JPH08303338A - 内燃機関の回転速度制御装置 - Google Patents

内燃機関の回転速度制御装置

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Publication number
JPH08303338A
JPH08303338A JP10875995A JP10875995A JPH08303338A JP H08303338 A JPH08303338 A JP H08303338A JP 10875995 A JP10875995 A JP 10875995A JP 10875995 A JP10875995 A JP 10875995A JP H08303338 A JPH08303338 A JP H08303338A
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JP
Japan
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ignition timing
combustion engine
internal combustion
rotation speed
amount
Prior art date
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Application number
JP10875995A
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English (en)
Inventor
Yoshitaka Deguchi
欣高 出口
Nobutaka Takahashi
伸孝 高橋
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関の回転変動を最大限抑制できるように
すること。 【構成】従来同様の回転速度を目標回転速度に維持する
ための回転速度フィードバック制御を行いつつ、筒内圧
センサ20に基づき検出(B801)される図示平均有効圧(P
i' real )と、運転状態に応じて算出(B802)される期待
値(Pi' est) と、の偏差(Pi' e)を求める(B803)
。そして、偏差(Pi' e)をフィルタ処理(B804)した
後、偏差により生じるであろう回転変動を抑制できる点
火時期の補正量を運転状態等を加味して算出し出力する
(B805 〜B807) 。これにより、燃焼変動が生じても燃焼
変動が回転速度変動として現れる前から、燃焼変動に起
因する回転変動を抑制する方向に点火時期を補正するこ
とができるので、従来の装置に対し、より高周波成分ま
で内燃機関の回転変動を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の回転速度を
制御する装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の内燃機関の回転速度制御装置とし
ては、以下のようなものがある。即ち、内燃機関の回転
速度を検出し、目標回転速度との偏差に応じて、内燃機
関に供給する燃料量、空気量、点火時期等を調節し、内
燃機関の回転速度を目標回転速度近傍に安定化させる制
御(以下、単に、回転速度フィードバック制御ともい
う。)装置が、例えば実開昭56−165962号等に
おいて開示されている。
【0003】この装置は、燃料量、空気量、点火時期等
のそれぞれの操作量が持つ特徴を活かして、外乱(補機
負荷,燃焼ばらつき等)によって生じる内燃機関の回転
変動を抑制しようというものである。即ち、内燃機関へ
の供給空気量の操作あるいは供給燃料量の操作は、外乱
の影響を定常的に抑え込む能力に優れている反面、操作
結果が内燃機関の回転速度変化として反映されるまでの
遅れが大きいという特性を持つことから、定常的な外乱
の影響を抑えることを主目的に操作されるようになって
いる〔外乱の低周波数成分(図8の周波数帯域L)の影
響を抑制するように制御されるようになっている〕。こ
の一方、点火時期の操作は、一般に基本点火時期をMB
T(最大トルクを発生する点火時期の最小値)付近に維
持する必要があるために操作範囲が狭いといった欠点が
ある反面、点火時期操作の結果が内燃機関の回転速度変
化として現れるまでの遅れが小さいことから、過渡的に
外乱を抑えることを主目的に操作されるようになってい
る〔外乱の高周波成分(図8の周波数帯域M)の影響を
抑制するように制御されるようになっている〕。
【0004】このように、従来装置では、操作対象に応
じて、抑制すべき回転変動の周波数域の分担を変えるこ
とで、外乱(補機負荷,燃焼ばらつき等)の影響を、応
答性・安定性よく比較的広周波数帯域に亘って抑制し、
内燃機関の回転変動を抑制しようとするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の内燃機関の回転速度制御装置にあっては、以
下のような問題があった。即ち、一般に、内燃機関の燃
焼状態は、確率的要因等でばらついている。このような
ばらつきは、機関の発生トルクのばらつきを招き、内燃
機関の回転速度変動としてアイドル安定性に影響を及ぼ
す。
【0006】ところで、上記従来の装置では、低周波数
帯域(図8の周波数帯域L)の発生トルクのばらつきの
影響を、燃料量や空気量の制御によって抑制し、比較的
高周波帯域(図8の周波数帯域M)の発生トルクのばら
つきの影響を、点火時期の制御によって抑制するが、発
生トルクのばらつきの影響が機関回転速度変動となって
