JPH08308406A - 養液栽培装置 - Google Patents

養液栽培装置

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JPH08308406A
JPH08308406A JP7148172A JP14817295A JPH08308406A JP H08308406 A JPH08308406 A JP H08308406A JP 7148172 A JP7148172 A JP 7148172A JP 14817295 A JP14817295 A JP 14817295A JP H08308406 A JPH08308406 A JP H08308406A
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JP
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bed
storage tank
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culture
cultivation
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Application number
JP7148172A
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English (en)
Inventor
Mitsusachi Aoki
光幸 青木
Osamu Sugimoto
修 杉本
Junichi Tsujimura
順一 辻村
Hideaki Daito
秀彰 大東
Mitsuhiro Okuda
光博 奥田
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KANSAI TEC KK
Kansai Electric Power Co Inc
Original Assignee
KANSAI TEC KK
Kansai Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 培養液の供給・停止の制御と保水材の保水力
とにより栽培ベッドの定植植物に対する養水分ストレス
を容易,且つ,完全に制御可能な養液栽培装置を提供
し、栽培にかかる植物の草勢管理を容易にする。 【構成】 溶液貯留槽(2)と栽培ベッド(1)を有する。容
器状の溶液貯留槽(2)の側面の上部には培養液の溢水口
(23)が設けられ、側面又は底面には開閉可能な排水口(2
4)が設けられている。上部が開口している容器状の栽培
ベッド(1)は、底面に多数の貫通孔(33)を有すると共に
防根部材(4)が敷かれており、防根部材(4)の上には保水
材(5)が配されている。栽培ベッド(1)は溶液貯留槽(2)
内に配されている。溶液貯留槽(2)の底面と栽培ベッド
(1)の底面との間には隙間が設けられており、栽培ベッ
ド(1)の底面の位置は溶液貯留槽(2)の溢水口(23)と排水
口(24)との間であり、栽培ベッド(1)への培養液の供給
および栽培ベッド(1)からの培養液の排水はベッドの底
面(31)の貫通孔(33)を通じておこなわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は養液栽培装置に関する
ものであって、特に、養液栽培にかかる植物の根圏に対
する養水分のコントロールを容易にすることができ、こ
れにより硝酸態窒素などの有害物質が低減された植物
や、新鮮重量当たりの有効成分が濃縮された植物を得る
ことができる養液栽培装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来の養液栽培装置は、養液
栽培にかかる植物の根圏に直接培養液を注入または噴霧
する形式のものであって、培養液の供給時には当該培養
液が必ず根圏内を通過する構造となっており、培養液の
供給を停止してもそれまでに供給していた培養液が根圏
に滞留してしまうという問題点があり、養液栽培の植物
に水分・養分ストレスを完全に制御できる養液栽培装置
は従来にはなかった。
【0003】従来の養液栽培装置では、水分および養分
のストレスを完全に制御できないので、たとえばトマト
内部に空洞部を生じたり、栽培植物中に硝酸塩などの有
害物質の集積を招来するなどの養液の吸収過多に基づく
種々の弊害が生ずるという問題があった。
【0004】さらにまた、従来の養液栽培装置では、養
水分の不足ストレス負荷時における根圏温度の制御が容
易にできないので、たとえばトマトの栽培において、根
圏の温度が高くて乾燥するとカルシウムの吸収が抑制さ
れてトマトの「尻腐れ病」を発生する原因となった。一
方、根圏の温度が低すぎると燐酸の吸収が抑制されて発
育不全を起こす等々、種々の生理障害を生ずるという問
題があった。
【0005】この発明は、鋭意研究した結果完成された
養液栽培装置であり、上記問題点を一挙に解決するもの
であって、栽培植物に対する養水分ストレスおよび栽培
植物の根圏に対する温度ストレスを個別的かつ完全・容
易に制御できる養液栽培装置を提供することを目的とす
