JPH08308378A - きのこの栽培方法 - Google Patents

きのこの栽培方法

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JPH08308378A
JPH08308378A JP7145287A JP14528795A JPH08308378A JP H08308378 A JPH08308378 A JP H08308378A JP 7145287 A JP7145287 A JP 7145287A JP 14528795 A JP14528795 A JP 14528795A JP H08308378 A JPH08308378 A JP H08308378A
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JP
Japan
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medium
mushrooms
sawdust
cultivating
mushroom
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JP7145287A
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English (en)
Inventor
Saburo Kida
三郎 木田
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NAGANO KIDA KOGYO
Nagano Kida Kogyo KK
Original Assignee
NAGANO KIDA KOGYO
Nagano Kida Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 きのこの栽培に用いたおが屑を主体とする培
地を再度用いて、きのこを順調に生育できるきのこの栽
培方法を得る。 【構成】 きのこの栽培に用いた培地を攪拌してその内
部に外気を補給したり、きのこの栽培に用いた培地に水
を補給したりしながら、きのこの栽培に用いた培地中の
おが屑を充分に醗酵させる。そして、そのおが屑の醗酵
熱が消失して、培地が常温状態に戻った後に、その培地
に、きのこの種菌を接種して、きのこを収穫するまでに
生育する。そして、培地中に含まれる樹脂や樹脂酸等の
有害物や強酸性化物を培地外部に排除して、それらの有
害物や強酸性化物がきのこの栽培に悪影響を与えるのを
防ぐ。それと共に、培地中のおが屑の組成物のセルロー
ズ等の有機物を充分に分解、醗酵させて、そのおが屑か
らきのこが栄養を余すところなく充分に吸収できるよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、えのき茸、椎茸、なめ
こ等のきのこを人工栽培するきのこの栽培方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】死物寄生菌のえのき茸、椎茸、なめこ等
のきのこをおが屑を主体とする培地を用いて人工栽培す
ることが広く行われている。
【0003】このきのこを人工栽培する培地に用いるお
が屑は、充分に醗酵させて熟成させた古いもの程良いこ
とが知られている。
【0004】その理由は、未熟成のおが屑は、その組成
物のセルローズ等の有機物が充分に分解されて醗酵した
状態になく、そのおが屑からきのこが栄養を充分に吸収
できないからである。
【0005】また、未熟成のおが屑には、樹脂や樹脂酸
等の有害物が含まれていて、その未熟成のおが屑を用い
てきのこを栽培した場合に、きのこが前記有害物の悪影
響を受けるからである。
【0006】そのため、きのこの栽培に用いる未熟成の
おが屑は、屋外の田畑等で半年ないし1年程度の長期間
