JPH08310109A - インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システム - Google Patents
インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システムInfo
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- JPH08310109A JPH08310109A JP7120171A JP12017195A JPH08310109A JP H08310109 A JPH08310109 A JP H08310109A JP 7120171 A JP7120171 A JP 7120171A JP 12017195 A JP12017195 A JP 12017195A JP H08310109 A JPH08310109 A JP H08310109A
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- recording paper
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インクジェット専用のコート紙を用いる場合
と同様の水性インクに対する優れた記録特性を維持しつ
つ、普通紙としての風合いや取扱性を有した記録紙を利
用して良好な記録、特に異色のインクを用いたフルカラ
ー記録を行えるインクジェット記録方法及び該方法に用
いる記録システムを提供すること。 【構成】 ブリストウ試験において特定の範囲内の2つ
の吸収係数Ka1、Ka2を有する記録紙に、Ka1から
Ka2に変化する変化点(Th)よりも最小隣接ドット
打ち込み時間間隔(Tmin)を大きくしてインクジェッ
ト記録を行う。
と同様の水性インクに対する優れた記録特性を維持しつ
つ、普通紙としての風合いや取扱性を有した記録紙を利
用して良好な記録、特に異色のインクを用いたフルカラ
ー記録を行えるインクジェット記録方法及び該方法に用
いる記録システムを提供すること。 【構成】 ブリストウ試験において特定の範囲内の2つ
の吸収係数Ka1、Ka2を有する記録紙に、Ka1から
Ka2に変化する変化点(Th)よりも最小隣接ドット
打ち込み時間間隔(Tmin)を大きくしてインクジェッ
ト記録を行う。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録方
法、特にカラー記録に好適なインクジェット記録方法に
関する。
法、特にカラー記録に好適なインクジェット記録方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、記録の高速
化、カラー化、高密度化などが容易なことから注目され
ており、インクジェット記録方式を採用した記録装置も
普及している。
化、カラー化、高密度化などが容易なことから注目され
ており、インクジェット記録方式を採用した記録装置も
普及している。
【0003】こうしたインクジェット記録方式に適用さ
れる記録紙として、例えば特開昭59−35977号公
報や特開平1−135682号公報に開示されるよう
な、インクジェット記録専用のコート紙タイプの紙が用
いられてきた。
れる記録紙として、例えば特開昭59−35977号公
報や特開平1−135682号公報に開示されるよう
な、インクジェット記録専用のコート紙タイプの紙が用
いられてきた。
【0004】更に、インクジェット記録の多方面への応
用に伴って、インクジェット記録用紙にもより高度な特
性が要求されつつある。例えば、(1)インクの吸収に
富み、インクの乾燥、定着が速やかであること、(2)
インクドットが隣接した場合、隣接したインクドットが
相互のインクドット中に流れ出し、不均一に混ざりあ
う、いわゆるブリーディングを生じないこと、(3)染
料などの色剤が記録紙上で凝集してビーズのような形状
となり濃度ムラを生じる、いわゆるビーディングが起き
ないこと、(4)記録紙に付着したインク滴が拡散し、
インクドットの径が過度に大きくならないこと、(5)
インクドットの画像濃度が高く、文字及び画像の周辺に
ボケが生じないこと、(6)インクの色剤成分の発色性
に優れたものであること、(7)色再現性が良好であ
り、高精細な画像が得られること、(8)耐水性に優れ
ていること、等の特性が要求される。
用に伴って、インクジェット記録用紙にもより高度な特
性が要求されつつある。例えば、(1)インクの吸収に
富み、インクの乾燥、定着が速やかであること、(2)
インクドットが隣接した場合、隣接したインクドットが
相互のインクドット中に流れ出し、不均一に混ざりあ
う、いわゆるブリーディングを生じないこと、(3)染
料などの色剤が記録紙上で凝集してビーズのような形状
となり濃度ムラを生じる、いわゆるビーディングが起き
ないこと、(4)記録紙に付着したインク滴が拡散し、
インクドットの径が過度に大きくならないこと、(5)
インクドットの画像濃度が高く、文字及び画像の周辺に
ボケが生じないこと、(6)インクの色剤成分の発色性
に優れたものであること、(7)色再現性が良好であ
り、高精細な画像が得られること、(8)耐水性に優れ
ていること、等の特性が要求される。
【0005】また、モノクロ記録やビジネスカラー記録
の分野では、異なる記録方式による記録装置が各種存在
し、各記録方式に対応する専用紙を用いるよりは、オフ
ィース等において入手性が高く、低価格で、各種の記録
方式に対する汎用性のある記録紙が求められている。
の分野では、異なる記録方式による記録装置が各種存在
し、各記録方式に対応する専用紙を用いるよりは、オフ
ィース等において入手性が高く、低価格で、各種の記録
方式に対する汎用性のある記録紙が求められている。
【0006】以上のような観点から、インクジェット記
録用紙を見てみると、コート紙タイプのインクジェット
記録用記録紙ではインクジェット記録においては高精細
で鮮明な画像の形成が可能であるが、普通紙として利用
しようとする場合、例えば、(1)普通紙(PPC用
紙、一般上質紙等)のような風合いや取扱性に欠ける、
(2)鉛筆での加筆における筆記性が悪い、(3)コー
ト層の構成材料の脱落による紙粉(粉落ち)が発生し易
く、記録装置内で紙粉の発生が顕著である場合には、搬
送ローラーへの紙粉の付着による摩擦力の低下が原因と
なる搬送不良を招き易い。(4)他の記録方式への汎用
性が低い、(5)普通紙に比べてコスト高になり易い、
(6)コート層を両面に形成できないので、記録が片面
に限られている、等の問題が生じる。
録用紙を見てみると、コート紙タイプのインクジェット
記録用記録紙ではインクジェット記録においては高精細
で鮮明な画像の形成が可能であるが、普通紙として利用
しようとする場合、例えば、(1)普通紙(PPC用
紙、一般上質紙等)のような風合いや取扱性に欠ける、
(2)鉛筆での加筆における筆記性が悪い、(3)コー
ト層の構成材料の脱落による紙粉(粉落ち)が発生し易
く、記録装置内で紙粉の発生が顕著である場合には、搬
送ローラーへの紙粉の付着による摩擦力の低下が原因と
なる搬送不良を招き易い。(4)他の記録方式への汎用
性が低い、(5)普通紙に比べてコスト高になり易い、
(6)コート層を両面に形成できないので、記録が片面
に限られている、等の問題が生じる。
【0007】一方、現在オフィスに最も普及している普
通紙タイプの記録紙は、例えば特開昭51−13244
号公報、特開昭59−162561号公報、特開昭59
−191068号公報等に開示されている電子写真方式
による複写機等のトナー転写用紙(PPC用紙)である
が、このPPC用紙の中で十分なインクジェット記録適
性を有するものは未だ見当たらない。
通紙タイプの記録紙は、例えば特開昭51−13244
号公報、特開昭59−162561号公報、特開昭59
−191068号公報等に開示されている電子写真方式
による複写機等のトナー転写用紙(PPC用紙)である
が、このPPC用紙の中で十分なインクジェット記録適
性を有するものは未だ見当たらない。
【0008】例えば、現在普及しているPPC用紙をイ
ンクジェット記録に用いた場合には以下のような不都合
が生じる場合が多い。 (1)水性のインクの吸収性に乏しく、多量のインクが
付与されると、インクの乾燥、定着が遅い(インクが未
定着、未乾燥の状態で記録面に物が触れると、形成され
た画像を損なう場合がある)。 (2)水性のインクが紙層内に吸収される際に、紙を構
成する繊維に沿ってにじみが生じるため、インクドット
が過大になりすぎたり、インクドットの外周形状がギザ
ギザ等の不規則形状となったり、ボケたりする、いわゆ
るフェザリングが発生し、鮮明な文字、記録画像が得ら
れない。 (3)カラー画像記録において、異色のインクドットが
隣合って印字された場合、これらのインクドット間での
インクの流れ出しによる所望としない混色、いわゆるブ
リーディングが起き、画像の鮮明性や呈色性等が損なわ
れ、満足な画像が得られない場合が多い。例えば、異色
のベタ印字部間の境界部分においてブリーディングが発
生すると、境界の鮮明性が損なわれたり、色がにじんだ
り、不均一な混色が見られるようになる。 (4)水性インクに用いた染料等の水溶性の色剤を固定
するための特別な構成を有するものではないので、記録
画像の耐水性が不十分である。 (5)インクに用いた染料等の色剤がインク溶媒ととも
に紙の内部に浸透してしまうために色剤の発色性が不十
分となる。
ンクジェット記録に用いた場合には以下のような不都合
が生じる場合が多い。 (1)水性のインクの吸収性に乏しく、多量のインクが
付与されると、インクの乾燥、定着が遅い(インクが未
定着、未乾燥の状態で記録面に物が触れると、形成され
た画像を損なう場合がある)。 (2)水性のインクが紙層内に吸収される際に、紙を構
成する繊維に沿ってにじみが生じるため、インクドット
が過大になりすぎたり、インクドットの外周形状がギザ
ギザ等の不規則形状となったり、ボケたりする、いわゆ
るフェザリングが発生し、鮮明な文字、記録画像が得ら
れない。 (3)カラー画像記録において、異色のインクドットが
隣合って印字された場合、これらのインクドット間での
インクの流れ出しによる所望としない混色、いわゆるブ
リーディングが起き、画像の鮮明性や呈色性等が損なわ
れ、満足な画像が得られない場合が多い。例えば、異色
のベタ印字部間の境界部分においてブリーディングが発
生すると、境界の鮮明性が損なわれたり、色がにじんだ
り、不均一な混色が見られるようになる。 (4)水性インクに用いた染料等の水溶性の色剤を固定
するための特別な構成を有するものではないので、記録
画像の耐水性が不十分である。 (5)インクに用いた染料等の色剤がインク溶媒ととも
に紙の内部に浸透してしまうために色剤の発色性が不十
分となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット専用のコート紙を用いる場合と同様の水性イ
ンクに対する優れた記録特性を維持しつつ、普通紙とし
ての風合いや取扱性を有した記録紙を利用して良好な記
録、特に異色のインクを用いたフルカラー記録を行える
インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システ
ムを提供することにある。
クジェット専用のコート紙を用いる場合と同様の水性イ
ンクに対する優れた記録特性を維持しつつ、普通紙とし
ての風合いや取扱性を有した記録紙を利用して良好な記
録、特に異色のインクを用いたフルカラー記録を行える
インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システ
ムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明により達成できる。本発明のインクジェット記録方法
は、インクの液滴を記録ヘッドから記録信号に従って吐
出させ、吐出されたインク液滴によるインクドットを記
録紙に打ち込んで画像形成するインクジェット記録法に
おいて、前記記録紙が、表面張力が30±2dyn/c
mの範囲内にあるインクを用いたブリストウ試験におい
て以下の数値範囲
明により達成できる。本発明のインクジェット記録方法
は、インクの液滴を記録ヘッドから記録信号に従って吐
出させ、吐出されたインク液滴によるインクドットを記
録紙に打ち込んで画像形成するインクジェット記録法に
おいて、前記記録紙が、表面張力が30±2dyn/c
mの範囲内にあるインクを用いたブリストウ試験におい
て以下の数値範囲
【0011】
【数2】0<Ka1≦5.0 5.0<Ka2≦10.0 にある2種の吸収係数Ka1及びKa2を有するものであ
り、前記インクとして表面張力が25〜40dyn/c
mの範囲内にあるインクを用い、かつ、前記インクドッ
トの打ち込みの際の最小隣接ドットの打ち込み時間間隔
(Tmin)を、前記記録紙のブリストウ試験におけるK
a1からKa2に変化する変化点(Th)よりも大きくす
ることを特徴とする。
り、前記インクとして表面張力が25〜40dyn/c
mの範囲内にあるインクを用い、かつ、前記インクドッ
トの打ち込みの際の最小隣接ドットの打ち込み時間間隔
(Tmin)を、前記記録紙のブリストウ試験におけるK
a1からKa2に変化する変化点(Th)よりも大きくす
ることを特徴とする。
【0012】ブリストウ試験は、紙の液体吸収性を評価
する日本紙パルプ技術協会(JTAPPI)の定める試
験方法で、JTAPPI No.51、「紙、板紙の液
体吸収性試験方法」にその詳細が述べられている。本発
明においては、このブリストウ試験を表面張力が30±
2dyn/cmのインクを用い、ヘッドボックススリッ
ト幅をこの表面張力に合わせて調節して行う。なお、紙
の裏にインクがぬけてしまう点は計算から外す。このブ
リストウ試験は、液体の紙への接触時間の1/2乗(t
1/2(sec1/2))に対する単位面積あたりの液体の転
移量(v:ml/m2)を求めたものであり、吸収係数
はこれらの相関におけるグラフの傾きを表し、この傾き
Ka[単位はml/(m2・msec)1/2]が大きいほ
ど吸収速度が速いことを示す。
する日本紙パルプ技術協会(JTAPPI)の定める試
験方法で、JTAPPI No.51、「紙、板紙の液
体吸収性試験方法」にその詳細が述べられている。本発
明においては、このブリストウ試験を表面張力が30±
2dyn/cmのインクを用い、ヘッドボックススリッ
ト幅をこの表面張力に合わせて調節して行う。なお、紙
の裏にインクがぬけてしまう点は計算から外す。このブ
リストウ試験は、液体の紙への接触時間の1/2乗(t
1/2(sec1/2))に対する単位面積あたりの液体の転
移量(v:ml/m2)を求めたものであり、吸収係数
はこれらの相関におけるグラフの傾きを表し、この傾き
Ka[単位はml/(m2・msec)1/2]が大きいほ
ど吸収速度が速いことを示す。
【0013】本発明で用いられる紙は、Kaとして、変
化点(Th)で変化し、先に述べた所定の範囲内の値を
有する2つのKa1、Ka2を有するものであり、本発明
の記録方法では、Ka1からKa2への変化点(Th)よ
りも大きな最小隣接ドットの打ち込み時間間隔(差)で
記録が行われる。
化点(Th)で変化し、先に述べた所定の範囲内の値を
有する2つのKa1、Ka2を有するものであり、本発明
の記録方法では、Ka1からKa2への変化点(Th)よ
りも大きな最小隣接ドットの打ち込み時間間隔(差)で
記録が行われる。
【0014】この「最小隣接ドット打ち込み時間間隔」
とは、使用する記録システムの印字モードの中で、全画
素にドットを打ち込む100%デューティーの印字部に
おける単位面積の印字時間が最も短いモードを使用した
時に、インク滴を隣の画素に付与する時間間隔(2つの
隣接する画素間で、一方の画素に、ある色のドットを打
ち込んでから、他方の画素にこれとは異色のドットを打
ち込むまでの時間)のうちで最も短い時間間隔をいう。
なお、2種の異色のインクを2つの画素のそれぞれに打
ち込む場合にインクの色の組合せによって打ち込み時間
間隔が異なる場合は、それらの打ち込み間隔時間の最小
のものをいう。例えば、100%デューティーの印字部
における単位面積の印字時間が最も短いモードを使用し
て、隣接する2つの画素に、A色とB色を各々打ち込む
時間間隔がT1、A色とC色を各々打ち込む時間間隔が
T2、A色とD色を各々打ち込む時間間隔がT3である場
合には、これらのT1〜T3のうちの最も小さいものをい
う。
とは、使用する記録システムの印字モードの中で、全画
素にドットを打ち込む100%デューティーの印字部に
おける単位面積の印字時間が最も短いモードを使用した
時に、インク滴を隣の画素に付与する時間間隔(2つの
隣接する画素間で、一方の画素に、ある色のドットを打
ち込んでから、他方の画素にこれとは異色のドットを打
ち込むまでの時間)のうちで最も短い時間間隔をいう。
なお、2種の異色のインクを2つの画素のそれぞれに打
ち込む場合にインクの色の組合せによって打ち込み時間
間隔が異なる場合は、それらの打ち込み間隔時間の最小
のものをいう。例えば、100%デューティーの印字部
における単位面積の印字時間が最も短いモードを使用し
て、隣接する2つの画素に、A色とB色を各々打ち込む
時間間隔がT1、A色とC色を各々打ち込む時間間隔が
T2、A色とD色を各々打ち込む時間間隔がT3である場
合には、これらのT1〜T3のうちの最も小さいものをい
う。
【0015】本発明は、記録紙として、ブリストウ試験
での吸収特性において、変化点(Th)の前後で特定の
値を有するKa1からKa2に変化するものを用い、これ
に対して最小隣接ドット打ち込み時間間隔(Tmin)が
Thより大きいモードでのインクジェット記録を行うこ
とで優れた記録特性が得られることを見い出すことによ
り完成されたものである。このような記録紙と記録モー
ドの関係においてインクジェット記録を行うことで、最
も接近した画素間での良好なドットの打ち込みが達成で
きる。本発明においては、隣接する画素a、bの一方
(画素a)にインク滴を付与すると、そこでは、まずK
a1でのインクの吸収がThまで起こる。この時、Ka1
が特定の比較的小さな範囲に設定されているので、イン
ク滴は小さなにじみ率で広がる。次に、Thより大きい
最小隣接ドット打ち込み時間間隔(Tmin)で画素bに
インク滴を付与すると、その時点では画素aの吸収はす
でにKa1よりも高い特定範囲にあるKa2での吸収とな
って、インクの紙面方向や紙厚方向への効果的な吸収が
行われ、ドットの定着が進み、画素bに打ち込んだ異色
のインク滴が画素aのドットと重複した場合でも、これ
らの交じり合いが生じにくくなり、ブリーディングの発
生を防止できる。更に、2つのKaでのインク吸収によ
ってインク滴が紙面ににおいて適当な時間保持され、紙
面及びその近傍でのインク中の色剤の定着も良好とな
り、さらに、ドットが適度なにじみ率で画素全体に広が
り、高い画像濃度が得られる。
での吸収特性において、変化点(Th)の前後で特定の
値を有するKa1からKa2に変化するものを用い、これ
に対して最小隣接ドット打ち込み時間間隔(Tmin)が
Thより大きいモードでのインクジェット記録を行うこ
とで優れた記録特性が得られることを見い出すことによ
り完成されたものである。このような記録紙と記録モー
ドの関係においてインクジェット記録を行うことで、最
も接近した画素間での良好なドットの打ち込みが達成で
きる。本発明においては、隣接する画素a、bの一方
(画素a)にインク滴を付与すると、そこでは、まずK
a1でのインクの吸収がThまで起こる。この時、Ka1
が特定の比較的小さな範囲に設定されているので、イン
ク滴は小さなにじみ率で広がる。次に、Thより大きい
最小隣接ドット打ち込み時間間隔(Tmin)で画素bに
インク滴を付与すると、その時点では画素aの吸収はす
でにKa1よりも高い特定範囲にあるKa2での吸収とな
って、インクの紙面方向や紙厚方向への効果的な吸収が
行われ、ドットの定着が進み、画素bに打ち込んだ異色
のインク滴が画素aのドットと重複した場合でも、これ
らの交じり合いが生じにくくなり、ブリーディングの発
生を防止できる。更に、2つのKaでのインク吸収によ
ってインク滴が紙面ににおいて適当な時間保持され、紙
面及びその近傍でのインク中の色剤の定着も良好とな
り、さらに、ドットが適度なにじみ率で画素全体に広が
り、高い画像濃度が得られる。
【0016】図1に、各種記録紙のブリストウ試験の測
定結果のモデルを示した。記録紙Aは、0<Ka1≦
5.0を有し、小さなにじみ率により文字品位の良い画
像が得られる。しかしながら、変化点Thはなく、イン
ク吸収速度はKa1のままでほぼ一定であり定着速度が
遅い。なお、グラフ中のTaまでの時間は、液体が紙の
表面に付着したまま浸透せず、紙の表面を濡らしている
状態にあり、この間のインク吸収速度は0であるためK
aとは考えない。
定結果のモデルを示した。記録紙Aは、0<Ka1≦
5.0を有し、小さなにじみ率により文字品位の良い画
像が得られる。しかしながら、変化点Thはなく、イン
ク吸収速度はKa1のままでほぼ一定であり定着速度が
遅い。なお、グラフ中のTaまでの時間は、液体が紙の
表面に付着したまま浸透せず、紙の表面を濡らしている
状態にあり、この間のインク吸収速度は0であるためK
aとは考えない。
【0017】記録紙Aにおいては、ドットの定着速度が
遅いので、隣接する次の画素に異色のインク滴をTmin
で打ち込んだ場合、新たに打ち込まれたインク滴と先に
