JPH0829818A - 複数波長レーザ光の発生方法および装置 - Google Patents

複数波長レーザ光の発生方法および装置

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JPH0829818A
JPH0829818A JP16152094A JP16152094A JPH0829818A JP H0829818 A JPH0829818 A JP H0829818A JP 16152094 A JP16152094 A JP 16152094A JP 16152094 A JP16152094 A JP 16152094A JP H0829818 A JPH0829818 A JP H0829818A
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JP
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wavelength
laser
optical element
resonator
light
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JP16152094A
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Inventor
Shiro Shichijo
司朗 七条
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の波長を有するレーザ光が同時に得ら
れ、しかも部品点数が少なく信頼性が高い複数波長レー
ザ光の発生方法および装置を提供する。 【構成】 固体レーザ装置は、レーザ媒質23を励起す
るポンピング光26を出力する半導体レーザ20と、レ
ンズ系21、22と、波長1064nmで発振するN
d:YVO4 などのレーザ媒質23と、KNbO3 など
の非線形光学素子24等が光軸27上に順次配置されて
構成され、レーザ媒質23および非線形光学素子24か
ら成る屈曲した共振器25内でレーザ発振する。半導体
レーザ30から波長910nmのミキシング光33が導
入されると、波長490nmの和周波光36が発生す
る。一方、非線形光学素子24からは波長532nmの
第2高調波29が発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体レーザ媒質を半導
体レーザによりポンピングする半導体レーザ励起固体レ
ーザなどに好適に用いられ、赤色からブルー光にかけて
複数の波長を同時に発生させるための複数波長レーザ光
の発生方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、GaAlAsレーザなどの半
導体レーザを使ってNd:YAGレーザなどのコンパク
トな固体レーザをポンピングしてレーザ発振させること
は知られている。ところが、このような半導体レーザ励
起による固体レーザの波長は赤外領域になる場合が多
く、光記憶装置などの用途や短波長のコヒーレント光源
を必要とする他の用途には波長が長過ぎるという問題が
ある。
【0003】そこで、より短波長のレーザ光を得るため
に、固体レーザの発振ビームを波長変換する非線形光学
材料のバルク単結晶を共振器内に配置して、固体レーザ
発振ビームを第2高調波に変換することが検討されてい
る。たとえば、YVO4 レーザの共振器内に、非線形光
学材料として燐酸チタニルカリウムKTiOPO4 (以
下、KTPという)結晶を配置することによって、発振
波長1064nmのレーザ光が波長532nmのレーザ
光へ波長変換される。さらに、光源の短波長化を目的と
して、グリーン光より波長の短いブルーグリーン光を得
るため、YAGレーザの共振器内に非線形光学材料とし
てKNbO3 を配置することによって、発振波長946
nmのレーザ光から第2高調波である波長473nmの
ブルーグリーン光の発生も報告されている。
【0004】図8は、従来の第2高調波発生用固体レー
ザ装置の一例を示す構成図である。この固体レーザ装置
は、特開平4−338690号公報で開示されており、
半導体レーザ(以下、LDという)51と、集光レンズ
52と、固体レーザロッド53と、第2高調波発生用非
