JPH08307467A - 周波数検波回路 - Google Patents

周波数検波回路

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Publication number
JPH08307467A
JPH08307467A JP12919495A JP12919495A JPH08307467A JP H08307467 A JPH08307467 A JP H08307467A JP 12919495 A JP12919495 A JP 12919495A JP 12919495 A JP12919495 A JP 12919495A JP H08307467 A JPH08307467 A JP H08307467A
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JP
Japan
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signal
circuit
output
clock signal
difference
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Application number
JP12919495A
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English (en)
Inventor
Kenzo Urabe
健三 占部
Morihito Sugiura
守人 杉浦
Hiroki Suzuki
裕樹 鈴木
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Kokusai Electric Corp
Original Assignee
Kokusai Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路規模が小さくIC化に適した周波数検波
回路を提供する。 【構成】 レベルコンパレータ16からは、受信信号I
Nの周波数変換信号を2値ディジタル化した変換信号が
送出される。移動平均回路19、20は、上記変換信号
とクロック信号CIおよびCQ(位相がクロック信号C
Iよりπ/2だけ進んでいる)との位相差を示すデータ
I、Qを出力する。差分回路21、22はデータI、Q
の時間変化に伴なう差分ΔI、ΔQを出力する。切替回
路は所定の規範に従って、差分ΔIおよびデータQの最
上位ビット又は差分ΔQおよびデータIの最上位ビット
を出力する。ディジタル極性切替回路は差分ΔI、ΔQ
の極性をデータI、Qの最上位ビットで切替えて検波出
力OUTを得て、送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数変調波を受信す
る無線受信機に用いられる周波数検波回路に係り、特に
回路規模が小さくIC化に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】受信信号を中間周波信号に周波数変換し
て、受信処理を行なうヘテロダイン方式に比較して、ダ
イレクトコンバージョン方式は、イメージ除去用のフロ
ントエンドフィルタを必要とせず、回路の小規模化に適
することは、従来よりよく知られている。このダイレク
トコンバージョン方式の従来の周波数検波回路の回路構
成を図5に示す。同図において、直交検波回路1は、受
信信号IN(周波数変調波)を入力し、局部発振回路2
からの局部発振信号(上記受信信号の中心周波数と同一
周波数となっている)を用いて、いわゆる直交検波を行
ない、ベースバンド信号の同相成分信号iおよび直交成
分信号qを出力する。微分器3は、同相成分信号iを入
力し、この時間微分di/dtを得て、これを送出する
回路であり、また、微分器4は、直交成分信号qを入力
し、この時間微分dq/dtを得て、これを出力する回
路である。乗算器5は微分器3からの出力すなわちdi
/dtと直交検波回路1からの直交成分信号qとを乗算
し、乗算値を出力する回路であり、乗算器6は、微分器
4からの出力すなわちdq/dtと直交検波回路1から
の同相成分信号iとを乗算し、乗算値を出力する回路で
ある。加算器7は、上記乗算器5および6からの出力を
取込み、両者の差(以下、これを信号Xという)を得
て、この信号Xを送出する回路である。
【0003】自乗和演算回路8は、直交検波回路1から