打ち込まれたドットとの間でインクの交じり合いが生
じ、これがブリーディングの発生を招く。このような隣
接する画素間でのインクの交じり合いを避けるために、
先の画素でのインクの定着が終了するまで、それに隣接
する画素へのインク滴の打ち込みを待つと、印字時間が
増大し、高速印字に対応できなくなる。更に、隣接ドッ
トが印字された後も、にじみ率が小さいために画素全体
をドットで埋めることができず、画像濃度も低くなる。
遅いので、隣接する次の画素に異色のインク滴をTmin
で打ち込んだ場合、新たに打ち込まれたインク滴と先に
打ち込まれたドットとの間でインクの交じり合いが生
じ、これがブリーディングの発生を招く。このような隣
接する画素間でのインクの交じり合いを避けるために、
先の画素でのインクの定着が終了するまで、それに隣接
する画素へのインク滴の打ち込みを待つと、印字時間が
増大し、高速印字に対応できなくなる。更に、隣接ドッ
トが印字された後も、にじみ率が小さいために画素全体
をドットで埋めることができず、画像濃度も低くなる。
【0018】一方、記録紙Bは、0<Ka1≦5.0、
5.0<Ka2≦10.0であるので、初期のKa1での
にじみ率は小さく文字品位は良く、Ka2も先に挙げた
条件を満たしているのでTh後のインク吸収速度の増大
によってドットの適度な画素全体への広がりが起き良好
な画像濃度が得られる。しかしながら、ThがTminよ
りも大きいので、先にインク滴を打ち込んだ画素でのド
ットの定着が進まないうちに次の画素への異色のインク
滴の打ち込みが行われるので、これらの画素間でのイン
クの交じり合いによるブリーディングが生じ易くなる。
5.0<Ka2≦10.0であるので、初期のKa1での
にじみ率は小さく文字品位は良く、Ka2も先に挙げた
条件を満たしているのでTh後のインク吸収速度の増大
によってドットの適度な画素全体への広がりが起き良好
な画像濃度が得られる。しかしながら、ThがTminよ
りも大きいので、先にインク滴を打ち込んだ画素でのド
ットの定着が進まないうちに次の画素への異色のインク
滴の打ち込みが行われるので、これらの画素間でのイン
クの交じり合いによるブリーディングが生じ易くなる。
【0019】記録紙Cは、0<Ka1≦5.0であり、
初期のにじみ率は小さく文字品位は良く、Th<Tmin
であるのでブリーディングの発生は防止できるが、10
<Ka2であるためにTh経過後のインク吸収性が高過
ぎて、インクの紙中方向への吸収が激しく、時には紙の
裏面までインクが到達してインクの色剤成分の記録紙表
面での定着が難しく、画像濃度が低下する。
初期のにじみ率は小さく文字品位は良く、Th<Tmin
であるのでブリーディングの発生は防止できるが、10
<Ka2であるためにTh経過後のインク吸収性が高過
ぎて、インクの紙中方向への吸収が激しく、時には紙の
裏面までインクが到達してインクの色剤成分の記録紙表
面での定着が難しく、画像濃度が低下する。
【0020】記録紙Dは、Th<Tminであるが、5.
0<Ka1、10.0<Ka2なので、インクの吸収性が
高く、ブリーディングの発生は防止できるが、にじみ率
も大きく、文字太りや、文字品位の低下といった問題が
生じ、インクの色剤成分の紙の厚さ方向への吸収も多く
なるため画像濃度も低い。
0<Ka1、10.0<Ka2なので、インクの吸収性が
高く、ブリーディングの発生は防止できるが、にじみ率
も大きく、文字太りや、文字品位の低下といった問題が
生じ、インクの色剤成分の紙の厚さ方向への吸収も多く
なるため画像濃度も低い。
【0021】記録紙Eは、Th<Tmin、かつ5.0<
Ka2≦10.0なので、ブリーディングの発生は防止
でき、また画像濃度も高い。しかし、5.0<Ka1な
ので、にじみ率が大きく、文字太りや文字品位の低下と
いう問題がある。
Ka2≦10.0なので、ブリーディングの発生は防止
でき、また画像濃度も高い。しかし、5.0<Ka1な
ので、にじみ率が大きく、文字太りや文字品位の低下と
いう問題がある。
【0022】記録紙Fは、本発明で規定する上述した条
件を満たすもので、文字品位、定着性、ブリーディング
防止効果、画像濃度の点で極めて良好であり、高精細な
画像を得ることができる。
件を満たすもので、文字品位、定着性、ブリーディング
防止効果、画像濃度の点で極めて良好であり、高精細な
画像を得ることができる。
【0023】本発明においては、TminをThより大き
く設定して記録が行われるが、これらの差は大きければ
大きい程よいが、あまり大きくなると記録に要する時間
が長くなる。従って、これらの差は記録時間との関係を
考慮して適宜選択すればよく、例えば、500msec
程度までとすることができる。
く設定して記録が行われるが、これらの差は大きければ
大きい程よいが、あまり大きくなると記録に要する時間
が長くなる。従って、これらの差は記録時間との関係を
考慮して適宜選択すればよく、例えば、500msec
程度までとすることができる。
【0024】本発明に用いることのできる記録紙として
は、先に挙げた条件を満足するものであれば制限なく利
用できるが、例えば、パルプ繊維及び填料を主体とする
記録紙であって、該記録紙の少なくとも一方の表面のパ
ルプ繊維に、粒径が、例えば5nm〜50μmの範囲に
ある粒子をその繊維形状を維持した状態で保持させた普
通紙タイプの記録紙を好適に用いることができる。この
記録紙においては、粒子がパルプ繊維上で被覆体を形成
しているものが好ましい。
は、先に挙げた条件を満足するものであれば制限なく利
用できるが、例えば、パルプ繊維及び填料を主体とする
記録紙であって、該記録紙の少なくとも一方の表面のパ
ルプ繊維に、粒径が、例えば5nm〜50μmの範囲に
ある粒子をその繊維形状を維持した状態で保持させた普
通紙タイプの記録紙を好適に用いることができる。この
記録紙においては、粒子がパルプ繊維上で被覆体を形成
しているものが好ましい。
【0025】この普通紙タイプの記録紙は、記録に使用
される面(記録面)の独特な表面構造によって特徴付け
られるものである。例えば、従来のインクジェット用の
コート紙でコート層が厚いものではパルプ繊維がコート
層に完全に被覆されてその繊維形状が表面に表われてい
ない。また、従来のコート紙タイプで繊維が表面に露呈
するものでは、粒径2〜30μm程度の瓦礫状の粒子と
繊維とが混在する構成を取るもので、記録面に露呈する
繊維に粒径が5nm〜50μmの範囲にある粒子を繊維
形状を維持した状態で保持したものとは明確に異なる。
また、普通紙の表面に露呈するパルプ繊維は微粒子を保
持するものではない。
される面(記録面)の独特な表面構造によって特徴付け
られるものである。例えば、従来のインクジェット用の
コート紙でコート層が厚いものではパルプ繊維がコート
層に完全に被覆されてその繊維形状が表面に表われてい
ない。また、従来のコート紙タイプで繊維が表面に露呈
するものでは、粒径2〜30μm程度の瓦礫状の粒子と
繊維とが混在する構成を取るもので、記録面に露呈する
繊維に粒径が5nm〜50μmの範囲にある粒子を繊維
形状を維持した状態で保持したものとは明確に異なる。
また、普通紙の表面に露呈するパルプ繊維は微粒子を保
持するものではない。
【0026】この記録紙の記録面には、その表面にある
パルプ繊維がその繊維形状を維持していない部分が多少
あっても良い。記録面表面において、パルプ繊維が表面
形状を維持している部分(粒子が保持された部分及び保
持されていない部分を含む)の記録面に占める割合は、
好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上とさ
れる。また、粒子が被覆層を形成している場合におい
て、記録面表面にあるパルプ繊維全体に占める被覆率
は、50%以上、好ましくは70%以上程度とすること
ができる。即ち、パルプ繊維はその全面が超微粒子を主
体とする被覆層に覆われている必要はなく、本発明の目
的を達成できる程度で部分的に被覆されているものでも
良い。
パルプ繊維がその繊維形状を維持していない部分が多少
あっても良い。記録面表面において、パルプ繊維が表面
形状を維持している部分(粒子が保持された部分及び保
持されていない部分を含む)の記録面に占める割合は、
好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上とさ
れる。また、粒子が被覆層を形成している場合におい
て、記録面表面にあるパルプ繊維全体に占める被覆率
は、50%以上、好ましくは70%以上程度とすること
ができる。即ち、パルプ繊維はその全面が超微粒子を主
体とする被覆層に覆われている必要はなく、本発明の目
的を達成できる程度で部分的に被覆されているものでも
良い。
【0027】本発明に好適な上記構成の普通紙タイプの
記録紙は、繊維及び填料を主体とする原紙の片面、ある
いは両面の記録面として使用する部分に露呈するパルプ
繊維の表面に粒子を保持させることによって得ることが
できる。
記録紙は、繊維及び填料を主体とする原紙の片面、ある
いは両面の記録面として使用する部分に露呈するパルプ
繊維の表面に粒子を保持させることによって得ることが
できる。
【0028】原紙は、パルプ繊維及び填料を主体とする
抄紙用原料を常法によって抄造することで形成できる。
繊維状パルプとしては、通常の紙製造において用いられ
るものであれば特に制限なく利用できるが、例えば、L
BKP、NBKP等に代表される化学パルプ、機械パル
プ及び古紙再生パルプ、非木材パルプあるいはこれらの
1種以上の混合物等を用いることができる。
抄紙用原料を常法によって抄造することで形成できる。
繊維状パルプとしては、通常の紙製造において用いられ
るものであれば特に制限なく利用できるが、例えば、L
BKP、NBKP等に代表される化学パルプ、機械パル
プ及び古紙再生パルプ、非木材パルプあるいはこれらの
1種以上の混合物等を用いることができる。
【0029】原紙の抄造には、例えば、繊維状パルプ、
填料を主体とし、その他、サイズ剤や抄紙助剤等を必要
に応じて用いて抄紙する通常の方法が利用できる。
填料を主体とし、その他、サイズ剤や抄紙助剤等を必要
に応じて用いて抄紙する通常の方法が利用できる。
【0030】填料としては、例えば、炭酸カルシウム、
カオリン、タルク、二酸化チタン等が挙げられる。
カオリン、タルク、二酸化チタン等が挙げられる。
【0031】サイズ剤としては、ロジンサイズ、アルキ
ルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、石油樹脂
系サイズ、エピクロルヒドリン、アクリルアミド等を挙
げることができる。
ルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、石油樹脂
系サイズ、エピクロルヒドリン、アクリルアミド等を挙
