JPH08309658A - 研磨布及び該研磨布を備えたポリッシング装置 - Google Patents
研磨布及び該研磨布を備えたポリッシング装置Info
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- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
Abstract
る研磨布、更にはポリッシング対象物の狙った所を強調
して研磨することができる研磨布を提供する。 【構成】 トップリング3に保持されたポリッシング対
象物と接触してポリッシング対象物の表面を研磨するタ
ーンテーブル1上に設けられる研磨布4において、研磨
布4のポリッシング対象物との接触面に弾性係数が周囲
とは異なる領域4aが形成され、領域4aが半導体ウエ
ハ2に接触している際、領域4aの接触部分のターンテ
ーブル径方向の長さは半導体ウエハ2の直径より小さ
く、領域4aの位置は領域4aの半導体ウエハ2への作
用領域に基づいて決定する。
Description
えたポリッシング装置に係り、特に半導体ウエハなどの
ポリッシング対象物の表面を平坦かつ鏡面に研磨するポ
リッシング装置の研磨布の改良に関する。
つれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くな
りつつある。特に、0.5μm以下の光リソグラフィの
場合、焦点深度が浅くなるためステッパの結像面の平坦
度を必要とする。そこで、半導体ウエハの表面を平坦化
することが必要となるが、この平坦化法の一手段として
ポリッシング装置により研磨することが行われている。
従来、この種のポリッシング装置は、各々独立した回転
数で回転するターンテーブルとトップリングとを有し、
トップリングが一定の圧力をターンテーブルに与え、タ
ーンテーブル上の砥液を含んだ研磨布とトップリングと
の間にポリッシング対象物を介在させて該ポリッシング
対象物を保持して研磨していた。
ポリッシング後のポリッシング対象物の高精度な平坦度
が要求される。そのために、ポリッシング時に半導体ウ
エハを保持する保持面、すなわちトップリングの下端
面、および半導体ウエハに接する研磨布の接触面、ひい
てはターンテーブルの研磨布の貼り付け面は高精度な平
坦度を有するものが望ましいと考えられ、用いられてき
た。
ぼす要因として、トップリングの保持面および研磨布の
接触面の形状だけでなく、研磨布と半導体ウエハの相対
速度、半導体ウエハの研磨面上の押圧力の分布、研磨布
上の砥液の量、研磨布の使用時間等が影響することが知
られている。よって、これらの要素を半導体ウエハの研
磨面全面で等しくすれば、高精度な平坦度が得られると
考えられる。しかし、上記の研磨作用に影響する要素の
うちで、研磨面全面で等しくすることが可能な要素と、
極めて困難な要素が有る。たとえば、研磨布と半導体ウ
エハの相対速度は、ターンテーブルとトップリングの回
転を同一回転数且つ同一方向にすることで均一にできる
が、砥液の量は遠心力が働くため均一にすることは困難
である。よって、トップリングの下端面のターンテーブ
ル上の研磨布上面を平坦にすることを含めて研磨作用に
影響する要素を研磨面全面で等しくするという考え方で
は、研磨後の研磨面の平坦度に限界があり、必要とする
平坦度が得られない場合がある。
方法として、トップリングの保持面の形状を凹面や凸面
に形成することで半導体ウエハの研磨面内での押圧力に
圧力の分布をもたせ、砥液の入り込みや研磨布の使用時
間のバラツキによる研磨作用の不均一性を補正すること
が行われていた。また、トップリングをダイヤフラム構
造とし、ポリッシング中に圧力分布を変更させて研磨作
用の不均一性を補正すること等が行われていた。
リングの保持面の形状に工夫を施す場合には、トップリ
ングの保持面は常に半導体ウエハに接触しているため、
連続的に研磨中の全時間に亘って研磨に影響する。即
ち、トップリングの保持面の形状は、研磨作用に敏感に