線形光学素子(以下、SHG素子という)54と、出力
ミラー55とが、光軸50上に順次配置されて構成され
ている。また、固体レーザロッド53のLD51側端面
には固体レーザ基本波を高反射するコーティングが施さ
れており、出力ミラー55とで光共振器56を構成して
いる。
【0005】LD51からの出力光501により固体レ
ーザロッド53は励起されて、基本波502を発生す
る。発生した基本波502はSHG素子54を通過する
ようにレーザ発振して、第2高調波503に変換され
る。第2高調波503は出力ミラー55を通過し外部に
出力される。たとえば、固体レーザロッド53にNd:
YAG、SHG素子54にKTPを用いれば、第2高調
波503として波長532nmの緑色のレーザ光を得る
ことができる。
【0006】図9は、同じく特開平4−338690号
公報で開示された従来の和周波発生用固体レーザ装置の
一例を示す構成図である。この固体レーザ装置は、LD
61と、集光レンズ62と、和周波発生用非線形光学素
子(以下、SFG素子という)63と、固体レーザロッ
ド64と、出力ミラー65とが、光軸60上に順次配置
されて構成されている。また、SFG素子63のLD6
1側端面には固体レーザ基本波を高反射するコーティン
グが施されており、出力ミラー65とで光共振器66を
構成している。
【0007】LD61からの出力光601は、SFG素
子63を通過して固体レーザロッド64を励起する。固
体レーザロッド64から発生した基本波602はSFG
素子63を通過するようにレーザ発振して、LD61の
出力光とSFG素子63内で和周波混合される。SFG
素子63内で発生した和周波603は、固体レーザロッ
ド64及び出力ミラー65を通して外部に出力される。
たとえば、固体レーザロッド64にYVO4 、SFG素
子63にKTPを用いれば、和周波603として波長4
59nmの青色レーザ光を得ることができる。なお、図
9の和周波発生用固体レーザ装置で用いたKTPと図8
の第2高調波発生用のKTPとは、結晶の切出し角度が
異なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
固体レーザ装置では、第2高調波および和周波の両方を
必要とする場合、第2高調波発生用固体レーザ装置と和
周波発生用固体レーザ装置の両方を用意しなければなら
ない。そのため全体として部品点数が多くなり、レーザ
装置の大型化やコスト増をもたらす。また、第2高調波
発生用固体レーザ装置および和周波発生用固体レーザ装
置をそれぞれ別個に位置決めして光軸調整を行う必要が
ある。
【0009】本発明の目的は、複数の波長を有するレー
ザ光が同時に得られ、しかも部品点数が少なく信頼性が
高い複数波長レーザ光の発生方法および装置を提供する
ことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長λaで発
振するレーザ媒質および非線形光学素子を共振器内に配
置し、該非線形光学素子に波長λaに対する傾斜反射面
を形成して互いに交差する複数の共振器光軸を形成し、
外部から波長λbのレーザ光をレーザ媒質の共振器光軸
に沿って前記非線形光学素子に導入して波長λc(但
し、1/λc=1/λa+1/λb)の和周波光を発生
させるとともに、前記レーザ媒質の共振器光軸以外の共
振器光軸に沿って波長λaの第2高調波λa/2を発生
させることを特徴とする複数波長レーザ光の発生方法で
ある。
【0011】また本発明は、波長λaで発振するレーザ
媒質および非線形光学素子をリング共振器内に配置し、
該非線形光学素子に波長λaに対する反射面を形成して
互いに交差する複数の共振器光軸を形成し、外部から波
長λbのレーザ光を第1共振器光軸に沿って前記非線形
光学素子に導入して波長λc(但し、1/λc=1/λ
a+1/λb)の和周波光を発生させるとともに、第2
共振器光軸に沿って波長λaの第2高調波λa/2を発
生させることを特徴とする複数波長レーザ光の発生方法
である。
【0012】また本発明は、波長λaで発振するレーザ
媒質、和周波用光学素子および第2高調波用光学素子を
共振器内に配置し、外部から波長λbのレーザ光を共振
器光軸に沿って和周波用光学素子に導入して、波長λc
(但し、1/λc=1/λa+1/λb)の和周波光を
発生させるとともに、第2高調波用光学素子から波長λ
