JPH08306081A - 光学的情報記録媒体及びその記録媒体を用いた情報記録再生装置 - Google Patents

光学的情報記録媒体及びその記録媒体を用いた情報記録再生装置

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JPH08306081A
JPH08306081A JP7106463A JP10646395A JPH08306081A JP H08306081 A JPH08306081 A JP H08306081A JP 7106463 A JP7106463 A JP 7106463A JP 10646395 A JP10646395 A JP 10646395A JP H08306081 A JPH08306081 A JP H08306081A
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recording medium
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groove
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JP7106463A
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Tomoyuki Hiroki
知之 廣木
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トラックジャンプ動作を行うことなく、かつ
簡単な極性切替動作により、ランドとグルーブに交互に
データを記録する。 【構成】複数のトラックが螺旋状に形成されたディスク
状の光学的情報記録媒体であって、複数のトラックは、
ピットが形成されることがなく、周方向の長さが所定の
長さのミラー部4によりディスク周方向に分割され、グ
ルーブおよびランドが交互に配置されており、ミラー部
4を介してグルーブ(3a〜3c)とランド(2a,2
b)が連続して形成されている。ミラー部4を検出する
ことにより、グルーブとランド間のトラッキングエラー
信号の極性切替を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学的に情報の記録再
生を行うディスク状の光学的情報記録媒体及びその記録
媒体を用いた情報記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学的に情報を記録、再生する技
術として種々のものが知られており、それらを媒体に関
して情報記録および再生方式により大きく分類すると、
ROM(再生専用)型、WORM(追記)型、R/W
(書き換え可能)型の三種類がある。これら媒体は、い
ずれもガラスまたはポリカーボネートのような透明な材
料を基板としており、この基板上に塗布、成膜される材
料の違いにより種類分けされる。即ち、基板上にAlの
ように反射率が高く熱安定性が高い物質を用いるとRO
M型、有機色素のように熱によって不可逆反応を起こす
材料を用いるとWORM型、磁性材料や相変化(結晶及
び非晶質の状態を取り得る)材料のように熱的、磁気的
に可逆反応を生じる材料を用いるとR/W型に分類され
る。
【0003】また、光学的情報記録媒体はその形状によ
り、ディスク型、カード型、テープ型に大きく分類され
る。これら各型の光学的情報記録媒体にはそれぞれ特長
があり、用途によって使い分けられるが、中でもディス
ク型は情報転送の高速性に優れているために、最も一般
的となっている。
【0004】ディスク上に記録されるデータはディスク
周方向に渡って所定量に連続して形成され、一般にこれ
をトラックと呼ぶ。ディスク型の情報記録媒体の場合、
データトラックは同心円的、あるいは螺旋状に形成する
ことが可能であるが、データ転送の連続性から螺旋状に
トラックを形成した方が大量のデータを扱う場合には有
利である。
【0005】図7は螺旋状にトラックを形成した従来の
ディスク型の光学的情報記録媒体を示す図である。
【0006】図7において、100はディスク、103
a〜103cはディスク1の記録面上に螺旋状に形成さ
れた案内溝であるグルーブ、102aおよび102bは
グルーブ103a〜103cにより記録面上に形成され
たランドである。
【0007】この光学的情報記録媒体では、グルーブあ
るいはグルーブ間(ランド)をデータトラックとし、情
報記録再生用の光ビームをデータトラックに沿って進ま
せながら情報を記録再生することで大量のデータを連続
して扱うことができる。近年では、さらに大量のデータ
を取り扱うことができるように、ランド/グルーブ記録
と呼ばれる技術が開発されている。これは、ランド及び
グルーブの双方にデータを記録するというものであり、
これによって記録容量を2倍にすることができる。
【0008】上述の図7に示す光学的情報記録媒体をラ
ンド/グルーブ記録用ディスクとして用い、ランド/グ
ルーブ記録を行う情報記録再生装置のトラッキングサー
ボ系の概略構成を図8に示す。
【0009】図8において、100はディスク、121
は対物レンズ、122は光学系、123はATエラー信
号生成回路、128は極性切替器、129は位相補償
器、130はスイッチ、131はコントロール回路、1
32は加算回路、133はアクチュエータドライバ、1
34は対物レンズ121の移動を行うアクチュエータで
ある。
【0010】ディスク100は図7に示した光学的情報
記録媒体である。ここでは、ランド及びグルーブの双方
にデータが記録され、その記録された情報が読み取られ
る。
【0011】対物レンズ121はディスク100の記録
面に対向して配置されるピックアップレンズであり、図
示しないフォーカスサーボ回路及びフォーカスアクチュ
エータにより、この対物レンズ121から出射された光
がディスク100の記録面上に常に合焦するようその位
置が制御されている。
【0012】光学系122は、光源(不図示)および光
を電気信号に変換するセンサ(不図示)を備えている。
この光学系122では、光源から射出した光は上記の対
物レンズ121を介してディスク100の記録面上に所
定径の光スポットに集光され、その反射光が再び対物レ
ンズ121を介してセンサに集光されて電気信号に変換
される。
【0013】ATエラー信号生成回路123は、上記光
学系122の各センサから出力された電気信号を基にト
ラッキングエラー信号を生成する。なお、上記光学系1
22は、公知のプッシュプル法、3ビーム法などのトラ
ッキング方式に対応しており、このATエラー信号生成
回路123におけるトラッキングエラー信号の生成は、
その光学系122におけるトラッキング方式に対応して
生成される。例えば、プッシュプル法の場合は、2分割
フォトディテクタ(もしくは4分割フォトディテクタ)
