JPH08299847A - 電気集塵装置用放電極 - Google Patents

電気集塵装置用放電極

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JPH08299847A
JPH08299847A JP11095095A JP11095095A JPH08299847A JP H08299847 A JPH08299847 A JP H08299847A JP 11095095 A JP11095095 A JP 11095095A JP 11095095 A JP11095095 A JP 11095095A JP H08299847 A JPH08299847 A JP H08299847A
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discharge
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electrode
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光博 三重野
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憲司 柴田
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卓也 山本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】断線することがなく、集塵(しゅうじん)特性
が良好であるとともに、コストを低くすることができる
ようにする。 【構成】支持パイプ31と、該支持パイプ31によって
支持された網状刺部32とを有する。そして、該網状刺
部32は、複数のバンド35、36から成るバンド群を
備え、各バンド35、36の外方に分岐突片38、40
から成る放電部分が形成される。この場合、網状刺部3
2を支持するために支持パイプ31が使用されるので、
放電極30が断線することはない。また、網状刺部32
の各バンド35、36の外方に分岐突片38、40から
成る放電部分が形成されるので、電界強度を高くするこ
とができ、集塵極間に強力なイオン風を発生させること
ができる。その結果、単位長さ当たりのコロナ電流を多
くすることができ、集塵効率を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気集塵(しゅうじ
ん)装置用放電極に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電気集塵装置においては、ダスト
を含有するガス(以下「被処理ガス」という。)が、放
電極と集塵極との間に形成された電場に導入され、該電
場において、ダストは集塵極に吸引されるようになって
いる。図2は従来の円筒型の電気集塵装置の概念図、図
3は従来の平行平板型の電気集塵装置の概念図である。
【0003】図2において、11は円筒状の集塵極、1
2は該集塵極11の中心に位置させられる放電極であ
る。この場合、電源装置13によって放電極12に負の
極性の直流高電圧を印加し、集塵極11と放電極12と
の間に電場を形成するようにしている。そして、前記集
塵極11と放電極12との間にコロナ放電が発生し、該
コロナ放電によってダストが帯電させられ、クーロン力
によって集塵極11にダストが捕集される。
【0004】また、図3において、11は互いに平行に
配設された一対の平板状の集塵極、12は該集塵極11
間に所定間隔を置いて配設された複数の放電極である。
この種の電気集塵装置は、構造が簡素であり、スケール
アップ及びメンテナンスが容易なことから、多く使用さ
れている。なお、電気集塵装置は、集塵極11に捕集さ
れたダストを回収するために洗浄液を使用するかどうか
で、乾式電気集塵装置と湿式電気集塵装置とに分類され
る。通常は、乾式電気集塵装置が使用され、被処理ガス
に可燃性の成分が含有される場合、ミスト集塵を行う場
合等には、湿式電気集塵装置が使用される。
【0005】ところで、前記放電極12は、コロナ放電
の開始電圧を低くすることができ、しかも、強力なコロ
ナ放電を発生させることができる形状にされ、また、付
着したダストの剥離(はくり)性が良く、コロナ放電に
よる振動に対して十分な機械的強度を有し、火花放電が
