JPH08302157A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
フェノール樹脂成形材料Info
- Publication number
- JPH08302157A JPH08302157A JP10435195A JP10435195A JPH08302157A JP H08302157 A JPH08302157 A JP H08302157A JP 10435195 A JP10435195 A JP 10435195A JP 10435195 A JP10435195 A JP 10435195A JP H08302157 A JPH08302157 A JP H08302157A
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- Japan
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- phenol resin
- weight
- parts
- molding material
- powder
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【構成】 フェノール樹脂100重量部に対して有機質
基材80〜120重量部からなるフェノール樹脂組成物
に、フェノール樹脂100重量部に対して融点が40〜
80℃のアミド系ワックス0.3〜1.5重量部と融点
が50〜70℃の高級アルコール(ステアリルアルコー
ル)0.1〜0.7重量部を配合してなるフェノール樹
脂成形材料であって、好ましくは有機質基材として20
0メッシュ全通であるヤシガラ粉、モミガラ粉、100
メッシュ全通である積層板粉、合板粉を配合し、その配
合割合は、ヤシガラ粉100重量部に対してモミガラ粉
100〜300重量部と積層板粉80〜150重量部と
合板粉10〜60重量部であるフェノール樹脂成形材
料。 【効果】 常態及び長期煮沸後の成形品外観の光沢性に
優れ、かつ常態及び長期煮沸後の塗装密着性が良好な成
形品が得られ、また成形時及びタブレット作成時の計量
安定性に優れた成形材料が得られる。
基材80〜120重量部からなるフェノール樹脂組成物
に、フェノール樹脂100重量部に対して融点が40〜
80℃のアミド系ワックス0.3〜1.5重量部と融点
が50〜70℃の高級アルコール(ステアリルアルコー
ル)0.1〜0.7重量部を配合してなるフェノール樹
脂成形材料であって、好ましくは有機質基材として20
0メッシュ全通であるヤシガラ粉、モミガラ粉、100
メッシュ全通である積層板粉、合板粉を配合し、その配
合割合は、ヤシガラ粉100重量部に対してモミガラ粉
100〜300重量部と積層板粉80〜150重量部と
合板粉10〜60重量部であるフェノール樹脂成形材
料。 【効果】 常態及び長期煮沸後の成形品外観の光沢性に
優れ、かつ常態及び長期煮沸後の塗装密着性が良好な成
形品が得られ、また成形時及びタブレット作成時の計量
安定性に優れた成形材料が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常態及び長期煮沸後の
光沢性に優れ塗装密着性の良好な成形品を得ることがで
き、また成形時及びタブレット作製時の計量安定性に優
れたフェノール樹脂成形材料に関するものである。
光沢性に優れ塗装密着性の良好な成形品を得ることがで
き、また成形時及びタブレット作製時の計量安定性に優
れたフェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂成形材料は、さまざまな
分野に使用されているが、厨房分野や漆器素地分野にお
いては、その成形品の使用環境上、常態や煮沸処理後の
成形品の光沢性や塗装密着性が特に必要とされている。
また、これら分野における成形品の成形方法は成形品の
大小にかかわらず圧縮成形が主であり、成形時、あるい
はタブレット作製時の計量安定性が要求されている。
分野に使用されているが、厨房分野や漆器素地分野にお
いては、その成形品の使用環境上、常態や煮沸処理後の
成形品の光沢性や塗装密着性が特に必要とされている。
また、これら分野における成形品の成形方法は成形品の
大小にかかわらず圧縮成形が主であり、成形時、あるい
はタブレット作製時の計量安定性が要求されている。