の同相成分信号iおよび直交成分信号qを取込み、前記
受信信号INの電力値に対応するY=i2 +q2 (以
下、これを信号Yという)を得て、この信号Yを送出す
る回路である。除算器9は、上記信号Xと信号Yを取込
み、両者の比すなわちX/Yを得て、これを検波出力O
UTとして出力する回路である。
【0004】以上のように構成されている従来のダイレ
クトコンバージョン方式の周波数検波回路では、例え
ば、いま、受信信号INの振幅をAとし、周波数変調に
基づく瞬時位相成分をθとすると、前記同相成分信号i
および直交成分信号qはそれぞれ下記の2式で表わされ
る。
【0005】i=Acosθ q=Asinθ これら2式より上記信号XおよびYを求めると、次のよ
うになる。
【0006】 X=i・dq/dt−q・di/dt =A2 cos2 θ・dθ/dt+A2 sin2 θ・dθ/dt =A2 ・dθ/dt Y=i2 +q2 =A2 cos2 θ+A2 sin2 θ=A2 そして除算器9からの検波出力OUTは、次のようにな
る。
【0007】OUT=X/Y=dθ/dt すなわち上記検波出力OUTは、瞬時位相成分θの微分
値となっており、これは周波数変調成分に他ならず、周
波数検波が行なわれたことになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の周
波数検波回路をトランジスタやオペアンプを利用してア
ナログ回路で構築しようとすると、自乗和演算回路8や
除算器9の実現が極めて困難となる。別の方法として、
前記同相成分信号iおよび直交成分信号qをA/D変換
器を用いてディジタルデータ化し、以後の各処理を全て
ディジタル回路で対応しようとした場合には、乗算器
5、乗算器6、自乗和演算回路8および除算器9等に語
長の長いディジタル乗算回路や関数テーブルROM等が
必要となり、回路規模が著しく大きくなる。
【0009】特に、上記のような周波数検波回路を移動
通信に利用する場合、前記受信信号INの振幅値Aのダ
イナミックレンジは、少なくても60dB(約1000
倍)以上は必要であり、このダイナミックレンジに対応
する分だけでも10ビット(210=1024)を必要と
する。すなわち、この場合は、A/D変換器を含めて、
全ての乗算回路および関数テーブルROMの必要語長や
容量が現実的な規模を越えてしまう。
【0010】本発明は、上記の如き事情に鑑みてなされ
たものであり、回路規模が比較的小さくIC化に適した
新たな回路構成の周波数検波回路の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、周波数検波回路の構成を以下のようにし
た。すなわち、受信した周波数変調波の中心周波数と同
一の周波数の発振信号を出力する局部発振回路と、上記
局部発振回路からの発振信号とこの発振信号の位相をπ
/2だけずらした信号とを用い、上記の受信した周波数
変調波を直交検波して、ベースバンド信号の同相成分信
号iおよび直交成分信号qを出力する直交検波回路と、
周波数が、上記同相成分信号iおよび直交成分信号qの
周波数帯域のL倍(ここでL>2)となっている第1の
クロック信号、この第1のクロック信号と位相がπ/2
だけずれている第2のクロック信号、周波数が上記第1
のクロック信号のM倍(ここでM>L)となっている第
3のクロック信号および周波数が上記第1のクロック信
号のN倍(ここでN>M)となっている第4のクロック
信号を発生するクロック発生回路と、上記同相成分信号
iおよび上記第1のクロック信号を入力し、このクロッ
ク信号の極性が+1のときは、上記同相成分信号iその
ものを出力し、他方、上記極性が−1のときは、上記同
相成分信号iの極性を反転したものを出力する第1のア
ナログ極性切替回路と、上記直交成分信号qおよび上記
第2のクロック信号を入力し、このクロック信号の極性
が+1のときは、上記直交成分信号qそのものを出力
し、他方、上記極性が−1のときは、上記直交成分信号
qの極性を反転したものを出力する第2のアナログ極性
切替回路と、上記第1のアナログ極性切替回路の出力と
上記第2のアナログ極性切替回路の出力とを取込み、両
出力を加算し、その加算結果を出力する加算器と、上記
加算器の出力を入力し、所要信号成分の帯域を抽出して
送出するバンドパスフィルタと、上記バンドパスフィル
タの出力を入力し、これを2値レベルの信号に整形して
送出するレベルコンパレータと、上記レベルコンパレー