るものである。
【0006】尚、本明細書においていう「養水分ストレ
ス」とは、養液栽培にかかる植物に対して与えられる養
分および水分の何れか一方若しくは両方が適量でない条
件、つまり植物に対する過剰の養水分の供給(以下「過
剰ストレス」という.)若しくは植物に対する不足の養
水分の供給(以下「不足ストレス」という.)をいう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の養液栽培装置は
培養液を貯留・循環するための溶液貯留槽と、植物を栽
培するための栽培ベッドを有している。そして、溶液貯
留槽は容器状の構造を有し、その周囲側面の内の少なく
とも1つの側面の上部には培養液の溢水口が設けられ、
側面又は底面には開閉可能な排水口が設けられている。
栽培ベッドは上部が開口している容器状の構造を有し、
底面には多数の貫通孔を有すると共に防根部材が敷かれ
ており、防根部材の上には保水材が配されている。栽培
ベッドは溶液貯留槽内に配されており、溶液貯留槽の底
面と栽培ベッドの底面との間には隙間が設けられてお
り、栽培ベッドの底面の高さ位置は溶液貯留槽の溢水口
と排水口との間であり、栽培ベッドへの培養液の供給お
よび栽培ベッドからの培養液の排水はベッドの底面の貫
通孔を通じておこなわれる。
【0008】
【作用】この発明にかかる養液栽培装置は、以下のよう
に養液栽培にかかる植物に対して養水分ストレス状態を
完全かつ容易にコントロールできる。
【0009】この発明にかかる養液栽培ベッド部分(1)
において、養液貯留槽(2)の側面(22)の上位に溢水口(2
3)が、下位に排水口(24)がそれぞれ配設され、しかも養
液貯留槽(2)内に配備されたベッド(30)の底面(31)の上
下位置関係が前記溢水口(23)と排水口(24)との間となる
ように配備され、しかも底面(31)には多数の貫通孔(33)
が配設されているので、ベッド(30)内の保水材(5)に供
給される培養液は、ベッド(30)の底面(31)に配設された
多数の貫通孔(33)を通じて供給されることとなる。
【0010】したがって、養液栽培にかかる植物への養
水分は、常にベッド(30)の底面(31)の側から供給される
こととなる。しかも、排水口(24)を閉鎖した状態におい
ては、培養液は常に培養液供給口(7)から溢水口(23)へ
流れ、保水材(5)を常に培養液で満たす条件、つまり養
液栽培にかかる植物に対して養水分の過剰ストレスを与
える条件にある。一方、排水口(24)を開放した状態にお
いては、養液貯留槽(2)内の培養液の水位は排水口(24)
の位置(h1〜h2)となり、ベッド(30)の底面(31)より
下方になって保水材(5)への培養液の供給は完全に停止
される条件、つまり養液栽培にかかる植物に対して養水
分の不足ストレスを与える条件にある。
【0011】前記培養液の供給が養水分の不足ストレス
条件下にある場合、所定の温度に温度管理された培養液
は養液貯留槽(2)内を排水口(24)の位置の水位を保って
循環するから、養液栽培にかかる植物の根圏に対して一
定の温度が保持できる。
【0012】この発明にかかる養液栽培ベッド部(1)
は、養液貯留槽(2)の排水口(24)の開閉を所定のプラン
に基づいて管理されたタイマー(11)と連動した電磁弁(2
5)により管理できるので、養水分ストレス管理された養
液栽培の条件を設定できる。
【0013】
【実施例】以下、この発明にかかる養液栽培装置を好適
な実施例に基づいて詳細に説明する。 [実施例1]図1は、この発明にかかる養液栽培装置の
実施例1の栽培ベッド部分(1)の一部切り欠き斜視図で
ある。本実施例にかかる養液栽培装置の栽培ベッド部
(1)は、養液貯留槽(2)内に栽培ベッド(3)を順次組立形
成してなる方式のものであって、養液貯留槽(2)の一対
(長辺側)の対向側面の一部とベッド(30)の一対の
(長辺側の)対向側面とを共用した構造を有する形式の
ものが示されている。そしてベッド(30)の底面(31)のよ
り高さは、底面(31)を載置するレストブロック(8)の種
類によって容易に調節することができる。
【0014】養液貯留槽(2)は、長方形の底面(21)の周
囲を立設形成させた側面(22)により囲まれた上部が開口
した容器状の基本構造を有する。図1において、養液貯
留槽(2)の1の短辺側の上方には培養液の溢水口(23)
が、下方には排水口(24)がそれぞれ配備されており、こ
の排水口(24)からの培養液の排水は電磁弁(25)により制
御される、つまり排水口(24)の開閉は電磁弁(25)により
制御される。
【0015】そして、養液栽培ベッド部分(1)は、前記
養液貯留槽(2)内に栽培ベッド(3)が組立形成される構造
に構成されている。すなわち、前記養液貯留槽(2)の長
辺側の両端より少し内側の位置の合計4箇所において、
当該養液貯留槽(2)の長辺側面(22)の内部にベッド(30)
の対向側面(32)が立設配備できるように一対のベッド側
面ガイド(26)が側面(32)を嵌合配備できる隙間を開けて
配設されている。そして、このベッド側面ガイド(26)の
隙間には2枚の側面(32)がそれぞれ養液貯留槽(2)を仕