影響を及ぼしすぎるため、トップリングの保持面を意図
的に平坦でない形状にして補正することは極めて難し
く、与えた意図的な形状がわずかでも不適切であった場
合には、かえってウエハ研磨面の平坦度を失ったり、補
正が不足し十分なウエハ研磨面の平坦度が得られないと
いう問題点があった。
ることで補正を行う場合には、トップリング保持面はウ
エハ研磨面と略同一の大きさであるため、余りにも狭い
範囲で複雑な形状補正を行わなければならず、このこと
も、トップリングの保持面の形状で研磨作用の補正を行
うことを困難にしていた。
体ウエハ等の研磨装置においては、ポリッシング対象物
の研磨後の研磨面がより平坦であることが追求され、逆
に意図的に平坦ではない形状に研磨することや、研磨面
の狙った一部の領域の研磨量を増減するように研磨する
ことに関しては、適当な手段や装置が殆どないという問
題点が有った。
れたもので、研磨の不均一性を容易に補正することがで
きる研磨布、更には狙った所を強調して研磨することが
できる研磨布を提供することを目的とする。また本発明
は前記研磨布を具備したポリッシング装置を提供するこ
とを目的とする。
ため、本発明の研磨布の1態様は、上面に研磨布を貼っ
たターンテーブルとトップリングとを有し、前記ターン
テーブル上の研磨布とトップリングとの間にポリッシン
グ対象物を介在させて所定の圧力で押圧するとともに該
ターンテーブルと該トップリングとを相対位置運動させ
ることによって該ポリッシング対象物の表面を研磨する
ポリッシング装置において、前記研磨布のポリッシング
対象物との接触面に弾性係数が周囲とは異なる領域が形
成され、該領域がポリッシング対象物に接触している
際、該領域の接触部分のターンテーブル径方向の長さは
ポリッシング対象物の直径より小さく、該領域の位置は
該領域のポリッシング対象物への作用領域に基づいて決
定することを特徴とするものである。
に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとを有
し、前記ターンテーブル上の研磨布とトップリングとの
間にポリッシング対象物を介在させて所定の圧力で押圧
するとともに該ターンテーブルと該トップリングとを相
対位置運動させることによって該ポリッシング対象物の
表面を研磨するポリッシング装置において、前記研磨布
の裏面に凹部を形成し、該凹部のターンテーブル径方向
の長さは、ポリッシング対象物の直径より小さく、該凹
部の位置は凹部のポリッシング対象物への作用領域に基
づいて決定することを特徴とするものである。
は、上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリン
グとを有し、前記ターンテーブル上の研磨布とトップリ
ングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の圧
力で押圧することによって該ポリッシング対象物の表面
を研磨するポリッシング装置において、前記研磨布のポ
リッシング対象物との接触面に弾性係数が周囲とは異な
る領域が形成され、該領域がポリッシング対象物に接触
している際、該領域の接触部分のターンテーブル径方向
の長さはポリッシング対象物の直径より小さく、該領域
の位置は該領域のポリッシング対象物への作用領域に基
づいて決定することを特徴とするものである。
様は、上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリ
ングとを有し、前記ターンテーブル上の研磨布とトップ
リングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の
圧力で押圧することによって該ポリッシング対象物の表
面を研磨するポリッシング装置において、前記研磨布の
裏面に凹部を形成し、該凹部のターンテーブル径方向の
長さは、ポリッシング対象物の直径より小さく、該凹部
の位置は凹部のポリッシング対象物への作用領域に基づ
