JPH08313823A - 内視鏡画像処理装置 - Google Patents

内視鏡画像処理装置

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JPH08313823A
JPH08313823A JP7116138A JP11613895A JPH08313823A JP H08313823 A JPH08313823 A JP H08313823A JP 7116138 A JP7116138 A JP 7116138A JP 11613895 A JP11613895 A JP 11613895A JP H08313823 A JPH08313823 A JP H08313823A
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JP
Japan
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image
filter
mode
processing
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Withdrawn
Application number
JP7116138A
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English (en)
Inventor
Hiroichi Nishimura
博一 西村
Kenji Yamazaki
健二 山▲崎▼
Tetsuo Nonami
徹緒 野波
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
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Publication of JPH08313823A publication Critical patent/JPH08313823A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内視鏡画像に対し、画像ごとに最適な画像処
理を適用することを可能とするとともに、ハードウェア
化においても低コストでの実現を可能とする。 【構成】 R,G及びB画像データをu,v及びw画像
データに変換する座標軸変換回路53と、u,v及びw
画像データをフィルタリングするためのフィルタリング
回路54a,54b及び54cと、フィルタリング後の
u,v及びw画像データをR,G及びB画像データに逆
変換する座標軸逆変換回路55と、逆変換後のR,G及
びB画像データを変換し処理結果画像データとして出力
するデータ変換回路56a,56b及び56cと、座標
軸変換行列A及び座標軸逆変換行列A-1を設定する変換
/逆変換行列設定回路57と、フィルタを設定するフィ
ルタ設定回路58と、強調処理の処理モードを決定する
ためのモード決定回路59とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像を複数の色信号に
分解し、分解した色信号に対して適切な処理を施すこと
により、認識能を向上させた内視鏡画像処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、細長の挿入部を体腔内に挿入する
ことにより、切開を必要とせず体腔内の患部等を観察し
たり、必要に応じ処置具を用いて治療処理のできる内視
鏡が広く用いられている。
【0003】上記内視鏡においては、像伝送手順にイメ
ージガイドを用いた光学式の内視鏡(ファイバースコー
プ)の他に、CCD等の固体撮像手順を用いた電子式の
内視鏡(以下、電子内視鏡または電子スコープ)が実用
化されている。
【0004】また、ファイバースコープの接眼部にCC
D等の固体撮像手順を用いた撮像カメラを接続すること
により、モニタ上でのカラー表示ができるものもある。
【0005】さらに、最近ではこのような内視鏡装置か
ら得られる映像信号に対し、様々な処理を施すことによ
り、人間の視覚的認識を補助し、診断能を向上させる試
みがなされている。
【0006】本出願人も、特開平4−314181号公
報において、内視鏡画像内の関心領域における粘膜表面
等の微細模様を形成するデータ変動を画像ごとに統計的
手法により抽出し、前記データ変動を最適に強調するこ
とにより明瞭な観察が可能となる内視鏡画像処理装置及
び方法を提案している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、本出願人が
特開平4−314181号公報において提案した内視鏡
画像強調処理(以下、強調処理)は、画像中に関心領域
を自動的に設定し、関心領域内における微細構造成分を
形成するデータ変動を抽出し、統計的手法を用いてデー
タ変動の方向に基づく座標軸変換行列及び座標軸逆変換
行列を導出している。これらの座標軸変換行列及び座標
軸逆変換行列は画像ごと求めるため、それぞれの画像に
対しては最適な強調処理結果画像を得ることが可能であ
る。一方、関心領域の自動設定、データ変動を抽出する
ための統計的手法等においては、その処理内容は比較的
複雑であることから、強調処理のより低コストでのハー
ドウェア実現に対する要望が強まっていた。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、内視鏡画像に対し、画像ごとに最適な画像処理
を適用することが可能であるとともに、ハードウェア化
においても低コストでの実現が可能な内視鏡画像処理装
置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の内視鏡
画像処理装置は、内視鏡撮像装置により入力される、複
数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所定の画像
処理を施す内視鏡画像処理装置において、少なくとも1
組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/逆変換行
列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設定手段
と、前記変換/逆変換行列設定手段により設定された変
換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数の色信号
に変換する変換手段と、前記変換手段により得られた前
記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記フィルタ
設定手段により設定されたフィルタを用いたフィルタリ
ングを適用するフィルタリング手段と、前記変換/逆変
換行列設定手段により設定された逆変換行列を用いて前
記フィルタリング手段によるフィルタリング適用後の前
記新たな色信号を前記複数の色信号に逆変換する逆変換
手段とを備え、前記フィルタ設定手段は内視鏡画像を構
成する前記複数の色信号に基づきフィルタを設定するこ
とで、内視鏡画像に対し、画像ごとに最適な画像処理を
適用することを可能とするとともに、ハードウェア化に
おいても低コストでの実現を可能とする。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて述べる。
【0011】図1ないし図18は本発明の第1実施例に
係わり、図1は画像処理装置を備えた電子内視鏡システ
ムの構成を示す構成図、図2は図1の内視鏡システムの
詳細な構成を示すブロック構成図、図3は図1の画像処
理装置の構成を示す構成図、図4は図3の画像処理部の
構成を示すブロック図、図5は図4の画像処理部におけ
る強調処理非適用時のフィルタを説明するための説明
図、図6は図4の画像処理部での処理の流れを示すフロ
ーチャート、図7は図4の画像処理部における画素のサ
ンプリング動作を説明するための説明図、図8は図4の
画像処理部におけるサンプリングを説明するための説明
図、図9は図6の明部画素除外処理の処理の流れを示す
フローチャート、図10は図6の暗部画素除外処理の処
理の流れを示すフローチャート、図11は図6のモード
設定処理の処理の流れを示すフローチャート、図12は
図11のモード設定処理を説明するための説明図、図1
3は図4のフィルタリング回路に適用するフィルタFe
及びノイズ抑制フィルタFnrの周波数伝達特性の概要
を示す説明図、図14は図11のモード設定処理におい
て使用する2次元配列の第1の作成方法の流れを示す第
1のフローチャート、図15は図11のモード設定処理
において使用する2次元配列の第1の作成方法の流れを
示す第2のフローチャート、図16は図11のモード設
定処理において使用する2次元配列の第2の作成方法の
流れを示す第1のフローチャート、図17は図11のモ
ード設定処理において使用する2次元配列の第2の作成
方法の流れを示す第2のフローチャート、図18は図1
1のモード設定処理において使用する2次元配列の第2
の作成方法の流れを示す第3のフローチャートである。
【0012】図1に示すように内視鏡システム1は撮像
手段を備えた電子内視鏡装置2と、撮像された画像に対
して、強調処理を行う画像処理装置3と、画像を記録す
る画像記録装置4から構成される。
【0013】電子内視鏡装置2は、被写体を撮像する撮
像手段である電子内視鏡6と、この電子内視鏡6に照明
光を供給する光源部7A及び撮像手段に対する信号処理
を行う信号処理部7Bを内蔵した観察装置7と、この観
察装置7から出力される画像信号を表示する観察用モニ
タ8とからか構成される。
【0014】上記電子内視鏡6は生体9内に挿入される
細長に挿入部11と、この挿入部11の後端に形成され
た操作部12と、この操作部12から延出されたユニバ
ーサルケーブル13とから構成され、このユニバーサル
ケーブル13の先端に設けたコネクタ14を観察装置7
に接続することができる。
【0015】上記挿入部11内にはライトガイド15が
挿通され(図1の円内の電子内視鏡6の先端拡大図参
照)、コネクタ14を観察装置7に接続することによ
り、光源部7Aから照明光が入射端面に供給される。そ
して照明光がライトガイド15によって伝送され、先端
部16側の端面から前方に出射され、生体9内の対象部
位を照明する。この照明された対象部位は先端部16に
設けた対物レンズ17によってその結像位置に配置され
たCCD18に結像され、光電変換される。この対物レ
ンズ17とCCD18とで撮像手段としての撮像部19
を形成する。
【0016】上記CCD18で光電変換された画像信号
は観察装置7内の信号処理部7Bにより、信号処理され
て画像信号が生成され、この画像信号は観察用モニタ8
に出力されると共に、画像処理装置3に出力され、画像
処理装置3により画像処理された画像が内視鏡画像記録
装置4に記録される。
【0017】次に、観察装置7における光源部7Aと信
号処理部7Bの構成について説明する。
【0018】図2に示すように、光源部7Aは、紫外光
から赤外光に至る広帯域の光を発光するランプ21を備
えている。このランプ21としては、一般的なキセノン
ランプやストロボランプ等を用いることができる。上記
キセノンランプやストロボランプは、可視光のみならず
紫外光及び赤外光を大量に発生する。
【0019】このランプ21は、電源22によって電力
が供給されて発光するようになっている。上記ランプ2
1の前方には、モータ23によって回転駆動される回転
フィルタ24が配設されている。この回転フィルタ24
には通常観察用の赤(R)、緑(G)、青(B)の各波
長領域の光を透過するフィルタが周方向に沿って配列さ
れている。
【0020】また、モータ23はモータドライバ25に
よって回転が制御されて駆動されるようになっている。
上記回転フィルタ24を透過し、R,G,Bの各波長領
域の光に時系列的に分離された光は、さらにライトガイ
ド15の入射端に入射され、このライトガイド15を介
して先端部16側の出射端面に導かれ、この出射端面か
ら前方に出射されて、観察部位等を照明するようになっ
ている。
【0021】この照明光による観察部位等の被験体(被
写体)からの戻り光は、対物レンズ17によって、CC
D18上に結像され、光電変換されるようになってい
る。このCCD18には、信号線26を介して、信号処
理部7B内のドライバ31からの駆動パルスが印加さ
れ、この駆動パルスによって光電変換された被検体の画
像に対応した電気信号(映像信号)の読み出しが行われ
るようになっている。
【0022】このCCD18から読み出された電気信号
は、信号線27を介して、電子内視鏡6内または観察装
置7内に設けられたプリアンプ32に入力されるように
なっている。このプリアンプ32で増幅された映像信号
は、プロセス回路33に入力され、γ補正、ホワイトバ
ランス及び色調の調整等の信号処理を施され、A/Dコ
ンバータ34によって、ディジタル信号に変換されるよ
うになっている。プロセス制御回路50はプロセス回路
33に接続され、プロセス回路33において適用するプ
ロセスの制御を行うようになっている。
【0023】このディジタルの映像信号は、セレクト回
路35によって、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)
の各色に対応する3つのメモリ(1)36a、メモリ
(2)36b、メモリ(3)36cに選択的に記憶され
るようになっている。上記メモリ(1)36a、メモリ
(2)36b、メモリ(3)36cに記憶されたR,
G,B色信号は、同時に読み出され、D/Aコンバータ
37によって、アナログ信号に変換され、入出力インタ
ーフェース38を介してR,G,B色信号としてカラー
モニタ8に出力され、このカラーモニタ8によって、観
察部位がカラー表示されるようになっている。なお、以
下ではインターフェースという表現をI/Fと表す。
【0024】また、観察装置7内には、システム全体の
タイミングを作るタイミングジェネレータ42が設けら
れ、このタイミングジェネレータ42によって、モータ
ドライバ25、ドライバ31、セレクト回路35等の各
回路間の同期がとられている。
【0025】この実施例ではメモリ(1)36a、メモ
リ(2)36b、メモリ(3)36cの出力端、タイミ
ングジェネレータ42の同期信号出力端及びプロセス制
御手段50の制御信号出力端は画像処理装置3と接続さ
れている。
【0026】次に、画像処理装置3の構成を説明する。
図3に示すように、画像処理装置3は、プログラム等が
格納されたROM45と、このROM45に格納された
プログラムにしたがって処理を実行する中央処理装置4
0と、中央処理装置40に対してデータ等を入力する情
報処理装置41と、中央処理装置40の処理によるデー
タ等の格納を行うRAMより構成される主記憶装置42
と、信号処理部7BからのR,G及びB画像データを入
力する画像入力I/F43と、画像処理装置3により画
像処理されたデータを記憶する外部記憶装置44と、内
視鏡画像を記録する内視鏡画像記録装置4と接続されデ
ータの入出力を行う画像記録装置I/F46とを備えて
構成され、これらの各層値はバス48によって接続され
ている。
【0027】上記情報入力装置41はキーボード等で構
成され、電子内視鏡6の種別等のデータ等を入力できる
ようになっている。画像入力インターフェース43はメ
モリ(1)36a、メモリ(2)36b、メモリ(3)
36cに接続され、タイミングジェネレータ39によっ
て同期がとられ、これらの画像データの受信を行うよう
になっている。
【0028】また、プロセス制御回路50のプロセス制
御信号出力端は、バス48を介して中央処理装置40に
対しプロセス回路33において適用するプロセスに関す
る情報を通信することが可能となっている。
【0029】中央処理装置40は、ROM45に記憶さ
れたプログラムにより動作する画像処理部47を有して
いる。画像処理部47においては入力される内視鏡画像
に対し、所定の画像処理を適用することができるように
なっている。
【0030】なお、本実施例において、画像入力インタ
ーフェース43を介して入力される内視鏡画像のR,G
及びB画像データの値はすべて0ないし255の範囲に
ある整数値のいずれかにディジタル化されているものと
する。
【0031】図4に示すように、画像処理部47は、画
像入力I/F43を介して入力されたR,G及びB画像
データに対してγ補正の除去等をそれぞれ適用すること
ができるデータ変換回路60a,60b及び60cと、
データ変換回路60a,60b及び60cに接続されデ
ータ変換回路60aないしcによるデータ変換後のR,
G及びB画像データを記憶するRAM51と、バス48
及び画像処理部47を構成する各ブロックに接続され該
各ブロックを制御するための制御部52と、画像入力I
/F43を介して入力されたR,G及びB画像データを
新たなu,v及びw画像データに変換するための座標軸
変換回路53(変換手段)と、座標軸変換回路53にそ
れぞれ接続され変換後のu,v及びw画像データをそれ
ぞれフィルタリングするためのフィルタリング回路54
a,54b及び54c(フィルタリング手段)と、フィ
ルタリング回路54a,54b及び54cに接続されフ
ィルタリング後のu,v及びw画像データをR,G及び
B画像データに逆変換する座標軸逆変換回路55(逆変
換手段)と、座標軸逆変換回路55にそれぞれ接続され
逆変換後のR,G及びB画像データをそれぞれ変換し処
理結果画像データとして出力するためのデータ変換回路
56a,56b及び56cと、座標軸変換回路53及び
座標軸逆変換回路55に接続され座標軸変換回路53及
び座標軸逆変換回路55においてそれぞれ適用する座標
軸変換行列A及び座標軸逆変換行列A-1を設定する変換
/逆変換行列設定回路57(変換/逆変換行列設定手
段)と、フィルタリング回路54a,54b及び54c
に接続されフィルタリング回路54a,54b及び54
cにおいてそれぞれ適用するフィルタを設定するフィル
タ設定回路58(フィルタ設定手段)と、RAM51、
変換/逆変換行列設定回路57及びフィルタ設定回路5
8に接続され画像処理部47における強調処理の処理モ
ードを決定するためのモード決定回路59とから構成さ
れている。
【0032】なお、本実施例においては、モード1ない
し3のいずれを選択するかにより、フィルタリング回路
54a,54b及び54cにおいてそれぞれ用いるフィ
ルタF1,F2及びF3を変更するものとする。
【0033】また、フィルタリング回路54a,54b
及び54cにおいて適用するフィルタは、FIR(Fini
te Impulse Response)フィルタあるいはIIR(Infini
te Impulse Response)フィルタのようなディジタルフィ
ルタを使用するが、公知のフーリエ変換適用後の画像デ
ータに対する空間周波数領域上でのフィルタリングによ
り実現してもよいことはもちろんである。
【0034】はじめに、本実施例における画像処理部4
7の基本動作について説明する。
【0035】入力されたR,G及びB画像データは、そ
れぞれデータ変換回路60a,60b及び60cによる
データ変換処理適用後、座標軸変換回路53に入力さ
れ、変換/逆変換行列設定回路57において設定される
3次元正則行列である座標軸変換行列によりR,G及び
B画像データからu,v及びw画像データに変換され
る。変換後のu,v及びw画像データはそれぞれフィル
タリング回路54a,54b及び54cに入力され、フ
ィルタ設定回路58により設定されたフィルタF1ない
しF3によるフィルタリングを適用され、座標軸逆変換
回路55に入力される。座標軸逆変換回路55におい
て、フィルタリング回路54a,54b及び54cによ
るフィルタリング適用後のu,v及びw画像データに対
し、変換/逆変換行列設定回路57において設定される
3次元正則行列である逆変換行列によりR,G及びB画
像データに逆変換する。座標軸逆変換回路55において
逆変換されたR,G及びBデータは、それぞれデータ変
換回路56a,56b及び56cに入力され、γ補正等
のデータ変換処理を適用され、強調処理結果画像として
出力される。
【0036】次に、入力された内視鏡画像中の画素の色
調に基づき観察状況を判定し、処理の内容を制御する強
調処理について説明する。
【0037】ここで、本実施例における色調とは、R,
G及びB画像データの値の大小に基づく赤みあるいは青
みの強さの度合いを表す。
【0038】また、本実施例においては、入力された内
視鏡画像の観察状況が、通常観察画像(以下、通常画
像)、染色剤散布観察画像(以下、染色画像)、通常画
像及び染色画像のいずれでもない画像(その他画像)の
3つに分類し、それぞれに対して適応的にモード1,2
及び3を選択・適用する。
【0039】さらに、適用する処理のモード1,2及び
3の選択は、定期的あるいは任意の時点において更新さ
れるものとする。
【0040】なお、本実施例においては青系の染色剤
(例えばインジゴカルミン、メチレンブルー)が散布さ
れた画像を染色画像として取り扱う。また、その他画像
とは、本来は通常画像あるいは染色画像であっても、色
ずれの発生、内視鏡本体あるいは処置具鉗子等の映り込
みが存在する画像も含むものとする。
【0041】また、本実施例においては、変換/逆変換
行列設定回路57は、強調処理適用時においては3次元
正則行列である座標軸変換行列A及び座標逆変換行列A
-1をそれぞれ座標軸変換回路53及び座標軸逆変換回路
55に対して出力するものとする。
【0042】この座標軸変換行列Aは、以下に示すよう
に決定される。座標軸変換行列Aを用いた、R,G及び
B画像データをu,v及びw画像データへの変換は、式
(1)により表される。
【0043】
【数1】 ただし、式(1)において、
【数2】 である。
【0044】また、ri,gi及びbiは入力される画
像データにおけるi番目の画素のR,G及びB画像デー
タの値を示す。また、ui,vi及びwiは変換後の
u,v及びw画像データのi番目の画素のu,v及びw
画像データの値を示す。
【0045】一般に、通常画像においては、R画像デー
タは大域的な明暗の変動を構成する成分が主として含ま
れている。一方、注目する構造成分すなわち強調対象と
する構造成分を構成する成分は、G及びB画像データに
多く含まれている。
【0046】また、青系の色素を散布した染色画像にお
いては、R画像データにおいても強調対象とすべき成分
が含まれるようになる。
【0047】そこで、u画像データを主としてG及びB