タの出力と前記第1のクロック信号とを取込み、両者の
排他的論理和を得て、これを出力する第1の排他的論理
和ゲートと、上記レベルコンパレータの出力と前記第2
のクロック信号とを取込み、両者の排他的論理和を得
て、これを出力する第2の排他的論理和ゲートと、上記
第1の排他的論理和ゲートよりの出力を前記第4のクロ
ック信号によりサンプリングしていき、順次、過去の所
定回数に亘るサンプリングでサンプル値が1であった回
数を求める第1の移動平均回路と、上記第2の排他的論
理和ゲートよりの出力を前記第4のクロック信号により
サンプリングしていき、順次、過去の所定回数に亘るサ
ンプリングで、サンプル値が1であった回数を求める第
2の移動平均回路と、上記第1の移動平均回路の出力を
上記第3のクロック信号により、順次、サンプリングし
ていき、前回のサンプル値と今回のサンプル値との差分
をディジタル値として得て、この差分を出力していく第
1の差分回路と、上記第2の移動平均回路の出力を上記
第3のクロック信号により、順次、サンプリングしてい
き、前回のサンプル値と今回のサンプル値との差分をデ
ィジタル値として得て、この差分を出力していく第2の
差分回路と、上記第1および第2の差分回路からの出
力、第1および第2の移動平均回路からの出力データの
最上位ビットデータ並びに第1および第2の差分回路か
らの出力のいずれか一方を入力し、上記第1および第2
の移動平均回路からの2つの出力データのうち、それぞ
れのダイナミックレンジの中心値へ相対的に近い値を示
している方の出力データに係る前記差分および上記2つ
の出力データのうち、それぞれのダイナミックレンジの
中心値へ相対的に遠い値を示している方の出力データの
最上位ビットデータを、それぞれ切替差分値および切替
最上位ビットデータとして出力する切替回路と、ディジ
タル値である上記切替差分値の極性を、上記切替最上位
ビットデータによって切替えて周波数検波出力を得て、
これを出力するディジタル極性切替回路とを備える構成
とした。
【0012】
【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて、本発明
を具体的に説明する。図1は、本実施例の回路構成を示
すものである。同図において、受信信号INすなわち周
波数変調波を入力する直交検波回路1およびこの直交検
波回路1に受信信号INの中心周波数と同一周波数の発
振信号を与える局部発振回路2は、それぞれ従来例を示
す図5における直交検波回路1および局部発振回路2と
同様の構成および機能を持つものであり、これらによ
り、上記受信信号INは、いわゆる通常の直交検波が施
され、直交検波回路1からは、前記同相成分信号iおよ
び直交成分信号qが送出される。クロック発生回路11
は、上記同相成分信号iおよび直交成分信号qの帯域の
L倍(ここでL>2)の周波数のクロック信号CIと、
このクロック信号CIと同一周波数で位相がπ/2だけ
進んでいるクロック信号CQと、上記クロック信号CI
の周波数のM倍(ここでM>L)の周波数のクロック信
号CMと、上記クロック信号CIの周波数のN倍(ここ
でN>M)の周波数のクロック信号CNとの4種類のク
ロック信号を送出している回路である。
【0013】アナログ極性切替回路12は、上記同相成
分信号iおよびクロック信号CIを入力し、クロック信
号CIの極性が正すなわち+1のときは、同相成分信号
iそのもの(すなわち同相成分信号iにクロック信号C
Iの極性である+1を乗じたものと同じになる)を出力
し、他方、クロック信号CIの極性が負すなわち−1の
ときは、同相成分信号iの極性を反転したもの(結果的
に、同相成分信号iに−1を乗じたものと同じになる)
を送出する回路部である。アナログ極性切替回路13は
上記直交成分信号qおよびクロック信号CQを入力し、
クロック信号CQの極性が正すなわち+1のときは直交
成分信号qそのものを出力し、他方、クロック信号CQ
の極性が負すなわち−1のときは直交成分信号qの極性
を反転したもの(結果的に、直交成分信号qに−1を乗
じたものと同じになる)を出力する回路部である。
【0014】加算器14は、上記アナログ極性切替回路
12の出力およびアナログ極性切替回路13の出力を入
力し、両出力を加算し、その加算結果を出力する回路部
である。バンドパスフィルタ15は、加算器14の出力
を入力し、所要信号成分の帯域だけを抽出して出力する
回路部である。レベルコンパレータ16は、バンドパス
