JPH0830043B2 - 光学異性体の分離法 - Google Patents

光学異性体の分離法

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JPH0830043B2
JPH0830043B2 JP63253303A JP25330388A JPH0830043B2 JP H0830043 B2 JPH0830043 B2 JP H0830043B2 JP 63253303 A JP63253303 A JP 63253303A JP 25330388 A JP25330388 A JP 25330388A JP H0830043 B2 JPH0830043 B2 JP H0830043B2
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は分子内に一個以上の不斉構造と一級アミノ基
を持つアミン類の光学分割法に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、アミン類の光学異性体の分離法としては、ジア
ステレオマー法、結晶化法、酵素法、分離膜法、カラム
法等が知られている。これらのうちカラム法は、光学異
性体を完全に分割することが可能であり、ソーベックス
の手法を用いれば、連続操作も可能になる利点を有して
いる。しかしながら、アミン類を光学分割することが可
能なカラムは少なく、その殆どが配位子交換法を分離原
理としているため、光学分割を行うためには、目的化合
物がアミノ基以外に銅イオンと配位結合可能な官能基を
1つ以上有していなければならず、又溶離液に銅イオン
等の金属イオン、場合によっては他の光学活性な化合物
をも共存させる必要があるため、光学異性体の分取には
不向きであるという欠点があった。
一方、配位子交換型によらないカラム法としては、ポ
リスチレンやシリカゲルに光学活性なクラウン化合物を
化学的に結合(共有結合)させた充填剤を用いる方法
〔J.Am.Chem.Soc.,97,1259(1975)及び同誌101,3035
(1979)〕が知られている。しかしこの方法は、カラム
の理論段数が低い上にその充填剤の合成が煩雑でかつコ
ストが高く、また溶離液に有機溶媒を用いなければなら
ないため、アミン類の如く水溶性の試料に対しては適用
が困難であるという欠点があった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、下記一般式(I)で示される光学活性クラ
ウンエーテルを表面疎水性担体に吸着担持させた充填剤
を使用するカラム法を用いることによって、アミン類の
光学分割における前記の如き欠点を克服して本発明に到
ったものである。
前記一般式(I)中、Arは光学活性な2価芳香族基で
あり、例えば次の一般式(II)で表されるものが挙げら
れる。
(式中、A及びBは水素原子、炭素数1〜6の直鎖又は
分岐したアルキル基、例えばメチル基、エチル基又はイ
ソプロピル基、又は炭素数6〜10のアリール基、例えば
フェニル基、又は炭素数7〜9のアラルキル基、例えば
ベンジル基を表す。A及びBは異なる基であってもかま
わないが、同じであることが好ましい。) また、R′,R″は水素原子、炭素数1〜30好ましくは
6〜20の直鎖又は分岐したアルキル基、炭素数6〜18の
アリール基又は炭素数7〜30のアラルキル基である。但
し、水素以外のR′,R″は縮合環のA,B置換位置以外の
どこについても良く、各1ケでも良いが、各最高5ケま
で置換しても良い。また、R′,R″は異なっていても良
い。) また、前記一般式(I)中、Rは水素原子又は炭素数
1〜30の直鎖又は分岐したアルキル基、好ましくは炭素
数6〜20のアルキル基であり、Rは環状オキシエチル基
上のどの炭素に結合していても良く、その数は1〜12、
好ましくは1〜3である。nは4〜8、好ましくは5又
は6の整数を示す。
一般式(II)において、A又はBは水素原子、炭素数
1〜6の直鎖又は分岐したアルキル基であり、具体的に
はメチル基、エチル基、イソプロピル基が例示され、又
炭素数6〜10のアリール基、例えばフェニル基などがあ
り、又は炭素数7〜9のアラルキル基、例えばベンジル