画像データによる成分、v画像データに主としてR画像
データによる成分による変換データとし、通常画像に対
する強調処理適用においてはu画像データを、染色画像
に対する強調処理適用においてはu及びv画像データを
それぞれ強調し、強調しない画像データに対してはノイ
ズ抑制処理を適用することにより、画像に適応した良好
な強調処理結果を得ることが可能となる。
【0048】また、その他画像に対しては、本実施例に
おいてはu,v及びw画像データすべてを強調するもの
とする。
【0049】具体的には、式(1)における座標軸変換
行列Aの要素a11ないしa33を、例えば式(3)に
示すものに設定すればよい。
【0050】
【数3】 u画像データを構成する座標軸(要素a11,a12及
びa13により決定)を主としてG及びB画像データを
多く含む方向に、それと直交し、v画像データを構成す
る座標軸(要素a21,a22及びa23により決定)
をR画像データを多く含む方向に、さらに前記2つの方
向と直交する方向にw画像データを構成する座標軸(要
素a31,a32及びa33により決定)を定める。
【0051】また、式(4)に示すように、座標軸逆変
換行列A-1は、A・A-1=I(ただし、Iは3次元正則
行列である単位行列)となる、座標軸変換行列Aの逆行
列を用いる。
【0052】
【数4】 また、強調処理非適用時においては、3次元正則行列で
ある単位行列Iを座標軸変換回路53及び座標軸逆変換
回路55双方に出力する。また、強調処理非適用時にお
いては、フィルタ設定回路58は図5に示す、全周波数
帯域に渡り1.0の周波数伝達特性を備えるフィルタF
tru、すなわち入力信号における周波数成分に対して
何もしないフィルタを出力するものとする。強調処理適
用または非適用の認識は、制御回路52における制御に
より行う。
【0053】まず、本実施例におけるモード決定回路5
9及びフィルタ設定回路58の動作について説明する。
【0054】図6は本実施例におけるモード決定回路5
9及びフィルタ設定回路58の動作であるパラメータ設
定処理を説明するためのフローチャートである。
【0055】図6においては、ステップS1の画像取り
込み処理はRAM51において、ステップS2ないしS
5のサンプリング処理、明部画素除外処理、暗部画素除
外処理及び強調モード決定処理はモード決定回路59に
おいて、ステップS6のフィルタ設定処理はフィルタ設
定回路58においてそれぞれ実行される。
【0056】また、本実施例における強調処理は、パラ
メータ設定処理を時系列的に入力される画像に対し毎フ
レームごとあるいは例えば0.1秒おきに適用すること
により、処理のパラメータの更新を行う。さらに、例え
ば情報入力装置41による入力情報に応じて任意の時点
で処理のパラメータの更新を行うようにしてもよい。
【0057】図6において、まずステップS1でデータ
変換回路60a,60b及び60cを介して入力された
動画像1フレーム分のR,G及びB画像データをRAM
51に取り込む。
【0058】次に、ステップS2においては、モード決
定回路59において、RAM51に取り込んだR,G及
びB各画像データ中のm1個の画素P1(r1,g1,
b1)、……、Pn(rml,gml,bml)をサン
プリングする。ただし、m1は1以上の整数である。
【0059】図7にステップS2におけるサンプリング
のm1=9の場合における画像Jを示す。つまり、ステ
ップS2では、図7に示す画像Jにおける9点のR,G
及びB画像データをそれぞれR1(r1,g1,b
1,)、P2(r2,g2,b2)、……、P9(r
9,g9,b9)としてサンプリングする。
【0060】さらに、1フレームあたりm1画素のサン
プリングを、動画像において時系列的に入力されるm2
フレームについて実施することにより、ノイズ等による
誤情報に対しても安定的な動作が実現可能となる。ただ
し、m2は1以上の整数である。具体的には、図8に示
すような大きさm2×m1×3の3次元配列Smp
(i,j,k)を用意する。配列Smp(i,j,k)
の各要素は、i番目のフレームのj番目のサンプリング
画素に対応し、k=1がR、k=2がG、k=3がBの
値を格納するものとする。したがって、m2フレーム分
のm1個のサンプリング画素のR,G及びBの各値を、
配列Smp(i,j,k)を参照することにより使用す
ることができる。ただし、ここでは、最新のサンプリン
グを実施したフレーム番号をm2とし、i=1に対応す
るフレームが最も以前のサンプリング実施フレームであ
るものとする。
【0061】また、新たな1フレームに対するサンプリ
ング実施時においては、配列Smp(i,j,k)にお
いて最も以前のフレームとなるSmp(1,j,k)の
値を消去する。具体的には、i=1,2,……,m2−
1において、代入処理Smp(i,j,k)=Smp
(i+1,j,k)を実施し、配列Smp(i,j,
k)の要素のシフトを行えばよい。最新フレームにおけ
るサンプリング画素は配列要素Smp(m2,j,k)
に格納する。
【0062】さらに、m2フレームのサンプリング画素
を得るにあたり、時系列的に入力される連続したm2フ
レームではなく、例えば5フレームおきといったよう
に、時間的間隔を開けてm2フレーム分のデータを得て
もよい。
【0063】以上の説明より、合計n=m1×m2個の
サンプリング画素についてステップS3以後の処理を適
用することとなる。
【0064】続いて、ステップS3において、内視鏡画
像中に発生する極端な明部からサンプリングした画素を
ステップS4以後の処理対象から除外する処理をモード
決定回路59において適用する。
【0065】一般に、ハレーション等による極端な明部
に含まれる画素は色調を判定するのに適切ではない。
【0066】図9は、図6のステップS3における明部
画素除外処理の例を説明するためのフローチャートであ
る。図6のステップS3においては、図9に示すステッ
プS22ないしステップS28における処理を、サンプ
リング画素数であるn回繰り返す。
【0067】まず、ステップS21で図6のステップS
3における処理により除外されないサンプリング画素数
をカウントする変数n1及びn回の処理の繰り返しをカ
ウントする変数iをそれぞれ1に初期化する。
【0068】続いて、サンプリング画素Pi(ri,g
i,bi)に対してステップS22ないしS24におい
て閾値THR,THG及びTHBとの比較を適用し、r
i,giまたはbiのすべてが閾値以上の値を有してい
ればステップS27に進む。一方、ri,gi及びbi
のいずれかが閾値未満の値を有していれば、ステップS
25に進む。ステップS25においては、除外されなか
った画素を新たにPn1と置き直す。続いてステップS
26においてn1をn1+1としてステップS27に進
む。
【0069】ステップS27においては、繰り返し回数
がサンプリング画素数nに達したかどうかを判定し、i
≠nであればステップS28に、i=nであればステッ
プS29に進む。
【0070】ステップS28においてはi=i+1とし
て、ステップS22に戻る。
【0071】ステップS29においてはn1=n1−1
とすることにより、n1をステップS3における明部画
素除外処理において除外されなかった画素数に合致さ
せ、図6におけるステップS4へと進む。
【0072】続いて、図6のステップS4において、内
視鏡画像中に発生する極端な暗部からサンプリングした
画素をステップS4以降の処理対象から除外する処理を
モード決定回路59において適用する。
【0073】一般に、光量不足による遠景等の極端な暗
部に含まれる画素は色調を判定するのに適切ではない。
【0074】図10は図6のステップS4における暗部
画素除外処理の例を説明するためのフローチャートであ
る。図6のステップS4においては、図10に示すステ
ップS32ないしステップS38における処理を、図6
のステップS3における明部画素除外処理で除外されな
かったサンプリング画素数であるn1回繰り返す。
【0075】まず、ステップS31で図6のステップS
4における処理により除外されないサンプリング画素数
をカウントする変数n2及びn1回の処理の繰り返しを
カウントする変数iをそれぞれ1に初期化する。
【0076】続いて、サンプリング画素Pi(ri,g
i,bi)に対してステップS32ないしS34におい
て閾値TLR,TLG及びTLBとの比較を適用し、r
i,giまたはbiのすべてが閾値以下の値を有してい
ればステップS37に進む。一方、ri,gi及びbi
のいずれかが閾値を超える値を有していれば、ステップ
S35に進む。ステップS35においては、除外されな
かった画素を新たにPn2と置き直す。続いてステップ
S36においてn2をn2+1としてステップS37に
進む。
【0077】ステップS37においては、繰り返し回数
がサンプリング画素数n1に達したかどうか判定し、i
≠n1であればステップS38に、i=n1であればス
テップS39に進む。
【0078】ステップS38においてはi=i+1とし
て、ステップS32に戻る。
【0079】ステップS39においてはn2=n2−1
とすることにより、n2をステップS4における暗部画
素除外処理において除外されなかった画素数に合致さ
せ、図6におけるステップS5へと進む。
【0080】図6において、ステップS5では、ステッ
プS3における明部画素除外処理及びS4における暗部
画素除外処理を経て除外されなかったn2個のサンプリ
ング画素に基づく強調モード決定処理をモード決定回路
59において適用する。
【0081】図11は、図6のステップS5における強
調モード決定処理の詳細を説明するためのフローチャー
トである。
【0082】まず、図11のステップS41において、
ステップS42ないしステップS47までの一連の処理
をn2回繰り返すためのカウントを行うための変数iの
値を1に、後に詳述するモード1,2及び3のいずれか
を決定するためのカウンタCnt1,Cnt2及びCn
t3の値を0にそれぞれ初期化する。
【0083】次に、ステップS42において、画素Pi
(ri,gi,bi)における色調を判定するためのパ
ラメータx及びyを算出する。パラメータx及びyは、
例えば以下に示す説明のように算出する。
【0084】内視鏡画像における画素のR,G及びB画
像データの値は、一般に通常画像ではR画像データの値
がG及びB画像データの値に対して大きい。また、染色
画像における画素のR,G及びB画像データの値の相違
は通常画素のR,G及びB画像データの相違と比較して
小になる。これは、R画像データにおいて染色剤の吸収
が顕著であることによるものである。したがって、入力
された内視鏡画像が通常または染色画像のいずれである
かは、サンプリングした画素におけるG及びB画像デー
タに対するR画像データの比、すなわち色調に基づくパ
ラメータにより決定すればよい。
【0085】サンプリングした画素P(r,g,b)に
おける色調を表すパラメータとしては、g/r,b/
r,log(g/r),log(b/r),atan
(g/r),atan(b/r)等、種々が考えられ
る。ただし、atanはtan-1を表すものとする。
【0086】本実施例においては、atan(g/r)
及びatan(b/r)を用い、ステップS42におい
てパラメータx及びyを決定することとする。
【0087】パラメータx及びyの算出に関するより具
体的な実現手段としては、表1に示すように、例えばa
tan(v1/v2)の値を、0≦v1≦255及び、
0≦v2≦255において2次元の配列table1
(v1,v2)として用意しておけばよい。
【0088】
【表1】 なお、一般にatan(v1/v2)においては、0≦
atan(v1/v2)<90を満たす範囲の実数値を
とるが、本実施例においては処理の簡単化のため、前記
範囲を90分割した近似値を適用する。例えば、小数点
第1位における四捨五入によりatan(v1/v2)
の値を0,1,2,……,89のそれぞれに離散化して
おく。
【0089】ステップS42において画素Pi(ri,
gi,bi)に基づいてx=table1(bi,r
i)及びy=table1(gi,ri)を求めればよ
く、処理の高速化を実現することが可能となる。ri=
0の場合については、table1(v1,0)=0と
する等の例外処理を適用すればよい。
【0090】続いて、ステップS43において、ステッ
プS42で算出したパラメータx及びyに基づき、画素
Pi(ri,gi,bi)が通常画像、染色画像及びそ
の他画像のいずれから発生したものであるかを判定する
処理を適用する。
【0091】一般に、atan(v1/v2)は、v1
>0かつv2>0の条件の下で0≦atan(v1/v
2)<90の値をとる。また、パラメータx及びyの
値、すなわちatan(gi/ri)及びatan(b
i/ri)の値は、riの値に対してgi及びbiの値
が大であるほど大きい。したがって、通常画像及び染色
画像における画素のとり得るパラメータx及びyの範囲
の概念を、パラメータx及びyのとり得る範囲の2次元
領域に示せば、例えば図12に示すようなものになる。
【0092】図12においては、パラメータx及びyの
とり得る範囲の領域は領域1,領域2及び領域3で示す
3つの領域に分割されている。図12において、領域1
はサンプリング画素Pが通常画像からサンプリングされ
た場合に高い頻度で分布する範囲、領域2はサンプリン
グ画素Pが染色画像からサンプリングされた場合に高い
頻度で分布する範囲を示している。また、領域3はサン
プリング画素Pが、通常画像、染色画像のいずれからサ
ンプリングされた場合においても比較的低い頻度で分布
する範囲あるいはほとんど分布しない範囲を示してお
り、例えば内視鏡画像において発生する色ずれ領域の画
素等が含まれる。また、サンプリング画素Pが青系以外
の染色剤(コンゴレッド、ルゴール等)が散布された画
像からサンプリングされた場合にも領域3で示される範
囲に分布する場合がある。
【0093】したがって、サンプリング画素Pにおける
パラメータx及びyが図12における領域1,領域2及
び領域3で示される領域のいずれに属するかを調べるこ
とにより、画素P(r,g,b)が通常画像、染色画像
及びその他画像のいずれから発生したものであるかを判
定することが可能となる。
【0094】続いて、サンプリング画素Piが通常画
像、染色画像及びその他画像のいずれから発生したもの
であるかを判定する処理の詳細について説明する。
【0095】図11のステップS43においては、ステ
ップS42において算出したパラメータx及びyに対
し、サンプリング画素Piが通常画像、染色画像及びそ
の他画像のいずれから発生したものであるかを示す値で
ある、表2を参照した値を変数stateに代入する処
理を適用する。
【0096】
【表2】 表2は、0ないし89の範囲に含まれる整数x及びyに
関する2次元の配列table2(x,y)である。表
2に示した配列table2(x,y)の各要素には、
図12において示した領域1,領域2及び領域3にそれ
ぞれ対応する値として、変数stateに1,2または
3のいずれかを代入しておく。配列table2(x,
y)の各要素に値1,2及び3のいずれを代入するか
は、図12において座標(x,y)に対応する点が領域
1,領域2及び領域3のいずれに属するかによればよ
い。
【0097】続いて、図11のステップS44におい
て、ステップS43において得られた変数stateの
値が1であるかどうかを判定する。変数stateの値
が1であることは、サンプリング画素Piは通常画像か
ら発生したものである確率が高いことを示している。変
数stateの値が1であればステップS49に進み、
カウンタCnt1の値をCnt1+1とし、ステップS
47に進む。
【0098】ステップS44において変数stateの
値が1でないと判定された場合には、ステップS45に
進む。ステップS45においては、変数stateの値
が2であるかどうかを判定する。変数stateが2で
あることは、サンプリング画素Piは染色画像から発生
したものである確率が高いことを示している。変数st
ateの値が2であればステップS50に進み、カウン
タCnt2の値をCnt2+1とし、ステップS47に
進む。ステップS45において変数stateの値が2
でないと判定された場合には、ステップS46に進む。
【0099】ステップS46においては、ステップS4
4及びS45における変数stateの値に対する判定
が1及び2でないことが、変数stateの値が3であ
ることと同様であるため、カウンタCnt3をCnt3
+1とし、ステップS47に進む。
【0100】ステップS47においては、ステップS4
2ないしステップS50における一連の処理が、処理対
象であるすべてのサンプリング画素P1ないしPn2に
対して適用されたかどうかを変数iとn2との比較によ
り判定する。i≠n2であれば、ステップS48に進
み、iをi+1としてステップS42に戻る。
【0101】ステップS47においてi=n2と判定さ
れれば、ステップS51に進む。
【0102】ステップS51においては、カウンタCn
t3の値が閾値T3以上であるかどうかを判定する。カ
ウンタCnt3の値が閾値T3以上であれば、ステップ
S55に進み、図6におけるステップS5の処理結果と
して強調モードを表す変数modeにその他画像に対す
る強調処理であるモード3を実施することを示す値3を
代入し、図6におけるステップS6に進む。
【0103】ステップS51においてカウンタCnt3
の値が閾値T3未満であると判定された場合には、ステ
ップS52に進む。
【0104】ステップS52においては、カウンタCn
t2の値が閾値T2以上であるかどうかを判定する。カ
ウンタCnt2の値が閾値T2以上であれば、ステップ
S56に進み、図6におけるステップS5の処理結果と
して強調モードを表す変数modeに染色画像に対する
強調処理であるモード2を実施することを示す値2を代
入し、図6におけるステップS6に進む。
【0105】ステップS52においてカウンタCnt2
の値が閾値T2未満であると判定された場合には、ステ
ップS53に進む。
【0106】ステップS53においては、カウンタCn
t1の値が閾値T1以上であるかどうかを判定する。カ
ウンタCnt1の値が閾値T1以上であれば、ステップ
S57に進み、図6におけるステップS5の処理結果と
して強調モードを表す変数modeに通常画像に対する
強調処理であるモード1を実施することを示す値1を代
入し、ステップS58に進み図6におけるステップS6
に進む。
【0107】ステップS53においてカウンタCnt1
の値が閾値T1未満であると判定された場合には、ステ
ップS54に進む。
【0108】ステップS54においては、ステップS5
1ないしステップS53における処理の適用において、
モード1ないし3のいずれに対する判定結果も得られな
かった場合のために、強調モードを表す変数modeに
判定保留を表す値0を代入し、ステップS58に進み図
6におけるステップS6に進む。
【0109】なお、閾値T1,T2及びT3の値は、あ
らかじめ定めた値を用いればよく、例えばサンプリング
画素数nに対してそれぞれ50%、30%及び60%等
に相当する値に設定する。この例では、すべてのサンプ
リング画素において、染色画像から発生した可能性が高
い画素の割合が30%を超えれば入力された画像データ
は染色画像と判定し、モード2を適用することになる。
【0110】また、閾値T1,T2及びT3の値を、図
6におけるステップS3及びS4における処理の適用に
よって除外されなかったサンプリング画素数n2に対し
て決定してもよい。
【0111】図6のステップS6は、モード決定回路5
9より処理される。ステップS5における処理の適用後
得られた変数modeの値に基づき、フィルタリング回
路54a,54b及び54cにおいてそれぞれ用いるフ
ィルタF1,F2及びF3の設定をフィルタ設定回路5
8において行う。フィルタF1,F2及びF3は、それ
ぞれu,v及びw画像データに対して適用される。
【0112】なお、modeに対して判定保留を示す値
0が代入された場合には、u,v及びw画像データに対
して、前回のパラメータ設定処理において適用している
フィルタF1,F2及びF3をそれぞれ変更しないもの
とすればよい。
【0113】図13は本実施例においてフィルタリング
回路54a,54b及び54cで適用するフィルタFe
及びノイズ抑制フィルタFnrの周波数伝達特性の概要
を示す説明図である。
【0114】フィルタFeは注目する構造成分を構成す
る周波数帯域を強調する周波数伝達特性を備える(以
下、このようなフィルタを強調フィルタとする)。ま
た、フィルタFnrはノイズ成分が増加する高周波帯域
に近づくにしたがって周波数成分を抑制する周波数伝達
特性を備える(以下、このようなフィルタをノイズ抑制
フィルタとする)。
【0115】本実施例におけるステップS6の処理にお
いては、フィルタF1,F2及びF3として上記フィル
タFe及びFnrのいずれかを選択し、適用するものと
する。
【0116】具体的には、モード1の場合には、フィル
タF1としてフィルタFe,フィルタF2及びF3とし
てフィルタFnrを選択・適用する。また、モード2の
場合は、フィルタF1及びF2としてフィルタFe、フ
ィルタF3としてフィルタFnrを選択・適用する。モ
ード3の場合には、フィルタF1ないしF3としてフィ
ルタFeを選択・適用する。
【0117】以上説明した図6におけるステップS1な
いしS6による一連の処理から構成されるパラメータ設
定処理を経て設定されたフィルタF1ないしF3は、そ
れぞれフィルタリング回路54a,54b及び54cに
対して出力され、u,v及びw画像データに対し適用す
るフィルタとして用いられる。
【0118】なお、ステップS43において使用した、
領域1,領域2及び領域3(図12参照)を判定するた
めの表2は、以下の説明に示す処理によりあらかじめ作
成しておく。
【0119】図14ないし図18は、本実施例における
表2の作成方法を説明するためのフローチャートであ
る。
【0120】はじめに、図14及び図15を参照して、
表2における領域1を示す値1の設定方法を説明する。
【0121】図14において用いられる変数temp3
(x,y)は、大きさ90×90の2次元配列であり、
各要素の番地x及びyはそれぞれ表2の配列table
2(x,y)の番地x及びyに対応している。
【0122】以下の説明においては、temp3(x.