発生したときに電食を起こしにくい構造にされる。そし
て、前記放電極12は、被処理ガスの成分、及び被処理
ガスに含有されるダストの見掛け上の電気抵抗、比重、
密度、流動性、付着性、粒径分布、凝集性等を考慮して
選定される。
【0006】次に、乾式電気集塵装置に使用される放電
極12の種類について説明する。図4は従来の放電極の
例を示す図である。なお、図の(a)は丸線状の放電極
を、(b)は鋸歯(きょし)状の放電極を、(c)は有
刺線状の放電極を、(d)は刺付き丸棒状の放電極を、
(e)はスプリング線状の放電極を、(f)はマスト状
の放電極をそれぞれ表す。
【0007】まず、(a)に示す丸線状の放電極12a
は基本形であり、従来より多く使用されてきているが、
石炭火力向けの電気集塵装置には、後述する理由から使
用されていない。次に、(b)に示す鋸歯状の放電極1
2bにおいては、設定された間隔ごとに複数の刺部21
が突出させて形成される。この場合、枠組みによって放
電極12bを固定することができるようになっているの
で、電気集塵装置を容易に大型化することができ、安定
したコロナ放電を発生させることができる。
【0008】続いて、(c)に示す有刺線状の放電極1
2cは、ダストの粒径が大きく、含塵(がんじん)量が
多い被処理ガスを処理する場合に有効である。そして、
(d)に示す刺付き丸棒状の放電極12dにおいては、
設定された間隔ごとに複数の刺部22が突出させて形成
されるので、高流速の被処理ガスを処理する場合に有効
である。
【0009】また、(e)に示すスプリング線状の放電
極12eは、枠組みによって支持され、熱歪(ひず)み
に対して耐久性が高い。さらに、(f)に示すマスト状
の放電極12fにおいては、管状部23及び該管状部2
3から両側に突出するフィン状部24から成り、該フィ
ン状部24には、設定された間隔ごとに複数の切欠25
が形成される。
【0010】この場合、コロナ放電が発生させられる部
分以外においては、等しい電圧が印加されるので、電圧
を高く設定することができ、コロナ電流を多く流すこと
ができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電気集塵装置用放電極においては、丸線状の放電極
12aの場合、コロナ放電を発生させ、必要なコロナ電
流を確保するために前記放電極12aを太くする必要が
あるが、一般に、φ2〜φ3程度であり、それ以上に太
くすることができない。したがって、振動、火花放電、
及びそれらに基づく電食によって放電極12aが断線し
てしまう。
【0012】また、電気集塵装置を大型化しようとして
放電極12aを長くする場合には、該放電極12aの垂
直を保持するためにウエイトを重くする必要がある。し
たがって、ウエイトによって放電極12aが断線しやす
くなってしまう。次に、鋸歯状の放電極12bの場合、
放電極12bが肥大化すると、刺部21がダストに覆わ
れ、コロナ放電を発生させることが困難になってしま
う。すなわち、通常、放電極12bから図示しない集塵
極に対して負の極性の電圧が印加され、該負の極性に帯
電させられたダストが集塵極に付着させられるようにな
っている。ところが、ダストの一部には、クーロンの法
則に従う静電力によって正の極性の電圧が印加され(逆
帯電現象)、正の極性に帯電させられたダストは放電極
12bに付着させられる。この場合、放電極12bがダ
ストに覆われ、短時間で放電極12bが肥大化し、コロ
ナ電流が流れなくなる。その結果、集塵効率が低くなっ
てしまう。
【0013】続いて、有刺線状の放電極12cの場合、
振動、火花放電、及びそれらに基づく電食によって断線
してしまう。また、放電極12cを組み立てるためのコ
ストが高い。そして、刺付き丸棒状の放電極12dの場
合、高流速の被処理ガスを処理する場合に有効である
が、電気集塵装置を大型化するためのコストが高い。
【0014】また、スプリング線状の放電極12eの場
合、火花放電によって断線しやすい。さらに、マスト状
の放電極12fの場合、該放電極12fは重いので、放
電極12fを支持する支持碍子(がいし)が大型化し、
装置全体のコストが高くなってしまう。
【0015】本発明は、前記従来の電気集塵装置用放電
極の問題点を解決して、断線することがなく、集塵特性
が良好であるとともに、コストを低くすることができる
