JPH08313403A - ピペット装置 - Google Patents

ピペット装置

Info

Publication number
JPH08313403A
JPH08313403A JP7146895A JP14689595A JPH08313403A JP H08313403 A JPH08313403 A JP H08313403A JP 7146895 A JP7146895 A JP 7146895A JP 14689595 A JP14689595 A JP 14689595A JP H08313403 A JPH08313403 A JP H08313403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dispensing
connecting rod
push button
button
pipette
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7146895A
Other languages
English (en)
Inventor
Masamichi Otani
政道 大谷
Teruaki Sekine
暉彬 関根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LAB T I KK
NIPPON MICRO TEC KK
Original Assignee
LAB T I KK
NIPPON MICRO TEC KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LAB T I KK, NIPPON MICRO TEC KK filed Critical LAB T I KK
Priority to JP7146895A priority Critical patent/JPH08313403A/ja
Publication of JPH08313403A publication Critical patent/JPH08313403A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Devices For Use In Laboratory Experiments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単なモード切り替え操作によって、注入全排
出モードと分注モードの両方の操作が行える。 【構成】シリンダ室35内を往復運動するプランジャー
31により試験液等を吸入排出する手動式ピペット装置
において、プランジャー31に接続された連結ロッド1
8と、連結ロッドを往復運動させるためのプッシュボタ
ン2と、連結ロッド18とプッシュボタン2を連結/分
離させる手段1と、連結ロッド18を所定量移動させる
ための分注ボタン20とを備え、連結ロッド18とプッ
シュボタン2とを連結した場合には、プッシュボタン2
ボタンによってプランジャー31を往復運動させて試験
液を吸入し全量排出させ、連結ロッド18とプッシュボ
タン2とを分離した場合には、分注ボタン20によって
プランジャー31を所定量移動させて試験液を等量ずつ
分配して排出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ室内を往復運
動するプランジャーにより試験液等の流体を吸入排出す
るピペット装置のうち、特に手動式のピペット装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より医薬、化学用の試験液の注入の
為にピペット装置が用いられている。このピペット装置
には、試験液を吸入しそれを全量排出する操作の為に用
いられるタイプと、試験液を吸入しそれを微量かつ等量
ずつ分配して排出する分注操作に用いられるタイプの2
種類がある。
【0003】図4は、試験液を吸入しそれを全量排出す
る操作の為に用いられる従来のピペット装置の概略断面
図である。
【0004】このピペット装置は、中心部に空間が形成
されたピペットボディ40を有している。ピペットボデ
ィ40の下端部には、シリンダ室45が設けられてい
る。このシリンダ室45内にプランジャー42が往復運
動可能に装着されている。プランジャー42には、ピペ
ットボディ40の内部を往復運動可能に取り付けられた
シャフト43が固定されている。シャフト43の上端に
は、ピペットボディ40の上端に往復運動可能に取り付
けられたプッシュボタン44が固定されている。プッシ
ュボタン44は、ピペットボディ40の支持部40aと
プッシュボタン44との間に装着されたストロークバネ
41によって、シリンダ室45の容量が大きくなるよう
に常に押されている。
【0005】かかる構成の従来のピペット装置では、プ
ッシュボタン44の往復運動により、シャフト43を介
