JPH08311690A - 銅又は銅合金材の防錆処理方法 - Google Patents
銅又は銅合金材の防錆処理方法Info
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- JPH08311690A JPH08311690A JP11754795A JP11754795A JPH08311690A JP H08311690 A JPH08311690 A JP H08311690A JP 11754795 A JP11754795 A JP 11754795A JP 11754795 A JP11754795 A JP 11754795A JP H08311690 A JPH08311690 A JP H08311690A
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- copper
- treated
- bta
- treatment
- copper alloy
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 欠陥部分が少なく、腐食及び変色を確実に防
止することができる銅又は銅合金材の防錆処理方法を提
供する。 【構成】 ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含む処
理溶液13中に、銅又は銅合金材からなる処理材11を
浸漬し、処理材11と対向電極12との間に、外部電源
の直流電源14から銅又は銅合金材が正となる電圧を印
加し、処理溶液中で処理材11を浸漬電位よりも貴な電
位に保持する。
止することができる銅又は銅合金材の防錆処理方法を提
供する。 【構成】 ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含む処
理溶液13中に、銅又は銅合金材からなる処理材11を
浸漬し、処理材11と対向電極12との間に、外部電源
の直流電源14から銅又は銅合金材が正となる電圧を印
加し、処理溶液中で処理材11を浸漬電位よりも貴な電
位に保持する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は銅又は銅合金の板、線及
びパイプ等の変色又は腐食を防止するための銅又は銅合
金材の防錆処理方法に関する。
びパイプ等の変色又は腐食を防止するための銅又は銅合
金材の防錆処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】銅又は銅合金材の防錆剤として、ベンゾ
トリアゾール(BTA)及びその誘導体が広く使用され
ている。BTAの防錆機構については、一般に以下のよ
うに考えられている。即ち、銅又は銅合金材の表面に
は、必ず、原子オーダーの薄い酸化銅の皮膜が自然に形
成されているが、BTA分子はこの酸化銅と強い配位結
合を形成すると共に、BTA分子同士も共有結合を形成
して、銅又は銅合金の表面に強固なBTA高分子膜を形
成する。こうして形成された膜は銅又は銅合金材に対す
る密着性が優れていると共に、極めて優れた耐食性を有
し、銅又は銅合金材を腐食及びそれに起因する変色から
保護する。
トリアゾール(BTA)及びその誘導体が広く使用され
ている。BTAの防錆機構については、一般に以下のよ
うに考えられている。即ち、銅又は銅合金材の表面に
は、必ず、原子オーダーの薄い酸化銅の皮膜が自然に形
成されているが、BTA分子はこの酸化銅と強い配位結
合を形成すると共に、BTA分子同士も共有結合を形成
して、銅又は銅合金の表面に強固なBTA高分子膜を形
成する。こうして形成された膜は銅又は銅合金材に対す
る密着性が優れていると共に、極めて優れた耐食性を有
し、銅又は銅合金材を腐食及びそれに起因する変色から
保護する。
【0003】図5はこのBTA又はその誘導体による従
来の防錆処理方法を示すブロック図である。先ず、銅又
は銅合金材を、板、線又はパイプ等の形状に加工した
後、酸洗及び/又は脱脂し(ステップ1)、水洗した後
(ステップ2)、乾燥する(ステップ3)。酸洗は、酸
化物の除去及び潤滑油の除去を目的とし、硫酸、硝酸、
リン酸又はクロム酸等を使用して行われる。ステップ3
の乾燥は、処理材の表面に、薄い酸化銅の層を形成し、
BTAを処理材と反応しやすくするために行われる。そ
の後、処理材をBTAを含んだ溶液に浸漬するか、又は
この溶液を処理材に塗布する(ステップ4)。その後、
乾燥し(ステップ5)、製品とするか、又は防錆処理膜
が十分でない場合は、再度、ステップ2の水洗、ステッ
プ3の乾燥、ステップ4のBTA処理、ステップ5の乾
燥の各工程を経て十分な厚さの防錆処理膜を形成する。
なお、ステップ5の乾燥は、形成されたBTA高分子層
をより強固にするために行われる。乾燥処理は150℃
以下の熱風を使用することができる。
来の防錆処理方法を示すブロック図である。先ず、銅又