の各センサ部の出力を基にトラッキングエラー信号が生
成され、3ビーム法の場合は、主ビームスポットを中心
としてその両側に配置された2つ副ビームスポットから
得られる光検出信号を基にトラッキングエラー信号が生
成される。
【0014】極性切替器128は、上記ATエラー信号
生成回路123にて生成されたトラッキングエラー信号
の極性(詳しくは後述する)の切り替えを行うものであ
る。この極性切替器128は、後述するコントロール回
路131により制御されている。
【0015】位相補償器129は、上記の極性切替器1
28にて極性が切り替えられたトラッキングエラー信号
に対して、サーボを安定させるために位相補償を行うも
のである。この位相補償器129の出力ラインは、スイ
ッチ130を介して加算回路132の一方の端子に入力
されている。このスイッチ130のスイッチの制御はコ
ントロール回路131により行われる。
【0016】加算回路132は、一方の入力端子に上記
位相補償器129の出力ラインがスイッチ130を介し
て接続されており、他方の入力端子にはコントロール回
路131の出力ラインが接続され、その出力はアクチュ
エータドライバ133に入力されている。
【0017】アクチュエータドライバ133は、加算回
路132から入力される信号を電流信号に変換し、対物
レンズ121の移動を行うATアクチュエータ134を
駆動する。
【0018】コントロール回路131は通常その構成に
CPUを含んでおり、トラッキングサーボのオンオフを
制御したり、目標トラックへの対物レンズ121の移動
を制御したりする他、極性切替器128におけるトラッ
キングエラー信号の極性切替を行う。トラッキングサー
ボのオンオフを制御する場合は、スイッチ130のオン
・オフを制御することにより行い、目標トラックへの対
物レンズ121の移動を制御する場合は、スイッチ13
0をオフにした状態で目標トラックに対物レンズ121
を移動させるための加速パルスを発生させ、これを加算
器132へ出力することにより行う。また、極性切替器
128における極性切替を行う場合は、実際に記録再生
しようとする情報トラックの位置を基に、そのトラック
がグルーブであるのか、ランドであるのかを判定してト
ラッキングエラー信号の極性切替を行う。
【0019】次に、この情報記録再生装置のトラッキン
グサーボ系の動作について簡単に説明する。
【0020】光学系122内の光源から射出した光は対
物レンズ121を介してディスク100の記録面上に所
定径の光スポットに集光される。その光スポットの反射
光は、再び対物レンズ121を介してセンサに集光され
て電気信号に変換される。その変換された電気信号は、
ATエラー信号生成回路123に入力される。
【0021】光学系122から電気信号が入力される
と、ATエラー信号生成回路123では、入力された電
気信号を基にトラッキングエラー信号が生成される。図
9は、フォーカシングサーボのみ作動しておりトラッキ
ングサーボは作動していない状態で、図7に示す記録媒
体に対してディスク外周から内周方向にグルーブ103
aからグルーブ103cまで光スポットがランド及びグ
ルーブを順次が横切った場合に、ATエラー信号生成回
路123にて生成されたトラッキングエラー信号を示す
波形図である。
【0022】図9から分かるように、ディスク外周から
内周方向に光スポットがランド及びグルーブを順次が横
切った場合、トラッキングエラー信号は、グルーブ10
3aで立ち上がりゼロクロスすると、隣接するランド1
02aの中心部分で立ち下がりゼロクロスし、さらに隣
のグルーブ103bで立ち上がりゼロクロスするといっ
た正弦波状の波形となる。このように、ランドとグルー
ブではトラッキングエラー信号の極性が反転するので、
記録再生するトラックがランドかグルーブかによってト
ラッキングエラー信号の極性を切り替える必要がある。
ここでは、このトラッキングエラー信号の極性の切り換
えが以下のように行われる。
【0023】ATエラー信号生成回路123にて生成さ
れたトラッキングエラー信号は、極性切替器128に入
力される。コントロール回路131は、記録再生しよう
とするトラックの位置がランドかグルーブかをアドレス
情報から判定し、その判定結果を基に極性切替器128
におけるトラッキングエラー信号の極性切替を制御す
る。これにより、極性切替器128では入力されるトラ
ッキングエラー信号に対してランド、グルーブに応じた
極性切替が行われる。
【0024】極性切替器128で極性切替が行われたト
ラッキングエラー信号は、位相補償器129に入力され
て位相補償が行われた後、スイッチ130および加算回
路132を介してアクチュエータドライバ133へ入力
される。
【0025】位相補償器129からトラッキングエラー
信号が入力されると、アクチュエータドライバ133
は、位相補償器129から入力されたトラッキングエラ
ー信号を電流信号に変換してATアクチュエータ134
を駆動する。
【0026】以上のようにしてトラッキングサーボが行
われると、情報の記録再生が可能な状態となる。
【0027】ここで、他のトラックについて情報の記録
再生を行う場合は、コントロール回路131によりスイ
ッチ130がオフ状態に切り替えられる。スイッチ13
0がオフ状態となると、上述のトラッキングサーボは作
動しなくなる。コントロール回路131は、目標トラッ
クに対物レンズ121を移動させるための加速パルスを
発生させ、これを加算器132を介してアクチュエータ
ドライバ133へ出力する。
【0028】コントロール回路131から出力された加
速パルスがアクチュエータドライバ133に入力される
と、アクチュエータドライバ133は入力された加速パ
ルスに基づいてATアクチュエータ134を駆動する。
これにより、対物レンズ121が目標トラックに移動す
る。
【0029】対物レンズ121が目標トラックに移動す
ると、コントロール回路131は再びスイッチ130を
オン状態に切り替えて、再び上述したトラッキングサー
ボが行われることとなる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光学的情報記録媒体およびその記録媒体を用い
た情報記録再生装置には以下のような問題がある。
【0031】図7に示した従来の光学的情報記録媒体に
対してランド/グルーブ記録を行う場合、ランド部に記
録するデータとグルーブ部に記録するデータを別個に扱
っていたために、記録容量が2倍になったにも関わらず
一度に連続して扱えるデータ量は従来と同じなので、装
置の高速性が損なわれるという欠点がある。具体的に
は、以下のようなことが挙げられる。
【0032】図7に示した光学的情報記録媒体に対して
情報量の大きなデータを記録する場合は、例えば、まず
トラッキングサーボをオフした後、トラッキングの極性
を切り替え、対物レンズをランド102aに移動し、移
