JPH08298748A - モーター装置 - Google Patents

モーター装置

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JPH08298748A
JPH08298748A JP7134632A JP13463295A JPH08298748A JP H08298748 A JPH08298748 A JP H08298748A JP 7134632 A JP7134632 A JP 7134632A JP 13463295 A JP13463295 A JP 13463295A JP H08298748 A JPH08298748 A JP H08298748A
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rotation
drive
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motors
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Shigeto Suzuki
成人 鈴木
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H3/00Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion
    • F16H3/44Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion
    • F16H3/72Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously
    • F16H3/727Toothed gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio or for reversing rotary motion using gears having orbital motion with a secondary drive, e.g. regulating motor, in order to vary speed continuously with at least two dynamo electric machines for creating an electric power path inside the gearing, e.g. using generator and motor for a variable power torque path

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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】モーターのトルク・回転数の特性を生かしつ
つ、機械的構造でエネルギー損失を少なくでき、駆動
中、出力の回転が外部の負荷により止められたり、逆回
転させられても、回転力を維持しながら、モーターの運
転が続行できるモーター装置を提供する。 【構成】第1、第2の2つのモーターと、差動装置を備
え、差動回転する3つの回転軸を有し、各々第1、第2
モーターの回転軸、駆動出力軸に接続され、第1、第2
モーターの回転軸とは差動装置を介して接続される。1
つのモーターを駆動モーターとして作動させ、他方を発
電機として作動させる。2つのモーターは互いに逆回転
して、その差動出力から駆動出力を得、さらに発電機と
して作動させる該モーターの回転軸をロック(固定)さ
せるブレーキ装置を該回転軸に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は動力用のモーターとして
広く産業全般に利用されるモーター装置に関する。ま
た、応用分野として、小型油圧駆動システムの代用とし
て油圧駆動される装置の油圧に替わる駆動装置として広
く産業全般に利用可能である。また、他の応用分野とし
て、機械的外部インターフェースの駆動入力と駆動出力
の回転差を利用して無段変速装置として利用可能であ
る。
【0002】
【従来の技術】出力回転数、出力トルクが広範囲に変化
する動力用モーターは、特に、車両等の動力源としての
電気モーター装置は、変速器を用いずにダイレクトに駆
動するか変速器を用いるかしてして使用される。従来技
術で、電気モーターを変速器なしで、車軸にダイレクト
に結合して用いた場合、高性能モーターほど、内部抵抗
が小さいため低速での扱いが難しいものである。直流モ
ーターは回転数が0のときに最も大きなトルクを生じ
る。回転数が上昇するに伴いトルクは低下し、無負荷状
態で高回転になった場合、ほとんどトルクを発生せずに
0に近付く。このT−N関係をグラフにしたのが、図1
のT−Nカーブであり、トルクの増大に反比例する形で
がNが減少する。これと同様に、モーター特性を知る上
で重要なものは、図2のT−Iカーブである。即ち、T
の増大に比例してIが増大していく。つまりトルクが大
きくなる程電流の消費が高まり、同時に電流を高めるこ
とでトルクも高められる。そして、高性能のモーター
は、T−Nカーブの勾配が非常に急激であり、高性能の
モーターの最大トルクは定格トルクの4.5倍以上とい
う非常に大きなものになり、それだけ、大量の電流が流
れる。トルクは、T=KIで、即ち、Kはトルク定数、
Iは電流、Eは電流、モーター内の抵抗=Rとする。す
ると、I=E/Rであり、モーターに電流が流れること
により発生する損失はW=RIで、これはコイル巻線
で発生する熱となる。高性能のモーターでは、最大トル
クのゼロ回転の場合、最大トルクを長時間維持すると大
きな電流が流れて、加熱し、やがてショートして煙を出
してしまう。特に、高性能モーターでは、電気的抵抗が
低いことにより電流が流れやすい性質を備えているの
で、低回転域での使用は困難である。また、電流がカッ
トされるべき回転数以下での使用は、渦電流や銅損によ
る損失と加熱が大きくなる高性能なモーターほど取り扱
いが困難である。その上回転数が下がった場合、一層大
きな電流が流れてしまう。従って、高性能モーターでは
負荷条件によって早く電流カットを行う必要がある。即
ち、モータードライバーには、電流を一定値以内に抑え
る制御回路が組み込まれる。従って、うまく電流をカッ
トできなかったり、電子回路にノイズが入って制御に失
敗したときなど、過大な電流が流れてモーターを破損し
てしまう可能性があり取り扱いが困難である。一般的
に、動力用モーターを広い回転範囲でしかも高負荷の状
態で使用する場合で、急激な外部負荷の変化があった場
合(例えば、むりやり逆回転させられたときなど)、従
来のモーターでは、過電流により破損するか、電源装置
に負担が大きくかかる。電圧制御などにより、回転速度
の制御は可能であるが、回転や電流を常に検出して制御
する必要があり、熱などにより制御装置が暴走した場合
もモーターを破損するか、電源装置に過負荷をかける
か、また制御応答性が悪いと、電力消費も高くなる。ま
た、大電力用モーターでは、電圧制御による高トル