は銅合金材を、板、線又はパイプ等の形状に加工した
後、酸洗及び/又は脱脂し(ステップ1)、水洗した後
(ステップ2)、乾燥する(ステップ3)。酸洗は、酸
化物の除去及び潤滑油の除去を目的とし、硫酸、硝酸、
リン酸又はクロム酸等を使用して行われる。ステップ3
の乾燥は、処理材の表面に、薄い酸化銅の層を形成し、
BTAを処理材と反応しやすくするために行われる。そ
の後、処理材をBTAを含んだ溶液に浸漬するか、又は
この溶液を処理材に塗布する(ステップ4)。その後、
乾燥し(ステップ5)、製品とするか、又は防錆処理膜
が十分でない場合は、再度、ステップ2の水洗、ステッ
プ3の乾燥、ステップ4のBTA処理、ステップ5の乾
燥の各工程を経て十分な厚さの防錆処理膜を形成する。
なお、ステップ5の乾燥は、形成されたBTA高分子層
をより強固にするために行われる。乾燥処理は150℃
以下の熱風を使用することができる。
【0004】BTA防錆処理は、BTA又はその誘導体
を、水、アルコール又はトリクロルエタン等の溶媒に添
加した溶液を使用して行う。この防錆処理溶液は50〜
80℃であることが好ましい。
を、水、アルコール又はトリクロルエタン等の溶媒に添
加した溶液を使用して行う。この防錆処理溶液は50〜
80℃であることが好ましい。
【0005】また、図5に示す水洗、乾燥、BTA処理
及び乾燥の一連の工程は、1回の処理で終了する場合が
多いが、2回以上繰り返すことが好ましい。この場合
に、ステップ2〜5を実施した後、弱い酸洗を行い、そ
の後、再度ステップ2〜5を実施しても良い。ステップ
2〜5を2回以上繰り返すのは、1回の処理で完全なB
TA保護膜が形成されなかった欠陥部分に対して、2回
目以降の処理で完全なBTA保護膜を形成しようとする
ためである。
及び乾燥の一連の工程は、1回の処理で終了する場合が
多いが、2回以上繰り返すことが好ましい。この場合
に、ステップ2〜5を実施した後、弱い酸洗を行い、そ
の後、再度ステップ2〜5を実施しても良い。ステップ
2〜5を2回以上繰り返すのは、1回の処理で完全なB
TA保護膜が形成されなかった欠陥部分に対して、2回
目以降の処理で完全なBTA保護膜を形成しようとする
ためである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の防錆処理方法は、前記ステップ2〜5を複数回繰
り返しても、完全なBTA保護膜が形成されていない欠
陥部分が残存するという難点がある。そして、この欠陥
部分が起点となって、腐食又は変色が発生する。
従来の防錆処理方法は、前記ステップ2〜5を複数回繰
り返しても、完全なBTA保護膜が形成されていない欠
陥部分が残存するという難点がある。そして、この欠陥
部分が起点となって、腐食又は変色が発生する。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、欠陥部分が少なく、腐食及び変色を確実に
防止することができる銅又は銅合金材の防錆処理方法を
提供することを目的とする。
のであって、欠陥部分が少なく、腐食及び変色を確実に
防止することができる銅又は銅合金材の防錆処理方法を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅又は銅合
金材の防錆処理方法は、ベンゾトリアゾール(BTA)
又はその誘導体を含む処理溶液中に、銅又は銅合金材を
浸漬し、前記銅又は銅合金材を外部電源により浸漬電位
よりも貴な電位に保持することを特徴とする。
金材の防錆処理方法は、ベンゾトリアゾール(BTA)
又はその誘導体を含む処理溶液中に、銅又は銅合金材を
浸漬し、前記銅又は銅合金材を外部電源により浸漬電位
よりも貴な電位に保持することを特徴とする。
【0009】この場合に、前記銅又は銅合金に流れる電
流の密度は、100mA/cm2以下とすることが好ま
しい。
流の密度は、100mA/cm2以下とすることが好ま
しい。
【0010】
【作用】本発明においては、BTA又はその誘導体を含
む処理溶液中に銅又は銅合金材を浸漬し、外部電源を使
用してこの銅又は銅合金材を正電位に保持する。そうす
ると、この銅又は銅合金材は、処理溶液中で浸漬電位よ
りも貴な電位に保持され、この状態でBTA処理され
る。このように、銅又は銅合金材に電流を流すことによ
り、銅又は銅合金材の酸化反応が加速され、通常のBT
A防食層では完全でない欠陥部分でこの酸化反応が進行
し、その結果、この部分にCu2Oが形成されると、処
理溶液中のBTAイオンがこれと反応して欠陥部分に強
固なBTA防錆層が形成される。これにより、腐食及び
変色が確実に防止される。
む処理溶液中に銅又は銅合金材を浸漬し、外部電源を使
用してこの銅又は銅合金材を正電位に保持する。そうす
ると、この銅又は銅合金材は、処理溶液中で浸漬電位よ
りも貴な電位に保持され、この状態でBTA処理され
