JPH08304969A - 光学フィルターを用いた写真感光材料の露光方法 - Google Patents

光学フィルターを用いた写真感光材料の露光方法

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JPH08304969A
JPH08304969A JP10537195A JP10537195A JPH08304969A JP H08304969 A JPH08304969 A JP H08304969A JP 10537195 A JP10537195 A JP 10537195A JP 10537195 A JP10537195 A JP 10537195A JP H08304969 A JPH08304969 A JP H08304969A
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white
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tone
color
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JP10537195A
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Tomomichi Nakaba
智道 中場
Hiroshi Nishinoiri
洋 西野入
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】黒白ネガから多階調印画紙用調子変換フィルタ
ーを用いて従来の多階調印画紙と同様な調子に焼き付け
ることができ、且つカラーネガからの焼き付け時におい
ても感色性の優れた黒白プリントを得ることができる露
光方法を提供する。 【構成】550nm以下に極大感光波長域と調子の異な
る2つの成分を有すると共に、550nm以上に少なく
とも1成分以上の極大感光波長域を有し、それぞれ約4
30nm、約540nmに透過極大波長を有するフィル
ターを通しての露光により得られる特性曲線のS(感
度)をそれぞれSB、SGとするとき、その両者の関係
が0.95≦SB/SGであるハロゲン化銀写真感光材
料をカラーネガから露光する方法であって、該ハロゲン
化銀感光材料のSBとSGの関係が0.65≦SB/S
G≦0.95になるようなイエロー成分を含有した光学
フィルターを使用することを特徴とする、カラーネガか
らの露光方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に黒白ネガから多階
調印画紙用調子変換フィルターを用いて従来の多階調印
画紙と同様な調子に焼き付けることができ、且つカラー
ネガからの焼き付け時においても感色性の優れた黒白プ
リントを得ることができるパンクロ適性を有した多階調
印画紙を用いて、カラーネガからの露光に際し粒状性と
色の黒白再現性に優れた黒白プリントを得る露光方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に黒白印画紙は、焼き付けようとす
る黒白ネガの様々な調子に対応できるよう、1〜5号調
までの階調の異なるものがそれぞれ号数表示され販売さ
れている。しかし、種々の黒白ネガに応じて最適のプリ
ントを得るためには、使用者は何種類もの号数の印画紙
を備えていなければならず、また備えておいても使用頻
度が少ないと、保存している間に品質が劣化してしまう
等の不都合があった。
【0003】この問題を解決するため、1つの感光材料
で階調の異なるプリントを得ることができる多階調印画
紙が知られている。この多階調印画紙を使うには、引き
伸ばし機等を用いる場合、透過する光の波長が異なる光
学フィルター(以下、調子変換フィルター)を選択する
ことで露光波長を調節し、またミニラボ等の明室プリン
ターを用いる場合は、イエローのダイクロイックフィル
ター、或いはマゼンタのダイクロイックフィルターを通
して得られる光と、白光とを適当な比率で混合させてで
きる光で露光することによって、1種類の感光材料で階
調の異なるプリントを得ることができる。
