巻回用線材12の巻き付け速度をコン
トロールする回転部材41の回転を所定の関係により変
化させることで形成される。これは例えば、巻き取りロ
ーラ26の回転速度を密巻部13、15、粗巻部14の
ピッチに比例して増減させると共に、回転部材41の回
転速度を一定に保つことによって行われる。
【0055】回転部材41の回転を一定に保つ場合にあ
っても、巻き付けローラ26の回転速度(軸心用線材1
1の送給速度)の増減に応じて巻回用線材12の消費量
が変化し、その都度巻回用線材12のテンションは急峻
に変動する。本巻線装置21ではこのテンションの変動
をテンショナー24によって敏感に吸収して常に適正な
テンションにより巻回用線材12を高速度にて軸心用線
材11に巻き付けることができる。
【0056】本巻線装置21によれば大容量ボビンを用
い且つ高速度に巻回作業を行うことができる。一例によ
れば、ボビン径55mm(7000m超巻)の大容量ボ
ビンを用い、回転部材41の回転数6000r/mi
n、軸心用線材11の送り速度9.4mm/secの高
速にて適正な巻回作業が可能であり、これは速度にして
従来の10倍〜20倍の高速度である。また、従来のボ
ビンはボビン径25mm(600m巻)程度であったの
に対して、巻回用線材12の巻き長さで10倍を越える
大容量ボビンの使用が可能となっている。
【0057】尚、上述の例では軸心用線材11としてモ
リブデンを用いているが、カソード用ヒータフィラメン
ト巻線の軸心用線材としては必ずしもこれに限られるも
のではない。軸心用線材11としてこの他例えば、巻回
用線材12のタングステンより溶解速度の速い材料を用
いることもできる。
【0058】
【発明の効果】以上、一実施例を挙げて詳細に説明した
ように本発明によれば、カソード用ヒータフィラメント
巻線のように巻回用線材の巻回ピッチが繰り返して変化
するような巻線を製造する場合において、巻回用線材の
テンションを一定に制御するようにしたので、巻線作業
を高速化し且つ大容量ボビンを用いて長時間連続して作
業することが可能となり、高品質なカソード用ヒータフ
ィラメント巻線を能率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる巻線装置の斜視図で
ある。
【図2】実施例の要部の縦断面図である。
【図3】実施例の要部の横断面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図3のV矢視図である。
【図6】図5のバックテンション付与装置の側面図であ
る。
【図7】実施例の要部の平面図である。
【図8】カソード用ヒータフィラメント一次巻線の正面
図である。
【図9】カソード用ヒータフィラメント完成品の正面図
である。
【符号の説明】
11 軸心用線材 12 巻回用線材 13 密巻部 14 粗巻部 15 短い密巻部 16 カソード用ヒータフィラメント1次巻線 19 ハイアルミナコーティング 21 巻線装置 22 送給装置 23 ボビン 24 テンショナー 25 フライヤー巻回装置 26 巻き取りローラ 27 アクチュエータ 30 主軸 31 ノズル 32 ノズルチップ 33 ブレーキドラム 36 歯車 38 駆動プーリー 39 タイミングベルト 41 回転部材 42 定トルク付与装置 44 トルク伝達歯車 51 ブレーキシュー 52 ブレーキベルト 54 ブレーキリング 58 ブレーキばね 61 作動アーム 63 テンションプーリー 66 導入プーリー 67 最終プーリー 68 ガイドバー 69 スライダ 70 バックテンションばね 71 スネールガイド 84 巻回しガイド 86 バランスウェイト

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸心用線材に巻回用線材を巻き付ける巻
    線装置において、 軸心用線材を所定の通線経路に沿って走行させる送給手
    段と、 巻回用線材を供給するボビンと、 前記ボビンから供給された前記巻回用線材を走行する前
    記軸心用線材に巻回する巻回手段と、 前記ボビンから供給された前記巻回用線材に所定のテン
    ションを与えるテンショナーと、 前記ボビン、前記巻回手段、前記テンショナーを搭載し
    て前記通線経路を中心として回転する回転部材と、 前記送給手段による前記軸心用線材の送給速度と前記回
    転部材の回転速度を所定の関係で変化させて該軸心用線
    材に対する前記巻回用線材の巻回ピッチを変更する手段
    とを有することを特徴とする巻線装置。
  2. 【請求項2】 前記テンショナーは、 前記ボビンに所定の回転負荷を与えるトルク制御装置
    と、 前記回転部材に対する前記ボビンの回転を抑制するブレ
    ーキ装置と、 前記巻回用線材にテンションを与えるバックテンション
    付与装置とを有することを特徴とする請求項1記載の巻
    線装置。
  3. 【請求項3】 前記ブレーキ装置は、前記巻回用線材の
    テンションが大きくなるとブレーキを解放することを特
    徴とする請求項2記載の巻線装置。
  4. 【請求項4】 前記バックテンション付与装置は、 前記巻回用線材に係合すると共に、前記回転部材の回転
    軸と平行な方向に移動自在に支持されたガイドと、 前記ガイドを一方向に付勢して前記巻回用線材にテンシ
    ョンを与えるバックテンションばねとを有することを特
    徴とする請求項2記載の巻線装置。
  5. 【請求項5】 前記軸心用線材が溶解可能な材料からな
    り、前記巻回用線材がタングステンであることを特徴と
    する請求項1記載の巻線装置。
  6. 【請求項6】 軸心用線材を送給しつつ該軸心用線材に
    巻回用線材を巻き付けるカソード用ヒータフィラメント
    巻線の製造方法において、 供給される前記巻回用線材のテンションに応じて該巻回
    用線材を供給するボビンの回転を制御しながら、 前記軸心用線材の送給速度と前記巻回用線材の巻き付け
    速度を所定の関係で変化させて該軸心用線材に対する該
    巻回用線材の巻回ピッチを周期的に変更させることを特
    徴とするカソード用ヒータフィラメント巻線の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記軸心用線材が溶解可能な材料からな
    り、前記巻回用線材がタングステンであることを特徴と
    する請求項6記載のカソード用ヒータフィラメント巻線
    の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101734524A (zh) * 2008-11-07 2010-06-16 马祥 一种多头预制管缠丝机
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CN104097990A (zh) * 2014-08-11 2014-10-15 福建浔兴拉链科技股份有限公司 一种拉链中心线送料恒定张力的装置
KR102248116B1 (ko) * 2020-07-14 2021-05-04 주식회사 에스엠비코퍼레이션 부위별 열량조절이 가능한 코일형 열선 제조 장치

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