してプランジャー42がシリンダ室45内を往復運動す
る。
【0006】その使用方法を説明すと、まず、オペレー
タはプッシュボタン44を押し下げる。この時、プラン
ジャー42はシリンダ室45の最下端まで下がる。この
状態で、ピペットボディ40の下端に取り付けられたチ
ップ46の先端を試験液に漬ける。プッシュボタン44
を押していた指を放すと、戻りばねであるストロークバ
ネ41が働き、プッシュボタン44は再び元の最上端位
置まで戻る。この時に、シリンダ室45内に試験液が吸
入される。次に、オペレータがプッシュボタン44を押
圧すると、シリンダ室45内の試験液が排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図4に示す従
来の全量を吸入排出する手動式のピペット装置では、プ
ッシュボタン44の押し下げ量を人の能力では正確に制
御できないから、繰り返して所定量の試験液を排出する
分注操作に用いることは出来ない。従って、分注作業の
為には、分注専用のピペットを別途用意する必要があっ
た。その為、滴定作業時には必要に応じて2種類のピペ
ットを用意し取り替えて使用しなければならず、手間が
掛かると共に作業効率が落ちるという問題があった。
【0008】本発明は、上述の従来技術の課題を解決
し、試験液を吸入し全量排出する場合と、等量分注を行
う場合の両方の目的に使用出来る手動式のピペット装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様は、
ピペットボディ内に形成されたシリンダ室内を往復運動
するプランジャーにより試験液等の流体を吸入排出する
ピペット装置において、プランジャーに接続されたピペ
ットボディ内を往復運動する連結ロッドと、シリンダ室
の容量が小さくなるように連結ロッドを押し下げること
ができる、ピペットボディのシリンダ室とは反対の側に
往復運動可能に取り付けられたプッシュボタンと、連結
ロッドとプッシュボタンとを選択的に連結し又は分離さ
せる連結/分離手段と、連結ロッドとプッシュボタンと
が選択的に連結した時シリンダ室の容量が大きくなるよ
うにこのプッシュボタンを上方に向かって押すスプリン
グと、ピペットボディに往復運動可能に取り付けられた
分注ボタンと、分注ボタンの押し下げにより、連結ロッ
ドと選択的に係合してこの連結ロッドを所定量移動させ
る選択的係合手段を有する、分注ボタンを最上端位置に
向かって押す分注ボタン用バネとを備え、連結ロッドと
プッシュボタンとを連結した場合には、このプッシュボ
タンの往復運動によってプランジャーを往復運動させて
流体を吸入し全量排出させ、連結ロッドとプッシュボタ
ンとを分離した場合には、分注ボタンによってプランジ
ャーを所定量移動させて流体を等量ずつ分配して排出さ
せることを特徴とする。
【0010】連結/分離手段の好ましい態様は、プッシ
ュボタン上面に往復運動可能に取り付けられる連結キャ
ップに形成された嵌合穴と、前記連結ロッドの上端に設
けられる前記連結キャップの嵌合穴に着脱可能に嵌合す
る嵌合部とから構成される。
【0011】また、選択式係合手段の好ましい態様は連
結ロッドが貫通する中心孔を備え、通常は該連結ロッド
に対しほぼ直角に延びるが、作用点を押されると支点を
中心として斜めとなり前記中心孔の周囲壁が該連結ロッ
ドに掛止する分注板部材と、分注板部材を弾性的に支え
る分注バネと、分注板部材の作用点を押し下げる、分注
シャフトを介して分注ボタンに連結された分注ロッドと
にから構成される。
【0012】さらに、ピペットボディに螺合する分注容
量調節ねじを設けることができ、それにより、分注ボタ
ンのストロークを微調整可能に制限することができる。
【0013】
【作用】上記構成により、本発明におけるピペット装置
は、プッシュボタンと連結ロッドが連結され一体的とな
った時には、前述した従来の手動式ピペット装置と全く
同じ様に作用する。
【0014】プッシュボタンと連結ロッドとを連結した
後、注入全排出モードの操作が行なわれる。
【0015】連結/分離手段が、プッシュボタン上面に
往復運動可能に取り付けられる連結キャップに形成され
た嵌合穴と、連結ロッドの上端に設けられる連結キャッ
プの嵌合穴に着脱可能に嵌合する嵌合部とから構成され
る場合には、プッシュボタンを押してストロークの最下
端にした後、さらに強く押し下げることによって、プッ
シュボタンと連結ロッドとは連結される。
【0016】オペレータによりプッシュボタンが押し下
げられると、プランジャーはシリンダ室の最下端まで下
がる。この状態で、ピペットボディの下端に取り付けら
れたチップの先端を試験液等の流体に漬ける。プッシュ
ボタンを押していた指が放されると、戻りばねであるス
プリングが働き、プッシュボタンは再び元の最上端位置
まで戻る。この時に、プランジャーも、連結ロッド及び
連結/分離手段を介してプッシュボタンに連結されてい