ク、”0”回転時の運転が困難で、大電力を扱うので、
熱対策や装置が複雑になり、また、制御装置が高価にな
り、誤動作もしやすくなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解決するためになされたもので、特に直流モーター
の場合は、モーターの優れたトルク・回転数の特性を生
かしつつ、短所である、高トルクで、0回転時又は低速
回転時の過電流や損失を、電源電圧制御によらないで、
機械的構造でエネルギー損失を少なくできるモーター装
置を提供することを目的とする。また、本発明は、モー
ター駆動中、出力の回転が外部の負荷により止められた
り、逆回転させられても、回転力を維持しながら、モー
ターの運転が続行できるモーター装置を提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1モーター、第2モー
ターの2つのモーターと、差動装置を備え、該差動装置
は、差動回転する3つの回転軸を有し、その3つの回転
軸は各々第1モーターの回転軸と第2モーターの回転
軸、駆動出力軸に接続され、即ち、第1モーターの回転
軸と第2モーターの回転軸とは差動装置を介して接続さ
れることになる。その2つのモーターの1つを駆動モー
ターとして作動させ、他方のモーターを発電モーターと
して作動させる。該2つのモーターは互いに逆回転し
て、その2つのモーターの差動出力から駆動出力を得る
ことを特徴とし、さらに発電モーターとして作動させる
該モーターの回転軸をロックさせるためのブレーキ装置
を該回転軸に設けることを特徴とするモーター装置を提
供する。該ブレーキ装置を該2つのモーター各々の回転
軸に設けることもできる。また、第1モーター、第2モ
ーター及び差動装置の回転軸を同軸上に配置し、1つの
ケースに収め、一体化することができる。そして、第1
モーター、第2モーター及び差勅装置の回転軸を同軸上
に配置し、一体化したものを、ホイール内に納めたもの
を利用できる。また、第1モーターを駆動用モーターと
して電源装置と結合し、第2モーターを発電モーターと
して発電回生装置と結合し、該発電モーターから得られ
る発電力を、該発電回生装置が昇圧及び発電量の制御を
行い、電力の回生を行うことが好適である。また、第1
モーターを駆動用モーターとして電源装置と結合し、第
2モーターを発電モーターとして利用し電源端子間に負
荷抵抗器を配線し、該負荷抵抗器で、消費させる構成と
することもできる。この場合、発電回生装置の代用とし
て、該負荷抵抗を用いることで、発電量は回生されない
が、最も簡単な回路構成であり、汎用的に利用可能とな
る。また、第2モーターの発電力を、電圧を上げる回生
装置により、第1モーターへ直接回生、駆動することが
できる。この場合は、駆動モーターの余分な出力は、発
電力として回生されるため、きわめて効率の良いモータ
ーとなる。また、第1モーター、第2モーターの2つの
モーターと、差動装置を備え、該差動装置は、差動回転
する3つの回転軸を有し、その3つの回転軸は各々第1
モーターの回転軸と第2モーターの回転軸、駆動出力軸
に接続され、即ち、第1モーターの回転軸と第2モータ
ーの回転軸とは差動装置を介して接続されることにな
る。その2つのモーターは各々駆動モーターまたは発電
モーターとして作動させるための駆動回生装置に接続さ
れ、該2つのモーターは駆動または発電モーターとして
機能するように該駆動回生装置で制御され、該2つのモ
ーターの差動出力から駆動出力を得ることを特徴とし、
さらに該2つのモーターの回転軸をロック(固定)させ
るためのブレーキ装置を各々該モーター回転軸に設ける
ことを特徴とするモーター装置とすることにより、出力
回転数・トルクにより最適な駆動パターンを選択するこ
とが可能となる。その差動装置は、プラネタリーギアを
用いることができる。モーター回転を減速させる減速機
構を差動装置とモーターの間に設けることができる。ま
た、該2つのモーターにすでに減速機構が内蔵されてい
てもよい。本発明のモーター装置で使用するモーター
は、どの種類のモーターも適用できるが、ブラシ直流モ
ーターが最も単純でるので、本説明書では、主に、この
モーターを例にして説明する。本発明は、その性質から
どの種類のモーターにも適用できることは明らかであ
る。即ち、本発明のモーター装置は、モーター装置自体
の発明であり、その構造から電気乗り物用の動力源とし
て最適であるが、当然モーター駆動装置として、あらゆ
る産業に利用できる。また、本発明モーター装置の特徴
である、0回転で高トルクを連続運用でき、大きな外部
負荷(外部反力、キックバックなど)に対しても構造的
に対応できる優れた特徴を有するため小型油圧駆動シス
テムの代用として油圧駆動されるあらゆる装置に利用可
能である。また、第1モーター或いは第2モーターの回
転軸に駆動入力軸を接続し外部からの機械入力ができる
ようにしても良い、これにより機械的外部インターフェ
ースが駆動入力軸と駆動出力軸の2つを有することにな
り、駆動入力軸は第1または第2モーターと同一回転と
なるため駆動出力軸との間に回転差が生じる。この入力
と出力の回転差を利用して、発電側モーターの電力を駆
動側モーターに直接回生することにより本発明モーター
装置を無段変速装置とすることも可能である。
【0005】
【作用】図6および図7は、本発明のモーター装置の2
つのモーターを、第1モーターは駆動用、第2モーター
は発電用に利用して、2つのモーターが、互いに逆回転
し、その差動出力を差動装置から得て出力とする場合の
構成を示す。その構造は、一般的に汎用動力用モーター
として最適であるが、電気乗り物用としても、利用でき
る。まず、図6または図7の各構成要素の簡単な機能に
ついて述べる。第1モーターは、電源装置からの電力供
給により駆動モーターとして機能する。差動装置は、該
第1モーターの駆動力を第2モーター及び出力回転軸に
分配するとともに、2つのモーターの回転差を出力回転
とする機能をもつ。第2モーターは、差動装置から与え
られた回転により発電モーターとして機能する。制動装
置は、第2モーターの回転をロック(固定)させる機能
を持つブレーキ装置で、差動装置とモーターの間(図
6)でもモーターの外側(図7)でも機能が等価であれ
ばどこでも良い。次に、モーターの動作曲線との関係で
説明すると、次のようになる。例えば、直流モーターで
は図3に示されるように、回転数0の近い領域は、トル
クの増大が著しくこれに比例して電流も増大するため電
流制限してあるか使用しない。モーターにかける電圧を
V,モーターの界磁の有効面積が作る地場の強さに界磁
の有効面積をかけた総磁束をφ、電気子の巻線数をZ、
抵抗をRとすると回転数の最大値Nmax=V/φZ
で、トルクの最大値Tmax=φZV/Rとなる。図3
の曲線で、回転数の軸上でNmaxの点と回転数軸上で
maxの点を結んだ線が、このモーターの回転数−ト
ルク特性である。図示のように、トルクは回転数ととも
に低下する。Vは電池の電圧に相当し、電圧が2倍にな
ると、最大トルク、最高回転数ともに2倍に増える。φ
は強い磁石であればあるほど、そして大きなモーターで
あればあるほど大きくなる。同じサイズのモーターであ
れば巻線数を変えることにより最大トルクや最高回転数