現れて初めて目標回転速度に近づけるように点火時期の
フィードバック制御を行なう構成となっているため、燃
焼ばらつき等に起因する発生トルクのばらつきによる回
転速度変動の高周波成分(図8の周波数帯域H)に対し
ては制御遅れが生じるので、如何に応答性に優れた点火
時期制御をもってしても、効果的に高周波帯域の回転速
度変動を抑制することができなかった。即ち、上記従来
装置においては、回転速度変動を招く燃焼ばらつき等が
発生しても、燃焼ばらつきが発生した時点で即座に当該
回転速度変動を抑制するような点火時期の補正制御を行
なえる構成ではなかったので、燃焼ばらつき(機関発生
トルク変動)に起因する回転速度変動成分については十
分に抑制することができなかった。なお、従来装置で、
かかる燃焼変動に起因する回転速度変動を無理に抑制し
ようとすると制御ハンチング等を招くことにもなる。
【0007】ところで、運転状態(補機負荷,燃焼状態
等)に応じて目標回転速度が得られる目標発生トルク
(例えば、平均有効圧力等)を推定等すると共に、実際
の発生トルクを検出し、実際の発生トルクが目標発生ト
ルクになるように点火時期等を制御して、間接的に機関
回転速度を目標回転速度に制御しようとする制御装置も
提案されている。
【0008】しかし、複数ある補機(オルタネータ,パ
ワーステアリング,エアコン,各種ライト等複数の電気
負荷に対応して駆動されるオルタネータ等)毎の負荷の
違いや、複数の補機の作動の組み合わせの違いによる負
荷の違いや、生産・燃焼ばらつき・外気条件・機関温度
条件等の違い等により、目標回転速度が得られる目標発
生トルクはその都度異なるものであり、あらゆる状況に
応じて目標回転速度が得られる目標発生トルクを正確に
推定、或いは予め設定記憶しておくことは事実上困難で
あり、従って、上記の装置では、機関回転速度をある値
に維持することはできても、必ずしも目標回転速度近傍
に維持することができるものではなかった。
【0009】本発明は、上記従来の実情に鑑みなされた
もので、内燃機関の回転速度を目標回転速度に一致させ
るように、内燃機関に供給する空気量や燃料量、点火時
期、EGR率等の内燃機関の制御量のうち少なくとも1
つを制御する回転速度フィードバック制御を行いつつ、
当該回転速度フィードバック制御と併行して、内燃機関
の実際の燃焼状態(例えば、期間発生トルク)を検出
し、当該検出した燃焼状態と期待値(目標値)との偏差
に基づいて、燃焼状態のばらつきに起因する回転速度変
動を抑制するように、点火時期を補正するようにして、
回転速度変動を抑制しつつ内燃機関の回転速度を目標回
転速度近傍に維持できるようにするのは勿論、確率的要
因等により生じる内燃機関の燃焼ばらつき(発生トルク
のばらつき)に起因して発生する比較的高周波な回転速
度変動分までをも抑制できるようにした内燃機関の回転
速度制御装置を提供することを目的とする。
【0010】また、当該制御装置の更なる高精度化、構
成の簡略化を図ることも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に記
載の発明にかかる内燃機関の回転速度制御装置は、図1
に示すように、内燃機関の実際の回転速度を目標回転速
度に一致させるように、内燃機関の実際の回転速度と目
標回転速度との偏差に応じ、内燃機関に供給する空気
量、燃料量、点火時期、EGR率等の内燃機関の制御量
のうち少なくとも1つをフィードバック制御する回転速
度フィードバック制御手段を備えると共に、内燃機関の
実際の燃焼状態と相関の強い状態量を検出する燃焼状態
量検出手段と、内燃機関の運転状態に応じて定まる燃焼
状態と相関の強い状態量を、期待値として算出する期待
値算出手段と、前記検出された実際の燃焼状態量と、前
記算出された期待値と、の偏差を算出する偏差算出手段
と、前記偏差算出手段により算出された偏差に基づい
て、燃焼状態のばらつきに起因する回転速度変動を抑制
するように、点火時期を補正する点火時期補正手段と、
を含んで構成した。
【0012】請求項2に記載の発明では、前記燃焼状態
と相関の強い状態量を、内燃機関の燃焼圧力に基づく状
態量として検出するようにした。請求項3に記載の発明
では、前記燃焼状態と相関の強い状態量を、所定区間で
計測される平均有効圧力として検出するようにした。請
求項4に記載の発明では、前記所定区間を、前記点火時
期補正手段における点火時期の補正制御を次燃焼の点火
時期設定において反映できるように設定するようにし
た。
【0013】請求項5に記載の発明では、前記燃焼状態
と相関の強い状態量を、最大燃焼圧を示すクランク軸回
転角度位置として検出するようにした。請求項6に記載
の発明では、前記点火時期補正手段を、前記偏差算出手
段の出力から、点火時期以外の回転速度フィードバック
制御による制御周波数帯域の成分を除去する第1信号処
理手段を含んで構成するようにした。
【0014】請求項7に記載の発明では、前記点火時期
補正手段を、前記偏差算出手段の出力から、同一気筒の
燃焼周波数およびその高次周波数の成分のうち少なくと
も1つの周波数を除去する第2信号処理手段を含んで構
成するようにした。請求項8に記載の発明では、前記点
火時期補正手段を、内燃機関の機関温度が低いときに
は、点火時期補正のゲインを小さくする機関温度補正手
段を含んで構成するようにした。
【0015】請求項9に記載の発明では、前記点火時期
補正手段を、前記燃焼状態量検出手段が異常であると認
められた場合に、点火時期の補正制御を行わないように
する異常時点火時期補正停止手段を含んで構成するよう
にした。
【0016】
【作用】上記の構成を備える請求項1に記載の発明で