る。このように、銅又は銅合金材に電流を流すことによ
り、銅又は銅合金材の酸化反応が加速され、通常のBT
A防食層では完全でない欠陥部分でこの酸化反応が進行
し、その結果、この部分にCu2Oが形成されると、処
理溶液中のBTAイオンがこれと反応して欠陥部分に強
固なBTA防錆層が形成される。これにより、腐食及び
変色が確実に防止される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例方
法を示す模式図である。容器10内に、BTA処理液1
3を貯留し、この処理液13内に、銅又は銅合金材から
なる処理材11と対向電極12とを浸漬し、両者間に電
流計15、直流電源14及び可変抵抗器16を直列に接
続する。
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例方
法を示す模式図である。容器10内に、BTA処理液1
3を貯留し、この処理液13内に、銅又は銅合金材から
なる処理材11と対向電極12とを浸漬し、両者間に電
流計15、直流電源14及び可変抵抗器16を直列に接
続する。
【0012】対向電極12は白金又はステンレス鋼で成
形されている。処理液13はBTA又はその誘導体を含
む溶液である。この処理液の溶媒は、水、アルコール又
はトリエタン等を使用することができる。溶媒は、電流
が流れるものであればよく、種々のものを使用できる
が、水を使用すると、水素が銅又は銅合金に侵入して応
力腐食割れを起こす虞があるので、水以外の溶媒で希釈
することが好ましい。
形されている。処理液13はBTA又はその誘導体を含
む溶液である。この処理液の溶媒は、水、アルコール又
はトリエタン等を使用することができる。溶媒は、電流
が流れるものであればよく、種々のものを使用できる
が、水を使用すると、水素が銅又は銅合金に侵入して応
力腐食割れを起こす虞があるので、水以外の溶媒で希釈
することが好ましい。
【0013】なお、電源14は直流電源であるが、交流
電源を使用することもできる。
電源を使用することもできる。
【0014】本実施例においては、図1に示すように、
BTA処理溶液13内に処理材11を浸漬し、対向電極
12との間に、電源14から処理材11を正とする電圧
を印加する(以下、この処理をアノード分極処理ともい
う)。そうすると、電流計15により測定される電流
は、図2に示すように、その電流密度が双曲線的に急激
に低下する。この電流密度は、通常、数分以内に初期電
流の1/10以下に低下する。
BTA処理溶液13内に処理材11を浸漬し、対向電極
12との間に、電源14から処理材11を正とする電圧
を印加する(以下、この処理をアノード分極処理ともい
う)。そうすると、電流計15により測定される電流
は、図2に示すように、その電流密度が双曲線的に急激
に低下する。この電流密度は、通常、数分以内に初期電
流の1/10以下に低下する。
【0015】このように、処理材11に電流を流すこと
により、処理材11の酸化反応は加速され、特に、BT
A防食層が完全でない欠陥部分で酸化反応が進行する。
その結果、この欠陥部分に、Cu2Oが形成され、Cu2
Oが形成されると直ちに処理溶液中のBTAイオンがこ
れと反応する。これにより、欠陥部には強固なBTA防
食層が形成される。このようにして、腐食に弱い部分に
は、次々とBTA防食層が形成され、このBTA防食層
で保護されるようになる。その結果、電流密度が低下し
ていくと共に、処理材の表面には耐食性が優れた皮膜が
形成される。このように、強制的に酸化反応を進行させ
て形成した皮膜は、欠陥部の補修が可能となり、従来の
ように、BTA処理溶液に浸漬しただけの場合と異な
り、完全な防食効果を発揮することができる。
により、処理材11の酸化反応は加速され、特に、BT
A防食層が完全でない欠陥部分で酸化反応が進行する。
その結果、この欠陥部分に、Cu2Oが形成され、Cu2
Oが形成されると直ちに処理溶液中のBTAイオンがこ
れと反応する。これにより、欠陥部には強固なBTA防
食層が形成される。このようにして、腐食に弱い部分に
は、次々とBTA防食層が形成され、このBTA防食層
で保護されるようになる。その結果、電流密度が低下し
ていくと共に、処理材の表面には耐食性が優れた皮膜が
形成される。このように、強制的に酸化反応を進行させ
て形成した皮膜は、欠陥部の補修が可能となり、従来の
ように、BTA処理溶液に浸漬しただけの場合と異な
り、完全な防食効果を発揮することができる。
【0016】なお、銅又は銅合金処理材に流れる電流の
電流密度は、100mA/cm2を超えないようにする
ことが好ましい。電流密度が高すぎると、処理材の表面
に焼け等が生じ、防食効果が損なわれるためである。ま
た、参照電極としてSCE(飽和甘汞電極)を使用して
処理材の処理液に対する電位を測定し、SCE(飽和甘
汞電極)基準で0.6V以上にならないように、電流密