aの第2高調波λa/2を発生させ、さらにλb,λ
c,λa/2の3つの波長のレーザ光を同一方向に取り
出すことを特徴とする複数波長レーザ光の発生方法であ
る。
【0013】また本発明は、前記和周波用光学素子はK
NbO3 から成り、前記第2高調波用光学素子はKTi
OPO4 から成り、かつ波長λbは赤色光波長であるこ
とを特徴とする。
【0014】また本発明は、波長λaで発振するレーザ
媒質および非線形光学素子を含む共振器と、互いに交差
する複数の共振器光軸を形成するため、該非線形光学素
子に形成された波長λaに対する傾斜反射面と、波長λ
bのレーザ光を発生して、レーザ媒質の共振器光軸に沿
って該非線形光学素子に導入するための混合用レーザ光
源とを備え、レーザ媒質の共振器光軸に沿って波長λc
(但し、1/λc=1/λa+1/λb)の和周波光を
発生させるとともに、前記レーザ媒質の共振器光軸以外
の共振器光軸に沿って波長λaの第2高調波λa/2を
発生させることを特徴とする複数波長レーザ光の発生装
置である。
【0015】また本発明は、波長λaで発振するレーザ
媒質および非線形光学素子を含むリング共振器と、互い
に交差する複数の共振器光軸を形成するため、該非線形
光学素子に形成された波長λaに対する反射面と、波長
λbのレーザ光を発生して、第1共振器光軸に沿って該
非線形光学素子に導入するための混合用レーザ光源とを
備え、第1共振器光軸に沿って波長λc(但し、1/λ
c=1/λa+1/λb)の和周波光を発生させるとと
もに、第2共振器光軸に沿って波長λaの第2高調波λ
a/2を発生させることを特徴とする複数波長レーザ光
の発生装置である。
【0016】また本発明は、波長λaで発振するレーザ
媒質、和周波用光学素子および第2高調波用光学素子を
含む共振器と、波長λbのレーザ光を発生して、共振器
光軸に沿って和周波用光学素子に導入するための混合用
レーザ光源とを備え、共振器光軸に沿って、和周波用光
学素子から波長λc(但し、1/λc=1/λa+1/
λb)の和周波光を発生させ、かつ第2高調波用光学素
子から波長λaの第2高調波λa/2を発生させ、さら
にλb,λc,λa/2の3つの波長のレーザ光を取り
出すことを特徴とする複数波長レーザ光の発生装置であ
る。
【0017】また本発明は、前記和周波用光学素子はK
NbO3 から成り、前記第2高調波用光学素子はKTi
OPO4 から成り、かつ波長λbは赤色光波長であるこ
とを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明に従えば、非線形光学素子に発振波長λ
aに対する傾斜反射面を形成することによって、互いに
交差する複数の共振器光軸が形成され、屈曲した共振器
光軸に沿ってレーザ発振が起こる。これらの共振器光軸
のうち、レーザ媒質を含む共振器光軸に沿って波長λb
のレーザ光を外部から導入すると、非線形光学素子での
和周波混合によって、波長λcの和周波光が発生し、レ
ーザ媒質の共振器光軸の方位に放射される。一方、非線
形光学素子の非線形効果によって波長λaの半分の波長
を持つ第2高調波が発生して、レーザ媒質を含む共振器
光軸以外の共振器光軸に沿って別の方位に放射される。
こうして発振波長λaに関して、波長λcの和周波と波
長(λa/2)の第2高調波という複数波長のレーザ光
が別個の方位に沿って得られ、しかも短波長のレーザ光
になる。
【0019】また本発明に従えば、リング共振器内に互
いに交差する複数の共振器光軸が形成され、屈曲した共
振器光軸に沿って周回するようにレーザ発振が起こる。
これらの共振器光軸のうち何れかの第1共振器光軸に沿
って波長λbのレーザ光を外部から導入すると、非線形
光学素子での和周波混合によって、波長λcの和周波光
が発生し、第1共振器光軸の方位に放射される。一方、
非線形光学素子の非線形効果によって波長λaの半分の
波長を持つ第2高調波が発生して、第1共振器光軸以外
の第2共振器光軸に沿って別の方位に放射される。こう
して発振波長λaに関して、波長λcの和周波と波長
(λa/2)の第2高調波という複数波長のレーザ光が
別個の方位に沿って得られ、しかも短波長のレーザ光に
なる。
【0020】また本発明に従えば、レーザ媒質、和周波
用光学素子および第2高調波用光学素子を通過するよう
にレーザ発振が起こる。そこで、外部から波長λbのレ