るから、その最上端位置に戻りシリンダ室内に流体を吸
入する。次に、オペレータによりプッシュボタンが押し
下げられると、プランジャーは、連結ロッド及び連結/
分離手段を介してシリンダ室内の最下端位置に移動し、
シリンダ室内の流体を全て排出する。
【0017】次に、分注モードについて説明する。
【0018】プッシュボタンと連結ロッドとは、流体を
吸入した後、すなわち、プッシュボタンが最上端位置に
ある時に、連結/分離手段により分離される。この状態
では、連結ロッドはスプリングの作用から解放され拘束
力を受けない。従って、小さな力でもって連結ロッドは
移動可能な状態となる。
【0019】分注ボタンが押圧されると、選択的係合手
段が選択的に連結ロッドと係合し、それに接続されてい
るプランジャーがシリンダ室で所定量移動する。これに
より、シリンダ室内の試験液が、一回の分注ボタンの押
し下げにより引き起こされるプランジャーの移動分だけ
排出される。分注ボタンを押していた指が放されると、
分注ボタンは分注ボタン用バネにより再び元の最上端位
置まで戻る。この時、分注ボタンと連結ロッドとの係合
は解除されており、連結ロッド及びプランジャーの移動
はない。
【0020】分注ボタンが再び押圧されると、前述と同
様の作動により試験液は等量ずつ排出される。
【0021】これらの動作は、選択的係合手段が、分注
板部材と、分注バネと、そして、分注ロッドとからなる
好ましい態様においては、以下のようにして行われる。
【0022】分注板部材は、連結ロッドが貫通する中心
孔を備え、通常は、分注バネに弾性的に支えられて該連
結ロッドに対しほぼ直角に保持される。分注板部材は、
その作用点を押されると支点を中心として斜めとなり、
中心孔の周囲壁が該連結ロッドに係合する。さらに、分
注板部材が斜めのまま押し下げられると、連結ロッドも
それと一緒に下降する。連結ロッドの下降は、分注ボタ
ンがストロークの最下端に達するまで続く。これによ
り、連結ロッドに固定されたプランジャーもシリンダ室
内で移動し、その分の流体が排出される。
【0023】分注ボタンを押していた指が放されると、
分注ボタンは分注ボタン用バネにより再び元の最上端位
置まで戻る。この時、分注板部材は分注バネにより斜め
の状態から連結ロッドに対しほぼ直角の状態に戻され
る。ほぼ直角に戻った瞬間から、分注ボタンと連結ロッ
ドとの係合は解除され、それ以後の連結ロッド及びプラ
ンジャーの移動はなくなる。
【0024】ピペットボディに螺合する分注容量調節ね
じは、それを回転することにより、分注ロッドの下端面
との距離を微調整し、従って、分注ボタンのストローク
を微調整可能に制限する。
【0025】
【実施例】以下、図面を用いて、本発明に係るピペット
装置を、図示された好ましい実施例を参照して説明す
る。
【0026】初に、図1を参照して、本発明に係るピペ
ット装置33の構成について説明する。
【0027】ピペット装置33は、試験液を吸入しそれ
を全量排出する操作の為に使用するプッシュボタン2
と、吸入された試験液を等量ずつ分配して排出する分注
操作の為に使用する分注ボタン20を備えた構成となっ
ている。
【0028】本ピペット装置33は、概略的に、ピペッ
トボディ11、プッシュボタン2、連結ロッド18、プ
ランジャー31、分注ボタン20を基本構成要素とし
て、必要本数の捩子、ナット等によって組み立て固定さ
れる。連結ロッド18はストロークリング24を貫通し
て、且つスットパ24aによりストロークリング24に
連結されている。連結ロッド18の先端はプランジャー
31に嵌め込まれて固定されている。そして、連結ロッ
ド18の往復運動に伴って、シリンダノズル17の内側
に形成されたシリンダ室35内でプランジャー31が往
復運動を行う様に構成されている。
【0029】連結キャップ1は、プッシュボタン2の上
部に脱落しないように且つ往復運動可能に取り付けられ
ている。
【0030】連結キャップ1はその裏面中央に凸部1b
を持ちその中央には嵌合穴1aが形成されている。
【0031】連結ロッド18の上端はこの嵌合穴1aに
ある程度の摩擦力をもって嵌め込まれる嵌合部18aが
形成される。
【0032】プッシュボタン2を押してストロークの最
下端にした後、さらに強く押し下げることによって、プ
ッシュボタン2と連結ロッド18とは、連結キャップ1
を介して一体的に連結される。一方、プッシュボタン2
の最上端位置において、連結キャップ1をプッシュボタ
ン2から離れる方向に引っ張ると、プッシュボタン2と
連結ロッド18とは、分離する。
【0033】ガイドパイプ3は、連結キャップ1側で捩
子によってプッシュボタン2に固定されており、反対側
ではストロークリング24が固定されている。ガイドパ
イプ3の周囲には、ストロークねじ7が遊嵌されてお
り、ピペットボディ11に回転できないように落とし込
まれたストロークナット8は、このストロークねじ7と
螺合している。従って、このストロークねじ7を回転す