切るように配備されることにより側面(32)対向辺を形成
するように配備される。当該側面(32)の全面または少な
くともベッド(30)の底面(31)〔後述〕より下方に相当す
る部分には養液が容易に循環流通できるように複数の貫
通孔(33)が配設されており、さらに当該側面(32)は、養
液貯留槽(2)の側面(22)の上端から養液貯留槽(2)の底面
(21)までを仕切るように組立構成される。
【0016】かくして、養液貯留槽(2)内において、対
向し且つ貫通孔(33)を有する前記1対の対向側面(32)
と、前記養液貯留槽(2)の側面(22)(長辺側)とで囲ま
れた上部開口の容器状の範囲がベッド(30)の組立形成さ
れる範囲になる。このベッド(30)の組立形成される範囲
内の適当な位置に複数のレストブロック(8)が配設さ
れ、そのレストブロック(8)の上にベッド(30)の底面(3
1)が載置されてベッド(30)が組立形成される。このベッ
ドの底面(31)は、前記ベッド(30)が組立形成される範囲
の全体をカバーする大きさであって、多数の貫通孔(33)
を有する底面(31)によりベッド(30)が組立形成される。
この場合、底面(31)の上下の配設位置は、前記溢水口(2
3)と排水口(24)との間にくるように前記レストブロック
(8)の高さを調整して配設されることが肝要である。
【0017】ベッド(30)内であってベッド(30)の側面(3
2)及び底面(31)の上には防根シートなどの防根部材(4)
を敷設し、その上に保水材(5)を所定の厚さだけ充填
し、さらにその上に必要に応じて定植ボード(6)をそれ
ぞれ載置して栽培ベッド(3)が構成されている。
【0018】この明細書においていう「防根部材(4)」
とは、前記栽培ベッド(3)内で養液栽培される植物の根
が側面(32)または底面(31)に配設した貫通孔(33)から養
液貯留槽(2)内に侵入するのを防止するためにもうけた
防根処理に用いられた各種部材をいう。また、この明細
書にいう「保水材(5)」とは、養液の過剰ストレス負荷
栽培時においては養水分を充満保持するとともに、養液
の不足ストレスの負荷栽培時においては養液栽培にかか
る植物に対してある程度の養水分の供給をすることがで
きる役割(緩衝材的役割)を果たす部材をいう。さらに
また、この明細書にいう「定植ボード(6)」とは、前記
保水材(5)の上に必要に応じて載置配備されるものであ
って、遮光部材により製造されており、その遮光作用に
より養液栽培中におけるアオミドロ等々の藻類の繁殖を
防止するとともに、通常所定間隔毎に配設された定植孔
(61)に栽培植物を当該所定間隔に定植し、支持するため
のボードをいう。
【0019】さらに、本実施例においては、養液貯留槽
(2)の短辺側面(22)であって、前記溢水口(23)および排
水口(24)を配備していない反対側の側面(22)と前記栽培
ベッド(3)との隙間に培養液供給口(7)が配備されてお
り、培養液は前記栽培ベッド(3)の外側から養液貯留槽
(2)内に供給されるように構成されている。
【0020】ところで、養液貯留槽(2)に配設される排
水口(24)及び溢水口(23)と培養液供給口(7)との配設位
置関係は、供給される培養液が均等に養液貯留槽(2)内
に行き渡り、養液栽培にかかる植物の定植位置より養水
分の偏りが生じないような位置であればよく、前述のよ
うに養液貯留槽(2)の短辺側面(22)若しくは長辺側面(2
2)または底面(21)等のいずれの位置に配設するかどうか
は特に問題ではない。
【0021】図2は、図1におけるA−A線断面図であ
る。この実施例にかかる養液栽培ベッド部(1)の溢水口
(23)は保水材(5)の層の上部にあるから、培養液供給口
(7)より培養液を供給している期間、培養液は栽培ベッ
ド(3)内に充填された保水材(5)の全体に充満することが
できる。
【0022】一方、この発明にかかる養液栽培ベッド部
分(1)に配設された排水口(24)は、図2にも図示されて
いるように、養液貯留槽(2)の底面(21)よりh1だけ上位
にあるから、培養液供給口(7)より培養液を供給しなが
ら電磁弁(25)の制御により排水口(24)から培養液を排出
した場合、養液貯留槽(2)内の培養液の水位は底面(21)
からほぼh1〜h2の高さに制御され、ベッド(30)の底面
(31)よりも下位になる。したがって、前記ベッド(30)内
の保水材(5)への培養液の供給は完全に停止され、栽培
にかかる植物への養水分の補給は保水材(5)に保持され
た養水分から供給をうけることとなるけれども、培養液
は養液貯留槽(2)の底面(21)よりも上でh1〜h2の水位
を常に保つことができるので、養液栽培中の植物の根圏
を所定温度に管理された培養液の温度に保つことができ
る。
【0023】[実施例2]図3は、排水口(24)が養液貯
留槽(2)の底面(21)に配設された他の実施例の断面図で
ある。この実施例においても、排水口(24)のパイプの先
端を底面(21)の内面よりhだけ上位になるように配備
されており、これにより、実施例1の場合と同様、排水
口(24)から培養液を排水制御している期間は養液貯留槽
(2)内の水位を底面(31)よりも低位に保つことができる
とともに、前記養液栽培中の根圏の温度を所定の温度に
