JPH08309367A - 水処理装置 - Google Patents

水処理装置

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JPH08309367A
JPH08309367A JP7117008A JP11700895A JPH08309367A JP H08309367 A JPH08309367 A JP H08309367A JP 7117008 A JP7117008 A JP 7117008A JP 11700895 A JP11700895 A JP 11700895A JP H08309367 A JPH08309367 A JP H08309367A
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JP
Japan
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water
tank
treated
biodegradation
treatment
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Application number
JP7117008A
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Inventor
Akira Kaneyasu
彰 兼安
Nobuyuki Nishino
伸幸 西野
Kunio Watanabe
国男 渡辺
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Ube Chemical Industries Co Ltd
Original Assignee
Ube Chemical Industries Co Ltd
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Publication date
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    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F3/02Aerobic processes
    • C02F3/10Packings; Fillings; Grids
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F3/00Biological treatment of water, waste water, or sewage
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、富栄養化された湖沼の水質の浄化
を行う生物分解法において、有機物の分解を行う微生物
と被処理水の接触方法を改善することにより、生物分解
を行う設備の小規模化を可能とし、従来よりも大規模な
水域の水質改善を可能とする水処理装置提供する。 【構成】 富栄養化が進む水域中の水質浄化や難分解性
有機物質を含む排水の浄化を行う装置において、有機物
を分解して無機態化する生物分解装置において、槽内の
仕切りにより分割された隙間の中に織物状の樹脂充填材
を通水を妨げずに充填したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、富栄養化された水域中
の水質浄化を目的とした水処理装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】近年、後背地に大きな汚濁源を有する湖沼
等の閉鎖性水域は、流入する汚濁負荷が大きい上に汚濁
物質が蓄積し易いために富栄養化が進み、微細藻類の異
常発生が起こるなどが社会問題となっている。観光地の
湖沼等においては富栄養化の進行による微細藻類の異常
発生による景観の損壊、あわせて異臭が漂うことで観光
資源としての価値を低下せしめている。公園などの公共
施設に配置された池等での微細藻類の異常発生による景
観の低下は都市において重要視される休息空間の価値の
低下となり、飲料水の取水源となっている湖沼において
も微細藻類や淡水赤潮の異常に発生により、上水道施設
のろ過障害や異臭の問題を生じている。更に、上水施設
で実施されている塩素消毒により発ガン性物質が生成す
る等の問題も指摘されている。これらに対処するため