雨ざらし状態に放置して、そのおが屑を醗酵、熟成させ
ている。そして、そのおが屑の組成物のセルローズ等の
有機物を分解、醗酵させている。それと共に、そのおが
屑に含まれる樹脂や樹脂酸等の有害物をおが屑に降り掛
かる雨水でおが屑外部に洗い流して排除している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにして、未熟成のおが屑を屋外で長期間雨ざらし状
態に放置した場合においても、そのおが屑の組成物のセ
ルローズ等の有機物が未だ充分に分解、醗酵せずに、そ
のおが屑からきのこが栄養を充分に吸収できなかった。
【0008】また、おが屑に含まれる樹脂や樹脂酸等の
有害物が、おが屑から完全に抜けきれずに、おが屑に残
存し続けて、そのおが屑を用いて栽培するきのこに悪影
響を与えた。
【0009】また、近時は、住宅建築のプレハブ化、鉄
骨化が進んで、おが屑を大量に入手することが益々困難
となっている。
【0010】そのため、特開昭58−170411号公
報、特開昭61−212227号公報に記載されたよう
な、きのこの栽培に用いたおが屑を主体とする培地を、
きのこの栽培に再度利用するきのこの栽培方法が提案さ
れている。
【0011】しかしながら、これらのきのこの栽培方法
においては、きのこの栽培に用いた使用済の培地を用い
てきのこを栽培した場合に、その培地中の未熟成のおが
屑が培地に含まれる醗酵菌で醗酵して醗酵熱を発し、培
地が高温となってしまった。そして、その培地中のきの
この菌糸が弱体化したり死滅したりして、良品質のきの
こを生育できなかった。
【0012】また、培地中に添加された米ぬかが、きの
こを栽培中に培地に散布された水で加水分解されて、培
地中に強酸性化物が形成された。そして、その強酸性化
物がきのこの栽培に用いた使用済の培地を用いて栽培す
るきのこに悪影響を与えた。
【0013】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、きのこの栽培に用いたおが屑を主体とする培
地をきのこの栽培に再度用いるきのこの栽培方法であっ
て、きのこの栽培中に、培地中のおが屑が醗酵して醗酵
熱を発し、培地が高温となる虞のないきのこの栽培方法
を提供することを目的としている。
【0014】また、培地中のおが屑の組成物のセルロー
ズ等の有機物が充分に分解、醗酵した状態となって、そ
のおが屑からきのこが栄養を余すところなく充分に吸収
できるきのこの栽培方法を提供することをもう一つの目
的としている。
【0015】また、培地中のおが屑から樹脂や樹脂酸等
の有害物が完全に排除されて、その有害物がきのこの栽
培に悪影響を与える虞のないきのこの栽培方法を提供す
ることをもう一つの目的としている。
【0016】また、きのこの栽培に用いた培地中に生じ
た強酸性化物が排除されて、その強酸性化物がきのこの
栽培に用いた培地を用いて栽培するきのこに悪影響を与
える虞のないきのこの栽培方法を提供することをさらに
もう一つの目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1のきのこの栽培方法は、きのこの栽培
に用いたおが屑を主体とする培地を再度用いてきのこを
栽培するきのこの栽培方法であって、きのこの栽培に用
いた前記培地を攪拌して、前記培地の内部に外気を補給
したり、前記培地に水を補給したりしながら、きのこの
栽培に用いた前記培地に含まれる醗酵菌を用いて、前記
培地中のおが屑を醗酵させ、そのおが屑の醗酵熱が消失
して、前記培地が常温状態に戻った後に、その培地を用
いてきのこを栽培することを特徴としている。
【0018】本発明の第1のきのこの栽培方法において
は、きのこの栽培に用いた培地に含まれる醗酵菌に加え
て、前記培地に醗酵菌を新たに添加して、前記培地中の