【0003】このため、従来では、無機基材を大量に配
合して成形品の光沢性を向上させているが、比重が重く
なってしまう等の不具合が生じている。塗装密着性にお
いては従来では、配合されている離型剤量を減らした
り、高融点(融点180〜220℃)の離型剤、たとえ
ばステアリン酸バリウムやステアリン酸ナトリウムが配
合されているが、常態での塗装密着性は向上するもの
の、煮沸処理後においては塗膜が剥離したり、また成形
時において成形品の金型からの脱型が悪いなどの不具合
が生じている。
合して成形品の光沢性を向上させているが、比重が重く
なってしまう等の不具合が生じている。塗装密着性にお
いては従来では、配合されている離型剤量を減らした
り、高融点(融点180〜220℃)の離型剤、たとえ
ばステアリン酸バリウムやステアリン酸ナトリウムが配
合されているが、常態での塗装密着性は向上するもの
の、煮沸処理後においては塗膜が剥離したり、また成形
時において成形品の金型からの脱型が悪いなどの不具合
が生じている。
【0004】成形時の計量安定性については、従来で
は、フェノール樹脂成形材料の粒度を粗くして計量安定
性を向上させているが、成形材料の粒度が粗い場合、亀
甲模様が成形品に現れ、外観が悪い等の不具合が生じて
いる。また成形品外観を向上させるために成形材料の粒
度を細かくすると、成形品外観は向上するが、計量安定
性やタブレット形成性が悪くなり、これらを改善するた
めに成形材料に少量の離型剤を後添加したりしている
が、成形時に成形品表面に離型剤が浮きでて、成形品が
曇ったり、塗装密着性が大きく損なわれたりしているの
が現状である。
は、フェノール樹脂成形材料の粒度を粗くして計量安定
性を向上させているが、成形材料の粒度が粗い場合、亀
甲模様が成形品に現れ、外観が悪い等の不具合が生じて
いる。また成形品外観を向上させるために成形材料の粒
度を細かくすると、成形品外観は向上するが、計量安定
性やタブレット形成性が悪くなり、これらを改善するた
めに成形材料に少量の離型剤を後添加したりしている
が、成形時に成形品表面に離型剤が浮きでて、成形品が
曇ったり、塗装密着性が大きく損なわれたりしているの
が現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的とすると
ころは、有機質基材と特定の離型剤との組み合わせによ
り、得られた成形品において常態及び長期煮沸後の光沢
性に優れ、塗装密着性が良好であり、また成形時の計量
安定性及びタブレット形成性に優れたフェノール樹脂成
形材料に関するものである。
ころは、有機質基材と特定の離型剤との組み合わせによ
り、得られた成形品において常態及び長期煮沸後の光沢
性に優れ、塗装密着性が良好であり、また成形時の計量
安定性及びタブレット形成性に優れたフェノール樹脂成
形材料に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フェノール樹
脂100重量部と有機質基材80〜120重量部からな
るフェノール樹脂組成物に、フェノール樹脂100重量
部に対して融点が40〜80℃のアミド系ワックス0.
3〜1.5重量部と融点が50〜70℃の高級アルコー
ル0.1〜0.7重量部を配合してなることを特徴とす
るフェノール樹脂成形材料である。
脂100重量部と有機質基材80〜120重量部からな
るフェノール樹脂組成物に、フェノール樹脂100重量
部に対して融点が40〜80℃のアミド系ワックス0.
3〜1.5重量部と融点が50〜70℃の高級アルコー
ル0.1〜0.7重量部を配合してなることを特徴とす
るフェノール樹脂成形材料である。
【0007】本発明におけるフェノール樹脂は、好まし
くはフェノール核に結合するメチレン結合において、オ
ルソ結合対パラ結合の比が0.7〜1.0であり、数平
均分子量が700〜950のフェノール樹脂(a)と、
オルソ結合対パラ結合の比が1.7〜2.7であり数平
均分子量が850〜1200のノボラック型フェノール
樹脂(b)を成分とし、その配合割合はフェノール樹脂
(a)100重量部に対しフェノール樹脂(b)を10
〜35重量部配合することが好ましい。
くはフェノール核に結合するメチレン結合において、オ
ルソ結合対パラ結合の比が0.7〜1.0であり、数平
均分子量が700〜950のフェノール樹脂(a)と、
オルソ結合対パラ結合の比が1.7〜2.7であり数平