基を表す。
又、一般式(II)において、R′,R″は好ましくは水
素原子又は炭素数4〜30のアルキル基であって、例えば
C8,C12,C16,C18などの長鎖のアルキル基が例示される。
また、アリール基やアラルキル基の例としては、A又
はBに例示したものと同じものがある。
水素以外のR′,R″は、好ましくは6,6′位に置換す
るが、それ以外でも2〜5ケまで置換しても良い。
本発明の分離法で分割対象となるアミン類は、下記一
般式(III-a)又は(III-b)で表される。
(式中mは0又は1であり、R1,R2,R3はそれぞれ異なり
水素原子又は置換基を示すが、R1,R2,R3については特に
制限はなく、例えば水素原子、アルキル基、例えばメチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、ア
ルキル鎖中に不飽和部分を含んでいても良い。またこの
他、置換アルキル基があり、例えばヒドロキシメチル
基、ベンジル基などがある。その他アルコキシ基、例え
ばメトキシ基、芳香族基、例えばフェニル基、置換芳香
族基、例えばクロロフェニル基、又水酸基、ヒドロキシ
カルボニル基、アルコキシカルボニル基(例えばメトキ
シカルボニル基)などが挙げられる。但し、mが0の場
合、R1,R2,R3のうち2つが水素原子、カルボキシル基で
あるもの、及びR1,R2,R3が水素原子、メチル基、フェニ
ル基の組み合わせであるものを除く。) 一般式(III-a)で表されるアミン類としては、具体
的には次のものが例示できる。
2−アミノブタン、2−アミノ−3−メチルブタン、
2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロ
パノール、2−アミノ−1−ペンタノール、2−アミノ
−1−ヘキサノール、2−アミノ−2−フェニルエタノ
ール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、エクトロ
−2−アミノ−1,2−ジフェニルエタノール、4−アミ
ノ−3−(p−クロロフェニル)ブチル酸、3−アミノ
−2−メチルプロピオン酸、3−アミノ−1−フェニル
ブタン、2−アミノ−1−フェニルプロパン。
(式中R4は水素原子又は置換基であるが、特に制限はな
く、例えば水素原子、アルキル基、例えばメチル基、エ
チル基、プロピル基が挙げられ、アルキル鎖中に不飽和
部分を含んでいても良い。またこの他、置換アルキル
基、例えばヒドロキシメチル基、ベンジル基などがあ
る。アルコキシ基、例えばメトキシ基、芳香族基、例え
ばフェニル基、置換芳香族基、例えばクロロフェニル
基、又水酸基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカ
ルボニル基(例えばメトキシカルボニル基)などが挙げ
られる。Aは環員数3〜9で、C2対称軸を持たない環状
の原子団を示し、環構造の一部に2価の芳香族基を含ん
でもよい。なお、Aは環構造中には、炭素以外に窒素、
酸素、イオウなどが入っても良い。またAの環には更に
アルキル基やカルボニル基などの側鎖を有しても良い。
或いはAの環構造は複数のリングが合体したものでも良
い。但し、R4がアミノ基の場合は、A中に不斉中心を持
つ。) 一般式(III-b)で表されるアミン類としては、具体
的には3−アミノ−ε−カプロラクタム、1,2,3,4−テ
トラヒドロ−1−アミノナフタレン、3−アミノキヌク
リジンが例示できる。
本発明に使用される前記一般式(I)で表されるクラ
ウン化合物は、例えば次の一般式(IV) (式中、Arは前記と同じ意味を持ち、Mはアルカリ金
属、例えばナトリウム、カリウム等である。) で表される光学活性な芳香族誘導体に、一般式(V) (式中、Xは塩素、ヨウ素又はトシルオキシ基、R及び
nは前記と同じ意味を持つ) で表されるペンタ又はヘキサエチレングリコールのジハ
ロゲン化物又はジトシル化物、又はそれらのアルキル置
換体を、不活性気体雰囲気下、例えばテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、N,N′−ジメチルホルムアミド等の有
機溶媒中で、ほぼ等モル量で反応させることによって製