いて決定することを特徴とするものである。
シング対象物の研磨中に、ポリッシング対象物は、断続
的に研磨布のポリッシング対象物との接触面に形成され
た弾性係数が周囲とは異なる領域を通過する。この際、
ポリッシング対象物の一部は弾性係数が異なった領域に
接触し、他の部分は研磨布の通常の部分に接触する。弾
性係数の異なった領域の研磨作用は前記通常の部分の研
磨作用とは異なるため、ポリッシング対象物の弾性係数
の異なった領域に接触している部分は通常の部分に接触
している部分とは研磨量が異なる。弾性係数が周囲とは
異なる領域の位置をポリッシング対象物への作用領域を
考慮して決定することによりポリッシング対象物の狙っ
た所を強調して研磨することができる。
は、具体的には1個の異弾性係数領域の形状、大きさ、
位置、高さによって研磨面で得られる形状、および複数
の異弾性係数領域の場合の全異弾性係数領域の総合効果
によって研磨面で得られる形状を考慮して、適用する異
弾性係数領域の大きさや位置を選択することである。こ
のような構成とすることにより、1つ1つの異弾性係数
領域は円形等の単純な形状であっても、研磨布上の相対
的に広い領域でその個数や位置を調整し、組合わせて、
研磨面上の研磨量の分布の制御が可能になり、自在な研
磨形状を得ることができる。
象物が半導体ウエハのように、平坦に研磨することを目
的とした場合には、研磨量が少ない所を強調して研磨し
て不均一性を補正するように、研磨布上の異弾性係数領
域の位置を決定することにより、ポリッシング対象物の
平坦度を確保することができる。
ば、ポリッシング対象物の研磨中に、ポリッシング対象
物は、断続的に研磨布の裏面に形成された凹部の上を通
過する。この際、ポリッシング対象物の押圧力によっ
て、研磨布は凹部の箇所は平坦部に比べて大きく変形す
るため、平坦部に比べて研磨作用は小さい。このため、
ポリッシング対象物の平坦部に接触している部分は、凹
部に対応する部分より研磨量は大きい。研磨布裏面の凹
部の位置をポリッシング対象物への作用領域を考慮して
決定することによりポリッシング対象物の狙った所の研
磨量を抑えるように研磨することができる。
の異弾性係数領域の場合と同様に、凹部の組み合わせ等
により自在な研磨形状を得ることができ、その一環とし
てポリッシング対象物が半導体ウエハのように、平坦に
研磨することを目的とした場合には、研磨量が多い所を
抑えて不均一を補正するように研磨布の裏面の凹部の位
置を決定することにより、ポリッシング対象物の平坦度
を確保することができる。
えたポリッシング装置の実施例を図面に基づいて説明す
る。本実施例においては、ポリッシング対象物として半
導体ウエハを例に挙げて説明する。図1は、本発明のポ
リッシング装置の全体構成を示す縦断面図である。図1
に示されるように、ポリッシング装置は、ターンテーブ
ル1と、半導体ウエハ2を保持しつつターンテーブル1
に押しつけるトップリング3とを具備している。前記タ
ーンテーブル1はモータ(図示せず)に連結されてお
り、矢印で示すようにその軸心回わりに回転可能になっ
ている。またターンテーブル1の上面には、研磨布4が
貼設されている。
ず)に連結されるとともに昇降シリンダ(図示せず)に
連結されている。これによって、トップリング3は、矢
印で示すように昇降可能かつその軸心回わりに回転可能
になっており、半導体ウエハ2を研磨布4に対して任意
の圧力で押圧することができるようになっている。な
お、トップリング3の下部外周部には、半導体ウエハ2
の外れ止めを行うガイドリング6が設けられている。
液ノズル5が設置されており、研磨砥液ノズル5によっ
てターンテーブル1に張り付けられた研磨布4上に研磨
砥液Qが供給されるようになっている。
ップリング3の下面に半導体ウエハ2を保持させ、半導
体ウエハ2を回転しているターンテーブル1の上面の研
磨布4に昇降シリンダにより押圧する。一方、研磨砥液
ノズル5から研磨砥液Qを流すことにより、研磨布4に
研磨砥液Qが保持されており、半導体ウエハ2の研磨さ