均分子量が850〜1200のノボラック型フェノール
樹脂(b)を成分とし、その配合割合はフェノール樹脂
(a)100重量部に対しフェノール樹脂(b)を10
〜35重量部配合することが好ましい。
【0008】フェノール樹脂(a)及び(b)の数平均
分子量は、上記範囲未満では樹脂の融点が低く、取り扱
いが不便であり、硬化性も低下する傾向がある。上記範
囲を越えると樹脂を安定的に製造することができない場
合がある。フェノール樹脂(a)100重量部に対して
フェノール樹脂(b)を35重量部を越えて配合する
と、硬化性が速すぎ、成形時に成形品表面にムラが生じ
やすく、10重量部未満では硬化性が遅くなり成形時間
が長くなり、また、成形材料の粘度が低く、成形品に流
れムラが生じることがある。
分子量は、上記範囲未満では樹脂の融点が低く、取り扱
いが不便であり、硬化性も低下する傾向がある。上記範
囲を越えると樹脂を安定的に製造することができない場
合がある。フェノール樹脂(a)100重量部に対して
フェノール樹脂(b)を35重量部を越えて配合する
と、硬化性が速すぎ、成形時に成形品表面にムラが生じ
やすく、10重量部未満では硬化性が遅くなり成形時間
が長くなり、また、成形材料の粘度が低く、成形品に流
れムラが生じることがある。
【0009】次に有機基材について説明する。本発明の
好ましい態様の一つは、有機質基材として200メッシ
ュ全通であるヤシガラ粉及び/又はモミガラ粉と、10
0メッシュ全通である積層板粉及び/又は合板粉を配合
することを特徴とし、その配合割合は、ヤシガラ粉とモ
ミガラ粉の合計量100重量部に対して積層板粉と合板
粉の合計量20〜100重量部が好ましい。
好ましい態様の一つは、有機質基材として200メッシ
ュ全通であるヤシガラ粉及び/又はモミガラ粉と、10
0メッシュ全通である積層板粉及び/又は合板粉を配合
することを特徴とし、その配合割合は、ヤシガラ粉とモ
ミガラ粉の合計量100重量部に対して積層板粉と合板
粉の合計量20〜100重量部が好ましい。
【0010】ヤシガラ粉100重量部に対してはモミガ
ラ粉100〜300重量部配合することが好ましく、3
00重量部を越えると比重が重くなり、また成形材料の
粘度が低くなり、成形品外観に流れムラが生じることが
ある。100重量部未満では成形品外観において光沢が
低下することがある。ヤシガラ粉100重量部に対して
積層板粉80〜150重量部配合することが好ましく、
150重量部を越えると成形性が悪くなり、成形品外観
の平滑性がなくなることがある。80重量部未満では成
形品の平滑性は向上するものの、成形品の光沢性が低下
することがある。ヤシガラ粉100重量部に対して合板
粉10〜60重量部が好ましく、60重量部を越えると
成形性は向上するものの、成形品外観の平滑性、光沢性
が悪くなることがある。10重量部未満では充填性等の
成形性が悪くなることがある。
ラ粉100〜300重量部配合することが好ましく、3
00重量部を越えると比重が重くなり、また成形材料の
粘度が低くなり、成形品外観に流れムラが生じることが
ある。100重量部未満では成形品外観において光沢が
低下することがある。ヤシガラ粉100重量部に対して
積層板粉80〜150重量部配合することが好ましく、
150重量部を越えると成形性が悪くなり、成形品外観
の平滑性がなくなることがある。80重量部未満では成
形品の平滑性は向上するものの、成形品の光沢性が低下
することがある。ヤシガラ粉100重量部に対して合板
粉10〜60重量部が好ましく、60重量部を越えると
成形性は向上するものの、成形品外観の平滑性、光沢性
が悪くなることがある。10重量部未満では充填性等の
成形性が悪くなることがある。
【0011】次に離型剤について説明する。本発明にお
いて用いられるアミド系ワックスの特徴は、融点が40
〜80℃であることである。また、もう一方の高級アル
コールの特徴は融点が50〜70℃であることである。
これらの離型剤はそれぞれ単独で使用することもできる
が、本発明においては併用することが好ましく、その配
合割合は通常アミド系ワックス1重量部に対して高級ア
ルコールが0.2〜1.4重量部である。
いて用いられるアミド系ワックスの特徴は、融点が40
〜80℃であることである。また、もう一方の高級アル
コールの特徴は融点が50〜70℃であることである。
これらの離型剤はそれぞれ単独で使用することもできる