y)の各要素の値はすべて0に初期化した上で、図14
における各ステップの処理を適用するものとする。ま
た、表2のすべての要素に対しては、通常領域及び染色
領域のいずれでもないその他領域であることを示す値3
を初期値として代入しておくものとする。
【0123】まず、s枚(sは1以上の整数)の通常画
像と判定されるべき内視鏡静止画像である、画像Sj
(j=1,2,……,s)を用意する。各画像Sjは、
R,G及びB画像データから構成されるサイズISX×
ISYのカラー画像であり、γ補正は除去されているも
のとする。
【0124】図14に示すように、はじめに、ステップ
S61において、用意したs枚の画像の中から何枚目の
画像を処理しているかを示す変数jを1に、s枚の画像
において、後述するステップS63及びS64での明部
画素及び暗部画素除外処理を経て除外されなかった画素
数をカウントする変数n3を0に初期化する。
【0125】次いで、ステップS62において、画像S
jにおいて何画素目を処理しているかを示す変数iを1
に初期化する。
【0126】次に、用意した各画像Sjにおける各画素
Pi(i=1,2,……,N1)、(ただしN1はIS
X×ISY)のR,G及びB画像データ、ri,gi及
びbiに関し、ステップS3及びS4において詳細に説
明した明部画素除外処理及び暗部画素除外処理をそれぞ
れステップS63及びS64において適用する。
【0127】ステップS63における明部画素除外処理
において、画素Piが除外すべき画素、すなわちPi=
明部画素と判定された場合には、後述するステップS6
8へと進む。そうでなければ、続くステップS64へと
進む。
【0128】ステップS64における暗部画素除外処理
において、画素Siが除外すべき画素、すなわちPi=
暗部画素と判定された場合には、後述するステップS6
8へと進む。そうでなければ、続くステップS65へと
進む。
【0129】明部画素及び暗部画素として除外されなか
った画素Piに対しては、ステップS65においてxi
=table1(bi,ri)及びyi=table1
(gi,ri)を算出し、続くステップS66へと進
む。なお、ステップS65において使用するtable
1(x,y)は、図11のステップS42において説明
した処理で算出されたものと同様のものである。
【0130】ステップS66においては、ステップS6
3及びS64における明部画素及び暗部画素除外処理に
おいて除外されなかった画素数をカウントする変数n3
をn3+1とし、ステップS67へと進む。
【0131】次いで、ステップS67においてtemp
3(xi,yi)の値をtemp3(xi,yi)+1
とする。
【0132】ステップS68においては、ステップS6
3ないしS67における一連の処理を画像Sjにおいて
処理対象とする画素数N1に相当する回数分繰り返され
たか否かを判定する。判定結果がnoであればステップ
S70においてiをi+1と置き換え、ステップS63
へと戻る。
【0133】ステップS68における判定結果がYes
であれば、ステップS69に進み、s枚すべての画像に
対してステップS62ないしステップS70における一
連の処理を適用したか否かを判定する。判定結果がNo
であれば、ステップS71に進み、jをj+1としてス
テップS62へと戻る。
【0134】ステップS69の判定結果がYesであれ
ば、図15のステップS72へと進む。
【0135】図15に示すように、ステップS72及び
S73においては、ステップS74ないしS81におけ
る一連の処理を、2次元の配列table2(x,y)
(表2参照)の大きさである90×90回分繰り返すた
めの2重ループを実現するための変数x及びyをそれぞ
れ0に初期化する。
【0136】ステップS74においては、s枚のすべて
の画像Sjにおける画素により作成したtemp3
(x,y)の要素を処理対象として使用した画素数n3
で除することにより、通常画像における画素の色調の発
生確率に相当する値を算出する。
【0137】続いて、ステップS75において、tab
le2(x,y)に対して領域1(図12参照)に対応
する値である1を代入するか否かを示す判定を実施す
る。これは、例えばあらかじめ定めておいた閾値Ts
(例えば、Ts=0.010)とtemp3(x,y)
の要素の値との比較を実施する。
【0138】temp3(x,y)≧Tsであれば、続
くステップS76において、対応する配列table2
(x,y)に対して領域1であることを示す値1を代入
する。この例では、ステップS75における分岐条件を
temp3(x,y)≧0.010とすることにより、
処理対象とした画素の総数の1%がtable2(x,
y)の番地に対応する色調に分布したことを示す。
【0139】したがって、ステップS75における判定
結果がYesであれば、続くステップS76へと進み、
temp3(x,y)に対応するtable2(x,
y)に1を代入し、ステップS77へと進む。
【0140】ステップS75における判定結果がnoで
あれば、ステップS77へと進む。
【0141】ステップS77においては、ステップS7
4ないしステップS76における一連の処理が90回繰
り返されたか否かを判定する。判定結果がNoであれ
ば、ステップS81へと進み、xをx+1としてステッ
プS74に戻る。
【0142】ステップS77における判定結果がyes
であれば、ステップS78へと進む。
【0143】ステップS78においては、ステップS7
3ないしステップS81における一連の処理が90回繰
り返されたか否かを判定する。判定結果がNoであれ
ば、ステップS80へと進み、yをy+1としてステッ
プS73に戻る。
【0144】ステップS78における判定結果がYes
であれば、図14及び図15における一連の処理を終了
する。
【0145】次に、図16ないし図18を参照して、t
able2(x,y)における領域2を示す値2の設定
方法を説明する。
【0146】図16においてステップS91ないしS1
01は、図14におけるステップS61ないしS71に
各々対応する処理と同じであるので説明は省略する。
【0147】ただし、図16におけるtemp4(x,
y)は、図14におけるtemp3(x,y)に対応す
る大きさ90×90の2次元配列であり、各要素の番地
x及びyはそれぞれ配列table2(x,y)の番地
x及びyに対応している。
【0148】以下の説明においては、temp4(x,
y)の各要素の値はすべて0に初期化した上で、図14
における各ステップの処理を適用する。
【0149】また、table2(x,y)のすべての
要素に対しては、通常領域及び染色領域のいずれでもな
いその他領域であることを示す値3を初期値として代入
後、さらに図14における各処理を経て領域1を示す値
1を代入がなされているものとする。
【0150】なお、図16における処理における変数n
4は、図14における変数n3に対応する。
【0151】まず、t枚(tは1以上の整数)の通常画
像と判定されるべき内視鏡静止画像である、画像Tj
(j=1,2,……,t)を用意する。各画像Tjは
R,G及びB画像データから構成されるサイズISX×
ISYのカラー画像であり、γ補正は除去されているも
のとする。
【0152】ステップS91ないしS101における一
連の処理適用後、temp4(x,y)における各要素
には、用意したt枚の染色画像において発生した色調分
布に応じた画素数が格納されている。
【0153】ところで、染色画像においては、染色剤の
散布にも関わらず粘膜上の粘液等により染色されない部
位が発生する。これらの画素は通常画像から発生した画
素と分類されるべき色調を備えているため、染色画像に
よる画素の分布を表す領域2を構成するデータとしては
不適切である。
【0154】そこで、temp4(x,y)及び前述の
一連の処理により作成したtemp3(x,y)とにお
ける各要素間の差分としてtemp4(x,y)=te
mp4(x,y)−temp3(x,y)を算出する。
この差分演算適用後のtemp4(x,y)の各要素に
おいては、染色画像において染色剤が吸収されたことに
より発生した色調、すなわち通常画像中においては発生
頻度が小である色調に関する分布情報が多く含まれてい
ることになる。
【0155】次に、temp4(x,y)における各要
素の総和が1.0となるように正規化し、閾値Tt以上
の値を持つtemp4(x,y)に対応するtable
2(x,y)の値を領域2であることを表す値2とす
る。
【0156】具体的には、図16のステップS102に
おいて後述する図17のステップS116での正規化を
実施するための変数totalを0に初期化する。
【0157】次いで、図17に示すように、2重ループ
を実現するための変数x及びyをそれぞれステップS1
04及びS103において0に初期化する。
【0158】ステップS105においては、図14にお
けるステップS74に対応する処理を適用する。
【0159】さらに、ステップS106において、前述
の差分演算temp4(x,y)=temp4(x,
y)−temp3(x,y)を適用する。
【0160】ステップS107においてはステップS1
06における差分演算の適用後のtemp4(x,y)
の値が0未満であるか否かを判定する。判定結果がye
sであれば、続くステップS108へと進み、temp
4(x,y)=0としてステップS109へと進む。
【0161】ステップS107における判定結果がNo
であれば、ステップS109に進む。ステップS109
においては、得られたtemp4(x,y)の値をto
talに加算する。
【0162】次いで、ステップS105ないしS109
における一連の処理を繰り返すための2重ループを構成
するための処理であるステップS110ないしステップ
S113を経て、図18のステップS114へと進む。
【0163】図18のステップS115及びステップS
114においては、それぞれステップS104及びS1
03と同様に2重ループを実現するための変数x及びy
をそれぞれ初期化する。
【0164】ステップS116においては、temp4
(x,y)をtotalで除算する。この処理を適用す
ることにより、temp4(x,y)における各要素の
値の合計が1となるため、各要素の値は染色画像におけ
る色調の発生確率を表す値と考えることが可能となる。
【0165】続いて、ステップS117において、ta
ble2(x,y)に対して領域2に対応する値である
2を代入するか否かを示す判定を実施する。これは、例
えばあらかじめ定めておいた閾値Tt(例えば、Tt=
0.010)とtemp4(x,y)の要素の値との比
較を実施する。temp4(x,y)≧Ttであれば、
続くステップS118において、対応する配列tabl
e2(x,y)に対して領域(2)であることを示す値
2を代入する。この例では、ステップS117における
分岐条件をtemp4(x,y)≧0.010とするこ
とにより、処理対象とした画素の総数の1%がtabl
e2(x,y)の番地に対応する色調に分布したことを
示す。
【0166】したがって、ステップS117における判
定結果がYesであれば、続くステップS118へと進
み、temp4(x,y)に対応するtable2
(x,y)に2を代入し、ステップS119へと進む。
【0167】ステップS117における判定結果がNo
であれば、ステップS119へと進む。
【0168】次いで、ステップS116ないしS118
における一連の処理を繰り返すための2重ループを構成
するための処理であるステップS119ないしステップ
S122を経て、table2(x,y)の作成処理を
終了する。
【0169】以上詳細に説明したように、第1実施例に
よれば、入力された内視鏡画像中の画素の色調に基づき
観察状況を判定し、通常画像及び染色画像それぞれに最
適な強調処理を選択・適用することが可能となる。
【0170】また、本実施例における各動作はすべて実
現容易なものであるため、動画像に対する処理の適用に
関する処理速度あるいはハードウェア構成においてはな
んら問題はなく、処理のハードウェア化における低コス
ト化が実現される。
【0171】また、本実施例における各動作の一部ある
いはすべてをソフトウェアによる処理により実現しても
よい。
【0172】なお、本実施例においては、判定する処理
のモードとして通常画像、青色系の染色画像及びその他
の画像について説明したが、さらに異なるモードの導入
についても容易に拡張が可能である。例えば、赤色系の
染色剤(例えばコンゴレッド)に対するモードを設定す
るならば、table2(x,y)において赤色系染色
剤による染色画素が多く分布する色調にあたる要素の値
に対応する値(例えば4)を代入しておく。対応するモ
ードへの切り換えのためには、図11を参照して詳細に
説明したモード決定処理において新たなモードについて
追加実施すればよい。
【0173】また、本実施例においてはtable1
(x,y)においてパラメータx及びyがそれぞれとり
得る値の範囲である0以上90未満の値の範囲を90分
割したが、これは例えば45分割あるいは180分割と
いうように任意の決定が可能である。その場合には、t
able2(x,y)、temp3(x,y)、tem
p4(x,y)等の配列の大きさを分割数に応じた値に
変更すればよい。
【0174】さらに、本実施例においては、座標軸変換
行列及び座標軸逆変換行列を固定的に用いた強調処理に
ついて説明したが、これに限定されるものではない、例
えば、通常画像及び染色画像それぞれにより適した座標
軸変換行列及び座標軸逆変換行列を個別に用意してお
き、図11におけるモード決定処理の結果に応じて適宜
選択すればよい。
【0175】また、本実施例において説明した通常、染
色及びその他画像以外の画像(例えば青色系以外の染色
剤散布画像)に対応するモードを設定し、そのモードに
おける処理の適用時に専用に使用する座標軸変換行列及
び座標軸逆変換行列を用意していてもよい。
【0176】次に第2実施例について説明する。図19
及び図20は本発明の第2実施例に係わり、図19は調
色機能を説明するための説明図、図20は図19の調色
機能における色調パラメータによる2次元領域分布を説
明する説明図である。第2実施例は第1実施例とほとん
ど同じであるので異なる点のみ説明する。
【0177】第1実施例においては、入力された内視鏡
画像中の画素の色調に基づき観察状況をモード判定回路
59において判定し、処理の内容を制御する強調処理に
ついて説明した。すなわち、通常画像及び染色画像にお
ける画素がそれぞれ高頻度で分布する色調範囲を示すt
able2(x,y)を用意しておき、サンプリングし
た各画素の分布状態からモード1,2ないし3を選択す
るものである。
【0178】一方、図1に示す信号処理部7Bにおいて
は、観察画像の色調を観察者の好みに一致させるための
調色機能が備えられている場合がある。これは、図2に
おけるプロセス回路33において、R,G及びB画像デ
ータに対し各々係数を乗ずることにより実現される。こ
の調色機能として、例えばR及びBをそれぞれ増減の各
方向に調整可能であるものとすれば、「非常に青みがか
った通常画像」あるいは「赤が強めの染色画像」が発生
することとなる。table2(x,y)においては、
前者は本来領域1に分布すべきものが領域2あるいは領
域3に、後者は本来領域2に分布すべきものが領域1あ
るいは領域3に分布し、結果として誤判定を生ずる原因
となり得る。
【0179】そこで、第2実施例では、モード決定回路
59において複数のtable2(x,y)を用意し、
調色によるホワイトバランスの変化に応じて1つを選択
し、適用することにより前述した誤判定の防止を図るこ
とを可能とする。
【0180】図19に示すように、内視鏡を用いる観察
装置7における調色機能能として、R及びB画像データ
をそれぞれ独立に±4段階に設定可能であり、+方向で
増幅、一方向で抑制することができる。図19に示す調
色機能においては、R及びB画像データに対して、それ
ぞれカーソル移動部63及び64を操作することによ
り、調色設定部61及び62の設定を行う。
【0181】なお、図19においては、設定状況の例と
して調色設定部61及び62はそれぞれ斜線部で示した
+3及び−2に設定されているものとする。この場合、
R及びBの画像データはそれぞれ増幅及び抑制されるた
め、図12で示した色調パラメータによる2次元領域分
布は、例えば図20に示すようなものとなる。
【0182】各調色設定段階においては、図1に示した
プリアンプ32を経てプロセス回路33に入力されるR
及びBの原信号に対し、表3に示す係数Wを乗ずること
により、調色機能を実現する。
【0183】
【表3】 また、設定が0であれば乗ずる係数Wは1となり、原信
号がそのままA/Dコンバータ34に対して出力され
る。以後の説明においては、調色機能の設定がR及びB
に対して例えばそれぞれ+3及び−2であれば、〔+
3,−2〕と示すこととする。
【0184】図19に示した調色機能の例においては、
R及びBの設定状態に応じて、9×9=81通りの場合
が考えられる。したがって、第1実施例において図14
ないし図18を用いて詳細に説明したtable2
(x,y)の作成を、81通りの各調色設定状況におい
て得られた内視鏡画像に対して適用し、table2−
k(x,y)を作成する。ただし、k=1,2,……,
81とする。表4はR及びBの調色設定状況とkとの対
応を示す表である。kの値は表4に示すように1ないし
81の番号で各設定状況に対応しているものとする。
【0185】
【表4】 81個のtable2−k(x,y)を作成するにあた
っては、各調色設定状況において撮像された内視鏡画像
を用意し、図14ないし図18において説明した一連の
処理を適用すればよい。また、設定〔0,0〕で撮像さ
れた画像に対して表3で示した係数WをR及びB画像デ
ータに対して乗じた擬似調色画像を作成し、図14ない
し図18において説明した一連の処理を適用してもよ
い。
【0186】調色状況に応じて用意した複数のtabl
e2−k(x,y)の中から、いずれかを選択・適用す
る方法については、以下に示す処理により実現可能であ
る。
【0187】まず、調色設定状況を、プロセス制御回路
50からのプロセス制御情報から察知あるいは情報入力
装置41より入力し、表4を参照することにより決定す
ればよい。
【0188】例えば、設定状況が〔−2,+1〕であれ
ば、k=48すなわちtable2−48を使用するこ
とになる。
【0189】以上説明したように、本実施例によれば、
第1実施例の効果に加え、調色状況に対応した複数のt
able2−k(x,y)を用意し、選択・適用するこ
とにより、安定して処理モードを決定することが可能と
なる。
【0190】また、すべての設定状況に応じた数のta
ble2(x,y)を用意するのではなく、類似の色調
設定ごとのブロック分けを行い、各ブロックごとに使用
するtable2(x,y)を決定してもよい。表5は
表4において示した例に対し、このようなブロック分け
を適用した場合の表である。
【0191】
【表5】 表5においては、R及びBに対して可能なそれぞれ±4
の調色設定を、9個のブロックに分割し、各ブロックご
とに同じtable2−k(x,y)を適用することを
示す。ただし、k=1,2,……,9である。
【0192】さらに、表5に示した例においては、調色
設定範囲を等分するようなブロックに分割したが、これ
に限定されるものではなく、任意の分割が可能である。
表6はこのような非等分の分割の一例である。
【0193】
【表6】 この表6の例では10個のブロックに分割し、各ブロッ
クごとに同じtable2−k(x,y)を適用するこ
とを示す。ただし、k=1,2,……,10である。
【0194】また、ホワイトバランス設定時に撮像さ
れ、画像処理装置3に入力される画像は一般に白画像で
あることから、白画像におけるR,G及びB画像データ
の平均レベルRmean,Gmean及びBmeanに
基づき決定してもよい。この場合は、プロセス制御回路
50からのプロセス制御情報からホワイトバランスが行
われていることを検知し、G画像データに対するR及び
B画像データの平均レベルの比に基づきtable2−
k(x,y)を選択する。
【0195】例えば、Rmean/Gmean=1.
