JPH08306159A - テープカセットとテープカセット用リール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ビデオテープレコーダー等のテー
プカセットに使用されるテープカセットに関し、落下衝
撃に対するテープカセット用リールの下フランジと上フ
ランジとの結合における課題を解決することにある。 【構成】 内部にテープカセット用リールを収納する上
シェル２ａと下シェル５ａとから構成されたテープカセ
ット１ａであって、前記テープカセット用リールの上フ
ランジ１１ａは、下フランジ１０ａとは別体に形成さ
れ、前記上シェル１１ａとの間に介在させた付勢手段２
２により下フランジ１０ａ側に付勢して支持されている
ことである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ビデオテープ
レコーダー（以下、ＶＴＲと言う）やデジタルオーディ
オテープレコーダ（以下、ＤＡＴと言う）等のテープカ
セットに使用されるテープカセットと、そのテープカセ
ットに収納されるテープカセット用リールに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、テープカセット１は、図１０に示
すように、合成樹脂製の上シェル２と、該上シェル２の
上面に開口された窓部に嵌合されて固着される透明な窓
部材３と、前記上シェル２の内側に固着されテープカセ
ット用リールの浮き上がりを防止する板バネ４と、前記
上シェル２に対応する下シェル５と、前記上シェル２と
下シェル５を組み合わせてできる空間に収納されるテー
プカセット用リール６，７と、このテープカセット用リ
ールに巻装されたテープ状記録媒体８と、前記上シェル
２と下シェル５を組み合わせてできるフロント側開口部
を閉蓋するフロントリッド９とで構成されているものが
知られている。

【０００３】そして、前記テープカセット用リール６，
７は、図１１に示すように、テープ状記録媒体８が巻か
れる円筒状のハブ部９を中央部に一体に形成してなる下
フランジ１０と、該下フランジ１０とほぼ同じ大きさの
異種材質で形成された上フランジ１１とを、前記ハブ部
９を介して結合して一体的に構成したものが知られてい
る。

【０００４】前記ハブ部９は、外側ハブ１２と内側ハブ
１３とを同心円上に配設し、その外側ハブ１２の内周壁
面と内側ハブ１３の外周壁面との間の空間部に、周方向
で等間隔にして複数の連結リブ１４が放射状に架設さ
れ、当該ハブ１２，１３を互いに連結して構成されてい
る。

【０００５】そして、前記内側ハブ１３の上端面（上フ
ランジ１１に当接する面）には、その周方向に等間隔で
円柱状のかしめピン１５が６個植設されている。

【０００６】また、前記上フランジ１１には、前記内側
ハブ１３のかしめピン１５の各々に対応した位置に、か
しめピン１５用の嵌合孔１６が貫通して穿設されてい
る。

【０００７】よって、テープカセット用リール６，７の
組立の際には、前記上フランジ１１の嵌合孔１６をハブ
部９のかしめピン１５に各々嵌合させ、その嵌合孔１６
の開口面から突出したかしめピン１５の先端部を、超音
波や熱等の溶着手段で溶融させて押し潰し、図１２乃至
図１３に示すように、変形させた前記先端部を嵌合孔１
６に係合させて、当該ハブ部９と上フランジ１１を一体
的に結合するものである。

【０００８】こうして、テープカセット用リール６，７
が、ハブ部９を介して下フランジ１０と上フランジ１１
とが対向配置にして一体的に形成され、これらにテープ
状記録媒体８が巻装されてテープカセット１に収納され
るものである。

【０００９】そして、図１４乃至１５に示すように、前
記テープカセット１をＶＴＲやＤＡＴのカセット装填部
のリール台１７にテープカセット用リール６，７を嵌合
させて装填し、フロントリッド９を回転させてフロント
側開口部からテープ状記録媒体８をテープカセット１外
部に引き出し、映像を記録・再生するものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記テ
ープカセット用リール６，７において、その上フランジ
１１が、図１１乃至図１３で示したように、かしめピン
１５をかしめてハブ部９に結合される構造なので、例え
ば、図１６に示すように、テープカセット１をその上シ
ェル２の面を表面落下させてしまった場合、図１７に示
すように、テープカセット用リールに巻装されたテープ
状記録媒体８が落下衝撃力で動いて上フランジ１１に衝
突することがある。