【0004】ところで近年は、カラーフィルムと黒白フ
ィルムを使い分ける傾向が減少し、カラーフィルムで写
真を撮影する機会が増したこともあって、カラーフィル
ムを装填したカメラ一台のみを使用することが多くなっ
てきた。そのため、カラーネガからカラー印画紙に焼き
付けるだけでなく、黒白印画紙にも焼き付けする機会が
増えてきたが、普通の黒白印画紙や多階調印画紙にプリ
ントしても、カラーネガからは色の黒白再現性等の点で
満足できる品質のプリントは得ることができなかった。
これはカラーネガの場合、黒白ネガとは異なりイエロ
ー、マゼンタ、シアンの3種の色素画像より形成されて
おり、被写体の各色の自然な黒白階調再現を得るには可
視光の全波長域に感光域を有することが必要なためであ
る。そのため青、緑、赤の全波長域に感光性を有するパ
ンクロ黒白印画紙が使われており、またカラーネガの調
子に対応するように階調の異なるものが号数表示され販
売されてはいる。しかしパンクロ黒白印画紙は、1種の
印画紙では様々なカラーネガの調子には対応できない
し、もちろん種々の黒白ネガに応じて階調の満足できる
黒白プリントを得ることもできない。このような背景に
より、1種の感光材料で様々な調子の黒白ネガから優れ
た品質の黒白プリントを得ることができ、且つカラーネ
ガからも階調の満足できる黒白プリントを得ることので
きる黒白印画紙が望まれていた。
【0005】そこで、黒白ネガに対しては従来の多階調
な焼き付けが可能で、且つカラーネガからの焼き付けに
おいても、階調コントロールはできないものの、感色性
の優れた黒白プリントが得られるパンクロ適性を有した
多階調印画紙(以下、PGBM印画紙)として、例えば
特願平5−277252号等に提案されているものがあ
る。これは青、緑色域に分光感度を有し、黒白ネガから
の多階調焼き付けに必要な分光特性を備えると共に、赤
色光に対しても感色性を有するように設計されたもの
で、標準的なカラーネガからは感色性の優れた黒白プリ
ントが得られ、また、赤色光を吸収する光学フィルター
を追加すれば、調子変換フィルターにより黒白ネガから
多階調印画紙と同様なプリントも得られるものである。
また青、緑、赤色域の各感光波長域において、分光感度
と調子の異なる少なくとも2成分以上のハロゲン化銀乳
剤を有する感光材料を、上記3つのそれぞれの感光波長
域内における透過光の波長と透過率を変えて調整された
複数枚の光学フィルターの中から、使用者が希望の調子
にあった光学フィルター(以下、CBMフィルター)1
枚を任意に選択して露光することによって、カラーネガ
からも幅広い調子変換が可能な、つまりパンクロ多階調
適性を有した黒白印画紙も、特願平6−121062号
等により提案されている。上記2つの提案から考えれ
ば、各感光波長域において、分光感度と調子が異なる2
成分以上のハロゲン化銀乳剤を有し、且つ青、緑色域に
多階調印画紙と同様な分光感度を有する印画紙(以下、
PMBM印画紙)の作成も可能である。
【0006】PGBM印画紙はもとよりPMBM印画紙
は、CBMフィルターにより、カラーネガからだけでな
く黒白ネガからの多階調な焼き付けも可能ではあるが、
引き伸ばし機等を使用する場合、従来より市販されてい
る調子変換フィルターを用いて、黒白ネガから従来の多
階調印画紙と同様な調子変化幅で焼き付けることができ
れば便利である。PMBM印画紙がこの条件を満たすた
めには、青、緑色域の分光感度の比が、多階調印画紙の
分光感度の比と同程度で、且つ黒白ネガからの多階調特
性に不必要な成分への光を吸収する光学フィルターを用
いることにより可能となる。
【0007】また、明室プリンターでPMBM印画紙を
使用する場合は、青、緑、赤の各波長域内で軟調特性の
足部を形成する乳剤の感光波長への光を吸収する硬調用
光学フィルターと、各波長域内で硬調特性を形成する乳
剤の感光波長への光を吸収する軟調用光学フィルターの
2種を用意し、使用者は希望する調子特性に応じて、白
光と上記どちらかのフィルター透過光とを混合させた光
で露光することにより、求める黒白プリントを得ること
ができる。
【0008】ところで、カラーネガからの焼き付けの場
合、マゼンタ層、シアン層よりも比較的大きな粒子のハ