は、回転速度フィードバック制御手段により、回転速度
変動を抑制しつつ内燃機関の実際の回転速度を目標回転
速度近傍に維持するようにすると共に、点火時期補正手
段により、確率的要因等によって生じる内燃機関の燃焼
ばらつきによる機関発生トルク変動が回転速度変動とし
て現れる前から、即ち、燃焼のばらつきが検出された後
直ちに、当該検出された燃焼のばらつきに起因して発生
するであろう回転速度変動を抑制する方向に次の燃焼以
降で点火時期を補正するようにする。これにより、当該
確率的要因等によって生じる燃焼ばらつき、延いては機
関発生トルクのばらつきに起因する回転速度変動に対し
て早期に手当てをすることができるので、従来の回転速
度制御装置に対して、より高周波成分まで内燃機関の回
転速度変動を抑制することができるようになる。
【0017】請求項2に記載の発明では、筒内圧センサ
等の簡単、かつ既存の装置を利用して、高精度に燃焼状
態に相関の強い状態量を検出することができるようにな
る。請求項3に記載の発明では、前記燃焼状態に相関の
強い状態量を、所定区間で計測される平均有効圧力とし
たので、比較的簡単な構成で、処理時間やメモリ容量等
を節約しつつ高精度に、燃焼状態に相関の強い状態量を
検出できるようになる。
【0018】請求項4に記載の発明では、前記所定区間
を、前記点火時期補正手段における点火時期の補正制御
を次燃焼の点火時期設定において反映できるように設定
したので、燃焼状態のばらつきの検出後、最大に前記点
火時期補正手段による点火時期補正を早めることがで
き、以って最大限高周波帯域まで回転速度変動を抑制す
ることができるようになる。
【0019】請求項5に記載の発明では、前記燃焼状態
と相関の強い状態量を、最大燃焼圧を示すクランク軸回
転角度位置として検出するようにしたので、平均有効圧
を検出する場合に比べ、より一層簡単な構成で、高精度
に、燃焼状態に相関の強い状態量を検出することができ
るようになる。請求項6に記載の発明では、第1信号処
理手段により、前記偏差算出手段の出力から、点火時期
以外の回転速度フィードバック制御による制御周波数帯
域の成分を除去するようにしたので、点火時期以外の回
転速度フィードバック制御(供給空気量や供給燃料量等
を操作して行うフィードバック制御)により制御すべき
比較的低周波な変動成分と、点火時期の補正制御により
抑制すべき変動成分と、を分離することができるので、
両制御が干渉し合って良好な制御が行えなくなるのを抑
制できると共に、前記点火時期補正手段による点火時期
補正量の設定を高精度化することができるようになる。
併せて、期待値算出手段における期待値を算出する関数
の入力パラメータである供給空気量,供給燃料量,機関
水温等のように内燃機関の回転速度に影響を与える速度
が遅いものに関しては、その入力パラメータから省略す
ることができることとなる。即ち、当該第1信号処理手
段により、これら入力パラメータの偏差算出手段の出力
である偏差への影響を除去できることになるからであ
る。更に、一般的に、第1信号処理手段は、直流成分を
含めた低周波数成分を除去するフィルタであるため、結
果として、燃焼状態量検出手段の検出値、或いは期待値
算出手段により算出される期待値に何らかのオフセット
が生じているような場合でも、その影響を低減すること
ができるようになる。
【0020】請求項7に記載の発明では、第2信号処理
手段により、前記偏差算出手段の出力から、同一気筒の
燃焼周波数およびその高次周波数の成分のうち少なくと
も1つの周波数(例えば、4気筒機関の場合、機関回転
数0.5次成分)を除去するようにしたので、これによ
り例えば燃焼状態(発生トルク自体或いは筒内圧センサ
の出力値)が気筒毎に異なるバイアス値(平均値)を持
つような場合でも、その影響を低減することができるよ
うになる。
【0021】請求項8に記載の発明では、機関温度補正
手段により、内燃機関の機関温度が低いときには、点火
時期補正手段における点火時期補正のゲインを小さくす
るようにする。これにより、機関温度が低いときには燃
焼状態が不安定であり、機関発生トルクのばらつきが大
きいが、このような低温時に、燃焼状態が安定している
暖機後と同様のゲインで、点火時期の補正を行ってしま
った場合の不具合、即ち、目標回転速度近傍に維持する
ことはできても、却って機関発生トルクのばらつきを助
長し、点火時期補正手段により制御ハンチング延いては
車両の振動等を招くといった不具合の発生を抑制するこ
とができるようになる。
【0022】請求項9に記載の発明では、異常時点火時
期補正停止手段により、前記燃焼状態量検出手段が異常
であると認められた場合に、点火時期の補正制御を行わ
ないようにしたので、誤った偏差が出力され、誤った点
火時期補正がなされることによって生じる機関運転への
悪影響を排除することができるようになる。
【0023】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を添付の図面を参
照して説明する。図2に示すように、機関8の吸気通路
5には、アクセルペダルと連動して機関吸入空気流量を
コントロールするスロットル弁4が介装されている。そ
して、このスロットル弁4上流部で吸気通路5から分岐
した後、再び吸気通路5に合流するバイパス通路2が設
けられている。このバイパス通路2には、例えば、機関
回転速度を目標回転速度に制御するために、運転者の意
思(アクセル開度)とは無関係に吸入空気流量を調節す
ることができる補助空気量制御弁3が介装されている。
この補助空気量制御弁3は、例えば周期的に開閉されそ