4,Bmean/Gmean=0.6であれば、表3よ
り設定状況は〔+2,−2〕と判断でき、表4,表5及
び表6において示した各表を参照し、適用するtabl
e2−k(x,y)を決定する。
【0196】次に第3実施例について説明する。第3実
施例は第1実施例とほとんど同じであるので異なる点の
み説明する。
【0197】第1実施例においては、モード2を指定す
るにあたり、図11に示したステップS52において、
領域2に分布すると判定されたサンプリング画素の総数
を示すカウンタCnt2及び閾値T2との比較を実施し
ている。
【0198】一般に、散布開始直後においては画像全体
にわたり染色剤による色調変化が現れるため、カウンタ
Cnt2の値は大になる。一方、時間の経過にしたが
い、同一視野内において染色剤によるR画像データの変
動が顕著な部位とそうでない部位とが明確に現れるよう
になる。このような場合においては、モード2の適用が
望ましいにもかかわらず、Cnt2<T2となることか
らモード1すなわち通常画像に対する強調処理モードが
適用される結果となる可能性がある。
【0199】そこで、本実施例においては、モード決定
回路59において閾値T1及びT2の値を以下の説明に
示すように設定することにより、前述のモード2から1
への誤変更を防止する強調処理を実現する。
【0200】表7は、本実施例における閾値T1及びT
2の設定方法に関する表である。以下、表7を参照して
説明を行う。
【0201】
【表7】 前述した通り、染色剤を散布した時点においては、画像
全体において染色剤による色調変化が現れるため、カウ
ンタCnt2の値は大になる。したがって、閾値T2の
値も比較的大であってよい。一方、染色剤の希薄化にと
もない、カウンタCnt2の値は小になっていく。そこ
で、モード1から2への変更にともない、閾値T2の値
をより小である値に変更する。また、モード1から2へ
の変更にともない、閾値T1の値をより大である値に変
更する。このように閾値T1及びT2をモードの変更と
ともに変更することにより、モード2から1への移行を
遅らせることが可能となる。
【0202】より具体的には、例えばサンプリング画素
数n=100の場合を想定し、表7に示すように閾値T
1及びT2を設定する。表7において、モード1及びモ
ード2と記述される欄は、それぞれ現在適用している処
理のモード、すなわち前回の判定結果に対応するモード
を示している。この表7により、モード1に対応する強
調処理を適用しているのであれば、図11におけるステ
ップS52及びS53において、閾値T2及びT1をそ
れぞれ40及び70と設定する。また、モード2に対応
する強調処理を適用しているのであれば、同様に閾値T
2及びT1をそれぞれ20及び90に設定する。
【0203】以上説明したように、適用中のモードに応
じて各閾値を変更することにより、染色剤散布後の経時
的変化により染色剤が希薄化しても、染色画像に対応す
るモード2を安定的に維持することが可能となる強調処
理が実現可能となる。
【0204】また、本実施例においては、閾値T1及び
T2をモード1及び2の変更に応じて変更したが、同様
の変更を閾値T3及びモード3に対しても適用可能であ
ることはもちろんである。この場合は、例えば表8に示
すような設定が考えられる。
【0205】
【表8】 さらに、他のモード4、閾値T4等を導入した場合にお
いて容易に拡張可能であることはいうまでもない。すな
わち、各閾値を、適用中のモードに応じて優先するモー
ドに変更されやすいように設定すればよい。
【0206】次に第4実施例について説明する。図21
及び図22は本発明の第4実施例に係わり、図21は画
像処理部のフィルタリング回路に適用するフィルタFe
及びノイズ抑制フィルタFnrの周波数伝達特性の概要
を示す説明図、図22は図21の特性を有するフィルタ
を設定するフィルタ設定回路の動作を説明するフローチ
ャートである。第4実施例は第1実施例とほとんど同じ
であるので異なる点のみ説明する。
【0207】第1ないし第3実施例においては、座標軸
変換回路53から出力されるu,v及びw画像データ各
々に対して適用するフィルタの特性を変更することによ
り各モードに対応している。すなわち、モード1におい
てはu画像データに対しては注目する構造成分を構成す
る周波数帯域を強調する周波数伝達特性を備えるフィル
タFeを、v及びw画像データに対してはノイズ成分が
増加する高周波帯域に近づくにしたがって周波数成分を
抑制する周波数伝達特性を備えるフィルタFnrを適用
し、モード2においてはu及びv画像データに対してフ
ィルタFeを、w画像データに対してフィルタFnrを
適用する。この場合、モード1及び2における処理の相
違は、v画像データに対し適用するフィルタの特性であ
ることがわかる。
【0208】表9において、mode結果は、処理モー
ド判定結果によるmodeを時系列的に列挙している。
【0209】
【表9】 表9に示すように、モード変化例1は、判定結果のほと
んどがモード1であり、判定回数kにおいてのみモード
2が判定されている。このような場合、判定回数kにお
ける判定結果は、誤判定である可能性が考えられる。モ
ード変化例1においては、2画像データに対して、判定
回数k−1においてはフィルタFnr、判定回数kにお
いてはフィルタFe、判定回数k+1においては再びフ
ィルタFnrが適用される。その結果、判定回数k−1
からk+1にかけて2画像データに適用するフィルタの
特性変化が急なものとなり、処理結果画像において観察
者に不自然な印象を与える恐れが生ずる。
【0210】そこで、本実施例においては、注目する周
波数帯域を強調するためのフィルタFeを段階的に設定
することによる上記の問題点を解決可能とした強調処理
について説明する。
【0211】はじめに、注目する周波数帯域を強調する
特性を有するフィルタFe及びノイズ抑制特性を有する
フィルタFnrにおいて、双方の周波数伝達特性の間を
徐々に遷移するような複数のフィルタ群Fe1ないしF
ejをあらかじめ用意しておく。ただし、jは2以上の
整数である。
【0212】図21は、j=5とした場合におけるこの
ようなフィルタ群(以下、フィルタ群の各々を段階フィ
ルタとする)の設定例である。段階フィルタFejはフ
ィルタFeに相当する強調のレベルを備えている。ま
た、添え字が隣接する各段階フィルタ間(例えば段階フ
ィルタFej及びFej−1)の周波数伝達特性に関し
ては、その処理結果における目視上の差異は、ほとんど
感じられない程度のものとなるように設定する。
【0213】また、フィルタFnr及び各段階フィルタ
を導入するために、あらかじめモード遷移階数dを決定
しておく。モード遷移階数dは、例えばモード1から2
あるいはその逆にmodeが完全変更されるのに最低限
必要な判定回数を示す。なお、モード遷移階数dについ
ては、詳細に後述する。
【0214】次に、フィルタFnr及び前記段階フィル
タFe1ないしFe5を用いた。モード遷移階数dに対
応するフィルタ適用テーブルについて説明する。フィル
タ適用テーブルはあらかじめ作成されており、フィルタ
設定回路58において参照される。本実施例において
は、モード遷移階数dの設定例として、d=10とす
る。
【0215】表10は、フィルタ適用テーブルの作成例
である。フィルタ適用テーブルは、0ないしd、すなわ
ち0ないし10にわたる判定段階と、各判定段階におい
て適用するフィルタとの対応を示すものである。適用フ
ィルタ名については、判定段階0においてフィルタFn
rを、判定段階1ないし10については徐々に強調レベ
ルが増大し、最終的に段階フィルタFe5,すなわちフ
ィルタFeが選択されるように各段階フィルタを設定す
る。
【0216】
【表10】 続いて、前記段階フィルタを用いた強調処理の動作を説
明する。
【0217】図22は本発明の第4実施例におけるフィ
ルタ設定回路58の動作を説明するためのフローチャー
トである。本実施例においては、v画像データに対し適
用するフィルタを表10におけるフィルタ適用テーブル
を参照した上で決定する例を示す。
【0218】はじめに、ステップS130において、モ
ード決定回路59の出力である、モード判定結果を示す
変数modeが入力される。本実施例においては、変数
modeに代入される値として、前述したモード1,2
及び3をそれぞれ表す値1,2及び3と、判定保留を表
す値0を想定している。
【0219】続いてステップS131において、mod
e=1、すなわちモード判定結果がモード1であるかど
うかを判定する。mode=1であれば、ステップS1
32へ、そうでなければステップS135へ進む。
【0220】ステップS132においては、表10にお
いて示した判定段階に対応する変数C1をC1−1とす
る。すなわち、モード判定結果がモード1であれば、v
画像データに対して適用するフィルタをより強調レベル
の低い段階フィルタへと移行することとなる。
【0221】続くステップS133においては、C1が
0未満であるか否かを判定する。C1<0であればステ
ップS134へ、そうでなければステップS139へ進
む。
【0222】続くステップS134においては、C1が
0未満になった場合の補正を行う。この補正により、C
1=0が維持され、モード判定結果がモード1である期
間はv画像データに対しては判定段階0に対応するフィ
ルタFnrが適用されることとなる。
【0223】ステップS135においては、mode=
2またはmode=3であるか否かの判定を行う。mo
de=2またはmode=3であれば、ステップS13
6へ進む。また、そうでない場合はmode=0、すな
わちモード決定回路59の出力が判定保留を示してお
り、適用するフィルタは変更しない。したがって、変数
C1は変更せず、ステップS139へと進む。
【0224】ステップS136においては、v画像デー
タに対して適用するフィルタをより強調レベルの高いフ
ィルタへと移行するため、C1=C1+1とする。
【0225】続くステップS137においては、C1が
10を超過したか否かを判定する。C1>10であれば
ステップS138へ、そうでなければステップS139
へ進む。
【0226】ステップS138においては、C1が10
を超過した場合の補正を行う。この補正により、C1=
10が維持され、モード判定結果がモード2または3で
ある期間はv画像データに対しては判定段階10に対応
する段階フィルタFe5、すなわちフィルタFeが適用
されることとなる。
【0227】ステップS139においては、前述したス
テップS130ないしS138における一連の処理を適
用した結果得られた変数C1の値と表10に示したフィ
ルタ適用テーブルに基づき、v画像データに対し適用す
るフィルタを選択する。
【0228】表11は、前述の段階フィルタ(j=5)
及び表10に示したフィルタ適用テーブルを用い、図2
2に示した処理を適用した場合の強調処理の動作例を示
す表である。
【0229】
【表11】 表11においては、判定回数0ないしk+14における
処理モード判定結果とv画像データに対し適用するフィ
ルタを表している。また、判定回数0においては、判定
段階は0であるものとする。判定回数0ないし2におい
ては、判定結果はモード1であり、v画像データに対し
適用するフィルタはフィルタFnrで安定している。一
方、判定回数3においては、判定結果はモード2とな
り、判定段階が1となるため段階フィルタFe1が選択
されるが、判定回数4において再び判定結果がモード1
となるため判定段階は0となり、フィルタFnrが再選
択される。フィルタFnr及び段階フィルタFe1との
処理結果上の差異はフィルタFnr及びフィルタFe、
すなわち段階フィルタFe5との差異ほど大ではないよ
うに設定されており、観察者に対して処理モードが一時
的に変更されたことをほとんど感知させることはない。
【0230】また、判定回数5ないし14においては、
判定結果が連続してモード2となり、判定段階の増加に
ともなって段階フィルタが徐々に段階フィルタFe5へ
と移行し、判定段階10で安定する。
【0231】さらに、判定回数k+2以後は判定結果が
安定してモード1となり、判定段階の減少にともない適
用するフィルタを段階フィルタFe5から徐々にフィル
タFnrに近付け、判定回数k+12以後フィルタFn
rで安定する。
【0232】以上の説明において示したように、段階的
な強調レベルを備えた複数のフィルタ群を用意し、モー
ドの変更が安定的に行われた時点でフィルタFeまたは
フィルタFnrを適用するように制御することにより、
処理におけるモードの変更にともなう処理結果画像の変
化を、より自然なものとすることが可能となる。
【0233】また、本実施例においては、段階フィルタ
の数j=5としたが、jを任意の他の整数に設定するこ
とに関して何等問題はない。また、例えばj=10とし
た上で10種類の段階フィルタを作成し、1段階おきに
5種類使用する等、任意の組み合わせで使用することも
考えられる。
【0234】また、本実施例においては、モード遷移階
数d=10としたが、dを任意の他の整数に設定するこ
とに関しても何等問題はない。
【0235】さらに、本実施例においてはv画像データ
に対し適用するフィルタの設定を例として説明したが、
モード3におけるw画像データへのフィルタ適用に関し
ても同様な制御が可能であることは明白である。その場
合は、図22におけるステップS131の判定式を「m
ode=1またはmode=2?」、ステップS135
の判定式を「mode=3?」とすればよい。
【0236】なお、u画像データに対しては、常にフィ
ルタFeに相当する段階フィルタの適用を維持しておけ
ばよい。
【0237】また、サンプリング画素n2個または現フ
レームのサンプリング画素m1個のデータの平均値によ
り、適用する段階フィルタの上限を与えてもよい。すな
わち、前記平均値が大である場合はS/N比が良好であ
ることを示しているため、強調レベルの強いフィルタF
eを与える。一方、前記平均値が小である場合はS/N
比が良好でないことを示しており、強調レベルを抑制す
なわち例えば段階フィルタFe2等を与える。これらは
前記平均値に対する閾値処理により容易に実現可能であ
る。
【0238】さらに本実施例の拡張として、処理画像の
鮮鋭感を常にほぼ一定にするために、客観的鮮鋭度評価
尺度を導入し、原画像における客観的鮮鋭度評価尺度の
算出結果に基づき、処理画像における客観的鮮鋭度評価
尺度が一定になるように適用する段階フィルタを選択し
てもよい。客観的鮮鋭度評価尺度は例えば以下の式
(5)におけるエッジシャープネスESf のように定義
することが可能である。
【0239】
【数5】 なお、式(5)中のf(x,y)は入力画像、E(f)
は入力画像のエッジ領域を表し、AE(f)はE(f)
の面積を示す。ss(x,y)は各空間周波数の主観的
な鮮鋭さに対する重みを表す高周波数帯域フィルタの逆
フーリエ変換を示す。
【0240】また、式(5)におけるエッジシャープネ
スESf は「井上,田島;“エッジシャープネスを用い
た最適鮮鋭化”,第23回画像工学コンファレンス論文
集,pp25−26,1992」に詳しい。
【0241】すなわち、前記エッジシャープネスESf
の値が強調処理結果である画像においてはほぼ一定にな
るように、段階フィルタを選択する。
【0242】次に本発明の第5実施例について説明す
る。図23及び図24は本発明の第5実施例に係わり、
図23は画像処理部の強調処理の動作の概念を説明する
ためのフローチャート、図24は図23の画像変化量算
出方法の具体例を説明するためのフローチャートであ
る。第5実施例は第1実施例とほとんど同じであるので
異なる点のみ説明する。
【0243】内視鏡検査にあたる医師は、一般に重要な
部位については内視鏡の移動量を少なくし、ほぼ同一の
視野を維持することにより、慎重な観察を行う。また、
特に病変等の存在が疑われる部位については、静止観
察、近接観察及び拡大観察(拡大内視鏡使用時)等を行
う。一方、観察部位の移動等による視野の変更時におい
ては、慎重な観察が行われることは比較的少なくなる。
【0244】ところで、本発明において説明される一連
の強調処理は、注目する構造成分を強調することを目的
としている。したがって、上述の説明における前者、す
なわち医師が慎重な観察を行っている時点においては強
調処理が非常に有効となる。一方、後者、すなわちさほ
ど慎重でない観察状況にある場合には、前者ほど強調処
理の望まれる状況ではないと考えられる。特に強調処理
を強めに設定している場合には画像の変化が急であれ
ば、構造成分よりもむしろノイズや色ずれ等を強調する
結果となり、強調処理結果がかえって受け入れにくいも
のとなる可能性が生ずる。
【0245】そこで、本発明の第5実施例においては、
内視鏡の移動による視野内の変化量に基づき強調のレベ
ルを変化させることにより、より良好な処理結果画像を
供することが可能である強調処理について説明する。
【0246】図23は、本実施例における強調処理の動
作の概念を説明するためのフローチャートである。図2
3における一連の処理は、モード決定回路58において
適用されるものとする。
【0247】はじめに、ステップS140で画像変化量
算出処理を適用する。画像変化量は、主として単位時間
あたりの内視鏡の移動量を評価するパラメータである。
【0248】ステップS141においては、ステップS
140において算出した画像変化量の値の大小を評価す
る。画像変化量が小であれば、強調処理が効果的である
観察状況にあると判断でき、大であればその逆の観察状
況にあるものと考えられる。ステップS141における
評価結果が、画像の変化量小であればステップS142
に進む。そうでなければステップS143に進む。
【0249】ステップS142においては、強調処理が
効果的な観察状況にあることから、強調効果を強める、
あるいは持続するようなフィルタ設定を行うパラメータ
をフィルタ設定回路58に出力する。
【0250】ステップS143においては、強調処理が
それほど効果的でない観察状況下にあることから、強調
処理を抑制する、あるいは弱い強調効果を持続するよう
なフィルタ設定を行うパラメータをフィルタ設定回路5
8に出力する。
【0251】図23において示した一連の処理は、前述
のようにモード決定回路59において実施され、例えば
図6におけるステップS5の次に実行すればよい。
【0252】次に、ステップS140における画像変化
量算出の具体的実現手段について説明する。
【0253】図24は画像変化量算出方法の具体例を説
明するためのフローチャートである。ここでの説明にお
いては、RAM51において取り込まれたR,G及びB
画像データの中で、G画像データに着目し、前回のモー
ド判定時におけるG画像データとの、k個のサンプリン
グ画素の値に関する比較に基づく画像変化量算出を適用
する。ただし、kは1以上の任意の整数である。
【0254】図24において、はじめにステップS14
5においてG画像データにおけるサンプリング画素数を
カウントするための変数iを1に、画像変化量を示す値
valを0にそれぞれ初期化する。
【0255】続いて、ステップS146において、RA
M51において取り込まれたG画像データ内の所定位置
にあたる画素の値を、データgiとしてサンプリングす
る。
【0256】次いで、ステップS147において、前回
のモード判定処理時にステップS146においてサンプ
リングしたデータg′iとデータgiとの差の二乗を、
値valに加算する。データg′iとデータgiは、と
もに同じ位置からサンプリングされた画素の値である。
【0257】ステップS148においては、次回のモー
ド判定処理に備え、データgiをデータg′iに置き換
える処理を適用する。
【0258】ステップS149において、所定のサンプ
リング画素数k個についてステップS146ないしS1
48における一連の処理を適用したかどうかを変数iと
kとの比較により判定し、i=kであれば図23におけ
るステップS141へ、そうでなければ続くステップS