おが屑を醗酵させることを好適としている。
【0019】本発明の第2のきのこの栽培方法は、本発
明の第1のきのこの栽培方法において、きのこの栽培に
用いた培地中のおが屑を醗酵させ、そのおが屑の醗酵熱
が消失して、前記培地が常温状態に戻った後に、その培
地にきのこの栽培に用いる前の未使用の培地を添加し、
それらの培地を混合してなる混合培地を用いてきのこを
栽培することを特徴としている。
【0020】
【作用】本発明の第1のきのこの栽培方法においては、
きのこの栽培に用いた培地を攪拌して、前記培地の内部
に外気を補給したり、きのこの栽培に用いた培地に水を
補給したりしながら、きのこの栽培に用いた培地を醗酵
させている。
【0021】そのため、きのこの栽培に用いた培地を屋
外で長期間雨ざらし状態に放置して、その培地中のおが
屑を醗酵させた場合に比べて、天候に左右されずに、培
地中のおが屑に水分を過不足なく補給できる。それと共
に、培地の内部に外気を万遍なく強制的に補給して、培
地に含まれる醗酵菌を活性化できる。そして、培地中の
おが屑を万遍なく早期に醗酵させることができる。
【0022】また、本発明の第1のきのこの栽培方法に
おいては、培地中のおが屑を、きのこの栽培に用いる前
に、屋外で雨ざらし状態に長期間放置する等して、醗酵
させるのに加えて、きのこの栽培に使用した後に、再度
醗酵させている。その際には、その培地中のおが屑の醗
酵熱が消失して、培地が常温状態に戻るまで、おが屑を
充分に醗酵させている。換言すれば、培地中のおが屑を
2回以上に亙って繰り返し充分に醗酵させている。
【0023】そのため、その繰り返し充分に醗酵させた
おが屑を含む培地を用いてきのこを栽培した場合に、培
地中のおが屑が培地に含まれる醗酵菌で醗酵して醗酵熱
を発し、培地が高温となることがない。そして、その培
地を用いて栽培するきのこがおが屑の醗酵熱の悪影響を
受けるのを防止できる。
【0024】また、上記のようにして、培地中のおが屑
を繰り返し充分に醗酵させるため、おが屑の組成物のセ
ルローズ等の有機物が充分に分解、醗酵した状態とな
る。そして、そのおが屑からきのこが栄養を余すところ
なく充分に吸収し易くできる。
【0025】また、上記のようにして、培地中のおが屑
を繰り返し充分に醗酵させるため、おが屑の内部に存在
する樹脂や樹脂酸等の有害物が、培地中のおが屑を醗酵
させる際に培地に降り掛かる雨水や培地に補給される水
で培地外部に洗い流されて、培地から完全に排除され
る。そして、その培地を用いて栽培するきのこが、前記
有害物の悪影響を受けるのを防止できる。
【0026】また、上記のようにして、きのこの栽培に
用いた培地に水を補給して培地中のおが屑を充分に醗酵
させるため、きのこを栽培した際に形成されたきのこの
栽培に用いた培地中に含まれる強酸性化物の多くが、培
地中のおが屑を醗酵させた際に培地に補給する水で培地
外部に洗い流されて、培地外部に排除される。そして、
その培地が、きのこの栽培に最適な弱酸性化状態とな
る。そして、その培地を用いて栽培するきのこが、前記
強酸性化物の悪影響を受けるのを防止できる。
【0027】また、きのこの栽培に用いた培地に含まれ
る醗酵菌に加えて、前記培地に醗酵菌を新たに添加し
て、前記培地中のおが屑を醗酵させる本発明の第1のき
のこの栽培方法にあっては、きのこの栽培に用いた培地
に含まれる醗酵菌が弱体化したり減少したりしていて
も、培地に新たに加える醗酵菌で、培地に含まれる醗酵
菌を活性化したり増加させたりできる。そして、それら
の醗酵菌を用いて、培地中のおが屑を万遍なく早期に充
分に醗酵させることができる。
【0028】本発明の第2のきのこの栽培方法において
は、きのこの栽培に用いた使用済の培地にきのこの栽培
に用いる前の未使用の培地を添加し、それらの培地を混
合してなる混合培地を用いてきのこを栽培するため、き
のこの栽培に用いた使用済の培地中のおが屑や米ぬか等