に、水質汚濁防止法, 湖沼水質保全特別措置法, 湖沼に
係わる窒素及び燐の排水規制等が制定実施されている。
【0003】これらの問題の主な対策として、(1)栄
養塩を含む汚濁物質の流入を防止する,(2)富栄養化
した閉鎖性水域の底泥を除去する,(3)富栄養化され
た水質を浄化し、富栄養化により増殖した微細藻類等を
直接除去する方法等が提案されている。このうち(1)
に関しては、人間を含めて全ての生産活動の休止または
抑制によってのみ達成されるため、現時点では完全に実
施することは不可能である。(2)に関しては、浚渫及
び残土の処理に莫大なコストを要すとともに、対象とな
る湖沼等の数が多いため為に実施するのは困難となって
いる。従って、現時点においては(3)の直接的な水質
浄化及び藻類の除去対策が最も現実的に実施に移し易い
方法とされている。湖沼の富栄養化により既に発生した
微細藻類除去の効果的な方法としては、直接ろ過法,
生物分解法,紫外線照射法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】湖沼の富栄養化によ
り発生した微細藻類の直接的な除去方法のうち、の直
接ろ過法は、水域の水を砂ろ過,限外ろ過,プレコート
フィルター,長毛型ろ過機等で全量ろ過する方法であ
る。直接ろ過法では目詰まりが激しいことと規模の大き
い湖沼では適用できない欠点がある。の生物分解法
は、一時的な除去に効果はあるが、発生を抑制すること
は不可能である。これは生物法により分解無機化されて
生じた栄養塩類が、再び発生原因になるからである。ま
た、従来から採用されている設備,装置で大きな分解除
去効果を得るためには設備が大きくなり、外観やコスト
の面で実用に問題が生じる。の紫外線照射法は、紫外
線を藻類に照射して殺藻することにより湖沼の外観を保
つ方法である。現時点では最も効果的な方法とされてい
るが、紫外線照射のコストが高い欠点がある。従ってこ
れらの方法のみで水質浄化対策を行うことは、コスト的
にも実施後の効果においても問題が残る。
【0005】そこで本発明者等は鋭意研究の結果、富栄
養化が進行している水域中での植物の増殖に必要不可欠
なリンについての挙動について着眼し、湖沼において
水域中に存在するリンは生物生産による有機態リンが無
機態リンよりも多いこと,従来から行われている生物
分解法は微生物を利用した有機物の無機態化によるもの
であり、無機態リンは再び藻類増殖の栄養源となるこ
と,無機吸着剤で吸着除去できるリンのほとんどは無
機態リンであること,紫外線照射等は殺藻が主たる目
的であり、水中に存在するリンの量には影響がない,等
の事実を発見し、本装置を発明するに至った。つまり、
紫外線照射による殺藻や生物分解法での処理では再び藻
類の発生原因となる無機態リンの除去は困難であること
に加えて従来の装置では設置空間やコストの点で問題が
有り、無機吸収剤を使用した水域中のリンの固定除去で
は水域中に有機態リンが残留する。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明は、富栄養化が進
む水域の水質浄化を行う装置において、環境水中の有機
物を分解して無機態化する生物分解槽の改良を行い従来
より効率的に生物分解処理を行なえ、加えて難分解性有
機物の分解を可能にした装置に、生物分解された被処理
水をマグネシウムイオンを供給できるマグネシウムイオ
ン供給剤と接触させて、被処理水中に含まれる無機態リ
ンを固定し被処理水中の無機態リン濃度を低下させる装
置と、被処理水中の微細藻類を殺藻し分解の促進をする
事を主たる目的として被処理水に紫外線照射を行う装置
を付加して水質浄化を行う装置である。また本発明の装
置において、生物分解処理、或いはマグネウシムイオン
供給剤との接触処理、或いは紫外線照射処理の何れを先
に行っても問題はなく、また同時に処理を行う構造であ
っても構わない。
【0007】生物分解槽は図1、図2に示すように、受
槽に仕切り板を取付けて直径が0.1〜 0.7mmの糸状の高
分子材料より編上された織物状の樹脂を板状に裁断して
通水を妨げないように受槽に充填した構造を考案した。
充填材となる糸状の高分子材料は、微生物により容易に
分解されない材質のものであれば特に材料を選ぶ必要は
なく、径も通水により破損しない強度を有し、且つ、編
上のしやすい径であれば特に問わないので、装置の大き
さや形状により選択すれば良い。通水を行うことにより
充填した樹脂面及び樹脂間に有機物の生物分解を行う微