を変化させることができる。一方、トルクTは前述のよ
うに、電流Iが小さいときには、電流に比例する。その
比例定数はφとZをかけた値である。電流が大きくなる
とトルクの伸びは次第に小さくなる。即ち、飽和現象が
ある。本発明による差動装置において、差動歯車の比
率、即ち、差動比をXとした。差動装置の比率は、1:
1ならX=1で、2:1ならX=2となる。第モーター
側Xで、第2モーター側1としてある。第1モーターの
トルクと回転数をTとNとし、出力回転軸の出力ト
ルクと回転数をTとNとし、第2モーターの消費ト
ルクと回転数をTとすると、次のようになる。 (X+1)T=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) (N−XN)/(X+1)=N‥‥‥‥‥‥‥(2) 従って、第1モーターによる機械出力は、摩擦等による
損失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとなり、
・Nであり、第2モーターからの機械入力は、回
転数(rpm)×トルクとなり、T・Nである。よ
って、差動装置の出力の機械出力は、回転数(rpm)
×トルクとなり、T・Nである。従って、 T・N=T・N−T・N‥‥‥‥‥‥(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になる
が、その回転数は、Nは、第2モーターの出力0のと
き、即ち、第2モーターが回転しないとき、第1モータ
ーの回転数の1/2(X=1)になる。また、第1モー
ターと第2モーターの入出力トルクの関係は、 XT=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) そして、第2モーターからの電気出力の増減により、消
費トルクが変化するため、ここでは負荷抵抗は一定とす
る。発進時(停止状態)での、第1、第2モーターの回
転トルクは、出力回転数が”0”のため、式(3)か
ら、 0=T・N−T・T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(A) 式(6)から T=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(B) (A)、(B)2つの条件を満たす回転数トルクでバラ
ンスする。即ち、第1モーターと第2モーターを差動装
置を介して、接続し、差動装置から駆動出力を得る。第
1モーターと第2モーターは、差動回転し、駆動出力と
第1、モーターの回転速度差分に比例した回転速度差
が、駆動出力と第2モーターにも生じる。例えば、第1
モーターが2000rpnで回転しているとして、差動
装置の比率を、1:1として、出力を1000rpnと
する。第2モーターは、0rpnとなる。同様に、出力
を0rpnとすると、第2モーターは、逆回転のrpn
となる。図6で説明すると、出力回転軸(6)は、
(4)軸と(5)軸の回転数の間の(4)−(6)間と
(5)−(6)間で一定の比率、即ち、このように差動
装置の比率が1:1では、(4)−(6)間回転数と
(5)−(6)間回転数差が1:1になる回転数が出力
される。電気モーター、特に高性能の直流モーターの場
合、内部抵抗が小さいために、”0”回転数のときで
は、過大電流が流れ、モーターを破損してしまう可能性
がある。また、電力の損失も大きい。通常では、電流を
制限してしまう。即ち、図3での曲線aでなく、曲線b
のようになるように、電流をカットしてしまうことが、
一般的に行われている。即ち、図3に示されるように回
転数0に近付くと、トルクは無限に大きくなるが、回転
数P1の点より低い範囲で、磁気飽和などの影響や過電
流によるモーター破損を防止するため、図示のように、
電流を制限して操作している。この場合、最大トルク
は、回転数P1で発生しており、それより更に回転数を
下げても、トルクは上がらない。従って、従来のモータ
ー装置では、リニアなトルク特性が得られなく、理論的
には電流〜トルク上昇となるべきが、磁気飽和してしま
う。また、電流が過大に流れて、モーターを破損する可
能性がある。或いは、電流を制限してしまうために、ト
ルク特性に制限があり、効率的でない。また、高トルク
回転数では、銅損失が大となり、エネルギー損失が大き
くなる。本発明のモーター装置では第1モーターを定常
回転まで回転させ、このとき、大2モーターの負荷を少
なくするために、電力は取り出さないでおく。この状態
をアイドリング状態と呼ぶことにする。この状態では、
第2モーターが空転状態なので、機械的な抵抗によるト
ルクが多少発生する状態である。ここでの出力回転は”
0”とする。このアイドリング状態では、第1モーター
はトルク0の最高回転数に近い状態にある。従って、す
でに2つのモーターは回転しているので高トルクの0回
転数からの発進駆動を円滑に行うことができる。アイド
リング状態では、出力回転を”0”とすると第2モータ
ーは、逆回転している。この第2モーターから電力を取
り出すことにより第2モーターに大きなトルクが発生す
る。即ち、第1モーターは、第2モーターを回すための
トルクになるまで、回転数が下がる。第2モーターのト
ルクと第1モーターのトルクが、バランスした回転数で
安定する。このときの第1モーターの回転数とトルク
は、第2モーターの発電に利用される。駆動出力は、回
転数”0”のため、駆動出力に回転数は、”0”でも、
トルクは第2モーターの回転数、消費トルクと第1モー
ターのトルクを加算したトルクが発生している。即ち、
出力回転数”0”の状態では、トルクは、加算した値が
得られ、大きな始動トルクを得ることができる。しか
も、この状態で第1モーターは、効率の良い回転数にな
るように調整することができる。且つ、第2モーターで
電力を同時に生み出しているという優れた特性を有す
る。従って、第2モーターの回転数は、出力の負荷と回
転数と、第2モーターのトルクと回転数が互いに関連し
あいながら変化する。そして、停止している状態、すな
わち、出力の回転数が0の場合、駆動モーターは高い回
転数を維持しながら順回転している。このため、駆動モ
ーターは回転速度低下による過電流の防止が可能であ
り、消費電力の増大を防ぐことができる。また、出力の
回転数が0の場合は、第1モーターの出力はすべて差動
装置により第2モーターの発電に消費される。この発電
された電力を回生することによりきわめて効率の良いモ
ーター装置となる。また、その電力を直接駆動モーター
に回生すれば、発進時及び低速走行時のトルクアップが
可能となる。また、発進時は、出力の負荷と回転数に応
じた第1モーターの出力が、差動道装置により配分され
る。残りは、第2モーターの配分される。また、減速時
も同様で、第1モーターの出力が差動装置により配分さ
れる。更に、減速時又は下り坂などの場合、出力の負荷
がマイナスになる場合もある。この場合は、第1モータ
ーへの供給電力よりも第2モーターの発電出力の方が大
きくなる。また、出力回転が高速になった場合は、発電
モーターの回転数が減少する。この時発電モーターでは
ほとんど電力は回生されない状態で負荷があまり発生せ
ず、前式より出力のトルクが大きくとれない。これを該