が、本発明においては併用することが好ましく、その配
合割合は通常アミド系ワックス1重量部に対して高級ア
ルコールが0.2〜1.4重量部である。
【0012】この融点がアミド系ワックスと高級アルコ
ールの配合量は、それぞれフェノール樹脂100重量部
に対してアミド系ワックスは0.3〜1.5重量部、高
級アルコールは0.1〜0.7重量部である。離型剤の
量がこれらより少ないと成形時、金型からの離型が悪く
なり、これらより多いと金型汚れが生じたり、成形品外
観が損なわれるようになる。本発明において、融点が5
0〜70℃の高級アルコールとしては、例えば、ステア
リルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ノナデシル
アルコール等がある。
ールの配合量は、それぞれフェノール樹脂100重量部
に対してアミド系ワックスは0.3〜1.5重量部、高
級アルコールは0.1〜0.7重量部である。離型剤の
量がこれらより少ないと成形時、金型からの離型が悪く
なり、これらより多いと金型汚れが生じたり、成形品外
観が損なわれるようになる。本発明において、融点が5
0〜70℃の高級アルコールとしては、例えば、ステア
リルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ノナデシル
アルコール等がある。
【0013】本発明におけるフェノール樹脂成形材料の
粒度は12メッシュパス〜16メッシュオンが0〜5
%、16メッシュパス〜150メッシュオンが92〜1
00%、150メッシュパスが0〜3%であることが好
ましい。12メッシュパス〜16メッシュオンの粒度が
5%を越えると成形品の表面に亀甲模様が生じ、成形品
外観が損なわれることがある。150メッシュパスの粒
度が3%を越えると、成形時やタブレット作製時の計量
安定性が悪くなることがある。
粒度は12メッシュパス〜16メッシュオンが0〜5
%、16メッシュパス〜150メッシュオンが92〜1
00%、150メッシュパスが0〜3%であることが好
ましい。12メッシュパス〜16メッシュオンの粒度が
5%を越えると成形品の表面に亀甲模様が生じ、成形品
外観が損なわれることがある。150メッシュパスの粒
度が3%を越えると、成形時やタブレット作製時の計量
安定性が悪くなることがある。
【0014】本発明においてフェノール樹脂成形材料に
最後の段階で配合される融点130〜150℃のアミド
系ワックスは特に限定するものではないが、フェノール
樹脂成形材料100重量部に0.01〜0.5重量部配
合することが好ましい。
最後の段階で配合される融点130〜150℃のアミド
系ワックスは特に限定するものではないが、フェノール
樹脂成形材料100重量部に0.01〜0.5重量部配
合することが好ましい。
【0015】フェノール樹脂成形材料に配合される融点
130〜150℃のアミド系ワックスは、上記粒度の成
形材料に添加することにより、成形時やタブレット作製
時の計量安定性を更に向上することができる。融点が1
30℃〜150℃のアミド系ワックスの配合量はフェノ
ール樹脂成形材料100重量部に対し、0.5重量部を
越えると成形品外観に曇りが生じ、また、計量安定性の
向上も認められなくなる。0.01重量部未満では計量
安定性の向上の効果が得られない。
130〜150℃のアミド系ワックスは、上記粒度の成
形材料に添加することにより、成形時やタブレット作製
時の計量安定性を更に向上することができる。融点が1
30℃〜150℃のアミド系ワックスの配合量はフェノ
ール樹脂成形材料100重量部に対し、0.5重量部を
越えると成形品外観に曇りが生じ、また、計量安定性の
向上も認められなくなる。0.01重量部未満では計量
安定性の向上の効果が得られない。
【0016】本発明によるフェノール樹脂成形材料から
成形品を得るための成形方法は圧縮成形、トランスファ
ー成形、射出成形等のいずれにも適応でき、限定される
ものではない。
成形品を得るための成形方法は圧縮成形、トランスファ
ー成形、射出成形等のいずれにも適応でき、限定される
ものではない。
【0017】
【作用】本発明のフェノール樹脂成形材料は、有機質基
材として200メッシュ全通であるヤシガラ粉及び/又
はモミガラ粉と、100メッシュ全通である積層板粉及
び/又は合板粉を配合している。これらの細かい粒度の
有機質基材を配合することで、フェノール樹脂、有機質