生物群を繁殖させ、被処理水に含まれる有機物を無機態
に分解する。この充填材は糸と糸との空隙部分の容積が
大きく、これは、水質浄化に通常使用される充填板表面
に微生物群を付着させるタイプに比べて微生物の保持量
が多く、難分解性有機物を含む環境水, 排水の処理にも
適している。受槽の形状は貯水槽としての機能を有して
いれば如何なる形状も制限せず、図1の様な円筒型でも
図2の様な箱型の形状でも構わない。この槽内に仕切り
を入れて樹脂を通水を妨げないように充填した。仕切り
は、樹脂同志の接触により充填材が閉塞するのを防ぐ目
的で、充填材を固定するために取り付けた。この生物分
解槽は単位体積当たりの被処理水と微生物の接触効率が
大きく、通常環境水の生物分解処理に利用される波板状
の装置に比較して5分の1以下の設置面積で、同等以上
の効果を持つものである。また、この生物分解槽の特徴
は先に挙げた設置面積の小型化に加えて、従来の波板状
の生物分解槽に比べて有機物の生物分解に必要な微生物
の定着が速やかであることや汚泥等の堆積物が樹脂間に
堆積し閉塞した時も従来から水質浄化に使用されている
サンゴ石, セラミックなどの多孔質の材料と異なり、容
易に洗浄を行い再使用ができること、生物分解処理を行
うことにより水質浄化しようとする水域の面積や富栄養
化の進行の状況に合わせて特殊な技術がなくても設置計
画,設計ができること等が挙げられる。
【0008】マグネシウムイオン供給剤は、生物分解槽
で分解されて被処理水中に溶存する無機態リンと反応し
て難溶性リン酸マグネウシム化合物を生成させる目的の
ために必要なものである。従って、マグネシウムイオン
供給剤は液状、固体状,或いはスラリー状を問わず、マ
グネシウムイオンを供給することが可能であれば如何な
るものでも構わない。しかし、長期に渡ってマグネシウ
ムイオン供給効果を持続させるためには、苦土系粉粒体
の1種または2種以上の材料によって構成されたものが
最も好ましい。
【0009】被処理水中で難溶性リン酸化合物を生成さ
せる目的のために、石灰系でなく苦土系を採用したの
は、溶存することによって変動するpHは苦土系の方
が小さく、且つ環境水のpH内で作動させることが容易
であること,炭酸イオンとの反応性が低く、炭酸化合
物が生成することで無機態リンとの反応性が劣化しない
こと、石灰系と比較して溶解度が低いため、長期に渡
って反応性が持続すること,環境水のpH範囲におい
て生成する難溶性リン酸化合物の溶解度は、苦土系の方
が低くいため吸着効率が高いためである。
【0010】紫外線照射は、富栄養化された水域中です
でに異常発生した藻類を短時間で除去することを主たる
目的に行う。被処理液中を装置内で紫外線照射し、被処
理液中の藻類の分解を促進する。分解された藻類内の有
機態リンは、先に述べたように生物処理槽で処理され無
機態リンに分解される。紫外線照射による大きなデメリ
ットであるコストの問題も生物分解処理法とマグネシウ
ムイオン供給剤との接触を併用することにより短時間の
照射で効果を得られ、特に湖沼の富栄養化が進み藻類の
異常発生が予想される季節に短期に実施して最小限の設
備で効果を上げるよう設計することも可能である。
【0011】具体的な装置について説明する。処理装置
は基本的に、富栄養化する水域中の水をポンプで処理槽
に送り、処理後元の水域へ戻すことを連続して行うもの
である。被処理水域の外部処理槽においての連続処理
は、被処理水域中の他生物への負担を最小限に留め、処
理を集中的かつ効果的に行う方法として望ましい。処理
装置には3つの工程からなり、生物分解法による有機
態リンの無機態リンへの分解工程,被処理水中の無機
態リンにマグネシウムイオンを供給する工程,紫外線
照射による殺藻を行う工程に分けられる。この装置にお
いて、各工程の順番は何れを先に行っても問題はなく同
時に行っても構わない。装置の置き場は処理槽と被処理
水域が隔離されれば、処理装置の設置場所は処理する水
域の横の地上でも水域上でも水域中でも構わないが、湖
沼等の全水域の浄化を目的とすれば被処理水の汲み上げ
口と装置からの処理水の排水口は離して設計した方が効
果的である。
【0012】本発明の最も大きな特徴となる生物分解槽
を図1,図2に、生物分解槽にマグネシウムイオン供給
槽,紫外線照射装置を付加して浄化能力を向上させる装
置の概要を図3に示した。1のポンプにより取水された
富栄養化された水域中の水は処理装置に送られる。処理
装置は2.紫外線照射装置,3.生物分解処理槽,4.