動後トラッキングサーボをオンとしてデータを記録し、
続いてトラッキングサーボをオフした後、トラッキング
の極性を切り替え、対物レンズをグルーブ103bに移
動し、移動後トラッキングサーボをオンとしてデータを
記録するというように、ディスクの外周側(あるいは内
周側)から詰めて記録が行われる。この場合、トラック
一本分あるいはディスク一周分記録する毎に、グルーブ
/ランドの極性切替動作およびトラックジャンプ動作が
入るので、記録再生動作の連続性が著しく損なわれてし
まう。
【0033】他方、ランド102aに続けてランド10
2b,・・・という順序でトラックジャンプ動作を行わ
ずに記録動作を行い、ランド部分が一杯になるとグルー
ブ側に極性を切り換えて、グルーブ103a,グルーブ
103b・・・と記録いていくこともできる。しかし、
この場合には、最後に記録したランドと最初に記録する
グルーブの半径位置が大きく異なるため、グルーブとラ
ンドの切り替えの際に、光ヘッドを大きく移動させなけ
ればならず、やはり装置の高速性が損なわれてしまう。
【0034】本発明の目的は、上記問題を解決し、トラ
ックジャンプ動作を行うことなく、かつ簡単な極性切替
動作により、ランドとグルーブに交互にデータを記録す
ることができる光学的情報記録媒体およびその記録媒体
を用いた情報記録再生装置を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】本発明の光学的情報記録
媒体は、夫々がランド部とグルーブ部とから構成される
複数のトラックが形成されたディスク状の光学的情報記
録媒体において、上記トラックをディスク周方向に分断
するミラー部を備え、上記ディスク周方向において上記
ミラー部の前後ではグルーブ部とランド部が連続して形
成されていることを特徴とする。
【0036】上記光学的情報記録媒体において、上記ミ
ラー部にはピットが形成されていないことを特徴とす
る。
【0037】さらに、上記ミラー部はディスク周方向に
複数配置されていてもよい。
【0038】さらに、上記複数のトラックの夫々は複数
のセクタからなると共に1トラックあたりのセクタ数が
ディスクの内周から外周まで一定とされており、上記ミ
ラー部は上記セクタ間に配置されていてもよい。
【0039】さらに、上記複数のトラックの夫々は複数
のセクタからなり、上記ミラー部は上記セクタのヘッダ
の一部に形成されていてもよい。
【0040】さらに、上記複数のトラックの夫々は複数
のセクタからなると共に上記複数のトラックは上記ディ
スクの半径方向にゾーン分割され、各ゾーン内において
は1トラックあたりのセクタ数がディスクの内周から外
周まで一定とされており、上記ミラー部は上記セクタ間
に配置されていてもよい。
【0041】本発明の情報記録再生装置は、上述のいず
れかの光学的情報記録媒体に対して情報の記録再生を行
う情報記録再生装置であって、上記光学的情報記録媒体
の記録面に対向して配置されたピックアップ光学系と、
上記ピックアップ光学系の出力に基づいてトラッキング
エラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路
と、上記トラッキングエラー信号の極性を切り替える極
性切替器と、上記極性切替器にて極性が切り替えられた
トラッキングエラー信号を基にトラッキングを行うトラ
ッキングサーボ機構と、上記ピックアップ光学系の出力
を基にミラー部を検出し、上記極性切替器を制御する制
御手段とを備えることを特徴とする。
【0042】上記の情報記録再生装置において、上記制
御手段は、上記ピックアップ光学系の出力から和信号を
生成する和信号生成回路と、上記和信号のピークホール
ド値を検出するピークホールド回路と、上記ピークホー
ルド値を基に所定のDCレベル値を得る分圧抵抗と、上
記DCレベル値と上記和信号を比較して、2値化信号を
生成する2値化回路と、上記2値化信号を基に上記極性
切替器に対して極性切替を制御するための制御信号を出
力するトグルフリップフロップと、から構成されている
ものであってもよい。
【0043】
【作用】本発明の光学的情報記録媒体では、トラックと
して用いられるグルーブとランドがミラー部を介してデ
ィスク周方向において連続して形成されているので、情
報の書き込み動作および読み出し動作のいずれも連続し
て行われる。このため、従来の記録媒体の書き込み動
作、読み出し動作時に行われていたトラックジャンプ動
作が行われることはない。
【0044】また、グルーブとランドはピットが形成さ
れていないミラー部を介して連続しているので、グルー
ブからランドへ移動する場合、グルーブの溝の終端にお
いて発生するピックアップ光に対するノイズの影響はミ
ラー部にて緩和され、ランドに及ぶことはない。さら
に、各グルーブの溝の端部はミラー部の前後に設けられ
ているので、この溝の端部で発生するノイズが他のトラ
ックのデータ情報記録領域に洩れ込むことはない。さら
には、グルーブとランドは必ずミラー部を介して連続し
ているので、このミラー部を検出することによりグルー
ブからランドへ、ランドからグルーブへの移動を知るこ
とができる。
【0045】本発明の情報記録再生装置では、ピックア
ップ光学系の出力信号を基に生成されたトラッキングエ
ラー信号はグルーブとランド間で極性の異なるものとな
る。本発明では、上述の光学的情報記録媒体を用い、ミ
ラー部を検出することにより、トラッキングエラー信号
の極性の切り替えが行われる。ミラー部の検出には、上
述の光学的情報記録媒体において、ミラー部がその長さ
がサーボが外れない程度の長さで、かつピックアップ光
のスポットが十分収まる(スポットがグルーブにかかる
ことのない)長さとなっていれば、例えばプッシュプル
法(実施例にて詳述する)を用いた場合は、このミラー
部ではピックアップ光学系からの出力信号の和信号はミ
ラー部以外のレベルよりも十分高いものとなることが利
用される。すなわち、ピックアップ光学系からの出力信
号の和信号がミラー部以外のレベルよりも十分高くなっ
た状態をスポットがミラー部を通過した状態とし、これ
を基にミラー部が検出される。そして、その検出結果を
基にトラッキングエラー信号の極性が切り替えられる。
これにより、グルーブとランド間で常に同じ極性のトラ
ッキングエラー信号が得られることとなる。
【0046】また、上記のミラー部の検出は、例えば、
ピックアップ光学系からの出力信号の和信号とその和信
号のピークホールド値を基に得られた所定のDCレベル
値とを比較し、和信号がDCレベル値を越えた状態を検
出することにより行うことができる。
【0047】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0048】<実施例1>図1は、本発明の第一の実施
例の光学的情報記録媒体を説明するための図で、(a)
