JPH08300109A - 金属ストリップ鋳造方法及び金属ストリップ鋳造装置 - Google Patents

金属ストリップ鋳造方法及び金属ストリップ鋳造装置

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JPH08300109A
JPH08300109A JP8114199A JP11419996A JPH08300109A JP H08300109 A JPH08300109 A JP H08300109A JP 8114199 A JP8114199 A JP 8114199A JP 11419996 A JP11419996 A JP 11419996A JP H08300109 A JPH08300109 A JP H08300109A
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casting
metal
batch
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temperature
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JP8114199A
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English (en)
Inventor
Leslie George Gore
ジョージ ゴア レスリー
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BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
Original Assignee
BHP Steel JLA Pty Ltd
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の溶融金属を極端な高温に過熱しなくて
も金属ストリップを連続鋳造できるようにする。 【解決手段】 凝固ストリップ20の鋳造作業開始時に
おいて、高温の溶融金属の第1のバッチを、ストッパロ
ッド46の通路24から金属供給ノズル19bを介して
鋳造ロール16のロール間隙に供給することにより、金
属供給ノズル19bの昇温を図り、また、凝固ストリッ
プ20の定常鋳造段階において、第1のバッチよりも温
度が低い溶融金属の第2のバッチを、タンディッシュ1
8の出口40から金属供給ノズル19bを介して鋳造ロ
ール16のロール間隙に供給することにより、ロール間
隙に鋳造溜めを形成する溶融金属の温度を液相温度近く
に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属ストリップ鋳
造方法及び金属ストリップ鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】双ロール鋳造機による連続鋳造で金属ス
トリップを鋳造することが公知である。
【0003】双ロール鋳造機においては、冷却され相反
方向に回転する一対の水平鋳造ロール間に溶融金属を導
入し、動いているロール表面上で金属殻を凝固させ、ロ
ール間隙にてそれら金属殻を合わせて凝固したストリッ
プ品としてロール間隙から下方ヘ送給する。
【0004】本明細書では、「ロール間隙」という語は
ロール同士が最接近する領域全般を指す。
【0005】溶融金属は取鍋から小容器へ注がれ、更に
はそこからロール間隙上方に位置した金属供給ノズルに
流れてロール間隙へと向かい、その結果、ロール間隙直
上のロール鋳造表面上に支持された溶融金属鋳造溜めを
形成する。
【0006】この鋳造溜めの端は、ロール端面に摺動係
合して保持される側部堰により構成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】双ロール鋳造機による
金属ストリップの鋳造は、冷却で急速凝固するアルミニ
ウム等の非鉄金属にはある程度成功している。
【0008】しかしながら、この技術を鉄金属の鋳造に
当てはめることには問題がある。
【0009】即ち、鉄金属は凝固速度がはるかに遅いの
で、連続鋳造をうまく進めるためには鋳造表面での冷却
と凝固を均一にすることが絶対的に重大である。
【0010】これを達成するのは、特に鋳造作業開始時
に非常に困難である。
【0011】一般に、溶融金属は金属供給ノズル内の耐
火材料で形成された小流路を介して流す必要がある。
