JPH08312058A - プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造 - Google Patents

プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造

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JPH08312058A
JPH08312058A JP14243195A JP14243195A JPH08312058A JP H08312058 A JPH08312058 A JP H08312058A JP 14243195 A JP14243195 A JP 14243195A JP 14243195 A JP14243195 A JP 14243195A JP H08312058 A JPH08312058 A JP H08312058A
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JP
Japan
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plate
buckling
abdominal
girder
plate girder
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JP14243195A
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English (en)
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Shigeru Shiono
茂 塩野
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腹板5の長さおよび高さあるいは垂直補剛
材6の数などに応じてプレートガーダー2の座屈を効果
的に防止することができ、部品点数を削減するとともに
鋼重を減少可能なプレートガーダーにおける腹板の座屈
防止構造10を提供すること。 【構成】 座屈現象に対応する主応力面に沿って補剛
材を設けることに着目したもので、腹板5と、腹板5の
側面に垂直方向に設けた垂直補剛材6とを有するプレー
トガーダーにおける腹板の座屈防止構造であって、腹板
5の側面に斜補剛材11を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は橋梁などに用いられるプ
レートガーダーにおける腹板の座屈防止構造にかかるも
ので、とくに腹板の側面に設ける補剛材の取付け構造を
改良したプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来からのプレートガーダー橋について
図8にもとづき概説する。図8は、プレートガーダー橋
1の橋軸方向に直角な面内の概略断面図であって、この
プレートガーダー橋1は、水平に梁り渡したプレートガ
ーダー2と、プレートガーダー2の上に設けた鉄筋コン
クリート床板3と、鉄筋コンクリート床板3の上に舗装
したアスファルトコンクリート4と、を有している。
【0003】図9は、プレートガーダー2の側面および
断面を示した説明図であって、プレートガーダー2は、
I断面形状を基本とし、その平面部分を構成している腹
板5と、この腹板5の側面(図では一方の側面のみ)に
垂直方向に設けた垂直補剛材6と、腹板5の側面に水平
方向に設けた水平補剛材7と、を有する。
【0004】プレートガーダー2は、その上端部および
下端部にそれぞれ上フランジプレート2Aおよび下フラ
ンジプレート2Bを有する。垂直補剛材6には、両端部
の端補剛材6Aと、中間部の中間補剛材6Bとがある。
【0005】こうした垂直補剛材6および水平補剛材7
を配置したプレートガーダー2に関し、垂直応力および
せん断応力からなる応力場において、その材質、高さお
よび厚さ、垂直補剛材6の間隔、ならびに水平補剛材7
の段数をパラメーターとして座屈照査が行われている。
この座屈照査においては、プレートガーダー2に水平補
剛材7があくまでも水平に配置されていることを前提と
して座屈照査式が成立している。
【0006】しかしながら、一般にプレートガーダー2
のせん断破壊の前に発生する座屈現象については、主せ
ん断応力よりも主応力に着目すべきである。主応力の最
大値σ1、および最小値σ2は、それぞれ以下の式で示さ
れる。すなわち、 σ1=σmax=(σx+σy)/2+((σy−σx)2+4τxy21/2 σ2=σmin=(σx+σy)/2−((σy−σx)2+4τxy21/2 ただし、σx、σyは垂直応力、τxyはせん断応力であ
る。
【0007】プレートガーダー2として単純梁を例に考
え、この主応力面を図10に示す。図示のように、座屈
現象に対応する主応力σminの主応力面と図9における
水平補剛材7の方向とは互いに大きく異なっているた
め、座屈防止効率が悪い。
【0008】したがって、同じ座屈防止効果を得るため
に、より多くの水平補剛材7を使用せざるを得ず、プレ
ートガーダー2の製造コストが上昇することはもちろ
ん、重量も増加してしまうという問題がある。
【0009】なお、σmaxは引張り応力に関するもので
あり、座屈現象には直接の関係がなく、本発明において
は考慮していない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、プレートガーダーの
座屈を効果的に防止することができるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造を提供することを課題とす
る。