ロゲン化銀を使用しているカラーネガのイエロー層の発
色像の黒白プリント像への寄与が大きくなると、粒状性
の荒れの目立つプリントができてしまう問題があった。
このため特開平2−302755ではパンクロ印画紙の
青、緑、赤の感度比に関し、青感度を緑、赤感度に比し
て低感度な範囲に設定したハロゲン化銀乳剤を用いるこ
とにより、粒状性を改良する方法が提案されている。
【0009】しかし、PGBM印画紙、或いはPMBM
印画紙に特開平2−302755の方法を採用すると、
黒白ネガから焼き付ける際、調子変換フィルターでは充
分な調子変化幅が得られなくなるという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、特に
黒白ネガから多階調印画紙用調子変換フィルターを用い
て従来の多階調印画紙と同様な調子に焼き付けることが
でき、且つカラーネガからの焼き付け時においても感色
性の優れた黒白プリントを得ることができるパンクロ適
性を有した多階調印画紙を用いて、カラーネガからの露
光に際し粒状性と色の黒白再現性に優れた黒白プリント
を得る露光方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、5
50nm以下に極大感光波長域と調子の異なる2つの成
分を有すると共に、550nm以上に少なくとも1成分
以上の極大感光波長域を有し、それぞれ約430nm、
約540nmに透過極大波長を有するフィルターを通し
ての露光により得られる特性曲線のS(感度)をそれぞ
れSB、SGとするとき、その両者の関係が0.95≦
SB/SGであるハロゲン化銀写真感光材料をカラーネ
ガから露光する方法であって、該ハロゲン化銀感光材料
のSBとSGの関係が0.65≦SB/SG≦0.95
になるようなイエロー成分を含有した光学フィルターを
使用することを特徴とする、カラーネガからの露光方法
によって達成された。
【0012】SBは約430nmに透過極大を有する色
ガラスフィルターKL−43(東芝硝子株式会社製)を
通してセンシトメトリー用の露光をし、D−72現像液
(コダック社製)にて20℃90秒間現像し、定着処理
した試料の特性曲線において、反射濃度が1.0になる
ために必要な露光量の逆数とし、SGは約540nmに
透過極大を有する色ガラスフィルターKL−54(東芝
硝子株式会社製)を用いる以外はSBと同様にして求め
るものとする。
【0013】以下、本発明を更に詳細に記載する。
【0014】本発明の特徴は、黒白ネガから調子変換フ
ィルターを用いて多階調印画紙と同様な調子に焼き付け
ることができ、カラーネガからの焼き付け時においても
感色性の優れた黒白プリントを得ることができるPMB
G印画紙、或いはPMBM印画紙をカラーネガから焼き
付ける場合、青色光のみを吸収するイエローフィルター
(以下、Yフィルター)を用いることにより、粒状性の
満足できるプリントを得ることにある。青感度を緑、赤
感度よりも低くするには、印画紙の青感度を下げる、或
いは青感度はそのままで緑、赤感度を上げる等も考えら
れるが、どちらの方法も多階調印画紙の青と緑の感度比
とは異なったものとなるため、黒白ネガから調子変換フ
ィルターを用いて焼き付けたとき、調子再現性が損なわ
れる。これは多階調印画紙としての青と緑の感度比の好
ましい範囲は概ね決まっており、特開平2−30275
5に示されている範囲とは異なったものが一般的に使用
されているためで、前記特開のようにハロゲン化銀乳剤
で青感度を低く設定することは、多階調印画紙に合わせ
て調整された調子変換フィルターの性能が発揮できなく
なるためである。このような問題によりカラーネガから
は、Yフィルターを用いて、ある程度青感度を低くする
ことにより粒状性の満足できるプリントを得ることがで
きる。
【0015】しかし青感度を低くし過ぎると色の黒白再
現性が異なったプリントになってしまうため、Yフィル
ターを介して露光した時に、色の黒白再現性と粒状性の
両立できる青と緑の感度比を把握する必要があった。
【0016】そこで本発明者等が鋭意研究を重ねた結
果、上記ハロゲン化銀写真感光材料を、カラーネガから
