JPH08310842A - ガラス質セメント - Google Patents
ガラス質セメントInfo
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- JPH08310842A JPH08310842A JP7135652A JP13565295A JPH08310842A JP H08310842 A JPH08310842 A JP H08310842A JP 7135652 A JP7135652 A JP 7135652A JP 13565295 A JP13565295 A JP 13565295A JP H08310842 A JPH08310842 A JP H08310842A
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- cement
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-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B7/00—Hydraulic cements
- C04B7/24—Cements from oil shales, residues or waste other than slag
- C04B7/26—Cements from oil shales, residues or waste other than slag from raw materials containing flue dust, i.e. fly ash
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P40/00—Technologies relating to the processing of minerals
- Y02P40/10—Production of cement, e.g. improving or optimising the production methods; Cement grinding
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリ
カ含有鉱物粉の潜在的能力を生かし、エネルギー消費が
少なく安価に製造することが可能であり、ガラス状に結
合する高強度の固化体を得ることができるガラス質セメ
ントを提供すること。 【構成】 ガラス質セメントは、水酸化アルカリ金属溶
液に溶解しやすいシリカ含有鉱物粉100重量部と、水
酸化アルカリ金属当量でのアルカリ金属含有化合物5乃
至15重量部と、酸化アルカリ土類金属当量でのアルカ
リ土類金属含有化合物1乃至7重量部とよりなり、水の
存在下で溶解結合し、特に高温下で反応が促進して強固
な固化体を得ることができるものである。
カ含有鉱物粉の潜在的能力を生かし、エネルギー消費が
少なく安価に製造することが可能であり、ガラス状に結
合する高強度の固化体を得ることができるガラス質セメ
ントを提供すること。 【構成】 ガラス質セメントは、水酸化アルカリ金属溶
液に溶解しやすいシリカ含有鉱物粉100重量部と、水
酸化アルカリ金属当量でのアルカリ金属含有化合物5乃
至15重量部と、酸化アルカリ土類金属当量でのアルカ
リ土類金属含有化合物1乃至7重量部とよりなり、水の
存在下で溶解結合し、特に高温下で反応が促進して強固
な固化体を得ることができるものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として土木建築用に
使用されるセメント、特にガラス状の固化反応を呈する
セメントに関する。
使用されるセメント、特にガラス状の固化反応を呈する
セメントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、土木建築用に使用される代表的な
セメントとしてポルトランドセメントが挙げられる。ポ
ルトランドセメントの固化メカニズムは水和生成物によ
るセメント粒子間の接着的結合に依存しているので、種
々の問題点が生じている。即ちその水和反応の過程でセ
メント重量の約30%がCa(OH)2 となって放出さ
れ、水中にあってはそれが流出してポーラス状劣化や中
性化による鉄筋腐食を発生することや、コンクリート中
のアルカリ金属塩がCa(OH)2 によって活性化し、
アルカリ骨材反応を誘発することが挙げられる。又物理
的には、JISR 5201によるモルタル試験用の供
試体で短期間に強度発現を促進しようとして180℃オ
ートクレーブによる養生を数時間行ったとしても、よう
やく材令28日強度である約400Kg/cm2 を発現
する状況であり、強度的に限界がある。更にポルトラン
ドセメントを使用して高強度を得るためには、流動化
剤、減水剤、ポゾラン材等の助力やセメント混合量の増
加を必要としてコスト増となると共に、初期材令や加熱
養生時に水分を十分に保持しなければクラックが発生し
てしまう致命的な欠点を有する。
セメントとしてポルトランドセメントが挙げられる。ポ
ルトランドセメントの固化メカニズムは水和生成物によ
るセメント粒子間の接着的結合に依存しているので、種
々の問題点が生じている。即ちその水和反応の過程でセ
メント重量の約30%がCa(OH)2 となって放出さ
れ、水中にあってはそれが流出してポーラス状劣化や中
性化による鉄筋腐食を発生することや、コンクリート中
のアルカリ金属塩がCa(OH)2 によって活性化し、
アルカリ骨材反応を誘発することが挙げられる。又物理
的には、JISR 5201によるモルタル試験用の供
試体で短期間に強度発現を促進しようとして180℃オ