ブレーキ装置により発電側モーター回転をロック(固
定)することにより、駆動側モーターの駆動力をロスす
ることなく出力回転軸に伝達することが可能となる。ま
た、構造から出力の回転速度の変動を発電モーターの回
転速度で吸収して駆動モーターの回転速度を定常回転範
囲内に納めることも可能であり、また、逆に駆動モータ
ーの回転速度で吸収して発電モーターの回転速度を一定
にすることも可能である。即ち、発電量の制御によりト
ルクが制御できるためである。本発明のモーター装置
は、駆動モーターの駆動力を差動装置により出力と発電
モーターとに配分され、駆動モーターの機械出力と出力
軸の機械出力の差がすべて発電モーターに配分される。
この回生電力の量を制御することにより出力のトルク特
性を、強弱制御することができる。このトルク特性は電
流Iと磁束φに比例するため、トルク制御は従来、電流
を制御するか、磁東を変化させるかして行われていた
が、本発明では、回生される電力の量により制御が可能
となる。次に、実際に数値を上げて、グラフで説明す
る。数値はあくまで説明のためであり、数値自体になん
ら意昧はない。説明を簡単にするために、差動歯車の回
転の比を、1:1として説明する。即ち、第1モーター
のトルク−回転数の曲線を、説明のためのみ用いたT−
N曲線として示す図3として、第2モーターBの発電時
の必要となるトルクと回転数を説明のためのみ用いた消
費トルク一回転数の曲線として示す図4に示す。更に、
図5は、駆動出力軸のトルク−回転数の曲線を示す。図
示のように、第1モーターAは、回転数の上昇とともに
トルクは減少し、第2モーターBは、回転上昇とともに
トルクは増大する。そして、図5に示すように駆動出力
軸は、回転上昇とともにトルクが下がる。
【0006】駆動出力の回転数は、左から右へと上昇す
る。各P点は、各グラフで示す点に相当している。
【表1】 発進時、出力回転数は’0’である。このときの第1モ
ーターと第2モーターの回転数とトルクは、(X=1)
式(A)、(B)より第1、第2モーターとも同じトル
ク同じ回転数P1,P2でバランスする。(但し、機械
的損失は考えないものとする)このとき、出力軸は、第
1モーターAのトルク10kg・m(P1)を2倍した
20kg・m(P3)が発生する。(式1、(X+1)
=Tより)。また、この時出力回転は’0’なの
で第1モーターのAの駆動エネルギーは、第2モーター
Bの発電用エネルギーとなるために、エネルギー損失も
少なくてすむ。(式A、0=T・N−T・N
り)。このとき、回転数”0”の高トルク20kg・m
(P3)のトルクが発生していても、実際第1モーター
Aは回転しているので、過電流にならず、通常に運転で
きる。乗り物が発進して、出力軸の回転数が1000r
pm(P6)になった場合、駆動モーターと発電モータ
ーの回転数とトルクは、差動歯車の比が、1:1のと
き、駆動モーター、発電モーターとも同じトルクで、バ
ランスするため、式(1)、(2)、(6)より、駆動
モーターは回転数3000rpm、トルク5kg−m
(P4)で、発電モーターは回転数(駆動モーターとは
逆回転となる)1000rpm、トルク5kg−m(P
5)となる。このとき出力軸のトルクは、駆動モーター
のトルク5kg−m(P4)を2倍した10kg−mの
トルク(P6)が得られる。同様に、駆動モーターが
(P7)の場合は、発電モーターは、(P8)、出力は
(P9)となる。このようにして、常に駆動モーター
(図3のT−N曲線)と発電モーター(図4のT−N曲
線)と駆動出力(出力軸)がバランスして、図5のよう
なT−N曲線の出力が得られる。
【0007】次に、いくつかの本発明モーター装置の制
御例を示すが、本発明はそれらによって限定されるもの
ではない。ここでは、第1モーターを駆動用として、第
2モーターを発電用として使用する場合の制御例を示
す。第2モーターの電源端子に負荷抵抗を設けるだけ
の、本発明モーター装置の最も簡単な制御例を図8に示
す。発電側に負荷抵抗を入れたことにより出力トルクを
発生させ、該抵抗値の大きさで出力トルクの大きさを制
御させるものである。発電による電力は、抵抗により消
費され損失は大きいが回路が単純で汎用性があり、(小
型駆動モーターなどあらゆる分野のモーター装置として
利用可)、また、モーターの種類(交流、直流)を問わ
ない。また、本発明の特徴である出力0回転時からの使
用が可能である。このため、駆動側が直流モーターの場
合、回転中に外部からの機械的負荷により出力回転が止
められても、駆動側モーターにかかる負担は大きくなら
ないので、過電流防止策を講じなくてもよい。これに対
し、駆動側が交流モーターの場合、駆動モーターのトル
クの高い回転域の範囲内で、出力0回転時からの使用が
可能となる。また、本発明のモーター装置においては、
モーターの回生電力の量(負荷)を制御することによ
り、出力トルクの特性を、強弱制御することができる。
従来、トルク制御は、電流を制御するか磁束を変化させ
るかして行われていたが、本発明のモーター装置では、
回生される電力の量により制御が可能となる。このた
め、負荷抵抗の値を変えることにより、トルクの値も変
えられる。勿論、負荷抵抗を可変抵抗にしてもよい。昇
圧回路を設けないで、発電力を回生させることもでき
る。そのためには、充電電圧又は駆動側供給電圧よりも
高い電圧になるように、第2モーターの磁束を大きくす
るか、又は、回転速度を上げるための差動比の調整が必
要となる。 E[V]=K・N・Φ である。(但し、Kは係数である。) 従って、以下の方法により昇圧しなくても回生すること
ができる。先ず、差動比を変えて出力0回転のときに、
M1よりM2の回転を大きくする。或いは、M1よりM
2の磁束を大きくする。或いは、別電源に充電し、充電
電圧を低くしておくなどである。図9は回生装置から回
生された電力を直接駆動モーター(第1モーター)に供
給する場合の図である。この場合の回生装置の1例とし
て昇圧の必要のない場合は、逆流防止ダイオードを使用
することができる。この場合は第1、第2モーターとも
直流モーターである。逆流防止ダイオードから、回生電
流を直接駈動モーターに供給させる。また、、第2モー
ターが交流モーターの場合、回生装置は逆流防止ダイオ
ードから整流器に置き換えることで行える。第1モータ
ーは直流モーターである。また、昇圧の必要のある場合
は、逆流防止ダイオードまたは整流器の前段に昇圧回路
を設けるようにする。これにより発電モーターの電圧が
下がっても十分に昇圧された電圧を第1モーターに供給
できる。図10は回生装置からの回生電力を充電器に充
電する場合の図である。この場合の回生装置の1例とし
ては逆流防止ダイオード(第2モーターが直流モータ
ー)又は整流器(第2モーターが交流モーター)と該回
路の後段に定電圧回路を設けることで行える。第2モー
ターで発電される電圧が一定でないために、電圧変動を
定電圧回路で一定にして充電器に充電するためである。
また、充電電圧が高い場合または、回生される電圧が充
電電圧より低い場合は、前記逆流防止ダイオード又は整
流器との前段に昇圧回路をを設けることで、発電モータ
ーの電圧が下がっても十分に昇圧された電圧により充電