の焼き付け時には前記試験条件での感度比が0.65≦
SB/SG≦0.95になるようなYフィルターを使用
すれば良いことを見出した。尚、上記ハロゲン化銀写真
感光材料を、同一の光学フィルターでカラーネガからも
黒白ネガからも露光する場合においては、カラーネガか
らの露光時にのみYフィルターを使用し、カラーネガか
らと黒白ネガからの露光時に別々の光学フィルターを使
用する場合においては、予め前記試験条件で上記感度比
を満たすようにカラーネガからの露光時に使用する光学
フィルターを設計しておけば、とくにYフィルターを用
いなくてもよい。赤感度(SR)については、カラーネ
ガから焼き付けた場合の色の黒白再現性、鮮鋭性の面か
ら、前記試験条件で約700nmに透過極大を有する色
ガラスフィルターKL−70(東芝硝子株式会社製)を
用いて求めた値が、0.6≦SR/SG≦1.5、より
好ましくは0.8≦SR/SG≦1.2の範囲内であれ
ば問題ない。
【0017】本発明方法に用いられるYフィルターに
は、公知のフィルター染料を用いてガラス、フィルムベ
ース、プラスチック、樹脂等に塗布したもの、或いはダ
イクロイックフィルター、市販されている光学フィルタ
ー等幅広く使用できるものである。
【0018】本発明方法に用いられるYフィルターの形
状、透過率、設置方法はどのようなものでもよい。
【0019】本発明方法によって焼き付けされた感光材
料は、露光後通常用いられる公知の方法により現像処理
することができる。黒白現像液は、通常の写真に用いら
れるヒドロキシベンゼン類、アミノフェノール類、アミ
ノベンゼン類等の現像主薬を含むアルカリ溶液であり、
その他アルカリ金属塩の亜硫酸塩、炭酸塩、重亜硫酸
塩、臭化物及びヨウ化物等を含むことができる。
【0020】以下に本発明方法を実施例により更に具体
的に説明するが、本発明方法はこの例のみに限定される
ものではない。
【0021】
【実施例】
【0022】特願平6−121062号に記載された方
法を基に、PMBM印画紙を作成した。430nmに固
有感度の感光極大を有するヨウ塩臭化銀乳剤(ヨウ化銀
0.4モル%、臭化銀60モル%、平均粒子サイズ0.
35μ)を使い、緑、赤感域双方の分光増感に利用でき
る610nmに感光極大を持つ化1(SR−1)を硝酸
銀30g分の上記乳剤に2.5mg添加し、50℃15分
間の色素熟成を施した。(乳剤1)
【0023】次に上記色素増感乳剤(硝酸銀30g分)
を2:2:6に分割し、最初の2割の乳剤に対し700
nmに感光極大を有する化2(SR−2)を0.3mg添
加し(乳剤2)、別の容器で次の2割の乳剤に540n
mに感光極大を有する化3(SG−1)を0.5mg添加
し(乳剤3)、それぞれ50℃15分間の色素熟成を施
し、残りの6割の乳剤には追加の色素は添加しなかっ
た。この3種類の乳剤を塗布する直前に混合し、引き続
き塗布するのに必要な活性剤、カブリ防止剤、硬膜剤等
の加剤を添加し、写真用ポリエチレンラミネート紙上に
硝酸銀として3g/m2 になるように1層塗布した後、
50℃1日加温して試作印画紙を作成した。
【0024】
【化1】
【0025】
【化2】
【0026】
【化3】
【0027】露光は3020K、163ルクスのタング
ステン光の感光計を使用し、光軸上に調子変換フィルタ
ー(三菱製紙株式会社製)と、370〜563nmの波
長の光を91〜92%透過すると共に、604〜780
nmの波長の光の透過率を1.5〜2%に抑え、且つ5
75nmで透過率50%の点を有するように作成したダ
イクロイックフィルター(以下、Cフィルター)を、2
枚重ねて挿入し、印画紙を濃度差0.15の黒白ウエッ
ジに密着させておこなった。ダイクロイックフィルター
は吉永 弘 応用分光学ハンドブック(1973)等に
よって公知のものであり、久保田、浮田、曾田 光学技
術ハンドブック(1968)等に記載されている方法に
よって、ガラス面に蒸着して作成した。
【0028】上記試作印画紙を、Cフィルターと、0、
3、5号調用の調子変換フィルターを用いて露光し、
0、3、5号調の黒白プリントを得た。比較試料として
多階調印画紙である三菱 GEKKO MULTI M
D−Fに調子変換フィルターのみを用いて、同様に黒白