150においてi=i+1とし、ステップS146へ戻
る。
【0259】次に、図23におけるステップS141な
いしS143における一連の処理に関し、より具体的な
処理内容を説明する。
【0260】図24における一連の処理の適用結果であ
る画像変化量の評価値valに対し、ステップS141
において閾値Tvalとの比較を実施する。閾値Tva
lはあらかじめ定められた値であり、サンプリング画素
数kの値に応じて任意あるいは経験的に設定してよい。
例えば、k=25とし、Tval=2500とすればよ
い。
【0261】ステップS142及びS143において
は、フィルタ設定回路59に対し、それぞれ、強調効果
を抑制あるいは弱い効果を維持するようなフィルタ設定
を行うか、強調効果を増強あるいは強い効果を維持する
ようなフィルタ設定を行うか、どうかを示すパラメータ
Lの値を決定する。
【0262】本実施例においては、パラメータLに対
し、ステップS142においては値0を、ステップS1
43においては値1を代入し、モード判定結果に基づく
強調モードを示す変数modeとともにフィルタ設定回
路59に出力する。
【0263】ステップS142またはS143によるパ
ラメータLの値に対し、図6において示したステップS
6では、パラメータLの値に基づき、例えば以下の説明
に示すように、u,v及びw画像データに対してそれぞ
れ適用するフィルタを設定する。
【0264】もし、パラメータLの値が0であれば、変
数mode=1であればu画像データに対し図5におい
て示したフィルタFtruを、v及びw画像データに対
してはフィルタFnrを適用する。変数mode=2で
あれば、u及びw画像データに対してはフィルタFtr
uを、v画像データに対してはフィルタFnrを適用す
る。また、変数mode=3であればu,v及びw画像
データに対してフィルタFtruを適用する。変数mo
de=0であれば、前回までのモード判定結果により設
定されているモードに基づき、前述のフィルタ変更を実
施すればよい。
【0265】また、フィルタFtruを用いるのではな
く、本発明の第4実施例において説明した段階フィルタ
を適用してもよい。すなわち、フィルタFtruの代わ
りに、段階フィルタFe1等、強調効果の比較的弱いフ
ィルタを適用する。
【0266】一方、パラメータLの値が1であれば、変
数modeの各値に対応するフィルタをu,v及びw画
像データに対して適用すればよい。
【0267】また、本発明の第4実施例において説明し
た段階フィルタを適用する強調処理においては、前回ま
でのモード判定結果に基づく判定段階が段階フィルタF
ejの適用に達していない時点においても、図22にお
いて説明したカウンタC1の値を10とし、最も強調効
果の強いフィルタを適用するように制御してもよい。
【0268】なお、本実施例において説明した画像変化
量算出において、画像変化量を示す値valの算出方法
は図24を用いて説明した一連の処理によるものに限定
されない。例えば、関心領域を画像中央部に定め、時系
列的に得られたG画像データに対する前記関心領域にお
ける公知の相互相関値を用いてもよい。また、使用する
画像はG画像データのみではなく、R,G及びB画像デ
ータのいずれかあるいは任意の組み合わせにより実施可
能であることは明らかである。
【0269】以上詳細に説明したように、観察している
画像の変化量に基づき強調のレベルを変化させることに
より、より良好な処理結果画像を供することが可能とな
る。
【0270】次に本発明の第6実施例について説明す
る。図25は本発明の第6実施例に係る強調処理におけ
るモード決定回路及びフィルタ設定回路の動作を説明す
るためのフローチャートである。第6実施例は第1実施
例とほとんど同じであるので異なる点のみ説明する。
【0271】一般に、観察装置7においては、動画像観
察時においても任意の時点で画像を静止させることによ
り精密な診断を行うことが可能となるフリーズ機能を備
えている。また、同様に観察装置7においては、R,G
及びB画像データからなるカラー画像の観察中において
も任意の時点でモノクロ画像を表示させることが可能で
あるモノクロ観察機能を備えている。モノクロ観察機能
は、通常R,G及びB各画像データが各々出力される3
出力に対して例えばすべてG画像データを出力すること
により実現される。これらの観察機能はいずれも観察者
の任意のタイミングでの適用が可能であるため、画像処
理装置3に対しては常に割り込み処理的に発生するもの
である。一方、フリーズ機能、モノクロ観察機能等を用
いて得られた入力画像に対しても、強調処理は最適な処
理のモードにて適用されることが望ましい。
【0272】そこで、本発明の第6実施例においては、
前述した割り込み処理により発生する入力画像に対して
も、該画像に最適な処理のモードを適用し、良好な処理
結果画像を得ることが可能となる強調処理について説明
する。
【0273】本実施例において説明する強調処理は、割
り込み処理による入力画像に対して最適な処理のモード
を与える各パラメータの値を即時に設定する。また、モ
ノクロ観察機能に対し、割り込み処理解除後においては
前記各パラメータを必要に応じて割り込み処理直前の値
に復帰させることにおいて特徴を有する。
【0274】図25は本実施例において説明する強調処
理におけるモード決定回路59及びフィルタ設定回路5
8の動作を説明するためのフローチャートである。以
下、図25を参照して、本実施例における強調処理の動
作を説明する。なお、本実施例においては、前述した割
り込み処理が適用されていない場合の処理のモードとし
て、本発明の第1実施例において説明したモード1,2
及び3を想定する。
【0275】本実施例における強調処理は、図6におい
て示したパラメータ設定処理におけるステップS1によ
る画像取り込み処理に続き、図25におけるステップS
151を適用する。
【0276】ステップS151においては、モノクロ観
察機能が適用されているかどうかを判定する。ステップ
S151における判定は、プロセス制御回路50からの
プロセス制御情報を受けた、制御回路52から得られる
情報を参照することにより行う。
【0277】モノクロ観察機能が適用されている場合に
は、モノクロの画像である入力画像に対して適切な座標
軸変換行列及び座標軸逆変換行列を適用し、u,v及び
w画像データそれぞれに対してモノクロ画像の強調に適
切なフィルタを設定する。また、入力される画像がカラ
ー画像からモノクロ画像に変更された直後においては、
変更直前において適用されていた処理のパラメータであ
る、mode及びフィルタF1,F2及びF3を待避す
る。モノクロ観察機能が解除された時点で、待避したパ
ラメータの設定状態に復帰する。
【0278】ステップS151における判定結果がYe
s、すなわちモノクロ画像が画像処理装置3に入力され
ている状況であれば、ステップS158に進む。
【0279】ステップS158においては、前回の処理
モード決定時における入力画像がモノクロ画像であった
か否かを判定する。すなわち、現在の判定処理が、入力
画像がカラー画像からモノクロ画像に変化した直後に行
われているものかどうかを判定する。この判定について
は、例えば制御回路52より前回の判定処理時がモノク
ロ観察機能適用時に実施されたか否かを示す情報をモー
ド決定回路59に対して出力するようにすればよい。ス
テップS158における判定結果がYesであれば、ス
テップS160に進む。
【0280】ステップS158における判定結果がNo
であれば、ステップS159において、前回までの判定
処理の結果として設定されている処理のパラメータであ
るmode、フィルタF1,F2及びF3をそれぞれ待
避し、ステップS159に進む。各パラメータの待避は
制御回路52において実行すればよい。また、mode
はモード決定回路59、フィルタF1,F2及びF3は
フィルタ設定回路58において待避してもよい。
【0281】続くステップS160においては、変換/
逆変換行列設定回路57において、モノクロ画像強調に
対して適切な座標軸変換行列及び座標軸逆変換行列の設
定を行う。
【0282】観察用モニタ8における3系統の入力信号
は、カラー画像観察時においてはR,G及びB画像デー
タから構成される。一方、モノクロ観察機能適用時にお
いては、3系統の入力信号としてすべて同じデータ(例
えばG画像データ)が入力される。したがって、処理結
果画像において前記3系統の入力信号の値が等しくなく
なれば、偽色が発生することとなる。したがって、モノ
クロ画像に対しては、3系統の入力信号に対する各処理
結果が等しくなるように座標軸変換行列及び座標軸逆変
換行列を設定する必要がある。
【0283】このような強調処理を実現するために、第
1実施例において示した式(1)における座標軸変換行
列Aにおいて、a11=0.3、a12=0.59、a
=13=0.11を設定することが考えられる。すなわ
ち、u画像データとして、輝度信号である0.3R+
0.59G+0.11Bを用いることとする。輝度信号
に対する強調処理の適用は、処理適用前の画像における
色調を保存する。また、a21ないしa23に対して
は、a11ないしa13に直交する方向の任意の単位ベ
クトル、a31ないしa33に対してはa11ないしa
13及びa21ないしa23双方に直交する単位ベクト
ルを設定する。また、座標軸逆行列としては、座標軸変
換行列Aの逆行列A-1を適用すればよい。
【0284】続くステップS161においては、フィル
タ設定回路58において、モノクロ画像を強調するため
のフィルタ設定を行う。ステップS160において設定
した座標軸変換行列により算出されるu画像データに対
してはフィルタFeを適用し、v及びw画像データに対
してはフィルタFtruまたはフィルタFnrを適用す
ればよい。ステップS161における処理適用後、パラ
メータ設定処理を終了する。
【0285】ステップS151における判定結果がNo
であれば、ステップS157に進む。
【0286】ステップS157においては、フリーズ機
能が適用されているかどうかを判定する。ステップS1
57における判定は、プロセス制御回路50からのプロ
セス制御情報を受けた。制御回路52から得られる情報
を参照することにより行う。
【0287】フリーズ機能が適用されている場合には、
フリーズ中の画像である入力画像に対してモード1,2
及び3のいずれが適切であるかを判定し、各モードに基
づくフィルタの設定をステップS152ないしS156
に示す一連の処理により実施する。
【0288】ステップS157における判定結果がYe
s、すなわちフリーズ画像が画像処理装置3に入力され
ている状況であれば、ステップS152に進む。ステッ
プS152においては、図6において示したステップS
2と同様に、モード決定回路59において、RAM51
に取り込んだR,G及びB各画像データ中のm1個の画
素P1(r1,g1,b1),……,Pm1(rm1,
gm1,bm1)をサンプリングする。ただし、m1は
1以上の整数である。
【0289】続くステップS153及びS154におい
ては、本発明の第1実施例において詳細に説明した、図
6におけるステップS3及びS4における明部画素除外
処理及び暗部画素除外処理と同様の処理をそれぞれ適用
する。ただし、ステップS153においては、図9にお
ける一連の処理を、ステップS152においてサンプリ
ングしたm1個の画素に対してのみ適用する。したがっ
て、図9におけるステップS27にて適用する処理は、
i=m1か否か判定するように変更する。
【0290】ステップS155においては、第1の実施
例において図11を参照して説明した強調モード決定処
理を適用する。ただし、本実施例においては、入力画像
からサンプリングされたm1個の画素に基づくモード判
定処理を適用するため、ステップS51ないしS53に
おいて適用する各判定処理にそれぞれ用いる閾値T1,
T2及びT3の値を、それぞれT1′,T2′及びT
3′に変更する。T1′,T2′及びT3′の値は、例
えば、第1の実施例では強調モード決定処理において、
動画像において時系列的に入力されるm2フレームにつ
いてサンプリングしたn=m1×m2個の画素を用いた
ことから、それぞれT1′=T1/m2、T2′=T2
/m2及びT3′=T3/m2と設定すればよい。
【0291】続くステップS156においては、ステッ
プS155において適用した強調モード決定処理に基づ
き、フィルタ設定回路段58においてu,v及びw画像
データに対してそれぞれ適用するフィルタF1,F2及
びF3を決定する。なお、ステップS156におけるフ
ィルタ設定においては、フリーズ機能動作時の強調処理
の即時対応として、本発明の第4実施例において説明し
た段階フィルタによる遷移的なフィルタの変更は適用せ
ず、u,v及びw画像データ各々に対し、各モードにし
たがってフィルタFeまたはフィルタFnrを設定す
る。ステップS156における処理適用後、パラメータ
設定処理を終了する。
【0292】ステップS157における判定結果がNo
であれば、ステップS162に進む。
【0293】ステップS162においては、ステップS
158と同様にして、前回の処理モード決定時におい
て、モノクロ観察機能が適用されていたか否かを判定す
る。ステップS162における判定結果がYesである
ことは、モノクロ観察機能が解除されたことを示す。ス
テップS162における判定結果がYesであれば、ス
テップS163へ、Noであれば図6におけるステップ
S2へ進む。
【0294】ステップS163においては、前回までの
処理におけるステップS159で待避した処理のパラメ
ータを、復帰させる。すなわち、mode、フィルタF
1,F2及びF3をモノクロ観察機能割り込み発生直前
の適用状態に再設定することになる。また、座標軸変換
行列及び座標軸逆変換行列を、第1実施例において示し
たものに戻す。ステップS163における処理適用後、
パラメータ設定処理を終了する。
【0295】なお、ステップS160において設定する
モノクロ画像用座標軸変換行列及び座標軸逆変換行列と
して、3次元正則行列である単位行列Iを設定してもよ
い。その場合には、ステップS161において、u,v
及びw画像データ各々に対してフィルタFeを適用する
ように設定する。
【0296】以上詳細に説明したように、本発明の第6
実施例における一連の処理を適用することにより、観察
装置7の備えるフリーズ機能、モノクロ観察機能等の割
り込み処理により発生する画像データに対しても良好な
強調処理が即時に適用可能となる。また、割り込み処理
解除後においては、割り込み処理発生直前の処理のパラ
メータの設定状況に復帰することにより、良好な強調処
理が実現可能となる。
【0297】次に本発明の第7実施例について説明す
る。図26ないし図30は本発明の第7実施例に係わ
り、図26は画像処理部の構成を示すブロック図、図2
7は図26のフィルタリング回路に適用するフィルタF
eA,FeB,FeCの周波数伝達特性の概要を示す説
明図、図28は図26の構造成分量算出回路の動作を説
明するためのフローチャート、図29は図26の構造成
分量算出回路の処理において適用されるフィルタFbp
A,FbpB及びFbpCと対応するフィルタFeA,
FeB及びFeCとの周波数伝達特性との間の関係の概
念を説明するための説明図、図30は図26の画像処理
部で処理される内視鏡画像の周波数成分量の分布量の概
念を示す説明図である。第7実施例は第1実施例とほと
んど同じであるので異なる点のみ説明する。
【0298】内視鏡検査においては、観察する対象と内
視鏡先端部の距離は常に一定の状況下にあるとは限らな
い。したがって、画像内における注目する構造成分の大
きさも変化することとなる。その結果、前記構造成分を
構成する成分を多く含む周波数帯域が変化することとな
り、特定の周波数帯域を強調する特性を備えるフィルタ
1種類のみでは対応しきれない可能性が生ずる。このよ
うな現象は、例えば拡大内視鏡を高倍率で用い、さらに
近接観察を行った場合に顕著となることが予測される。
【0299】そこで、本実施例においては、強調する周
波数帯域が異なる複数のフィルタを用意し、それらの中
から画像処理装置3に入力される画像に対して自動的に
選択・適用することが可能となる強調処理について説明
する。
【0300】図26は本実施例における画像処理部47
の構成を示すブロック図である。なお、図26において
は、本実施例における画像処理部47が本発明の第1実
施例における画像処理部47において説明したRAM5
1ないしデータ変換回路60a,60b及び60cに関
しては共通の構成を備えることにより、同一の番号を付
して示すこととする。
【0301】本実施例における画像処理装置47は、図
26に示すように、構造成分量算出回路70を備える。
構造成分量算出回路70はRAM51に接続され、RA
M51において取り込まれたR,G及びB画像データよ
り、後述する構造成分量を表す1つ以上のパラメータを
算出する。また、構造成分量算出回路70はフィルタ設
定回路58に接続され、算出した構造成分量を表すパラ
メータを出力する。
【0302】また、本実施例におけるフィルタ設定回路
58は、モード決定回路59及び構造成分量算出回路7
0の出力を受けて、フィルタリング回路54aないし5
4cにおいてそれぞれu,v及びw画像データに対して
適用するフィルタを決定する。本実施例においては、フ
ィルタFnrに加え、強調する周波数帯域が異なる複数
のフィルタとして、図27に示す3種類のフィルタFe
A,FeB及びFeCを用意することとする。なお、フ
ィルタFeA,FeB及びFeCにおいては、フィルタ
FeAが最も低周波数よりの周波数帯域を、フィルタF
eCが最も高周波数よりの周波数帯域をそれぞれ強調す
る周波数伝達特性を備えるものとする。
【0303】次に、構造成分量算出回路70の動作につ
いて説明する。
【0304】本実施例においては、RAM51において
取り込まれたR,G及びB画像データの中から、G画像
データを用いた構造成分量の算出を行う。図28は、本
実施例における構造成分量算出回路70の動作を説明す
るためのフローチャートである。
【0305】まず、図28に示すステップS170A,
S170B及びS170Cにおいて、RAM51におい
て取り込んだG画像データに対し、3種類のフィルタF
bpA,FbpB及びFbpCを用いた帯域通過フィル
タリングをそれぞれ適用する。
【0306】図29は、本実施例の構造成分量算出回路
70におけるステップS170A,S170B及びS1
70Cにおいてそれぞれ適用されるフィルタFbpA,
FbpB及びFbpCと、各々に対応する前述のフィル
タFeA,FeB及びFeCとの周波数伝達特性との間
の関係の概念を説明するための説明図である。図29に
示すように、各帯域通過フィルタリングにおいて適用す
るフィルタFbpA,FbpB及びFbpCは、それぞ
れ異なる周波数帯域を通過させる周波数伝達特性を備
え、各々が通過させる周波数帯域は、前述のフィルタF
eA,FeB及びFeCが強調する周波数帯域に即して
いる。
【0307】続いて、ステップS171A,S171B
及びS171Cにおいて、ステップS170A,S17
0B及びS170Cにおけるそれぞれの帯域通過フィル
タリングを適用後のG画像から、各通過帯域における構
造成分量A,B及びCを算出する。構造成分量A,B及
びCとしては、本実施例においては帯域通過フィルタリ
ング適用後のG画像データにおける各画素の二乗和を用
いることとする。
【0308】ステップS171A,S171B及びS1
71Cにおいてそれぞれ算出した構造成分量A,B及び
Cは、フィルタ設定手段58に対して出力される。
【0309】フィルタ設定回路58は、第1ないし6実
施例において説明したように、モード決定回路59から
得られる処理のモードにしたがい、u,v及びw画像デ
ータに対してそれぞれ構造成分を強調する周波数伝達特
性を備えるフィルタFeと、ノイズを抑制する周波数伝
達成分を備えるフィルタFnrのいずれを適用するかを