【００１１】そして、上フランジ１１が撓んでかしめピ
ン１５に応力が集中し、図１８に示すように、かしめピ
ン１５が破断されてしまい、ハブ部９から上フランジ１
１が分離してテープカセット１の障害になるとなると言
う問題点があった。特に、業務用のＶＴＲに使用される
テープ状記録媒体の量の多いテープカセットでは、テー
プ状記録媒体の重量が重いこともあり、上記のようなこ
とが起こりうるものである。

【００１２】このように、従来のテープカセット若しく
はテープカセット用リールは、落下衝撃に対するテープ
カセット用リールの下フランジと上フランジとの結合に
おいて解決すべき課題を有していた。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明に係るテープカセ
ットの上記課題を解決するための要旨は、内部にテープ
カセット用リールを収納する上シェルと下シェルとから
構成されたテープカセットであって、前記テープカセッ
ト用リールの上フランジは、下フランジとは別体に形成
され、前記上シェルとの間に介在させた付勢手段により
下フランジ側に付勢して支持されていることである。

【００１４】また、上フランジが、テープカセット用リ
ールの供給側リールと巻取り側リールとに跨って連設状
態に形成されていること、；前記下シェルに設けた下フ
ランジをガイドするガイド孔に対向した上シェルに、上
フランジをガイド・支持する支持手段を設けたこと、；
前記支持手段が、円筒状の突部と付勢手段とで構成され
ていることである。

【００１５】本発明に係るテープカセット用リールは、
テープ状の記録媒体が巻かれる円筒状のハブ部を備えた
下フランジと、該下フランジに対向配置された上フラン
ジとで形成されるテープカセット用リールであって、前
記上フランジは下フランジとは別体に形成され、弾性体
により下フランジ側に付勢して配設されることである。

【００１６】前記上フランジが、テープカセット用リー
ルを収納するテープカセットの上シェル側にバネを介し
て配設されることである。

【００１７】

【作用】本発明に係るによれば、テープカセットを例え
ば床に表面落下させた場合でも、上フランジもテープ状
記録媒体とともに移動可能となって破損が防止され、耐
落下衝撃に強いテープカセットとなるものである。

【００１８】

【実施例】次に、本発明に係る実施例について図面を参
照して詳細に説明する。なお、理解容易のため従来例に
対応する部分には従来例と同一の符号を付けて説明す
る。

【００１９】本発明の第１実施例は、図１に示すよう
に、テープカセット用リール６ａ，７ａの上フランジ１
１ａ，１１ｂを、ハブ部１８ａを一体にして形成した下
フランジ１０（供給側の下フランジ１０ａ、巻取り側の
下フランジ１０ｂ）とは別体に形成する。

【００２０】この上フランジ１１ａ，１１ｂの中央部に
は、ハブ部１８ａの外径よりも内径部を若干大きくし円
板状に突出させた突部１９が設けられ、更に、その突部
１９から円筒状のガイド突起２０が突出して設けられて
いる。

【００２１】また、下シェル５に設けた下フランジ１０
のハブ部１８ａをガイドするガイド孔５ａに対向した上
シェル２ａの部分に、図２に示すように、前記上フラン
ジ１１ａ，１１ｂをガイド・支持する支持手段として、
円筒状の突部２１を設け、該突部２１の内部に弾性体の
一例としてコイルバネ２２を装備する。

【００２２】前記突部２１は、前記上フランジ１１ａ，
１１ｂのガイド突起２０の外側に隙間のない状態で嵌合
し、かつ、図において前記ガイド突起２０が上下方向に
摺動自在になるように形成されている。かかる嵌合状態
では、嵌合によるガタがないようになされて、上フラン
ジ１１ａ，１１ｂの傾きを防止している。

【００２３】なお、図２に示す前記支持手段の構成は一
例であり、他の実施例として、突部２１の外側にガイド
突起２０が嵌合するようにしても良く、また、前記付勢
手段の弾性体としてのコイルバネ２２を、突部２１の外
側に配設しても良く、更に、この弾性体として弾性ゴム
やスポンジ等も採用できるものである。