げることができる。
【0032】記録紙の水抽出pH値は、その保存性等に
応じて適宜選択でき、例えば、記録紙に長期保存性が要
求される場合には、好ましくは6以上、より好ましくは
7以上に調整されるのが望ましい。また、水抽出pHが
6未満であると、インクに用いる記録剤成分の種類によ
っては十分な発色性が得られないという不都合が生じる
場合もある。また、その上限については、水抽出pHが
10以下、より好ましくは9以下に調整されるのが望ま
しい。水抽出pHがこの上限(pH10)を超えると、
記録剤の十分な発色性が得られないという不都合が生じ
る場合がある。なお、この水抽出pHとは、JIS−P
−8133に規定された規格の試験断片1.0gを、蒸
留水70mlに浸漬させた際の抽出液のpHをJIS−
Z−8802に従って測定した値である。
応じて適宜選択でき、例えば、記録紙に長期保存性が要
求される場合には、好ましくは6以上、より好ましくは
7以上に調整されるのが望ましい。また、水抽出pHが
6未満であると、インクに用いる記録剤成分の種類によ
っては十分な発色性が得られないという不都合が生じる
場合もある。また、その上限については、水抽出pHが
10以下、より好ましくは9以下に調整されるのが望ま
しい。水抽出pHがこの上限(pH10)を超えると、
記録剤の十分な発色性が得られないという不都合が生じ
る場合がある。なお、この水抽出pHとは、JIS−P
−8133に規定された規格の試験断片1.0gを、蒸
留水70mlに浸漬させた際の抽出液のpHをJIS−
Z−8802に従って測定した値である。
【0033】記録紙のステキヒト・サイズ度は特に限定
されず、用いる材料等に応じて良好なインク定着性、乾
燥性が得られる範囲内で適宜選択されるが、例えば、好
ましくは0〜40秒の範囲内とされる。ステキヒト・サ
イズ度がこの範囲よりも高いと、インク吸収性、特にイ
ンクの溶媒成分の紙中への浸透吸収が不十分となる場合
がある。また、この記録紙の坪量の上限は、例えば搬送
性を考慮する場合には200g/m2程度が好ましい。
また、その下限は、例えば50g/m2とされる。坪量
が50g/m2未満であると、裏抜け、コックリングが
生じる場合がある。
されず、用いる材料等に応じて良好なインク定着性、乾
燥性が得られる範囲内で適宜選択されるが、例えば、好
ましくは0〜40秒の範囲内とされる。ステキヒト・サ
イズ度がこの範囲よりも高いと、インク吸収性、特にイ
ンクの溶媒成分の紙中への浸透吸収が不十分となる場合
がある。また、この記録紙の坪量の上限は、例えば搬送
性を考慮する場合には200g/m2程度が好ましい。
また、その下限は、例えば50g/m2とされる。坪量
が50g/m2未満であると、裏抜け、コックリングが
生じる場合がある。
【0034】使用する粒子としては、インクの色剤の捕
捉機能を有するものであれば、無機粒子、有機粒子など
制限なく利用でき、例えば、シリカ、合成ケイ酸塩、ア
ルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化セリウム、
酸化亜鉛等の微粒子を好ましいものとして挙げることが
できる。これらは単独で、あるいは2種以上を組合せて
用いることができる。この粒子としては、例えば、5n
m〜50μmの範囲内の粒径を有する粒子、特に好まし
くは5〜200nmの範囲内の粒径を有する微粒子を挙
げることができる。粒径が上記の範囲よりも小さすぎる
と、インクの吸収性が低下し、ビーディングの発生等の
問題が生じる。逆に、上記の範囲よりも粒子径が大き過
ぎると、繊維表面の微粒子の保持部分における比表面積
が低下してインク中の色剤成分の捕捉量が減少し、画像
濃度の低下を招くという問題が生じる。
捉機能を有するものであれば、無機粒子、有機粒子など
制限なく利用でき、例えば、シリカ、合成ケイ酸塩、ア
ルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化セリウム、
酸化亜鉛等の微粒子を好ましいものとして挙げることが
できる。これらは単独で、あるいは2種以上を組合せて
用いることができる。この粒子としては、例えば、5n
m〜50μmの範囲内の粒径を有する粒子、特に好まし
くは5〜200nmの範囲内の粒径を有する微粒子を挙
げることができる。粒径が上記の範囲よりも小さすぎる
と、インクの吸収性が低下し、ビーディングの発生等の
問題が生じる。逆に、上記の範囲よりも粒子径が大き過
ぎると、繊維表面の微粒子の保持部分における比表面積
が低下してインク中の色剤成分の捕捉量が減少し、画像
濃度の低下を招くという問題が生じる。
【0035】繊維表面に保持させる粒子は、1次粒子の
状態で繊維に保持されるものが好ましい。繊維表面には
1次粒子の凝集体や従来公知の2次凝集体粒子などが付
着していてもよい。微粒子の記録紙中での保持量は、例
えば0.1〜7g/m2の範囲内となるようにするのが
好ましく、片面のみに保持させる場合は、0.05〜
3.5g/m2の範囲内となるようにするのが好まし
い。
状態で繊維に保持されるものが好ましい。繊維表面には
1次粒子の凝集体や従来公知の2次凝集体粒子などが付
着していてもよい。微粒子の記録紙中での保持量は、例
えば0.1〜7g/m2の範囲内となるようにするのが
好ましく、片面のみに保持させる場合は、0.05〜
3.5g/m2の範囲内となるようにするのが好まし
い。
【0036】繊維表面への粒子の保持は、粒子を結着さ
せるためのバインダー成分としての機能を有する樹脂と
粒子を適当な液媒体中に混合して塗料を調製し、これを
原紙の所定部分に付与し、乾燥させることで行うことが
できる。
せるためのバインダー成分としての機能を有する樹脂と
粒子を適当な液媒体中に混合して塗料を調製し、これを
原紙の所定部分に付与し、乾燥させることで行うことが
できる。
【0037】バインダー樹脂としては、カゼイン、でん
ぷん、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポ
リアクリルアミド等のインクに対して膨潤性のある親水
性樹脂、SBRラテックス、アクリルエマルジョン、ス
チレン/アクリル酸共重合体等の親水性部分と疎水性部
分を分子内に有する樹脂、及び前記のサイズ剤として挙
げたものなどが利用でき、これらを単独で、あるいは2
種以上を組合せて用いることができる。
ぷん、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチル
セルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソーダ、ポ
リアクリルアミド等のインクに対して膨潤性のある親水
性樹脂、SBRラテックス、アクリルエマルジョン、ス
チレン/アクリル酸共重合体等の親水性部分と疎水性部
分を分子内に有する樹脂、及び前記のサイズ剤として挙
げたものなどが利用でき、これらを単独で、あるいは2
種以上を組合せて用いることができる。
【0038】塗料の原紙への付与量は、所望とする粒子
の保持量が得られる量とすれば良く、例えば上記の粒子
の保持量が得られるように設定することができる。粒子
とバインダー樹脂の配合割合は、重量比で、例えば、1
0/1〜1/5でその上限は1/2が、その下限は5/
1であることが好ましい。
の保持量が得られる量とすれば良く、例えば上記の粒子
の保持量が得られるように設定することができる。粒子
とバインダー樹脂の配合割合は、重量比で、例えば、1
0/1〜1/5でその上限は1/2が、その下限は5/
1であることが好ましい。
【0039】原紙に塗料を付与する方法としては、直接
塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に
転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利
用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロール
コーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター
法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサ
イダー法等を挙げることができる。
塗布する方法、他の基材上に一度塗布したものを原紙に
転写する方法、スプレー等によって噴霧する方法等が利
用できる。直接塗布する方法としては、例えば、ロール
コーター法、ブレードコーター法、エアナイフコーター
法、ゲートロールコーター法、サイズプレス法、シムサ
イダー法等を挙げることができる。
【0040】塗料の乾燥処理は、例えば、熱風乾燥炉、
熱ドラム等を用いて行うことができる。更に、表面を平
滑化するために、あるいは表面の強度を上げるためにス
ーパーカレンダー処理を施しても良い。
熱ドラム等を用いて行うことができる。更に、表面を平
滑化するために、あるいは表面の強度を上げるためにス
ーパーカレンダー処理を施しても良い。
【0041】この記録紙は、普通紙としての風合いや取
扱性(表面形状や物理的特性等)において従来の中性の
PPC紙と遜色のないものである。更に、アニオン性の
染料を色剤として用いた水性インクでの記録に用いるこ
とで、ブリーディングの発生をより効果的に抑え、かつ
良好な濃度で、非常に鮮明な画像を得ることができる。
更に、粉落ちによる記録装置内での搬送不良という問題
も解消できる。
扱性(表面形状や物理的特性等)において従来の中性の
PPC紙と遜色のないものである。更に、アニオン性の
染料を色剤として用いた水性インクでの記録に用いるこ
とで、ブリーディングの発生をより効果的に抑え、かつ
良好な濃度で、非常に鮮明な画像を得ることができる。
更に、粉落ちによる記録装置内での搬送不良という問題
も解消できる。
【0042】本発明のインクジェット記録法による画像
形成は、例えば以下のようにして行うことができる。
形成は、例えば以下のようにして行うことができる。
【0043】画像形成に用いるインクとしては、表面張
力が、25〜40dyn/cmの範囲にあるもので、イ
ンクジェット記録法に適用できるものであれば制限なく
利用できる。インクの表面張力が25dyn/cmを下
回るものでは、ドットがにじみ過ぎ、文字太りを発生す
るため好ましくなく、40dyn/cmを超えるもので
はブリーディングの発生が顕著になるので好ましくな
い。
力が、25〜40dyn/cmの範囲にあるもので、イ
ンクジェット記録法に適用できるものであれば制限なく
利用できる。インクの表面張力が25dyn/cmを下
回るものでは、ドットがにじみ過ぎ、文字太りを発生す
るため好ましくなく、40dyn/cmを超えるもので
はブリーディングの発生が顕著になるので好ましくな
い。
【0044】インクとしては、例えば、画像を形成する