れる面(下面)と研磨布4の間に研磨砥液Qが存在した
状態でポリッシングが行われる。
磨布の詳細を示す図であり、図2(a)は拡大断面図、
図2(b)は平面図である。図2(a)に示すように本
実施例の研磨布4の上面のウエハ接触面には、局部的に
弾性係数が周囲とは異なる領域(以下、異弾性係数領域
という)4aが形成されている。この異弾性係数領域4
aは加熱硬化処理を施すことにより形成されている。こ
の異弾性係数領域4aが半導体ウエハ2に接触している
際、異弾性係数領域4aのターンテーブル半径方向(図
2(b)においてr方向)の長さdは半導体ウエハ直径
Dより小さく、異弾性係数領域4aの位置は異弾性係数
領域4aの半導体ウエハ2への作用領域に基づいて決定
されるようになっている。
レタン樹脂で固めたものや、発泡ポリウレタンからなる
ものが一般的に用いられ、ロデール社のSUBA(商品
名)やIC−1000(商品名)等が代表的なものであ
る。
形状に形成することに比較して、本発明のように研磨布
の異弾性係数領域によって研磨量の補正を行う利点は次
のような作用であると考えられる。研磨布に形成した異
弾性係数領域は、ポリッシング中の全時間ではなく、ポ
リッシング対象物の研磨面を通過する時間だけ作用す
る。つまり、作用頻度が常にポリッシング対象物と接し
ているトップリングより少ない。このため、異弾性係数
領域が研磨速度に及ぼす影響は、周囲の領域に比べて、
数百オングストローム/min程度にしか現れないと考
えられる。したがって、数百オングストロームの研磨面
の制御が、研磨布上に異弾性係数領域を形成することに
より、実現することができる。
周囲とは弾性係数が異なる領域4aの研磨作用を図3乃
至図10を参照して説明する。図3は、研磨布上のウエ
ハ接触面に円形の異弾性係数領域を1個設けた図であ
り、図3(a)は、異弾性係数領域4aが半導体ウエハ
2の内部のみを通過するように設け、図3(b)は、半
導体ウエハ2の中心部を通過するように設けた場合を示
す、ターンテーブルの上面図である。ここで、ターンテ
ーブル1と半導体ウエハ2は同一方向かつ同一角速度で
回転しているものと仮定する。
aが半導体ウエハ2を通過する状態を、図3(a)の場
合について、図4に基づいて説明する。図4(a)はタ
ーンテーブル1の回転中心CT まわりに異弾性係数領域
4aが回転し、半導体ウエハ外周部に異弾性係数領域4
aが接している瞬間を示す。このとき、半導体ウエハ2
に形成されているオリフラ2aは、ちょうど異弾性係数
領域4aの反対側の位置にあるものとする。
さらに角度θ1 だけ回転し、異弾性係数領域4a全体が
半導体ウエハ内部まで回転した状態を、図4(b)に示
す。このとき、ターンテーブル1と半導体ウエハ2は同
一角速度で回転しているため、半導体ウエハ2も角度θ
1 だけ回転する。したがって、図4(a)で半導体ウエ
ハ2に接していた時の異弾性係数領域4aの半導体ウエ
ハ2から見た相対位置は図4(b)の破線の円で示す
位置となる。
示すように、図4(b)の位置より角度θ2 回転する
と、半導体ウエハ2も角度θ2 だけ回転するため、図4
(a)、図4(b)での異弾性係数領域4aの半導体ウ
エハ2に対する相対位置は、それぞれ破線の円,で
示される。図4(a)において接した異弾性係数領域4
aの半導体ウエハ2に対する位置は常にオリフラ2aの
反対側に位置している。
ウエハ2が回転しているため、異弾性係数領域4aは半
導体ウエハ2の研磨面を図4(d)に示す軌跡(,
,,,で示す)で通過する。したがって、半導
体ウエハ上の異弾性係数領域4aが接触する領域は図5
の斜線で示す領域になる。ここで、一点鎖線Lは、円形
の異弾性係数領域4aの中心の軌跡を示す。
域4aが半導体ウエハ2の中心を通過するように配置し
たときの、異弾性係数領域4aの軌跡を同様に求めた図
を図6に示す。
上の配置位置によって、半導体ウエハ研磨面の通過経路
が異なる。図7は図3(a)及び図3(b)に示した異