保つことができる。
【0024】[実施例3及び実施例4]図4は、ベッド
(30)の構造を上部が開口した容器状とした他の実施例
(実施例3)の斜視図である。この実施例にかかるベッ
ド(30)としては、底面(31)のみに貫通孔(33)が配設され
ており、側面(32)には貫通孔(33)が配設されていないも
のが図示されている。なお、他のベッド(30)の実施例
(実施例4)としては側面(32)に貫通孔(33)が配設され
ているものを利用することができるのは言うまでもない
(実施例4は図示せず)。そして、この実施例3(およ
び実施例4)にかかるベッド(30)の場合も同様に、養液
貯留槽(2)内に1または2以上のベッド(30)を適当数の
レストブロック(8)を介して養液貯留槽(2)内に配備して
使用することができる。
【0025】前記実施例1のベッド(30)および実施例4
のベッド(30)は、ベッド(30)の側面(32)および底面(31)
に貫通孔(33)が配設されているので、培養液を養液貯留
槽(2)に貯留・循環する場合、培養液の循環つまり培養
液の切れがよりスムースにおこなわれ、養液栽培におけ
る養水分ストレスのリスポンスを早くする必要のある養
液栽培に好適である。
【0026】もとより、実施例1の養液貯留槽(2)に、
実施例3のベッド(30)および実施例4のベッド(30)を適
宜組み合わせて養液栽培の比較実験をすることができる
のはいうまでもない。
【0027】この発明にかかる養液栽培ベッド(1)の養
液貯留槽(2)およびベッド(30)の寸法・容量等々の規格
・寸法は特に限定されない。養液栽培にかかる植物に適
応した規格・寸法に適宜決定することができる。特に、
この発明にかかる養液栽培ベッド部分(1)の深さの寸法
・規格は、養液栽培にかかる植物によって決定されるの
で、合目的的な寸法・規格を選定して製作しておくのが
好ましい。前記実施例1にかかる実験的使用態様におけ
るモデルとしては、たとえば、養液貯留槽(2)の大きさ
は、長辺が約3000mm〜5000mm、短辺が約100
0mm〜1800mm、深さが約100mm〜180mm、ベッ
ド(30)の長辺が約2980mm〜4970mm、深さが約7
0mm〜120mm、そして、養液貯留槽(2)の底面(21)か
らベッド(30)の底面(31)までの間隔が約30mm〜50m
m、保水材(5)の充填の層の厚さが約30mm〜50mm、定
植ボード(6)の厚みが約20mm〜35mm等々が実施でき
る。特に、前記ベッド(30)内の保水材(5)の充填厚みは
栽培植物によって決定されるので、前記厚みに限定され
ないのはいうまでもない。
【0028】本明細書において、養液貯留槽(2)または
ベッド(30)を構成する底面(21),(31)および側面(22),
(32)の素材は、使用される培養液によって変性をうける
ことのない素材である限り、各種プラスチックス、各種
金属類、各種加工素材がすべて利用できる。殊に、各種
素材の特性として、保温性、断熱性のよいものが好まし
い。
【0029】本願養液貯留槽(2)およびベッド(30)に利
用できる前記プラスチックスとしては、たとえば、塩化
ビニル、発泡スチロール、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、硬質ポリウレタンが利用できる。
なかでも、塩化ビニル、発泡スチロール、ポリエチレン
が好適であり、塩化ビニルが前記化学的特性および強度
性を兼備し、しかも経済的にすぐれている。
【0030】特に、培養液にはイオン化している各種物
質を含む水溶液を利用されることが多いので、本願養液
貯留槽(2)、ベッド(30)およびこれに関連して使用され
る各種部品に利用できる前記金属類としては、培養液中
に溶解したり、培養液中の各種金属類が析出したりする
ものを回避することが望ましい。各種金属類では、たと
えばSUSステンレススチール(商標名)、チタン合金
などが利用できる。なかでも、SUSステンレススチー
ル(商標名)は、前記化学的特性においても、経済性に
おいても良好であった。
【0031】また、本願養液貯留槽(2)及びベッド(30)
に利用できる前記各種加工素材としては、たとえば鉄な
どの各種金属に表面を琺瑯加工した加工素材、水素より
もイオン化傾向の低い金属によりメッキ処理された加工
素材(たとえば、金または白金のメッキ処理をした金属
素材など.ただし銅メッキ、水銀メッキ(水銀アマルガ
ムを含む)処理をほどこされた素材については、養液栽
培に使用する観点より栽培植物中に有害金属イオンが蓄
積されるおそれがあるので事前の十分な試験および安全
試験を要する)、鉄などの各種金属の表面をプラスチッ
ク(テフロン等)の被覆加工を施した加工素材など、が
利用できる。
【0032】ベッド(30)の底面(31)および側面(32)に用
いる素材としては、SUSステンレススチール製のパン
チングプレートが最適である。当該パンチングプレート
に配設された貫通孔(33)の直径は原則として制限はな
い。通常、貫通孔(33)の直径は、3mmφ〜10mmφのも
のが利用できるけれども、パンチングプレートの底面(3
1)上およびベッド(30)の側面(32)には、防根部材(4)を