フィルタ15からの出力を入力し、これを2値のディジ
タル信号に整形して送出する回路部である。
【0015】排他的論理和ゲート17は、上記レベルコ
ンパレータ16からのディジタル信号と前記クロック信
号CIとを入力し、両信号の排他的論理和を得て、これ
を信号aとして出力する回路部である。排他的論理和ゲ
ート18は、上記レベルコンパレータ16からのディジ
タル信号と前記クロック信号CQとを入力し、両信号の
排他的論理和を得て、これを信号bとして出力する回路
部である。移動平均回路19は、後述の構成となってお
り、上記排他的論理和ゲート17の出力すなわち信号a
を前記クロック信号CNによりサンプリングしていき、
順次、過去m回に亘るサンプリングでサンプル値が1で
あった回数(すなわち過去m回におけるサンプリング
で、サンプル値が1であった頻度)を得て、これをデー
タIとして送出する回路である。また、移動平均回路2
0は、上記移動平均回路19と同様の構成となってお
り、上記排他的論理和ゲート18の出力すなわち信号b
を前記クロック信号CNによりサンプリングしていき、
順次、過去m回に亘るサンプリングでサンプル値が1で
あった回数を得て、これをデータQとして送出する回路
である。
【0016】差分回路21は、移動平均回路19からの
出力すなわちデータIを前記クロック信号CMにより、
順次、サンプリングしていき、前回のサンプル値と今回
のサンプル値との差分ΔIをディジタル値として得て、
この差分ΔIを出力していく回路である。差分回路22
は、移動平均回路20からの出力すなわちデータQを前
記クロック信号CMにより、順次、サンプリングしてい
き、前回のサンプル値と今回のサンプル値との差分ΔQ
をディジタル値として得て、この差分ΔQを出力してい
く回路である。
【0017】切替回路23は、上記差分回路21からの
差分ΔI、差分回路22からの差分ΔQ、上記データI
の最上位ビットデータMI、データQの最上位ビットデ
ータMQ、およびデータQを入力し、データQとこのデ
ータQのダイナミックレンジの中心値との差の絶対値を
所定のしきい値と比較することにより、データIとQの
いずれが、自己のダイナミックレンジの中心値に相対的
に近いか、遠いかを判断し(データIとQとは、互いに
直交した関係にある前記同期成分信号iと直交成分信号
qとから、それぞれ得られたものであり、一方がその上
記中心値に近いときは、他はその中心値に遠くなるとい
う相反的な関係にあるので、データI、Qの両方を入力
し、この両方に対して、上記のような判断をする必要は
ないのである)、近くなっていると判断した方のデータ
(データI又はQのいずれか)に係る前記差分(すなわ
ち、データIの方が、そのダイナミックレンジの中心値
に近くなっていると判断された時点においては、差分Δ
Iであり、他方、データQの方が、そのダイナミックレ
ンジの中心値に近くなっていると判断された時点におい
ては差分ΔQとなる)を切替差分値ΔXとして出力し、
更に、遠くなっていると判断した方のデータ(データI
又はQのいずれかであり、上記切替差分値ΔXになって
いる差分に係るデータでない方のデータ)の最上位ビッ
トデータを切替最上位ビットデータMXとして出力する
回路である。
【0018】ディジタル極性切替回路24は、ディジタ
ル値である上記切替差分値ΔXと切替最上位ビットデー
タMXとを入力し、切替差分値ΔXの極性を切替最上位
ビットデータMXにより、切替えて、周波数検波出力O
U丁すなわちベースバンド信号を得て、これを出力する
回路部である。
【0019】回路である。
【0020】図2は、前記移動平均回路19の構成を詳
細に示すものである。すなわち移動平均回路19は、い
ずれもクロック信号CNをクロック信号として動作する
mビットシフトレジスタ25とアップダウンカウンタ2
6とから構成されており、mビットシフトレジスタ25
は、排他的論理和ゲート17からの出力である信号aを
入力し、これにmビットだけの遅延を与えて、アップダ
ウンカウンタ26のダウンカウント端子に与える回路で
あり、またアップダウンカウンタ26は、アップカウン
ト端子に上記信号aそのものが与えられ、この信号aの
値が1である度にカウント値を1だけ大きいものにして
いき、他方ダウンカウント端子には上記mビットシフト
レジスタ25から送出されたmビットだけ遅延している
信号aが与えられ、この信号の値が1である度にカウン
ト値を1だけ小さいものにしていくカウンタ回路であ