造することができる。
本発明で用いる光学活性なクラウン化合物は、R体、
S体のいずれの光学異性体でも良い。
本発明で前記光学活性なクラウン化合物を吸着担持さ
せる担体は表面疎水性のもの(逆相吸着剤)である。こ
のような表面疎水性の担体を得るには、従来公知の方法
に従って、担体の表面を、疎水性化合物を用いて修飾す
ればよい。この場合、担体としては、従来公知の各種の
もの、例えばシリカ、アルミナ、マグネシア、シリカ・
アルミナ等が挙げられる。一方、疎水性化合物として
は、炭化水素類、例えば、メチル基、プロピル基、ブチ
ル基等の低級アルキル基や、オクチル、ドデシル、オク
タデシル等の高級アルキル基、フェニル、アルキルフェ
ニル等のアリール基等を有する化合物や、フッ素や塩素
等を有するハロアルキル基を有する化合物等が挙げられ
る。また、疎水性化合物を用いる担体の表面修飾法とし
ては、従来公知の方法、例えば、物理吸着法や、化学的
結合法等が挙げられ、特に制約を受けない。本発明にお
いては、従来市販されている無機及び有機系の表面疎水
性担体をそのまま用いることができる。
本発明に使用される光学異性体分離用充填剤は、前記
の疎水性表面を有する担体に対して光学活性な脂溶性ク
ラウン化合物を物理的に吸着担持させることによって製
造される。この場合、吸着させるクラウン化合物の量に
特に制約はないが、良好な分離結果を得るには、担体1c
c当たり10-6モル以上0.1モル以下、好ましくは10-5モル
以上10-3モル以下に調製するのが良い。
この吸着担持を好ましく実施するには、前記表面処理
済みの担体をカラムに充填し、この充填カラム中を、前
記光学活性な脂溶性クラウン化合物を一定組成の有機溶
媒と水との混合溶媒に溶解した溶液を、ポンプを用いて
循環させる。この場合、クラウン化合物の担体への吸着
により、循環溶液中のクラウン化合物の濃度は、時間と
ともに減少するので、一定時間後更に水を加えて、循環
溶液に対するクラウン化合物の溶解度を低めて再びカラ
ム中に循環させる。この様な操作を順次繰り返すことに
よってクラウン化合物を所定濃度で吸着した充填剤を、
直接カラム中で製造することができる。なお、前記有機
溶媒としては、水相溶性があってクラウン化合物を溶解
するもの、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等のアルコールの他、アセトニトリル、テトラヒド
ロフラン等が用いられる。
また、この吸着担持は、前記の方法以外にも、該クラ
ウンエーテルを可溶性の溶剤に溶解させ、担体とよく混
合し、減圧下、又は加圧下気流により溶剤を留去させる
方法や、該クラウンエーテルを可溶性の溶剤に溶解さ
せ、担体とよく混合した後、該溶媒と相溶性のない液体
中に、攪拌、分散せしめ、該溶剤を拡散させる方法を用
いることによっても行うことができる。
本発明で使用される溶離液としては、純水、希薄な塩
あるいは酸の水溶液、又は水と相溶性のある有機溶媒、
例えばメタノール、アセトニトリルと、前記溶離液との
混合物が用いられる。又、分離を行う際の温度は、溶離
液が凝結又は沸騰しない温度であれば何度でもよいが、
好ましくは−10℃〜50℃の範囲で行われる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明が以下の実施例のみに限定されるものでないことは
言うまでもない。
本実施例に使用した機器は以下の通りである。
送液ポンプ:日本分光製 TRI ROTAR V 島津製作所製 LC-6A UV検出器:日本分光製 UVIDEC-100-IV 螢光検出器:日本分光製 FR-110 データー処理機:日本クロマト製 CDS 86 島津製作所製 CR-3A 表−1中k1′,k2′,αは各々次の如く定義される。
実施例−1 A:光学異性体分離カラムの作製 前記一般式(I)において、Ar:3,3′−ジフェニル−
1,1′−ビナフチル−2,2′−ジイル、R;H、n;5である下
記構造式(VI)で表されるS体の光学活性なクラウン化
合物50mgを約80%のメタノール水溶液に溶解した。
この溶液を、ジフェニルジクロロシランで表面処理を
施した担体である、ケムコ社製ジフェニルシラン処理済