【0011】また本発明は、部品点数を削減するととも
に鋼重を減少可能なプレートガーダーにおける腹板の座
屈防止構造を提供することを課題とする。
【0012】また本発明は、腹板の長さおよび高さ、あ
るいは垂直補剛材の数などに応じて適切に座屈を防止可
能なプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造を提
供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、座屈
現象に対応する主応力面に沿って補剛材を設けることに
着目したもので、腹板と、この腹板の側面に垂直方向に
設けた垂直補剛材とを有するプレートガーダーにおける
腹板の座屈防止構造であって、上記腹板の側面に斜補剛
材を設けたことを特徴とするプレートガーダーにおける
腹板の座屈防止構造である。
【0014】上記斜補剛材は、座屈現象に対応する主応
力面に沿ってこれを設けることができる。
【0015】前記斜補剛材は、前記垂直補剛材により区
画される前記腹板の側面にこれを設けることができる。
【0016】前記斜補剛材は、これを互いに交差させて
設けることができる。
【0017】前記斜補剛材は、前記垂直補剛材にまたが
ってこれを設けることができる。
【0018】
【作用】本発明によるプレートガーダーにおける腹板の
座屈防止構造においては、従来の水平補剛材の代わりに
斜補剛材を腹板の側面に設けることとしたので、座屈現
象に対応する主応力面に沿ってこの斜補剛材が配置され
ることになり、σminの主応力場にある腹板に対して斜
補剛材が効果的に座屈防止作用を行うことができる。
【0019】したがって、同一の強度をプレートガーダ
ーに付与するために斜補剛材の数を従来の水平補剛材よ
り少なくすることができるとともに、鋼重もこれを減少
させることができる。
【0020】なお、交番応力がかかるような連続梁にプ
レートガーダーを用いる場合に、荷重の移動によって曲
げモーメントが反転し交番応力が作用しても、斜補剛材
を互いにX字型など交差させて設ければ、座屈を効果的
に防止可能である。
【0021】
【実施例】つぎに本発明の第1の実施例によるプレート
ガーダーにおける腹板の座屈防止構造10を図1および
図2にもとづき説明する。ただし、図8ないし図10と
同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略
する。図1は、プレートガーダーにおける腹板の座屈防
止構造10の側面図であって、この座屈防止構造10に
おいては、腹板5の側面の垂直補剛材6の間に、斜補剛
材11を1本ずつ設けてある。
【0022】斜補剛材11の配置方向は、座屈現象に対
応するσminの主応力面の方向にほぼ沿った方向であっ
て、一般的には垂直補剛材6とプレートガーダー2の上
フランジプレート2Aおよび下フランジプレート2Bと
による矩形部分の対角線上に設ける。
【0023】もちろん、上記主応力面に近い方向であれ
ば、斜補剛材11の配置方向としては、対角線方向に限
らず、任意の傾斜角度に選択することができる。また、
配置位置としても、上記矩形部分の任意の位置を選択可
能である。
【0024】図2に破線で示すσminの主応力場の腹板
5に対して斜補剛材11がどの程度座屈防止作用を発揮
しているかについて試算した。プレートガーダー2の材
質はSM490Yであり、腹板5の高さ200cm、垂
直補剛材6の間隔150cm、腹板5の厚さ0.9c
m、垂直応力σx=2000kgf/cm2、せん断応力
τ=600kgf/cm2とする。
【0025】従来の図9に示したような設計では、水平
補剛材7が2本必要で、重量は約20.2kgとなる。
斜補剛材11を採用した場合は、斜補剛材11が1本
で、重量は約17.1kgとなる。したがって、前述し
た矩形部分一区画あたりの垂直補剛材6を除く、補剛材
の部品点数は半分(50%削減)となり、鋼重としては
15.3%の削減となった。
【0026】図3および図4は、本発明の第2の実施例
によるプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造2
0を説明するもので、図3は、交番応力がかかる状態を
説明する概略側面図、図4は、プレートガーダーにおけ
る腹板の座屈防止構造20の側面図であって、この座屈
防止構造20においては、斜補剛材11を互いに交差し
てX字型に設けてある。
【0027】こうした構成のプレートガーダーにおける
腹板の座屈防止構造20とすれば、図3に示すようにプ
レートガーダー橋1上に通過荷重があって交互に応力の
方向が変化しても、それぞれの方向における応力σmin
の主応力場に対してもいずれか一方の斜補剛材11が沿
うことになるため、交番応力に対しても座屈防止作用を
有することができる。
【0028】図5は、本発明の第3の実施例によるプレ
ートガーダーにおける腹板の座屈防止構造30の側面図
であって、この座屈防止構造30においては、垂直補剛
材6と上フランジプレート2Aおよび下フランジプレー
ト2Bとが区画形成する矩形部分の対角線から外して斜
補剛材11を配置したものである。このプレートガーダ
ーにおける腹板の座屈防止構造30によっても効果的に
座屈を防止することができる。
【0029】図6は、本発明の第4の実施例によるプレ
ートガーダーにおける腹板の座屈防止構造40の側面図
であって、この座屈防止構造40においては、複数本
(たとえば2本)の斜補剛材11を互いに平行に配置し
たものである。このプレートガーダーにおける腹板の座
屈防止構造40によってもさらに効果的に座屈を防止す
ることができる。
【0030】図7は、本発明の第5の実施例によるプレ
ートガーダーにおける腹板の座屈防止構造50の側面図
であり、この座屈防止構造50においては、垂直補剛材