基材、離型剤等を混合した時に混合物の分散が良好とな
る。また、本発明に用いられる有機質基材は、フェノー
ル樹脂の含浸性が良好であり、粒度が細かいことにより
基材の内部まで十分に浸透する。
材として200メッシュ全通であるヤシガラ粉及び/又
はモミガラ粉と、100メッシュ全通である積層板粉及
び/又は合板粉を配合している。これらの細かい粒度の
有機質基材を配合することで、フェノール樹脂、有機質
基材、離型剤等を混合した時に混合物の分散が良好とな
る。また、本発明に用いられる有機質基材は、フェノー
ル樹脂の含浸性が良好であり、粒度が細かいことにより
基材の内部まで十分に浸透する。
【0018】これらの特長により、成形品の平滑性や光
沢性が向上する。また、長期煮沸処理しても、フェノー
ル樹脂が有機質基材に十分に浸透しており、フェノール
樹脂で含浸されていない有機質基材が実質的に無いた
め、吸湿による有機質基材の膨潤が生じ無い。このため
長期煮沸処理後の成形品表面の平滑性、光沢性が従来の
ものに比較して格段に向上する。
沢性が向上する。また、長期煮沸処理しても、フェノー
ル樹脂が有機質基材に十分に浸透しており、フェノール
樹脂で含浸されていない有機質基材が実質的に無いた
め、吸湿による有機質基材の膨潤が生じ無い。このため
長期煮沸処理後の成形品表面の平滑性、光沢性が従来の
ものに比較して格段に向上する。
【0019】一般的なフェノール樹脂成形材料は離型剤
として直鎖高級脂肪酸あるいはエステル系ワックス等が
配合されている。これらの離型剤はフェノール樹脂との
相溶性が悪く、成形後の成形品中の水分、あるいは吸湿
による水分によって、成形品中から成形品表面にブリー
ドしてくる。このため、塗装密着性が悪くなり、塗膜が
剥離したり、あるいは塗料がはじけて塗装できなくな
る。
として直鎖高級脂肪酸あるいはエステル系ワックス等が
配合されている。これらの離型剤はフェノール樹脂との
相溶性が悪く、成形後の成形品中の水分、あるいは吸湿
による水分によって、成形品中から成形品表面にブリー
ドしてくる。このため、塗装密着性が悪くなり、塗膜が
剥離したり、あるいは塗料がはじけて塗装できなくな
る。
【0020】本発明で用いられる融点が40〜80℃の
アミド系ワックスと融点が50〜70℃の高級アルコー
ルはいずれも大きな極性をもっており、この極性がフェ
ノール樹脂の極性と類似している為、フェノール樹脂と
の相溶性が良好である。このため、離型剤が成形品中の
水分あるいは吸湿による水分によって成形品内部から成
形品表面にブリードしてこない為、塗装密着性が優れて
いると考えられる。また、上記説明のように、細かい有
機質基材を配合によりフェノール樹脂の含浸性が向上し
ているため、有機質基材の吸湿膨潤が無く、このため成
形品への吸湿水分量が少なくなっていることも塗装密着
性を向上させている一因であると思われる。
アミド系ワックスと融点が50〜70℃の高級アルコー
ルはいずれも大きな極性をもっており、この極性がフェ
ノール樹脂の極性と類似している為、フェノール樹脂と
の相溶性が良好である。このため、離型剤が成形品中の
水分あるいは吸湿による水分によって成形品内部から成
形品表面にブリードしてこない為、塗装密着性が優れて
いると考えられる。また、上記説明のように、細かい有
機質基材を配合によりフェノール樹脂の含浸性が向上し
ているため、有機質基材の吸湿膨潤が無く、このため成
形品への吸湿水分量が少なくなっていることも塗装密着
性を向上させている一因であると思われる。
【0021】本発明のフェノール樹脂成形材料は、前述
のように好ましくは粒度が12メッシュパス〜16メッ
シュオンが0〜5%、16メッシュパス〜150メッシ
ュオンが95〜99%、150メッシュパスが0〜3%
である。これらの均一な粒度にすることで圧縮成形にお
いて一粒一粒にかかる熱履歴が一定となり、金型内での
成形材料の溶融、硬化挙動が均一となり、成形品外観に
亀甲模様や小ブクレが発生しないと考えられる。12メ
ッシュオンの粗い粒子が存在すると16メッシュパス〜
150メッシュオンの粒子との金型内での溶融、硬化挙
動が異なる。すなわち粗い粒子においては粗い粒子の表
面相のみ溶融し、粗い粒子の内部まで完全に溶融しなか
ったり、あるいは粗い粒子の内部まで溶融させると、こ
の粒子の表面においては硬化が進んでいる。このため成
形品表面に亀甲模様や小ブクレが生じると考えられる。