【0012】金属供給ノズルは鋳造作業前に予熱される
けれども、小流路まわりの耐火材料が非常に局部冷却さ
れがちであるため、特に操業開始時に溶融金属の過早凝
固が生じてしまう。
【0013】従って、供給ノズルを通るときに局部冷却
で過早凝固しないよう、金属を液相温度をはるかに越え
た温度で金属供給ノズルに供給する必要があった。
【0014】典型的には、操業開始時に金属は100℃
以上の過熱となるように、即ち、金属の液相温度よりも
100℃以上高い温度に予熱する必要があった。
【0015】本発明以前には、比較的高い液相温度を持
つ低炭素鉄鋼の場合、これを達成し且つ操業開始時のみ
ならず操業途中での熱損失を埋め合わせるためには、炉
からの湯出し温度を1700℃以上にする必要があっ
た。
【0016】多量の溶融金属を上記レベルの温度に加熱
することは、かなりのエネルギ消費を必要とするし、操
業の安全面でも明らかにいろいろ問題を呈するし、鋳造
ロールや耐火材料の寿命を大幅に減らすし、これら全て
は操業経費に重大な影響を及ぼす。
【0017】本発明者は、操業開始時より後では、溶融
金属からの伝熱を受けて金属供給ノズルの耐火材料が一
様に温度上昇するので過早凝固回避のために溶融金属を
極端な高温にする必要がないことを見知した。
【0018】更には、鋳造溜めの温度を下げられればよ
り速い凝固速度を達成できるという点で、斯かる高温が
鋳造機の生産性を非常に制限していることも見知した。
【0019】過早凝固を避けるために、タンディッシュ
及び浸漬ノズルから連続鋳造鋳型へと流れる金属に補熱
することにより、連続スラブ鋳造機内の溶融金属の過熱
を最小にすることが以前から提案されている。
【0020】例えば、デアンジェロ他(D'Angelo et al)
のアメリカ特許第4,645,534号は、プラズマト
ーチ等の加熱装置から電流を通すことによる流下金属の
加熱を開示している。
【0021】前記の加熱装置はタンディッシュ内の金属
にあてがわれ、電流がタンディッシュ下流の浸漬ノズル
又は鋳型へと流れる金属に通される。
【0022】また、日本特許第1651751号(特公
平3−18979号)も、タンディッシュのプラズマト
ーチから浸漬ノズルに接続した陽極へと電気を通すこと
により、タンディッシュから浸漬ノズルを介して連続鋳
造鋳型へと流れる金属を加熱することを開示している。
【0023】アメリカ特許第4,645,534号や日
本特許第1651751号に開示されている提案は、薄
肉ストリップの双ロール鋳造には直接適用できない。
【0024】操業開始時における金属供給システムの複
数の小流路での過早凝固という問題は、鋳造操業中の即
時的な熱供給では克服できない。
【0025】何故なら、金属に充分な率でエネルギ移転
すること、即ち、供給システムの流路を通る金属の温度
を、従って、金属の流量を、維持するのに充分な程度に
エネルギ移転を制御することは不可能だからである。
【0026】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、多量の溶融金属を極端な高温に過熱しなくても金属
ストリップを連続鋳造できるようにすることを目的とし
ている。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、溶融金
属を一対の鋳造ロール間のロール間隙へと、ロール間隙
上方に配した金属供給ノズルを介し導入して、ロール間
隙直上のロール鋳造表面上に支持された溶融金属鋳造溜
めを造り、鋳造ロールを回転させて凝固ストリップをロ
ール間隙から下方に送給する、金属ストリップ鋳造方法
において、鋳造開始時に、金属液相温度よりも高い第1
温度を有する溶融金属の第1バッチを金属供給ノズルを
介して鋳造ロール間のロール間隙に注ぐことにより鋳造
溜めを造り、その後、前記第1温度よりも低い第2温度
を有する溶融金属の第2バッチを金属供給ノズルを介し
て鋳造ロール間のロール間隙に注ぐことにより前記鋳造
溜めを維持すること、タンディッシュから金属供給ノズ
ルへの第1及び第2バッチの送給を出口手段を介し行な
うこと、及び、鋳造作業開始時には出口手段を隔壁して
第1バッチを出口手段へと送給すると共に第2バッチが
タンディッシュから出口手段を介し金属供給ノズルへと
流れるのを防ぐことを特徴とする、金属ストリップ鋳造
方法が提供される。
【0028】好ましくは、第1温度は第2温度よりも少
なくとも50℃超過であり、第2温度よりも少なくとも