みシリカゲル(粒径7μ)を4φ×100L(mm)のステン
レスカラムに充填したパックドカラム中に3時間循環さ
せる。次のこの操作において、循環液に順次水を加え、
循環液中のメタノール含量を順次減少させ(最後の循環
液のメタノール含量は約30%である)、これによりほぼ
完全にクラウン化合物をカラム中の表面処理済み担体に
吸着させた。
B:光学異性体の分離 高速液体クロマトグラフ装置(日本分光BIP-1型ポン
プ、相馬光学S-3101A型UV検出器、レオダインサンプル
インジェクター設置)に上記の光学異性体分離カラムを
接続して、各種アミン類のラセミ体を分離させた例を表
−1に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 211/30 213/10 215/08 215/28 215/30 227/34 229/08 C07D 453/02 G01N 30/48 W 30/88 W

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I) (但し、式中Arは光学活性な2価芳香族基である。Rは
    水素原子又は炭素数1〜30の直鎖又は分岐したアルキル
    基であり、Rは環状オキシエチル基上のどの炭素に結合
    していても良く、その数は1〜12である。nは4〜8の
    整数を示す。) で示される光学活性なクラウンエーテルを担体に担持さ
    せた分離剤を用いて、下記の一般式(III-a)又は(III
    -b)で示される化合物 (式中mは0又は1であり、R1,R2,R3はそれぞれ異なり
    水素原子又は置換基を示す。但し、mが0の場合、R1,R
    2,R3のうち2つが水素原子、カルボキシル基であるも
    の、及びR1,R2,R3が水素原子、メチル基、フェニル基の
    組み合わせであるものを除く。) (式中R4は水素原子又は置換基を示す。Aは環員数3〜
    9で、C2対称軸を持たない環状の原子団を示し、環構造
    の一部に2価の芳香族基を含んでもよい。但し、R4がア
    ミノ基の場合は、A中に不斉中心を持つ。) を光学分割することを特徴とする光学異性体の分離法。
  2. 【請求項2】R1,R2,R3が水素原子、アルキル基、置換ア
    ルキル基、アルコキシ基、芳香族基、置換芳香族基、水
    酸基、ヒドロキシカルボニル基又はアルコキシカルボニ
    ル基である請求項1記載の光学法。
  3. 【請求項3】Arが次の一般式(II)で表される基である
    請求項1又は2記載の光学異性体の分離法。 (式中、A及びBは水素原子、炭素数1〜6の直鎖又は
    分岐したアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又は炭
    素数7〜9のアラルキル基を表す。A,Bは異なっていて
    もよい。また、R′,R″は水素原子、炭素数1〜30の直
    鎖又は分岐したアルキル基、炭素数6〜18のアリール基
    又は炭素数7〜30のアラルキル基である。但し、水素以
    外のR′,R″は縮合環のA,B置換位置以外のどこについ
    ても良く、各最高5ケまで置換しても良い。また、
    R′,R″は異なっていても良い。)
JP63253303A 1988-10-07 1988-10-07 光学異性体の分離法 Expired - Lifetime JPH0830043B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105092741A (zh) * 2015-09-25 2015-11-25 四川科伦药业股份有限公司 一种高效液相色谱法检测3-氨基-2-己内酰胺的方法

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CN105092741A (zh) * 2015-09-25 2015-11-25 四川科伦药业股份有限公司 一种高效液相色谱法检测3-氨基-2-己内酰胺的方法

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