電気集塵装置用放電極を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の電
気集塵装置用放電極においては、支持パイプと、該支持
パイプによって支持された網状刺部とを有する。そし
て、該網状刺部は、複数のバンドから成るバンド群を備
え、各バンドの外方に分岐突片から成る放電部分が形成
される。
【0017】本発明の他の電気集塵装置用放電極におい
ては、さらに、前記分岐突片は集塵極に向けて形成され
る。本発明の更に他の電気集塵装置用放電極において
は、さらに、前記網状刺部はエキスパンドメタルから成
る。
【0018】
【作用】本発明によれば、前記のように電気集塵装置用
放電極においては、支持パイプと、該支持パイプによっ
て支持された網状刺部とを有する。そして、該網状刺部
は、複数のバンドから成るバンド群を備え、各バンドの
外方に分岐突片から成る放電部分が形成される。
【0019】この場合、放電極と集塵極との間に電源装
置を接続し、放電極に負の極性の電圧が印加されると、
分岐突片と集塵極との間にコロナ放電が発生させられ、
ダストが負の極性に帯電させられ、集塵極に付着させら
れる。本発明の他の電気集塵装置用放電極においては、
さらに、前記分岐突片は集塵極に向けて形成される。こ
の場合、コロナ放電を容易に発生させることができる。
【0020】本発明の更に他の電気集塵装置用放電極に
おいては、さらに、前記網状刺部はエキスパンドメタル
から成る。この場合、該エキスパンドメタルは設定され
た形状に切断され、前記支持パイプに溶接される。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける放電極の要部拡大図、図5は本発明の第1の実施
例における放電極の要部断面図、図6はエキスパンドメ
タルの平面図、図7は本発明の第1の実施例における電
気集塵装置の要部断面図、図8は本発明の第1の実施例
における放電極の配設状態図である。
【0022】図7において、11は互いに平行に距離L
1を置いて配設された一対の平板状の集塵極、30は該
集塵極11間に所定間隔を置いて配設され、図示しない
支持枠によって固定された複数の放電極である。そし
て、前記集塵極11によって形成された通路を被処理ガ
スが矢印方向に流れるようになっている。また、図8に
おいて、30は放電極、31は円筒状の支持パイプ、3
2は溶接によって該支持パイプ31に固定された網状刺
部である。該網状刺部32は、図6に示すエキスパンド
メタル(JIS G 3351(日本規格協会、鉄
鋼))を設定された形状に切断することによって形成さ
れ、前記支持パイプ31を中心として左右対象に配設さ
れる。
【0023】前記エキスパンドメタルは、鋼板を冷間圧
延法によって加工することにより形成され、前記鋼板
は、JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)、J
ISG 3131(熱間圧延軟鋼材及び綱帯)及びJI
S G 3141(冷間圧延鋼板及び鋼帯)に規定され
た化学成分を有するとともに、それらに規定された機械
的性質を有する。
【0024】また、前記放電極30に採用されるエキス
パンドメタルの種類はスタンダードタイプのものであ
り、記号XSが使用される。なお、前記支持パイプ31
の両側に固定された網状刺部32の各先端間の距離L2
と、互いに隣接する放電極30の各網状刺部32の先端
間の距離L3とは等しく、互いに隣接する放電極30の
各支持パイプ31間の距離L4は距離L2の2倍に設定
される。
【0025】通常、電気集塵装置は、1〜4室に区分さ
れ、各室とも個別の電源装置を有し、荷電されるように
なっている。そして、放電極30が1本でも断線する
と、その室の全体の荷電が不能になり、集塵効率が極端
に低下する。ところが、前記構成の放電極30において
は、コロナ電流が支持パイプ31を流れるだけでなく、
該支持パイプ31として15〜25〔A〕のパイプが使
用されるので、断線することはない。なお、支持パイプ
31の径は、放電極30の長さ、強度等、又は集塵極1
1との関係によって設定される。
【0026】前記網状刺部32は、前記支持パイプ31
の中心線CNから距離L5の部分に、複数のバンド35
から成る第1バンド群を、距離L6の部分に複数のバン
ド36から成る第2バンド群を有する。そして、前記各
バンド35の径方向内方には、それぞれ一対の分岐突片
38が形成されて前記支持パイプ31に溶接される。ま