に含まれる栄養が、その使用済の培地を用いて従前に生
育したきのこに吸収し尽くされて、不足した状態にあっ
ても、その使用済の培地にきのこの栽培に用いる前の未
使用の培地中の栄養を多量に含むおが屑や米ぬか等を補
給できる。そして、それらの使用済の培地と未使用の培
地とを混合してなる栄養を充分に含む混合培地を用いて
きのこを栄養不足に陥らせずに順調に生育できる。
【0029】また、本発明の第1のきのこの栽培方法と
同様にして、きのこの栽培に用いた使用済の培地中のお
が屑を繰り返し充分に醗酵させるため、その使用済の培
地と未使用の培地とを混合してなる混合培地を用いてき
のこを栽培した際に、使用済の培地中のおが屑が培地に
含まれる醗酵菌で醗酵して、その醗酵熱の悪影響をきの
こが受けるのを防止できる。
【0030】また、本発明の第1のきのこの栽培方法と
同様にして、きのこの栽培に用いた使用済の培地中のお
が屑を繰り返し充分に醗酵させるため、その使用済の培
地中のおが屑のセルローズ等の有機物が充分に分解、醗
酵した状態となる。そして、そのおが屑からきのこが栄
養を余すところなく充分に吸収し易くできる。
【0031】また、本発明の第1のきのこの栽培方法と
同様にして、きのこの栽培に用いた使用済の培地に水を
補給して培地中のおが屑を繰り返し充分に醗酵させるた
め、その使用済の培地中のおが屑を醗酵させる際に、お
が屑に含まれる樹脂や樹脂酸等の有害物が培地に補給さ
れる水で培地外部に洗い流されて完全に排除される。そ
して、その使用済の培地を含む混合培地を用いて栽培す
るきのこが使用済の培地中のおが屑に含まれる前記有害
物の悪影響を受けるのを防止できる。
【0032】また、本発明の第1のきのこの栽培方法と
同様にして、きのこの栽培に用いた使用済の培地に水を
補給して培地中のおが屑を充分に醗酵させるため、その
使用済の培地中に形成された強酸性化物の多くが培地に
補給される水で培地から洗い流されて培地外部に排除さ
れる。そして、その使用済の培地が、弱酸性化状態とな
る。そして、その使用済の培地を含む混合培地を用いて
栽培するきのこが前記強酸性化物の悪影響を受けるのを
防止できる。
【0033】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。
【0034】ナラ、ブナ等の広葉樹から取得したおが屑
を、屋外で半年ないし1年間等の長期間雨ざらし状態に
放置する。又は、ナラ、ブナ等の広葉樹から取得したお
が屑を、屋内等に置いて、攪拌してその内部に空気を補
給し続けたり、水を振り掛ける等して補給し続けたりす
る。そして、そのおが屑を醗酵、熟成させる。そして、
おが屑の組成物のセルローズ等の有機物を分解、醗酵さ
せる。それと共に、おが屑に含まれる樹脂や樹脂酸等の
有害物を、おが屑に降り掛かる雨水やおが屑に振り掛け
る水でおが屑から洗い流して、おが屑外部に排除する。
【0035】次いで、その熟成済のおが屑に米ぬかを添
加、混合して、きのこの栽培に用いる培地を形成する。
そして、その培地をきのこ栽培瓶に充填等する。
【0036】次いで、そのきのこ栽培瓶等に充填した培
地を蒸気殺菌釜等に入れて、蒸気滅菌する。そして、培
地中に生息する雑菌を死滅させる。
【0037】次いで、その培地にえのき茸、椎茸、なめ
こ等のきのこの種菌を接種する。そして、その培地にき
のこの菌糸を蔓延させる。そして、そのきのこの菌糸か
らきのこの子実体を培地外部に発芽させる。そして、そ
のきのこの子実体を培地中から栄養を吸収させながら収
穫可能なまでに生育する。
【0038】その後、えのき茸、椎茸、なめこ等のきの
この子実体を培地から掻き取る等して収穫する。
【0039】以上の工程は、従来一般のきのこの栽培方
法であるが、本発明の第1のきのこの栽培方法は、次の
ようにして、きのこの栽培に用いた上記培地を再度用い