ートクレーブによる養生を数時間行ったとしても、よう
やく材令28日強度である約400Kg/cm2 を発現
する状況であり、強度的に限界がある。更にポルトラン
ドセメントを使用して高強度を得るためには、流動化
剤、減水剤、ポゾラン材等の助力やセメント混合量の増
加を必要としてコスト増となると共に、初期材令や加熱
養生時に水分を十分に保持しなければクラックが発生し
てしまう致命的な欠点を有する。
【0003】又製造工程において、ポルトランドセメン
トは石灰石、粘土等の諸原料を粉砕調合した上で145
0℃程度の高熱で焼成し、得られる塊状クリンカーに石
膏を加えながら再び粉砕するという工程を経て生産され
るから、製造時に熱や動力のためのエネルギーを大量に
消費する問題点や、焼成時にCO2 を大量に発生するこ
とに起因する環境上の問題点も指摘される。
トは石灰石、粘土等の諸原料を粉砕調合した上で145
0℃程度の高熱で焼成し、得られる塊状クリンカーに石
膏を加えながら再び粉砕するという工程を経て生産され
るから、製造時に熱や動力のためのエネルギーを大量に
消費する問題点や、焼成時にCO2 を大量に発生するこ
とに起因する環境上の問題点も指摘される。
【0004】他方、フライアッシュや高炉スラグ等のよ
うに、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含
有鉱物粉は、ポゾラン反応を利用することにより、セメ
ント混和材としてコンクリートの発熱性を低減させ、又
流動性、耐久性、水密性等を高めるために副次的に使用
されることが知られているが、あくまで副次的な役割を
担う材料として使用されているに過ぎない。
うに、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含
有鉱物粉は、ポゾラン反応を利用することにより、セメ
ント混和材としてコンクリートの発熱性を低減させ、又
流動性、耐久性、水密性等を高めるために副次的に使用
されることが知られているが、あくまで副次的な役割を
担う材料として使用されているに過ぎない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシ
リカ含有鉱物粉の潜在的能力を生かし、その固化メカニ
ズムがポルトランドセメントのような水和生成物による
セメント粒子間の接着的結合に依存せず、前記ポルトラ
ンドセメントが有する問題点を克服し、エネルギー消費
が少なく安価に製造することが可能であり、得られる固
化体は高強度で安定性及び耐久性に富むガラス質セメン
トを提供することにある。
する課題は、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシ
リカ含有鉱物粉の潜在的能力を生かし、その固化メカニ
ズムがポルトランドセメントのような水和生成物による
セメント粒子間の接着的結合に依存せず、前記ポルトラ
ンドセメントが有する問題点を克服し、エネルギー消費
が少なく安価に製造することが可能であり、得られる固
化体は高強度で安定性及び耐久性に富むガラス質セメン
トを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明によるガラス質セメントは、水酸化アルカリ
金属溶液に溶解しやすいシリカ含有鉱物粉と、アルカリ
金属含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物とより
なることを基本的な特徴とするものであり、より具体的
には、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含
有鉱物粉100重量部と、水酸化アルカリ金属当量での
アルカリ金属含有化合物5乃至15重量部と、酸化アル
カリ土類金属当量でのアルカリ土類金属含有化合物1乃
至7重量部とからなることを特徴とするものである。
に、本発明によるガラス質セメントは、水酸化アルカリ
金属溶液に溶解しやすいシリカ含有鉱物粉と、アルカリ
金属含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物とより
なることを基本的な特徴とするものであり、より具体的
には、水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含
有鉱物粉100重量部と、水酸化アルカリ金属当量での
アルカリ金属含有化合物5乃至15重量部と、酸化アル
カリ土類金属当量でのアルカリ土類金属含有化合物1乃
至7重量部とからなることを特徴とするものである。
【0007】この様な水酸化アルカリ金属溶液に溶解し
やすいシリカ含有鉱物粉(以下、「シリカ含有鉱物粉」
という。)には、人工的なものとしてフライアッシュ、
高炉スラグ、シリカフューム、ガラスビン粉末等が挙げ
られるが、その他に自然界の火山灰や珪石粉等を選択す
ることもできる。該シリカ含有鉱物粉は、単一種の鉱物
粉を使用する場合や、異種の鉱物粉を混合して使用する
場合がある。又、アルカリ金属含有化合物としては、通
常NaOH、KOH等の水酸化アルカリ金属が使用さ
れ、更にアルカリ土類金属含有化合物としては、通常C
aO、MgO等の酸化アルカリ土類金属や、Ca(O
H)2 、Mg(OH)2 等の水酸化アルカリ土類金属が
使用される。
やすいシリカ含有鉱物粉(以下、「シリカ含有鉱物粉」
という。)には、人工的なものとしてフライアッシュ、
高炉スラグ、シリカフューム、ガラスビン粉末等が挙げ
られるが、その他に自然界の火山灰や珪石粉等を選択す
ることもできる。該シリカ含有鉱物粉は、単一種の鉱物
粉を使用する場合や、異種の鉱物粉を混合して使用する