た、前記各バンド35と各バンド36との間にはそれぞ
れストランド39が形成され、前記各バンド36の径方
向外方には、それぞれ一対の分岐突片40が放電部分と
して形成される。そして、図5に示す分岐突片40は集
塵極11に向けて延びるので、コロナ放電が発生しやす
くなる。しかも、前記各ストランド39にはそれぞれ稜
線(りょうせん)部39aが形成されるので、コロナ放
電が発生しやすくなる。
【0027】そして、例えば、前記距離L1が200
〔mm〕である場合、距離L7を20〔mm〕とし、距
離L8を50〔mm〕とすると、コロナ電流を支持パイ
プ31に多く流すことができる。また、距離L2と距離
L1との比を0.7〜1.0とする。したがって、距離
L1を300〔mm〕とした場合、距離L2は200〜
300〔mm〕になり、距離L1を400〔mm〕とし
た場合、距離L2は250〜400〔mm〕になる。そ
して、距離L2から支持パイプ31の外径寸法を減算し
た値の半分が距離L8になり、このとき、距離L7を L7=(0.15〜0.3)×2・L1 とすると、集塵効率を高くすることができる。
【0028】なお、距離L9、L10は、距離L7、L
8の値に対応するエキスパンドメタルを選択することに
よって設定することができる。このように、網状刺部3
2としてエキスパンドメタルが使用されるので、放電極
30を軽量化することができる。例えば、板厚が3.2
〔mm〕のプレート鋼板の重さは25.1〔kg/
2 〕であり、同じ板厚のエキスパンドメタルの重さ
は、XS−81形式の場合2.7〔kg/m2 〕であ
り、XS−72形式の場合4.0〔kg/m2 〕であ
り、プレート鋼板を使用したときの11〜16〔%〕の
重さにすることができる。その結果、エキスパンドメタ
ルを支持する支持パイプ31も同様に軽量化されるの
で、放電極30を一層軽量化することができる。
【0029】したがって、放電極30の全体をパイプ製
の図示しない枠組みに取り付けることができる。また、
網状刺部32を形成するのに、プレス加工を必要としな
いので、コストを低くすることができる。次に、放電極
30に印加される電圧とコロナ電流との関係について説
明する。
【0030】図9は本発明の実施例と従来の技術との比
較を行うための試験装置の概念図、図10は本発明の実
施例と従来の技術との第1の比較図、図11は本発明の
実施例と従来の技術との第2の比較図である。なお、図
10及び11において、横軸に放電極30に印加される
電圧を、縦軸にコロナ電流を採ってある。また、図10
は距離L1を300〔mm〕に設定したときの、図11
は距離L1を400〔mm〕に設定したときの電圧とコ
ロナ電流との関係を示す。
【0031】図9において、50は試験装置であり、該
試験装置50においては、2枚の集塵極11(高さ40
00〔mm〕×長さ6000〔mm〕)が平行に並べら
れる。この場合、両集塵極11間の距離L1を300
〔mm〕及び400〔mm〕に設定し、2条件について
試験を行った。また、前記集塵極11間の中央に3本の
放電極30を配設し、各放電極30間の距離L4を25
0〔mm〕に設定した。そして、前記集塵極11と放電
極30との間に電源装置13を接続し、該電源装置13
によって集塵極11と放電極30との間に負の極性の電
圧を印加し、このときに流れるコロナ電流を計測した。
なお、試験装置50は大気中でかつ常温で作動させた。
【0032】図10及び11において、m1は本実施例
の放電極30(図1)を使用したときの集塵特性を示す
線、m2は図4の(b)の鋸歯状の放電極12bを使用
したときの集塵特性を示す線、m3は図4の(f)のマ
スト状の放電極12fを使用したときの集塵特性を示す
線、m4は図4の(a)の丸線状の放電極12aを使用
したときの集塵特性を示す線である。
【0033】この場合、図4の(b)の鋸歯状の放電極
12bの長手方向における各刺部21間の距離を60
〔mm〕とし、刺部21の角度を90〔°〕とし、互い
に隣接する放電極12bの各刺部21間の距離を13
〔mm〕とした。また、図4の(a)の丸線状の放電極
12aは、直径が2〔mm〕のピアノ線とした。
【0034】そして、図10から分かるように、距離L
1を300〔mm〕に設定すると、本実施例の放電極3
0を使用したときは、鋸歯状の放電極12b、マスト状
の放電極12f及び丸線状の放電極12aを使用したと
