JPH08303928A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】庫内ファンのファンモータの発熱が庫内の保冷
性能に悪影響を及ぼすことがなく、かつモータ自身も特
別な防露，耐湿構造を要しないよう巧みに構成した冷蔵
庫を提供する。 【構成】断熱筐体１の庫内側に吸熱ファン４と組合わせ
た電子式サーモモジュール３の冷却ユニット, および吸
熱フィンに向けて庫内空気を強制送風する庫内ファン６
を備えた冷蔵庫において、庫内ファンのファンモータ６
ｂを羽根６ａと分離して断熱筐体の庫外側に配置し、該
筐体の壁を貫通して庫内側に引き込んだファンモータの
モータ軸６ｃと羽根との間を磁気継手６ｄを介して非接
触式に連結し、この構成で庫内ファンのモータ発熱が冷
却ユニットの保冷性能に与える熱的悪影響を低減させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷熱源に電子式サーモ
モジュールを採用した小型電子冷凍式冷蔵庫を対象に、
特に冷蔵庫に装備した庫内ファンの組立て構造に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】冷蔵庫の断熱筐体に熱電冷却素子のサー
モモジュールで構成した冷却ユニットを組み込み、該サ
ーモモジュールのペルチェ効果を利用して庫内を保冷す
るようにした電子冷凍式冷蔵庫が、例えば特公平５−１
７４６９号公報などで公知である。

【０００３】図３（ａ),（ｂ）は従来における電子冷凍
式冷蔵庫の構成図であり、図において、１は断熱筐体、
２は筐体の蓋であり、断熱筐体１の側壁には冷却ユニッ
トとして熱電冷却素子で構成した平板状の電子式サーモ
モジュール３が庫内側に吸熱面，庫外側に放熱面を向け
て組み込まれている。そして、サーモモジュール３の吸
熱面には吸熱フィン４が、また放熱面には放熱ブロック
５を伝熱的に結合するとともに、庫内側には吸熱フィン
４のフィン列に向けて庫内空気を強制通風する庫内ファ
ン６が設置され、また放熱ブロック５には放熱フィン７
ａ付きのヒートパイプ７を取付けた上で放熱フィンを庫
外ファン８で冷却するようにしている。なお、９はドレ
ン受け，１０はドレン排水ホース、１１はサーモモジュ
ール３，庫内ファン６，庫外ファン８の直流電源であ
る。

【０００４】上記の構成で、直流電源１１よりサーモモ
ジュール３に所定方向に給電すると、周知のようにペル
チェ効果により庫内側には吸熱，庫外側には発熱が生
じ、吸熱フィン４との熱交換により庫内を保冷する。一
方、サーモモジュール３の発生熱はヒートパイプ７を通
じて大気中に放熱される。また、庫内ファン６により吸
熱フィン４に向けて庫内空気を強制送風することで、吸
熱ファン４と庫内空気との間で高い熱交換効率が得られ
るとともに、庫内空間を隅々まで均一に冷却できる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の冷蔵
庫では、庫内ファン６としてファンモータと羽根を一体
に組立てた構造のものが一般に使用されていることか
ら、特に小型電子冷凍式冷蔵庫のように冷却ユニットの
保冷能力が小さな冷蔵庫では次記のような問題点が発生
する。

【０００６】すなわち、ファンモータは運転時に給電電
力の一部が熱となって発熱する。このために、庫内ファ
ン自身が発熱体となって周囲に放熱し、これが冷蔵庫の
保冷を妨げる。この場合に、庫内ファンのモータ発熱量
を試算したところ、小型容量の冷蔵庫では熱電素子モジ
ュールで冷却能力の約２０％にも達する。このために、
小型の冷蔵庫では庫内ファンのモータ発熱量が無視でき
ず、その対策が大きな課題となる。

【０００７】また、庫内にファンモータを設置して運転
すると、モータに結露が発生してその結露水の湿気でモ
ータが故障するおそれがあり、これを防止するにはモー
タに特別な防露，耐湿対策を施す必要があるなど、モー
タの価格が高価になる。本発明は上記の点にかんがみな
されたものであり、その目的は前記課題を解決して、庫
内ファンのファンモータの発熱が庫内の保冷性能に悪影
響を及ぼすことがなく、かつモータ自身も特別な防露，
耐湿構造を要しないよう巧みに構成した冷蔵庫を提供す
ることにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成によれば、庫内ファンのファンモータ
を羽根と分離して断熱筐体の庫外側に配置し、該筐体の
壁を貫通して庫内側に引き込んだファンモータのモータ
軸と庫内ファンの羽根とを継手を介して連結するものと
する。