プリントを得た。
【0029】これらの試料をD−72現像液(コダック
社製)にて20℃90秒間現像し、定着、水洗処理し
た。得られたプリントについて感度(反射濃度が1.0
になるために必要な露光量の逆数を感度値とし、MD−
Fの感度値を100とした場合の、試作印画紙の相対値
を算出)、ガンマ(反射濃度0.04の点から最大反射
濃度×0.9の点の傾き)を測定し得られた結果を表1
に示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1より、試作印画紙と多階調印画紙の感
度、ガンマには差がなく、双方の印画紙の青、及び緑感
成分の性能はほぼ同様であることが判る。
【0032】次に、試作印画紙と、多階調印画紙の各々
のSBを求めるため、上記感光計を使用し、光軸上にK
L−43を挿入し、以下同様に露光、現像処理をおこな
い、黒白プリントを得た。
【0033】プリントの黒白ウェッジから得られた反射
濃度が1.0になるために必要な露光量の逆数をSBと
した。
【0034】SGは、KL−43の代わりに、KL−5
4を挿入し、上記と同様な方法にて求めた。得られたS
B/SGを表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2より、試作印画紙と多階調印画紙のS
B、SGには差がなく、双方の印画紙のSB/SGはほ
ぼ同様であることが判る。
【0037】次に、試作印画紙をカラーネガから調子変
換するための光学フィルターとして、ハロゲン化銀乳剤
の硬調特性の肩部を形成する乳剤1の分光感度の感光極
大に合わせた吸収波長である442nm以下を2〜4
%、587〜659nmで1〜3%に透過率を抑え、4
63〜568nmで90〜93%、676nm以上で9
2〜96%の透過率を有し、且つ454、579、66
8nmに透過率50%の点を有する設計にすることによ
り軟調特性を得るダイクロイックフィルター(以下、D
Nフィルター)、ハロゲン化銀乳剤の軟調特性の足部を
形成する乳剤2、3の分光感度の感光極大に合わせた吸
収波長である476〜578nmで1〜5%、682n
m以上で1〜4%に透過率を抑え、448nm以下で9
0〜94%、589〜665nmで91〜94%の透過
率を有し、且つ463、584、675nmに透過率5
0%の点を有する設計にすることにより硬調特性を得る
ダイクロイックフィルター(以下、DKフィルター)を
作成した。DN、DKフィルターはCフィルターと同様
な方法で作成した。
【0038】また、試作印画紙に焼き付けるためのカラ
ーネガとして、Fuji SUPER G−100を用
いてマクベスカラーチャートを写し込んだ標準カラーネ
ガを作成し、同時にFuji SSを用いて同様に標準
黒白ネガを作成した。
【0039】続いて上記標準黒白ネガと調子変換フィル
ターを用いて、MD−Fの2、3、4号調に焼き付けた
標準黒白プリントを作成した。
【0040】試作印画紙の焼き付けには、前述のDN、
DKフィルター、及び標準カラーネガを装着した明室プ
リンターSPS1400NV(三菱製紙株式会社製)を
使用し、MD−Fに焼き付けて得た標準黒白プリントに
合わせて、MD−Fの2号調相当になるように露光した
もの(1)、MD−Fの3号調相当になるように露光し
たもの(2)、MD−Fの4号調相当になるように露光
したもの(3)、として焼き付けをおこなった。このと
き現像液はGEKKOL−LR(三菱製紙株式会社
製)、定着液はダイヤスーパーフィックス(三菱製紙株
式会社製)を使用し、水洗は流水でおこなった。
【0041】得られたプリントの粒状性と色の黒白再現
性について、眼視判定にて以下の基準で評価した。MD
−Fの2、3、4号調に焼き付けて得た標準黒白プリン
トを比較試料として(1)は2号調、(2)は3号調、
(3)は4号調と比較して得られた結果を表3に示す。
【0042】粒状性の評価基準 ○ 良好。 △ やや悪いが実用上問題ない。 × 実用的に使用が困難。
【0043】色の黒白再現性の評価基準 A 比較に対して同等の適性プリントである。 B 比較に対してやや見劣りするが十分使用できる。 C 比較に対して見劣りし、実用的に使用が困難であ