また150メッシュパスの超微粉が多量に存在すると、
この超微粉は静電気を帯びやすく、タブレット作製時の
ホッパーに付着し、計量安定性が悪くなるものと思われ
る。
のように好ましくは粒度が12メッシュパス〜16メッ
シュオンが0〜5%、16メッシュパス〜150メッシ
ュオンが95〜99%、150メッシュパスが0〜3%
である。これらの均一な粒度にすることで圧縮成形にお
いて一粒一粒にかかる熱履歴が一定となり、金型内での
成形材料の溶融、硬化挙動が均一となり、成形品外観に
亀甲模様や小ブクレが発生しないと考えられる。12メ
ッシュオンの粗い粒子が存在すると16メッシュパス〜
150メッシュオンの粒子との金型内での溶融、硬化挙
動が異なる。すなわち粗い粒子においては粗い粒子の表
面相のみ溶融し、粗い粒子の内部まで完全に溶融しなか
ったり、あるいは粗い粒子の内部まで溶融させると、こ
の粒子の表面においては硬化が進んでいる。このため成
形品表面に亀甲模様や小ブクレが生じると考えられる。
また150メッシュパスの超微粉が多量に存在すると、
この超微粉は静電気を帯びやすく、タブレット作製時の
ホッパーに付着し、計量安定性が悪くなるものと思われ
る。
【0022】本発明のフェノール樹脂成形材料は上記の
ように、有機質基材として200メッシュ全通であるヤ
シガラ粉及び/又はモミガラ粉、100メッシュ全通で
ある積層板粉及び/又は合板粉を配合しており、これら
の細かい粒度の有機質基材を配合しているため、成形材
料製造時の粉砕工程において、粉砕が容易であり上記粒
度のものが得られやすい。長繊維の有機質基材を配合す
ると粉砕工程において粉砕が難しく、長時間粉砕機の中
で滞留するため、微粉が多量に発生し、上記粒度が得ら
れにくい。
ように、有機質基材として200メッシュ全通であるヤ
シガラ粉及び/又はモミガラ粉、100メッシュ全通で
ある積層板粉及び/又は合板粉を配合しており、これら
の細かい粒度の有機質基材を配合しているため、成形材
料製造時の粉砕工程において、粉砕が容易であり上記粒
度のものが得られやすい。長繊維の有機質基材を配合す
ると粉砕工程において粉砕が難しく、長時間粉砕機の中
で滞留するため、微粉が多量に発生し、上記粒度が得ら
れにくい。
【0023】従って、本発明のフェノール樹脂成形材料
は、成形品の外観において常態及び長期煮沸後の光沢性
に優れ、かつ常態及び長期煮沸後の塗装密着性が良好で
あり、また成形時及びタブレット作成時の計量安定性に
優れていると考えられる。
は、成形品の外観において常態及び長期煮沸後の光沢性
に優れ、かつ常態及び長期煮沸後の塗装密着性が良好で
あり、また成形時及びタブレット作成時の計量安定性に
優れていると考えられる。
【0024】
【実施例】表1に示す原料を所定の配合でミキシングロ
ールにて加熱混練し、粉砕して成形材料を製造した。得
られた成形材料について、成形品外観(常態、煮沸2時
間処理後)、塗装密着性(常態、煮沸2時間処理後)、
タブレット作製時の計量安定性について評価した。これ
らの結果を表1の下欄に示す。
ールにて加熱混練し、粉砕して成形材料を製造した。得
られた成形材料について、成形品外観(常態、煮沸2時
間処理後)、塗装密着性(常態、煮沸2時間処理後)、
タブレット作製時の計量安定性について評価した。これ
らの結果を表1の下欄に示す。
【0025】
【表1】
【0026】(測定方法) 成形品外観:約350gの重箱成形用金型において、フ
ェノール樹脂成形材料を粉末のまま金型に投入し、16
0℃ 70秒間の条件で圧縮成形した後、常態及び煮沸
2時間処理後の成形品外観を目視にて評価する。 塗装密着性(クロスカット法):塗装した成形品表面に
カッターナイフで100個の1mm角の基盤目を形成
し、その上にセロハンテープを貼り付け、セロハンテー
プを角度30度で引き剥がし、1mm角のマス目が幾つ
剥離したかを測定する。 タブレット作製時の計量安定性:60φ×30mmのタ
ブレット(約115g)をタブレットマシーンにて10
0個作製し、100個のタブレットの重量を測定し、そ
のパラツキ(σ)を求める。
ェノール樹脂成形材料を粉末のまま金型に投入し、16
0℃ 70秒間の条件で圧縮成形した後、常態及び煮沸
2時間処理後の成形品外観を目視にて評価する。 塗装密着性(クロスカット法):塗装した成形品表面に
カッターナイフで100個の1mm角の基盤目を形成