マグネシウムイオン供給槽からなり、各工程を通過した
後に水域中に戻される。図1においては被処理水は処理
工程の3→2→4の順番で通過するように示しているが
処理工程の通過順序は何れの工程から行っても、また、
同時に行っても構わない。
【0013】1のポンプは今、被処理水域の水を取水し
移送できるものならば形式は問わない。能力は処理しよ
うとする水域の富栄養化の進捗状況や各処理装置の大き
さにもよるが、通常では1日の送水量が処理水域の全水
量に対して1倍程度,迅速な効果が必要な場合は他の浄
化設備の大きさにあわせて、好ましくは4倍程度の能力
必要である。
【0014】処理装置の2.紫外線照射装置は市販され
ている低圧水銀紫外線ランプを使用し、水域中の藻類の
異常発生の抑制を目的とする場合は水域の富栄養化の程
度,他の処理工程の大きさ,太陽光の影響にもよるが被
処理環境水1m3 当たり2W程度の換算で設置すること
により藻類の発生は抑制される事が試験水槽で確認され
た。既に水域中に発生している微細藻類を除去する目的
で使用する場合は異常発生の抑制を目的とする場合以上
の設置であれば除去可能であるが、紫外線ランプを多く
することによって除去に要する日数が短くなる。
【0015】処理装置の3.生物分解処理槽は微生物を
利用して有機物質を無機態に変えるものであり、受槽に
仕切り板を取付けて織物状の樹脂を板状に裁断して通水
を妨げないように充填した構造を考案した。この充填構
造は有機物を分解する微生物の単位体積当たりの保持量
を多くして処理能力を高くする効果が有るとともに、難
分解性有機物の分解処理が可能となった。受槽に通水を
行うことにより充填した織物状の樹脂間に生物学的分解
を行う微生物を繁殖させ、被処理水に含まれる富栄養化
の原因となる汚濁物質は生物膜を通して充填材表面およ
び充填材間の微生物により分解される。受槽の形状は受
槽としての機能を有していれば如何なる形状も制限せ
ず、図1の様な円筒型でも図2の様な箱型の形状でも構
わない。この織物状の樹脂を充填した生物分解槽は通
常、環境水の水質浄化処理に利用される波板状の装置に
比較して5分の1以下の設置面積で、同等以上の効果を
持つものである。また、この充填材は糸状の高分子材料
を編上し、板状にしたもので、樹脂同志の隙間に微生物
を繁殖させる構造であり、微生物の剥離性が良く、微生
物の増殖が飽和に達し再生が必要になった時も充填材を
散水により水洗することによって汚泥(増殖した微生
物)抜き取る事が可能である。
【0016】処理装置の4.マグネシウムイオン供給槽
はマグネシウムイオン供給剤が被処理水と接触できる槽
ならば形は問わない。マグネシウムイオンは、水中で有
機態リンが分解されることにより生成し溶存する無機態
リンと反応して難溶性リン酸マグネウシム化合物を生成
させる目的のため供給される。マグネシウムイオン供給
剤が液状やスラリー状のものであれば添加用のポンプ
と、被処理水のpHが降下するのを防ぐため、pH計や
流量を調節する設備が必要となる。運用する設備を最小
限にするため、且つ、長期に渡ってマグネシウムイオン
供給効果を持続させるためには、苦土系粉粒体の1種ま
たは2種以上の材料によって構成されたものが好まし
い。
【0017】図4に生物分解処理槽とマグネシウムイオ
ン供給槽を図示した。供給された被処理水は装置底部か
ら徐々に生物分解槽を通過しオーバーフローすることに
より供給された量だけマグネシウムイオン供給槽へ送ら
れる。図4で示すように槽に板で仕切りをいれて仕切り
の間に適当な板状に裁断した糸状の高分子材料を編上し
た織物状の樹脂充填材を仕切り板との間に適当な空間を
設けて充填することにより効率的な生物分解処理槽とし
て使用できる。生物分解処理が不可能な残渣を排出する
ためのコックを槽下部に取りつけたり、マグネシウムイ
オン供給剤が流出しないように堰を取りつけたり装置形
状に応じた付帯機能を付け加えることにより、より実用
性が高くなる。
【0018】本装置において形状は問わない。角形であ
れば大規模な装置が必要な場合は図5のように図4のよ
うな形状の基本装置を連結して、表面積を大きくするこ
とによりその目的を達成することは可能であり、外観的
に問題があれば円筒状にしてもよい。生物分解処理槽の
オーバーフローも図6〜図9のように生物分解槽の内側
に行い外部から見えない構造にしても構わない。