決定する。さらに、構造成分量算出回路70から得られ
た構造成分量A,B及びCを基に、以下に示す説明にお
ける処理により、フィルタFeとして、フィルタFe
A,FeB及びFeCのいずれを適用するかを決定す
る。
【0310】ステップS170A,S170B及びS1
70Cにおける帯域通過フィルタリング適用後のG画像
データは、G画像データが各帯域通過フィルタの通過帯
域においてどれだけの構造成分を含んでいたかを反映す
るものとなっている。通常、内視鏡画像の周波数成分量
は、高周波帯域になるほど減少する。よって、構造成分
量A,B及びCの値は、通常構造成分量Aが最も大であ
り、構造成分量Cが最も小となる。
【0311】周波数成分量の分布量の概念は、例えば図
30(b)に示すようなものとなる。一方、構造成分が
より高周波数帯域に多く含まれるようになると、周波数
成分量の概念は、例えば図30(c)に示すようなもの
となる。逆に、拡大内視鏡を用いた拡大かつ近接観察時
に見られるように、高周波数帯域における構造成分量が
減少すれば、周波数成分の概念は、例えば図30(a)
に示すようなものとなる。
【0312】構造成分量A,B及びCは、その大小関係
が変わることは少ないが、その値の差は変化する。した
がって、この差に基づき適用するフィルタFeをフィル
タFeA,FeB及びFeCのいずれにするかを判定す
ることが可能となる。
【0313】具体的には、例えば構造成分量Cの値が構
造成分量Bの値の1/3以上であればフィルタFeC
を、そうでない場合には、構造成分量Bの値が構造成分
量Aの値の1/10未満であればフィルタFeAを選択
する。また、いずれの場合でもなければフィルタFeB
を選択すればよい。
【0314】以上に説明した一連の処理の適用により、
注目する構造成分の分布量に基づき、強調する周波数帯
域の異なる複数のフィルタの中から適切なフィルタを自
動で選択・適用することが可能となる。
【0315】したがって、本発明の第7実施例における
強調処理を適用することにより、注目する構造成分を構
成する成分を多く含む周波数帯域が変化した場合におい
ても、良好な観察画像を得ることが可能となる。
【0316】なお、本実施例においては、強調する周波
数帯域が異なるフィルタ数を3としたが、これに限定さ
れるものではない。また、各フィルタに対して本発明の
第4実施例において説明した段階的な周波数伝達特性を
備えるフィルタ群を用意してもよい。
【0317】また、本実施例における帯域通過フィルタ
リングは、ディジタルフィルタを用いたフィルタリング
あるいはフーリエ変換を用いた空間周波数領域上におけ
るフィルタリングのいずれにより実現してもよい。
【0318】また、本実施例における構造成分量は、帯
域通過フィルタリング後のG画像データにおけるパワー
スペクトル密度に使用してもよい。
【0319】本実施例においては、構造成分量をG画像
データから算出したが、これに限定されるものではな
く、RAM51において取り込まれたR,G,及びB画
像データのいずれかあるいは任意の組み合わせにおいて
適用可能である。また、例えば適用している処理がモー
ド1である場合はG画像データ、モード2である場合は
R画像データを使用するように、動的に変更してもよ
い。
【0320】次に本発明の第8実施例について説明す
る。図31ないし図33は本発明の第8実施例に係わ
り、図31は画像処理部の構成を示すブロック図、図3
2は図31のフィルタリング回路に適用するフィルタF
eA,FeB,FeCの周波数伝達特性の概要を示す説
明図、図33は図31の構造/ノイズ成分比算出回路の
動作を説明するためのフローチャートである。第8実施
例は第1実施例とほとんど同じであるので異なる点のみ
説明する。
【0321】本発明の第1ないし7実施例においては、
第1実施例において説明したように、青系の色素を散布
した染色画像においては、R画像データにおいても強調
対象とすべき成分が含まれるようになることから、v画
像データに対して強調フィルタを適用する。
【0322】一方、経時的な変化により染色剤が希薄に
なった場合等においては、v画像データにおいて構造成
分を構成する周波数成分とノイズによる周波数成分との
比が徐々に小になる。
【0323】このような場合においては、モード2の適
用を維持するべきではあるが、過度な強調効果はかえっ
てノイズの増加を生ずる原因となる場合が発生し得る。
【0324】そこで、本実施例においては、モード2の
適用において、v画像データにおける注目する構造成分
を構成する周波数成分と、ノイズによる周波数成分との
割合に応じて強調フィルタを自動で変更することによ
り、より観察する良好な処理結果画像を得ることが可能
となる強調処理について説明する。
【0325】本実施例における画像処理装置47は、図
31に示すように、構造/ノイズ成分比算出回路71を
備える。以下、図31を参照して本実施例における強調
処理の動作について説明する。
【0326】図31において、構造/ノイズ成分比算出
手段回路はRAM51に接続され、RAM51において
取り込まれたR,G及びB画像データより、後述する構
造/ノイズ成分比を表す1つ以上のパラメータを算出す
る。また、構造/ノイズ成分比算出回路71はフィルタ
設定回路58に接続され、算出した構造/ノイズ成分比
を表すパラメータを出力する。
【0327】また、本実施例におけるフィルタ設定回路
58は、本発明の第4実施例において図21を参照して
説明した、強調のレベルの異なる複数のフィルタ群を備
えており、モード決定回路59及び構造/ノイズ成分比
算出回路71の出力を受けて、フィルタリング回路54
a,54b及び54cにおいてそれぞれu,v及びw画
像データに対して適用するフィルタを決定する。本実施
例においては、モード2における処理実行時のv画像デ
ータへ適用するフィルタの強調のレベルを、構造/ノイ
ズ成分比算出回路71から得られるパラメータにより制
御する。
【0328】構造/ノイズ成分比算出回路71において
は、構造/ノイズ成分比を表すパラメータを算出するた
め、通過帯域が異なる複数の帯域通過フィルタとして、
図32に示す2種類のフィルタFbp1及びFbp2を
用意することとする。フィルタFbp1及びFbp2に
おいては、フィルタFbp1が適用するフィルタFeが
最も強調する周波数帯域を、フィルタFbp2はノイズ
成分が主として分布する、より高周波数よりの周波数帯
域をそれぞれ通過する周波数伝達特性を備えるものとす
る。なお、内視鏡画像におけるノイズ成分が多く分布す
る周波数帯域は安定しているため、あらかじめノイズ画
像のスペクトルを解析することによりフィルタFbp2
の特性を決定しておけばよい。
【0329】次に、構造/ノイズ成分比算出回路71の
動作について説明する。
【0330】本実施例においては、RAM51において
取り込まれたR,G及びB画像データの中から、R画像
データを用いた構造成分量の算出を行う。図33は、本
実施例における構造/ノイズ成分比算出回路71の動作
を説明するためのフローチャートである。
【0331】以下、図33を参照して、本実施例におけ
る構造/ノイズ成分比算出回路71及びフィルタ設定回
路58の動作を説明する。
【0332】RAM51において取り込まれたR画像デ
ータに対して、ステップS175A及びS175Bにお
いてフィルタリング1及びフィルタリング2をそれぞれ
適用する。ステップS175Aにおけるフィルタリング
1においては、前述のフィルタFbp1を用いた帯域通
過フィルタリングを適用する。ステップS175Bにお
いては、前述のフィルタFbp2を用いた帯域通過フィ
ルタリングを適用する。
【0333】続くステップS176A及びS176Bに
おいては、ステップS175A及びS175Bにおける
帯域通過フィルタリング適用後のR画像データに対し、
本発明の第7実施例において説明した、図28における
ステップS171A,S171B及びS171Cにおけ
る構造成分量算出処理と同様の手法により、構造成分量
及びノイズ成分量を算出する。
【0334】ステップS177においては、ステップS
176A及びS176Bにおいて算出した構造成分量及
びノイズ成分量に基づき、構造/ノイズ成分比算出処理
を適用する。
【0335】ステップS177における構造/ノイズ成
分比算出処理は、ノイズ成分を構造成分で除した値を算
出すればよい。
【0336】ステップS177における算出された構造
/ノイズ成分比の値は、フィルタ設定回路58に出力さ
れる。
【0337】フィルタ設定回路58は、第1ないし7実
施例において説明したように、モード決定回路59から
得られる処理のモードにしたがい、u,v及びw画像デ
ータに対してそれぞれ構造成分を強調する周波数伝達特
性を備えるフィルタFeと、ノイズを抑制する周波数伝
達特性を備えるフィルタFnrのいずれを適用するかを
決定する。さらに、本実施例においては、モード2にお
ける処理の適用時に、v画像データに対して適用するフ
ィルタを、構造/ノイズ成分比算出回路71から得られ
た構造/ノイズ成分比を基に、以下に示す説明における
処理により選択する。
【0338】R画像データにおいて、構造成分量が大で
ある場合は、構造/ノイズ成分比算出回路71より得ら
れる構造/ノイズ成分比の値は小になる。一方、構造成
分量が小である場合には、構造/ノイズ成分比の値は大
になる。したがって、得られた構造/ノイズ成分比の値
をある値ごとに分割し、適用するフィルタの強調のレベ
ルの段階を決定すればよい。例えば、段階フィルタとし
て、図21におけるフィルタFe1ないしFe5を適用
する場合には、構造/ノイズ成分比の値が0以上0.1
未満である場合にフィルタFe5を、0.1以上0.2
未満である場合にはフィルタFe4を、以下、構造/ノ
イズ成分比の値を0.1ずつの刻みでフィルタFe3及
びFe2を適用し、0.4以上ではフィルタFe1を2
画像データに対して適用する。
【0339】以上詳細に説明したように、本実施例にお
ける強調処理により、経時的な変化により染色剤が希薄
になった場合等におけるモード2の適用時においても、
過度な強調効果を回避することが可能となる。したがっ
て、常に観察においてノイズ感の良好な処理結果画像が
得られる。
【0340】次に本発明の第9実施例について説明す
る。図34ないし図39は本発明の第9実施例に係わ
り、図34はサンプリング画素Pの色調を判定するため
のパラメータx及びyの取り得る2次元領域を説明する
説明図、図35は図34の2次元領域に対するモード決
定処理の詳細を説明するための第1のフローチャート、
図36は図34の2次元領域に対するモード決定処理の
詳細を説明するための第2のフローチャート、図37は
図34の2次元領域に対する画素値の変動が少ないとい
うことを利用したモード4の判定方法を説明するフロー
チャート、図38はサンプリング画素が図34における
領域4へ時間的に安定して集中するためフィルタ設定モ
ードの変化が少ないことを利用したモード4の設定方法
を説明するフローチャート、図39は図36の処理にお
いて設定された変数modeの配列mode〔i〕への
格納方法を説明するフローチャートである。第9実施例
は第1実施例とほとんど同じであるので異なる点のみ説
明する。
【0341】内視鏡が検査に用いられていない、すなわ
ち未使用の状態で、例えば内視鏡用ハンガー等に吊るさ
れたときに得られる内視鏡画像(以下、体腔外画像とす
る)においては、当然画像内には強調すべき構造成分は
存在せず、むしろノイズのみが強調される。
【0342】そこで、本実施例では、体腔外画像に対し
ては、不要な強調処理を避けることが可能となる強調処
理について説明する。
【0343】本実施例においては、第1ないし第8実施
例において説明した図4におけるフィルタ設定回路58
及びモード決定回路59におけるモード1ないし3に加
えて、体腔外画像に対する処理としてモード4を設定す
るものとする。また図4におけるフィルタリング回路5
4aないしc、フィルタ設定回路58及びモード決定回
路59以外の各回路の動作は、第1実施例における各々
の動作と同じである。以下、本実施例におけるフィルタ
リング回路54aないしc、フィルタ設定回路58及び
モード決定回路59の動作について説明する。
【0344】図34は、第1実施例における図11に示
すステップS42と同様に、サンプリング画素Pの色調
を判定するためのパラメータx及びyの取り得る範囲を
2次元領域に示した例である。領域1ないし領域3は第
1実施例の図12における領域1ないし領域3に相当す
る。領域4は、体腔外画像からのサンプリング画素Pが
高い頻度で分布する範囲を示す。
【0345】図35は本実施例における、図6において
示したステップS5におけるモード決定処理の詳細を説
明するためのフローチャートである。
【0346】まず図4におけるモード決定回路59にお
いて、体腔外画像に対する処理モード決定に係わる動作
を説明する。
【0347】体腔外画像においては、外光の入射、光源
部7Aにおける自動調光機能による照射光の減少により
画像全体が体腔外画像特有の色調を呈する。本実施例に
おいては、画像の色調に基づき、体腔外画像が入力され
たことを検知し、強調処理の適用を停止し、または抑制
することとする。
【0348】第1実施例において説明したように、図6
のステップS1ないしステップS4によって、サンプリ
ング画素n個からステップS3における明部画素除外処
理及びステップS4における暗部画素除外処理を経て除
外されなかったn2個のサンプリング画素を得る。
【0349】続く図6におけるステップS5は、モード
決定回路59において適用され、n2個のサンプリング
画素を用いてモード決定処理を行う。
【0350】以下、図35及び図36のフローチャート
を用いて図6のステップS5における本実施例のモード
決定処理の詳細を説明する。
【0351】まず、ステップS201において、ステッ
プS202ないしステップS209までの一連の処理を
n2回繰り返すためにカウントを行うための変数iの値
を1に、第1実施例で説明したモード1,2,3及び後
述するモード4のいずれかを決定するために用いるカウ
ンタCnt1,Cnt2,Cnt3及びCnt4の値を
0にそれぞれ初期化する。
【0352】ステップS202ないしステップS205
における一連の処理内容と、ステップS211及びステ
ップS212の処理内容は、第1実施例において示した
図11におけるステップS42ないしステップS45に
おける一連の処理内容と、ステップS49及びステップ
S50の処理内容に、それぞれ同じである。
【0353】本実施例においては、図35におけるステ
ップS205によって変数stateが2でないと判断
された後には、ステップS206へ進む。
【0354】ステップS206においては、変数sta
teが3であるかどうかを判定する。変数stateの
値が3であればステップS207に進み、カウンタCn
t3の値をCnt3+1に変更し、ステップS209に
進む。
【0355】ステップS206において変数state
が3であると判定されなかった場合には、ステップS2
08に進む。ステップS204、ステップS205及び
ステップS206における変数stateの値の判定が
1,2及び3でないことは、変数stateの値が4で
あることと同義であるため、ステップS208において
カウンタCnt4をCnt4+1に変更し、ステップS
209へ進む。
【0356】ステップS209においては、i=n2で
あると判定されなければ、ステップS210においてi
をi+1と置き換えてステップS202へ進み、i=n
2であると判定されれば図36のステップS213へ進
む。
【0357】ステップS213においては、カウンタC
nt4の値が閾値T4以上であるかどうかを判定する。
カウンタCnt4の値が閾値T4以上であれば、ステッ
プS214に進み、図6におけるステップS5の処理結
果として変数modeに、体腔外画像に対する処理を行
うモード4を示唆する値4を代入し、図6におけるステ
ップS6へ進む。閾値T4としては、例えば処理対象画
素数n2の70%に相当する値を与える。
【0358】ステップS213においてカウンタCnt
4の値が閾値T4以上であると判定されなければ、ステ
ップS215へ進む。
【0359】ステップS215ないしステップS222
における一連の処理内容は、第1実施例において示した
図11のステップS51ないしステップS58における
一連の処理内容と同様である。
【0360】以上に説明した一連の動作により、本実施
例における処理のモード1,2,3及び4の選択・適用
を決定する。
【0361】次に本実施例におけるフィルタ設定回路5
8の動作について説明する。
【0362】図6におけるステップS6は、フィルタ設
定回路58において適用される。
【0363】図6におけるステップS5の処理結果がモ
ード1ないし3のとき、図6におけるステップS6にお
けるフィルタ設定は、第1実施例で説明したモード1な
いし3に対するフィルタ設定と同様である。
【0364】図6におけるステップS5の処理結果がモ
ード4のとき、図6におけるステップS6において設定
されるフィルタは、フィルタリング回路54aないしc
においてそれぞれ用いるフィルタF1,F2及びF3の
全てに対して、図5に示した周波数特性をもつフィルタ
Ftruとする。フィルタFtruの適用によって式
(1)におけるu,v及びw画像データの各周波数成分
は変化しない。したがって体腔外画像に対する不要な強
調処理を回避することが可能となる。
【0365】さらに、図4におけるモード決定回路59
において、体腔外画像に対する処理モード4の決定に関
し、以下の説明による方法を用いることも可能である。
【0366】図37は、内視鏡が未使用であるときに得
られる体腔外画像は内視鏡が静止状態にあり、画像の変
化が乏しいため、画素値の変動が少ないということを利
用したモード4の判定方法を説明するフローチャートで
ある。図37における一連の処理を、図36におけるス
テップS214と置き換えることにより、より良好なモ
ード決定処理を実現することが可能となる。図36にお
いては、ステップS214が図37におけるステップS
231ないしステップS241に代替されるのみで、ス
テップS201ないしステップS213及びステップS
215ないしステップS222はそのまま以下に示す動
作説明に用いられるものとする。
【0367】図35におけるステップS201ないしス
テップS212の一連の処理を経て、ステップS213
において、変数stateが4となるサンプリング画素
数Cnt4が、閾値T4以上であると判定されなけれ
ば、図36におけるステップS215へ進む。
【0368】図36におけるステップS213におい
て、変数stateが4となるサンプリング画素数Cn
t4が、閾値T4以上であると判定されれば、図37に
おけるステップS231へ進む。
【0369】図37における動作説明に、第1実施例に
おける図6に示したステップS1における動作説明の具
体例を示した図8を用いることとする。
【0370】図37におけるステップS231において
は、ステップS232ないしステップS235までの一
連の処理を、モード設定回路59において1フレームあ
たりのサンプリング画素数分(m1回)行うためにカウ
ントを行うカウンタ変数iを1に、また図8に示すよう
に、第1実施例における図6に示したステップS2にお
いて格納されるm2(例えばm2=10とする)フレー
ム分のサンプリング画素データより、時系列的に最新の
サンプリングを実施したフレーム(以下、現フレームと
する)m2と、最古のフレーム(以下、フレーム1)間
のサンプリング画素値の比較を行い、サンプリング画素
値の変動量が少ない画素数をカウントするためのカウン
タ変数Cntを0に初期化する。ステップS231実行
後はステップS232へ進む。
【0371】図37におけるステップS232において
は、現フレームm2におけるi番目のサンプリング画素
のRデータを示すSmp(m2,i,1)とフレーム1
におけるi番目のサンプリング画素のRデータを示すS