はディスク記録面上に形成されたトラックを模式的に示
した図、(b)は(a)に示すトラックの一部を拡大し
た図である。
【0049】図1において、1はディスク、2aおよび
2bはランド部、3a〜3cはグルーブ、4はピットが
形成されることのないミラー部である。グルーブ3a〜
3cはディスク周方向に沿って形成された、不連続部を
持つ略螺旋状の案内溝であり、これらグルーブ部の間に
ランド2a,2bが形成されている。各グルーブに形成
されている不連続部はディスク半径方向に連続してお
り、この連続した不連続部がミラー部4である。本実施
例の光学的情報記録媒体では、各グルーブ3a〜3cお
よび各ランド2a,2bによりトラックが構成されてい
る。すなわち、グルーブ部3aの終点とランド2a起
点、ランド2aの終点とグルーブ3b起点、グルーブ部
3bの終点とランド2b起点、ランド2bの終点とグル
ーブ3c起点がそれぞれミラー部4を挟んで連続してお
り、これらにより螺旋構造のトラックを構成している。
また、図中、トラックはグルーブ3a〜3c、ランド2
a,2bしか示されていないが、実際には複数設けられ
ている。
【0050】上述の光学的情報記録媒体では、ミラー部
4は、その周方向の長さがサーボが外れない程度の長さ
で、かつピックアップ光のスポットが十分収まる(スポ
ットがグルーブにかかることのない)長さとなってい
る。このミラー部4では、後述する和信号がミラー部以
外のレベルよりも十分高い値となる。また、このミラー
部4により、その前後では各ランド間、各グルーブ間は
空間的な位相が180度ずれたものとなる。
【0051】上記ミラー部4が設けている理由として
は、以下の3つが挙げられる。
【0052】(1)グルーブからランドへ移動する場
合、グルーブの溝の終端において発生するピックアップ
光に対するノイズの影響をミラー部にて緩和する。
【0053】(2)ランド部をトレースするときとグル
ーブをトレースするときでは、トラッキングエラー信号
の極性を切り替える必要があり、ミラー部を検出するこ
とによりトラッキングエラー信号の極性を切り替える。
【0054】(3)トラッキングエラー信号の極性を切
り替える際のスイッチングを行うための時間を与える。
【0055】次に、このディスク1における情報の記録
および再生について説明する。ここでは、説明を簡単化
するため、ランド2aをトラックnとし、これに隣接す
るグルーブ3a,3bをそれぞれトラックn−1,n+
1とし、さらに隣接するランド2bをトラックn+2、
グルーブ3cをトラックn+3とする。
【0056】例えば、図1に示すミラー部4に向かって
左側のトラックnの位置(起点)に光スポットが位置し
ていたとし、ディスクが時計回りに回転すると考える
と、相対的に光スポットはディスク1上をトラックnに
沿って反時計回りに移動するので、ディスクが約一周回
転した後ミラー部4の右側のトラックnの位置(終点)
に移動する。
【0057】本実施例では、ミラー部4の周方向の長さ
はサーボが外れない程度の長さとなているため、さらに
ディスクが回転して光スポットがミラー部4を横切る
間、光スポットはほぼ直線的に移動する。したがって、
ミラー部4の右側のトラックnの位置(終点)からミラ
ー部4に突入した光スポットは、そのまま直線的に移動
してミラー部4の左側のトラックn+1の位置(起点)
に突入する。さらにディスクが回転すると、光スポット
はトラックn+1からトラックn+2に移動する。この
ように、本実施例の光学的情報記録媒体では、トラック
ジャンプ動作を行うことなく、ランド部とグルーブ部を
交互に連続してトレースすることができる。よって、ラ
ンド/グルーブ記録を行った場合において、高速性を損
なわずに大量のデータを処理することができる。
【0058】次に、上述の光学的情報記録媒体に情報の
記録再生を行うための本発明の一実施例の情報記録再生
装置について詳細に説明する。
【0059】図2は、図1に示す光学的情報記録媒体に
情報の記録再生を行う本発明の情報記録再生装置のトラ
ッキングサーボ系の構成の一例を示すブロック図であ
る。
【0060】図2において、1はディスク、21は対物
レンズ、22は光学系、23はATエラー信号生成回
路、24は和信号生成回路、25はピークホールド回
路、26aおよび26bは分圧抵抗、27は2値化回
路、28は極性切替器、29は位相補償器、30はスイ
ッチ、31はコントロール回路、32は加算回路、33
はアクチュエータドライバ、34はアクチュエータ、3
5はトグルフリップフロップである。
【0061】ディスク1は図1に示した光学的情報記録
媒体であり、ここでは、ランド及びグルーブの双方にデ
ータが記録され、その記録された情報が読み取られる。
【0062】対物レンズ21、光学系22、ATエラー
信号生成回路23、極性切替器28、位相補償器29、
スイッチ30、コントロール回路31、加算回路32、
アクチュエータドライバ33、およびアクチュエータ3
4は前述の図8に示す従来のものと同様の構成のもので
あるので、ここでは詳しい説明は省略する。なお、極性
切替器28における極性切替は、図8に示す従来のもの
の場合はコントロール回路が実際に記録再生しようとす
る情報トラックのアドレス情報を基に、そのトラックが
グルーブであるのか、ランドであるのかを判定してトラ
ッキングエラー信号の極性切替を行うよう構成されてい
たが、本実施例では、後述する極性切替制御部によって
もその極性切替が制御されるよう構成されている。ま
た、以下の説明ではATエラー信号生成回路23の出力
をトラッキングエラー信号(a)、極性切替器28の出
力をトラッキングエラー信号(f)とする。
【0063】極性切替制御部は極性切替器28における
極性切替を制御するものであって、その構成は和信号生
成回路24、ピークホールド回路25、分圧抵抗26
a,26b、2値化回路27、トグルフリップフロップ
35によりなる。以下、これら各部について詳しく説明
する。
【0064】和信号生成回路24は、光学系22のセン
サから出力された電気信号を基に和信号(b)を生成す
る。この和信号生成回路24における和信号の生成は、
光学系22におけるトラッキング方式に対応して生成さ
れる。例えば、プッシュプル法の場合は、2分割フォト
ディテクタ(もしくは4分割フォトディテクタ)の各セ
ンサ部の出力の和をとる。この和信号生成回路24から
出力された和信号(b)は、ピークホールド回路25に
入力されるとともに2値化回路27の一方の入力となっ
ている。
【0065】ピークホールド回路25は、入力される和
信号のピーク値をホールドする回路で、その出力は分圧
抵抗26a,26bを介して2値化回路27の他方の入
力となっている。分圧抵抗26aは一端がピークホール
ド回路25の出力ラインと接続されており、他端が2値
化回路27の他方の入力ラインと接続されるとともに分