きより、単位長さ当たりのコロナ電流を多くすることが
できる。また、図11から分かるように、距離L1を4
00〔mm〕に設定しても、本実施例の放電極30を使
用したときは、鋸歯状の放電極12b、マスト状の放電
極12f及び丸線状の放電極12aを使用したときよ
り、単位長さ当たりのコロナ電流を多くすることができ
る。
【0035】そして、距離L1を長く設定すると、本実
施例の放電極30以外の鋸歯状の放電極12b、マスト
状の放電極12f及び丸線状の放電極12aにおいて
は、集塵特性に差がなくなることが分かる。このよう
に、本実施例の放電極30を使用することによって、単
位長さ当たりのコロナ電流を多くすると、電界強度〔k
V/cm〕を高くすることができ、集塵極11間に強力
なイオン風(電子の移動)を発生させることができる。
その結果、集塵効率を高くすることができる。
【0036】また、前記放電極30は網状刺部32を備
えるので、従来の2本の放電極を一体化して1本にした
構造を有する。したがって、図7の距離L2に渡って放
電極30に高電圧が印加される。すなわち、放電極30
の幅が高電界場になるので、集塵効率を高くすることが
できる。ところで、通常、放電極30から集塵極11に
対して負の極性の電圧が印加され、負の極性に帯電させ
られたダストが集塵極11に付着させられるようになっ
ている。ところが、ダストの一部には、クーロンの法則
に従う静電力によって正の極性の電圧が印加され(逆帯
電現象)、正の極性に帯電させられたダストは放電極3
0に付着させられる。
【0037】ところが、放電極30は通常の放電極より
表面積が広いので、正の極性に帯電させられたダストは
分岐突片40には付着せず、分岐突片40以外に付着す
る。したがって、集塵効率を高くすることができるとと
もに、槌打(ついだ)サイクルを長く採ることができ
る。また、放電極30は集塵極11に対して心出しを行
う必要がある。一般に、距離L1が300〔mm〕であ
る場合、±3〔mm〕を心出しの目標にしている。前記
網状刺部32はエキスパンドメタルによって形成される
ので、長手方向に湾曲している。そして、エキスパンド
メタルを切断すると、残留応力によって歪みが生じる。
本実施例においては、網状刺部32は支持パイプ31に
固定されるので、湾曲、歪み等をなくすことができる。
したがって、放電極30の集塵極11に対する心出しを
容易に行うことができる。
【0038】さらに、支持パイプ31が円筒状であるの
で、放電極30の表面積を広くすることができる。した
がって、正の極性に帯電させられたダストが分岐突片4
0に集中することが抑制されるので、安定した荷電をす
ることができる。そして、放電極30の槌打を行う際
に、前記支持パイプ31が衝撃力を良好に伝達するの
で、ダストを十分に払い落とすことができる。
【0039】図12は本発明の実施例における電気集塵
装置の正面図、図13は本発明の実施例における電気集
塵装置の側面図、図14は本発明の実施例における電気
集塵装置の平面図、図15は本発明の実施例における電
気集塵装置の縦断面図、図16は本発明の実施例におけ
る電気集塵装置の横断面図である。図において、13は
電源装置、61は電気集塵装置、62は装置本体、63
は被処理ガスを整流する整流板、64は捕集したダスト
を回収するためのホッパ、65は碍子室、66はヒー
タ、67は放電極30に付着したダストを振動によって
剥離させる放電極槌打装置、68は被処理ガスを供給す
るコーン煙道、72は集塵極11に付着したダストを振
動によって剥離させる集塵極槌打装置である。
【0040】本実施例において、前記装置本体62内に
は、集塵極11及び放電極30が配設され、前記集塵極
11は高さが635〔mm〕に、長さが2550〔m
m〕に設定され、各集塵極11間の距離L1が400
〔mm〕になるように互いに平行に配設される。そし
て、前記集塵極11間の中心に放電極30が集塵極11
と平行に配設される。
【0041】前記電気集塵装置61を1セクション・1
ダクト(1ガス流路)の構造にするとともに、被処理ガ
スの温度が135〔℃〕に、被処理ガスの水分含有量が
8〔%〕になるように条件を設定し、石炭アッシュの入
口ダスト量が5〔g/m3 N〕になるように被処理ガス
を供給して、集塵特性を調べた。また、前記構造の電気
集塵装置61について、入口ダスト量を15〔g/m3
N〕に変更したときの集塵特性も調べた。