100℃超過にしてもよい。
【0029】好ましくは、第2温度は金属液相温度より
も50℃以内の超過である鋳造溜め温度をもたらすもの
である。第2温度が溶融金属液相温度よりも25℃以内
の超過である鋳造溜め温度をもたらすものであることが
更に望ましい。
【0030】溶融金属を溶鋼とすることができる。第1
バッチを1〜6トン(metric ton)、好ましくは1.5〜
3トンの範囲とすることができる。
【0031】第2バッチは第1バッチより少なくとも5
倍の大きさとすることができ、10倍以上であってもよ
い。
【0032】金属は、タンディッシュから分配器を介し
て供給ノズルへと流すことができる。
【0033】第2バッチは、第1バッチが出口手段を流
れる前にあるいは流れると同時に、タンディッシュに注
ぐことができる。
【0034】タンディッシュは出口手段閉止用のストッ
パロッドを備えることができる。
【0035】第1バッチを出口手段へ送給する通路をス
トッパロッド内に設けることにより出口手段を隔壁し、
閉止位置にあるストッパロッドにより、第2バッチがタ
ンディッシュから出口手段を介して流れることを防ぐこ
とができる。
【0036】あるいは、出口手段のまわりに管状部材を
提供することにより出口手段を隔壁してもよい。その場
合、管状部材がバリヤとなって第2バッチがタンディッ
シュから出口手段を介し流れるのを防ぐと共に第1バッ
チが管状部材により囲まれる空間を介して出口手段から
流れる。
【0037】管状部材は適宜材料で形成することがで
き、適宜形状とすることができる。
【0038】管状部材は溶融金属との接触から所定時間
で溶ける材料で形成できる。好ましくは、第2バッチが
管状部材を突破する前に第1バッチが出口手段から流れ
ることができるよう、所定時間を選択する。
【0039】あるいは、管状部材を溶融金属中で抗溶融
性を有する材料から形成し、第2バッチをタンディッシ
ュから出口手段へ流すために管状部材をタンディッシュ
から選択的に除去可能に支持することができる。
【0040】あるいは、管状部材を溶融金属中で抗溶融
性を有する材料から形成し、管状部材の高さを、鋳造操
作開始から所定時間遅れの後に第2バッチがタンディッ
シュから管状部材を乗り越えて出口手段を介して流出で
きる堰を形成するよう選択することができる。
【0041】本発明は、更に、間にロール間隙を形成す
る一対の鋳造ロールと、鋳造ロール上方に配して溶融金
属をロール間隙に供給する金属供給ノズルと、溶融金属
の第1バッチを前記金属供給ノズルへと向ける出口手段
を備えたタンディッシュと、溶融金属の第2バッチを保
持し、第2バッチをタンディッシュへと注いで出口手段
を介し金属供給ノズルへと流すよう操作可能な取鍋手段
と、第2バッチがタンディッシュから出口手段を介して
流れることを防ぐと共に第1バッチを出口手段へ送給し
て出口手段から流す隔壁手段とから成ることを特徴とす
る、金属ストリップ鋳造装置を提供する。
【0042】隔壁手段を、出口手段閉止用のストッパロ
ッドで構成することができる。
【0043】ストッパロッド閉止位置で第1バッチを出
口手段に送給できるようストッパロッドに通路を形成す
ることができる。この構成では、閉止位置でストッパロ
ッドの壁が隔壁手段を成す。
【0044】あるいは、隔壁手段をタンディッシュ内に
設けた管状部材で構成し、管状部材が、第1バッチを出
口手段から流すと共に第2バッチがタンディッシュから
出口手段を介して流れるのを防ぐバリヤを成してもよ
い。
【0045】本発明の金属ストリップ鋳造装置は更に、
タンディッシュから溶融金属を受けて金属供給ノズルに
供給するようタンディッシュ下方に位置した分配器を含
むことができる。
【0046】本発明の金属ストリップ鋳造方法及び金属
ストリップ鋳造装置では、鋳造作業開始時において、高
温の溶融金属の第1のバッチを、金属供給ノズルを介し
て鋳造ロール間のロール間隙に供給することにより、金
属供給ノズルの昇温を図り、また、定常鋳造段階におい
て、前記の第1のバッチよりも温度が低い溶融金属の第
2のバッチを、金属供給ノズルを介して鋳造ロール間の
ロール間隙に供給することにより、ロール間隙に鋳造溜
めを形成する溶融金属の温度を液相温度近くに維持す
る。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図を
参照しつつ説明する。
【0048】本発明の開発時に、双ロール鋳造装置の鋳
造表面での条件を密にシュミレートした速度で40mm