敷設したのち保水材(5)を充填するので、原則的には前
記貫通孔(33)の直径は問題とならない。
【0033】防根部材(4)は、養液過剰ストレスまたは
不足ストレスを負荷するに際して培養液が浸透し易く、
また培養液の養水分の切れがよい素材であれば、原則と
して制限されない。防根部材(4)は、養液栽培にかかる
植物の根が栽培中において当該防根部材(4)を通過して
ベッド(30)の底面(31)または側面(32)に配設した貫通孔
(33)から養液貯留槽(2)の貯留培養液に達するのを防止
するためのものであるので、防根部材(4)の材質および
密度は養液栽培にかかる植物に基づき決定される。一般
的には、防根部材(4)は、化学繊維よりなる不織布のシ
ートが最適である。防根部材(4)に使用される化学繊維
としては、たとえばポリエステル、ポリプロピレンなど
の化学繊維が利用できる。なかでも、ポリエステル製の
不織布が好適である。また、2枚以上の不織布(同種類
または異種類の不織布を問わず)を重ねて防根部材(4)
として利用することもできるのはいうまでもない。
【0034】防根部材(4)つまり、防根シートの厚みと
しては、培養液が浸透し易く、また培養液の養水分の切
れがよく、かつ養液栽培にかかる植物の根が当該防根部
材(4)を通過してベッド(30)の底面(31)または側面(32)
に配設した貫通孔(33)から養液貯留槽(2)内に出ない程
度の厚さであれば、原則として防根部材(4)の厚みに制
限はない。防根部材(4)の厚さは、養液栽培の植物の特
性により決定されるけれども、実施例におけるポリエス
テルの不織布として40g〜200g/m2のものが利
用可能であり、なかでも50g〜150g/m2のもの
が好適であり、70g〜100g/m2のものが最適で
ある。
【0035】保水材(5)は、本願養液栽培における植物
の根圏を支持するためのものであり、養水分の不足スト
レスを当該植物に負荷する場合においては養液栽培にか
かる植物にある程度の養水分を供給できる媒体であっ
て、養液栽培植物にとってある種の養水分に関する緩衝
作用を保証するものである。したがって、保水材(5)
は、多孔性の物質で十分な保水力を有し、さらには反復
使用可能性と経済性とを満足するためにはある程度の圧
壊強度を保証するものであって細粒化されにくいもので
あるという特性を有することが肝要である。さらにま
た、ベッド(30)内に充填される保水材(5)の厚さは、原
則として限定されない。ベッド(30)内に充填される保水
材(5)の厚さは、原則として養液栽培にかかる植物の種
類により選定されることになる。
【0036】本明細書においていう保水材(5)は、天然
の各種保水材および各種人工保水材が利用できる。天然
の保水材としては、たとえば軽石、日向土(商品名)な
どの保水力の高い天然の礫を使用することができる。ま
た、人工保水材としては、一例として、無機物質(たと
えば、ベントナイトなどの粘土類)と有機物質(たとえ
ば、オガ屑、籾殻)とを水で錬成後、造粒・乾燥した
後、焼成して調製することができる。
【0037】人工保水材(5)の調製方法は、ベンナイト
およびオガ屑の混合物を水で練り、造粒したのち、熱処
理して調製することができる。この人工保水材(5)の調
製において、無機材料(たとえば、ベンナイト等の粘土
類)のみで有機材料(たとえば、オガ屑,籾殻など)の
配合比率(体積比率、以下おなじ)が0の場合には、調
製にかかる人工保水材の強度が著しく高くなるが、保水
力が乏しくなる。一方、有機材料(たとえば、オガ屑、
籾殻など)の配合量が無機材料(たとえば、ベンナイト
等の粘土類)の2倍量を越えると造粒が困難となり、保
水材(5)の強度が著しく低下するという問題を生ずる。
したがって、有機材料(オガ屑、籾殻など)の配合量が
無機材料(たとえば、ベンナイト等の粘土類)の3分の
1以上2倍以下が好適である。特に、有機材料(たとえ
ば、オガ屑,籾殻など)と無機材料(たとえば、ベンナ
イト等の粘土類)との比率が2:1の場合が好ましい。
【0038】次に人工保水材(5)の調製方法の一例を示
す。人工保水材(5)の調製方法は、よく乾燥した無機材
料(たとえば、ベンナイトなど)〔体積比:1〕と有機
材料(たとえば、オガ屑など)〔体積比:2〕とを混合
し、これに同重量の水を加えてよく混練する。この混練
物を6.5mm〜8.0mmの篩を用いて押し出すようにし
て通し、直ちに振盪器にかけて球状の造粒物とする。こ
の造粒物を乾燥後、ガス炉でエアーリッチの条件下で肌
色になるまで予備焼成する。その後、この予備焼成物を
電器炉に入れて、1000℃で2時間焼結して人工保水
材(5)を得る。このようにして得た人工保水材(5)は、ベ
ントナイトとオガ屑との混合比率(体積比率)や当該粒
径等により、最大容水量、24時間容水量および単粒圧
壊強度(Kg)が異なるので、適用される保水材(5)は
養液栽培にかかる植物に適応したものを使用することが
できる。なお、この明細書においていう前記「最大容水
量」、「24時間容水量」および「単粒圧壊強度」と
は、それぞれつぎのとおりの内容を示す。すなわち、
「最大容水量」とは、土壌の孔隙が水でほぼ満たされた
状態の含水量(土壌100ml当たりの水分容積をいう.