場合がある。又、アルカリ金属含有化合物としては、通
常NaOH、KOH等の水酸化アルカリ金属が使用さ
れ、更にアルカリ土類金属含有化合物としては、通常C
aO、MgO等の酸化アルカリ土類金属や、Ca(O
H)2 、Mg(OH)2 等の水酸化アルカリ土類金属が
使用される。
【0008】シリカ含有鉱物粉、アルカリ金属含有化合
物、アルカリ土類金属含有化合物を所定の比率で混合し
たガラス質セメントは、後述するように水の存在下で溶
解し固化反応を開始する。固化体は、水と反応するガラ
ス質セメントのみで得ることができるが、土木建築等の
材料として使用する場合には、水の添加の際に砂、砂利
等の骨材を配合しておくことにより一体的に固化した構
造体、即ちコンクリートを得ることができる。そしてガ
ラス質セメントを使用したコンクリートの混練は、その
混練時に、シリカ含有鉱物粉、アルカリ金属含有化合物
の粉体又は水溶液、アルカリ土類金属含有化合物の粉体
又は水溶液を所定比率になるようにミキサに投入し混練
する方法や、固体状の各成分を製造工場等で事前混合
し、後にコンクリートプラント等で水溶状の成分をミキ
サに投入して混練する方法が採用される。
物、アルカリ土類金属含有化合物を所定の比率で混合し
たガラス質セメントは、後述するように水の存在下で溶
解し固化反応を開始する。固化体は、水と反応するガラ
ス質セメントのみで得ることができるが、土木建築等の
材料として使用する場合には、水の添加の際に砂、砂利
等の骨材を配合しておくことにより一体的に固化した構
造体、即ちコンクリートを得ることができる。そしてガ
ラス質セメントを使用したコンクリートの混練は、その
混練時に、シリカ含有鉱物粉、アルカリ金属含有化合物
の粉体又は水溶液、アルカリ土類金属含有化合物の粉体
又は水溶液を所定比率になるようにミキサに投入し混練
する方法や、固体状の各成分を製造工場等で事前混合
し、後にコンクリートプラント等で水溶状の成分をミキ
サに投入して混練する方法が採用される。
【0009】完成されるコンクリート等の構造体の強度
は、ポルトランドセメントを使用したコンクリートの特
性と同様に加えられる水量に支配され、高強度を得るに
は水量を減ずることが要求される。この要求を満たすた
めに、必要に応じて減水剤、高流動化剤を添加すること
が好ましい。又水量を低減させるためには、シリカ含有
鉱物粉の粒度をポルトランドセメントのブレーン比表面
積程度(3500〜6000cm2 /g)とすることが
好ましい。粒度が細か過ぎると流動性確保のための水量
を増大させなければならず、反対に粒度が粗すぎると粘
性が確保しずらく、又反応速度や反応度が低下する。
は、ポルトランドセメントを使用したコンクリートの特
性と同様に加えられる水量に支配され、高強度を得るに
は水量を減ずることが要求される。この要求を満たすた
めに、必要に応じて減水剤、高流動化剤を添加すること
が好ましい。又水量を低減させるためには、シリカ含有
鉱物粉の粒度をポルトランドセメントのブレーン比表面
積程度(3500〜6000cm2 /g)とすることが
好ましい。粒度が細か過ぎると流動性確保のための水量
を増大させなければならず、反対に粒度が粗すぎると粘
性が確保しずらく、又反応速度や反応度が低下する。
【0010】本発明によるガラス質セメントは、各種の
シリカ含有鉱物粉を複合して使用したり、各種の水酸化
アルカリ金属や酸化もしくは水酸化アルカリ土類金属を
複合して使用したりすることにより使用目的に応じた固
化体を得ることができる。特に酸化アルカリ土類金属と
してCaOを多量に使用する場合にはMgOでCaOの
一部を置換えると安定性が一層良好となる。
シリカ含有鉱物粉を複合して使用したり、各種の水酸化
アルカリ金属や酸化もしくは水酸化アルカリ土類金属を
複合して使用したりすることにより使用目的に応じた固
化体を得ることができる。特に酸化アルカリ土類金属と
してCaOを多量に使用する場合にはMgOでCaOの
一部を置換えると安定性が一層良好となる。
【0011】本発明によるガラス質セメントは、シリカ
含有鉱物粉中のガラス活性状態によっては高炉スラグ粉
のように常温域でも必要な性能を有する固化体を得るこ
とが可能であるが、80〜180℃以下の空気中又は蒸
気中で加熱処理を行うと短期間に高い強度発現を得るこ
とができる。ポルトランドセメントでは、加熱養生をし
た場合に湿分の供給を行わないとひび割れを生じるが、
本発明によるガラス湿セメントでは、湿分の供給がなく
とも安定状態下で強度発現が促進する。
含有鉱物粉中のガラス活性状態によっては高炉スラグ粉
のように常温域でも必要な性能を有する固化体を得るこ
とが可能であるが、80〜180℃以下の空気中又は蒸
気中で加熱処理を行うと短期間に高い強度発現を得るこ
とができる。ポルトランドセメントでは、加熱養生をし
た場合に湿分の供給を行わないとひび割れを生じるが、
本発明によるガラス湿セメントでは、湿分の供給がなく
とも安定状態下で強度発現が促進する。
【0012】
【作用】水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ
含有鉱物粉には、ポルトランドセメントに含有する程度
のアルカリ金属ですら、常温域では緩やかに、高温域で
は急速に溶解するガラス質が含まれているので、該シリ
カ含有鉱物粉にアルカリ金属含有化合物と水とを添加す
ると、該シリカ含有鉱物粉は容易に溶解し、特に高温域
ではその溶解は著しい。すなわち下記(1)式の溶解が
生じる(Xはアルカリ金属を表す。)。これは例えば水
ガラスの製造時にカレットを水酸化アルカリ金属水存在
下で140℃〜180℃に加熱すると水ガラスが生成で