ーザ光を共振器光軸に沿って和周波用光学素子に導入す
ると、和周波用光学素子から波長λcの和周波光が発生
する。一方、第2高調波用光学素子からは非線形効果に
よって、波長λaの半分の波長を持つ第2高調波が発生
する。さらに波長λbで和周波発生に寄与しなかったレ
ーザ光が利用できる。こうして発振波長λaに関して、
波長λcの和周波と波長(λa/2)の第2高調波とい
う複数波長のレーザ光とさらにλbのレーザ光が同一方
位に沿って得られ、しかも短波長のレーザ光になる。
【0021】また、和周波用光学素子はKNbO3 から
成り、第2高調波用光学素子はKTiOPO4 から成
り、かつ波長λbは赤色光波長であることによって、ブ
ルー光およびグリーン光が効率的に得られる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)図1は、本発明の第1実施例を示す構成図
である。固体レーザ装置は、レーザ媒質23を励起する
ための波長809nmのポンピング光26を出力する半
導体レーザ(SONY社製、SLD322XT)20
と、ポンピング光26を集束するレンズ系(Newpo
rt社製、F−L20)21、22と、Ndが1%ドー
プされたNd:YVO4 から成り、波長1064nmで
発振するレーザ媒質23と、KNbO3 から成る非線形
光学素子24などが、光軸27上に順次配置されて構成
される。半導体レーザ20は、ペルチェ素子を用いた温
度調節回路(図示せず)によって所定温度に維持され、
出力および波長の安定化が図られている。また、レンズ
系21とレンズ系22との間には、和周波光36を取出
すための偏光ビームスプリッタ35が配置される。
【0023】レーザ媒質23と非線形光学素子24とで
共振器25が構成され、レーザ媒質23の表面23bと
非線形光学素子24の表面24aは互いに接している。
レーザ媒質23の表面23aの中央付近にはフォトリソ
グラフィーを利用した微細加工技術を用いて、微小球面
23cが形成されており、その開口半径は100μm
で、その曲率半径は12mmである。
【0024】一方、波長910nmのミキシング光33
を出力する半導体レーザ30と、ミキシング光33を集
束するレンズ系31、32とが光軸34上に順次配置さ
れ、光軸34と光軸27とは互いに一致した共軸とな
る。
【0025】レーザ媒質23の表面23aには、レーザ
媒質23の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、かつポンピング光26の波長809
nmに対して透過率が95%以上となるコーテイングが
施される。また、レーザ媒質23の非線形光学素子24
側の表面23bには、波長1064nmに対して透過率
が99.9%以上となるコーテイングが施される。ま
た、非線形光学素子24の表面24aには、波長106
4nmに対して透過率が99.9%となるコーテイング
が施される。非線形光学素子24の表面24bには、波
長1064nmに対して反射率が99.98%で、波長
910nmに対して透過率が95%で、かつ波長532
nmに対して透過率が80.0%となるコーティングが
施される。非線形光学素子24の表面24cには、波長
1064nmに対して反射率が99.9%となるコーテ
イングが施される。
【0026】したがって、発振波長1064nmに注目
すると、レーザ媒質23の微小球面23cと非線形光学
素子24の表面24bとの間で共振器光軸A1が形成さ
れ、非線形光学素子24の表面24bと表面24cとの
間で共振器光軸A2が形成され、全体として屈曲した共
振器光軸が形成されている。なお、レンズ系32によっ
て集光されたミキシング光33は、共振器光軸A1に沿
って非線形光学素子24に入射される。
【0027】図2は、図1の非線形光学素子24の形状
図である。非線形光学素子24としてKNbO3 結晶を
使用する場合、結晶のc軸に対して角度θ=90゜かつ
a軸に対してφ=90゜の方向に切出した、いわゆるb
軸結晶が用いられ、表面24aはb軸に対して垂直な面
となる。また、屈曲した共振器光軸を形成するため、表
面24bはc軸から9.4°傾斜した面で、表面24c
はb軸より71.2°傾斜した面となるように結晶を研
磨する。この配置によって、共振器光軸A1とb軸とが
平行になり、共振器光軸A1の方位(θ=71.2°,