×40mmのチルブロックを溶融金属浴へと前進させる
金属凝固実験器具で、初期実験を行なった。
【0049】チルブロックが前進するにつれて鋼がチル
ブロック上に凝固し、ブロック表面上に凝固鋼層が生み
出される。
【0050】この層の厚みを領域全般の諸点で測定し
て、次式で定義されるK因子として一般に周知のパラメ
ータにより計測したものとしての全凝固速度を出す。
【0051】
【数1】K=St-0.5
【0052】但し、Sは凝固鋼層厚さ、tは凝固時間で
ある。
【0053】図5は、K因子によって計測された生産性
に対する鋳造溜め温度の効果を知るために上記実験器具
で行なった実験の結果を示す。
【0054】より詳しくは、この図は、1つの特定の基
質に対し溶融金属過熱、即ち溶融金属の液相温度以上の
温度を種々変えて計測したK因子を示す。
【0055】溶融金属過熱値が減少するにつれてK因子
が急激に増加することが見て取れるであろう。
【0056】これは、鋳造溜め温度を50℃以内の過熱
に、好ましくは25℃以内の過熱に減らすことにより鋳
造機の生産性を劇的に増加できることを意味する。
【0057】場合によっては、鋳造溜め温度を液相温度
又はそれ以下に落としてレオキャスティング(rheocasti
ng)状態に達することが可能であると見込まれる。
【0058】図1及び図2は本発明の金属ストリップ鋳
造装置の実施の形態の一例を示すものである。
【0059】この金属ストリップ鋳造装置では、工場床
12から立ち上がる主機フレーム11が、組付けステー
ションと鋳造ステーションとの間を水平に移動可能な鋳
造ロール台車13を支持する。
【0060】鋳造ロール台車13により担持される一対
の平行な鋳造ロール16が形成するロール間隙に溶融金
属鋳造溜めが形成され、鋳造溜めの端が鋳造ロール16
のロール端に摺動係合して保持される2枚の側部堰(図
示せず)で構成される。
【0061】鋳造作業中、溶融金属がタンディッシュ1
8から分配器19a及び金属供給ノズル19bを介して
鋳造ロール16のロール間隙の鋳造溜めに供給される。
【0062】タンディッシュ18、分配器19a、金属
供給ノズル19b及び側部堰はいずれも、鋳造ロール台
車13に組付けられる前に、適宜の予熱炉(図示せず)
で1000℃以上に予熱される。
【0063】これら構成要素を予熱して、鋳造ロール台
車13に組付ける仕方についてはアメリカ特許第5,1
84,668号に更に充分に開示されている。
【0064】鋳造ロール16が水冷されるので、前記の
鋳造溜めからの溶融金属が移動する鋳造ロール16の表
面上で金属殻として凝固し、金属殻がロール間隙で合わ
されてロール出口で凝固ストリップ20が生み出され
る。
【0065】この凝固ストリップ20がランアウトテー
ブル21へ、そして更には標準コイラ(図示せず)へと
供給される。溶融金属は分配器19aの溢流口25を経
て、鋳造ステーションに隣接して主機フレーム11上に
取付けられた容器23へと分流できる。
【0066】本発明の金属ストリップ鋳造方法を適用す
ると、液相温度より充分高い温度の溶融金属の第1バッ
チ(典型的には2トン)が鋳造作業開始時に金属供給ノ
ズル19bを介して注がれ、その後、溶融金属の第2バ
ッチが同じ金属供給ノズル19bを介してはるかに低い
温度で先に述べた鋳造溜めに注がれる。
【0067】低温の溶融金属の第2バッチが、取鍋17
からスライドゲート弁38及びシュラウド37を介して
タンディッシュ18の右端に導入され、その後、タンデ
ィッシュ18から金属供給ノズル19bへと流れる。
【0068】タンディッシュ18の床に出口40を設け
ることにより、タンディッシュ18からの溶融金属の第
2バッチを出口ノズル42を介して分配器19a及び金
属供給ノズル19bに流す。
【0069】タンディッシュ18は、ストッパロッド4
6と、出口40を選択的に開閉して出口40を流れる金
属流を効果的に制御するスライドゲート弁47とを備え
ている。
【0070】ストッパロッド46には軸方向の通路24
を設けて、ストッパロッド46閉止位置(図1に示した
位置)でタンディッシュ18から低温の溶融金属の第2
バッチが流れ出るのを防ぐと共に、出口40に高温の溶
融金属の第1バッチが流れるようにしている。
【0071】上記したように、本発明の金属ストリップ
製造方法に基づき、凝固ストリップ20を鋳造する際に
は、高温の溶融金属の第1バッチは、取鍋17の内部で
溶融金属液相温度より高い温度に予熱される。