きる様相に近似するものと考えられ、かかる場合に該シ
リカ含有鉱物粉は一種のカレットに見立てることができ
る。
含有鉱物粉には、ポルトランドセメントに含有する程度
のアルカリ金属ですら、常温域では緩やかに、高温域で
は急速に溶解するガラス質が含まれているので、該シリ
カ含有鉱物粉にアルカリ金属含有化合物と水とを添加す
ると、該シリカ含有鉱物粉は容易に溶解し、特に高温域
ではその溶解は著しい。すなわち下記(1)式の溶解が
生じる(Xはアルカリ金属を表す。)。これは例えば水
ガラスの製造時にカレットを水酸化アルカリ金属水存在
下で140℃〜180℃に加熱すると水ガラスが生成で
きる様相に近似するものと考えられ、かかる場合に該シ
リカ含有鉱物粉は一種のカレットに見立てることができ
る。
【化1】
【0013】次に、珪酸の溶解時にアルカリ土類金属含
有化合物が介在されていると、順次ガラス配列が(2)
式のように形成されガラス質セメント粒子同志が溶着固
結すると考えられる(Yはアルカリ土類金属を表
す。)。
有化合物が介在されていると、順次ガラス配列が(2)
式のように形成されガラス質セメント粒子同志が溶着固
結すると考えられる(Yはアルカリ土類金属を表
す。)。
【化2】
【0014】又ガラス配列で残余となった一部の珪酸ソ
ーダやアルカリ土類金属化合物は、該シリカ含有鉱物粉
中の多様な成分と水とによって、例えば(3)式や
(4)式のように不可逆性のポゾラン反応物を生成しゲ
ル化するものと考えられる。更にSO3 が存在したり添
加されると水酸化アルカリ金属は(5)式のようにアル
カリ金属塩となって中性化する。
ーダやアルカリ土類金属化合物は、該シリカ含有鉱物粉
中の多様な成分と水とによって、例えば(3)式や
(4)式のように不可逆性のポゾラン反応物を生成しゲ
ル化するものと考えられる。更にSO3 が存在したり添
加されると水酸化アルカリ金属は(5)式のようにアル
カリ金属塩となって中性化する。
【化3】
【化4】
【化5】
【0015】好ましい態様として、アルカリ金属含有化
合物は、シリカ含有鉱物粉100重量部に対し、水酸化
アルカリ金属当量で5乃至15重量部添加される。アル
カリ金属化合物の添加比率が下限をはずれると、固化反
応は生ずるが固結度が小さくなってしまい、又添加比率
が上限を越えてもアルカリ土類金属化合物を増量すれば
強い固化体を得られるが、著しい改善は見られずコスト
増につながる。アルカリ土類金属含有化合物は、シリカ
含有鉱物粉100重量部に対し、酸化アルカリ土類金属
当量で1乃至7重量部添加される。アルカリ土類金属は
中性化しやすい水酸化アルカリ金属液に対し鉱物粉粒の
表面が溶解するまで活性化を持続させるために、又ガラ
ス構造の再生のために添加比率の下限量が必要であり、
又上限を超えるとひび割れ等の不安定現象を生じること
がある。
合物は、シリカ含有鉱物粉100重量部に対し、水酸化
アルカリ金属当量で5乃至15重量部添加される。アル
カリ金属化合物の添加比率が下限をはずれると、固化反
応は生ずるが固結度が小さくなってしまい、又添加比率
が上限を越えてもアルカリ土類金属化合物を増量すれば
強い固化体を得られるが、著しい改善は見られずコスト
増につながる。アルカリ土類金属含有化合物は、シリカ
含有鉱物粉100重量部に対し、酸化アルカリ土類金属
当量で1乃至7重量部添加される。アルカリ土類金属は
中性化しやすい水酸化アルカリ金属液に対し鉱物粉粒の
表面が溶解するまで活性化を持続させるために、又ガラ
ス構造の再生のために添加比率の下限量が必要であり、
又上限を超えるとひび割れ等の不安定現象を生じること
がある。
【0016】ポルトランドセメントに比較して、本発明
によるガラス質セメントの製造では、既に熱履歴を受け
ガラス化質を多量に含むシリカ含有質鉱物粉を主材とす
るために焼成工程を省略することができ、又フライアッ
シュについては粉砕工程が省略できるし、他の高炉スラ
グ粉等各種鉱物粉については1回の粉砕で十分であるか
ら、熱的、動力的に極めて低コストであり、省資源にも
役立つ。更に製造時にCO2 も発生しないから環境も保
全される。
によるガラス質セメントの製造では、既に熱履歴を受け
ガラス化質を多量に含むシリカ含有質鉱物粉を主材とす
るために焼成工程を省略することができ、又フライアッ
シュについては粉砕工程が省略できるし、他の高炉スラ
グ粉等各種鉱物粉については1回の粉砕で十分であるか
ら、熱的、動力的に極めて低コストであり、省資源にも
役立つ。更に製造時にCO2 も発生しないから環境も保
全される。
【0017】本発明によるガラス質セメントの固化メカ
ニズムは、主としてガラス質セメント粒子同志の溶着結
合に基づくものであり、その固化結合は強力である。高
炉スラグ粉は常温域の反応でも高い発熱を伴うために早
急に反応が進み、16時間以内にポルトランドセメント
の材令28日並の早強性を示す。他のフライアッシュ等
の鉱物粉は常温域での固化速度は遅いが、コンクリート
二次製品製造時に高温処理を施した場合には高い強度を
数時間で発現する。反応時の加熱は沸騰点以下の温度で
自由水を発散させた後であれば、蒸気加熱又は乾気加熱
でもよく、好ましくは、反応性の低い鉱物粉の場合には
乾気加熱後蒸気加熱、反応性が高い鉱物粉の場合には蒸
気加熱後乾気加熱が採用される。なお残余の成分によっ
て一部ポゾラン反応生成物も形成されると考えられる。
ニズムは、主としてガラス質セメント粒子同志の溶着結
合に基づくものであり、その固化結合は強力である。高
炉スラグ粉は常温域の反応でも高い発熱を伴うために早
急に反応が進み、16時間以内にポルトランドセメント
の材令28日並の早強性を示す。他のフライアッシュ等