て、きのこを栽培する。
【0040】即ち、上記のようにして、きのこの栽培に
用いた使用済の培地をきのこ栽培瓶内から掻き出す等し
て、その使用済の培地に含まれるおが屑を、培地中に含
まれる醗酵菌を用いて、再度醗酵させる。
【0041】その際には、使用済の培地を攪拌して、そ
の使用済の培地の内部に外気を補給したり、その使用済
の培地に水を振り掛ける等して補給したりしながら、そ
の使用済の培地中のおが屑を万遍なく充分に醗酵させ
る。
【0042】加えて、使用済の培地に含まれる醗酵菌が
弱体化したり減少したりしている場合を考えて、使用済
の培地中のおが屑を効率良く確実に早期に醗酵させるた
めに、おが屑を強制醗酵させるのに好適な醗酵菌を使用
済の培地に新たに添加する。そして、その使用済の培地
中のおが屑を万遍なく確実に早期に醗酵させる。
【0043】その際には、使用済の培地中のおが屑の醗
酵熱が消失して、使用済の培地が常温状態に戻るまで、
培地中のおが屑を充分に醗酵させる。そして、おが屑の
組成物のセルローズ等の有機物を完全に分解、醗酵させ
る。そして、使用済の培地中のおが屑からきのこが余す
ところなく充分に栄養を吸収できるようにする。
【0044】それと共に、使用済の培地中のおが屑に含
まれる樹脂や樹脂酸等の有害物を、培地に振り掛ける等
して補給する水でおが屑から洗い流して、おが屑外部に
完全に排除する。そして、使用済の培地を用いて栽培す
るきのこが前記有害物の悪影響を受けるのを防ぐ。
【0045】さらに、使用済の培地中に含まれる強酸性
化物の多くを、培地に振り掛ける等して補給する水で培
地から洗い流して、培地外部に排除する。そして、その
使用済の培地を、弱酸性化状態とする。そして、使用済
の培地を用いて栽培するきのこが前記強酸性化物の悪影
響を受けるのを防ぐ。
【0046】次いで、その充分に醗酵させたおが屑を含
む使用済の培地を、前記と同様にして、きのこ栽培瓶に
充填等して、蒸気滅菌し、その使用済の培地にえのき
茸、椎茸、なめこ等のきのこの種菌を接種する。そし
て、きのこの菌糸を培地に蔓延させて、そのきのこの菌
糸からきのこの子実体を培地外部に発芽させる。そし
て、そのきのこの子実体を培地中から栄養を吸収させな
がら収穫可能なまでに生育する。
【0047】その後、そのえのき茸、椎茸、なめこ等の
きのこの子実体を培地から掻き取る等して収穫する。
【0048】本発明の第1のきのこの栽培方法は、以上
の工程からなる。
【0049】次に、本発明の第2のきのこの栽培方法を
説明する。
【0050】本発明の第2のきのこの栽培方法において
は、上述本発明の第1のきのこの栽培方法と同様にし
て、きのこ栽培瓶から掻き出す等して得たきのこの栽培
に用いた使用済の培地を攪拌して、その使用済の培地の
内部に外気を補給し続けたり、その使用済の培地に水を
振り掛ける等して補給し続けたり、その使用済の培地に
おが屑を強制醗酵させるための醗酵菌を新たに添加した
りする。そして、その使用済の培地に含まれる醗酵菌や
その使用済の培地に新たに添加した醗酵菌を用いて、そ
の使用済の培地中のおが屑を醗酵させる。
【0051】その際には、培地中のおが屑の醗酵熱が消
失して、使用済の培地が常温状態に戻るまで、培地中の
おが屑を充分に醗酵させる。そして、その使用済の培地
を用いてきのこを栽培した際に、その使用済の培地中の
おが屑が醗酵して醗酵熱を発するのを防ぐ。
【0052】それと共に、その使用済の培地中のおが屑
の組成物のセルローズ等の有機物を余すところなく完全
に分解、醗酵させる。そして、その使用済の培地を用い
て栽培するきのこが、使用済の培地中のおが屑から栄養
を余すところなく充分に吸収できるようにする。
【0053】さらに、その使用済の培地中のおが屑に含
まれる樹脂や樹脂酸等の有害物を、培地に振り掛ける等
して補給する水で培地から洗い流して、培地外部に完全