ると、その下端部とガイドパイプ3の凸部3aとが当接
する位置が変り、これにより、プッシュボタン2の移動
する距離が調整され、ひいては、ピペット装置33で吸
入排出される試験液の量が所定容積に調整される。
【0034】プランジャー31の上部のシール押さえ1
5の上面には、連結ロッド18を中心として、3本のガ
イドシャフト10が上方に向って立設されている。各ガ
イドシャフト10の上端は、ピペットボディ11に固定
されたガイド支え9に形成された取付穴に嵌め込まれて
いる。
【0035】ストロークリング24とシール押さえ15
とに両端を保持されたストロークスプリング12が、各
ガイドシャフト10の周囲に配置されている(図2にお
いては、ストロークスプリング12は省略されてい
る)。この部分の構成の詳細については後述する。
【0036】シール押さえ15がピペットボディ11に
固定されたシリンダノズル17によってその移動を規制
されているため、ストロークリング24はストロークス
プリング12によって常に上方に押されている。これに
より、プッシュボタン2も、ガイドパイプ3を介して常
に上方に押されている。
【0037】従って、連結キャップ1によって、プッシ
ュボタン2と連結ロッド18とが連結されているときに
は、プランジャー31も上方に押されている。しかしな
がら、連結キャップ1をプッシュボタン2から上方に引
っ張って、プッシュボタン2と連結ロッド18とを分離
した時には、連結ロッド18は、ストロークスプリング
12の作用から解放され拘束力を受けない。従って、小
さな力でもって連結ロッド18は移動可能な状態とな
る。
【0038】ストロークリング24には、連結ロッド1
8と各ガイドシャフト10が貫通する開口がそれぞれ形
成されている。ガイドシャフト10は、ストロークスプ
リング12を案内保持する役目を果し、それによりスト
ロークスプリング12より均一にストロークリング24
を支えることができる。また、クリックリング5は、プ
ッシュボタン2の回り止め用として設けられており、試
験液吸入又は排出量が変わるのを防ぐ。クリックリング
5及びストロークナット8が脱落するのを阻止するクリ
ックベース6は、固定ナット4によってピペットボディ
11に固定されている。
【0039】プッシュボタン2の表面には、図3に示し
た様なシリンダ室35への試験液の吸入容量を示す目盛
り34が記入されている。
【0040】分注ボタン20には、分注シャフト22が
固定されており、共に、ピペットボディ11に対し縦方
向に往復運動可能に取り付けられている。分注シャフト
22のもう一端は、分注ロッド25に固定されている。
分注ボタン用バネ21は、押し下げられた分注ボタン2
0を元の位置に戻す役目をする圧縮バネで、分注シャフ
ト22の周囲に配置されている。図示されているよう
に、分注ボタン用バネ21の両端は、分注ボタン20と
スペーサー23とによって保持されている。
【0041】ピペットボディ11の内側に形成された空
間に配置された長方形の分注板部材13には、連結ロッ
ド18と1本のストロークスプリング12が貫通する為
の中心孔と開口とがそれぞれ形成されている。分注板部
材13の一方の端は、ピペットボディ11の肩部11a
に、そして、他方の端は分注ロッド25に当接してい
る。そして、分注板部材13は、その両端が分注板部材
13とシール押さえ15に保持され且つ、連結ロッド1
8の周囲に配置された分注バネ14によって、連結ロッ
ド18にほぼ直角となるように弾性的に支えられてい
る。
【0042】分注板部材13の他端が分注ロッド25に
よって下方に押されると、分注板部材13はピペットボ
ディ11の肩部11aを支点として傾斜する。これによ
り、分注板部材13の中心孔13aの周囲壁は連結ロッ
ド18と係合し、それ以後は、分注板部材13はその傾
斜を保ちながら連結ロッド18を下方に押し下げる。連
結ロッド18の下降は、分注ボタン20、分注シャフト
22及び分注ロッド25がストロークの最下端に達する
まで続く。これにより、連結ロッド18に固定されたプ
ランジャー31もシリンダ室35内で移動し、その分の
試験液が排出される。
【0043】分注容量調整捩子29は、間隙32の距離
を調整する為に設けられている。分注容量表示窓26
は、分注容量調整捩子29の外側面に固定された分注容
量線リング27の位置を表示する為に設けられている。
また、ピペットボディ11と分注容量調整捩子29との
隙間には、分注容量調整捩子29が分注操作中に回転す
ることを防ぐ目的で、回り止め用Oリング28が嵌め込
まれている。
【0044】次に、以上の様な構成によるピペット装置
33で、試験液が吸入及び排出される動作原理、さらに
吸入された試験液が等量分注される動作原理について説
明する。
【0045】本発明に係るピペット装置33は、連結キ
ャップ1によりプッシュボタン2と連結ロッド18とを