る。従って、アップダウンカウンタ26のダウンカウン
ト端子に与えられた信号の値が1であるときには、必然
的にそれよりも(m+1)ビットだけ前(過去)にアッ
プカウント端子に与えられた信号aの値も1であり、両
値は、上記機能により相殺され、結局、このアップダウ
ンカウンタ26は、常に、信号aに対する過去m回のサ
ンプリングにおいてサンプル値が1であった頻度(回
数)、即ち、移動平均値をデータIとして出力すること
になる。
【0021】なお、前述のように移動平均回路20も上
記移動平均回路19と同様の構成となっており、こちら
は信号bに対する過去m回サンプリングにおいてサンプ
リング値が1であった頻度、即ち、移動平均値をデータ
Qとして出力することになる。
【0022】次に、以上の如くに構成された本実施例の
動作について説明する。受信信号INは、直交検波回路
1において直交検波され、この直交検波回路1からは、
前記同相成分信号iおよび直交成分信号qが送出され
る。これらは、クロック発生回路11からのクロック信
号CIおよびCQがそれぞれ与えられているアナログ極
性切替回路12および13並びに加算器14からなる回
路部で、再度、直交変調される。このためバンドパスフ
ィルタ15からの出力は上記受信信号INの周波数変換
信号となっており、その中心周波数は、クロック信号C
IおよびCQの周波数と同一となっている。
【0023】上記のようにして得られた周波数変換信号
は、レベルコンパレータ16で2値のディジタル信号に
整形された上で、クロック信号CIが入力している排他
的論理和ゲート17および移動平均回路19からなる回
路ブロック並びにクロック信号CQが入力している排他
的論理和ゲート18および移動平均回路20からなる回
路ブロックに送出され、クロック信号CIおよびCQと
の位相の比較が行なわれる。図3の(a)は、上記排他
的論理和ゲート17と移動平均回路19とからなる回路
ブロックの位相比較特性を示すものであり、また同図の
(b)は、上記排他的論理和ゲート18と移動平均回路
20とからなる回路ブロックの位相比較特性を示すもの
である。すなわち上記図3の(a)においては、横軸の
θはクロック信号CIと上記ディジタル信号化された周
波数変換信号との位相差であり、縦軸は前記データIで
ある。また同図の(b)においては横軸のθはクロック
信号CQと上記ディジタル信号化された周波数変換信号
との位相差であり、縦軸は、前記データQである。図3
の(a)は、以下のことを示している。すなわち上記ク
ロック信号CIとディジタル信号化された周波数変換信
号とが同相で、θが0ラジアンのときには、排他的論理
和ゲート17からの前記信号aは、全て、0となり、そ
のためデータIも0となり、他方上記両信号が互いに逆
相でθが+πラジアン又は−πラジアンのときは、信号
aは、全て、1となり、そのためデータIは前記mビッ
トシフトレジスタ25のビット数に等しいmとなり、ま
たθが上記以外の値をとるときには(すなわち−πから
0ラジアンの間および0から+πラジアンの間のとき
は)、データIは、0と1の間で直線的に変化し、三角
形特性となることを示している。また、図3の(b)
は、以下のことを示している。すなわち、クロック信号
CQの位相がクロック信号CIの位相よりπ/2ラジア
ンだけ進んでいるので、データQは、上記図3の(a)
のデータIの場合に比較して、π/2ラジアンだけずれ
た特性となることを示している。
【0024】上記のようにデータIは、0≦θ≦πで
は、θに関して正の傾きの一次関数となり、−π≦θ≦
0では負の傾き(絶対値は上記正の傾きと同じになって
いる)の一次関数となっている。またデータQは、0≦
θ≦πではm/2以上でm以下となり、−π<θ<0で
はm/2以下で0以上となる(すなわちデータQは、θ
が前者の範囲のときはm/2以上となり、θが後者の範
囲のときはm/2以下となる)。このことはデータQの
値がm/2以上になっているか、m/2以下になってい
るかを検出することで、θの範囲を判別でき、延いて
は、データIを表わす上記一次関数における上記傾きの
正、負を判別できることになる(図3を用いて、より具
体的に説明するとデータQがm/2以上のときはデータ
Iの上記傾きは正、データQがm/2以下のときは、当
該傾きは負と判断できることになる)。そして、データ
Qの最大値mを何ビットかの2値のディジタル値で表わ
すとしたとき、m/2を超える値の最上位ビットの値す