【００２４】前記上フランジ１１ａ，１１ｂを有したテ
ープカセット用リール６ａ，７ａをテープカセット１ａ
に収納して組み立てると、供給側のテープカセット用リ
ール６ａ部分に係る縦断面図である図２に示すように、
上フランジ１１ａがコイルバネ２２で下フランジ１０ａ
側に付勢され、該下フランジ１０ａのハブ部１８ａの位
置決め突起１８ｂによって突部１９の下面が位置規制さ
れる。よって、上フランジ１１ａのフランジ部分がテー
プ状記録媒体８の上端部に当接しないように間隙が確保
される。また、巻取り側のテープカセット用リール７ａ
においても同様である。

【００２５】このようにして形成されたテープカセット
１ａによれば、例えば床に表面落下させた場合でも、図
３に示すように、テープ状記録媒体８が落下衝撃力で下
フランジ１０のハブ部１８ａから抜け出て、図において
上方向に移動して上フランジ１１ａに衝突しても、同時
に上フランジ１１ａもコイルバネ２２の付勢力に抗して
上方向に移動せしめられ、当該上フランジ１１ａに対す
る落下衝撃力がコイルバネ２２に吸収されて緩和され
る。

【００２６】よって、テープカセット１ａの供給側と巻
取り側とにおけるテープカセット用リール６ａ，７ａの
上フランジ１１ａ，１１ｂの破損が防止されて耐衝撃性
が向上し、テープカセット１ａに不測の障害が生じるこ
とが防止されるものである。

【００２７】本発明の第２実施例は、図４乃至図９に示
すように、上フランジ１１ａ，１１ｂがテープカセット
用リールの供給側リール６ａと巻取り側リール７ａとに
各々別体で存在する第１実施例に対して、上フランジ２
３が、テープカセット用リールの供給側リール６ｂと巻
取り側リール７ｂとに跨って連設状態に形成されている
ことが、第１実施例と相違するものである。

【００２８】前記上フランジ２３は、図５乃至図９に示
すように、テープカセット１ｂにおける供給側リール６
ｂと巻取り側リール７ｂとに跨るように一体に連設した
合成樹脂製の連設板２３ｃと、該連設板２３ｃの長手方
向に直交する方向に両端部から延設したフランジ部２３
ａ，２３ｂと、前記連設板２３ｃの上面には両リール６
ｂ，７ｂの位置に対応して突設したガイド突起２０，２
０と、当該連設板２３ｃの下面で両リール間に亘ってテ
ープ状記録媒体８の上端部に当接するようにして接着剤
等で貼着した合成樹脂製のフィルム２４と、から形成さ
れている。

【００２９】このような上フランジ２３の構成によっ
て、前記第１実施例における上フランジ１１ａ，１１ｂ
と同様の作用・効果が得られるものである。また、各テ
ープカセット１ｂにつき１個の上フランジ２３となって
部品点数が削減され、その保管・管理がし易くなるもの
である。

【００３０】なお、この第２実施例の他の例として、上
記上フランジ２３の連設板２３ｃは両リール６ｂ，７ｂ
間に連設状態にすればよいので、当該上フランジ２３の
成形時に一体成形することに限られず、別体に形成した
ものを接着等の手段で連設状態にすることができる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るテー
プカセットは、内部にテープカセット用リールを収納す
る上シェルと下シェルとから構成されたテープカセット
であって、前記テープカセット用リールの上フランジ
は、下フランジとは別体に形成され、前記上シェルとの
間に介在させた付勢手段により下フランジ側に付勢して
支持されているので、テープカセットを床等の表面落下
させた場合でも、リールのハブ部から落下方向に移動し
たテープ状記録媒体が上フランジとともに前記付勢手段
の付勢力に抗して移動可能となり前記上フランジに対す
る落下衝撃力が緩和され、該上フランジの破損が防止さ
れることとなってテープ状記録媒体にもキズ等のダメー
ジを与えず信頼性が向上すると言う優れた効果を奏す
る。

【００３２】また、上フランジが、テープカセット用リ
ールの供給側リールと巻取り側リールとに跨って連設状
態に形成されることで、落下衝撃力が両リール位置にお
ける付勢手段に伝達されて分散され上フランジの破損が
防止されると言う優れた効果を奏する。