弾性係数領域4aの配置のほか、半導体ウエハ2の他の
位置を通過するように異弾性係数領域4aを設けた場合
も併せて示す図で、異弾性係数領域4aをターンテーブ
ル1の回転中心CT から、C1,C2,C3,C4,C
5の位置に設けたとする。このような配置とした場合の
半導体ウエハ面内の異弾性係数領域4aの中心の軌跡を
図8に示す。C1,C2…C5の位置の異弾性係数領域
4aにそれぞれ対応して、L1,L2…L5で示す軌跡
となる。なお、ここでの軌跡は半導体ウエハの裏面、即
ち研磨面ではない面側から見た軌跡である。
を設けた実施例において、半導体ウエハとターンテーブ
ルとの相対速度を、ウエハ研磨面で同一とするために、
従来のように回転数を同一にすると、異弾性係数領域は
常に半導体ウエハ面上の同一位置を通過することにな
る。すなわち、図9において異弾性係数領域4aが図に
示す位置にあり、ターンテーブル1が1回転すると、半
導体ウエハ2も1回転するため、再び図に示す位置に戻
る。そのため、半導体ウエハ面上の異弾性係数領域4a
が通過する位置は常に同一であり、半導体ウエハの一部
分のみに研磨作用が過剰に作用する不都合が考えられ
る。このような不都合を解決するために、ターンテーブ
ルとトップリングの回転数を変えてポリッシングを行
う。回転数を変えることにより、異弾性係数領域が半導
体ウエハに作用する領域が回転毎にずれるため、上述し
た不都合を解決することができる。なお、前述した異弾
性係数領域の通過軌跡は、ターンテーブルとトップリン
グの回転数が同一であることを前提としたため、回転数
を変えることによって、通過軌跡も変わるが、回転数の
差を大きくしなければ、ほぼ同様の通過軌跡となる。
変えることにより、異弾性係数領域4aが半導体ウエハ
2に接触する領域が回転毎に徐々にずれていき、半導体
ウエハの研磨面の全域と接触させることができる。この
状態を図10に示す。図10(a)において、異弾性係
数領域4aが半導体ウエハ2に接触する領域が斜線部分
で示されていて、図中に矢印で示すように斜線部分が徐
々に移動していくことによって、図中の破線で示す円の
外側の領域全てと接触させることができる。また、異弾
性係数領域が研磨作用を及ぼす領域内において、通過す
る異弾性係数領域が円形の場合、異弾性係数領域の中心
を通って作用する所は、作用する距離が長い。したがっ
て、作用領域内で、作用の強弱が現れる。この様子を図
10(b)のグラフに示す。このように、1個の異弾性
係数領域の作用領域はウエハの研磨面上で同心円上にな
り、また、異弾性係数領域が研磨面を通過する時間の割
合に応じて、異弾性係数領域の作用の程度のプロファイ
ルが決まる。
転数を変える場合でなく、回転数を同一にしても、本出
願人が特願平5−321260号に記載したように、ト
ップリングの保持面で半導体ウエハに遊星運動させるよ
うにすれば、ターンテーブルと、半導体ウエハの回転数
がずれて、同様の効果が得られる。
1個設けた場合について述べたが、複数個設けることに
よって、研磨作用がより強調される。このため、目標と
する研磨量に応じて異弾性係数領域の数が選定される。
また、異弾性係数領域の数と同時に異弾性係数領域の大
きさも研磨作用に影響する要素の1つであり、異弾性係
数領域の配置位置、数、大きさ、さらに弾性係数を適切
に選定することにより、きめ細かい研磨量制御を行うこ
とができる。さらに、異弾性係数領域の選定に於いて、
コンピュータ等によって最適な組み合わせを自動的に選
定することもできる。
域4bを設けた場合を図11に基づいて説明する。図1
1(a)は半導体ウエハ2の中心部を通過するようにリ
ング状の異弾性係数領域4bを配置した図であり、図1
1(b)は半導体ウエハ2の外周部を通過するようにリ
ング状の異弾性係数領域4bを配置した図である。これ
らのリング状の異弾性係数領域の場合、リング状の異弾
性係数領域は常に半導体ウエハに接触している。図12
はリング状の異弾性係数領域4bが作用する領域を示す
図で、図12(a),図12(b)は、それぞれ図11