ための色剤と、色剤を溶解または分散させるための溶媒
成分を必須成分としたものが利用できる。
ための色剤と、色剤を溶解または分散させるための溶媒
成分を必須成分としたものが利用できる。
【0045】インクに使用される色剤としては、直接染
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料、各種顔料等が挙げられ、例えば従来
公知のものを制限なく使用することができるが、これら
の中では、アニオン性基を有する水溶性染料が特に好ま
しい。アニオン性基を有する水溶性染料としては、例え
ば、カラーインデックス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性
染料でアニオン性基を有するものが利用できる。また、
カラーインデックスに記載されていないものでも、アニ
オン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基等を有す
るものであれば特に制限なく利用可能である。なお、こ
こでいう水溶性染料の中には、溶解度にpH依存性を有
するものも包含される。
料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分
散染料、油性染料、各種顔料等が挙げられ、例えば従来
公知のものを制限なく使用することができるが、これら
の中では、アニオン性基を有する水溶性染料が特に好ま
しい。アニオン性基を有する水溶性染料としては、例え
ば、カラーインデックス(COLOUR INDEX)
に記載されている水溶性の酸性染料、直接染料、反応性
染料でアニオン性基を有するものが利用できる。また、
カラーインデックスに記載されていないものでも、アニ
オン性基、例えばスルホン基、カルボキシル基等を有す
るものであれば特に制限なく利用可能である。なお、こ
こでいう水溶性染料の中には、溶解度にpH依存性を有
するものも包含される。
【0046】インク中の色剤の含有量は、インクに要求
される特性等において決定されるが、約0.1〜20重
量%程度の一般的な濃度のものが利用できる。
される特性等において決定されるが、約0.1〜20重
量%程度の一般的な濃度のものが利用できる。
【0047】インクの溶媒成分としては、例えば、水、
あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物が好適に利用さ
れる。水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリ
コール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル類;エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
1価のアルコール類;グリセリン;N−メチル−2−ピ
ロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;
トリエタノールアミン;スルホラン;ジメチルサルホキ
サイド等が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
水溶性有機溶剤のインク中における含有量については特
に制限はないが例えば1〜50重量%、さらに好ましく
は2〜30重量%が好適な範囲である。
あるいは水と水溶性有機溶剤との混合物が好適に利用さ
れる。水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリ
コール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級ア
ルキルエーテル類;エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の
1価のアルコール類;グリセリン;N−メチル−2−ピ
ロリドン;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;
トリエタノールアミン;スルホラン;ジメチルサルホキ
サイド等が挙げられ、これらの1種以上が使用される。
水溶性有機溶剤のインク中における含有量については特
に制限はないが例えば1〜50重量%、さらに好ましく
は2〜30重量%が好適な範囲である。
【0048】インクには、必要に応じて粘度調整剤、p
H調整剤、防腐剤(防カビ剤)、界面活性剤、酸化防止
剤、蒸発促進剤等の各種添加剤を更に配合しても良い。
界面活性剤を使用する場合のその選択は、インクの記録
紙への浸透性を調整する上で特に重要である。
H調整剤、防腐剤(防カビ剤)、界面活性剤、酸化防止
剤、蒸発促進剤等の各種添加剤を更に配合しても良い。
界面活性剤を使用する場合のその選択は、インクの記録
紙への浸透性を調整する上で特に重要である。
【0049】記録紙にインクを付与するためのインクジ
ェット記録方式としては、水性インクの小滴を種々の駆
動原理を利用して、インク流路(ノズル)より吐出して
記録を行わせるインクジェット記録方式のいずれも適用
可能である。その代表例として、特開昭54−5993
6号公報に記載されている方法で、インク流路中で熱エ
ネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生
じ、この状態変化による作用力によってインクをインク
流路先端の吐出口から吐出させる方法を挙げることがで
きる。
ェット記録方式としては、水性インクの小滴を種々の駆
動原理を利用して、インク流路(ノズル)より吐出して
記録を行わせるインクジェット記録方式のいずれも適用
可能である。その代表例として、特開昭54−5993
6号公報に記載されている方法で、インク流路中で熱エ
ネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変化を生
じ、この状態変化による作用力によってインクをインク
流路先端の吐出口から吐出させる方法を挙げることがで
きる。
【0050】本発明のインクジェット記録方法に用い得
るインクジェット記録装置の一例を図面を用いて以下に
説明する。図2、3及び4は該装置の主要部である記録
ヘッドの構成例を示したものである。図2は記録ヘッド
のインク流路に沿った断面図であり、図3は図2のA−
B線での断面図である。記録ヘッド13はインク流路と
なる溝14を有するガラス、セラミックまたはプラスチ
ック等からなる板と、発熱ヘッド15(発熱ヘッドの構
成は図示したものに限定されない)とを接着して得られ
た構成を有する。発熱ヘッド15は、アルミナ等の放熱
性の良い基板20上に、蓄熱層19、ニクロム等で形成
される発熱抵抗層18、アルミニウム等からなる電極1
7−1、17−2及び保護層をこの順に積層した構成を
有し、電極17−1、17−2に通電することによっ
て、発熱抵抗体層18の電極が積層されていない部分
(nで示す領域内にある部分)が発熱し、その上方に位
置するインクに熱エネルギーが作用するようになってい
る。
るインクジェット記録装置の一例を図面を用いて以下に
説明する。図2、3及び4は該装置の主要部である記録
ヘッドの構成例を示したものである。図2は記録ヘッド
のインク流路に沿った断面図であり、図3は図2のA−
B線での断面図である。記録ヘッド13はインク流路と
なる溝14を有するガラス、セラミックまたはプラスチ
ック等からなる板と、発熱ヘッド15(発熱ヘッドの構
成は図示したものに限定されない)とを接着して得られ
た構成を有する。発熱ヘッド15は、アルミナ等の放熱
性の良い基板20上に、蓄熱層19、ニクロム等で形成
される発熱抵抗層18、アルミニウム等からなる電極1
7−1、17−2及び保護層をこの順に積層した構成を
有し、電極17−1、17−2に通電することによっ
て、発熱抵抗体層18の電極が積層されていない部分
(nで示す領域内にある部分)が発熱し、その上方に位
置するインクに熱エネルギーが作用するようになってい
る。
【0051】記録に際して、インク21は、溝14の端
部微細開口である吐出口(オリフィス)22まで充填さ
れ、その状態で、記録信号に対応して電極17−1、1
7−2に通電されると、発熱ヘッド15のnで示される
領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気
泡が発生し、その圧力でインク21が吐出口22より小
滴24となって吐出され、記録紙25に向って飛翔す
る。
部微細開口である吐出口(オリフィス)22まで充填さ
れ、その状態で、記録信号に対応して電極17−1、1
7−2に通電されると、発熱ヘッド15のnで示される
領域が急激に発熱し、ここに接しているインク21に気
泡が発生し、その圧力でインク21が吐出口22より小
滴24となって吐出され、記録紙25に向って飛翔す
る。
【0052】図4には、図2に示すインク流路を多数並
べたマルチヘッドの外観が示されている。このマルチヘ
ッドは並列に構成されたインク流路を構成する多数の溝
からなるマルチ溝26を有する溝付き板27と、各溝中
の所定の位置に図2と同様の構成からなる発熱領域
(n)が配置されるように形成された発熱ヘッド28と
を接着することで得られたものである。
べたマルチヘッドの外観が示されている。このマルチヘ
ッドは並列に構成されたインク流路を構成する多数の溝
からなるマルチ溝26を有する溝付き板27と、各溝中
の所定の位置に図2と同様の構成からなる発熱領域
(n)が配置されるように形成された発熱ヘッド28と
を接着することで得られたものである。
【0053】図5は、図4に示したようなマルチヘッド
を組込んだインクジェット記録装置の一例を示すもので
ある。図5において、61はワイピング部材としてのブ
レートであり、その一端はブレード保持部材によって保
持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブ
レード61は記録ヘッドより記録領域に隣接した位置に
配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63
はブレード61に隣接して設けられたインク吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構成
され、ブレード61及びインク吸収体63によってイン
ク吐出口面からの水分、塵埃等の除去が行われる。
を組込んだインクジェット記録装置の一例を示すもので
ある。図5において、61はワイピング部材としてのブ
レートであり、その一端はブレード保持部材によって保
持されて固定端となり、カンチレバーの形態をなす。ブ
レード61は記録ヘッドより記録領域に隣接した位置に
配設され、また、本例の場合、記録ヘッドの移動経路中
に突出した形態で保持される。62はキャップであり、