【0072】斯かる予熱は適宜手段によって行なうこと
ができ、高温の溶融金属の第1バッチは、小注入容器等
の適宜手段により通路24に送給できる。
【0073】図1及び図2に示す金属ストリップ鋳造装
置で、低炭素鋼から鋼ストリップを凝固ストリップ20
として連続鋳造する際に、取鍋17が60トンの容量を
持ちタンディッシュ18が8〜11トンの容量を持ち得
る典型的な鋳造スケジュールにおいては、ストッパロッ
ド46の閉止位置において、スライドゲート弁38が操
作されて溶融金属の第2バッチを取鍋17からタンディ
ッシュ18へ流してタンディッシュ18を満たし始め
る。
【0074】同時に、あるいは略同時くらいに、低炭素
鋼の液相温度よりも充分高い温度に(そして取鍋17内
の低炭素鋼の温度よりも充分高い温度に)予熱された溶
融金属の第1バッチが通路24を介して出口40に送給
され、出口ノズル42及び分配器19aを介して金属供
給ノズル19bへと、更には、鋳造ロール16のロール
間隙へと流れて鋳造溜めを造る。
【0075】高温の溶融金属の第1バッチが金属供給ノ
ズル19bの狭い流路を流れるので、金属供給ノズル1
9bの流路が均一温度に上昇して、過早凝固を引き起し
得る温度への金属冷却が防がれる。
【0076】安定した凝固ストリップ20の鋳造が確立
されれば、ストッパロッド46を取外すことにより溶融
金属の第2バッチをタンディッシュ18から出口40を
介して金属供給ノズル19bへと流して鋳造用の溶融金
属供給を維持する。
【0077】図3及び図4は本発明の金属ストリップ鋳
造装置の実施の形態の他の例であり、図中図1及び図2
に示すものと同一の符号を付した部分は同一物を表して
いる。
【0078】この金属ストリップ鋳造装置は、出口40
を直立管状部材59によって囲むこと、並びに、図1及
び図2における中空構造のストッパロッド46に替えて
金属注ぎ管60を使って小注入容器(図示せず)から溶
融金属の第1バッチを管状部材59の内部の円筒形空間
61に注ぐことのみが、図1及び図2に示す金属ストリ
ップ鋳造装置と相違する。
【0079】管状部材59を設ける目的は、図1及び図
2における中空構造のストッパロッド46を設けた目的
と同じであり、即ち、溶融金属の第1バッチを出口40
に流すと共に、取鍋17からタンディッシュ18に送給
された溶融金属の第2バッチが出口40から流れるのを
防ぐためである。
【0080】図3及び図4における管状部材59は、溶
融した低炭素鋼内で抗溶融性を有する適宜の耐火材料又
は金属又はそれらの組合せから形成される。
【0081】管状部材59の高さは、安定した鋳造作業
時のタンディッシュ18の内部の溶融金属レベルよりも
低く選択する。
【0082】その結果、管状部材59が堰を成し、鋳造
作業中、取鍋17からタンディッシュ18に送給された
溶融金属が堰から溢流する。
【0083】時間の経過と共に、管状部材59が壊れて
溶融し、所望の流れ特性とすることができ、鋳造作業の
終わりにはタンディッシュ18から完全な排出ができ
る。
【0084】この構成により、鋳造作業開始時には高温
の溶融金属の第1バッチが管状部材59の形成する空間
61の内部に注がれて、出口40から金属供給ノズル1
9bへと流れると共に取鍋17からの低温の溶融金属の
第2バッチがタンディッシュ18を満たし始めることが
できる。
【0085】このように、図1及び図2に示す金属スト
リップ鋳造装置、あるいは、図3及び図4に示す金属ス
トリップ鋳造装置のいずれにおいても、鋳造状態を制御
するので、鋳造作業開始時より後の定常鋳造段階では、
鋳造溜めを液相温度近くに維持して鋳造生産性を最適と
することができる。
【0086】従って、溶融金属を予熱し単一投入し、鋳
造中、熱損失と温度降下が起きる従来の鋳造機に比べ、
より高速で且つより小径の鋳造ロールで金属ストリップ
を鋳造することが可能になりも、また、鋳造ロールや耐
火物の寿命も劇的に増加する。
【0087】更に、鋳造開始前に大量の溶融金属を極端
な高熱に過熱する必要がなくなるので、操業費用を大幅
に減らし、操業上の危険を最小にすることが可能にな
る。
【0088】なお、本発明の金属ストリップ鋳造方法及
び金属ストリップ鋳造装置は上述した実施の形態のみに
限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範
囲において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の金属ストリ