に排除する。そして、その使用済の培地を用いて栽培す
るきのこが、前記有害物の悪影響を受けるのを防ぐ。
【0054】加えて、使用済の培地中に含まれる強酸性
化物の多くを、培地中のおが屑を醗酵させる際に培地に
振り掛ける等して補給する水で培地から洗い流して、培
地外部に排除する。そして、その使用済の培地を、弱酸
性化する。そして、その使用済の培地を用いて栽培する
きのこが、前記強酸性化物の悪影響を受けるのを防ぐ。
【0055】次いで、その充分に醗酵させたおが屑を含
む使用済の培地にきのこの栽培に用いる前の未使用の培
地を添加する。この未使用の培地には、前述屋外で雨ざ
らし状態に長期間放置して充分に醗酵、熟成させた未使
用のおが屑、又は屋内等に置いて、攪拌して、その内部
に外気を補給し続けたり、水を振り掛ける等して補給し
続けたり、醗酵菌を添加したりして、充分に強制醗酵さ
せた未使用のおが屑に未使用の米ぬか等を添加、混入し
たものを用いる。そして、それらの使用済の培地と未使
用の培地とを混合してなるきのこ栽培用の混合培地を形
成する。
【0056】そして、使用済の培地中のおが屑や米ぬか
等に含まれる栄養が、その培地を用いて従前に生育した
きのこに吸収し尽くされて、不足した状態にあっても、
その使用済の培地に前記未使用の培地を添加、混合する
ことにより、前記使用済の培地に未使用の培地中のおが
屑や米ぬか等に含まれる栄養を充分に補給できるように
する。そして、それらの使用済の培地と未使用の培地と
を混合してなる混合培地を用いて栽培するきのこが栄養
不足に陥るのを防ぐ。
【0057】それと共に、使用済の培地に含まれるおが
屑や米ぬか等を繰り返し有効利用して、きのこの栽培に
用いる培地形成材料を節約できるようにする。
【0058】次いで、それらの使用済の培地と未使用の
培地とを混合してなる混合培地を、前述本発明の第1の
きのこの栽培方法と同様にして、きのこ栽培瓶に充填等
して、蒸気滅菌し、その混合培地にえのき茸、椎茸、な
めこ等のきのこの種菌を接種する。そして、きのこの菌
糸を混合培地に蔓延させて、そのきのこの菌糸からきの
この子実体を混合培地外部に発芽させる。そして、その
きのこの子実体を混合培地中から栄養を吸収させながら
収穫可能なまでに生育する。
【0059】その後、そのえのき茸、椎茸、なめこ等の
きのこの子実体を混合培地から掻き取る等して収穫す
る。
【0060】本発明の第2のきのこの栽培方法は、以上
の工程からなる。
【0061】なお、上述本発明の第2のきのこの栽培方
法において、きのこの栽培に再利用する使用済の培地に
は、きのこの栽培に2回以上繰り返し用いた使用済の培
地を用いても良く、そのようにしても、上述本発明の第
2のきのこの栽培方法と同様にして、きのこの栽培に2
回以上繰り返し用いた使用済の培地に栄養を充分に含む
きのこの栽培に未使用の培地を添加、混合して、それら
の使用済の培地と未使用の培地とを混合してなる混合培
地を用いてきのこを順調に生育できる。
【0062】また、上述本発明の第1又は第2のきのこ
の栽培方法において、きのこの栽培に用いた使用済の培
地中に醗酵菌が充分に存在する場合には、きのこの栽培
に用いた使用済の培地におが屑を強制醗酵させるための
醗酵菌を新たに添加せずに、きのこの栽培に用いた使用
済の培地中に存在する醗酵菌を用いて、その使用済の培
地中のおが屑を醗酵させても良く、そのようにしても、
上述本発明の第1又は第2のきのこの栽培方法と同様に
して、きのこの栽培に用いた使用済の培地中のおが屑を
醗酵させ、その使用済の培地中のおが屑の醗酵熱が消失
して、培地が常温状態に戻るまで、その使用済の培地中
のおが屑を充分に醗酵させることができる。
【0063】実験によれば、従来のきのこの栽培方法に
より、きのこの栽培に未使用の培地を用いてその培地中
からきのこの子実体を培地外部に発芽させた場合には、