の開弁時間割合(換言すれば、開度)を変更することで
バイパス通路を通過する空気流量を調整することができ
るソレノイド式のバルブを含んで構成される所謂デュー
ティ制御弁を用いることができ、入・出力(I/O)イ
ンターフェース,A/D変換器,ROM,RAM,CP
U等を含んで構成されるコントロールユニット19から発
せられる駆動信号によって駆動制御されるようになって
いる。なお、ステップモータ等を介して駆動されるバタ
フライバルブ等を用いるようにしてもよい。
【0024】ところで、機関8の吸気通路5には吸入空
気流量を計測するホットワイヤ式空気流量センサである
エアフローメータ1が設けられると共に、クランクシャ
フトやカムシャフト(図示せず)の回転と同期して所定
角度毎にパルス信号を発生させてクランク位置や機関回
転速度を検出するクランク角センサ7が設けられる。エ
アフローメータ1、クランク角センサ7は、従来公知の
ものでよい。これらの検出信号は、コントロールユニッ
ト19へ入力される。
【0025】また、燃焼室10内の圧力を検出する手段と
して、機関吸入混合気を点火するための点火プラグ16の
座金を圧電素子等で構成した点火プラグ一体式の所謂座
金型筒内圧センサ20が各気筒に設けられている。但し、
燃焼室10内に圧電素子等を直接臨ませて筒内圧を計測す
る筒内圧センサを用いるようにしてもよい。また、筒内
圧センサ20は、各気筒毎に設置してもよいし、一気筒或
いは複数気筒に、V型機関等にあっては各バンク毎に1
個または複数個ずつ設置しても、本発明の効果をある程
度奏することができる。なお、点火プラグ16は、コント
ロールユニット19からの指令点火時期で点火を行なえる
ようになっている。
【0026】ところで、機関吸入混合気の空燃比は、吸
気通路5のインマニコレクタ部5aより下流のマニホー
ルド部6に各気筒毎に設けられた燃料噴射弁15により噴
射供給される燃料量を、コントロールユニット19からの
駆動信号に基づいて調整することにより制御されるよう
になっている。また、コントロールユニット19では、排
気通路18に設けた空燃比センサ17からの空燃比検出信号
等に基づいて目標空燃比が得られるように駆動信号を設
定するようにするのが好ましい。なお、吸入空気流量を
制御することで、機関吸入混合気の空燃比を制御するこ
ともできる。
【0027】ところで、図2において、9はシリンダヘ
ッド、11はピストン、12はコネクティングロッド、13は
吸気弁、14は排気弁である。以下に、本発明における回
転速度フィードバック制御手段、燃焼状態量検出手段、
期待値算出手段、偏差算出手段、点火時期補正手段、第
1信号処理手段、第2信号処理手段、機関温度補正手
段、異常時点火時期補正停止手段としての機能をソフト
ウェア的に備えるコントロールユニット19で実行される
制御プログラムについて、4サイクル4気筒機関を代表
して説明する。
【0028】コントロールユニット19では、本実施例に
かかるアイドル回転速度制御を実行するに先立ち、機関
8がアイドル運転状態にあるか否かのアイドル判定を行
うが、当該判定は、車速,機関回転速度,スロットル弁
(アクセル)開度等の状態に応じて判定することができ
る。かかるアイドル判定の手法については、数々の事例
が既存しており、このような従来同様の手法で行なって
構わない。そして、アイドル判定成立時には、アイドル
回転速度制御を行い、アイドル判定非成立時には、アイ
ドル回転速度制御は行なわないようにするものである。
【0029】なお、アイドル回転速度制御における目標
アイドル回転速度の設定は、機関水温や機関負荷(補機
負荷等を含む)等の運転状態に応じて、コントロールユ
ニット19のROMに予め設定記憶してあるマップ等に基
づいて行われる。そして、補助空気量制御弁3の開度、
燃料噴射量および点火時期(アイドル回転速度を目標回
転速度に維持するために行われるフィードバック制御の
ための点火時期)のコントロールユニット19から駆動信
号として送信される指令値(制御量)の設定は、従来同
様でよく、例えば、特願平6−47536号公報で開示
される方法により行うことができる。
【0030】ここで、本発明にかかる回転速度制御にお
いて利用される燃焼期間内の平均発生トルク相当量(即
ち、燃焼状態に相関の強い状態量)の検出方法について
説明する。当該検出方法が、燃焼状態量検出手段の一例
に相当する。燃焼中の気筒の所定区間〔例えば、圧縮行
程TDC(上死点)前60度CA(クランク角度)から
TDC後60度CAまでの区間〕における仕事量(図6
参照)、つまり、筒内圧センサ20の検出信号に基づいて
区間図示平均有効圧の計測値(Pi'real)は、図7に示
すように、燃焼期間内の平均発生トルクと相関が強い。
そこで、本実施例では、平均発生トルク相当量として、
かかる区間図示平均有効圧計測値(Pi' real )を用い
ることにし、かかる場合について説明する。
【0031】区間図示平均有効圧計測値(Pi' real )
は、図3のフローチャートに従って算出することができ
る。当該フローチャートは、クランク軸の回転角が圧縮
行程TDC前60度CAに達したときに起動される。ブ
ロック(図では、Bと記してある。以下、同様)160
1では、クランク角に対応したカウンタ変数Cと、区間
図示平均有効圧を求めるための中間変数Pと、を初期化
する。
【0032】ブロック1602では、燃焼期間にある気
筒の筒内圧(Pcyl )を筒内圧センサ20の検出信号に基
づいて計測する。ブロック1603では、クランク角が
所定角度(例えば4度)変化したときの燃焼室容積変化
分〔dv(C)〕を、予め作成されているマップから読