装置に電力を充電することができる。図11または図1
2の駆動回生装置1と駆動回生装置2の制御パターン
(SW1、2)を制御して駆動、回生(発電)などの制
御のをを組み合わせることにより、走行状態に適したモ
ーター駆動制御を可能にする。運転状態、走行状態に対
して最適な駆動力を得ようとするものである。そして、
効率的な運転状態を確保する。図11および図12は、
本発明のモーター装置の2つのモーターを、各々駆動用
または発電用に利用して、2つのモーターの状態(駆
動、回生(発電)、フリー(空転))の組み合わせの差
動出力を差動装置から得て出力とする場合の構成を示
す。まず、図11または図12の各構成要素の簡単な機
能について述べる。第1、第2モーターは、駆動回生装
置1、2からの制御により電源装置からの電力供給によ
り駆動モーターとして機能するか、差動装置から与えら
れた回転により発電モーターとして機能する。差動装置
は、第1モーターと第2モーターの機械入出力を出力回
転軸に分配するとともに、2つのモーターの回転差を出
力回転とする機能をもつ。制動装置は、第1、第2モー
ターの回転をロック(固定)させる機能を持つブレーキ
装置で、差動装置とモーターの間(図6)でもモーター
の外側(図7)でも機能が等価であればどこでも良い。
図11または図12に示される様に、第1モーター、第
2モーターには、各々、駆動回生装置1と2を経由し
て、電源装置と接続されている。そして、駆動回生装置
1と2は、各々、スイッチングコントロール(SW1,
SW2)により、コントロールされ、各々のモーターを
駆動するか、発電させるか、OFF状態(フリー)にす
るか制御される。第1モーターと第2モーターと3つの
モードの関係は、次の表に示される。
【表2】 即ち、モード1では、第1モーターと第2モーターとは
逆方向に回転される。このモードは、停止状態から高ト
ルクが必要となる低速域運転でのモーターの効率がよ
い。そして、モード2では、第1モーター、第2モータ
ーともに、電源からエネルギーが供給され、同方向に回
転され、即ち、駆動軸は、第1モーターと第2モーター
の合計の駆動回転で運転され、高速回転が可能になる。
即ち、出力回転が上がると、駆動モーターの回転数も上
がり、モード1の状態でなくても、モーターの効率はあ
る程度良くなる。従って、高い回転のときは、効率の差
が少ないので、両モーターとも、駆動モーターとしての
方がメリットが大きい。また、モード3では、第1モー
ター、第2モーターともに同方向に回転されるが、発電
モーターとして働かせ、ブレーキング状態のときに、作
用させる。本発明による差動装置において、差動歯車の
比率、即ち、差動比をXとした。差動装置の比率は、
1:1ならX=1で、2:1ならX=2となる。第1モ
ーター側Xで、第2モーター側1としてある。そして、
モード1のとき、第1モーターと第2モーターは、互い
に逆方向に回転する。第1モーターのトルクと回転数を
とNとし、駆動出力の回転軸の出力トルクと回転
数をTとNとし、第2モーターの消費トルクと回転
数をTとNとすると、モード1は次のようになる。 (X+1)T=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(1) (N−XN)/(X+1)=N‥‥‥‥‥‥‥(2) 従って、第1モーターによる機械出力は、摩擦などによ
る損失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとな
り、T・Nであり、第2モーターからの機械入力
は、、回転数(rpm)×トルクとなり、T・N
ある。よって、差動装置の出力の機械出力は、(rp
m)×トルクとなり、T・Nである。従って、 T・N= T・N− T・N‥‥‥(3) となる。従って、駆動軸のトルクは、X=1のときは、
駆動モーター(第1モーター)のトルクの2倍になる
が、その回転数Nは、第2モーターの出力0のとき、
即ち、第2モーターが回転しないとき、第1モーターの
回転数1/2(X=1)になる。また、第1モーターと
第2モーターの入出力トルクの関係は、 XT=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(6) モード1では、出力側の回転軸の回転を、(N=XN
)/(X+1)にまで上げることができ、トルクは、
(X+1)Tにまで上がる。発進時(停止状態)で
の、第1、第2モーターの回転トルクは、出力回転数
が”0”のため、式(3)から、 0= T・N=T・T‥‥‥‥‥‥‥‥(A) 式(6)から T=T‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(B) (A)、(B)2つの条件を満たす回転数トルクで2つ
のモーターはバランスする。次に、モード2の場合、第
1モーターと第2モーターは両方とも駆動モーターで、
同方向に回転しており、 (N+N)/(X+1)=N‥‥‥‥‥‥(4)
となる。 そして、第1モーターによる機械出力は、摩擦などによ
る損失を考えないと、回転数(rpm)×トルクとな
り、T・Nである。従って、第2モーターの機械出
力は、回転数(rpm)×トルクとなり、T・N
ある。よって、差動装置の出力の機械出力は、第1モー
ターの出力と第2モーターの出力の合計であり、それ
は、回転数(rpm)×トルクとなり、T・Nであ
るので、 T・N=T・N+T・N‥‥‥‥‥(5) となる。また、第1モーターと第2モーターの入出力ト
ルクの関係は、 XT=T‥‥‥‥‥‥‥‥(6)となる。 また、モード3の場合、第1モーターと第2モーター
は、両方とも発電モーターで同方向に回転しており、 (N+XN)/(X+1)=N‥‥‥‥‥‥‥(4) となる。 そして、第1モーターによる機械出力は、摩擦などによ
る損失を考えないと回転数、(rpm)×トルクとな
り、T・Nである。従って、第2モーターの機械出
力は、回転数(rpm)×トルクとなり、T・N
ある。よって、差動装置の出力の機械出力は、第1モー
ターの出力と第2モーターの出力の合計であり、それ
は、回転数(rpm)×トルクとなり、T・Nであ
るので、 T・N=−(T・N+T・N)‥‥‥‥‥(7) となる。これは、機械出力がマイナスであり、機械入力
となり、発電力が発生することを示す。以上のことでも
分かるように、モード2及びモード3では、同一方向に
回転(順回転)するために、2つのモーターは、差動装
置を介して、それらの回転エネルギーはトルク×回転数
の合計となっている。そして、このようなモード切り替
えは、図11または図12の駆動回生装置1及び2のS
W1及び2を制御して行うが、これは、手動式でもよ
く、自動制御でも良い。そして、モード1は、低速モー
ドであり、モード2は、高速モードであり、モード3は
減速モードである。また、モード切り替え時(モード1
からモード2への移行)のモーター回転方向が変わると
きには回転方向が変わるモーターをフリー(電気的な絶
縁状態)状態にして、もう1つの駆動状態にあるモータ
ーの回転を出力回転まで下げるように、一時回生状態と
するか、制動装置で回転のブレーキをかけることで、差
動装置により2つのモーターの回転差がなくなりモード