ップ鋳造方法及び金属ストリップ鋳造装置では、鋳造作
業開始時において、高温の溶融金属の第1のバッチを、
金属供給ノズルを介して鋳造ロール間のロール間隙に供
給することにより、金属供給ノズルの昇温を図り、ま
た、定常鋳造段階において、前記の第1のバッチよりも
温度が低い溶融金属の第2のバッチを、金属供給ノズル
を介して鋳造ロール間のロール間隙に供給することによ
り、ロール間隙に鋳造溜めを形成する溶融金属の温度を
液相温度近くに維持するので、鋳造開始前に大量の溶融
金属を極端な高熱に過熱する必要がなく、操業費用を大
幅に減らし、操業上の危険を最小にすることが可能にな
るとともに、より高速で且つより小径の鋳造ロールで金
属ストリップを鋳造することが可能になり、また、鋳造
ロールや耐火物の寿命も劇的に増加する、という優れた
効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ストリップ鋳造装置の実施の形態
の一例を示す側面図である。
【図2】図1に示す金属ストリップ鋳造装置の一部拡大
図である。
【図3】本発明の金属ストリップ鋳造装置の実施の形態
の他の例を示す側面図である。
【図4】図3に示す金属ストリップ鋳造装置の一部拡大
図である。
【図5】低炭素鋼の生産性と鋳造温度との関係を調べた
実験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
16 鋳造ロール 19b 金属供給ノズル 20 凝固ストリップ 46 ストッパロッド(出口手段) 59 管状部材(出口手段) 60 金属注ぎ管(出口手段) 61 空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レスリー ジョージ ゴア オーストラリア 2519 ニュー サウス ウェールズ バルゴウニー ジョーダン プレイス 6

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属を一対の鋳造ロール間のロール
    間隙へと、ロール間隙上方に配した金属供給ノズルを介
    し導入して、ロール間隙直上のロール鋳造表面上に支持
    された溶融金属鋳造溜めを造り、鋳造ロールを回転させ
    て凝固ストリップをロール間隙から下方に送給する、金
    属ストリップ鋳造方法において、鋳造開始時に、金属液
    相温度よりも高い第1温度を有する溶融金属の第1バッ
    チを金属供給ノズルを介して鋳造ロール間のロール間隙
    に注ぐことにより鋳造溜めを造り、その後、前記第1温
    度よりも低い第2温度を有する溶融金属の第2バッチを
    金属供給ノズルを介して鋳造ロール間のロール間隙に注
    ぐことにより前記鋳造溜めを維持すること、タンディッ
    シュから金属供給ノズルへの第1及び第2バッチの送給
    を出口手段を介し行なうこと、及び、鋳造作業開始時に
    は出口手段を隔壁して第1バッチを出口手段へと送給す
    ると共に第2バッチがタンディッシュから出口手段を介
    し金属供給ノズルへと流れるのを防ぐことを特徴とす
    る、金属ストリップ鋳造方法。
  2. 【請求項2】 第1温度が第2温度よりも少なくとも5
    0℃超過である、請求項1に記載の金属ストリップ鋳造
    方法。
  3. 【請求項3】 第1温度が第2温度よりも少なくとも1
    00℃超過である、請求項2に記載の金属ストリップ鋳
    造方法。
  4. 【請求項4】 第2温度が、溶融金属液相温度よりも5
    0℃以内の超過である鋳造溜め温度をもたらすものであ
    る、請求項1乃至3のいずれかに記載の金属ストリップ
    鋳造方法。
  5. 【請求項5】 第2温度が、溶融金属液相温度よりも2
    5℃以内の超過である鋳造溜め温度をもたらすものであ
    る、請求項4に記載の金属ストリップ鋳造方法。
  6. 【請求項6】 溶融金属が溶鋼である、請求項1乃至5
    のいずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
  7. 【請求項7】 第1バッチが1〜6トンの範囲内であ
    る、請求項1乃至6のいずれかに記載の金属ストリップ
    鋳造方法。
  8. 【請求項8】 第1バッチが1.5〜3トンの範囲内で
    ある、請求項7に記載の金属ストリップ鋳造方法。
  9. 【請求項9】 第2バッチが第1バッチよりも少なくと