きのこの子実体を発芽させた培地表面部分において、き
のこの子実体が発芽しない箇所が3〜5%生じてしまっ
た。
【0064】それに対して、上述本発明の第1又は第2
のきのこの栽培方法により、きのこの栽培に用いた使用
済の培地又はその使用済の培地にきのこの栽培に未使用
の培地を添加、混合してなる混合培地を用いてそれらの
培地中からきのこの子実体を培地外部に発芽させた場合
には、きのこの子実体を発芽させた培地表面部分の全体
に亙ってきのこの子実体が万遍なく揃って発芽し、その
培地表面部分のきのこの子実体が発芽しない箇所がほぼ
皆無となることが判明した。
【0065】そして、本発明の第1又は第2のきのこの
栽培方法によりきのこを栽培すれば、従来のきのこの栽
培方法によりきのこを栽培した場合と比べて、きのこの
収穫量が、10%以上向上することが判明した。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第1又は
第2のきのこの栽培方法によれば、きのこの栽培に用い
た使用済の培地を繰り返し有効利用して、えのき茸、椎
茸、なめこ等のきのこを人工栽培できる。そして、きの
こ栽培用の培地形成材料の入手し難いおが屑等の省資源
化が図れる。
【0067】また、きのこの栽培に用いた使用済の培地
中のおが屑が醗酵して、そのおが屑の醗酵熱の悪影響を
使用済の培地を用いて栽培するきのこが受けるのを確実
に防止できる。
【0068】また、きのこの栽培に用いた使用済の培地
中のおが屑の組成物のセルローズ等の有機物を充分に分
解、醗酵させて、そのおが屑に含まれる栄養をきのこが
余すところなく充分に吸収し易くできる。そして、おが
屑に含まれる栄養を余すところなく有効利用できる。
【0069】また、きのこの栽培に用いた使用済の培地
中のおが屑に含まれる樹脂や樹脂酸等の有害物を培地外
部に完全に排除して、その有害物が使用済の培地を用い
て生育するきのこに悪影響を与えるのを防止できる。
【0070】また、きのこの栽培に用いた使用済の培地
に含まれる強酸性化物の多くを培地外部に排除して、そ
の強酸性化物が使用済の培地を用いて栽培するきのこに
悪影響を与えるのを防止できる。
【0071】そして、きのこの栽培に用いた使用済の培
地を用いて、きのこを収穫するまでに順調に生育でき
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 きのこの栽培に用いたおが屑を主体とす
    る培地を再度用いてきのこを栽培するきのこの栽培方法
    であって、きのこの栽培に用いた前記培地を攪拌して、
    前記培地の内部に外気を補給したり、前記培地に水を補
    給したりしながら、きのこの栽培に用いた前記培地に含
    まれる醗酵菌を用いて、前記培地中のおが屑を醗酵さ
    せ、そのおが屑の醗酵熱が消失して、前記培地が常温状
    態に戻った後に、その培地を用いてきのこを栽培するこ
    とを特徴とするきのこの栽培方法。
  2. 【請求項2】 きのこの栽培に用いた培地に含まれる醗
    酵菌に加えて、前記培地に醗酵菌を新たに添加して、前
    記培地中のおが屑を醗酵させる請求項1記載のきのこの
    栽培方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のきのこの栽培方法
    において、きのこの栽培に用いた培地中のおが屑を醗酵
    させ、そのおが屑の醗酵熱が消失して、前記培地が常温
    状態に戻った後に、その培地にきのこの栽培に用いる前
    の未使用の培地を添加し、それらの培地を混合してなる
    混合培地を用いてきのこを栽培することを特徴とするき
    のこの栽培方法。
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