【0019】処理工程の順序について図6〜図9で説明
すると、生物分解処理槽で有機態から無機態に分解され
たリンは遅滞なくマグネシウムイオン供給剤により固定
されることが望ましく、図6のように生物分解処理槽の
直後にマグネシウムイオン供給槽があることが理想であ
るが、現実として無機化されたリンを藻類が成育に使用
する速度より被処理水の循環速度が圧倒的に大きい装置
であるため、図7のように生物分解処理槽の前にマグネ
シウムイオン供給槽があっても何ら問題はない。マグネ
シウムイオン供給槽の生物分解処理槽外部への取付けに
外観上の問題があるならば、図8のように生物分解処理
槽内部に取付けるように設計すれば良いし、図9のよう
に生物分解処理槽と離して設置するよう設計しても構わ
ない。紫外線照射装置についても同様である。図9では
生物分解処理槽を被処理水域中に潜めて設置するように
示してあるが、目的や設置環境に応じて土中に埋没させ
る形式でも、地上に設置する形式でも構わない。
【0020】以上述べたり、富栄養化が進行した水域の
水を生物分解法,マグネシウムイオンの供給,紫
外線照射を併用することで藻類を分解し、水中の無機態
リンを難溶性のマグネシウムリン酸塩として固定する技
術から処理装置を考案した。この結果、藻類の異常発生
を引き起こす環境へのリンの供給を絶つことができ水質
の浄化を行うことが可能になった。
【0021】
【実施例】
実施例1 表面積 6.6m2 , 水深 0.7mの水槽に、3m3 の水を入
れ鑑賞用の錦鯉を8匹入れて1回60gづつ投与し飼育し
た。次に、図9に図示した様に生物分解処理槽を設置し
た。生物分解槽は50cmφの塩ビ製の筒を加工して制作し
全容積 200lとして、直径 0.5mmの塩ビ製の糸を加工し
マット状にした充填材を通水を妨げないように図1の様
に充填した。生物分解槽で無機態化されたリンを固定す
るためのマグネシウムイオン供給槽は水槽の外部に取付
け、槽内にマグネシウムイオン供給剤として水酸化マグ
ネシウムを2kg投入した。マグネシウムイオン供給槽を
通過した被処理水をポンプにより飼育用水槽内に設置し
た生物分解処理槽へ送り、水槽→マグネシウムイオン供
給槽→生物分解処理槽→水槽で循環を始めた。循環を開
始した時の飼育用水槽内の飼育水の透視度は 1.8cmであ
った。ポンプの移送能力は1日2回水槽の水の全量を移
送できる量で設定した。ポンプの稼動を始めて4日目の
飼育水槽中の飼育水の透視度は 7.8cmであり、水質の浄
化効果が確認された。
【0022】実施例2 実施例1の装置の内、生物分解槽の上に市販の15W紫外
線ランプを2台設置して同様の実験を行った。ポンプと
紫外線ランプの稼動を始めて2日目で槽内で飼育してい
る錦鯉を目視で確認することができた。実験を開始して
4日目の透視度を測定したところ 100cm以上であった。
飼育水槽の水は透明であり紫外線照射を生物分解処理槽
による水質浄化に加えることにより水質浄化が促進され
ることが確認された。
【0023】実施例3 実施例2により飼育水槽の水の透視度が 100cm以上にな
った後、紫外線照射を一時中断し引き続き透視度の測定
を継続した。そして飼育水槽の水の透視度が90cm以下に
なった時再び紫外線照射を実施し透視度が 100cm以上に
なった時紫外線照射を一時中断するという操作を繰り返
した。最初、透視度が 100cm以上の飼育水の透視度が90
cm以下になるのに10日間を要していたが5週間後の繰り
返し操作では透視度が 100cm以上の飼育水が2日間で透
視度が90cm以下になった。生物分解槽の観察を行ったと
ころ、充填材に汚泥(微生物)が隙間無く付着し汚泥に
より充填材間で閉塞が起こっていたので、上部より散水
して充填材の洗浄を行った後、生物分解槽の底部に堆積
した汚泥を回収した。回収した湿潤汚泥はおよそ20lあ
った。充填材を洗浄した生物分解槽に通水しながら紫外
線照射を行い飼育水槽の水の透視度が 100cm以上になっ
た時紫外線照射を一時中断し、透視度が90cm以下になる
まで透視度の測定を継続したところ、透視度が90cm以下
になるまで10日間を要した。これにより本装置の充填材
の再生がおこなわれたことが確認された。
【0024】比較例1 実施例1で使用した同一形状の水槽に同様に錦鯉を飼育
した後、従来より環境水の浄化に使用している波板を