    も5倍大きい、請求項1乃至8のいずれかに記載の金属
    ストリップ鋳造方法。
  10. 【請求項10】 溶融金属をタンディッシュから分配器
    を介して金属供給ノズルへと流す、請求項1乃至9のい
    ずれかに記載の金属ストリップ鋳造方法。
  11. 【請求項11】 第1バッチが出口手段を流れる前にあ
    るいは流れるのと同時に、第2バッチをタンディッシュ
    に注ぐ、請求項1乃至10のいずれかに記載の金属スト
    リップ鋳造方法。
  12. 【請求項12】 タンディッシュに、出口手段閉止用の
    ストッパロッドを備えた、請求項1乃至11のいずれか
    に記載の金属ストリップ鋳造方法。
  13. 【請求項13】 第1バッチを出口手段へ供給する通路
    をストッパロッド内に設けることにより出口手段を隔壁
    し、閉止位置にあるストッパロッドにより、第2バッチ
    がタンディッシュから出口手段を介して流れることを防
    ぐ、請求項12に記載の金属ストリップ鋳造方法。
  14. 【請求項14】 出口手段のまわりに管状部材を設ける
    ことにより出口手段を隔壁し、管状部材がバリヤとなっ
    て第2バッチがタンディッシュから出口手段を介し流れ
    るのを防ぐと共に第1バッチが管状部材により囲まれる
    空間を介して出口手段に流れる、請求項13に記載の金
    属ストリップ鋳造方法。
  15. 【請求項15】 管状部材を、溶融金属との接触から所
    定時間で溶ける材料で形成する、請求項14に記載の金
    属ストリップ鋳造方法。
  16. 【請求項16】 第2バッチが管状部材を突破する前に
    第1バッチが出口手段から流れるように所定時間を選択
    する、請求項15に記載の金属ストリップ鋳造方法。
  17. 【請求項17】 管状部材を溶融金属中で抗溶融性を有
    する材料から形成し、第2バッチをタンディッシュから
    出口手段へ流すために管状部材をタンディッシュ床から
    選択的に除去可能に支持する、請求項14に記載の金属
    ストリップ鋳造方法。
  18. 【請求項18】 管状部材を溶融金属中で抗溶融性を有
    する材料から形成し、管状部材の高さを、鋳造操作開始
    から所定時間遅れの後に第2バッチがタンディッシュか
    ら管状部材を乗り越えて出口手段を介し流出できる堰を
    形成するよう選択する、請求項14に記載の金属ストリ
    ップ鋳造方法。
  19. 【請求項19】 間にロール間隙を形成する一対の鋳造
    ロールと、鋳造ロール上方に配して溶融金属をロール間
    隙に供給する金属供給ノズルと、溶融金属の第1バッチ
    を前記金属供給ノズルへと向ける出口手段を備えたタン
    ディッシュと、溶融金属の第2バッチを保持し、第2バ
    ッチをタンディッシュへと注いで出口手段を介し金属供
    給ノズルへと流すよう操作可能な取鍋手段と、第2バッ
    チがタンディッシュから出口手段を介して流れることを
    防ぐと共に第1バッチを出口手段へ送給して出口手段か
    ら流す隔壁手段とから成ることを特徴とする、金属スト
    リップ鋳造装置。
  20. 【請求項20】 隔壁手段を、出口手段閉止用のストッ
    パロッドで構成した、請求項19に記載の金属ストリッ
    プ鋳造装置。
  21. 【請求項21】 ストッパロッドの閉止位置で第1バッ
    チを出口手段に送給できるようストッパロッドに通路を
    形成した、請求項20に記載の金属ストリップ鋳造装
    置。
  22. 【請求項22】 隔壁手段をタンディッシュ内に設けた
    管状部材で構成し、管状部材が、第1バッチを出口手段
    から流すと共に第2バッチがタンディッシュから出口手
    段を介して流れるのを防ぐバリヤを成す、請求項19に
    記載の金属ストリップ鋳造装置。
  23. 【請求項23】 タンディッシュから溶融金属を受けて
    金属供給ノズルへと供給するようタンディッシュ下方に
    位置した分配器を含む、請求項19に記載の金属ストリ
    ップ鋳造装置。
JP8114199A 1995-05-08 1996-04-11 金属ストリップ鋳造方法及び金属ストリップ鋳造装置 Pending JPH08300109A (ja)

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