【００３３】本発明に係るテープカセット用リールは、
上フランジが下フランジとは別体に形成され、弾性体に
より下フランジ側に付勢して配設されるので、テープカ
セットを表面落下させた場合に、上フランジが下フラン
ジとは係合関係がないので害下フランジに対して移動可
能となり、上フランジを付勢している弾性体によって落
下衝撃力が緩和され、当該上フランジの破損が防止され
るばかりでなく、部品点数の減少により部品管理も容易
になると言う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例に係るテープカセットにお
ける上フランジの斜視図である。

【図２】同本発明の第１実施例に係るテープカセットの
一部（供給側）の縦断面図である。

【図３】同本発明の第１実施例に係るテープカセットの
一部（供給側）で、テープカセットを表面落下させた時
の状態を示す縦断面図である。

【図４】同本発明の第２実施例に係るテープカセットの
使用状態を示す平面図である。

【図５】同本発明の第２実施例に係るテープカセットに
使用される上フランジの平面図である。

【図６】同本発明の第２実施例に係るテープカセットに
使用される上フランジの側面図である。

【図７】同本発明の第２実施例に係るテープカセットに
使用される上フランジの正面図である。

【図８】同本発明の第２実施例に係るテープカセットに
使用される上フランジのフィルム部分の拡大側面図であ
る。

【図９】図４におけるＣ−Ｃ線に沿った縦断面図
（イ）、同じくＤ−Ｄ線に沿った縦断面図（ロ）であ
る。

【図１０】従来例に係るテープカセットの分解斜視図で
ある。

【図１１】同従来例に係るテープカセットのテープカセ
ット用リールの分解斜視図である。

【図１２】同従来例に係るテープカセット用リールの上
フランジとハブ部との結合構造を示す一部縦断面図であ
る。

【図１３】同従来例に係るテープカセット用リールの上
フランジとハブ部との結合構造を示す一部縦断面図であ
る。

【図１４】同従来例に係るテープカセットの平面図であ
る。

【図１５】同従来例に係るテープカセットの使用状態を
示す縦断面図である。

【図１６】同従来例に係るテープカセットを表面落下さ
せる様子を示す説明図である。

【図１７】同従来例に係るテープカセット用リールが落
下衝撃力を受けて、上フランジが変形する様子を示す説
明図である。

【図１８】同従来例に係るテープカセット用リールの上
フランジをハブ部に結合しているかしめピンが、落下衝
撃力で破断される様子を示す説明図である。

【符号の説明】

１，１ａ，１ｂ テープカセット、 ２，２ａ 上シェル、 ５，５ａ 下シェル、 ６，６ａ，６ｂ 供給側リール、 ７，７ａ，７ｂ 巻取り側リール、 ８ テープ状記録媒体、 １０ 下フランジ、 １１，１１ａ，１１ｂ，２３ 上フランジ、 ２０ ガイド突起、 ２１ 突部、 ２２ コイルバネ、 ２３ａ，２３ｂ フランジ部分、 ２４ フィルム。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にテープカセット用リールを収納す
   る上シェルと下シェルとから構成されたテープカセット
   であって、 前記テープカセット用リールの上フランジは、下フラン
   ジとは別体に形成され、前記上シェルとの間に介在させ
   た付勢手段により下フランジ側に付勢して支持されてい
   ること、 を特徴とするテープカセット。
2. 【請求項２】 上フランジが、テープカセット用リール
   の供給側リールと巻取り側リールとに跨って連設状態に
   形成されていること、 を特徴とする請求項１に記載のテープカセット。
3. 【請求項３】 下シェルに設けた下フランジをガイドす
   るガイド孔に対向した上シェルに、上フランジをガイド
   ・支持する支持手段を設けたこと、 を特徴とする請求項１に記載のテープカセット。
4. 【請求項４】 支持手段が、円筒状の突部と付勢手段と
   で構成されていること、を特徴とする請求項３に記載の
   テープカセット。
5. 【請求項５】 テープ状の記録媒体が巻かれる円筒状の
   ハブ部を備えた下フランジと、該下フランジに対向配置
   された上フランジとで形成されるテープカセット用リー
   ルであって、 前記上フランジは下フランジとは別体に形成され、弾性
   体により下フランジ側に付勢して配設されること、 を特徴とするテープカセット用リール。
6. 【請求項６】 上フランジが、テープカセット用リール
   を収納するテープカセットの上シェル側にバネを介して
   配設されること、 を特徴とする請求項５に記載のテープカセット用リー
   ル。