φ=90°)では和周波発生(1064nm+910n
m→490nm)に対して位相整合条件を満足する。ま
た、b軸に対して角度18.8°で折り返された共振器
光軸A2では、第2高調波発生(1064nm→532
nm)に対して位相整合条件が満足される。なお、KN
bO3 結晶の厚さは、共振器光軸A1に沿った長さで5
mmである。
【0028】次に動作について説明する。半導体レーザ
20から放射されるポンピング光26の偏光方向は光軸
27の水平方向(図1紙面と垂直)と一致するため、ポ
ンピング光26は偏光ビームスプリッタ35を通過し
て、レンズ系22によって集束されて、微小球面23c
を通過してレーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質2
3中に反転分布が形成され、Nd:YVO4 結晶の場合
は波長1064nmのレーザ発振が起こる。発振したレ
ーザ光28は、非線形光学素子24の表面24bで折り
返され、さらに表面24cで反射されるため、微小球面
23cと表面24cとの間を往復することになり、こう
して折返し共振器25が構成される。
【0029】まず共振器光軸A1に注目すると、半導体
レーザ30から放射された波長910nmのミキシング
光33が非線形光学素子24内を共振器光軸A1に沿っ
て図1左方へ進行する。このときミキシング光33の偏
光方向は、KNbO3 結晶のa軸方向になるように配置
される。すると、波長1064nmのレーザ光28と波
長910nmのミキシング光33とが和周波混合され
て、波長490nmの和周波光36がc軸に一致した偏
光方向で発生する。
【0030】こうして得られた和周波光36は、非線形
光学素子24からレーザ媒質23を通過して、レンズ系
22でコリメートされて偏光ビームスプリッタ35で紙
面垂直方向に反射して、和周波光36として取出され
る。
【0031】次に共振器光軸A2に注目すると、波長1
064nmのレーザ光28が非線形光学素子24内を往
復することによって非線形効果が作用して、波長106
4nmの半分である波長532nmの第2高調波29が
共振器光軸A2に沿って出射される。
【0032】このようにレーザ媒質23の発振波長10
64nmに関して、波長490nmの和周波と波長53
2nmの第2高調波とが別個の方位に発生する。ここ
で、ポンピング用の半導体レーザ20の光出力を400
mWに、ミキシング用の半導体レーザ30の光出力を3
0mWにそれぞれ設定すると、波長490nmのブルー
光として出力4mWが得られ、波長532nmのグリー
ン光として出力5mWが得られた。
【0033】(実施例2)図3は、本発明の第2実施例
を示す構成図である。固体レーザ装置は、レーザ媒質2
3を励起するための波長809nmのポンピング光26
を出力する半導体レーザ(SONY社製、SLD322
XT)20と、ポンピング光26を集束するレンズ系
(Newport社製、F−L20)21、22と、N
dが2%ドープされたNd:YAG(3Y23・5Al2
3)から成り、波長946nmで発振するレーザ媒質
23と、KNbO3 から成る非線形光学素子24など
が、光軸27上に順次配置されて構成される。半導体レ
ーザ20は、ペルチェ素子を用いた温度調節回路(図示
せず)によって所定温度に維持され、出力および波長の
安定化が図られている。また、レンズ系21とレンズ系
22との間には、ミキシング光33を導入するための偏
光ビームスプリッタ35が配置される。
【0034】レーザ媒質23と非線形光学素子24とで
光共振器25が構成され、レーザ媒質23の表面23b
と非線形光学素子24の表面24aは互いに接してい
る。レーザ媒質23の表面23aの中央付近にはフォト
リソグラフィーを利用した微細加工技術を用いて、微小
球面23cが形成されており、その開口半径は80μm
で、その曲率半径は20mmである。
【0035】一方、波長780nmのミキシング光33
を出力する半導体レーザ30が配置され、ミキシング光
33はレンズ系31によってコリメートされ、アナモル
フィックプリズムペア37によってビーム径が整形さ
れ、さらに焦点調節用のレンズ系32を通過して、偏光
ビームスプリッタ35によって図3中右方に反射され
て、光軸27と共軸になる。
【0036】レーザ媒質23の表面23aには、レーザ
媒質23の発振波長946nmに対して反射率が99.