の鉱物粉は常温域での固化速度は遅いが、コンクリート
二次製品製造時に高温処理を施した場合には高い強度を
数時間で発現する。反応時の加熱は沸騰点以下の温度で
自由水を発散させた後であれば、蒸気加熱又は乾気加熱
でもよく、好ましくは、反応性の低い鉱物粉の場合には
乾気加熱後蒸気加熱、反応性が高い鉱物粉の場合には蒸
気加熱後乾気加熱が採用される。なお残余の成分によっ
て一部ポゾラン反応生成物も形成されると考えられる。
【0018】又本発明のガラス質セメントによる固化体
の圧縮強度について、セメントの強さ試験であるJIS
R 5201に準拠して製作したモルタル供試体につ
いて強度試験を実施すると、80℃16時間加熱で約6
0〜600Kg/cm2 、120℃6時間加熱で約20
0〜800Kg/cm2 、180℃6時間加熱で500
〜1200Kg/cm2 となり、一般的に著しく高い強
度を発現する。モルタル固化体は安定性に優れ、加熱や
乾燥に伴うクラックは850℃でも生じない。又ガラス
質の固化体であるので耐久性にも優れ、半永久的な使用
に耐えられると考えられる。
の圧縮強度について、セメントの強さ試験であるJIS
R 5201に準拠して製作したモルタル供試体につ
いて強度試験を実施すると、80℃16時間加熱で約6
0〜600Kg/cm2 、120℃6時間加熱で約20
0〜800Kg/cm2 、180℃6時間加熱で500
〜1200Kg/cm2 となり、一般的に著しく高い強
度を発現する。モルタル固化体は安定性に優れ、加熱や
乾燥に伴うクラックは850℃でも生じない。又ガラス
質の固化体であるので耐久性にも優れ、半永久的な使用
に耐えられると考えられる。
【0019】
【実施例】本発明に於けるガラス質セメントの原料とな
るシリカ含有鉱物粉の代表的な種類についてその物理的
化学的諸性状を表1に示す。
るシリカ含有鉱物粉の代表的な種類についてその物理的
化学的諸性状を表1に示す。
【表1】
【0020】これらのシリカ含有鉱物分を使用したガラ
ス質セメントの品質についての試験は、ポルトランドセ
メントの品質を判定するためにJIS R 5201と
して制定されているセメントの物理試験方法を準用して
行った。
ス質セメントの品質についての試験は、ポルトランドセ
メントの品質を判定するためにJIS R 5201と
して制定されているセメントの物理試験方法を準用して
行った。
【0021】シリカ含有鉱物粉に対し各種のアルカリ金
属含有化合物及びアルカリ土類金属含有化合物を使用し
たガラス質セメントのみによるペーストの性状を表2及
び表3に示す。シリカ含有鉱物粉を使用したガラス質セ
メントにより生成される固化体は、ソーダガラスの組成
であるNa2O・CaO・5SiO2に組成的に準えるこ
とができるが、シリカ含有鉱物粉を溶解固結させるため
には、鉱物粉粒子の全体を溶解しないでも、その表面の
薄層部を溶解すれば十分な溶解固結が得られるから上記
ソーダガラスの組成中5SiO2を10SiO2と仮定し
て配合比を定めている。
属含有化合物及びアルカリ土類金属含有化合物を使用し
たガラス質セメントのみによるペーストの性状を表2及
び表3に示す。シリカ含有鉱物粉を使用したガラス質セ
メントにより生成される固化体は、ソーダガラスの組成
であるNa2O・CaO・5SiO2に組成的に準えるこ
とができるが、シリカ含有鉱物粉を溶解固結させるため
には、鉱物粉粒子の全体を溶解しないでも、その表面の
薄層部を溶解すれば十分な溶解固結が得られるから上記
ソーダガラスの組成中5SiO2を10SiO2と仮定し
て配合比を定めている。
【表2】
【表3】
【0022】表2および表3に示されるように、高炉ス
ラグ粉の場合にはそのゲル化時間は早くなるが凝結遅延
材の添加で改善することができる。他の鉱物粉の場合に
は常温下ではゲル化時間は非常に遅いが、80℃に昇温
すると1時間以内にゲル化する。又アルカリ金属化合物
の添加比率が表示の下限をはずれると、固化反応は生ず
るが固結度が小さく、又添加比率が上限を越えてもアル
カリ土類金属化合物を増量すれば強い固化体を得られる
が、著しい改善は見られず、コスト増につながる。更に
アルカリ土類金属は中性化しやすい水酸化アルカリ金属
液の活性化を持続させるために、又ガラス構造の再生の
ために鉱物粉100重量部に対して酸化アルカリ土類金
属等量で最小限約1重量部必要であるが、上限値を超え
るとひび割れ等の不安定現象を生じることがある。
ラグ粉の場合にはそのゲル化時間は早くなるが凝結遅延
材の添加で改善することができる。他の鉱物粉の場合に
は常温下ではゲル化時間は非常に遅いが、80℃に昇温
すると1時間以内にゲル化する。又アルカリ金属化合物
の添加比率が表示の下限をはずれると、固化反応は生ず
るが固結度が小さく、又添加比率が上限を越えてもアル
カリ土類金属化合物を増量すれば強い固化体を得られる
が、著しい改善は見られず、コスト増につながる。更に
アルカリ土類金属は中性化しやすい水酸化アルカリ金属
液の活性化を持続させるために、又ガラス構造の再生の
ために鉱物粉100重量部に対して酸化アルカリ土類金
属等量で最小限約1重量部必要であるが、上限値を超え
るとひび割れ等の不安定現象を生じることがある。
【0023】表2及び表3の中から経済性と安定性に優
れる組成、すなわちアルカリ金属化合物としてはNaO
H(KOHより低価格である。)を、アルカリ土類金属
化合物としてはMgO(CaOより過添加時に安定性が
損われない。)を選択し、JIS R 5201のセメ
ント強さ試験に準拠してモルタル供試体を製作し試験を
行った。図1は、表1におけるフライアッシュA(記
号:P1)を基材とした場合(配合比:W/P1=0.