し、その上にセロハンテープを貼り付け、セロハンテー
プを角度30度で引き剥がし、1mm角のマス目が幾つ
剥離したかを測定する。 タブレット作製時の計量安定性:60φ×30mmのタ
ブレット(約115g)をタブレットマシーンにて10
0個作製し、100個のタブレットの重量を測定し、そ
のパラツキ(σ)を求める。
【0027】
【発明の効果】本発明に従うと、得られた成形品におい
て常態及び長期煮沸後の光沢性に優れ、塗装密着性が良
好な成形品が得られる。また成形時及びタブレット作製
時の計量安定性に優れた成形材料が得られるので工業的
なフェノール樹脂成形材料として好適である。
て常態及び長期煮沸後の光沢性に優れ、塗装密着性が良
好な成形品が得られる。また成形時及びタブレット作製
時の計量安定性に優れた成形材料が得られるので工業的
なフェノール樹脂成形材料として好適である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フェノール樹脂100重量部に対して有
機質基材80〜120重量部からなるフェノール樹脂組
成物に、フェノール樹脂100重量部に対して融点が4
0〜80℃のアミド系ワックス0.3〜1.5重量部と
融点が50〜70℃の高級アルコール0.1〜0.7重
量部を配合してなることを特徴とするフェノール樹脂成
形材料。 - 【請求項2】 フェノール樹脂は、フェノール核に結合
するメチレン結合において、オルソ結合対パラ結合の比
が0.7〜1.0であり、数平均分子量が700〜95
0のフェノール樹脂(a)と、オルソ結合対パラ結合の
比が1.7〜2.7であり数平均分子量が850〜12
00のノボラック型フェノール樹脂(b)を成分とし、
その配合割合はフェノール樹脂(a)100重量部に対
しフェノール樹脂(b)を10〜35重量部配合する請
求項1記載のフェノール樹脂成形材料。 - 【請求項3】 有機質基材として200メッシュ全通で
あるヤシガラ粉及び/又はモミガラ粉と、100メッシ
ュ全通である積層板粉及び/又は合板粉を、その配合割
合はヤシガラ粉とモミガラ粉の合計量100重量部に対
して積層板粉と合板粉の合計量20〜100重量部であ
る請求項1又2記載のフェノール樹脂成形材料。 - 【請求項4】 フェノール樹脂成形材料の粒度が12メ
ッシュパス〜16メッシュオンが0〜5%、16メッシ
ュパス〜150メッシュオンが92〜100%、150
メッシュパスが0〜3%である請求項1、2又は3記載
のフェノール樹脂成形材料。 - 【請求項5】 フェノール樹脂成形材料に対し融点13
0〜150℃のアミド系ワックス0.01〜0.5重量
%を配合する請求項1、2、3又は4記載のフェノール
樹脂成形材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10435195A JP3375105B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10435195A JP3375105B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302157A true JPH08302157A (ja) | 1996-11-19 |
JP3375105B2 JP3375105B2 (ja) | 2003-02-10 |
Family
ID=14378466
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10435195A Expired - Fee Related JP3375105B2 (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | フェノール樹脂成形材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3375105B2 (ja) |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP10435195A patent/JP3375105B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3375105B2 (ja) | 2003-02-10 |
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