圧抵抗26bの一端に接続されている。分圧抵抗26b
の他端は接地されている。このピークホールド回路25
から出力された和信号のピークホールド値は、これら分
圧抵抗26a,26bによって適当に分圧されてDCレ
ベル信号(c)となり、これが2値化回路27に入力さ
れている。
【0066】2値化回路27は、和信号生成回路24か
ら出力された和信号(b)を一方の入力とし、ピークホ
ールド回路25から分圧抵抗26a,26bを介して出
力されたDCレベル信号(c)を他方入力とし、これら
を比較してトグルフリップフロップ35のトリガとなる
2値化信号(d)を発生するものである。
【0067】トグルフリップフロップ35は、2値化回
路27から出力された2値化信号(d)をトリガとして
上述の極性切替器28における極性切替を制御するため
の極性切替制御信号(e)を生成するものである。この
トグルフリップフロップ35から出力された極性切替制
御信号(e)を基に極性切替器28における極性切替が
制御される。
【0068】次に、この情報記録再生装置の動作につい
て説明する。以下の説明では、シーク時の動作と、トレ
ース時の動作とに分けて説明する。
【0069】(1)シーク時の動作 図3は図1に示す情報記録再生装置の動作を説明するた
めの図で、(a)はフォーカシングサーボのみ作動し、
トラッキングサーボは作動していない状態で、ディスク
1の外周から内周方向に、あるグルーブ3aからはじま
りグルーブ3dまで光スポットがランド及びグルーブを
横切った状態を示す図、(b)は(a)に示す光スポッ
トの移動に応じたトラッキングエラー信号(a)、和信
号(b)、DCレベル信号(c)、2値化信号(d)、
極性切替制御信号(e)、およびトラッキングエラー信
号(f)の波形を示した図である。
【0070】なお、簡単のために、光スポットのトラッ
クに対する相対的な移動速度のディスク半径方向の成分
がミラー部4の前後で方向が変化しないこととする。仮
に、光スポットのトラックに対する相対移動速度のディ
スク半径方向成分が、ミラー部4で丁度0になったとし
ても、本発明の主旨に制限を加えるものではない。
【0071】まず、光スポットがスポットからスポッ
トまで単にランド/グルーブをディスク半径方向に横
切る場合の各出力信号について説明する。
【0072】ATエラー信号生成回路23から出力され
たトラッキングエラー信号(a)は、スポットで立ち
上がりゼロクロスし、スポットで立ち下がりゼロクロ
スし、再びスポットで立ち上がりゼロクロスし、スポ
ットで立ち下がりゼロクロスするといった周期的な波
形(正弦波状)となる。また、和信号生成回路24から
出力された和信号(b)は、上記トラッキングエラー信
号(a)の立ち上がりゼロクロスの時点で最小値、立ち
下がりゼロクロスの時点で最大値となる正弦波となる。
この間、上記の和信号(b)の値はピークホールド回路
25から出力され分圧抵抗26a,26bにより分圧さ
れたDCレベル信号(c)の値より常に小さな値となっ
ており、2値化回路27からは2値化信号(d)として
「0」が出力される。2値化回路27から出力された2
値化信号(d)が「0」のため、トグルフリップフロッ
プ35から出力される極性切替制御信号(e)は「0」
に保たれる。
【0073】上記のようにトグルフリップフロップ35
から出力される極性切替制御信号(e)が「0」に保た
れた状態では、極性切替器28では極性の切り替えは行
われず(現在の極性に維持されている)、トラッキング
エラー信号(f)としてATエラー信号生成回路23か
ら出力されたトラッキングエラー信号(a)がそのまま
出力される。
【0074】次に、光スポットがスポットからミラー
部4を通過してスポットへ移動した場合について説明
する。
【0075】ATエラー信号生成回路23から出力され
たトラッキングエラー信号(a)は、ミラー部4を通過
するときにトラッキングエラー信号(a)のレベルが0
になると共に、その前後ではランド間の位相のずれにし
たがってトラッキングエラー信の位相も180度反転す
る。したがって、図3(a)に示すようなミラー部4の
前後で位相が180度反転した波形となる。
【0076】また、光スポットがミラー部4を通過する
場合、その光スポットがグルーブにかかることはないの
で、和信号生成回路24から出力された和信号(b)
は、上述のスポット,スポット(このスポットで
は、光スポットの一部はそのランドの両側に隣接するグ
ルーブにかかった状態となっている)における和信号
(b)よりも回折の影響がない分大きく、ピークホール
ド回路25から出力され分圧抵抗26a,26bにより
分圧されたDCレベル信号(c)の値を越えるものとな
る。したがって、図3(b)に示すようにミラー部4に
おいてのみDCレベル信号(c)の値を越え、ミラー部
4通過後は、上記トラッキングエラー信号(a)の立ち
上がりゼロクロスの時点で最小値、立ち下がりゼロクロ
スの時点で最大値となる正弦波となる。なお、ここで
は、従来の基板と同様ランド部の反射率がグルーブ部で
の反射率より高いとして表現しているが、実際のランド
/グルーブ記録用の基板では、記録信号の品位を均一化
するためにランドとグルーブの幅の比をほぼ1:1にす
るなどの理由から、図3に示したようなはっきりした正
弦波状の信号は得られない場合もある。しかし、ここで
重要なのは和信号の振幅が得られるということではな
く、ミラー部4における反射率が他の部分よりも大き
く、すなわちそれが和信号レベルに反映されてミラー部
4の検出に利用できるということである。
【0077】和信号生成回路24から上記和信号(b)
が出力されると、2値化回路27からは次のような2値
化信号(d)が出力される。光スポットがミラー部4を
通過している間は、和信号(b)の値がDCレベル信号
(c)の値を越えることとなるため、2値化信号(d)
として「1」が出力され、光スポットがミラー部4を通
過した後は和信号(b)の値はDCレベル信号(c)の
値より常に小さなものとなるため、2値化信号(d)と
して「0」が出力される。
【0078】2値化回路27から上記の2値化信号
(d)が出力されると、トグルフリップフロップ35で
は、その2値化信号(d)のクロックの立上りをトリガ
とし、極性切替制御信号(e)が「0」から「1」に切
り替わる。
【0079】トグルフリップフロップ35から極性切替
制御信号(e)として「1」が出力されると、極性切替
器28では極性の切替が行われ、トラッキングエラー信
号(f)としてATエラー信号生成回路23から出力さ
れたトラッキングエラー信号(a)を反転したものが出
力される。一度、極性が切り替えられると、その状態は
2値化信号(d)として「1」が再び出力されるまで維
持される。この結果、図3(b)に示すような、ミラー
部4の前後でも位相が連続したトラッキングエラー信号
(f)が得られることとなる。