9%であって、かつポンピング光26の波長809nm
およびミキシング光33の波長780nmに対して透過
率が95%以上となるコーテイングが施される。また、
レーザ媒質23の非線形光学素子24側の表面23bに
は、波長946nmに対して透過率が99.9%であっ
て、波長780nmに対して透過率が95%以上となる
コーテイングが施される。また、非線形光学素子24の
表面24aには、波長946nmに対して透過率が9
9.9%となるコーテイングが施される。非線形光学素
子24の表面24bには、波長946nmに対して反射
率が99.98%であって、波長428nmに対して透
過率が95%となるコーティングが施される。非線形光
学素子24の表面24cには、波長946nmに対して
反射率が99.9%となるコーテイングが施される。
【0037】したがって、発振波長946nmに注目す
ると、レーザ媒質23の微小球面23cと非線形光学素
子24の表面24bとの間で共振器光軸A1が形成さ
れ、非線形光学素子24の表面24bと表面24cとの
間で共振器光軸A2が形成され、全体として屈曲した共
振器光軸が形成されている。なお、ポンピング光26お
よびミキシング光33は、共振器光軸A1に沿ってレー
ザ媒質23および非線形光学素子24に入射される。
【0038】図4は、図3の非線形光学素子24の形状
図である。非線形光学素子24としてKNbO3 結晶を
使用する場合、結晶のc軸に対して角度θ=90゜かつ
a軸に対してφ=0゜の方向に切出した、いわゆるa軸
結晶が用いられ、表面24aはa軸に対して垂直な面と
なる。また、屈曲した共振器光軸を形成するため、表面
24bはc軸から14.9°傾斜した面で、表面24c
はa軸より60.1°傾斜した面となるように結晶を研
磨する。この配置によって、共振器光軸A1とa軸とが
平行になり、共振器光軸A1の方位では和周波発生(9
46nm+780nm→428nm)に対して位相整合
条件を満足する。また、a軸に対して角度29.9°で
折り返された共振器光軸A2(θ=60.1°,φ=0
°)では、第2高調波発生(946nm→473nm)
に対して位相整合条件が満足される。なお、KNbO3
結晶の厚さは、共振器光軸A1に沿った長さで5mmで
ある。
【0039】次に動作について説明する。半導体レーザ
20から放射されるポンピング光26の偏光方向は光軸
27の垂直上方(図3紙面と平行)と一致するため、ポ
ンピング光26は偏光ビームスプリッタ35を通過し
て、レンズ系22によって集束されて、微小球面23c
を通過してレーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質2
3中に反転分布が形成され、Nd:YAG結晶の場合は
波長946nmのレーザ発振が起こる。発振したレーザ
光28は、非線形光学素子24の表面24bで折り返さ
れ、さらに表面24cで反射されるため、微小球面23
cと表面24cとの間を往復することになり、こうして
折返し共振器25が構成される。
【0040】まず共振器光軸A1に注目すると、半導体
レーザ30から放射された波長780nmのミキシング
光33がレーザ媒質23および非線形光学素子24の内
部を共振器光軸A1に沿って図3中右方へ進行する。こ
のときミキシング光33の偏光方向は、KNbO3 結晶
のb軸方向になるように配置される。すると、波長94
6nmのレーザ光28と波長780nmのミキシング光
33とが和周波混合されて、波長428nmの和周波光
36がc軸に一致した偏光方向で発生し、非線形光学素
子24の表面24bから共振器光軸A1の方位に出射さ
れる。
【0041】次に共振器光軸A2に注目すると、波長9
46nmのレーザ光28が非線形光学素子24内を往復
することによって非線形効果が作用して、波長946n
mの半分である波長473nmの第2高調波29が共振
器光軸A2に沿って出射される。
【0042】このようにレーザ媒質23の発振波長94
6nmに関して、波長428nmの和周波と波長473
nmの第2高調波とが別個の方位に発生する。ここで、
ポンピング用の半導体レーザ20の光出力を1Wに、ミ
キシング用の半導体レーザ30の光出力を100mWに
それぞれ設定すると、波長428nmのブルー光として
出力2.5mWが得られ、波長473nmのブルーグリ
ーン光として出力1mWが得られた。
【0043】(実施例3)図5は、本発明の第3実施例
を示す構成図であり、実施例1と同様な波長構成を採用
している。この固体レーザ装置は、レーザ媒質23を励
起するための波長809nmのポンピング光26を出力
する半導体レーザ20と、ポンピング光26を集束する
レンズ系21、22と、共振器を構成する球面ミラー4
0と、Ndが1%ドープされたNd:YVO4 から成