2の移行が完了する。モード移行完了後はモード2の運
転状態にする。そうすることで移行時の無駄な電力を消
費したり、モーターに高負荷をかけてしまうことを防止
し、スムーズに回転方向を切り変えることができるよう
になる。また、モード2、3からモード1、の移行の場
合は、回生させるモーターのみを一時フリーとし駆動さ
せるモーターと逆回転になった状態で完了する。モード
1の場合で出力回転が高速になった場合は、発電モータ
ーの回転数が減少する。この時発電モーターではほとん
ど電力は回生されない状態で負荷があまり発生せず、前
式より出力のトルクが大きくとれない。これを該ブレー
キ装置(制動装置1、2)により発電側モーター回転を
ロック(固定)することにより、駆動側モーターの駆動
力をロスすることなく出力回転軸に伝達することが可能
となる。2つのモーターのどちらが発電モーターになっ
ても対応できるように2つのモーター各々に制動装置が
設けられ、第1モーターが発電モーターとして制御され
ているときは、第1モーター側の制動装置をロックし、
第2モーターが発電モーターとして制御されているとき
は、第2モーター側の制動装置をロックするようにでき
る。また前記のモード移行時の一時的な制動にも使用で
きる。2つのモーターを減速機構を使用して減速させて
の使用もなんら差し支えない。この場合、第1モーター
のみ減速でも、第2モーターのみ減速でも同様である。
本発明モーター装置にモーター回転の減速機構を設けた
場合の概略図を図13、14、15に示す。図13は、
モーターと差動装置の間に減速装置を設けた場合の概略
図である。図14、図15は、モーターと差動装置の間
に減速装置と制動装置を設けた場合の概略図である。図
13、図14、図15は、減速装置、制動装置の配設位
置バリエーションを示した図であるが、いずれもモータ
ー回転軸に接続されるため、機能は等価である。 減速
装置は、減速ギアでもよく、プラネタリーギアでも、減
速ベルトを使用しても何ら差し支えない。
【0008】次に、いくつかの本発明モーター装置の実
施例を示すが、本発明はそれらによって限定されるもの
ではない。
【実施例1】図16は、差動装置にプラネタリーギアを
使用した場合の1例を模試的に示す断面図である。図1
7は、プラネタリーギア(図16)を差動装置に使用し
て、減速ギアでモーター回転を減速して使用する場合の
本発明モーター装置の一例を示す。差動装置は主にサン
ギア35とピニオンギア28該ピニオンギアを支持する
プラネタリーアーム27、インターナルギア29などか
ら構成される。第1モーター20のローターシャフトに
減速ギア21が接合され、該減速ギア21は、減速ギア
26と噛み合わされる。該減速ギア26はインターナル
ギア29と接合され、該モーターの回転が減速されて差
動装置のインターナルギア29の回転となる。第2モー
ター24のローターシャフトに減速ギア23が接合さ
れ、該減速ギア23は、減速ギア30と噛み合わされ
る。該減速ギア30はサンギア35と接合され、該モー
ターの回転が減速されて差動装置のサンギア35の回転
となる。該サンギア35と該インターナルギア29の間
に内接されるピニオンギア28の公転が該2つのモータ
ー回転の差動出力となる。該ピニオンギア28の公転
が、これを支持するプラネタリーアーム27の回転とな
り、該プラネタリーアーム27と接合されている駆動出
力軸25の出力回転となる。また、第2モーター24と
接続される減速ギア30およびサンギア35にブレーキ
ディスク31が設けられ、ブレーキ装置32が該ブレー
キディスクに配設される。このブレーキ装置32は、該
第2モーターのブレーキ装置となる。図23は、図17
の第1モーター側に駆動入力軸36を設けた場合の1例
を示す断面図で、駆動入力軸36と駆動出力軸25は遊
星歯車(プラネタリーギア)により回転差が生じ、発電
側の電力を駆動側に直接回生することにより変速装置と
しての利用が可能である。図18は、図17の第2モー
ターのブレーキ装置32、ブレーキディスク31に加
え、第1モーターにもブレーキ装置34とブレーキディ
スク33を設けた図である。図18の構成では、第1、
第2モーターの両方が各々駆動または回生となる場合の
ケースでも対応可能となる。図24は、図18の第1モ
ーター側に駆動入力軸36を設けた場合の1例を示す断
面図で、駆動入力軸36と駆動出力軸25は遊星歯車
(プラネタリーギア)により回転差が生じ、発電側の電
力を駆動側に直接回生することにより変速装置としての
利用が可能である。
【実施例2】図16は、差動装置にプラネタリーギアを
使用した場合の1例を模試的に示す断面図である。図1
9は、プラネタリーギア(図16)を差動装置に使用し
て、モーター及び差動装置を同軸上に配設する場合の本
発明モーター装置の一例を示す。差動装置は主にサンギ
ア47とピニオンギア45該ピニオンギアを支持するプ
ラネタリーアーム44、インターナルギア46などから
構成される。第1モーターは主にケース55に固定され
るモーターコイル43と回転するモーターのローターシ
ャフト41と該ローターシャフトに設けられるモーター
磁石42などからなる。第2モーターは主にケース55
に固定されるモーターコイル48と回転するモーターの
ローターシャフト51と該ローターシャフトに設けられ
るモーター磁石49などからなる。第1モーターのロー
ターシャフト41は差動装置のインターナルギア46と
直接接合され、第2モーターのローターシャフト51は
差動装置のサンギア47に直接接合される。該サンギア
47と該インターナルギア46の間に内接されるピニオ
ンギア45の公転が、該2つのモーター回転の差動出力
となる。該ピニオンギア45の公転が、これを支持する
プラネタリーアーム44の回転となり、該プラネタリー
アーム44と接合されている駆動出力軸40の出力回転
となる。また、第2モーターのローターシャフト51に
ブレーキディスク50が接合され、ブレーキ装置52が
該ブレーキディスクに配設される。このブレーキ装置5
2は、該第2モーターのブレーキ装置となる。図25
は、図19の第1モーター側に駆動入力軸56を設けた
場合の1例を示す断面図で、駆動入力軸56と駆動出力
軸40は遊星歯車(プラネタリーギア)により回転差が
生じ、発電側の電力を駆動側に直接回生することにより
変速装置としての利用が可能である。図20は、図19
の第2モーターのブレーキ装置52、ブレーキディスク
50に加え、第1モーターにもブレーキ装置54とブレ
ーキディスク53を設けた図である。図20の構成で
は、第1、第2モーターの両方が各々駆動または回生と
なる場合のケースでも対応可能となる。図26は、図2
0の第1モーター側に駆動入力軸56を設けた場合の1
例を示す断面図で、駆動入力軸56と駆動出力軸40は
遊星歯車(プラネタリーギア)により回転差が生じ、発
電側の電力を駆動側に直接回生することにより変速装置
としての利用が可能である。
【実施例3】図16は、差動装置にプラネタリーギアを
使用した場合の1例を模試的に示す断面図である。図2
1は、プラネタリーギア(図16)を差動装置及び減速
装置に使用して、モーター回転をプラネタリーギアで減
速して、モーター及び差動装置、減速装置を同軸上に配