【0080】以上のように、本実施例では、ミラー部4
を光スポットが通過した場合に生じる空間的な位相のず
れ(180度のずれ)について、そのミラー部の通過を
検出して極性切替器28を動作させ、極性を切り替える
ことにより図3(b)に示すようなトラッキングエラー
信号(f)が得られるので、例えばシーク動作を行う際
のトラック数のカウントを、特別なアルゴリズムを用い
ることなく従来法に行うことができる。
【0081】また、極性切替器28は、コントロール回
路31からも制御信号が入力されており、ミラー部と関
係なくランド、グルーブ間を移動することができる。
【0082】以上は、説明のためにトラッキングサーボ
が掛かっていない場合についての各部信号を述べたが、
通常のトレース動作状態ではトラッキングサーボも掛か
っており、この場合も全く同様の回路を用いてミラー部
の検出を行うことができ、ミラー部においてトラッキン
グエラー信号の極性を切り換えることにより、ランドか
らグルーブ、グルーブからランドへの移行が滑らかに行
える。以下、トレース時の動作について簡単に説明す
る。
【0083】(2)トレース時の動作 ここでは、光スポットが図3(a)に示すグルーブ3a
のスポットの位置にあり、極性切替制御信号(e)が
「0」となっている場合において、その光スポットがグ
ルーブ3a上を移動し、ミラー部4を通過してランド2
aに移動する場合の動作について説明する。
【0084】光スポットが図3(a)に示すグルーブ3
aのスポットの位置にある場合は、ATエラー信号生
成回路23から出力されたトラッキングエラー信号
(a)は「0」となっている。このとき極性切替器28
は、グルーブ側の極性に切り替えているものとする。
【0085】光スポットがグルーブ3a上を周方向に移
動し、トラック中心であるスポットの位置から半径方
向にずれると、そのずれがトラッキングエラー信号
(a)に反映され、これを基にトラッキングが行われ
る。例えば、光スポットがディスク内周方向へずれ、そ
のずれによりトラッキングエラー信号(a)が「0.1
V」となった場合には、その「0.1V」が位相補償器
29、スイッチ30および加算回路32を介してアクチ
ュエータドライバ33へ入力される。アクチュエータド
ライバ33は、入力されたトラッキングエラー信号を電
流信号に変換してATアクチュエータ34を駆動し、対
物レンズをトラック中心、つまりこの場合は外周方向に
移動させる。このような一連の動作の繰返しによりトラ
ッキングが行われる。以下、このトラッキング動作が行
われている状態で、光スポットが移動した場合のトラッ
キングエラー信号(a)、和信号(b)、DCレベル信
号(c)、2値化信号(d)、極性切替制御信号
(e)、およびトラッキングエラー信号(f)について
説明する。
【0086】光スポットがグルーブ3a上を周方向に移
動してミラー部4上に移動すると、和信号生成回路24
から出力される和信号(b)の値がDCレベル信号
(c)の値を越えることとなり、2値化回路27から2
値化信号(d)として「1」が出力される。
【0087】2値化回路27から2値化信号(d)とし
て「1」が出力されると、トグルフリップフロップ35
では、その2値化信号(d)のクロックの立上りをトリ
ガとし、極性切替制御信号(e)が「0」から「1」に
切り替わる。
【0088】トグルフリップフロップ35から出力され
る極性切替制御信号(e)が「0」から「1」に切り替
わると、極性切替器28ではトラッキングエラー信号の
極性がグルーブ側の極性からランド側の極性に切り替え
られる。これにより、トラッキングエラー信号(f)と
してATエラー信号生成回路23から出力されたトラッ
キングエラー信号(a)を反転したものが出力されるこ
ととなる。このように、ミラー部4を通過した時の和信
号(b)の値を検出し、これをトリガとして極性切替制
御信号(e)の値を切り替え、これにより極性切替器2
8における極性切替が行われる。
【0089】例えば、ミラー部4を通過した時点で、ス
ポットが先程と同様内周側にずれているとすると、この
ときはランドとグルーブの空間的位相が180度変化し
ているので、エラー信号は「−0.1V」となる。した
がって、ミラー検出による極性切替が行われると極性切
替後の出力は先程と同じ「0.1V」となり正確なトラ
ッキングサーボが行なえる。
【0090】以上のように、本実施例では、ランドから
グルーブ、グルーブからランドと光スポットが移行した
場合、ミラー部4を検出することにより極性をランド側
の極性からグルーブ側の極性へ、グルーブ側の極性から
ランド側の極性へ切り替えることができるので、その光
スポットの移行を滑らかに行うことができる。
【0091】なお、トラッキングサーボの引き込みを安
定にする技術として、トラック横断信号から光スポット
とトラックとの横断方向成分の速度を検出して行う方法
が知られているが、この場合も極性切替後のエラー信号
(f)を用いることにより正確な速度検出が可能にな
る。
【0092】以上説明したように、本実施例で述べた光
学的情報記録媒体を用いることにより、情報転送の高速
性を損なわずに媒体の大容量化が実現できる。また、こ
れは全ての方式の光学的情報記録媒体、即ちROM(再
生専用)型、WORM型(追記)型、R/W(書き換え
可能)型に対して同様の効果を上げることができ、媒体
形状としても、ディスク型に留まらず、カード型であっ
てもデータトラックが螺旋状に形成されているものであ
れば、同様の形態をとることができる。
【0093】さらに、本実施例で説明したようなトラッ
キングサーボ系を用いることにより、上記光学的情報記
録媒体の特長を最大限に引き出し、高速、大容量の情報
記録再生装置が提供できる。
【0094】<実施例2>図4は、本発明の第2の実施
例の光学的情報記録媒体の概略構成を示す図である。
【0095】本実施例の光学的情報記録媒体は、図1に
示したミラー部分4をディスクの周方向にミラー部分4
a,4b,4cの三箇所設けた構成となっている。これ
により、例えば4aを通過してランド上に位置した光ス
ポットは、ミラー部4bで極性を切り換えてグルーブ上
にトラッキングし、さらにミラー部4cで再びランド上
に極性を切り換えて4aに達する。ここでも、極性の切
り換えが行われるので、結果としてディスク一周毎にラ
ンド/グルーブを交互にトレースすることができる。
【0096】本実施例と前述した第一の実施例で、ディ
スク上に設けたミラー部の数が一箇所の場合と三箇所の
場合について説明した。これから容易に想像できるよう
に、本発明は第一、第二の実施例の形態にとらわれるも
のではなく、トラック一周の中でミラー部の数が奇数で
あれば、本発明の主旨を実現することができる。
【0097】また、情報記録再生装置については、ミラ
ー部の数をいくつに設定しても第一の実施例で説明した