0.7m2 敷設して実施例1と同様の条件で水槽内の水を
循環させた。水槽内の有機物の分解を促進するために、
曝気を0.12m3 /分の量で行った。水槽内の水の循環と
曝気を開始して4日目の透視度を測定するも、実験開始
と同様に飼育水の透視度は 1.8cmであった。その後、数
日毎に飼育水の透視度の測定を行ったが、1.4 〜 2.5cm
の範囲で推移し生物負荷の高い水域での波板での水質浄
化効果は本発明の水処理装置より低いものであった。
【0025】
【発明の効果】以上のように、富栄養化された湖沼の水
質の浄化を行う生物分解法において、有機物の分解を行
う微生物と被処理水の接触方法を改善することにより、
生物分解を行う設備の小規模化を行うことが可能にな
り、従来よりも大規模な水域の水質改善が可能となる。
また、生物分解処理を施した被処理水をマグネシウムイ
オン供給剤と接触させることによる環境水中のリン濃度
の低減や、紫外線照射による有機物の分解促進を組み合
わせることにより、富栄養化された水域の浄化を小型化
された装置で行うことが可能となる。本発明による水処
理装置は各工程の設備が従来の大型,高価なものを必
要とせず,特殊な技術や特殊な設備をもたずとも容易
に設計,制作,運転ができ,特殊な薬剤を使用するこ
となく自然における浄化力を利用するために環境に対し
てより安全で,稼動設備がわずかでありランニングコ
ストが安価である、等の長所を有する装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例で使用した円筒型の槽
をもつ生物分解処理装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明で示した箱型の槽をもつ生物分
解処理装置の概略図である。
【図3】図3は、本発明で示した水処理装置の処理工程
の概略図である。
【図4】図4は、本発明で示したマグネシウムイオン供
給槽を併設する、箱型の槽をもつ生物分解処理装置の上
面,側面および正面図である。
【図5】図5は、本発明で示した水処理装置の大規模化
方法の概略図である。
【図6】図6は、本発明で示した生物分解処理装置の槽
の出口にマグネシウムイオン供給槽を配した生物分解槽
の概略図である。
【図7】図7は、本発明で示した生物分解処理装置の槽
の入口にマグネシウムイオン供給槽を配した生物分解槽
の概略図である。
【図8】図8は、本発明で示した生物分解処理装置の槽
の内部にマグネシウムイオン供給槽を配した生物分解槽
の概略図である。
【図9】図9は、本発明の実施例で使用した生物分解処
理装置,マグネシウムイオン供給槽および紫外線照射装
置の配置方法の概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 502 C02F 9/00 502R 502N 503 503A 504 504E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 富栄養化が進む水域中の水質浄化や難分
    解性有機物質を含む排水の浄化を行う装置において、有
    機物を分解して無機態化する生物分解装置において、槽
    内の仕切りにより分割された隙間の中に織物状の樹脂充
    填材を通水を妨げずに充填したことを特徴とする水処理
    装置。
  2. 【請求項2】生物分解槽にて生物分解された被処理水を
    マグネシウムイオンを供給できるマグネシウムイオン供
    給剤と接触させて、被処理水中に含まれる無機態リンを
    固定し、被処理水中の無機態リン濃度を低下させる装置
    を併設する事を特徴とする請求項1記載の水処理装置。
  3. 【請求項3】水中でマグネシウムイオンが供給できるマ
    グネシウムイオン供給剤において、苦土系粉粒体の1種
    または2種以上によって構成されることを特徴とする請
    求項2記載の水処理装置。
  4. 【請求項4】水域中の水質浄化を行う装置において、被
    処理水中に浮遊する微細藻類を殺藻し、又、被処理水中
    の有機物の分解の促進をする事を主たる目的として紫外
    線照射を行う装置を併設する事を特徴とする請求項1、
    2又は3記載の水処理装置。
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