ブレード61に隣接するホームポジションに配設され、
記録ヘッドの移動方向と垂直な方向に移動して吐出口面
と当接し、キャッピングを行う構成を備える。更に63
はブレード61に隣接して設けられたインク吸収体であ
り、ブレード61と同様、記録ヘッドの移動経路中に突
出した形態で保持される。上記ブレード61、キャップ
62、インク吸収体63によって吐出回復部64が構成
され、ブレード61及びインク吸収体63によってイン
ク吐出口面からの水分、塵埃等の除去が行われる。
【0054】65はインクジェット記録方式により記録
を行う記録ヘッドで、例えば図2〜4で示したような熱
エネルギーによってインクを吐出する構成を有する。6
6は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を
行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド
軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモ
ータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図
示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸6
7に沿った移動、すなわち、記録ヘッド65による記録
領域及びその隣接した領域へ移動が可能となる。
を行う記録ヘッドで、例えば図2〜4で示したような熱
エネルギーによってインクを吐出する構成を有する。6
6は記録ヘッド65を搭載して記録ヘッド65の移動を
行うためのキャリッジである。キャリッジ66はガイド
軸67と摺動可能に係合し、キャリッジ66の一部はモ
ータ68によって駆動されるベルト69と接続(不図
示)している。これによりキャリッジ66はガイド軸6
7に沿った移動、すなわち、記録ヘッド65による記録
領域及びその隣接した領域へ移動が可能となる。
【0055】51は、記録紙を挿入するための給紙部、
52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラで
ある。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対
向する位置へ記録紙が供紙され、記録は進行するにつれ
て排紙ローラ53を介して排紙される。
52は不図示のモータにより駆動される紙送りローラで
ある。これらの構成によって記録ヘッドの吐出口面と対
向する位置へ記録紙が供紙され、記録は進行するにつれ
て排紙ローラ53を介して排紙される。
【0056】上記構成において、記録ヘッド65が記録
終了時等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部6
4のキャップ65は記録ヘッドの移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。また、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に
当接してキャッピングを行う際には、キャップ62は記
録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
終了時等でホームポジションに戻る際、ヘッド回復部6
4のキャップ65は記録ヘッドの移動経路から退避して
いるが、ブレード61は移動経路中に突出している。こ
の結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされ
る。また、キャップ62が記録ヘッド65の吐出口面に
当接してキャッピングを行う際には、キャップ62は記
録ヘッドの移動経路中に突出するように移動する。
【0057】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。
【0058】上述の記録ヘッドのホームポジションへの
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のための記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記録ヘ
ッドが記録のための記録領域を移動する間に所定の間隔
で記録領域に隣接したホームポジションへ移動し、この
移動に伴って上記ワイピングが行われる。
【0059】カラー記録の場合は、1ヘッド中に、シア
ン用、マゼンタ用、イエロー用及びブラック用の吐出口
を並列した記録ヘッドを、あるいはシアン用記録ヘッ
ド、マゼンタ用記録ヘッド、イエロー用記録ヘッド及び
ブラック用記録ヘッドを並列に用いて行うことができ
る。この場合、各色の吐出は、1つの吐出口から行って
も良いし、各色について同時に複数の吐出口からの吐出
を行って2以上の同一色の液滴が記録紙に同時に付着す
るようにしてもよい。
ン用、マゼンタ用、イエロー用及びブラック用の吐出口
を並列した記録ヘッドを、あるいはシアン用記録ヘッ
ド、マゼンタ用記録ヘッド、イエロー用記録ヘッド及び
ブラック用記録ヘッドを並列に用いて行うことができ
る。この場合、各色の吐出は、1つの吐出口から行って
も良いし、各色について同時に複数の吐出口からの吐出
を行って2以上の同一色の液滴が記録紙に同時に付着す
るようにしてもよい。
【0060】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 (1)記録紙の調製 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
カオリン(土屋カオリン)10重量部、両性化デンプン
(商品名:CATO3210、ナショナルスターチアン
ドケミカル製)0.4重量部、硫酸バンド0.1重量
部、中性ロジンサイズ剤(商品名:サイズパインNT、
荒川化学製)0.075重量部を更に配合して調製した
原料を、常法により抄造して原紙A(坪量81g/
m2)を得た。
明する。 実施例1 (1)記録紙の調製 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
カオリン(土屋カオリン)10重量部、両性化デンプン
(商品名:CATO3210、ナショナルスターチアン
ドケミカル製)0.4重量部、硫酸バンド0.1重量
部、中性ロジンサイズ剤(商品名:サイズパインNT、
荒川化学製)0.075重量部を更に配合して調製した
原料を、常法により抄造して原紙A(坪量81g/
m2)を得た。
【0061】この原紙に、下記表1に示す塗工組成物1
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙1を得た。
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙1を得た。
【0062】
【表1】 日本紙パルプ技術協会(JTAPPI)のNo.51
「紙、板紙の液体吸収試験方法」に従って、この記録紙
のブリストウ試験を、以下の表2に示す組成のインク
(表面張力30dyn/cm)を用い、ヘッドボックス
スリットの幅を調節して行った。その結果、この記録紙
のKa1は2.4、Ka2は6.4であり、Thは3.6
であった。
「紙、板紙の液体吸収試験方法」に従って、この記録紙
のブリストウ試験を、以下の表2に示す組成のインク
(表面張力30dyn/cm)を用い、ヘッドボックス
スリットの幅を調節して行った。その結果、この記録紙
のKa1は2.4、Ka2は6.4であり、Thは3.6
であった。
【0063】
【表2】 (2)インクの調製 下記組成分を混合した各液を個々に、ポアサイズが0.
22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポア
フィルター、住友電工製)で加圧濾過して、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(B)のインク(表面張力32dyn/cm)を調製し
た。
22μmのメンブレンフィルター(商品名:フロロポア
フィルター、住友電工製)で加圧濾過して、イエロー
(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(B)のインク(表面張力32dyn/cm)を調製し
た。
【0064】
【表3】 (3)インクジェット記録及びその評価 上記の記録紙1及びインク(4種)を用いて、1mmあ
たり14.2本の割合でノズルを有し、熱の作用により
6kHzの駆動周波数でインク滴を吐出させるインクジ
ェット方式の記録ヘッドを搭載した記録装置により記録
紙の塗工面にカラー画像を形成(印字)し、得られた記
録画像について下記項目について評価した。各記録紙に
おいて得られた評価結果は表6に示す。なお、各色の吐
出されたインク滴の体積の平均値は、ブラックが39p
l、イエローが40pl、マゼンタが38pl、シアン
が41plであった。また、最小隣接ドット打ち込み時
間間隔(Tmin)は30msec[(Tmin)1/2=5.
5msec1/2]であった。 1.画像濃度:全画素にドットを形成する100%デュ
ーティーのベタ画像をブラックのインクで形成し、12
時間放置後の反射濃度計(商品名:マクベスRD91
8、マクベス社製)を用いて測定した。 2.ブリーディング ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリ
ーン、レッドの全画素にドットを形成する100%デュ
ーティーのベタ部を隣接して印字し、各色の境界部での
にじみや不均一な混色(ブリーディング)の発生の程度
を目視により観察して評価した。ブリーディングの発生
がないか、または発生があっても実用上問題のないもの
を○、実用上問題のあるものを×とした。 3.文字品位 ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリ
ーン、レッドのそれぞれの色で「電驚」の文字を印字し
て、その品位を評価した。これらの色の全てにおいて印
字された文字のエッジが鮮明でシャープな文字が形成さ
れているものを○、文字が潰れて判読できなかったり、
著しく品位に劣るものを×とした。
たり14.2本の割合でノズルを有し、熱の作用により
6kHzの駆動周波数でインク滴を吐出させるインクジ
ェット方式の記録ヘッドを搭載した記録装置により記録
紙の塗工面にカラー画像を形成(印字)し、得られた記
録画像について下記項目について評価した。各記録紙に
おいて得られた評価結果は表6に示す。なお、各色の吐
出されたインク滴の体積の平均値は、ブラックが39p
l、イエローが40pl、マゼンタが38pl、シアン
が41plであった。また、最小隣接ドット打ち込み時
間間隔(Tmin)は30msec[(Tmin)1/2=5.