32、MgO/P1=0.02。尚「W/P1」は水と
鉱物粉P1との重量比を、又「MgO/P1」はMgO
と鉱物粉P1との重量比を表す。以下の同様の記載も同
様の意味を表す。)及び高炉スラグA(記号:P4)を
基材とした場合(配合比:W/P4=0.41、MgO
/P4=0.02)とについて、120℃6時間加熱時
のNaOH添加量と圧縮強度との関係を示し、又図2乃
至図4は、各種の鉱物粉を基材とした場合の加熱温度及
び加熱時間と圧縮強度との関係を示す。なおモルタル供
試体の製作にあたっては、当該JISの配合表示が重量
比となっているため、比重が小さい本発明のガラス質セ
メントではペースト量が多くなり強度に有利に働くこと
から、重量による配合表示である、砂1040g:セメ
ント520g:水338gを、容積配合である、砂40
0cc:ペースト500ccに変換した。又フロー値は
200±10mmとした。
れる組成、すなわちアルカリ金属化合物としてはNaO
H(KOHより低価格である。)を、アルカリ土類金属
化合物としてはMgO(CaOより過添加時に安定性が
損われない。)を選択し、JIS R 5201のセメ
ント強さ試験に準拠してモルタル供試体を製作し試験を
行った。図1は、表1におけるフライアッシュA(記
号:P1)を基材とした場合(配合比:W/P1=0.
32、MgO/P1=0.02。尚「W/P1」は水と
鉱物粉P1との重量比を、又「MgO/P1」はMgO
と鉱物粉P1との重量比を表す。以下の同様の記載も同
様の意味を表す。)及び高炉スラグA(記号:P4)を
基材とした場合(配合比:W/P4=0.41、MgO
/P4=0.02)とについて、120℃6時間加熱時
のNaOH添加量と圧縮強度との関係を示し、又図2乃
至図4は、各種の鉱物粉を基材とした場合の加熱温度及
び加熱時間と圧縮強度との関係を示す。なおモルタル供
試体の製作にあたっては、当該JISの配合表示が重量
比となっているため、比重が小さい本発明のガラス質セ
メントではペースト量が多くなり強度に有利に働くこと
から、重量による配合表示である、砂1040g:セメ
ント520g:水338gを、容積配合である、砂40
0cc:ペースト500ccに変換した。又フロー値は
200±10mmとした。
【0024】図2は、フライアッシュA(記号:P
1)、フライアッシュB(記号:P2)、フライアッシ
ュC(記号:P3)をそれぞれ基材とした場合で、配合
比を、それぞれについてW/P1=0.32、W/P2
=0.38、W/P3=0.46とし、又いずれについ
てもNaOH/P=0.09、MgO/P=0.02
(尚「NaOH/P」はNaOHと対応する鉱物粉との
重量比を、又「MgO/P」はMgOと対応する鉱物粉
との重量比を表す。以下の同様の記載も同様の意味を表
す。)としたモルタル供試体についての結果を示す。図
3は、高炉スラグA(記号:P4)、高炉スラグB(記
号:P5)、高炉スラグC(記号:P6)をそれぞれ基
材とした場合で、配合比を、それぞれについてW/P4
=0.41、W/P5=0.37、W/P6=0.40
とし、又いずれについてもNaOH/P=0.09、M
gO/P=0.02としたモルタル供試体についての結
果を示す。減水剤添加の印が付されている値は、高炉ス
ラグAを基材としたものに於いて減水剤を使用してW/
P4=0.39とした値である。図4は、珪石粉(記
号:P7)、火山灰A(記号:P8)、火山灰B(記
号:P9)、びんガラス粉(記号:P10)をそれぞれ
基材とした場合で、配合比を、それぞれについてW/P
7=0.42、W/P8=0.37、W/P9=0.3
7、W/P10=0.36とし、又いずれについてもN
aOH/P=0.11、MgO/P=0.04としたモ
ルタル供試体についての結果を示す。
1)、フライアッシュB(記号:P2)、フライアッシ
ュC(記号:P3)をそれぞれ基材とした場合で、配合
比を、それぞれについてW/P1=0.32、W/P2
=0.38、W/P3=0.46とし、又いずれについ
てもNaOH/P=0.09、MgO/P=0.02
(尚「NaOH/P」はNaOHと対応する鉱物粉との
重量比を、又「MgO/P」はMgOと対応する鉱物粉
との重量比を表す。以下の同様の記載も同様の意味を表
す。)としたモルタル供試体についての結果を示す。図
3は、高炉スラグA(記号:P4)、高炉スラグB(記
号:P5)、高炉スラグC(記号:P6)をそれぞれ基
材とした場合で、配合比を、それぞれについてW/P4
=0.41、W/P5=0.37、W/P6=0.40
とし、又いずれについてもNaOH/P=0.09、M
gO/P=0.02としたモルタル供試体についての結
果を示す。減水剤添加の印が付されている値は、高炉ス
ラグAを基材としたものに於いて減水剤を使用してW/
P4=0.39とした値である。図4は、珪石粉(記
号:P7)、火山灰A(記号:P8)、火山灰B(記
号:P9)、びんガラス粉(記号:P10)をそれぞれ
基材とした場合で、配合比を、それぞれについてW/P
7=0.42、W/P8=0.37、W/P9=0.3
7、W/P10=0.36とし、又いずれについてもN
aOH/P=0.11、MgO/P=0.04としたモ
ルタル供試体についての結果を示す。
【0025】図1乃至図4の結果によれば、いずれのシ
リカ含有鉱物粉を使用した場合であっても、高温処理し
たときに著しく高い強度を発現する。そして高炉スラグ
を使用した場合には常温であっても16時間経過後でポ
ルトランドセメントによる材令28日に近い早強性を示
している。またCaOを添加した場合にもそれなりに高
い強度を発現することが確認された。なお供試体の表面
観察において、変形、ひび割れ、白華現象は観察されな
かった。又850℃の電気炉加熱によっても安定性に異
常を生じなかった。
リカ含有鉱物粉を使用した場合であっても、高温処理し
たときに著しく高い強度を発現する。そして高炉スラグ
を使用した場合には常温であっても16時間経過後でポ
ルトランドセメントによる材令28日に近い早強性を示
している。またCaOを添加した場合にもそれなりに高
い強度を発現することが確認された。なお供試体の表面
観察において、変形、ひび割れ、白華現象は観察されな
かった。又850℃の電気炉加熱によっても安定性に異
常を生じなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明は次のような効果を奏する。 A.従来のポルトランドセメントによる固化はその水和