連結するか分離するかによって、図4に示した従来と同
じ注入全排出モードにも、また、分注モードにも使用可
能な構成になっていることが特徴である。
【0046】まず、本発明に係るピペット装置33が、
試験液を吸入し全量排出する注入全排出モードとして使
用される場合の動作について説明する。
【0047】プッシュボタン2と連結ロッド18とは、
プッシュボタン2を連結キャップ1の上から押してスト
ロークの最下端にした後、さらに強く押し下げることに
よって自動的に連結される。連結後は、プッシュボタン
2は連結ロッド18とは一体となって動作する。すなわ
ち、連結キャップ1が押し下げられてプッシュボタン2
がクリックベース6内に押し込まれると、連結ロッド1
8はプッシュボタン2と連動して移動する。また、ガイ
ドパイプ3は連結キャップ1の側でプッシュボタン2と
固定され、もう一端ではストロークリング24と固定さ
れている。従って、連結キャップ1によりプッシュボタ
ン2と連結ロッド18とが連結している状態では、プッ
シュボタン2、プッシュボタン2に固定されているガイ
ドパイプ3、ガイドパイプ3と接続されているストロー
クリング24、プッシュボタン2と連結キャップ1を介
して一体的になっている連結ロッド18、そして連結ロ
ッド18に固定されているプランジャー31は一緒とな
って移動する。
【0048】尚、プランジャー31がシリンダ室35の
最下端まで下った状態でプッシュボタン2を押さえてい
た指を放すと、ストロークスプリング12によって、プ
ッシュボタン2は再び元の位置まで戻されるようになっ
ている。
【0049】これにより、プッシュボタン2の往復運動
に伴ってプランジャー31が往復運動し、シリンダ室3
5内に試験液を吸入し、また、シリンダ室35内の試験
液を排出することが出来る。
【0050】この使用方法では、ピペット装置33は、
シリンダ室35の横断面積によって、例えば0.01〜
10ミリリットルの範囲、0.05〜50ミリリットル
の範囲、0.2〜200ミリリットルの範囲、および
1.0〜1000ミリリットルの範囲等種々の滴定仕様
とすることが出来る。
【0051】次に、本発明に係るピペット装置33が、
分注モードとして使用される場合の動作原理について説
明する。
【0052】先ず、シリンダ室35内に試験液を吸入し
た後、すなわち、プッシュボタン2が試験液を吸入して
最上端位置にある時に、連結キャップ1をプッシュボタ
ン2から引き離す方向に引っ張る。これにより、連結ロ
ッド18はプッシュボタン2から解放され、連結ロッド
18とそれに固定されたプランジャー31は、Oリング
16によってのみ支えられた状態となる。すなわち、こ
の状態では、連結ロッド18はストロークスプリング1
2のバネ力の作用から解放され拘束力を受けない。従っ
て、小さな力でもって連結ロッド18は移動可能な状態
となる。
【0053】分注モードでは、分注専用の分注ボタン2
0が使用される。分注ボタン20の押し下げ操作は、分
注シャフト22を介して分注ロッド25に伝達される。
分注ロッド25は、分注ボタン20の押し下げによって
間隙32の距離分だけ移動し、通常連結ロッド18に対
してほぼ直角に保たれていた分注板部材13の他端すな
わち、作用点を押下げる。分注板部材13の他端が押し
下げられると、連結ロッド18が貫通している分注板部
材13も傾き、そのほぼ中央に形成された中心孔13a
の周囲壁で連結ロッド18を引っ掛けて押し下げる。こ
の結果、連結ロッド18はプランジャー31を押し下
げ、シリンダ室35内の試験液が排出される。試験液の
排出後、分注板部材13は分注バネ14の働きによって
水平の状態に戻る。
【0054】シリンダ室35内に試験液が無くなるまで
分注が行われると、プランジャー31はシリンダ室35
の最下端まで達している。分注モードでは連結ロッド1
8とプッシュボタン2とは連結していない為、プッシュ
ボタン2は試験液吸入の際の状態、すなわち最上端位置
にある。ここで、プッシュボタン2を押し下げ、連結キ
ャップ1と、連結ロッド18の上端とが当接して止まっ
た後も、連結キャップ1の上からプランジャー31を強
く押し下げる。これにより、連結ロッド18の上端に設
けられた嵌合部18aは、連結キャップ1の嵌合穴1a
内に嵌め入れられ両者を連結する。オペレータが連結キ
ャップ1を押さえていた指を放せば、戻りばねであるス
トロークスプリング12の働きで再びプッシュボタン2
と連結ロッド18は一体となって上まで戻ってくる。
【0055】ここで、1回の分注ボタン20の押し下げ
によって排出される試験液の量は、間隙32の距離によ
って決定される。この間隙32の距離は、分注容量調整
捩子29によって設定出来る。すなわち、分注容量調整
捩子29の位置によって分注時の分注容量が設定され、
分注ボタン20の1回の押し下げで、例えば数マイクロ
リットルから200マイクロリットル等のマイクロリッ
トルオーダーの微量単位で試験液を排出出来る。また、