設する場合の本発明モーター装置の一例を示す。差動装
置は主にサンギア72とピニオンギア71該ピニオンギ
アを支持するプラネタリーアーム69、インターナルギ
ア70などから構成される。第1モーターは主にケース
83に固定されるモーターコイル64と回転するモータ
ーのローターシャフト61と該ローターシャフトに設け
られるモーター磁石63などからなる。第2モーターは
主にケース83に固定されるモーターコイル75と回転
するモーターのローターシャフト78と該ローターシャ
フトに設けられるモーター磁石74などからなる。第1
モーターの減速装置は主にサンギア65とピニオンギア
66該ピニオンギアを支持するプラネタリーアーム6
8、インターナルギア67などから構成される。第2モ
ーターの減速装置は主にサンギア76とピニオンギア7
3該ピニオンギアを支持するプラネタリーアーム79、
インターナルギア80などから構成される。第1モータ
ーのローターシャフト61に減速装置のサンギア65が
接合され、該サンギア65とケース83に固定されたイ
ンターナルギア67の間に内接されるピニオンギア66
の公転が該モーター回転の減速出力となる。該ピニオン
ギア66の公転がプラネタリーアーム68の回転とな
る。該プラネタリーアーム68は差動装置のインターナ
ルギア70と接合され、該モーターの回転が減速されて
差動装置のインターナルギア70の回転となる。第2モ
ーターのローターシャフト78に減速装置のサンギア7
6が接合され、該サンギア76とケース83に固定され
たインターナルギア80の間に内接されるビニオンギア
73の公転が該モーター回転の減速出力となる。該ピニ
オンギア73の公転がプラネタリーアーム79の回転と
なる。該プラネタリーアーム79は差動装置のサンギア
72と接合され、該モーターの回転が減速されて差動装
置のサンギア72の回転となる。該サンギア72と該イ
ンターナルギア70の間に内接されるピニオンギア71
の公転が該2つのモーター回転の差動出力となる。該ピ
ニオンギア71の公転が、これを支持するプラネタリー
アーム69の回転となり、該プラネタリーアーム69と
接合されている駆動出力軸60の出力回転となる。ま
た、第2モーターのローターシャフト78にブレーキデ
ィスク77が接合され、ブレーキ装置81が該ブレーキ
ディスクに配設される。このブレーキ装置81は、該第
2モーターのブレーキ装置となる。図27は、図21の
第1モーター側に駆動入力軸84を設けた場合の1例を
示す断面図で、駆動入力軸84と駆動出力軸60は遊星
歯車(プラネタリーギア)により回転差が生じ、発電側
の電力を駆動側に直接回生することにより変速装置とし
ての利用が可能である。図22は、図21の第2モータ
ーのブレーキ装置81、ブレーキディスク77に加え、
第1モーターにもブレーキ装置82とブレーキディスク
62を設けた図である。図22の構成では、第1、第2
モーターの両方が各々駆動または回生となる場合のケー
スでも対応可能となる。図28は、図22の第1モータ
ー側に駆動入力軸84を設けた場合の1例を示す断面図
で、駆動入力軸84と駆動出力軸60は遊星歯車(プラ
ネタリーギア)により回転差が生じ、発電側の電力を駆
動側に直接回生することにより変速装置としての利用が
可能である。
【0009】
【発明の効果】本発明のモーター装置は、図示のような
構造により、次のごとき技術的効果があった。即ち、直
流モーターのすぐれたトルク−回転数特性を生かしつつ
欠点である高トルクで”0”回転数のときの過電流防止
や、発電回生による消費電力の節約を行うモーター装置
を提供した。出力回転が0でも、モーターは回転してい
る。このことは回転していない場合に比べてモーターの
効率が良いことになる。モーターの駆動出力は差動装置
を介して発電モーターと出力に配分され、出力回転が0
の場合、すべて発電モーターに分配されるため発電モー
ターの起電力を回生させることにより極めて消費電力が
少なくてすむ。第2に、駆動用の第1モーターを中〜高
速回転を維持したまま、出力の回転範囲が0回転から中
速回転まで変動して利用することが可能でなので、出力
回転変動の大きい場合でも、バッテリー及び制御回路の
負担が軽減でき、駆動モーターの回転数の変動が少ない
ので、電流変動が少なくてすむ。また、モーターの許容
回転数範囲が狭くても、その狭い範囲を利用して0回転
からの使用が可能となり、交流モーターなどの低速で低
トルクのモーターでも最高のトルクと効率の回転数の範
囲で運転することができる。第3に、出力が0回転或い
は低速回転の高トルク(負荷)使用ができる。モーター
自体は定常回転で回転可能なためである。更に、磁気飽
和を防止でき、モーター自体は低速回転にする必要はな
い。そして、直流モーターの場合、過電流防止回路など
の電流制限の回路が不要にできる。第4に、モーター運
転中、大きな外部負荷によるモーター破損の危険が少な
い。大きな反力やキックバックなどにより出力回転が止
められても、また、多少外部要因で出力回転が逆回転さ
せられても影響なく、回転力を維持しながらモーターの
運転が可能である。第5に、発電用のモーターの発電量
を制御することにより、出力トルクを制御することがで
きる。これは次の効果をもたらす。モーターの種類を選
ばず、トルク制御が可能となり、電圧制御できないモー
ターでも、磁束制御できないモーターでもトルク制御で
きることになる。これは、交流でも直流でもモーター本
来の機能である駆動又は発電ができるモーターがあれ
ば、トルク制御が可能となる。また、第2モーターの発
電量を0にすることにより、発電による負荷トルクはな
くなり、発電側は空回り状態として、駆動用モーターの
駆動力が出力に伝達されない状態となり(慣性トルクが
あるのでその分だけは伝達される)、丁度、クラッチを
切った状態を作り出せ、クラッチと同じ機能が提供でき
る様になる。第6に、発電用のモーターの発電力を回生
することにより、出力が発進時(0回転時)及び低速回
転域での電力の節約ができる。また、発電力を駆動側に
直接回生させることにより、発進及び低速回転域での出
力トルクを増強できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】モーターのT−N曲線を表すグラフである。
【図2】モーターのT−I曲線を表すグラフである。
【図3】本発明モーター装置での第1モーターのトルク
−回転数の関係を示すグラフである。
【図4】本発明モーター装置での第2モーターのトルク
−回転数の関係を示すグラフである。
【図5】本発明モーター装置での出力軸のトルク−回転
数の関係を示すグラフである。
【図6】本発明のモーター装置のモーターの外側に制動
装置(ブレーキ機構)を配設した1例の構成を示す。
【図7】本発明のモーター装置の差動装置とモーターの
間に制動装置(ブレーキ機構)を配設した1例の構成を
示す。
【図8】本発明モーター装置の第2モーターの回生装置
を負荷抵抗とした例を示した図である。
【図9】本発明モーター装置のの第2モーターの回生装
置からの発電力を直接第1モーターに回生させる1例を
示した図である。
【図10】本発明モーター装置のの第2モーターの回生
装置からの発電力を充電装置に充電する1例を示した図
である。