6による矩形部分の二区画にまたがって斜補剛材11を
設けてある。もちろん、二区画以上にまたがって斜補剛
材11を設けることもできる。ただし、垂直補剛材6を
設けてある腹板5の側面とは反対側の側面に斜補剛材1
1を設けることにより、外観上および施工作業上に好適
なものとすることができる。
【0031】なお、本発明における斜補剛材は、腹板5
の一方の側面のみでもよいし、表裏両側面に設けてもよ
い。また、プレートガーダー2の長さ方向において、垂
直補剛材6の間で各斜補剛材11の傾斜角度を少しづつ
変更することができる。
【0032】なお本発明によるプレートガーダーにおけ
る腹板の座屈防止構造は、橋梁以外にも、クレーンガー
ダー、任意の建築構造物に応用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の水
平補剛材に代わって斜補剛材を腹板に設けることによ
り、部品点数を削減して製造コストを低減することがで
きるとともに、鋼重を軽減することができる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造10の側面図である。
【図2】同、要部側面図である。
【図3】プレートガーダー2に交番応力がかかる状態を
説明する概略側面図である。である。
【図4】本発明の第2の実施例によるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造20の側面図である。
【図5】本発明の第3の実施例によるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造30の側面図である。
【図6】本発明の第4の実施例によるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造40の側面図である。
【図7】本発明の第5の実施例によるプレートガーダー
における腹板の座屈防止構造50の側面図である。
【図8】従来からのプレートガーダー橋1の橋軸方向に
直角な面内の概略断面図である。
【図9】同、プレートガーダー2の側面および断面を示
した説明図である。
【図10】同、プレートガーダー2として単純梁を例に
考え、この主応力面を示した説明図である。
【符号の説明】
1 プレートガーダー橋(図8) 2 プレートガーダー 2A プレートガーダー2の上フランジプレート 2B プレートガーダー2の下フランジプレート 3 鉄筋コンクリート床板 4 アスファルトコンクリート 5 腹板 6 垂直補剛材 6A 端補剛材(垂直補剛材) 6B 中間補剛材(垂直補剛材) 7 水平補剛材 10 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造
(図1) 11 斜補剛材 20 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造2
0(図4) 30 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造3
0(図5) 40 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造4
0(図6) 50 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造5
0(図7) σ1(σmax) 主応力の最大値 σ2(σmin) 主応力の最小値

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腹板と、 この腹板の側面に垂直方向に設けた垂直補剛材とを有す
    るプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造であっ
    て、 前記腹板の側面に斜補剛材を設けたことを特徴とするプ
    レートガーダーにおける腹板の座屈防止構造。
  2. 【請求項2】 前記斜補剛材は、座屈現象に対応する
    主応力面に沿ってこれを設けたことを特徴とする請求項
    1記載のプレートガーダーにおける腹板の座屈防止構
    造。
  3. 【請求項3】 前記斜補剛材は、前記垂直補剛材によ
    り区画される前記腹板の側面にこれを設けたことを特徴
    とする請求項1記載のプレートガーダーにおける腹板の
    座屈防止構造。
  4. 【請求項4】 前記斜補剛材は、これを互いに交差さ
    せて設けたことを特徴とする請求項1記載のプレートガ
    ーダーにおける腹板の座屈防止構造。
  5. 【請求項5】 前記斜補剛材は、前記垂直補剛材にま
    たがってこれを設けたことを特徴とする請求項1記載の
    プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造。
JP14243195A 1995-05-18 1995-05-18 プレートガーダーにおける腹板の座屈防止構造 Pending JPH08312058A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015161148A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 大和ハウス工業株式会社 座屈拘束ブレースの接合構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015161148A (ja) * 2014-02-28 2015-09-07 大和ハウス工業株式会社 座屈拘束ブレースの接合構造

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