る。
【0044】また、試作印画紙にDNフィルターを用い
たときのSBを求めるため、前記感光計を使用し、光軸
上にDNフィルターとKL−43を挿入し、以下同様に
露光、現像処理をおこない、黒白プリントを得た。
【0045】プリントの黒白ウェッジから得られた反射
濃度が1.0になるために必要な露光量の逆数をSBと
した。
【0046】SGは、KL−43の代わりに、KL−5
4を挿入し、上記と同様な方法にて求めた。
【0047】DKフィルターを用いたときのSB、SG
は、DNフィルターの代わりにDKフィルターを挿入
し、上記と同様な方法にて求めた。得られたSB/SG
を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3から、試作印画紙をカラーネガから焼
き付けると、色の黒白再現性は良好であるが、粒状性は
全体的に悪くなることが判る。
【0050】次に、試作印画紙(SB/SG=1.3
9)を、白光露光したもの(1)に対し、青感度を低く
するために約450nmに吸収極大波長を有するカラー
撮影用色補正フィルター(富士写真フィルム株式会社
製)で、吸収極大波長の吸収率が18%のCC−5Y
(2)、以下、同じく26.5%のCC−10Y
(3)、41%のCC−20Y(4)、52.5%のC
C−30Y(5)、63%のCC−40Y(6)、71
%のCC−50Y(7)をそれぞれ挿入し、前記明室プ
リンターを用いて前記標準カラーネガからの焼き付けを
おこなった。この時の色の黒白再現性の比較試料は、さ
きに作成した標準黒白ネガから調子変換フィルターを用
いて、MD−Fの3号調に焼き付けて得た黒白プリント
とした。また、試験条件(1)〜(7)のときのSB/
SGを調べるため、前記感光計を使用し、光軸上にKL
−43と各色補正フィルターを挿入し、以下同様に露
光、現像処理をおこない、得られたプリントについてS
B/SG(プリントの黒白ウェッジから得られた反射濃
度が1.0になるために必要な露光量の逆数を感度値と
し算出)を測定した。これらの結果を表4に示す。ここ
で、粒状性と色の黒白再現性の評価は、前述した評価基
準と同じである。
【0051】
【表4】
【0052】表4から、SB/SGを低くすれば粒状性
が向上し、色の黒白再現性が悪化することが判る。よっ
て、カラーネガから焼き付けるときに色の黒白再現性を
あまり損なわずに粒状性をよくするには、該印画紙の本
試験条件でのSBとSGの関係が0.65≦SB/SG
≦0.95となるようなYフィルターを用いればよいこ
とが判る。
【0053】
【発明の効果】本発明により、特に黒白ネガから多階調
印画紙用調子変換フィルターを用いて従来の多階調印画
紙と同様な調子に焼き付けることができ、且つカラーネ
ガからの焼き付け時においても満足できる黒白プリント
を得ることができるパンクロ適性を有した多階調印画紙
を用いて、カラーネガからの露光に際し粒状性と色の黒
白再現性に優れた黒白プリントを得る露光方法を提供で
きた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 550nm以下に極大感光波長域と調子
    の異なる2つの成分を有すると共に、550nm以上に
    少なくとも1成分以上の極大感光波長域を有し、それぞ
    れ約430nm、約540nmに透過極大波長を有する
    フィルターを通しての露光により得られる特性曲線のS
    (感度)をそれぞれSB、SGとするとき、その両者の
    関係が0.95≦SB/SGであるハロゲン化銀写真感
    光材料をカラーネガから露光する方法であって、該ハロ
    ゲン化銀感光材料のSBとSGの関係が0.65≦SB
    /SG≦0.95になるようなイエロー成分を含有した
    光学フィルターを使用することを特徴とする、カラーネ
    ガからの露光方法。
JP10537195A 1995-04-28 1995-04-28 光学フィルターを用いた写真感光材料の露光方法 Pending JPH08304969A (ja)

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