み出す。ブロック1604では、クランク角が所定角
(例えば4度)回転する間の仕事量(dP)を、下式に
基づき計算する。
【0033】dP=Pcyl ×dv(C) ブロック1605では、それまでの総仕事量(P)を、
下式に基づいて求める。 P=P+dP ブロック1606では、クランク角に対応したカウンタ
変数Cをインクリメントする(C=C+1)。
【0034】ブロック1607では、C>30となった
か否かを判断する。即ち、圧縮行程TDC前60度から
TDC後60度CAまでの区間の総仕事量(P)の演算
が終了した否かを判断する。NOであれば、圧縮行程T
DC前60度からTDC後60度CAまでの区間の総仕
事量(P)の演算が終了していないので、ブロック16
08へ進み、クランク角が所定角(例えば4度)回転し
たか否かを判断する。YESであれば、今回所定角(4
度)回転した間の仕事量(dP)含めた総仕事量(P)
を演算すべく、ブロック1602へ戻る。NOであれ
ば、まだクランク回転角が4度進行していないので、4
度クランク角が進行するまで待つべく、ブロック160
8を繰り返す。
【0035】そして、ブロック1607で、YESと判
断されると、ステップ1609へ進み、総仕事量(P)
を燃焼室容積(Vs)で除算することで、上述の区間図
示平均有効圧計測値(Pi' real =P/Vs)を求め
て、本フローを終了する。なお、燃焼期間の平均発生ト
ルク相当量は、筒内圧の波形データ(アナログデータで
もよいし、A/D変換後のデータでもよく、横軸をクラ
ンク角、縦軸を筒内圧とした筒内圧波形データ)を積分
等して、或いは筒内圧の最大ピーク値(Pmax )や所定
クランク角度位置での筒内圧に基づいて求めるようにし
てもよい。また、筒内圧が最大ピーク値となるクランク
角(θPmax)も機関発生トルクに対して相関が強い
ので、これを用いるようにしてもよい。
【0036】ところで、本実施例では、仕事量(dP)
の加算区間を、圧縮行程TDC前60度からTDC後6
0度CAまでの区間に制限しているが、機関発生トルク
との相関が取れれば、当該区間に限るものではない。但
し、本実施例のように、機関発生トルクとの相関が良好
に取れ、かつ発生トルクに影響の少ない吸・排気行程分
を含ませないようにクランク角度区間を制限すること
は、コントロールユニット19のメモリ容量の節約や演算
処理の簡略化・迅速化を図れることになる。また、本実
施例では、圧縮行程TDC後60度CAで仕事量の加算
を終了させ、後述する点火時期補正量の算出を早期に完
了させられるようにしているので、当該点火時期補正量
で次燃焼(次燃焼気筒)に対して回転速度変動を抑制す
る方向に点火時期を補正することができることになるの
で、本発明の点火時期補正手段による点火時期補正制御
速度を最大限早めることがき、以って機関回転速度変動
をより一層抑制できることになる。
【0037】次に、平均発生トルク相当量の期待値を推
定演算する期待値算出手段について説明する。この期待
値算出手段は、図4のフローチャートのブロック802
に相当するもので、本実施例ではテーブル検索の形で実
現するようになっている。即ち、吸入空気流量,燃料噴
射量、機関温度、点火時期に応じて、上記期待値たる
(Pi' est)を検索できるテーブルとする。つまり、吸
入空気流量一定、かつ燃料噴射量一定、なおかつ機関8
の機関温度(冷却水温度に代表させるのが一般的であ
る)一定の条件下で、所定点火時期に設定した場合に発
生するであろう平均発生トルク相当量の期待値を、点火
時期毎に予めテーブル等に記憶しておいて、これを実際
の吸入空気流量,燃料噴射量、機関温度、点火時期に基
づき検索することで、期待値たる(Pi' est)を求めら
れるようになっている。なお、実験結果或いは理論的計
算結果等から吸入空気流量,燃料噴射量、機関温度、点
火時期が平均発生トルク相当量の期待値に与える影響の
特性を把握することができ、この特性に基づいて、本テ
ーブルを作成することができる。また、この期待値は、
エアコン,パワステ,オルタネータ等の補機負荷の作動
状態に応じて修正を加えるようにするのが好ましい。
【0038】つづけて、本発明の偏差算出手段について
説明する。当該偏差算出手段は、図3のフローチャート
の実行により計測され図4のフローチャートのブロック
801にて読み込まれた区間図示平均有効圧計測値(P
i' real )と、期待値たる(Pi' est)と、の偏差(P
i' e)を求める手段であるが、当該偏差算出手段は、コ
ントロールユニット19にて、下記処理を行うことで達成
される。
【0039】Pi' e=|Pi' est−Pi' real | なお、該偏差算出手段は、図4のフローチャートのブロ
ック803に相当する。次に、上記偏差算出手段の出力
(Pi' e)に応じて、点火時期の補正を行う本発明の点
火時期補正手段について説明する。
【0040】当該点火時期補正手段は、High Pass Filt
er(HPF)、Low Pass Filter (LPF)、Band Rej
ect Filter(BRF)、及びこれらのフィルタ出力に応
じて点火時期を補正するテーブルによって構成される。
HPFは、偏差算出手段の出力信号(Pi' e)のうち、
点火時期以外の回転速度フィードバック制御による制御
周波数帯域(低周波数帯域)の変動成分を除去するフィ
ルタであり、下記(e1)のデジタルフィルタHPF1
で表される。なお、当該デジタルフィルタHPF1によ
り、点火時期以外の回転速度フィードバック制御(比較
的ゆっくりとした制御量を操作して行うフィードバック
制御)により制御すべき比較的低周波な変動成分と、点