【0042】図17は本発明の実施例と従来の技術との
第3の比較図、図18は本発明の実施例と従来の技術と
の第4の比較図である。なお、図17及び18におい
て、横軸に電流密度を、縦軸に移動速度比を採ってあ
る。また、図17は入口含有塵量を5〔g/Nm3 〕に
設定したときの、図18は入口含有塵量を15〔g/N
3 〕に設定したときの電流密度と移動速度比との関係
を示す。
【0043】この場合、該移動速度比は、図4の(a)
の丸線状の放電極12a(φ2.6)を使用し、0.1
〔mA/m〕の電流密度でダスト捕集したときのダスト
の移動速度を1としたときの比を表す。ところで、集塵
特性を評価するための指標として、ダスト移動速度ωが
あり、該ダスト移動速度ωは次の式で表すことができ
る。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、ωは見掛けのダスト移動速度、Q
は被処理ガスの流量、Aは全部の集塵極11(図16)
の面積、ηは集塵効率である。そして、ダスト移動速度
ωの値が大きくなると集塵特性が良好であることが分か
る。図17及び18において、m5は本実施例の放電極
30を使用したときの集塵特性を示す線、m6は図4の
(a)の丸線状の放電極12aを使用したときの集塵特
性を示す線である。
【0046】図に示すように、本実施例の放電極30を
使用したときは、図4の(a)の丸線状の放電極12a
を使用したときより移動速度比の値が20〜30〔%〕
大きくなる。そして、入口含塵量を多くすると、移動速
度比の値が更に高くなる。また、電流密度を変化させて
もこの関係は変わらない。なお、前記放電極30は乾式
電気集塵装置に使用することができるだけでなく、湿式
電気集塵装置にも使用することができる。
【0047】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図19は本発明の第2の実施例における放電極の
断面図、図20は本発明の第2の実施例における放電極
の正面図である。図において、30は放電極、45は角
筒状の支持パイプ、46は溶接によって該支持パイプ4
5に固定された網状刺部である。該網状刺部46は、複
数のバンド47から成るバンド群を有し、各バンド47
の径方向外方には、それぞれ一対の分岐突片48が放電
部分として形成される。
【0048】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図21は本発明の第3の実施例における放電極の
断面図、図22は本発明の第3の実施例における放電極
の正面図である。図において、30は放電極、31は円
筒状の支持パイプ、49は溶接によって該支持パイプ3
1に固定された網状刺部である。該網状刺部49は、複
数のバンド50から成るバンド群を有し、各バンド50
の径方向外方には、それぞれ一対の分岐突片51が放電
部分として形成される。
【0049】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図23は本発明の第4の実施例における放電極の
要部拡大図である。図において、30は放電極、31は
円筒状の支持パイプ、52は溶接によって該支持パイプ
31に固定された網状刺部である。該網状刺部52は、
図6に示すエキスパンドメタルを設定された形状に切断
することによって形成され、前記支持パイプ31を中心
として左右対象に配設される。
【0050】前記網状刺部52は、複数のバンド35か
ら成る第1バンド群、及び複数のバンド36から成る第
2バンド群を有する。そして、前記各バンド35の径方
向内方には、それぞれ一対の分岐突片38が形成され前
記支持パイプ31に溶接される。また、前記バンド35
とバンド36との間にはストランド39が形成され、前
記各バンド36の径方向外方には、それぞれ一対の分岐
突片40が放電部分として形成される。該分岐突片40
は前記集塵極11に向けて広がり、集塵極11に対向さ
せて鋭角部分53が形成される。
【0051】該鋭角部分53は、先端を集塵極11に対
向させてグラインダー等によって形成される。本実施例
においては、第1の実施例と同じ電圧を放電極30に印
加した場合に、第1の実施例より多くのコロナ電流を支
持パイプ31に流すことができ、集塵特性を向上させる
ことができる。なお、本発明は前記実施例に限定される
ものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させる
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、電気集塵装置用放電極においては、支持パイプ
と、該支持パイプによって支持された網状刺部とを有す
る。そして、該網状刺部は、複数のバンドから成るバン
ド群を備え、各バンドの外方に分岐突片から成る放電部
分が形成される。
【0053】この場合、網状刺部を支持するために支持
パイプが使用されるので、放電極が断線することはな
い。また、網状刺部の各バンドの外方に、分岐突片から
成る放電部分が形成されるので、電界強度を高くするこ
とができ、集塵極間に強力なイオン風を発生させること
ができる。その結果、単位長さ当たりのコロナ電流を多
くすることができ、集塵効率を高くすることができる。
【0054】さらに、放電極の表面積を広くすることが
できるので、正の極性に帯電させられたダストは放電部
分以外に付着する。したがって、集塵効率を高くするこ
とができるとともに、槌打サイクルを長く採ることがで
きる。本発明の他の電気集塵装置用放電極においては、
さらに、前記分岐突片は集塵極に向けて形成される。こ
の場合、コロナ放電を容易に発生させることができる。
【0055】本発明の更に他の電気集塵装置用放電極に
おいては、さらに、前記網状刺部はエキスパンドメタル
から成る。この場合、網状刺部を軽量化することができ
る。また、放電極の全体をパイプ製の枠組みに取り付け
ることができる。さらに、網状刺部を形成するのに、プ
レス加工を必要としないので、コストを低くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における放電極の要部拡
大図である。
【図2】従来の円筒型の電気集塵装置の概念図である。
【図3】従来の平行平板型の電気集塵装置の概念図であ
る。
【図4】従来の放電極の例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例における放電極の要部断
面図である。
【図6】エキスパンドメタルの平面図である。
【図7】本発明の第1の実施例における電気集塵装置の
要部断面図である。
【図8】本発明の第1の実施例における放電極の配設状
態図である。
【図9】本発明の実施例と従来の技術との比較を行うた
めの試験装置の概念図である。
【図10】本発明の実施例と従来の技術との第1の比較
図である。
【図11】本発明の実施例と従来の技術との第2の比較
図である。
【図12】本発明の実施例における電気集塵装置の正面
図である。
【図13】本発明の実施例における電気集塵装置の側面
図である。
【図14】本発明の実施例における電気集塵装置の平面
図である。
【図15】本発明の実施例における電気集塵装置の縦断
面図である。
【図16】本発明の実施例における電気集塵装置の横断
面図である。
【図17】本発明の実施例と従来の技術との第3の比較
図である。
【図18】本発明の実施例と従来の技術との第4の比較
図である。
【図19】本発明の第2の実施例における放電極の断面
図である。
【図20】本発明の第2の実施例における放電極の正面
図である。
【図21】本発明の第3の実施例における放電極の断面
図である。
【図22】本発明の第3の実施例における放電極の正面
図である。
【図23】本発明の第4の実施例における放電極の要部
拡大図である。
【符号の説明】
11 集塵極 30 放電極 31 支持パイプ 32 網状刺部 35、36 バンド 38、40 分岐突片 61 電気集塵装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)支持パイプと、(b)該支持パイ
    プによって支持された網状刺部とを有するとともに、
    (c)該網状刺部は、複数のバンドから成るバンド群を
    備え、各バンドの外方に分岐突片から成る放電部分が形
    成されることを特徴とする電気集塵装置用放電極。
  2. 【請求項2】 前記分岐突片は集塵極に向けて形成され
    る請求項1に記載の電気集塵装置用放電極。
  3. 【請求項3】 前記網状刺部はエキスパンドメタルから
    成る請求項1に記載の電気集塵装置用放電極。
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