5msec1/2]であった。 1.画像濃度:全画素にドットを形成する100%デュ
ーティーのベタ画像をブラックのインクで形成し、12
時間放置後の反射濃度計(商品名:マクベスRD91
8、マクベス社製)を用いて測定した。 2.ブリーディング ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリ
ーン、レッドの全画素にドットを形成する100%デュ
ーティーのベタ部を隣接して印字し、各色の境界部での
にじみや不均一な混色(ブリーディング)の発生の程度
を目視により観察して評価した。ブリーディングの発生
がないか、または発生があっても実用上問題のないもの
を○、実用上問題のあるものを×とした。 3.文字品位 ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ブルー、グリ
ーン、レッドのそれぞれの色で「電驚」の文字を印字し
て、その品位を評価した。これらの色の全てにおいて印
字された文字のエッジが鮮明でシャープな文字が形成さ
れているものを○、文字が潰れて判読できなかったり、
著しく品位に劣るものを×とした。
【0065】実施例2 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
カオリン10重量部、中性ロジンサイズ剤(商品名:サ
イズパインNT、荒川化学製)0.125重量部を更に
配合して調製した原料を、常法により抄造して原紙A
(坪量82g/m2)を得た。
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
カオリン10重量部、中性ロジンサイズ剤(商品名:サ
イズパインNT、荒川化学製)0.125重量部を更に
配合して調製した原料を、常法により抄造して原紙A
(坪量82g/m2)を得た。
【0066】この原紙に、下記表4に示す塗工組成物2
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙2を得た。
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙2を得た。
【0067】
【表4】 得られた記録紙2について実施例1と同様にブリストウ
試験を行い、得られた測定値からKa1、Ka2、Thを
求めたところ、それぞれ、1.9、6.0、4.3であ
った。更に、記録紙2について、実施例1と同様にして
インクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。
得られた結果を表6に示す。
試験を行い、得られた測定値からKa1、Ka2、Thを
求めたところ、それぞれ、1.9、6.0、4.3であ
った。更に、記録紙2について、実施例1と同様にして
インクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。
得られた結果を表6に示す。
【0068】実施例3 カオリンの代りに合成ケイ酸アルミニウム(土屋カオリ
ン製)の10重量部を用いる以外は実施例1と同様にし
て、原紙C(坪量81g/m2)を得た。
ン製)の10重量部を用いる以外は実施例1と同様にし
て、原紙C(坪量81g/m2)を得た。
【0069】この原紙に、実施例1で用いた塗工組成物
1をバーコーター法により、乾燥塗工量が5g/m2と
なるように塗工、乾燥させて記録紙3を得た。
1をバーコーター法により、乾燥塗工量が5g/m2と
なるように塗工、乾燥させて記録紙3を得た。
【0070】得られた記録紙3について実施例1と同様
にブリストウ試験を行い、得られた測定値からKa1、
Ka2、Thを求めたところ、それぞれ、2.2、6.
4、3.4であった。更に、記録紙3について、実施例
1と同様にしてインクジェット記録を行い、その記録特
性を評価した。得られた結果を表6に示す。
にブリストウ試験を行い、得られた測定値からKa1、
Ka2、Thを求めたところ、それぞれ、2.2、6.
4、3.4であった。更に、記録紙3について、実施例
1と同様にしてインクジェット記録を行い、その記録特
性を評価した。得られた結果を表6に示す。
【0071】実施例4 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
合成ケイ酸アルミニウム(土屋カオリン製)10重量
部、両性化デンプン(商品名:CATO3210、ナシ
ョナルスターチアンドケミカル製)0.3重量部、ポリ
アクリルアミド(ハリマ化成製)0.2重量部、中性ロ
ジンサイズ剤(商品名:サイズパインNT、荒川化学
製)0.025重量部を更に配合して調製した原料を、
常法により抄造して原紙(坪量80g/m2)を得た。
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
合成ケイ酸アルミニウム(土屋カオリン製)10重量
部、両性化デンプン(商品名:CATO3210、ナシ
ョナルスターチアンドケミカル製)0.3重量部、ポリ
アクリルアミド(ハリマ化成製)0.2重量部、中性ロ
ジンサイズ剤(商品名:サイズパインNT、荒川化学
製)0.025重量部を更に配合して調製した原料を、
常法により抄造して原紙(坪量80g/m2)を得た。
【0072】この原紙に、下記表5に示す塗工組成物3
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙4を得た。
をバーコーター法により、乾燥塗工量が3g/m2とな
るように塗工、乾燥させて記録紙4を得た。
【0073】
【表5】 得られた記録紙4について実施例1と同様にブリストウ
試験を行い、得られた測定値からKa1、Ka2、Thを
求めたところ、それぞれ、2.6、6.2、3.8であ
った。更に、記録紙4について、実施例1と同様にして
インクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。
得られた結果を表6に示す。
試験を行い、得られた測定値からKa1、Ka2、Thを
求めたところ、それぞれ、2.6、6.2、3.8であ
った。更に、記録紙4について、実施例1と同様にして
インクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。
得られた結果を表6に示す。
【0074】比較例1 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
炭酸カルシウム(タマパールTP−123FS、奥多摩
工業製)10重量部、両性化デンプン(CATO321
0、ナショナルスターチアンドケミカル製)0.2重量
部を更に配合して調製した原料を、常法により抄造して
原紙(坪量84g/m2)を得た。
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
炭酸カルシウム(タマパールTP−123FS、奥多摩
工業製)10重量部、両性化デンプン(CATO321
0、ナショナルスターチアンドケミカル製)0.2重量
部を更に配合して調製した原料を、常法により抄造して
原紙(坪量84g/m2)を得た。
【0075】この原紙に、実施例1で用いた塗工組成物
1をバーコーター法により、乾燥塗工量が1g/m2と
なるように塗工、乾燥させて記録紙5を得た。
1をバーコーター法により、乾燥塗工量が1g/m2と
なるように塗工、乾燥させて記録紙5を得た。
【0076】得られた記録紙について実施例1と同様に
ブリストウ試験を行い、得られた測定値からKa1、K
a2、Thを求めたところ、それぞれ、7.7、13.
6、1.8であった。更に、記録紙5について、実施例
1と同様にしてインクジェット記録を行い、その記録特
性を評価した。得られた結果を表6に示す。
ブリストウ試験を行い、得られた測定値からKa1、K
a2、Thを求めたところ、それぞれ、7.7、13.
6、1.8であった。更に、記録紙5について、実施例
1と同様にしてインクジェット記録を行い、その記録特
性を評価した。得られた結果を表6に示す。
【0077】比較例2 C.S.F.440mlに叩解したLKBP70重量部
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−123
FS、奥多摩工業製)10重量部、両性化デンプン(商
品名:CATO3210、ナショナルスターチアンドケ
ミカル製)0.6重量部、ポリアクリルアミド(ハリマ
化成製)0.2重量部、中性ロジンサイズ剤(商品名:
サイズパインNT、荒川化学製)0.5重量部を更に配
合して調製した原料を、常法により抄造して原紙(坪量
83g/m2)を得た。
とNBKP30重量部の原料パルプとしての混合物に、
軽質炭酸カルシウム(商品名:タマパールTP−123
FS、奥多摩工業製)10重量部、両性化デンプン(商
品名:CATO3210、ナショナルスターチアンドケ
ミカル製)0.6重量部、ポリアクリルアミド(ハリマ
化成製)0.2重量部、中性ロジンサイズ剤(商品名:
サイズパインNT、荒川化学製)0.5重量部を更に配
合して調製した原料を、常法により抄造して原紙(坪量
83g/m2)を得た。
【0078】この原紙に、実施例2で用いた塗工組成物
2を、バーコーター法により、乾燥塗工量が2g/m2
となるように塗工、乾燥させて記録紙6を得た。
2を、バーコーター法により、乾燥塗工量が2g/m2
となるように塗工、乾燥させて記録紙6を得た。
【0079】得られた記録紙6について実施例1と同様
にブリストウ試験を行い、得られた測定値から吸収係数
を求めたところ変化点はなく、その傾きKa1は1.0
であった。記録紙6について、実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。得
られた結果を表6に示す。
にブリストウ試験を行い、得られた測定値から吸収係数
を求めたところ変化点はなく、その傾きKa1は1.0
であった。記録紙6について、実施例1と同様にしてイ
ンクジェット記録を行い、その記録特性を評価した。得
られた結果を表6に示す。
【0080】比較例3 PPC用紙(商品名:NP DRY紙、キャノン株式会
社製)をそのまま記録紙7として用いて、実施例1と同
様にしてブリストウ試験を行い、得られた測定値からK
a1、Ka2、Thを求めたところ、それぞれ、0、4.
8、1.6であった。更に、このPPC用紙について、
実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、その
記録特性を評価した。得られた結果を表6に示す。
社製)をそのまま記録紙7として用いて、実施例1と同
様にしてブリストウ試験を行い、得られた測定値からK
a1、Ka2、Thを求めたところ、それぞれ、0、4.