ように、和信号(b)からミラー部を検知してトラッキ
ングの極性を切り替えるものが有効であり、これが最も
簡単で正確である。ただし、本発明はこれに限定される
ものではなく、他にさまざまなものが考えられる。
【0098】例えば、第一、第二の実施例のように、ミ
ラー部が最内周から最外周まで同じ周方向位置にある場
合には、ミラー部の最外周(あるいは最内周)位置に、
ミラー部を示すための印をディスク上に付けておく。こ
れは反射率など光学定数が周囲と異なる材料を微小な大
きさに付けておいてもよいし、基板の形状を変化させて
おいてもよい。情報記録再生装置側では情報記録再生用
の光ビームとは別に、このミラー部検出器を設けておい
てトラッキングの極性を切り換える構成にしておけば、
本発明の高速、大容量ディスクが実現できる。
【0099】<実施例3>図5は、本発明の第3の実施
例の光学的情報記録媒体の概略構成を示す図である。
【0100】図5において、5a,5bはセクタヘッダ
部分である。セクタとは、情報記録媒体上にデータを記
録する際に記録情報の管理を容易にするために設けられ
たもので、通常媒体の記録領域全体を数百ビッドから数
キロバイト毎のブロックに分けて、情報の記録再生を行
う。一つのセクタはヘッダ部とデータ部に分けられ、情
報記録再生装置はセクタヘッダに記録された各セクタの
位置、トラックナンバーなどに基づいて所望の場所にア
クセスし、それに続くデータ部に情報を記録再生する。
即ち、セクタヘッダとそれに続くデータ部は一つのセク
タとしてまとめて扱う。
【0101】前述した第1および第2の光学的情報記録
媒体では、光スポットがミラー部4から抜けるとき、あ
るいはミラー部4に入るときに必ずグルーブのエッジ部
分を光スポットが横切ることになる。したがって、セク
タの中のヘッダ領域のデータビットが存在する部分ある
いはデータ領域にミラー部があると(すなわち、ピット
がミラー部にまたがって存在すると)、データピットに
グルーブノイズが混入してエラーの原因になることがあ
り、情報の記録再生が不安定になることがある。
【0102】そこで、本実施例の情報記録媒体では、図
5に示すようにトラック方向に隣接するセクタの間にミ
ラー部を位置させ、このミラー部では情報の記録再生を
行わないこととする。これにより、情報記録再生の動作
にグルーブノイスによる悪影響を与えない形で本発明を
実現することができる。
【0103】なお、図5ではミラー部を一周に一箇所の
み設けているが、第二の実施例で説明したのと同様の理
由で、ミラー部を複数箇所としても本発明の主旨に反す
るものではないことは勿論である。
【0104】<実施例4>図6は、本発明の第4の実施
例の光学的情報記録媒体の概略構成を示す図である。
【0105】本実施例の光学的情報記録媒体は、全ての
セクタヘッダにミラー部を配置した構成となっている。
セクタヘッダ部分は、予め決められたフォーマットにし
たがって各種の情報を記憶しておくので、そのフォーマ
ットの中にミラー部(ランド/グルーブの空間的位相を
切り替える部分)を設けておく。そして、この部分には
情報は記録しておかないような取り決めをしておけば、
情報記録再生の際にミラー部による悪影響を与えずに、
情報の記録再生を行うことができる。なお、この場合、
グルーブに関してはミラー部に隣接する所定の領域には
情報は記録しておかないような取り決めをすることが望
ましい。
【0106】さらに、本実施例の場合は、ミラー部が各
セクタ毎に存在するために、ミラー部から得られるトラ
キングエラー信号をオフセット除去のために使うなど、
ミラー部を他の用途に利用することもできる。
【0107】ただし、本発明はディスク一周の中でミラ
ー部が奇数箇所存在することが条件となっているため、
ディスクの周方向にセクタ数を変化させて容量を増やす
ZCAV方式を用いる場合であっても、各ゾーンのセク
タ数を奇数にするのが簡便である。しかしながら、少し
でも容量を多くする場合にはセクタ数が偶数になる場合
も考えられる。この場合は、ある所定のセクタのみミラ
ー部を設ける、或いは設けないなどの手法により、全体
としてミラー部の数が奇数になるようにすればよい。
【0108】また、先述のようにミラー部を他の用途に
使用し、全セクタにミラー部が必要となる場合には、ミ
ラー部の前後でランド/ブルーブの位相を変化させない
セクタを設けて、位相が反転する場所の数を実質的に一
周で奇数個にしてもよい。ただし、この場合は位相が反
転しないセクタにマーキングするなどして、情報記録再
生装置側にも検知手段を設けなければならない。
【0109】以上説明した本発明の光学的情報記録媒体
は、CAV(Constant Angular Velocity;回転数一
定)ディスク、またはディスクをディスク半径方向にい
くつかのゾーンに分け、外周側のゾーンほど回転速度を
遅くするZCAV(Zoned CAV)ディスクにおいて、特
長を最大限に引き出すことができ、これら記録媒体を用
いることにより、高速、大容量の情報記録再生装置を提
供できる。
【0110】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載するような効果を奏する。
【0111】請求項1から請求項6に記載のものおいて
は、トラックジャンプ動作を行うことなく、ランド部分
とグルーブ部分を連続して記録再生することができるた
め、動作の高速性を損なうことがない、大容量の情報記
録媒体を実現することができるという効果ある。
【0112】請求項7および請求項8に記載のものにお
いては、上記効果奏する情報記録再生装置を提供するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の光学的情報記録媒体を
説明するための図で、(a)はディスク記録面上に形成
されたトラックを模式的に示した図、(b)は(a)に
示すトラックの一部を拡大した図である。
【図2】図1に示す光学的情報記録媒体に情報の記録再
生を行う本発明の情報記録再生装置のトラッキングサー
ボ系の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す情報記録再生装置の動作を説明する
ための図で、(a)は光スポットがランド及びグルーブ
を横切った状態を示す図、(b)は各信号の波形を示し
た図である。
【図4】本発明の第2の実施例の光学的情報記録媒体の
概略構成を示す図である。
【図5】本発明の第3の実施例の光学的情報記録媒体の
概略構成を示す図である。
【図6】本発明の第4の実施例の光学的情報記録媒体の
概略構成を示す図である。
【図7】螺旋状にトラックを形成した従来のディスク型
の光学的情報記録媒体を示す図である。
【図8】図7に示す光学的情報記録媒体に対してランド
/グルーブ記録を行う情報記録再生装置のトラッキング
サーボ系の概略構成を示す図である。