なわち最上位ビットデータMQを1とし、m/2を超え
ない値の最上位ビットデータMQを0とすることは可能
である。データQのディジタル値表現をこのようにして
おいた場合には、上記最上位ビットデータMQが1か0
かを判断するだけでデータIの前記傾きが正か負かを判
断できることになる。
【0025】一方、差分回路21の出力である差分ΔI
は、0≦θ≦πおよび−π≦θ≦0で、それぞれdθ/
dtおよび−dθ/dtに比例しているので、−π≦θ
≦0での上記差分ΔIの極性を反転することにより、d
θ/dt、即ち受信信号INの瞬時角周波数に比例する
値が得られ、周波数検波が実現されることになる。
【0026】また、差分回路22の出力である差分ΔQ
およびデータIの最上位ビットデータMIについても、
上記同様のことがいえる。すなわち図3によるとデータ
Qは、−π/2≦θ≦π/2では、θに関して正の傾き
の一次関数となり、−π≦θ≦−π/2およびπ/2≦
θ≦πでは、負の傾き(絶対値は、上記正の傾きおよび
前記正の傾きと同じになっている)の一次関数となって
いる。そして、このデータQの傾きが、正となるθの範
囲では、データIはm/2以下となり、負となるθの範
囲では、データIはm/2以上となる。このためデータ
Iの最大値mを前記のようなディジタル値表現で表わし
たときには、この最上位ビットデータMIが1か0かを
判断するだけでデータQの傾きが正か負かを判断でき
る。また、差分回路22の出力である差分ΔQは、−π
/2≦θ≦π/2ではdθ/dtに比例し、−π≦θ≦
−π/2およびπ/2≦θ≦πでは−dθ/dtに比例
している。このため、上記最上位ビットデータMIによ
りθの範囲を判断し、差分ΔQが−dθ/dtに比例し
ているときは、差分ΔQの極性を反転するようにしてお
くという方法でも、前記同様に周波数検波が実現される
ことになる。
【0027】しかし、上記データIおよびQの傾き(図
3における傾き)が正負間で反転する特性が、データI
若しくはQの一方に時間波形として現われると、移動平
均回路19および20の帯域制限特性に基づき、位相比
較出力の歪がデータI、Qに出現することがある。切替
回路23は、上記傾きの反転がある近傍の差分ΔI又は
ΔQは利用せずに、当該反転が近傍にない方の差分ΔI
又はΔQを選択的に利用して上記歪を回避するように動
作する。すなわち、切替回路23は、データIとQとの
その時点の値では、自己のダイナミックレンジ(具体的
には、図3からも分かるように、データIおよびQのい
ずれでも0からmの範囲)の中心値(図3からも分かる
ようにデータIおよびQのいずれでもm/2となってい
る)に、どちらが相対的に近い値となっているかを判断
し(この場合、前述のように、データIおよびQのその
時点の値を、直接、取込んで、どちらの値がm/2に近
いかを比較して判断することはせず、データQのその時
点の値より判断する)、近い値になっている方の差分
(すなわち差分ΔI又はΔQ)および遠い値になってい
る方の最上位ビットデータを、順次切替えて、それぞれ
切替差分値ΔXおよび切替最上位ビットデータMXとし
てディジタル極性切替回路24に送出する。従って、デ
ータIの値の方が、データQの値よりも、m/2に近い
時点には、差分ΔIおよび最上位ビットデータMQが、
それぞれ切替差分値ΔXおよび切替最上位ビットデータ
MXとして送出され、他方、データQの値の方が、デー
タIの値よりも、m/2に近い時点においては、差分Δ
Qおよび最上位ビットデータMIが、それぞれ切替差分
値ΔXおよび切替最上位ビットデータMXとして送出さ
れる。
【0028】而して、ディジタル極性切替回路24に
は、上記のようにして、常に差分ΔIおよびΔQのうち
で歪成分のない方が切替差分値ΔXとして供給され、更
に、この切替差分値ΔXの極性切替情報として切替最上
位ビットデータMXが供給される。そして、このディジ
タル極性切替回路24は、切替差分値ΔXの極性を、切
替最上位ビットデータMXに基づいて前述のように切替
えることによって、常にdθ/dt即ち受信信号INの
瞬時角周波数に比例する値を得て、これを歪成分の極め
て少ない周波数検波出力OUTとして送出する。
【0029】図4は、本実施例の具体的測定例を示すも
のである。当該測定に際しては、伝送速度3200bp
s、周波数偏移±4.8KHzの2値FSKの変調波を
受信信号INとし、クロック信号CIおよびCQの周波
数を25.6KHz、クロック信号CNの周波数を3.