単位:ml)をいう。「24時間容水量」とは、土壌の孔
隙が水でほぼ満たされた状態より24時間かけて重力方
向へ自然排水された後の含水量(土壌100ml当たりの
水分容積をいう.単位:ml)をいう。「単粒圧壊強度」
とは、木屋(キヤ)式硬度計によって単粒を圧壊するの
に要した圧力(単位:kg)をいう。
【0039】定植ボード(6)は、当該ボードに所定間隔
毎に配設された定植孔(61)で養液栽培にかかる植物の植
付けを容易にし植物を支持するとともに、ベッド(30)内
の温度が温度管理された培養液以外の他の要因、たとえ
ば外気の温度などによって影響されないようにし、かつ
外界からの光を遮り、もって栽培ベッド(3)内にアオミ
ドロ等の藻類の繁殖を防止するなどの各種目的のため
に、必要に応じて配設されるものである。定植ボード
(6)は、前記目的を達成するために、通常断熱効果の高
く、且つ遮光効果の高い素材で構成される。定植ボード
(6)の素材としては、水、培養液中の成分などに対して
丈夫で、断熱効果・遮光効果の高い素材であれば原則的
には限定されない。定植ボード(6)としては、たとえば
発泡スチロール製のボードが適している。定植ボード
(6)の厚さは、栽培ベッド(3)の温度管理ができ、遮光効
果のある厚さであればよく特に限定されない。通常、定
植ボード(6)の使用厚さとしては、約10mm〜50mmが
利用でき、約20mm〜40mmが好適であり、更には約2
5mm〜30mmが望ましい。
【0040】図5は、この発明にかかる養液栽培ベッド
部分(1)を有する養液栽培装置の全体構成例を示す断面
図である。図5において、この発明にかかる養液栽培装
置は、養液栽培ベッド部分(1)と培養液を公知の方法に
よりヒーターおよび冷却器で所定の温度に温度管理され
た培養液槽(9)から構成されている。そして、所定の温
度に管理された培養液は、前記培養液槽(9)から夾雑物
をフィルターで除いた後ポンプ(10)を用いて、所定量を
培養液供給口(7)より養液貯留槽(2)内であって栽培ベッ
ド(3)外の空間に供給される。栽培ベッド(3)への培養液
の供給量(養水分の過剰ストレス、不足ストレスまたは
適量供給など)あ、前記培養液供給口(7)の供給量と溢
水口(23)からの排出量または電磁弁(25)で制御された排
出量とにより決せられる。養液貯留槽(2)から排出され
た培養液は、再度前記培養液槽(9)に戻され、培養液は
常に循環使用される。栽培ベッド(3)への培養液の供給
および栽培ベッド(3)からの培養液の排出は常に栽培ベ
ッド(3)の底面(31)から行われる。
【0041】養液栽培にかかる植物に対して養水分の過
剰ストレスをかける場合、培養液供給口(7)の反対側に
配備した溢水口(23)より、過剰の培養液が溢れる状態が
保たれる。なぜなら、溢水口(23)から溢れる培養液は、
ベッド(30)の底面(31)に配設した貫通孔(33)から保水材
(5)に浸透し、栽培植物に過剰の養水分ストレスを負荷
できる。
【0042】一方、当該養液栽培にかかる植物に対して
養水分の不足ストレスをかける場合、前記溢水口(23)と
同じ側に配備された排水口(24)に連結された電磁弁(25)
を制御・操作して排水状態を保ち、水位をベッド(30)の
底面(31)よりも下にさげることによりベッド(30)内の保
水材(5)への養水分の補給・供給が完全になくなり、こ
の状態が続けば養水分の不足ストレスが達成されること
となる。但し、この場合においても、保水材(5)に含有
されている養水分によって、当該養液栽培にかかる植物
が枯れて死滅してしまうという問題はなく、養液栽培に
かかる植物に養水分の不足ストレスを与えるという当初
の目的が達成される。
【0043】なお、この場合、排水口(24)の開閉を制御
する電磁弁(25)の操作は、養液栽培のプランに基づき、
タイマー(11)により自動的に制御される。そして、溢水
口(23)からの循環路および排水口(24)からの循環路は、
ともに一つに合流されたのち、前記培養液槽に還流され
る。
【0044】かくして、養液栽培にかかる植物は定植ボ
ード(6)に配設された定植孔(61)に植えられ、所定の栽
培プランに基づき栽培される。この場合、養水分の不足
ストレスが養液栽培にかかる植物にかけられている期
間、所定温度の培養液は、かならず養液貯留槽(2)の底
面(21)とベッド(30)の底面(31)との間で循環されている
から、養液栽培にかかる植物の根圏の温度は所定の温度
に保たれる。
【0045】以下、この発明にかかる養液栽培装置に関
連する実験例について説明する。なお、この発明は、以
下に記載する実験例により如何なる限定・制限をも受け
ないことはいうまでもない。
【0046】[実験例1] 保水材の調製実験例。 この発明にかかる養液栽培装置において使用する保水材
(5)の調製およびその調製にかかる保水材(5)の諸特性に
ついて説明する。 ベントナイトとオガ屑との混合比(混合体積比) ベントナイトとオガ屑との混合比(混合体積比)として