mp(1,i,1)の差の絶対値を算出し、変数ADR
に代入する。同様に現フレームm2におけるi番目のサ
ンプリング画素のGデータを示すSmp(m2,i,
2)とフレーム1におけるi番目のサンプリング画素の
Gデータを示すSmp(1,i,2)の差の絶対値を算
出し、変数ADGに代入し、現フレームm2におけるi
番目のサンプリング画素のBデータを示すSmp(m
2,i,3)とフレーム1におけるi番目のサンプリン
グ画素のBデータを示すSmp(1,i,3)の差の絶
対値を算出し、変数ADGに代入する。ここで配列Sm
p(i,j,k)の各要素は、i番目のフレームのj番
目のサンプリング画素に対応し、k=1がR、k=2が
G、k=3がBの値を格納するものとする。
【0372】ステップS234においては、変数ADR
が閾値ADRthよりも小さく、かつ変数ADGが閾値
ADGthよりも小さく、さらに変数ADBが閾値AD
Bthよりも小さいかどうかを判定する。
【0373】変数ADR,ADG及びADBは、フレー
ム1及びm2の間におけるRGB各データの変動を表し
ており、これが小であることは、内視鏡が静止状態にあ
ることを示している。
【0374】ステップS234において、変数ADRが
閾値ADRthよりも小さく、かつ変数ADGが閾値A
DGthよりも小さく、さらに変数ADBが閾値ADB
thよりも小さいと判定されれば、ステップS236へ
進む。またステップS234において、変数ADRが閾
値ADRthよりも小さく、かつ変数ADGが閾値AD
Gthよりも小さく、さらに変数ADBが閾値ADBt
hよりも小さいと判定されなければ、ステップS235
へ進む。各閾値は、例えばADRth=ADGth=A
DBth=10とする。
【0375】ステップS235においては、変数iが1
フレームあたりのサンプリング画素数m1に等しいかど
うかを判定する。
【0376】ステップS235において、変数iがサン
プリング画素数m1に等しいと判定されなければ、ステ
ップS237へ進む。またステップS235において、
変数iがサンプリング画素数m1に等しいと判定されれ
ば、ステップS238へ進む。
【0377】ステップS236において、変数Cntに
Cnt+1を代入し、ステップS235へ進む。
【0378】ステップS237において、変数iにi+
1を代入し、ステップS232へ進む。
【0379】ステップS238においては、変数Cnt
を1フレームあたりのサンプリング数m1で除した値が
閾値Rthよりも大きいかどうかを判定する。閾値Rt
hを例えば0.7とする。
【0380】ステップS238において、変数Cntを
サンプリング数m1で除した値が閾値Rthよりも大き
いと判定されなければ、ステップS239へ進む。また
ステップS238において、変数Cntをサンプリング
数m1で除した値が閾値Rthよりも大きいと判定され
れば、ステップS240へ進む。
【0381】ステップS239においては、図34にお
ける領域4が領域2に包含されていることから、現フレ
ームが染色画像である可能性があるため、フィルタ設定
のモードを示す変数modeに2を代入し、図36にお
けるステップS222へ進む。
【0382】ステップS240においては、変数mod
eに4を代入し、図36におけるステップS222へ進
む。
【0383】以上に説明した一連の動作により、モード
決定回路59におけるmodeをモード4に決定するこ
とも可能である。
【0384】また図37におけるステップS239にお
ける変数modeへは、判定保留を示す0を代入しても
よい。
【0385】さらに、図37のステップS234におけ
る判定条件は、3つの判定条件のうちのいずれか1つ、
例えばADGが閾値ADGth以下である、あるいはい
ずれか2つ、例えばADRが閾値ADRth以下で、か
つADGが閾値ADGth以下である、のように変更し
てもよい。
【0386】さらに、図4におけるモード決定回路59
における体腔外画像に対する処理のモード4の決定には
以下の方法を用いることも可能である。
【0387】図38は、内視鏡が未使用であるときに得
られる体腔外画像が画像の変化が乏しく、サンプリング
画素が図34における領域4へ時間的に安定して集中す
るため、フィルタ設定モードの変化が少ないことを利用
したモード4の設定方法を説明するフローチャートであ
る。
【0388】図39は、図36におけるステップS21
8ないしステップS221において設定された変数mo
deの、配列mode〔i〕への格納方法を説明するフ
ローチャートである。
【0389】図38における一連の処理を図36におけ
るステップS214と、また図39における処理を図3
6におけるステップS222とそれぞれ置き換えること
により、より良好なモード決定処理を実現することが可
能となる。図36においては、ステップS214が図3
8に、またステップS222が図39に代替されるのみ
で、ステップS201ないしステップS213及びステ
ップS215ないしステップS221はそのままに以下
に示す動作説明に用いられるものとする。
【0390】図36におけるステップS213におい
て、変数stateが4となるサンプリング画素数Cn
t4が、閾値T4以上であれば、現フレームはモード4
であると判定され、図38におけるステップS251へ
進む。
【0391】図38のステップS251においては、ス
テップS252及びステップS253の処理を、第1実
施例における図6に示したステップS2において格納さ
れるフレーム数分(m2回)行うためにカウントを行う
カウンタ変数iを1に初期化する。ステップS251の
実行後はステップS252へ進む。
【0392】ステップS252においては、現フレーム
よりもm2フレーム前までの各フレームに対して、図3
6のステップS213及びステップS215ないしステ
ップS218においてそれぞれモード4,3,2,1及
び0と判定されたモードを格納する、m2個の要素から
なる配列mode〔i〕(i=1,……,m2)が、モ
ード4を意味する4に等しいかどうかを判定する。
【0393】ステップS252において、配列mode
〔i〕が4に等しいと判定されなければ、ステップS2
56へ進む。またステップS252において、配列mo
de〔i〕が4に等しいと判定されれば、ステップS2
53へ進む。
【0394】ステップS253においては、i=m2で
あるかどうかを判定する。
【0395】ステップS253において、i=m2であ
ると判定されなければ、ステップS254へ進む。また
ステップS253において、i=m2であると判定され
れば、ステップS257へ進む。ステップS254にお
いて、変数iにi+1を代入し、ステップS252へ進
む。
【0396】ステップS256においては、現フレーム
に対するmodeを2に設定するため、変数modeに
2を代入して、ステップS258へ進む。
【0397】ステップS257においては、現フレーム
に対するmodeを4に設定するため、変数modeに
4を代入して、ステップS258へ進む。
【0398】ステップS258においては、現フレーム
に対して図36におけるステップS213で判定された
モード4を格納するために、配列modeの1番目の要
素値に、配列modeの2番目の要素値を代入するとい
うように、配列mode〔i〕に配列mode〔i+
1〕の要素値を代入するシフト操作を、i=1からi=
(m2−1)まで行う。ステップS258の実行後はス
テップS259へ進む。
【0399】ステップS259においては、配列mod
eの最後の配列要素mode〔m2〕に現フレームに対
する図36のステップS213において判定されたモー
ド4を示す4の値を代入し、図36におけるステップS
222へ進む。
【0400】上述したように、図36におけるステップ
S222は図39におけるステップS271ないしステ
ップS274に代替される。
【0401】図39におけるステップS271は、図3
6におけるステップS218ないしステップS221あ
るいは図38におけるステップS259に続き、変数m
odeが図36におけるステップS218ないしステッ
プS221において設定されたことと同義な判定条件、
変数modeが4ではなく、かつ配列mode〔m2〕
が4でないかどうかを判定する。
【0402】ステップS272においては、配列mod
e〔i〕に配列mode〔i+1〕の要素値を代入する
シフト操作をi=1からi=(m2−1)まで行う。ス
テップS272の実行後はステップS273へ進む。
【0403】ステップS273においては、配列mod
eの最後の配列mode〔m2〕に現フレームに対して
図36におけるステップS218ないしステップS22
1において設定された変数modeの値を代入する。
【0404】ステップS273の実行後は、図6におけ
るステップS6へ進む。
【0405】なお配列mode〔i〕は、図6における
ステップS2において、m2個の要素の初期値として−
1が格納され、また図38におけるステップS258及
びステップS259あるいは図39におけるステップS
272及びステップS273において示すように、時系
列的に古いフレームに対して判定されたモードから順に
格納されるものとする。
【0406】以上に説明した一連の動作により、モード
決定回路59におけるmodeをモード4に決定するこ
とも可能である。
【0407】また図38におけるステップS256にお
ける変数modeへは、判定保留を示す0を代入しても
よい。
【0408】あるいは図4におけるモード決定回路59
における体腔外画像に対する処理のモード4の決定には
以下の方法を用いてもよい。
【0409】つまり、図37を用いて説明した方法と、
図38及び図39を用いて説明した方法を組み合わせた
方法を用いてもよい。つまり、図37におけるステップ
S240を、図38におけるステップS251ないしス
テップS257に、また図37におけるステップS24
1を図38におけるステップS258ないしステップS
260にそれぞれ代替した図37を、図36におけるス
テップS214に代替し、また図36におけるステップ
S222を図39におけるステップS271ないしステ
ップS2742に代替することの他は図35及び図36
における各ステップを用いることで表される説明図に従
って処理することで、モード決定回路59におけるmo
deをモード4に決定することも可能である。
【0410】また図37におけるステップS239及び
図38におけるステップS256における変数mode
へは、共に、判定保留を示す0を代入してもよい。
【0411】また図4におけるフィルタ設定回路58に
おけるモード4に対して設定されるフィルタF1,F2
及びF3は、それぞれ図13に示したノイズ制御フィル
タFnrであってもよい。
【0412】あるいは図4におけるフィルタ設定回路5
8におけるモード4に対して設定されるフィルタF1,
F2及びF3は、適用フィルタの周波数伝達特性の急変
を避けて、処理画像からより自然な印象を得るために、
例えば図21に示したような周波数伝達特性をもつ複数
のフィルタを用いて、例えばFe3からFe2へ1段階
ずつ、あるいはFe3からFe1へ数段階ずつ下げるよ
うに、段階的に変化させてもよい。
【0413】以上に説明したように、本実施例における
強調処理により、内視鏡が未使用の場合において、不要
な強調処理を避けることが可能となる。
【0414】[付記] (付記項1)内視鏡撮像装置により入力される、複数の
色信号に分割された内視鏡画像に対し、所定の画像処理
を施す内視鏡画像処理装置において、少なくとも1組の
変換行列及び逆変換行列を設定する変換/逆変換行列設
定手段と、フィルタを設定するフィルタ設定手段と前記
変換/逆変換行列設定手段により設定された前記変換行
列を用いて前記複数の色信号を新たな複数の色信号に変
換する変換手段と、前記変換手段により得られた前記新
たな複数の色信号の少なくとも1つに前記フィルタ設定
手段により設定された前記フィルタを用いたフィルタリ
ングを適用するフィルタリング手段と、前記変換/逆変
換行列設定手段により設定された前記逆変換行列を用い
て前記フィルタリング手段によるフィルタリング適用後
の前記新たな色信号を前記複数の色信号に逆変換する逆
変換手段とを備え、前記フィルタ設定手段は、前記内視
鏡画像を構成する前記複数の色信号に基づきフィルタを
設定することを特徴とする内視鏡画像処理装置。
【0415】(付記項2)前記変換/逆変換行列設定手
段が前記複数の色信号に基づき、前記変換行列及び前記
逆変換行列を設定することを特徴とする付記項1に記載
の内視鏡画像処理装置。
【0416】(付記項3)内視鏡撮像装置により入力さ
れる、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所
定の画像処理を施す内視鏡画像処理装置において、少な
くとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/
逆変換行列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設
定手段と前記変換/逆変換行列設定手段により設定され
た前記変換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数
の色信号に変換する変換手段と、前記変換手段により得
られた前記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記
フィルタ設定手段により設定された前記フィルタを用い
たフィルタリングを適用するフィルタリング手段と、前
記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆変
換行列を用いて前記フィルタリング手段によるフィルタ
リング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号に
逆変換する逆変換手段とを備え、前記変換/逆変換行列
設定手段は、前記内視鏡画像を構成する前記複数の色信
号に基づき前記変換行列及び前記変換逆行列を設定する
ことを特徴とする内視鏡画像処理装置。
【0417】(付記項4)内視鏡撮像装置により入力さ
れる、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所
定の画像処理を施す内視鏡画像処理装置において、前記
内視鏡画像における少なくとも染色剤散布画像及び染色
剤非散布画像の別を検出する画像検出手段を備え、少な
くとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/
逆変換行列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設
定手段と前記変換/逆変換行列設定手段により設定され
た前記変換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数
の色信号に変換する変換手段と、前記変換手段により得
られた前記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記
フィルタ設定手段により設定された前記フィルタを用い
たフィルタリングを適用するフィルタリング手段と、前
記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆変
換行列を用いて前記フィルタリング手段によりフィルタ
リング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号に
逆変換する逆変換手段とを備え、前記フィルタ設定手段
は、前記画像検出手段の検出結果に基づき前記フィルタ
を設定することを特徴とする内視鏡画像処理装置。
【0418】(付記項5)前記変換/逆変換行列設定手
段が前記画像検出手段の検出結果に応じて設定する前記
変換行列及び前記逆変換行列を変更することを特徴とす
る付記項4に記載の内視鏡画像処理装置。
【0419】(付記項6)内視鏡撮像装置により入力さ
れる、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所
定の画像処理を施す内視鏡画像処理装置において、前記
内視鏡画像における少なくとも染色剤散布画像及び染色
剤非散布画像の別を検出する画像検出手段を備え、少な
くとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/
逆変換行列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設
定手段と前記変換/逆変換行列設定手段により設定され
た前記変換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数
の色信号に変換する変換手段と、前記変換手段により得
られた前記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記
フィルタ設定手段により設定された前記フィルタを用い
たフィルタリングを適用するフィルタリング手段と、前
記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆変
換行列を用いて前記フィルタリング手段によるフィルタ
リング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号に
逆変換する逆変換手段とを備え、前記変換/逆変換行列
設定手段は、前記画像検出手段の検出結果に基づき前記
変換行列及び前記逆変換行列を設定することを特徴とす
る内視鏡画像処理装置。
【0420】(付記項7)前記画像検出手段が前記複数
の色信号からなる前記内視鏡画像における色調を表すデ
ータに基づく検出を行うことを特徴とする付記項4ない
し6のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0421】(付記項8)内視鏡撮像装置により入力さ
れる、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所
定の画像処理を施す内視鏡画像処理装置において、前記
複数の色信号に分割された前記内視鏡画像に対し、適用
する処理のモードを設定するモード設定手段と、少なく
とも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/逆
変換行列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設定
手段と前記変換/逆変換行列設定手段により設定された
前記変換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数の
色信号に変換する変換手段と、前記変換手段により得ら
れた前記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記フ
ィルタ設定手段により設定された前記¥フィルタを用い
たフィルタリングを適用するフィルタリング手段と、前
記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆変
換行列を用いて前記フィルタリング手段によるフィルタ
リング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号に
逆変換する逆変換手段とを備え、前記フィルタ設定手段
は、前記モード設定手段により設定された前記モードに
応じて前記フィルタを設定することを特徴とする内視鏡
画像処理装置。
【0422】(付記項9)前記変換/逆変換行列設定手
段が前記モード設定手段により設定された前記モードに
応じて前記変換行列及び前記逆変換行列を設定すること
を特徴とする付記項8に記載の内視鏡画像処理装置。
【0423】(付記項10)内視鏡撮像装置により入力