生成物による粒子間接着であったが、本発明によるガラ
ス質セメントは粒子同志の溶着結合によって行われるた
めに、養生ひび割れや乾燥収縮を生ぜず、且つ高強度を
発現すると共に耐圧性、安定性、耐久性に優れる。 B.本発明で使用される水酸化アルカリ金属溶液に溶解
しやすいシリカ含有鉱物粉は既に鉱物が溶融する温度で
の熱履歴を経てガラス化が進んでいるため、ポルトラン
ドセメント製造時におけるような1450℃にも及ぶ焼
成工程を省略できエネルギー消費を低減することができ
る。又鉱物粉にフライアッシュを使用した場合には焼成
原料の粉砕が不要であり、高炉スラグ等を使用した場合
でも1回の粉砕工程のみ行えばよいから焼成原料の粉砕
に使用するエネルギーも節約することができる。更にガ
ラス質セメントの製造に石灰石(CaCO3 )の焼成工
程が含まれないため、CO2 が発生せず、環境保全が図
れる。 C.水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含有
鉱物粉は従来添加物としてコンクリート分野で副材的に
少量利用されてきたが、本発明では主材として使用する
結果、フライアッシュ、びんガラス等の産業廃棄物を大
量に再利用できる。
生成物による粒子間接着であったが、本発明によるガラ
ス質セメントは粒子同志の溶着結合によって行われるた
めに、養生ひび割れや乾燥収縮を生ぜず、且つ高強度を
発現すると共に耐圧性、安定性、耐久性に優れる。 B.本発明で使用される水酸化アルカリ金属溶液に溶解
しやすいシリカ含有鉱物粉は既に鉱物が溶融する温度で
の熱履歴を経てガラス化が進んでいるため、ポルトラン
ドセメント製造時におけるような1450℃にも及ぶ焼
成工程を省略できエネルギー消費を低減することができ
る。又鉱物粉にフライアッシュを使用した場合には焼成
原料の粉砕が不要であり、高炉スラグ等を使用した場合
でも1回の粉砕工程のみ行えばよいから焼成原料の粉砕
に使用するエネルギーも節約することができる。更にガ
ラス質セメントの製造に石灰石(CaCO3 )の焼成工
程が含まれないため、CO2 が発生せず、環境保全が図
れる。 C.水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすいシリカ含有
鉱物粉は従来添加物としてコンクリート分野で副材的に
少量利用されてきたが、本発明では主材として使用する
結果、フライアッシュ、びんガラス等の産業廃棄物を大
量に再利用できる。
【0027】D.本発明にかかるガラス質セメントによ
る固化体の強度は、ポルトランドセメントによるそれに
比較して著しく高く、ガラス質セメントを利用した二次
製品が鉄鋼等金属材料による製品に近づき、建設の合理
化とコストダウンが図れる。 E.シリカ含有鉱物粉は、利用目的に応じて単一種鉱物
及び異種鉱物の複合物を使用することができ、又アルカ
リ金属化合物やアルカリ土類金属化合物についても同様
である。 F.高炉スラグ粉を使用するときには、常温の16時間
経過強度で300Kg/cm2 に至る著しい早期強度を
得ることができる。 G.本発明によるガラス質セメントは、ポルトランドセ
メントにおける場合と同様に水量調節で設定強度の調節
が可能であるが、必ずしも湿潤養生等を行う必要はな
い。 H.本発明によるガラス質セメントは、シリカ含有鉱物
粉中のガラス活性状態によっては高炉スラグ粉のように
常温域でも必要な性能を有する固化体を得ることが可能
であるが、80〜180℃以下の空気中又は蒸気中で養
生を行うと短期間に高い強度発現を得ることができるの
で、固化体による二次製品の製造時に極めて有効であ
る。 I.本発明によるガラス質セメントは、全般的に比重
(2.2〜2.9)が小さいため嵩容積が大きくなり、
モルタルやコンクリート中でのセメントが占める容積率
が大きくなるため、緻密な固化体を得ることができる。
尚ペースト容積をポルトランドセメント(比重:3.1
5)によるコンクリートと同じにするとすれば、フライ
アッシュを基材とする場合に、単位セメント量(重量)
を約30%も節約でき、経済的である。
る固化体の強度は、ポルトランドセメントによるそれに
比較して著しく高く、ガラス質セメントを利用した二次
製品が鉄鋼等金属材料による製品に近づき、建設の合理
化とコストダウンが図れる。 E.シリカ含有鉱物粉は、利用目的に応じて単一種鉱物
及び異種鉱物の複合物を使用することができ、又アルカ
リ金属化合物やアルカリ土類金属化合物についても同様
である。 F.高炉スラグ粉を使用するときには、常温の16時間
経過強度で300Kg/cm2 に至る著しい早期強度を
得ることができる。 G.本発明によるガラス質セメントは、ポルトランドセ
メントにおける場合と同様に水量調節で設定強度の調節
が可能であるが、必ずしも湿潤養生等を行う必要はな
い。 H.本発明によるガラス質セメントは、シリカ含有鉱物
粉中のガラス活性状態によっては高炉スラグ粉のように
常温域でも必要な性能を有する固化体を得ることが可能
であるが、80〜180℃以下の空気中又は蒸気中で養
生を行うと短期間に高い強度発現を得ることができるの
で、固化体による二次製品の製造時に極めて有効であ
る。 I.本発明によるガラス質セメントは、全般的に比重
(2.2〜2.9)が小さいため嵩容積が大きくなり、
モルタルやコンクリート中でのセメントが占める容積率
が大きくなるため、緻密な固化体を得ることができる。
尚ペースト容積をポルトランドセメント(比重:3.1
5)によるコンクリートと同じにするとすれば、フライ
アッシュを基材とする場合に、単位セメント量(重量)
を約30%も節約でき、経済的である。
【図1】ガラス質セメントモルタルにおけるNaOH添
加量と圧縮強度との関連図である。
加量と圧縮強度との関連図である。
【図2】フライアッシュを基材とするガラス質セメント
モルタルにおける加熱温度及び加熱時間と圧縮強度との
関連図である。
モルタルにおける加熱温度及び加熱時間と圧縮強度との
関連図である。
【図3】高炉スラグを基材とするガラス質セメントモル
タルにおける加熱温度及び加熱時間と圧縮強度との関連
図である。
タルにおける加熱温度及び加熱時間と圧縮強度との関連
図である。
【図4】珪石粉、火山灰粉、びんガラス粉を基材とする
ガラス質セメントモルタルにおける加熱温度及び加熱時