火時期の補正制御により抑制すべき変動成分と、を分離
することができるので、両制御が干渉し合って良好な制
御が行えなくなるのを抑制できると共に、本発明の点火
時期補正手段による点火時期補正量の設定自体の高精度
化を図ることができることになる。なお、当該デジタル
フィルタHPF1が、本発明の第1信号処理手段に相当
する。
【0041】LPFは、偏差算出手段の出力信号(Pi'
e)のうち、区間図示平均有効圧の測定誤差の影響を低
減するためのフィルタであり、下記(e2)のデジタル
フィルタLPF1で表される。BRFは、偏差算出手段
の出力信号(Pi' e)のうち、同一気筒の燃焼周波数お
よびその高次周波数の成分のうち少なくとも1つの周波
数を除去するフィルタであり、下記(e3)のデジタル
フィルタBRF1で表される。例えば、4気筒機関の場
合、機関回転数0.5次成分を除去するようなフィルタ
が相当し、これにより例えば平均発生トルク相当量が気
筒毎に異なるバイアス値(平均値)を持つような場合
(筒内圧センサ20の0点シフト量が気筒毎に異なるよう
な場合も含む)に、その影響を低減することができるも
のである。なお、当該デジタルフィルタBRF1が、本
発明の第2信号処理手段に相当する。
【0042】 HPF1(q) =a(1−q-1)/(1−aq-1) (ex. a=0.95) (e1) LPF1(q) =(1−b)/(1−bq-1) (ex. b=0.95) (e2) BRF1(q) =c(1−q-2)/〔1-(2c-1)q-2〕 (0<c<1)(e3) なお、q-1は、1燃焼遅れ演算子である。これらのデジ
タルフィルタは、実行周期を機関の燃焼周期にて行う以
外の部分は、通常、一般的に知られている時間同期のデ
ジタルフィルタと同様に実現できるため、ここでは詳し
い作用についての説明は省略する。
【0043】なお、偏差算出手段の出力信号(Pi' e)
に対して、上記デジタルフィルタHPF1,LPF1,
BRF1を施した結果を、(Fil out)とする。即ち、
図4のフローチャートのブロック804におけるフィル
タ処理〔Fil out(t) =BRF1・LPF1・HPF1
・Pi' e(t) 〕が相当する。ここで、図5に示すような
テーブルを参照することで、前記(Fil out)に応じて
点火時期を補正する方法について説明する。
【0044】つまり、図4のフローチャートのブロック
805において、フィルタ処理後の出力(Fil out)に
ゲインKを乗算したものを補正すべきPi'(=C Pi'=
K・Fil out) として求める。ブロック806で、従来
同様の回転速度フィードバック制御(回転速度フィード
バック制御において点火時期を制御対象としない場合に
は、通常行われる運転状態に応じた点火時期を設定する
点火時期制御)において設定される点火時期指令値(A
DV0)を読み込む。なお、この点火時期指令値(AD
V0)は、当該気筒の燃焼以降の他の気筒或いは同一気
筒の燃焼時に設定される点火時期指令値とすることがで
きる。
【0045】ブロック807では、当該読み込まれた点
火時期指令値(ADV0)に対応した期待値(Pi' es
t)より、前記(C Pi')だけ大きな或いは小さな(P
i')を発生させることができる点火時期を、図5のテー
ブル等を参照し、最終的な点火時期指令値(ADVOU
T)として設定する〔ADVOUT=TABLE(AD
V0,C Pi')〕。或いは、動作点を限定すれば、単に
フィルタ処理後の出力(Fil out)にゲインK’を乗算
したものを点火時期補正値とし、当該点火時期補正値を
前記点火時期指令値(ADV0)に加算(或いは減算)
したものを、最終的な点火時期指令値(ADVOUT)
として設定してもよい。
【0046】ここで、ゲインK,K’は、機関低温時に
は小さい値に切り換えるようにするのが好ましい。つま
り、機関温度が低いときには、燃焼状態が不安定であ
り、機関発生トルクのばらつきが大きくなることが解っ
ているが、このような低温時に、燃焼状態が安定してい
る暖機後と同様のゲインで、本発明の点火時期の補正を
行ってしまうと、目標回転速度近傍に維持することはで
きても、却って機関発生トルクのばらつきを助長し、本
発明にかかる点火時期補正制御による制御ハンチング延
いては車両の振動等を招く恐れがあり、従って、機関温
度が低いときには小さなゲインに設定して、このような
懸念を未然に防止するようにするのが好ましいのであ
る。即ち、上記ゲインが、本発明の機関温度補正手段の
一例に相当する。
【0047】ところで、機関温度以外にも、吸気温度や
潤滑油温度、EGR率、パージ処理時(例えば、パージ
混合気が過濃・過薄となっているような場合等)、更に
はリーン運転時等、通常時に比べ、点火時期補正による
燃焼状態の変化が大きいような或いは小さいような状態
では、これに応じてゲインを変更するようにするのが好
ましい。
【0048】なお、筒内圧センサ20が、燃焼サイクルに
同期した筒内圧信号を出力しないとき等には、ブロック
800で筒内圧センサ20に異常があると判断し、ブロッ
ク808を介して(C Pi')を0にセットし、ブロック
800からブロック806に移行させるようにすれば、
筒内圧センサ20の異常を含んだまま(C Pi')が演算さ
れ(ブロック801〜ブロック805)、以って大きな
誤差を含んだ最終的な点火時期指令値(ADVOUT)
が設定されてしまい機関運転に悪影響を及ぼすようにな
ることを確実に防止することができる。つまり、筒内圧
センサ20や配線等に異常があった場合には、少なくとも
現在の機関発生トルクは期待値を満足していると見做す