【図9】図7に示す記録媒体に対して光スポットがラン
ド及びグルーブを順次が横切った場合に生成されたトラ
ッキングエラー信号の波形図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2a,2b,2c,2d ランド 3a,3b,3c,3d グルーブ 4,4a,4b,4c ミラー部 5a,5b セクタヘッダ 21 対物レンズ 22 光学系 23 ATエラー信号生成回路 24 和信号生成回路 25 ピークホールド回路 26a,26b 分圧抵抗 27 2値化回路 28 極性切替器 29 位相補償器 30 スイッチ 31 コントロール回路 32 加算回路 33 アクチュエータドライバ 34 アクチュエータ 35 トグルフリップフロップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 夫々がランド部とグルーブ部とから構成
    される複数のトラックが形成されたディスク状の光学的
    情報記録媒体において、 前記トラックをディスク周方向に分断するミラー部を備
    え、 前記ディスク周方向において前記ミラー部の前後ではグ
    ルーブ部とランド部が連続して形成されていることを特
    徴とする光学的情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光学的情報記録媒体に
    おいて、 前記ミラー部にはピットが形成されていないことを特徴
    とする光学的情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の光学的情報記録媒体に
    おいて、 前記ミラー部はディスク周方向に複数配置されているこ
    とを特徴とする光学的情報記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の光学的情報記録媒体に
    おいて、 前記複数のトラックの夫々は複数のセクタからなると共
    に1トラックあたりのセクタ数がディスクの内周から外
    周まで一定とされており、 前記ミラー部は前記セクタ間に配置されていることを特
    徴とする光学的情報記録媒体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の光学的情報記録媒体に
    おいて、 前記複数のトラックの夫々は複数のセクタからなり、前
    記ミラー部は前記セクタのヘッダの一部に形成されてい
    ることを特徴とする光学的情報記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光学的情報記録媒体に
    おいて、 前記複数のトラックの夫々は複数のセクタからなると共
    に前記複数のトラックは前記ディスクの半径方向にゾー
    ン分割され、各ゾーン内においては1トラックあたりの
    セクタ数がディスクの内周から外周まで一定とされてお
    り、 前記ミラー部は前記セクタ間に配置されていることを特
    徴とする光学的情報記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に
    記載の光学的情報記録媒体に対して情報の記録再生を行
    う情報記録再生装置において、 前記光学的情報記録媒体の記録面に対向して配置された
    ピックアップ光学系と、 前記ピックアップ光学系の出力に基づいてトラッキング
    エラー信号を生成するトラッキングエラー信号生成回路
    と、 前記トラッキングエラー信号の極性を切り替える極性切
    替器と、 前記極性切替器にて極性が切り替えられたトラッキング
    エラー信号を基にトラッキングを行うトラッキングサー
    ボ機構と、 前記ピックアップ光学系の出力を基にミラー部を検出
    し、前記極性切替器を制御する制御手段とを備えること
    を特徴とする情報記録再生装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の情報記録再生装置にお
    いて、 前記制御手段は、 前記ピックアップ光学系の出力から和信号を生成する和
    信号生成回路と、 前記和信号のピークホールド値を検出するピークホール
    ド回路と、 前記ピークホールド値を基に所定のDCレベル値を得る
    分圧抵抗と、 前記DCレベル値と前記和信号を比較して、2値化信号
    を生成する2値化回路と、 前記2値化信号を基に前記極性切替器に対して極性切替
    を制御するための制御信号を出力するトグルフリップフ
    ロップと、から構成されていることを特徴とする情報記
    録再生装置。
JP7106463A 1995-04-28 1995-04-28 光学的情報記録媒体及びその記録媒体を用いた情報記録再生装置 Pending JPH08306081A (ja)

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US08/637,211 US5896365A (en) 1995-04-28 1996-04-24 Optical information recording medium capable of recording in lands and grooves without a track-jumping operation; optical information recording/reproducing apparatus using, and master disk exposure apparatus for producing the same
DE69624615T DE69624615T2 (de) 1995-04-28 1996-04-26 Optisches Informationsaufzeichnungsmedium, optisches Informationsaufzeichnungs-/-wiedergabegerät unter Verwendung dieses Mediums, und Originalplattenbelichtungsgerät zu seiner Herstellung
EP96302973A EP0740291B1 (en) 1995-04-28 1996-04-26 Optical information recording medium; optical information recording/reproducing apparatus using the medium, and master disk exposure apparatus for producing the same

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