(a),図11(b)に対応する。図12(a)では、
ウエハ中心部を通ってウエハ外周部にまで異弾性係数領
域が接触するため、半導体ウエハ2を回転させると異弾
性係数領域4bはウエハ全面に作用する。ここで、図中
破線で示す円Eの内部は常にリング状の異弾性係数領域
と接触している。
領域4bは外周部のみに接触するため、半導体ウエハ2
が回転しても異弾性係数領域4bが作用する領域は半導
体ウエハ2の外周部のみであり、図中に最内側の破線で
示す円Fの内部には作用しない。なお、異弾性係数領域
4bが接触する領域において、ウエハ面内の半導体ウエ
ハ2の中心からの距離によって、半導体ウエハ2が1回
転中に異弾性係数領域4bに接触する割合が異なる。す
なわち、図12(b)において、半導体ウエハ面上の異
弾性係数領域4bの作用領域内の内周側と外周側の微小
面積S1,S2を考えると、内周側の微小面積S1は半
導体ウエハの一回転中に角度α1だけ異弾性係数領域に
接触し、外周側の微小面積S2は角度α2だけ接触す
る。
領域内に、作用の強弱が現れ、作用の大きさは、半導体
ウエハの同一円周上で均一であって、半導体ウエハ半径
方向に強弱として分布する形となる。図12(a)及び
図12(b)において、各図の左下側に半導体ウエハ直
径上でのリング状の異弾性係数領域4bの作用の大きさ
を表すグラフを示す。図において縦軸は作用の強さを示
し、横軸は半導体ウエハ径を示している。
常に異弾性係数領域と接触するため、中心部の作用が大
きくなる山形状の分布となり、図12(b)では、中心
部が作用を受けず、受ける領域内で外周へいくほど、作
用が大きくなる谷形状の分布となる。
体ウエハ中心部とウエハ外周部にそれぞれ接触するリン
グ状の異弾性係数領域4bの作用を示したが、半導体ウ
エハの中心部と外周部との中間を通過する位置に異弾性
係数領域を設けることや、異弾性係数領域の幅を変更す
ること、半導体ウエハの中心とターンテーブルの中心と
の距離を変更すること、径の異なるリング状異弾性係数
領域を複数設けること等により、上述した作用の領域や
分布が異なる。これらを適切に選定することにより、異
弾性係数領域を作用させる領域や大きさを任意に変更す
ることができる。
テーブルの上面図である。ターンテーブル上面に貼付さ
れた研磨布4には、周囲とは弾性係数が異なる領域4c
が形成されている。本態様の異弾性係数領域4cの半導
体ウエハ2と接触している時の面積は、ウエハ2の面積
より小さい。このため、半導体ウエハ2の研磨面内にお
いて、異弾性係数領域4cがウエハ2の研磨に作用する
割合に分布ができ、狙った所を強調して、または、抑え
るように研磨することができる。
体的な構成の1例を、図14及び図15に基づいて説明
する。図14は本実施例の研磨布を示す平面図であり、
図15は研磨布の部分断面図である。研磨布には、図1
4に示されるようにターンテーブル回転軸と同心で径の
異なる5つの周上に小径の円形状の加熱硬化処理した異
弾性係数領域4aが複数個形成されている。
の断面図である。本研磨布は、テーブルに張り付けた下
層研磨布4Aの上面に上層研磨布4Bを張り付けた2層
構造となっており、下層研磨布4Aの上面の一部に加熱
硬化処理が施された異弾性係数領域4cが形成されてい
る。
磨布の断面図である。本研磨布は図16に示す実施例と
同様に下層研磨布4Aと上層研磨布4Bを具備した2層
研磨布であるが、下層研磨布4Aの一部分に下層研磨布
4Aより弾性係数の高い材料11を埋め込んだ構成とな
っている。弾性係数の高い材料11は、ウレタン樹脂や
発泡ポリウレタン等の研磨布材料の他、硬質ゴム等を埋
め込んでもよい。
示す実施例と同様に加熱硬化した領域、または弾性係数
の高い材料を埋め込んだ領域と接触するウエハ面上の研
磨作用を大きくすることができるため、ウエハ上の部分
的な研磨作用を制御でき、ウエハ研磨面の狙った所を強
調して研磨することができる。なお、本実施例で述べた
加熱硬化領域の形状、配置は任意に選択することがで