こととして(ブロック808にて、C Pi'=0にセット
することが相当する)、本発明にかかる点火時期補正手
段による点火時期補正制御を事実上行わせないように
し、これにより機関運転への悪影響を排除することがで
きるようになっている。即ち、ブロック800,ブロッ
ク808が、本発明の異常時点火時期補正停止手段の一
例に相当する。
【0049】このように、本実施例によれば、回転速度
フィードバック制御手段により、回転速度変動を抑制し
つつ内燃機関の回転速度を目標回転速度近傍に維持でき
ると共に、点火時期補正手段により、確率的要因等によ
って生じる内燃機関の発生トルク(燃焼)のばらつきが
回転速度変動として現れる前から、即ち発生トルク(燃
焼)のばらつきが検出された時点で、このばらつきの大
きさに応じて、応答性よく回転速度変動が抑制される方
向に点火時期を補正するようにしたので、以って当該確
率的要因等によって生じる発生トルクのばらつきに起因
して発生するであろう回転速度変動に対して早期に対処
することができるので、従来の装置に対して、より高周
波成分(例えば、図8の周波数帯域H)まで内燃機関の
回転速度変動を抑制することができる。
【0050】なお、本実施例では、アイドル回転速度を
制御する場合について説明してきたが、他の運転状態に
おいて目標回転速度を達成したいような場合にも、本発
明は適用可能なものである。即ち、その運転状態におけ
る目標回転速度と、機関発生トルク(燃焼状態)の期待
値と、実際の発生トルク(燃焼状態)と、が解れば、本
発明の作用効果を奏することができるものである。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1に記
載の発明によれば、回転速度フィードバック制御手段に
より、回転速度変動を抑制しつつ内燃機関の実際の回転
速度を目標回転速度近傍に維持できると共に、点火時期
補正手段により、確率的要因等によって生じる内燃機関
の燃焼ばらつきによる機関発生トルク変動が回転速度変
動として現れる前に、即ち、燃焼のばらつきが検出され
た後直ちに、当該燃焼のばらつきにより発生するであろ
う回転速度変動に対して、これを抑制する方向に点火時
期を補正することができるので、当該確率的要因等によ
って生じる燃焼ばらつき、延いては機関発生トルクのば
らつきに起因して発生する回転速度変動を抑制すること
ができ、以って従来の回転速度制御装置に対して、より
高周波成分まで内燃機関の回転速度変動を抑制すること
ができる。
【0052】請求項2に記載の発明によれば、筒内圧セ
ンサ等の簡単、かつ既存の装置を利用して、高精度に燃
焼状態に相関の強い状態量を検出することができる。請
求項3に記載の発明によれば、前記燃焼状態に相関の強
い状態量を、所定区間で計測される平均有効圧力とした
ので、比較的簡単な構成で、処理時間やメモリ容量等を
節約しつつ高精度に、燃焼状態に相関の強い状態量を検
出することができる。
【0053】請求項4に記載の発明によれば、前記所定
区間を、前記点火時期補正手段における点火時期の補正
制御を次燃焼の点火時期設定において反映できるように
設定したので、燃焼状態のばらつきの検出後、最大に前
記点火時期補正手段による点火時期補正を早めることが
でき、以って最大限高周波帯域まで回転速度変動を抑制
することができる。
【0054】請求項5に記載の発明によれば、前記燃焼
状態と相関の強い状態量を、最大燃焼圧を示すクランク
軸回転角度位置として検出するようにしたので、平均有
効圧を検出する場合に比べ、より一層簡単な構成で、高
精度に、燃焼状態に相関の強い状態量を検出することが
できる。
【0055】請求項6に記載の発明によれば、第1信号
処理手段により、前記偏差算出手段の出力から、点火時
期以外の回転速度フィードバック制御による制御周波数
帯域の成分を除去するようにしたので、点火時期以外の
回転速度フィードバック制御により制御すべき比較的低
周波な変動成分と、点火時期の補正制御により抑制すべ
き変動成分と、を分離することができるので、両制御が
干渉し合って良好な制御が行えなくなるのを抑制できる
と共に、前記点火時期補正手段による点火時期補正量の
設定を高精度化することができる。併せて、期待値算出
手段における期待値を算出する関数の入力パラメータで
ある供給空気量,供給燃料量,機関水温等のように内燃
機関の回転速度に影響を与える速度が遅いものに関して
は、その入力パラメータから省略することができること
となる。更に、燃焼状態量検出手段の検出値、或いは期
待値算出手段により算出される期待値に何らかのオフセ
ット等が生じているような場合でも、その影響を低減す
ることができる。
【0056】請求項7に記載の発明によれば、第2信号
処理手段により、偏差算出手段の出力から、同一気筒の
燃焼周波数およびその高次周波数の成分のうち少なくと
も1つの周波数を除去するようにしたので、例えば燃焼
状態(機関発生トルク自体あるい筒内圧センサの出力)
が気筒毎に異なるバイアス値を持つような場合でも、そ
の影響を低減することができる。
【0057】請求項8に記載の発明によれば、機関温度
補正手段により、内燃機関の機関温度が低いときには、
点火時期補正手段における点火時期補正のゲインを小さ
くするようにしたので、制御ハンチング延いては車両の
振動等を招くといった不具合の発生を抑制することがで
きる。請求項9に記載の発明によれば、異常時点火時期
補正停止手段により、前記燃焼状態量検出手段が異常で
あると認められた場合に、点火時期の補正制御を停止す
るようにしたので、誤った偏差が出力され、誤った点火
時期補正がなされることによって生じる機関運転への悪