オペレータは、この時の1回の排出量(分注量)を分注
容量表示窓26によって知ることができる。
【0056】次に、図1のピペット装置の横断面図であ
る図2を用いて、本発明に係るピペット装置33の、ス
トロークスプリング12と分注バネ14の位置関係につ
いて説明する。
【0057】従来のピペット装置では、ストロークスプ
リング41として図4に示すようなものが装着されてい
る。このストロークスプリング41はプッシュボタン4
4が押し下げられて、プランジャー42が最下端位置ま
で下りた場合に、プッシュボタン44を再び元の位置ま
で戻す役割をする戻りばねである。ところが、この様な
構造では、プッシュボタン44から指を離すと、ストロ
ークスプリング41によりプッシュボタン44が元の位
置に戻ってしまうので、繰り返して試験液を排出する分
注作業には使用出来ない。
【0058】この問題を解決するために、本発明に係る
ピペット装置33では、分注時に使用される戻りばねで
ある分注バネ14と、試験液を吸入し全量排出する時に
使用される戻りばねであるストロークスプリング12と
を別個に図1に示す様にシール押さえ15の上面に装着
した。(図2においては、両バネは省略してある)。す
なわち、本発明では、ストロークリング24下面にスト
ロークスプリング12の力が均等に加わるようにする
為、ストロークスプリング12は3本とされ且つ、円周
方向にほぼ均等の間隔で装着されている。すなわち、分
注バネ14を中心とし、その回りにストロークスプリン
グ12が3か所に取り付けられた構造になっている。こ
の様な構造により、ストロークスプリング12はストロ
ークリング24に対し圧縮力の反力としてストロークリ
ング24を常に上方に向って押す。
【0059】そして、プッシュボタン2を操作する場合
には、分注板部材13は分注バネ14により連結ロッド
18に対してほぼ直角に保持されるため接触することが
無い。従って、注入全排出モード時には、連結ロッド1
8は分注バネ14の影響を受けることが無い。
【0060】逆に、分注モードの場合には、連結キャッ
プ1によりプッシュボタン2と連結ロッド18との連結
が解除されている為、連結ロッド18はストロークスプ
リング12により反力を受けているストロークリング2
4及びガイドパイプ3とは一体的にはなっていない。従
って、連結ロッド18はストロークスプリング12の影
響を受けること無く、分注ボタン20の押し下げにより
プランジャー31を移動させることが可能となる。
【0061】尚、本実施例では、ストロークスプリング
12の本数は3本になっているが、ストロークスプリン
グ12の本数は3本に限定されるものでは無い。つま
り、ストロークリング24下面にストロークスプリング
12の力が均等に加われば良く、その為に、円周方向に
ほぼ均等の間隔で複数のストロークスプリング12が装
着されることが好ましい。
【0062】以上説明してきたように、本発明に係るピ
ペット装置33では、試験液を吸入しそれを全量排出す
る注入全排出モードと、試験液を吸入しそれを等量ずつ
分配して排出する分注モードの両方の操作が簡単なモー
ド切り替え操作によって行えることが特徴である。
【0063】尚、上記の実施例では、分注する際のプラ
ンジャー31の押し下げ方法について、分注板部材13
が傾き、その中央に形成された中心孔13aのエッジで
連結ロッド18を引っ掛けて押し下げる構造について説
明した。しかし、この部分の構成については本実施例に
限ることは無く、従来の分注ピペットで用いられてきた
周知の方法、例えば、等間隔に歯を持つラチェットの回
転を利用した構造等でも構成出来ることは言うまでもな
い。
【0064】
【発明の効果】以上に説明した様に、本発明に係るピペ
ット装置は、試験液を吸入し全量排出するプッシュボタ
ンと、分注用の分注ボタンの2つを備えており、オペレ
ータが連結/分離手段の選択操作によって、全量排出、
分注の両方の機能を実現することが出来る。その為、1
つのピペット装置で、全量の吸入排出操作と分注操作に
対応出来るので使い勝手が良くなり、試験液滴定作業時
の作業効率の改善が図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るピペット装置の一実施例の縦断
面図である。
【図2】 図1のA−A線横断面図である。
【図3】 図1に図示された目盛り部分を説明するため
の斜視図である。
【図4】 従来の発明に係るピペット装置の概略縦断面
図である。
【符号の説明】
1…連結キャップ、 2…プッシュボタン、 11
…ピペットボディ、13…分注板部材, 15…シール
押さえ、18…連結ロッド、20…分注ボタン、 24
…ストロークリング、 31…プランジャー、 33…
ピペット装置、 35…シリンダ室
フロントページの続き (72)発明者 大谷 政道 神奈川県横浜市旭区上白根2−53−16 (72)発明者 関根 暉彬 東京都江東区塩浜1−1−13−420