8、1.6であった。更に、このPPC用紙について、
実施例1と同様にしてインクジェット記録を行い、その
記録特性を評価した。得られた結果を表6に示す。
【0081】
【表6】 *)ml/(m2・msec)1/2 表6に示した結果から明らかな通り、本発明における記
録条件を満たす実施例1〜4では、画像濃度が高く、に
じみ率も適度で、文字品位も良く、ブリーディングの発
生も良好に抑制され、高精細な画像が得られた。これに
対して、記録紙5(比較例1)では、Ka1が5より大
きいので、にじみ率が大きくなり、文字品位が悪くな
る。また、Ka2も10.0より大きくインク吸収性が
良過ぎて画像濃度が低くなった。
録条件を満たす実施例1〜4では、画像濃度が高く、に
じみ率も適度で、文字品位も良く、ブリーディングの発
生も良好に抑制され、高精細な画像が得られた。これに
対して、記録紙5(比較例1)では、Ka1が5より大
きいので、にじみ率が大きくなり、文字品位が悪くな
る。また、Ka2も10.0より大きくインク吸収性が
良過ぎて画像濃度が低くなった。
【0082】比較例2の記録紙6では、Ka1は本発明
の条件を満たしているが、変化点Thがないもので、に
じみ率は小さいままであり、画素全体をドットで埋める
ことができず、画像濃度が低く、更に、インク吸収性が
低過ぎてブリーディングも発生した。
の条件を満たしているが、変化点Thがないもので、に
じみ率は小さいままであり、画素全体をドットで埋める
ことができず、画像濃度が低く、更に、インク吸収性が
低過ぎてブリーディングも発生した。
【0083】比較例3の記録紙7は、全面にパルプ繊維
が露呈する記録面を有するものであり、Ka1が0で初
期のインク吸収性はほとんどなく、ドットの広がりもな
いので、画素全体をドットで埋めることができず、画像
濃度が低い。また、Ka2自体の値も5.0より小さ
く、インク吸収性に劣り、ドットの画素全体への広がり
が得られなかった。
が露呈する記録面を有するものであり、Ka1が0で初
期のインク吸収性はほとんどなく、ドットの広がりもな
いので、画素全体をドットで埋めることができず、画像
濃度が低い。また、Ka2自体の値も5.0より小さ
く、インク吸収性に劣り、ドットの画素全体への広がり
が得られなかった。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の記録方法
によれば、特にフルカラーインクジェット記録におい
て、発色性が高く、文字品位も良く、またブリーディン
グの発生も効果的に防止された高精細な画像を得ること
ができる。更に、普通紙の風合いや取扱性でのインクジ
ェット記録が可能となり、また記録紙自体のコストを低
減することができる。
によれば、特にフルカラーインクジェット記録におい
て、発色性が高く、文字品位も良く、またブリーディン
グの発生も効果的に防止された高精細な画像を得ること
ができる。更に、普通紙の風合いや取扱性でのインクジ
ェット記録が可能となり、また記録紙自体のコストを低
減することができる。
【図1】各種記録紙のブリストウ試験の結果のモデル図
を示す。
を示す。
【図2】本発明の方法に用い得るインクジェット記録装
置のヘッド部のインク流路に沿った縦断面部分図であ
る。
置のヘッド部のインク流路に沿った縦断面部分図であ
る。
【図3】図2に示したヘッド部のA−B線における断面
図である。
図である。
【図4】複数のインク流路を並列配置したマルチヘッド
の外観を示す斜視図である。
の外観を示す斜視図である。
【図5】本発明の方法に用い得るインクジェット記録装
置の概要を示す斜視図である。
置の概要を示す斜視図である。
13 記録ヘッド 14 溝 15 発熱ヘッド 16 保護膜 17−1、17−2 電極 18 発熱抵抗体 19 蓄熱層 20 基板 21 インク 22 吐出口 24 記録小滴 25 記録媒体 26 マルチ溝 27 ガラス板 28 発熱ヘッド 51 給紙部 52 紙送りローラ 53 排紙ローラ 61 ワイピング部材 62 キャップ 63 インク吸収体 64 吐出回復部 65 記録ヘッド 66 キャリッジ 67 ガイド軸 68 モータ 69 ベルト
【手続補正書】
【提出日】平成8年2月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【数1】 0<Ka1≦5.0[ml/(m2・msec1/2)] 5.0<Ka2≦10.0[ml/(m2・msec1/2)] にある2種の吸収係数Ka1及びKa2を有するものであ
り、 前記インクとして表面張力が25〜40dyn/cmの
範囲内にあるインクを用い、 かつ、前記インクドットの打ち込みの際の最小隣接ドッ
トの打ち込み時間間隔(Tmin)を、前記記録紙のブリ
ストウ試験におけるKa1からKa2に変化する変化点
(Th)よりも大きくすることを特徴とするインクジェ
ット記録方法。
り、 前記インクとして表面張力が25〜40dyn/cmの
範囲内にあるインクを用い、 かつ、前記インクドットの打ち込みの際の最小隣接ドッ
トの打ち込み時間間隔(Tmin)を、前記記録紙のブリ
ストウ試験におけるKa1からKa2に変化する変化点
(Th)よりも大きくすることを特徴とするインクジェ
ット記録方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】ブリストウ試験は、紙の液体吸収性を評価
する日本紙パルプ技術協会(JTAPPI)の定める試
験方法で、JTAPPI No.51、「紙、板紙の液
体吸収性試験方法」にその詳細が述べられている。本発
明においては、このブリストウ試験を表面張力が30±
2dyn/cmのインクを用い、ヘッドボックススリッ
ト幅をこの表面張力に合わせて調節して行う。なお、紙
の裏にインクがぬけてしまう点は計算から外す。このブ
リストウ試験は、液体の紙への接触時間の1/2乗(t
1/2(msec1/2))に対する単位面積あたりの液体の
転移量(v:ml/m2)を求めたものであり、吸収係
数はこれらの相関におけるグラフの傾きを表し、この傾
きKa[単位はml/(m2・msec1/2)]が大きい
ほど吸収速度が速いことを示す。
する日本紙パルプ技術協会(JTAPPI)の定める試
験方法で、JTAPPI No.51、「紙、板紙の液
体吸収性試験方法」にその詳細が述べられている。本発
明においては、このブリストウ試験を表面張力が30±
2dyn/cmのインクを用い、ヘッドボックススリッ
ト幅をこの表面張力に合わせて調節して行う。なお、紙
の裏にインクがぬけてしまう点は計算から外す。このブ
リストウ試験は、液体の紙への接触時間の1/2乗(t
1/2(msec1/2))に対する単位面積あたりの液体の
転移量(v:ml/m2)を求めたものであり、吸収係
数はこれらの相関におけるグラフの傾きを表し、この傾
きKa[単位はml/(m2・msec1/2)]が大きい
ほど吸収速度が速いことを示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正内容】
【0081】
【表6】 *)ml/(m2・msec1/2) 表6に示した結果から明らかな通り、本発明における記
録条件を満たす実施例1〜4では、画像濃度が高く、に
じみ率も適度で、文字品位も良く、ブリーディングの発
生も良好に抑制され、高精細な画像が得られた。これに
対して、記録紙5(比較例1)では、Ka1が5より大
きいので、にじみ率が大きくなり、文字品位が悪くな
る。また、Ka2も10.0より大きくインク吸収性が
良過ぎて画像濃度が低くなった。
録条件を満たす実施例1〜4では、画像濃度が高く、に
じみ率も適度で、文字品位も良く、ブリーディングの発
生も良好に抑制され、高精細な画像が得られた。これに
対して、記録紙5(比較例1)では、Ka1が5より大
きいので、にじみ率が大きくなり、文字品位が悪くな
る。また、Ka2も10.0より大きくインク吸収性が
良過ぎて画像濃度が低くなった。
Claims (7)
- 【請求項1】 インクの液滴を記録ヘッドから記録信号
に従って吐出させ、吐出されたインク液滴によるインク
ドットを記録紙に打ち込んで画像形成するインクジェッ
ト記録法において、 前記記録紙が、表面張力が30±2dyn/cmの範囲
内にあるインクを用いたブリストウ試験において以下の
数値範囲 【数1】 0<Ka1≦5.0[ml/(m2・msec)1/2] 5.0<Ka2≦10.0[ml/(m2・msec)1/2] にある2種の吸収係数Ka1及びKa2を有するものであ
り、 前記インクとして表面張力が25〜40dyn/cmの
範囲内にあるインクを用い、 かつ、前記インクドットの打ち込みの際の最小隣接ドッ
トの打ち込み時間間隔(Tmin)を、前記記録紙のブリ
ストウ試験におけるKa1からKa2に変化する変化点
(Th)よりも大きくすることを特徴とするインクジェ
ット記録方法。 - 【請求項2】 前記記録紙が、パルプ繊維及び填料を主
体とする記録紙であって、該記録紙の少なくとも一方の
表面のパルプ繊維に、微粒子をその繊維形状を維持した
状態で保持させたものである請求項1に記載のインクジ
ェット記録方法。 - 【請求項3】 前記微粒子が前記パルプ繊維上で被覆層
を形成している請求項2に記載のインクジェット記録方
法。 - 【請求項4】 イエロー、マゼンタ及びシアンの3色の
インクを用いる請求項1〜3のいずれかに記載のインク
ジェット記録方法。 - 【請求項5】 イエロー、マゼンタ、シアン及びブラッ
クの4色のインクを用いる請求項1〜3のいずれかに記
載のインクジェット記録方法。 - 【請求項6】 前記記録ヘッドからのインク液滴の吐出
が、インクに熱エネルギーを作用させることにより行わ
れる請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記
録方法。 - 【請求項7】 インクジェット記録装置と、それに使用
される記録紙及びインクを含む記録システムであって、
これらの記録紙及びインクが請求項1〜6に記載のもの
であることを特徴とする記録システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7120171A JPH08310109A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7120171A JPH08310109A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08310109A true JPH08310109A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14779691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7120171A Pending JPH08310109A (ja) | 1995-05-18 | 1995-05-18 | インクジェット記録方法及び該方法に用いる記録システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08310109A (ja) |
-
1995
- 1995-05-18 JP JP7120171A patent/JPH08310109A/ja active Pending
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