2768MHz、クロック信号CMの周波数を51.2
KHz、そしてmビットシフトレジスタ25のビット数
すなわち移動平均サンプル数mを64としている。同図
において(d)は、上記2値の変調信号であり、(a)
および(b)は、それぞれデータIおよびQをディジタ
ル/アナログ変換器を用いてモニタした波形である。
【0030】2値の変調信号のマーク(−4.8KH
z)およびスペース(+4.8KHz)に対応して、位
相が直線的に変化するときデータIおよびQは、それぞ
れ図3に示した三角形状の変化を示しているが、注意深
く観察すると、前述の懸念の如く三角形の角が丸く歪ん
でいることが分かる(しかし、この影響は、前述のよう
に切替回路23の機能により除かれている)。更に、マ
ークとスペースの切替点では位相回転が逆回転している
ことが認められる。
【0031】また、同図の(C)は、ディジタル極性切
替回路24の出力OUTをディジタル/アナログ変換器
を用いてモニタした波形である。この出力OUTの振幅
は、差分回路21および22での差分ΔIおよびΔQに
おいて生ずる量子化雑音による微小振動を含んでいる
が、概ね、2値変調信号の波形と同一の動きを示してお
り、適切なフィルタを用いて量子化雑音を除去すること
により周波数検波を行なえることになる。
【0032】なお、本発明は、上記実施例に限定され
ず、本発明の範囲で種々応用変形が可能である。例え
ば、上記実施例では、クロック信号CIとCQとでは、
後者の方が、前者よりも位相がπ/2だけ進んだものと
したが、これを逆に前者の方が後者よりも位相がπ/2
だけ進んだものにしてもよい。ただし、この場合は、図
3の(b)に示すデータQとθとの関係が変化するの
で、切替回路23の切替動作等もこれに応じて変更して
おく必要があるのは、勿論である。また、本発明に係る
周波数検波回路は、FSKによる変調波のみならず一般
の周波数変調波の検波にも用いることが出来ることは無
論である。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、乗算器
や除算器を必要とせず、かつA/D変換器を用いない簡
潔な2値のディジタル信号処理により、周波数検波を行
える周波数検波回路に係るものであるから、回路規模が
比較的小さく、IC化に適した周波数検波回路の提供を
可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の回路構成を示す図である。
【図2】図1における移動平均回路の構成を示す図であ
る。
【図3】データIおよびQの変化の様子を示す図であ
る。
【図4】本実施例による各波形の具体的測定例を示す図
である。
【図5】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 直交検波回路 2 局部発振回路 i 同相成分信号 q 直交成分信号 IN 受信信号 3 微分器 4 微分器 5 乗算器 6 乗算器 7 加算器 8 自乗和演算回路 9 除算器9 OUT 検波出力 11 クロック発生回路 12 アナログ極性切替回路 13 アナログ極性切替回路 14 加算器 15 バンドパスフィルタ 16 レベルコンパレータ 17 排他的論理和ゲート 18 排他的論理和ゲート 19 移動平均回路 20 移動平均回路 21 差分回路 22 差分回路 23 切替回路 24 ディジタル極性切替回路 25 mビットシフトレジスタ 26 アップダウンカウンタ CI クロック信号 CQ クロック信号 CM クロック信号 CN クロック信号

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信した周波数変調波の中心周波数と同
    一の周波数の発振信号を出力する局部発振回路と、 上記局部発振回路からの発振信号と、この発振信号の位
    相をπ/2だけずらした信号とを用い、上記の受信した
    周波数変調波を直交検波して、ベースバンド信号の同相
    成分信号iおよび直交成分信号qを出力する直交検波回