される、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、
所定の画像処理を施す内視鏡画像処理装置において、前
記複数の色信号に分割された前記内視鏡画像に対し、適
用する処理のモードを設定するモード設定手段と、少な
くとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換/
逆変換行列設定手段と、フィルタを設定するフィルタ設
定手段と前記変換/逆変換行列設定手段により設定され
た前記変換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数
の色信号に変換する変換手段と、前記変換手段により得
られた前記新たな複数の色信号の少なくとも1つに前記
フィルタ設定手段により設定された前記フィルタを用い
たフィルタリングを適用するフィルタリング手段と、前
記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆変
換行列を用いて前記フィルタリング手段によるフィルタ
リング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号に
逆変換する逆変換手段とを備え、前記変換/逆変換行列
設定手段は、前記モード設定手段により設定された前記
モードに応じて前記変換行列及び前記逆変換行列を設定
することを特徴とする内視鏡画像処理装置。
【0424】(付記項11)前記モード設定手段が第1
のモードから第2のモードへの変更において適用する処
理と、前記第2のモードから前記第1のモードへの変更
において適用する処理とを異なるものとすることを特徴
とする付記項8ないし10のいずれか1つに記載の内視
鏡画像処理装置。
【0425】(付記項12)前記モード設定手段が前記
複数の色信号からなる前記内視鏡画像における色調を表
すデータに基づき前記モードを設定することを特徴とす
る付記項8ないし11のいずれか1つに記載の内視鏡画
像処理装置。
【0426】(付記項13)前記複数の色信号からなる
前記内視鏡画像に対し、少なくとも染色剤散布画像及び
染色剤非散布画像の別を検出する画像検出手段を備え、
前記モード設定手段が前記画像検出手段の検出結果に対
応する前記モードを設定することを特徴とする付記項8
ないし11のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装
置。
【0427】(付記項14)前記画像検出手段が前記複
数の色信号からなる前記内視鏡画像における色調を表す
データに基づく検出を行うことを特徴とする付記項13
に記載の内視鏡画像処理装置。
【0428】(付記項15)前記複数の色信号において
少なくとも1つの色信号の経時的変化量を検出する変化
量検出手段を備え、前記フィルタ設定手段が前記変化量
検出手段の検出結果に基づき前記フィルタを設定するこ
とを特徴とする付記項1ないし14のいずれか1つに記
載の内視鏡画像処理装置。
【0429】(付記項16)割り込み処理の発生及び/
または解除を検知する検知手段を備え、前記変換/逆変
換行列設定手段が前記検出手段の検知結果に基づき設定
する前記変換行列及び前記逆変換行列を変更することを
特徴とする付記項1ないし15のいずれか1つに記載の
内視鏡画像処理装置。
【0430】(付記項17)割り込み処理の発生及び/
または解除を検知する検知手段を備え、前記フィルタ設
定手段が前記検知手段の検知結果に基づき設定する前記
フィルタを変更することを特徴とする付記項1ないし1
6のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0431】(付記項18)割り込み処理の発生及び/
または解除を検知する検知手段を備え、前記モード設定
手段が前記検知手段の検知結果に基づき前記モードを変
更することを特徴とする付記項8ないし17のいずれか
1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0432】(付記項19)前記検知手段の検知結果が
割り込み処理の発生を検知した時点における前記変換行
列及び前記逆変換行列及び/または前記フィルタを格納
する格納手段を備え、前記変換/逆変換行列設定手段が
前記検知手段が割り込み処理の解除を検知した時点で前
記格納手段に格納した前記変換行列及び前記逆変換行列
を設定すること及び/または前記フィルタ設定手段が前
記検知手段が割り込み処理の解除を検知した時点で前記
格納手段に格納した前記フィルタを設定することを特徴
とする付記項16ないし18のいずれか1つに記載の内
視鏡画像処理装置。
【0433】(付記項20)前記検知手段の検知結果が
割り込み処理の発生を検知した時点における前記モード
を格納するモード格納手段を備え、前記モード設定手段
が前記検知手段が割り込み処理の解除を検知した時点で
前記モード格納手段に格納したモードを設定することを
特徴とする付記項18に記載の内視鏡画像処理装置。
【0434】(付記項21)前記割り込み処理が内視鏡
撮像装置におけるフリーズ機能による静止画像発生処理
であることを特徴とする付記項16ないし20のいずれ
か1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0435】(付記項22)前記割り込み処理が内視鏡
撮像装置におけるモノクロ観察機能によるモノクロ画像
発生処理であることを特徴とする付記項16ないし20
のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0436】(付記項23)前記フィルタ設定手段が前
記新たな複数の色信号の少なくとも1つに対して特定の
周波数帯域を強調する特性を備える前記フィルタを設定
することを特徴とする付記項1ないし22のいずれか1
つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0437】(付記項24)前記フィルタ設定手段が前
記新たな複数の色信号の少なくとも1つに対して特定の
周波数帯域を抑制する特性を備える前記フィルタを設定
することを特徴とする付記項1ないし23のいずれか1
つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0438】(付記項25)前記フィルタ設定手段が強
調の程度が異なる複数の前記フィルタを段階的に設定す
ることを特徴とする付記項1ないし24のいずれか1つ
に記載の内視鏡画像処理装置。
【0439】(付記項26)前記複数の色信号からなる
前記内視鏡画像に対し、特徴量を算出する特徴量算出手
段を備え、前記フィルタ設定手段が前記特徴量算出手段
により算出された特徴量に基づき前記フィルタを設定す
ることを特徴とする付記項1ないし25のいずれか1つ
に記載の内視鏡画像処理装置。
【0440】(付記項27)前記特徴量算出手段が前記
複数の色信号における少なくとも1つの色信号の濃度値
に基づく特徴量を算出することを特徴とする付記項26
に記載の内視鏡画像処理装置。
【0441】(付記項28)前記特徴量算出手段が前記
複数の色信号における少なくとも1つの色信号の周波数
成分に基づく特徴量を算出することを特徴とする付記項
26または27記載の内視鏡画像処理装置。
【0442】(付記項29)前記特徴量算出手段が通過
帯域の異なる複数の帯域通過フィルタリングによる処理
結果に基づく特徴量を算出することを特徴とする付記項
26ないし28のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理
装置。
【0443】(付記項30)前記特徴量算出手段により
算出された特徴量に基づき、前記フィルタリング手段が
設定する前記フィルタの強調する周波数帯域を変更する
ことを特徴とする付記項26ないし29のいずれか1つ
に記載の内視鏡画像処理装置。
【0444】(付記項31)内視鏡が体腔内に挿入され
ているか否かを検出する検出手段を備え、前記フィルタ
設定手段が前記検出手段の検出結果に基づき前記フィル
タを変更することを特徴とする付記項1ないし30のい
ずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0445】(付記項32)前記検出手段が前記複数の
色信号からなる前記内視鏡画像における色調に基づき前
記内視鏡が体腔内に挿入されているか否かを検出するこ
とを特徴とする付記項31に記載の内視鏡画像処理装
置。
【0446】(付記項33)前記検出手段が前記複数の
色信号における少なくとも1つの色信号の経時的変化量
に基づき前記内視鏡が体腔内に挿入されているか否かを
検出することを特徴とする付記項31または32記載の
内視鏡画像処理装置。
【0447】(付記項34)前記複数の色信号からなる
前記内視鏡画像において、前記複数の色信号を構成する
各色信号の値の比に基づく値を用いて前記フィルタ及び
/または前記変換行列及び/または前記逆変換行列及び
/または前記モードを設定することを特徴とする付記項
1ないし33のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装
置。
【0448】(付記項35)前記複数の色信号がRGB
画像データからなることを特徴とする付記項1ないし3
4のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0449】(付記項36)前記フィルタリング手段が
ディジタルフィルタリング実行手段からなることを特徴
とする付記項1ないし35のいずれか1つに記載の内視
鏡画像処理装置。
【0450】(付記項37)前記フィルタリング手段が
空間周波数領域上におけるフィルタリング実行手段から
なることを特徴とする付記項1ないし36のいずれか1
つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0451】(付記項38)内視鏡撮像装置における色
調設定手段の設定状況を検知する色調設定検知手段を備
え、前記フィルタ設定手段が前記色調設定検知手段の検
知結果に基づき前記フィルタを設定することを特徴とす
る付記項1ないし37のいずれか1つに記載の内視鏡画
像処理装置。
【0452】(付記項39)内視鏡撮像装置における色
調設定手段の設定状況を検知する色調設定検知手段を備
え、前記変換/逆変換行列設定手段が前記色調設定検知
手段の検知結果に基づき前記変換行列及び前記逆変換行
列を設定することを特徴とする付記項1ないし38のい
ずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0453】(付記項40)複数の画像検出手段と、内
視鏡撮像装置における色調設定手段の設定状況を検知す
る色調設定検知手段とを備え、前記色調設定検知手段の
検知結果に基づき前記複数の画像検出手段の少なくとも
1つを選択して使用することを特徴とする付記項4ない
し7及び13のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装
置。
【0454】(付記項41)内視鏡撮像装置における前
記色調検知設定手段が前記内視鏡画像を構成する前記複
数の色信号の少なくとも1つの色信号において、内視鏡
画像処理装置への出力レベルを変更する出力レベル変更
手段であることを特徴とする付記項38ないし40のい
ずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0455】(付記項42)前記変換/逆変換行列設定
手段が大きさ3×3の行列である前記変換行列及び前記
逆変換行列を設定することを特徴とする付記項1ないし
41のいずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0456】(付記項43)前記画像検出手段が前記複
数の色信号からなる前記内視鏡画像において、前記複数
の色信号を構成する各色信号の値の比に基づく値を用い
て検出を行うことを特徴とする付記項14及び40のい
ずれか1つに記載の内視鏡画像処理装置。
【0457】(付記項44)内視鏡撮像装置により入力
される、複数の色信号に分割された内視鏡画像に対し、
所定の画像処理を施す内視鏡画像処理方法において、少
なくとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変換
/逆変換行列設定ステップと、フィルタを設定するフィ
ルタ設定ステップと前記変換/逆変換行列設定ステップ
により設定された前記変換行列を用いて前記複数の色信
号を新たな複数の色信号に変換する変換ステップと、前
記変換ステップにより得られた前記新たな複数の色信号
の少なくとも1つに前記フィルタ設定ステップにより設
定された前記フィルタを用いたフィルタリングを適用す
るフィルタリングステップと、前記変換/逆変換行列設
定ステップにより設定された前記逆変換行列を用いて前
記フィルタリングステップによるフィルタリング適用後
の前記新たな色信号を前記複数の色信号に逆変換する逆
変換ステップとを備え、前記フィルタ設定ステップは内
視鏡画像を構成する前記複数の色信号に基づきフィルタ
を設定することを特徴とする内視鏡画像処理方法。
【0458】
【発明の効果】以上説明したように本発明の内視鏡画像
処理装置によれば、フィルタ設定手段が内視鏡画像を構
成する複数の色信号に基づきフィルタを設定するので、
内視鏡画像に対し、画像ごとに最適な画像処理を適用す
ることができるとともに、ハードウェア化においても低
コスト化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る画像処理装置を備え
た電子内視鏡システムの構成を示す構成図
【図2】図1の内視鏡システムの詳細な構成を示すブロ
ック構成図
【図3】図1の画像処理装置の構成を示す構成図
【図4】図3の画像処理部の構成を示すブロック図
【図5】図4の画像処理部における強調処理非適用時の
フィルタを説明するための説明図
【図6】図4の画像処理部での処理の流れを示すフロー
チャート
【図7】図4の画像処理部における画素のサンプリング
動作を説明するための説明図
【図8】図4の画像処理部におけるサンプリングを説明
するための説明図
【図9】図6の明部画素除外処理の処理の流れを示すフ
ローチャート
【図10】図6の暗部画素除外処理の処理の流れを示す
フローチャート
【図11】図6のモード設定処理の処理の流れを示すフ
ローチャート
【図12】図11のモード設定処理を説明するための説
明図
【図13】図4のフィルタリング回路に適用するフィル
タFe及びノイズ抑制フィルタFnrの周波数伝達特性
の概要を示す説明図
【図14】図11のモード設定処理において使用する2
次元配列の第1の作成方法の流れを示す第1のフローチ
ャート
【図15】図11のモード設定処理において使用する2
次元配列の第1の作成方法の流れを示す第2のフローチ
ャート
【図16】図11のモード設定処理において使用する2
次元配列の第2の作成方法の流れを示す第1のフローチ
ャート
【図17】図11のモード設定処理において使用する2
次元配列の第2の作成方法の流れを示す第2のフローチ
ャート
【図18】図11のモード設定処理において使用する2
次元配列の第2の作成方法の流れを示す第3のフローチ
ャート
【図19】本発明の第2実施例に係る調色機能を説明す
るための説明図
【図20】図19の調色機能における色調パラメータに
よる2次元領域分布を説明する説明図
【図21】本発明の第4実施例に係る画像処理部のフィ
ルタリング回路に適用するフィルタFe及びノイズ抑制
フィルタFnrの周波数伝達特性の概要を示す説明図
【図22】図21の特性を有するフィルタを設定するフ
ィルタ設定回路の動作を説明するフローチャート
【図23】本発明の第5実施例に係る画像処理部の強調
処理の動作の概念を説明するためのフローチャート
【図24】図23の画像変化量算出方法の具体例を説明
するためのフローチャート
【図25】本発明の第6実施例に係る強調処理における
モード決定回路及びフィルタ設定回路の動作を説明する
ためのフローチャート
【図26】本発明の第7実施例に係る画像処理部の構成
を示すブロック図
【図27】図26のフィルタリング回路に適用するフィ
ルタFeA,FeB,FeCの周波数伝達特性の概要を
示す説明図
【図28】図26の構造成分量算出回路の動作を説明す
るためのフローチャート
【図29】図26の構造成分量算出回路の処理において
適用されるフィルタFbpA,FbpB及びFbpCと
対応するフィルタFeA,FeB及びFeCとの周波数
伝達特性との間の関係の概念を説明するための説明図
【図30】図26の画像処理部で処理される内視鏡画像
の周波数成分量の分布量の概念を示す説明図
【図31】本発明の第8実施例に係る画像処理部の構成
を示すブロック図
【図32】図31のフィルタリング回路に適用するフィ
ルタFeA,FeB,FeCの周波数伝達特性の概要を
示す説明図
【図33】図31の構造/ノイズ成分比算出回路の動作
を説明するためのフローチャート
【図34】本発明の第9実施例に係るサンプリング画素
Pの色調を判定するためのパラメータx及びyの取り得
る2次元領域を説明する説明図
【図35】図34の2次元領域に対するモード決定処理
の詳細を説明するための第1のフローチャート
【図36】図34の2次元領域に対するモード決定処理
の詳細を説明するための第2のフローチャート
【図37】図34の2次元領域に対する画素値の変動が
少ないということを利用したモード4の判定方法を説明
するフローチャート
【図38】サンプリング画素が図34における領域4へ
時間的に安定して集中するためフィルタ設定モードの変
化が少ないことを利用したモード4の設定方法を説明す
るフローチャート
【図39】図36の処理において設定された変数mod
eの配列mode〔i〕への格納方法を説明するフロー
チャート
【符号の説明】
1…電子内視鏡システム 2…電子内視鏡装置 3…画像処理装置 4…内視鏡画像記録装置 6…電子内視鏡 7…観測装置 7A…光源部 7B…信号処理部 8…観察用モニタ 40…中央処理装置 41…情報入力装置 42…主記憶装置 43…画像入力I/F 44…外部記憶装置 45…ROM 46…画像記憶装置I/F 47…画像処理部 50…プロセス制御回路 51…RAM 52…制御回路 53…座標軸変換回路 54a,54b,54c…フィルタリング回路 55…座標軸逆変換回路 56a,56b,56c,60a,60b,60c…デ
ータ変換回路 57…変換/逆変換行列設定回路 58…フィルタ設定回路 59…モード決定回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内視鏡撮像装置により入力される、複数
    の色信号に分割された内視鏡画像に対し、所定の画像処
    理を施す内視鏡画像処理装置において、 少なくとも1組の変換行列及び逆変換行列を設定する変
    換/逆変換行列設定手段と、 フィルタを設定するフィルタ設定手段と、 前記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記変
    換行列を用いて前記複数の色信号を新たな複数の色信号
    に変換する変換手段と、 前記変換手段により得られた前記新たな複数の色信号の
    少なくとも1つに前記フィルタ設定手段により設定され
    た前記フィルタを用いたフィルタリングを適用するフィ
    ルタリング手段と、 前記変換/逆変換行列設定手段により設定された前記逆
    変換行列を用いて前記フィルタリング手段によるフィル
    タリング適用後の前記新たな色信号を前記複数の色信号
    に逆変換する逆変換手段とを備え、 前記フィルタ設定手段は内視鏡画像を構成する前記複数
    の色信号に基づき前記フィルタを設定することを特徴と
    する内視鏡画像処理装置。
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