き、形状、配置等が本発明を限定するものではない。
磨布の断面図である。本研磨布は、研磨布4の裏面に凹
部12を形成したものである。研磨布裏面の凹部12は
テーブル上面との間に空間を形成しているため、上方か
らの圧力を受けたとき、ターンテーブル1に張り付けら
れている領域より圧縮され易く、反力が小さい。したが
って、研磨面内の凹部12を形成した領域の研磨作用
は、それ以外のターンテーブルに張り付けられている領
域の研磨作用より小さくなる。なお、凹部12に研磨布
4より弾性係数が高い材料又は弾性係数が低い材料を充
填することもできる。
を説明する図である。図19(a)は従来のポリッシン
グ装置によって、シリコン(Si)基板上に成膜した酸
化シリコン(SiO2 )からなる絶縁膜を有する半導体
ウエハを研磨した結果を示す図であり、左側はターンテ
ーブル上面図、右側はシリコン基板上の絶縁膜の残膜量
を示すグラフであり、縦軸は残膜量、横軸は半導体ウエ
ハ径を示す。ここで、研磨布は発泡ポリウレタンからな
るものを用い、砥液はシリカ粒をアルカリ溶液中に分散
させた一般的なものを用いた。図19(a)から、ウエ
ハの中心部分の残膜量が多く、ウエハ研磨面が平坦にな
っていないことがわかる。
によって研磨した結果を示す図である。図19(b)左
側に示すように、ターンテーブル上面の半導体ウエハ中
心部を通過する位置に異弾性係数領域を設け研磨布のウ
エハ接触面に異弾性係数領域4aを形成し、ポリッシン
グを行った。その結果、図19(b)右側に示すよう
に、ウエハの中心部の研磨量が増加し、平坦度が向上し
た。
の間の中間部の研磨量を増加させるため、図19(c)
左側に示すように、ターンテーブル上面の異弾性係数領
域をウエハの中間部を通過する位置にも配置したとこ
ろ、図19(c)右側に示すようにウエハの中間部が研
磨され、図19(b)に比べてさらに平坦度が向上し
た。このように、研磨布のウエハとの接触面に異弾性係
数領域を形成し、その位置は異弾性係数領域のウエハへ
の作用領域に基づいて決定されるとともに、異弾性係数
領域の数、大きさ、弾性係数も適切に選定される。
磨布のポリッシング対象物との接触面に弾性係数が周囲
とは異なる領域を形成することにより、研磨布上に局部
的に他の部分とは研磨作用が異なる部分を形成すること
ができる。この研磨作用が異なる部分はポリッシング対
象物がここを通過するときのみ研磨に影響を与えること
ができ、研磨中の全時間ではなく、一部の時間にのみ影
響を与えることができる。したがって、研磨作用が異な
る部分の位置をポリッシング対象物への作用領域を考慮
して決定することにより、ポリッシング対象物の狙った
所を強調して研磨すること、即ち、研磨面上の研磨量の
分布の制御が可能になり、任意の研磨形状を得ることが
できる。そしてその一環として、ポリッシング対象物を
平坦に研磨することを目的とした場合には、研磨量の不
均一を補正するように上述の異弾性係数領域を設定する
ことにより、より高精度な平坦度を得ることができる。
の全体構成を示す縦断面図である。
におけるターンテーブル及び研磨布の詳細を示す図であ
り、図2(a)は拡大断面図、図2(b)は平面図であ
る。
り、研磨布上に1個の異弾性係数領域を設けた場合の説
明図である。
明する説明図である。
領域を示す説明図である。
領域を示す説明図である。
り、研磨布上に異弾性係数領域を1個設ける場合の位置
の取り方を示す説明図である。
へ及ぼす作用領域の中心の軌跡を示す説明図である。
明図である。
説明図である。
り、研磨布上に1個のリング状の異弾性係数領域を設け
た場合の説明図である。
する説明図である。
ブル上面図である。
弾性係数領域を設ける具体的な構造を示す平面図であ
る。
弾性係数領域を設ける具体的な構造を示す断面図であ
る。
弾性係数領域を設ける具体的な構造の変形例を示す断面
図である。
弾性係数領域を設ける具体的な構造の変形例を示す断面
図である。
ある。