影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のブロック図。
【図2】 一実施例を示す全体システム図。
【図3】 同上実施例の燃焼期間内の平均発生トルク相
当量を検出するためのフローチャート。
【図4】 同上実施例の点火時期補正制御を説明するフ
ローチャート。
【図5】 同上実施例の点火時期補正量を設定するため
のテーブルの一例を示す図。
【図6】 筒内圧力のクランク角度に対する変化を説明
する図。
【図7】 燃焼期間の平均発生トルクと区間図示平均有
効圧との相関関係を説明する図。
【図8】 同上実施例の効果を説明する図。
【図9】 デジタルフィルタHPF1の周波数特性を示
す図。
【符号の説明】
1 エアフローメータ 7 クランク角センサ 8 内燃機関 10 燃焼室 15 燃料噴射弁 16 点火栓 19 コントロールユニット 20 筒内圧センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関の実際の回転速度を目標回転速度
    に一致させるように、内燃機関の実際の回転速度と目標
    回転速度との偏差に応じ、内燃機関に供給する空気量、
    燃料量、点火時期、EGR率等の内燃機関の制御量のう
    ち少なくとも1つをフィードバック制御する回転速度フ
    ィードバック制御手段を備えると共に、 内燃機関の実際の燃焼状態と相関の強い状態量を検出す
    る燃焼状態量検出手段と、 内燃機関の運転状態に応じて定まる燃焼状態と相関の強
    い状態量を、期待値として算出する期待値算出手段と、 前記検出された実際の燃焼状態量と、前記算出された期
    待値と、の偏差を算出する偏差算出手段と、 前記偏差算出手段により算出された偏差に基づいて、燃
    焼状態のばらつきに起因する回転速度変動を抑制するよ
    うに、点火時期を補正する点火時期補正手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の回転速度
    制御装置。
  2. 【請求項2】前記燃焼状態と相関の強い状態量が、内燃
    機関の燃焼圧力に基づく状態量であることを特徴とする
    請求項1に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  3. 【請求項3】前記燃焼状態と相関の強い状態量が、所定
    区間で計測される平均有効圧力であることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の内燃機関の回転速度制
    御装置。
  4. 【請求項4】前記所定区間が、前記点火時期補正手段に
    おける点火時期の補正制御を次燃焼の点火時期設定にお
    いて反映できるように設定されたことを特徴とする請求
    項3に記載の内燃機関の回転速度制御装置。
  5. 【請求項5】前記燃焼状態と相関の強い状態量が、最大
    燃焼圧を示すクランク軸回転角度位置であることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の回転
    速度制御装置。
  6. 【請求項6】前記点火時期補正手段が、前記偏差算出手
    段の出力から、点火時期以外の回転速度フィードバック
    制御による制御周波数帯域の成分を除去する第1信号処
    理手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項1〜
    請求項5の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御
    装置。
  7. 【請求項7】前記点火時期補正手段が、前記偏差算出手
    段の出力から、同一気筒の燃焼周波数およびその高次周
    波数の成分のうち少なくとも1つの周波数を除去する第
    2信号処理手段を含んで構成されたことを特徴とする請
    求項1〜請求項6の何れか1つに記載の内燃機関の回転
    速度制御装置。
  8. 【請求項8】前記点火時期補正手段が、内燃機関の機関
    温度が低いときには、点火時期補正のゲインを小さくす
    る機関温度補正手段を含んで構成されたことを特徴とす
    る請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の内燃機関の
    回転速度制御装置。
  9. 【請求項9】前記点火時期補正手段が、前記燃焼状態量
    検出手段が異常であると認められた場合に、点火時期の
    補正制御を行わないようにする異常時点火時期補正停止
    手段を含んで構成されたことを特徴とする請求項1〜請
    求項8の何れか1つに記載の内燃機関の回転速度制御装
    置。
JP10875995A 1995-05-02 1995-05-02 内燃機関の回転速度制御装置 Pending JPH08303338A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018071357A (ja) * 2016-10-24 2018-05-10 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の排気還流装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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