間と圧縮強度との関連図である。
ガラス質セメントモルタルにおける加熱温度及び加熱時
間と圧縮強度との関連図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすい
シリカ含有鉱物粉と、アルカリ金属含有化合物と、アル
カリ土類金属含有化合物とよりなることを特徴とするガ
ラス質セメント。 - 【請求項2】 水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすい
シリカ含有鉱物粉100重量部と、水酸化アルカリ金属
当量でのアルカリ金属含有化合物5乃至15重量部と、
酸化アルカリ土類金属当量でのアルカリ土類金属含有化
合物1乃至7重量部とよりなることを特徴とするガラス
質セメント。 - 【請求項3】 水酸化アルカリ金属溶液に溶解しやすい
シリカ含有鉱物粉には、単一種の鉱物粉又は異種の鉱物
粉の混合物が使用されることを特徴とする請求項1又は
請求項2記載のガラス質セメント。 - 【請求項4】 アルカリ金属含有化合物は、水酸化アル
カリ金属であることを特徴とする請求項1乃至3のいず
れか1項記載のガラス質セメント。 - 【請求項5】 アルカリ土類金属含有化合物は、酸化も
しくは水酸化アルカリ土類金属であることを特徴とする
請求項1乃至4のいずれか1項記載のガラス質セメン
ト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7135652A JPH08310842A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ガラス質セメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7135652A JPH08310842A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ガラス質セメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08310842A true JPH08310842A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15156801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7135652A Pending JPH08310842A (ja) | 1995-05-11 | 1995-05-11 | ガラス質セメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08310842A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016190756A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | ニチハ株式会社 | 原料組成物 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5277125A (en) * | 1975-12-23 | 1977-06-29 | Takesaburou Furukawa | Manufacturing of light concrete |
JPS5879863A (ja) * | 1981-11-06 | 1983-05-13 | 電気化学工業株式会社 | 耐海水性の大なるコンクリ−ト製品及びその製法 |
JPS58194765A (ja) * | 1982-05-07 | 1983-11-12 | 電気化学工業株式会社 | 無機結合材 |
JPS63123842A (ja) * | 1986-11-11 | 1988-05-27 | 電気化学工業株式会社 | 熱硬化性セメントの製造方法 |
JPH0658092A (ja) * | 1992-08-12 | 1994-03-01 | Terunaito:Kk | 裏込め注入材および二液性裏込め注入工法 |
JPH06501909A (ja) * | 1990-10-05 | 1994-03-03 | クルツ、フレドリック、ヴェー.、アー. | 建築材料製造における潜在的に水和性の塩基性溶鉱炉スラグの活性化を改善する方法 |
JPH081126A (ja) * | 1994-06-17 | 1996-01-09 | Ngk Insulators Ltd | 石炭灰質固化物の製造方法 |
-
1995
- 1995-05-11 JP JP7135652A patent/JPH08310842A/ja active Pending
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS5277125A (en) * | 1975-12-23 | 1977-06-29 | Takesaburou Furukawa | Manufacturing of light concrete |
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JPS63123842A (ja) * | 1986-11-11 | 1988-05-27 | 電気化学工業株式会社 | 熱硬化性セメントの製造方法 |
JPH06501909A (ja) * | 1990-10-05 | 1994-03-03 | クルツ、フレドリック、ヴェー.、アー. | 建築材料製造における潜在的に水和性の塩基性溶鉱炉スラグの活性化を改善する方法 |
JPH0658092A (ja) * | 1992-08-12 | 1994-03-01 | Terunaito:Kk | 裏込め注入材および二液性裏込め注入工法 |
JPH081126A (ja) * | 1994-06-17 | 1996-01-09 | Ngk Insulators Ltd | 石炭灰質固化物の製造方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016190756A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | ニチハ株式会社 | 原料組成物 |
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