を示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 トップリングに保持されたポリッシング
対象物と接触してポリッシング対象物の表面を研磨する
ターンテーブル上に設けられる研磨布において、 前記研磨布のポリッシング対象物との接触面に弾性係数
が周囲とは異なる領域が形成され、該領域がポリッシン
グ対象物に接触している際、該領域の接触部分のターン
テーブル径方向の長さはポリッシング対象物の直径より
小さく、該領域の位置は該領域のポリッシング対象物へ
の作用領域に基づいて決定することを特徴とする研磨
布。 - 【請求項2】 前記領域は、研磨布を硬化させることに
より形成したことを特徴とする請求項1記載の研磨布。 - 【請求項3】 前記領域は、研磨布を2枚重ね、下層の
研磨布を部分的に硬化させることにより形成したことを
特徴とする請求項1記載の研磨布。 - 【請求項4】 前記領域は、研磨布を2枚重ね下層の研
磨布の一部に穴を形成し、該穴に下層の研磨布とは弾性
係数の異なる材料を埋め込むことにより形成したことを
特徴とする請求項1記載の研磨布。 - 【請求項5】 トップリングに保持されたポリッシング
対象物と接触してポリッシング対象物の表面を研磨する
ターンテーブル上に設けられる研磨布において、 前記研磨布の裏面に凹部を形成し、該凹部のターンテー
ブル径方向の長さは、ポリッシング対象物の直径より小
さく、該凹部の位置は凹部のポリッシング対象物への作
用領域に基づいて決定することを特徴とする研磨布。 - 【請求項6】 前記凹部には、研磨布とは弾性係数の異
なる材料が充填されていることを特徴とする請求項5記
載の研磨布。 - 【請求項7】 トップリングに保持されたポリッシング
対象物と接触してポリッシング対象物の表面を研磨する
ターンテーブル上に設けられる研磨布において、前記研
磨布のポリッシング対象物との接触面に弾性係数が周囲
とは異なる領域が形成され、該領域がポリッシング対象
物に接触している際、該領域の接触部分の面積はポリッ
シング対象物の面積より小さく、該領域の位置は該領域
のポリッシング対象物への作用領域に基づいて決定する
ことを特徴とする研磨布。 - 【請求項8】 前記領域は、研磨布を硬化させることに
より形成したことを特徴とする請求項7記載の研磨布。 - 【請求項9】 前記領域は、研磨布を2枚重ね、下層の
研磨布を部分的に硬化させることにより形成したことを
特徴とする請求項7記載の研磨布。 - 【請求項10】 前記領域は、研磨布を2枚重ね下層の
研磨布の一部に穴を形成し、該穴に下層の研磨布とは弾
性係数の異なる材料を埋め込むことにより形成したこと
を特徴とする請求項7記載の研磨布。 - 【請求項11】 上面に研磨布を貼ったターンテーブル
とトップリングとを有し、前記ターンテーブル上の研磨
布とトップリングとの間にポリッシング対象物を介在さ
せて所定の圧力で押圧することによって該ポリッシング
対象物の表面を研磨するポリッシング装置において、 前記研磨布のポリッシング対象物との接触面に弾性係数
が周囲とは異なる領域が形成され、該領域がポリッシン
グ対象物に接触している際、該領域の接触部分のターン
テーブル径方向の長さはポリッシング対象物の直径より
小さく、該領域の位置は該領域のポリッシング対象物へ
の作用領域に基づいて決定することを特徴とするポリッ
シング装置。 - 【請求項12】 上面に研磨布を貼ったターンテーブル
とトップリングとを有し、前記ターンテーブル上の研磨
布とトップリングとの間にポリッシング対象物を介在さ
せて所定の圧力で押圧することによって該ポリッシング
対象物の表面を研磨するポリッシング装置において、 前記研磨布の裏面に凹部を形成し、該凹部のターンテー
ブル径方向の長さは、ポリッシング対象物の直径より小
さく、該凹部の位置は凹部のポリッシング対象物への作
用領域に基づいて決定することを特徴とするポリッシン
グ装置。
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