【図11】本発明モーター装置のモーターを駆動回生装
置により駆動または回生を各々のモーターについて切り
替えて駆動し、モーターの外側に制動装置(ブレーキ機
構)を配設した1例の構成を示す。
【図12】本発明モーター装置のモーターを駆動回生装
置により駆動または回生を各々のモーターについて切り
替えて駆動し、差動装置とモーターの間に制動装置(ブ
レーキ機構)を配設した1例の構成を示す。
【図13】本発明モーター装置に減速装置を設ける場合
の1例を示した概略図である。
【図14】本発明モーター装置に減速装置を設ける場合
の1例を示した概略図である。
【図15】本発明モーター装置に減速装置を設ける場合
の1例を示した概略図である。
【図16】本発明モーター装置の差動装置の遊星歯車を
使用した1例を示す断面図である。
【図17】減速機構を有する本発明モーター装置の片側
のモーターにのみ制動装置を設けた1例を示す断面図で
ある。
【図18】減速機構を有する本発明モーター装置の両側
のモーター各々に制動装置を設けた1例を示す断面図で
ある。
【図19】本発明モーター装置のモーターおよび差動装
置、制動装置を同軸に配設し、片側のモーターにのみ制
動装置を設けた1例を示す断面図である。
【図20】本発明モーター装置のモーターおよび差動装
置、制動装置を同軸に配設し、両側のモーター各々に制
動装置を設けた1例を示す断面図である。
【図21】本発明モーター装置に遊星歯車による減速機
構を有し、モーターおよび差動装置、減速機構を同軸に
配設し、片側のモーターにのみ制動装置を設けた1例を
示す断面図である。
【図22】本発明モーター装置に遊星歯車による減速機
構を有し、モーターおよび差動装置、減速機構を同軸に
配設し、片側のモーターにのみ制動装置を設けた1例を
示す断面図である。
【図23】減速機構および駆動入力軸を有する本発明モ
ーター装置の片側のモーターにのみ制動装置を設けた1
例を示す断面図である。
【図24】減速機構および駆動入力軸を有する本発明モ
ーター装置の両側のモーター各々に制動装置を設けた1
例を示す断面図である。
【図25】駆動入力軸を有する本発明モーター装置のモ
ーターおよび差動装置、制動装置を同軸に配設し、片側
のモーターにのみ制動装置を設けた1例を示す断面図で
ある。
【図26】駆動入力軸を有する本発明モーター装置のモ
ーターおよび差動装置、制動装置を同軸に配設し、両側
のモーター各々に制動装置を設けた1例を示す断面図で
ある。
【図27】本発明モーター装置に遊星歯車による減速機
構と駆動入力軸を有し、モーターおよび差動装置、減速
機構を同軸に配設し、片側のモーターにのみ制動装置を
設けた1例を示す断面図である。
【図28】本発明モーター装置に遊星歯車による減速機
構と駆動入力軸を有し、モーターおよび差動装置、減速
機構を同軸に配設し、片側のモーターにのみ制動装置を
設けた1例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、20、 第1モータ
ー 4、41、61 第1モータ
ー回転軸 3 差動装置 6、25、40、60 差動出力軸
(駆動出力軸) 9、36、56、84 駆動入力軸 2、24 第2モータ
ー 5、51、78 第2モータ
ー回転軸 7、8、32、34、54、52、81、82 制動装
置(ブレーキ装置) 31、33、50、53、62、77 ブレーキデ
ィスク 17 減速装置 18 負荷抵抗 16 第1又は第
2モーター 14、27、44、69 プラネタリ
ーキャリア(アーム) 13、28、45、71 ピニオンギ
ア 11、29、46、70 インターナ
ルギア 12、35、47、72 サンギア 43、64 コイル(第
1モーター) 42、63 磁石(第1
モーター) 48、75 コイル(第
2モーター) 49、74 磁石(第2
モーター) 55、83 ケース 21、23 減速ギア
(モーターシャフト側) 26、30 減速ギア
(差動装置側) 68、79 減速用プラ
ネタリーキャリア 66、73 減速用ピニ
オンギア 67、80 減速用イン
ターナルギア 65、76 減速用サン
ギア

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1モーター、第2モーターの2つのモー
    ターと、差動装置を備え、該差動装置は、差動回転する
    3つの回転軸を有し、その3つの回転軸は各々第1モー
    ターの回転軸と第2モーターの回転軸、駆動出力軸に接
    続され、即ち、第1モーターの回転軸と第2モーターの
    回転軸とは差動装置を介して接続されることになる。そ
    の2つのモーターの1つを駆動モーターとして作動さ
    せ、他方のモーターを発電モーターとして作動させる。
    該2つのモーターは互いに逆回転して、その2つのモー
    ターの差動出力から駆動出力を得ることを特徴とし、さ
    らに発電モーターとして作動させる該モーターの回転軸
    をロック(固定)させるためのブレーキ装置を該回転軸
    に設けることを特徴とするモーター装置。
  2. 【請求項2】第1モーター、第2モーターの2つのモー
    ターと、差動装置を備え、該差動装置は、差動回転する
    3つの回転軸を有し、その3つの回転軸は各々第1モー
    ターの回転軸と第2モーターの回転軸、駆動出力軸に接
    続され、即ち、第1モーターの回転軸と第2モーターの
    回転軸とは差動装置を介して接続されることになる。そ
    の2つのモーターは各々駆動モーターまたは発電モータ
    ーとして作動させるための駆動回生装置に接続され、該
    2つのモーターは駆動または発電モーターとして機能す
    るように該駆動回生装置で制御され、該2つのモーター
    の差動出力から駆動出力を得ることを特徴とし、さらに
    該2つのモーターの回転軸をロック(固定)させるため
    のブレーキ装置を各々該モーター回転軸に設けることを
    特徴とするモーター装置。
  3. 【請求項3】該差動装置は、プラネタリーギア(遊星歯
    車)であり、そのサンギアとインターナルギアの回転軸
    が、各々第1、第2モーターの回転軸に接続され、公転
    するピニオンギアを支持するプラネタリーアームの回転
    軸が駆動出力となることを特徴とする請求項1或いは2
    に記載のモーター装置。
  4. 【請求項4】該2つ或いは片方のモーターの回転を減速
    させる減速装置を、該2つ或いは片方のモーター回転軸
    に接続し、該差動装置の回転軸とは減速装置を介して接
    続されることを特徴とする請求項1〜3に記載のモータ
    ー装置。
  5. 【請求項5】第1モーター或いは第2モーターの回転軸
    に駆動入力軸を接続し外部からの機械入力ができるよう
    にし、駆動入力軸と駆動出力軸の2つの機械的外部イン
    ターフェースを有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載のモーター装置。
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