〔1.0:0.0〕、〔3.0:1.0〕、〔2.5:
1.0〕、〔2.0:1.0〕、〔1.5:1.0〕、
〔1.0:1.0〕、〔0.5:1.0〕、の8試験区
(8実験例区)を設定して保水材を調製した。 調製方法 よく乾燥したベントナイトとオガ屑とを前記8試験区
(8実験例区)の配合率(体積比率)に混合し、これに
同重量の水を加えてよく混練した。この混練物を6.5
mm〜8.0mmの篩を用いて押し出すようにして通し、直
ちに振盪器にかけて球状の造粒物とした。このこの造粒
物を乾燥後、ガス炉でエアーリッチの条件下で肌色にな
るまで予備焼成した。その後、この予備焼成物を電器炉
に入れて、1000℃で2時間焼結して保水材を得た。
このようにして得た保水材は、ベントナイトとオガ屑と
の混合比率(体積比率)や当該粒径等により、最大容水
量、24時間容水量および単粒圧壊強度(Kg)が異な
るので、各試験区により調製された保水材の最大容水
量、24時間容水量および単粒圧壊強度(Kg)を〔表
1〕に示した。なお、単粒圧壊強度(Kg)は、木屋式
硬度計により測定した結果を示した。また、理想の保水
材としての赤玉土の「最大容水量」、「かさ密度(g/
cm)」の各数値を測定して調製した保水材(5)の
適否の目安とした。
【0047】
【表1】
【0048】〔表1〕の結果より、ベントナイトに対す
るオガ屑の混合比率が低くなるほど単粒圧壊強度は向上
するが保水力(最大容水量および24時間容水量)が低
下し、保水材としての適性が低下することが示唆されて
いる。そして、ベントナイトに対してその2倍量のオガ
屑を配合した場合、単粒圧壊強度は若干低い傾向がある
けれども「保水力」が培養土として優れている『赤玉
土』とほぼ等しい値を示す上に、「かさ密度」は低く軽
量で取扱いが容易など保水材として最適な特性を有する
ことを示唆している。
【0049】また、〔表1〕の結果より、ベントナイト
とオガ屑との混合比率は、1/3〜2が好適な結果を示
し、2の場合が最適の結果を示すことが判明した。オガ
屑が0の場合でも保水材としては一応利用可能であるけ
れども、これに対して、オガ屑がベントナイトの2倍量
を越えると造粒が困難で、単粒圧壊強度が著しく低下し
て非常にもろい保水材となることから、オガ屑とベント
ナイトとの配合比率が2の場合、一応のオガ屑の最大配
合臨界点と考えられる。
【0050】〔実験例2〕 サラダ菜の養液栽培例 この発明にかかる養液栽培装置を使用して、サラダ菜の
養液栽培実験をした。 供試植物:吸水させたウレタン培地をセットした育苗
箱にサラダ菜を播種し、その上に透明のガラス板を載置
し、室温を20℃に制御し、播種後3日目にガラス板を
除去し、適宜育苗箱に注水し、播種より18日後の幼苗
を株間16cm×25cmで定植した。 栽培条件: a)使用培養液は、〔表2〕に記載の山崎氏処方の培養
液を使用し、培養液の温度は約22℃〜23℃に管理し
た。
【0051】
【表2】
【0052】b)使用保水材は、前記実験例1において
調製した実験例区No.7の保水材を使用した。 c)養液栽培期間は、10月12日〜11月24日にか
けて温室内の温度約6℃〜27℃でおこなった。 d)全養液栽培期間は、44日間この発明にかかる養液
栽培装置で栽培した。そして、全養液栽培期間中、最初
は給液条件(養水分過剰ストレス条件)下で栽培し、最
後の各期間を給液停止条件(養水分不足ストレス条件
下)で栽培したものをそれぞれ栽培実験区としてそれぞ
れの項目について比較した。栽培実験区としては、次の
4つを設定して比較検討した。 (i) 第1実験区(対照試験区):給液培養日数が4
4日間、給液停止期間0日間。 (ii) 第2実験区:給液培養日数41日間、その後給
液停止期間3日間。 (iii)第3実験区:給液培養日数36日間、その後給
液停止期間8日間。 (iv) 第4実験区:給液培養日数29日間、その後給
液停止期間15日間。 この養液栽培比較実験例の結果は、〔表3〕に示すとお
りである。
【0053】
【表3】
【0054】〔表3〕の結果より、つぎのことがいえ
る。すなわち、 給液停止期間が長いほど、サラダ菜(新鮮重量当た
り)中の硝酸態窒素(NO3−N)含量が減少した。こ
れは、植物中の硝酸態窒素(NO3−N)含量が少ない
ほど好ましいとされる要望に十分応えうる結果である。
なぜなら、植物中の硝酸態窒素(NO3−N)が植物と
して摂取されたとき、体内で発癌性の高い「ニトロソア
ミン」になるという説もあるからである。 給液停止期間が長いほど、サラダ菜(新鮮重量当た
り)中のビタミンCの含量が多くなった。この結果は、
いわゆる新鮮野菜の単位重量当たりの有効成分の含量が
多くなったこと、つまり有効成分が濃縮された野菜が得
られることを示唆している。したがって、この発明にか
かる養液栽培装置により、新鮮重量当たりの有効成分含
量の高い野菜等を容易に得ることができるので、商品価
値の高い野菜を消費者に対して容易に提供できることを