    路と、 周波数が、上記同相成分信号iおよび直交成分信号qの
    周波数帯域のL倍(ここでL>2)となっている第1の
    クロック信号、この第1のクロック信号と位相がπ/2
    だけずれている第2のクロック信号、周波数が上記第1
    のクロック信号のM倍となっている第3のクロック信号
    および周波数が上記第1のクロック信号のN倍(ここで
    N>M)となっている第4のクロック信号を発生するク
    ロック発生回路と、 上記同相成分信号iおよび上記第1のクロック信号を入
    力し、このクロック信号の極性が+1のときは、上記同
    相成分信号iそのものを出力し、他方、上記極性が−1
    のときは、上記同相成分信号iの極性を反転したものを
    出力する第1のアナログ極性切替回路と、 上記直交成分信号qおよび上記第2のクロック信号を入
    力し、このクロック信号の極性が+1のときは、上記直
    交成分信号qそのものを出力し、他方、上記極性が−1
    のときは、上記直交成分信号qの極性を反転したものを
    出力する第2のアナログ極性切替回路と、 上記第1のアナログ極性切替回路の出力と上記第2のア
    ナログ極性切替回路の出力とを取込み、両出力を加算
    し、その加算結果を出力する加算器と、 上記加算器の出力を入力し、所要信号成分の帯域を抽出
    して送出するバンドパスフィルタと、 上記バンドパスフィルタの出力を入力し、これを2値レ
    ベルの信号に整形して送出するレベルコンパレータと、 上記レベルコンパレータの出力と前記第1のクロック信
    号とを取込み、両者の排他的論理和を得て、これを出力
    する第1の排他的論理和ゲートと、 上記レベルコンパレータの出力と前記第2のクロック信
    号とを取込み、両者の排他的論理和を得て、これを出力
    する第2の排他的論理和ゲートと、 上記第1の排他的論理和ゲートよりの出力を前記第4の
    クロック信号によりサンプリングしていき、順次、過去
    の所定回数に亘るサンプリングでサンプル値が1であっ
    た回数を求める第1の移動平均回路と、 上記第2の排他的論理和ゲートよりの出力を前記第4の
    クロック信号によりサンプリングしていき、順次、過去
    の所定回数に亘るサンプリングで、サンプル値が1であ
    った回数を求める第2の移動平均回路と、 上記第1の移動平均回路の出力を上記第3のクロック信
    号により、順次、サンプリングしていき、前回のサンプ
    ル値と今回のサンプル値との差分をディジタル値として
    得て、この差分を出力していく第1の差分回路と、 上記第2の移動平均回路の出力を上記第3のクロック信
    号により、順次、サンプリングしていき、前回のサンプ
    ル値と今回のサンプル値との差分をディジタル値として
    得て、この差分を出力していく第2の差分回路と、 上記第1および第2の差分回路からの出力、第1および
    第2の移動平均回路からの出力データの最上位ビットデ
    ータ並びに第1および第2の差分回路からの出力のいず
    れか一方を入力し、上記第1および第2の移動平均回路
    からの2つの出力データのうち、それぞれのダイナミッ
    クレンジの中心値へ相対的に近い値を示している方の出
    力データに係る前記差分および上記2つの出力データの
    うち、それぞれのダイナミックレンジの中心値へ相対的
    に遠い値を示している方の出力データの最上位ビットデ
    ータを、それぞれ切替差分値および切替最上位ビットデ
    ータとして出力する切替回路と、 ディジタル値である上記切替差分値の極性を、上記切替
    最上位ビットデータによって切替えて周波数検波出力を
    得て、これを出力するディジタル極性切替回路とを備え
    ることを特徴とする周波数検波回路。
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