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピペットボディ内に形成されたシリンダ室
    内を往復運動するプランジャーにより試験液等の流体を
    吸入排出するピペット装置において、 前記プランジャーに接続された前記ピペットボディ内を
    往復運動する連結ロッドと、 前記シリンダ室の容量が小さくなるように前記連結ロッ
    ドを押し下げることができる、前記ピペットボディのシ
    リンダ室とは反対の側に往復運動可能に取り付けられた
    プッシュボタンと、 前記連結ロッドと前記プッシュボタンとを選択的に連結
    し又は分離させる連結/分離手段と、 前記連結ロッドと前記プッシュボタンとが選択的に連結
    した時前記シリンダ室の容量が大きくなるように該プッ
    シュボタンを上方に向かって押すスプリングと、 前記
    ピペットボディに往復運動可能に取り付けられた分注ボ
    タンと、前記分注ボタンの押し下げにより、前記連結ロ
    ッドと選択的に係合して該連結ロッドを所定量移動させ
    る選択的係合手段と、 前記分注ボタンを最上端位置に向かって押す分注ボタン
    用バネと、を備え、 前記連結ロッドと前記プッシュボタンとを連結した場合
    には、該プッシュボタンの往復運動によって前記プラン
    ジャーを往復運動させて流体を吸入し全量排出させ、前
    記連結ロッドと前記プッシュボタンとを分離した場合に
    は、前記分注ボタンによって前記プランジャーを所定量
    移動させて流体を等量ずつ分配して排出させることを特
    徴とするピペット装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のピペット装置において、
    前記連結/分離手段は、プッシュボタン上面に往復運動
    可能に取り付けられる連結キャップに形成された嵌合穴
    と、前記連結ロッドの上端に設けられる前記連結キャッ
    プの嵌合穴に着脱可能に嵌合する嵌合部とから構成され
    ることを特徴とする請求項1記載のピペット装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載のピペット装
    置において、前記選択的係合手段が、 前記連結ロッド
    が貫通する中心孔を備え、通常は該連結ロッドに対しほ
    ぼ直角に延びるが、作用点を押されると支点を中心とし
    て斜めとなり前記中心孔の周囲壁が該連結ロッドに掛止
    する分注板部材と、 前記分注板部材を弾性的に支える分注バネと、 前記分注板部材の作用点を押し下げる、前記分注シャフ
    トを介して分注ボタンに連結された分注ロッドと、 を有してなるピペット装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載のピペット装置において、
    さらに、 前記分注ロッドの下面と当接して前記分注ボタンのスト
    ロークを制限する、前記ピペットボディに螺合された分
    注容量調節ねじを、備えることを特徴とするピペット装
    置。
  5. 【請求項5】シリンダ室を有するピペットボディと、前
    記ピペットボディのシリンダ室内を往復運動するプラン
    ジャーと、前記プランジャーに固定されていると共に前
    記ピペットボディ内に往復運動可能に取り付けられた連
    結ロッドと、前記連結ロッドに着脱可能に連結されてい
    ると共に前記ピペットボディに対し往復運動可能に取り
    付けられたプッシュボタンと、前記プッシュボタンをス
    トロークの最上端位置に押すスプリングとを有する試験
    液等の流体を吸入排出するピペット装置において、 前記連結ロッドと前記プッシュボタンとを選択的に連結
    し又は分離させる連結/分離手段と、 前記プッシュボタンと前記連結ロッドが分離され、従っ
    て、連結ロッドがスプリングの作用から解放され拘束力
    を受けなくなった時、選択的に前記連結ロッドと係合し
    て該連結ロッドを所定量移動させ、それにより、流体を
    等量ずつ分注できる手段と、 を備えてなるピペット装置。
JP7146895A 1995-05-23 1995-05-23 ピペット装置 Pending JPH08313403A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7146895A JPH08313403A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 ピペット装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7146895A JPH08313403A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 ピペット装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08313403A true JPH08313403A (ja) 1996-11-29