示唆している。 なお、発明者らは、この発明にかかる養液栽培装置が前
記成果のほかに養液栽培において開花時期の制御が困難
とされている『菊』に対しても顕著な効果を示すことを
知見として得ている。
【0055】
【発明の効果】この発明は、当該発明の「養液栽培装
置」の構造に基づき、つぎのような効果を奏する。 この発明にかかる養液栽培装置の栽培ベッドは、いわ
ゆる定植にかかる植物の根圏から培養液が供給される。
定植植物に対する養水分ストレスの制御は、電磁弁によ
る培養液の供給・停止の制御と保水材の保水力とにより
完全かつ容易に達成できる点、 前記のすぐれた作用・効果に基づき、栽培にかかる植
物の草勢管理を容易にすることができる。すなわち、た
とえば、野菜などにおいて新鮮重量当たりの有効成分
(たとえば、ビタミンC等)の含有量が多く、有効成分
が濃縮された作物、硝酸態窒素の(NO3−N)の含有
量が少ない作物などが容易に得られる点、 等々、この発明の目的を達成する顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる養液栽培装置の実施例1の栽培
ベッド部分の一部切り欠き斜視図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】排水口が養液貯留槽の底面に配設された他の実
施例(実施例2)の断面図。
【図4】上部が開口した容器状のベッド(実施例3に使
用)の斜視図。
【図5】本発明にかかる養液栽培ベッド部を有する養液
栽培装置の全体システムを示した図。
【符号の説明】
1 養液栽培ベッド部 2 養液貯留槽 21 底面 22 側面 23 溢水口 24 排水口 25 電磁弁 3 栽培ベッド 30 ベッド 31 底面 32 側面 33 貫通孔 4 防根部材 5 保水材 6 定植ボード 7 培養液供給口 8 レストブロック 9 培養液槽 10 ポンプ 11 タイマー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 辻村 順一 大阪市北区中之島3丁目3番22号 関西電 力株式会社内 (72)発明者 大東 秀彰 大阪市北区中之島6丁目2番22号 株式会 社関西テック内 (72)発明者 奥田 光博 大阪市北区中之島6丁目2番22号 株式会 社関西テック内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養液を貯留・循環するための溶
    液貯留槽と、植物を栽培するための栽培ベッドを有する
    養液栽培装置であって、 溶液貯留槽は容器状の構造を有し、周囲側面の内の少な
    くとも1つの側面の上部には培養液の溢水口が設けら
    れ、側面又は底面には開閉可能な排水口が設けられてお
    り、 栽培ベッドは上部が開口している容器状の構造を有し、
    底面には複数の貫通孔を有すると共に防根部材が敷かれ
    ており、防根部材の上には保水材が配されており、 栽培ベッドは溶液貯留槽内に配されており、溶液貯留槽
    の底面と栽培ベッドの底面との間には隙間が設けられて
    おり、栽培ベッドの底面の高さ位置は溶液貯留槽の溢水
    口と排水口との間であり、 栽培ベッドへの培養液の供給および栽培ベッドからの培
    養液の排水はベッドの底面の貫通孔を通じておこなわれ
    ることを特徴とする養液栽培装置。
  2. 【請求項2】 培養液を貯留・循環するための溶
    液貯留槽と、植物を栽培するための栽培ベッドとを備え
    た養液栽培装置であって、 溶液貯留槽は底面の周囲を側面で囲まれた上部が開口し
    ている容器状の構造を有し、前期周囲側面の内の1つの
    側面の上部には培養液の溢水口を配設し、さらに当該側
    面の下部または前記溢水口に近い位置で溶液貯留槽の底
    面には電磁弁でその作動により開閉が制御される排水口
    をそれぞれ配設されており、 栽培ベッドは、多数の貫通孔を有する底面と、当該底面
    の周囲若しくは一対の対辺を立設または組立配設された
    側面とからなる上部が開口している容器状の構造を有
    し、当該ベッドには防根部材を敷いて栽培にかかる植物
    の根が前記貫通孔からベッドの外部に出ないように防根
    処理をほどこし、さらに前記防根部材の上に保水材を充
    填して構成されたものであり、 前記溶液貯留槽の底面と前記栽培ベッドの底面との間に
    は隙間を設け、前記栽培ベッドの底面の位置が、前記溶
    液貯留槽の前記溢水口と前記排水口との間に位置するよ
    うに前記栽培ベッドを溶液貯留槽内に配備し、かつ培養
    液供給口を前記栽培ベッドの外側に配備して、栽培ベッ
    ドへの培養液の供給および栽培ベッドからの培養液の排
    水がベッドの底面の貫通孔を通じておこなわれることを
    特徴とする養液栽培装置。
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