【０００９】また、前記構成において、ファンモータの
駆動軸と羽根との間を磁気継手を介して非接触式に連結
するのがよい。

【００１０】

【作用】上記の構成により、庫内ファンのファンモータ
は庫外側に設置されているので、モータの発生熱の大半
はモータから周囲の大気中に直接熱放散し、庫内側には
モータ軸を伝熱して僅かな熱が侵入するだけであり、こ
れにより庫内側の保冷性能に与える熱的影響は殆ど無視
できる程度となる。この場合に、特にファンモータのモ
ータ軸と庫内側に配置した羽根との間を磁気継手を介し
て非接触式に連結することにより、モータ熱がモータ軸
を介して羽根に直接伝熱することがなくなるので、吸熱
フィンへの熱的影響がより一層低くなる。また、庫外側
に設置したファンモータには結露の発生するおそれはな
く、したがってモータ自身に特別な防露，耐湿対策を施
す必要がない。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１，図２に基づい
て説明する。なお、実施例の図中で図３に対応する同一
部材には同じ符号が付してある。図示の実施例によれ
ば、庫内ファン６は、吸熱フィン４のフィン列に対向し
て庫内側に配置した羽根６ａに対して、ファンモータ６
ｂが羽根６ａより分離して断熱筐体１の庫外側に設置さ
れており、かつ断熱筐体１の壁を貫通して庫内側に引き
込んだモータ軸６ｃと羽根６ａとの間が磁気継手６ｄを
介して非接触式に連結されている。

【００１２】ここで、磁気継手６ｄは例えばモータ軸
側，羽根側の継手部品にそれぞれマグネット（永久磁
石）６ｅを埋設し、両者を同一軸上に並べて非接触式に
対向させた構成のものであり、ファンモータ６ｂの回転
力は磁気継手６ｄの磁気的な結合力により羽根６ａに伝
達される。

【００１３】

【発明の効果】以上述べたように、本発明の構成によれ
ば、庫内ファンのファンモータを羽根と分離して断熱筐
体の外側に配置し、該筐体の壁を貫通して庫内側に引き
込んだファンモータの駆動軸と庫内ファンの羽根とを継
手を介して連結したことにより、ファンモータの発生熱
が庫内側の保冷性能を妨げることがなく、これにより冷
却ユニット、特に電子式サーモモジュールで構成した冷
却ユニットの冷却能力に対する熱的な影響を低減でき
る。また、ファンモータを庫外側に設置したことで、モ
ータ自身に結露の発生するおそれがなくなるので、これ
によりモータの特別な防露，耐湿構造が不要となるなど
の実益も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の構成図

【図２】図１における冷却ユニットと庫内ファンとの組
立構造を表す端面図

【図３】従来における電子冷凍式冷蔵庫の構成図であ
り、（ａ）は縦断側面図、（ｂ）は横断平面図

【符号の説明】

１ 断熱筐体 ３ 電子式サーモモジュール ４ 吸熱フィン ５ 放熱ブロック ６ 庫内ファン ６ａ 羽根 ６ｂ ファンモータ ６ｃ モータ軸 ６ｄ 磁気継手 ６ｅ マグネット ７ 放熱用ヒートパイプ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】断熱筐体の庫内側に吸熱フィン付き冷却ユ
   ニット, および吸熱フィンに向けて庫内空気を強制送風
   する庫内ファンを備えた冷蔵庫において、庫内ファンの
   ファンモータを羽根と分離して断熱筐体の庫外側に配置
   し、該筐体の壁を貫通して庫内側に引き込んだファンモ
   ータのモータ軸と庫内ファンの羽根とを継手を介して連
   結したことを特徴とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】請求項１記載の冷蔵庫において、ファンモ
   ータの駆動軸と羽根との間を磁気継手を介して非接触式
   に連結したことを特徴とする冷蔵庫。
3. 【請求項３】請求項１または２記載の冷蔵庫において、
   冷却ユニットが電子式サーモモジュールであることを特
   徴とする冷蔵庫。