Family

ID=15418009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7146895A Pending JPH08313403A (ja) 1995-05-23 1995-05-23 ピペット装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08313403A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6021680A (en) * 1995-06-09 2000-02-08 The Sailor Pen Co., Ltd Pipette
US6499363B1 (en) 1997-12-12 2002-12-31 The Sailor Pen Co., Ltd. Tip for pipette and pipette with the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6021680A (en) * 1995-06-09 2000-02-08 The Sailor Pen Co., Ltd Pipette
US6499363B1 (en) 1997-12-12 2002-12-31 The Sailor Pen Co., Ltd. Tip for pipette and pipette with the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6295880B1 (en) Adjustable pipette
US6923938B2 (en) Hand-held pipettor
USRE27637E (en) Pipetting system
US4257267A (en) Dispenser unit with lockable actuating lever
US4875605A (en) Pressurized metering dispenser
US4142656A (en) Drop former utilizing gas pressure
CN1416369A (zh) 人体工学的无复回弹簧的手动排气吸量管
WO1986002275A1 (en) Medical spray device
JP2004528977A (ja) 自動ピペット操作システム
JP2022001365A (ja) ピストンおよびシリンダを備える、ピペット・チップまたはシリンジとともに使用するためのピペット
US4942984A (en) Dripless solder paste dispenser
US5696330A (en) Phase pipette
EP0475517A2 (en) Liquid aspirating and dispensing systems
JP2003302411A (ja) 分注装置
US4982877A (en) Replaceable container for fluid dispenser
JPH08313403A (ja) ピペット装置
US4675163A (en) Laboratory device
JPH054142B2 (ja)
US3923205A (en) Liquid dispensing device
JP6033628B2 (ja) 手動計量装置
JPS6119930B2 (ja)
JPH0599933A (ja) 多項目自動分析装置
EP0695220B1 (en) Piston pipette
CN211677804U (zh) 一种用于干细胞培养过程的便于分装的移液器
CN210545231U (zh) 一种容量瓶用上下调节机构

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100824

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110824

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120824

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 12

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130824

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250