度を調節することが好ましい。電流密度がこれ以上にな
ると、BTAの吸着反応を阻害するCuOが処理品の表
面に形成されてしまうからである。更に、処理溶液の温
度は50〜80℃にすることが好ましい。この温度範囲
で処理すると、健全で十分な厚さをもった保護皮膜が形
成されるためである。室温でも充分な耐食性が得られる
が、膜厚は若干薄くなる。なお、180℃以上になると
BTAは分解してしまうため好ましくない。更にまた、
上述のBTA処理溶液中のアノード分極処理は、BTA
処理溶液中に処理材を浸漬する従来の方法を実施した後
に行っても良い。これにより、高効率で強固な保護皮膜
を形成することができる。
電流密度は、100mA/cm2を超えないようにする
ことが好ましい。電流密度が高すぎると、処理材の表面
に焼け等が生じ、防食効果が損なわれるためである。ま
た、参照電極としてSCE(飽和甘汞電極)を使用して
処理材の処理液に対する電位を測定し、SCE(飽和甘
汞電極)基準で0.6V以上にならないように、電流密
度を調節することが好ましい。電流密度がこれ以上にな
ると、BTAの吸着反応を阻害するCuOが処理品の表
面に形成されてしまうからである。更に、処理溶液の温
度は50〜80℃にすることが好ましい。この温度範囲
で処理すると、健全で十分な厚さをもった保護皮膜が形
成されるためである。室温でも充分な耐食性が得られる
が、膜厚は若干薄くなる。なお、180℃以上になると
BTAは分解してしまうため好ましくない。更にまた、
上述のBTA処理溶液中のアノード分極処理は、BTA
処理溶液中に処理材を浸漬する従来の方法を実施した後
に行っても良い。これにより、高効率で強固な保護皮膜
を形成することができる。
【0017】図3は実際に下記条件でBTA処理(アノ
ード分極処理)した試験材の電流密度の経時変化を示す
グラフ図である。
ード分極処理)した試験材の電流密度の経時変化を示す
グラフ図である。
【0018】アノード分極処理条件 (a)試験材:直径が2.0mmの硬銅線であり、予め
BTAにより防錆処理したもの。 (b)処理溶液:3%NaCl+1%BTA水溶液 (c)処理電位:+0.2VvsSCE(参照電極によ
り計測) この処理電位はポテンショスタットにより一定電位に制
御した。
BTAにより防錆処理したもの。 (b)処理溶液:3%NaCl+1%BTA水溶液 (c)処理電位:+0.2VvsSCE(参照電極によ
り計測) この処理電位はポテンショスタットにより一定電位に制
御した。
【0019】この図3に示すように、電流密度は1分後
には急激に低下し、その後低下速度は遅くなるものの、
3分後には初期値の1/10以下に減少した。
には急激に低下し、その後低下速度は遅くなるものの、
3分後には初期値の1/10以下に減少した。
【0020】図4は前記条件でアノード分極処理した試
験材について測定した動分極曲線を示す。比較のため
に、アノード分極処理をしなかった試験材(BTAによ
る防食処理は実施した)についての測定結果も示す。
験材について測定した動分極曲線を示す。比較のため
に、アノード分極処理をしなかった試験材(BTAによ
る防食処理は実施した)についての測定結果も示す。
【0021】この図4に示すように、本実施例のアノー
ド分極処理を行った試験材では、BTA処理のみの比較
例材に比して、カソード分極曲線及びアノード分極曲線
の双方が、1/10以下に低下しており、腐食速度が1
/10以下に抑制されていることがわかる。なお、この
図4にみるように、本実施例のアノード分極処理+BT
A処理の場合には電極電位が貴な方向に移動しているこ
とがわかる。
ド分極処理を行った試験材では、BTA処理のみの比較
例材に比して、カソード分極曲線及びアノード分極曲線
の双方が、1/10以下に低下しており、腐食速度が1
/10以下に抑制されていることがわかる。なお、この
図4にみるように、本実施例のアノード分極処理+BT
A処理の場合には電極電位が貴な方向に移動しているこ
とがわかる。
【0022】次に、これらの試験材に対し、JISZ2
371で規定されている塩水噴霧試験を実施した。その
結果、本実施例のアノード分極処理+BTA処理試験材
は、変色が認められなかったのに対し、BTA処理のみ
の比較例試験材は、局所的に変色が発生していた。
371で規定されている塩水噴霧試験を実施した。その
結果、本実施例のアノード分極処理+BTA処理試験材
は、変色が認められなかったのに対し、BTA処理のみ
の比較例試験材は、局所的に変色が発生していた。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含む処理溶液中
に、銅又は銅合金材を浸漬し、この銅又は銅合金材を浸
漬電位よりも貴な電位に保持するので、銅又は銅合金材
の表面に欠陥がない強固なBTA防食層が形成される。
これにより、銅又は銅合金の耐食性が向上し、腐食及び
変色が防止される。
ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含む処理溶液中
に、銅又は銅合金材を浸漬し、この銅又は銅合金材を浸
漬電位よりも貴な電位に保持するので、銅又は銅合金材
の表面に欠陥がない強固なBTA防食層が形成される。
これにより、銅又は銅合金の耐食性が向上し、腐食及び
変色が防止される。
【図1】本発明の実施例を示す模式図である。
【図2】アノード分極処理における電流密度の経時変化
を示す模式図である。
を示す模式図である。
【図3】本発明の実施例における電流密度の経時変化を
示すグラフ図である。
示すグラフ図である。
【図4】本発明の実施例における分極曲線を示すグラフ
図である。
図である。
【図5】従来の防錆処理方法を示すブロック図である。
10:容器 11:処理材 12:対向電極 13:処理溶液 14:直流電源 15:電流計 16:可変抵抗
Claims (2)
- 【請求項1】 ベンゾトリアゾール又はその誘導体を含
む処理溶液中に、銅又は銅合金材を浸漬し、前記銅又は
銅合金材を外部電源により浸漬電位よりも貴な電位に保
持することを特徴とする銅又は銅合金材の防錆処理方
法。 - 【請求項2】 前記銅又は銅合金材に流れる電流の密度
を100mA/cm2以下とすることを特徴とする請求
項1に記載の銅又は銅合金材の防錆処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11754795A JPH08311690A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 銅又は銅合金材の防錆処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11754795A JPH08311690A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 銅又は銅合金材の防錆処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311690A true JPH08311690A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14714515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11754795A Pending JPH08311690A (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 銅又は銅合金材の防錆処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311690A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007117395A1 (en) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Intel Corporation | A novel chemical composition to reduce defects |
KR101148000B1 (ko) * | 2012-03-15 | 2012-05-24 | (유)유달조선 | 동합금의 캐비테이션 저항성을 향상시키기 위한 전기화학적 방법 |
JP2015536382A (ja) * | 2012-10-11 | 2015-12-21 | エコスペック グローバル テクノロジー ピーティーイー エルティーディー. | 時間的に変化する電磁波を用いた、金属構造物の腐食予防をもたらすシステム及び方法 |
-
1995
- 1995-05-16 JP JP11754795A patent/JPH08311690A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007117395A1 (en) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Intel Corporation | A novel chemical composition to reduce defects |
KR101148000B1 (ko) * | 2012-03-15 | 2012-05-24 | (유)유달조선 | 동합금의 캐비테이션 저항성을 향상시키기 위한 전기화학적 방법 |
JP2015536382A (ja) * | 2012-10-11 | 2015-12-21 | エコスペック グローバル テクノロジー ピーティーイー エルティーディー. | 時間的に変化する電磁波を用いた、金属構造物の腐食予防をもたらすシステム及び方法 |
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