り、波長1064nmで発振するレーザ媒質23と、K
NbO3 から成る非線形光学素子24などで構成され
る。半導体レーザ20は、ペルチェ素子を用いた温度調
節回路(図示せず)によって所定温度に維持され、出力
および波長の安定化が図られている。また、レンズ系2
1とレンズ系22との間には、ミキシング光33を導入
するための偏光ビームスプリッタ35が配置される。
【0044】球面ミラー40とレーザ媒質23と非線形
光学素子24とでリング共振器41が構成され、レーザ
媒質23の表面23bと非線形光学素子24の表面24
aは互いに接している。
【0045】一方、波長910nmのミキシング光33
を出力する半導体レーザ30が配置され、ミキシング光
33はレンズ系31によってコリメートされる。次に、
ビームサーキュライザ38を通過することによって、半
導体レーザ30からの楕円形状ビームは、リング共振器
41のTEM00モードに効果的にモードマッチングする
円形ビームに変換される。さらに、焦点調節用のレンズ
系32を通過して、偏光ビームスプリッタ35によって
図5中右方に反射されて、ミキシング光33はポンピン
グ光26と共軸になる。
【0046】球面ミラー40の表面40aには、レーザ
媒質23の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、かつポンピング光26の波長809
nmに対して透過率が95%以上となるコーテイングが
施される。レーザ媒質23の表面23aには、波長10
64nmに対して透過率が99.9%以上であって、ポ
ンピング光26の波長809nmに対して透過率が95
%以上となるコーテイングが施される。また、レーザ媒
質23の非線形光学素子24側の表面23bには、波長
1064nmに対して透過率が99.9%以上となるコ
ーテイングが施される。また、非線形光学素子24の表
面24aには、波長1064nmに対して透過率が9
9.9%となるコーテイングが施される。非線形光学素
子24の表面24bには、波長1064nmに対して反
射率が99.98%で、波長910nmに対して透過率
が95%で、かつ波長532nmに対して透過率が8
0.0%となるコーティングが施される。
【0047】したがって、発振波長1064nmに注目
すると、球面ミラー40の表面40aと非線形光学素子
24の表面24bとの間で共振器光軸A1が形成され、
非線形光学素子24の表面24bと表面24cとの間で
共振器光軸A2が形成され、球面ミラー40の表面40
aと非線形光学素子24の表面24cとの間で共振器光
軸A3が形成され、全体として三角形状のリング型の共
振器光軸が形成されている。
【0048】非線形光学素子24としてKNbO3 結晶
を使用する場合は、結晶のc軸に対して角度θ=90゜
かつa軸に対してφ=90゜の方向に切出した、いわゆ
るb軸結晶が用いられ、このb軸と共振器光軸A1とが
一致する。表面24aは共振器光軸A1に対して僅かに
傾斜しており、共振器光軸A1に沿って入射するミキシ
ング光33が表面24aで反射して半導体レーザ30に
戻り光としてフィードバックされるのを防止している。
同様な理由によって、レーザ媒質23の表面23a、2
3bも表面24aに応じて僅かに傾斜している。また、
リング型の共振器光軸を形成するため、表面24bはc
軸から9.4°傾斜した面であり、表面24cは共振器
光軸A1と平行に鏡面研磨された面であって、表面24
cにおいて発振したレーザ光が全反射するように構成さ
れる。この配置によって、共振器光軸A1とb軸とが平
行になり、共振器光軸A1の方位では和周波発生(10
64nm+910nm→490nm)に対して位相整合
条件を満足する。また、b軸に対して角度18.8°で
折り返された共振器光軸A2では、第2高調波発生(1
064nm→532nm)に対して位相整合条件を満足
する。なお、これらの位相整合条件を達成するために、
非線形光学素子24は温度調節装置(図示せず)に搭載
されて温度チューニングされている。
【0049】次に動作について説明する。半導体レーザ
20から放射されるポンピング光26の偏光方向は光軸
27の垂直上方(図1紙面と平行)と一致するため、ポ
ンピング光26は偏光ビームスプリッタ35を通過し
て、レンズ系22によって集束されて、球面ミラー40
を通過してレーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質2
3中に反転分布が形成され、Nd:YVO4 結晶の場合
は波長1064nmのレーザ発振が起こる。発振したレ
ーザ光は、共振器光軸A1、A2、A3に沿って右回り
および左回りに周回することになる。
【0050】まず共振器光軸A1に注目すると、半導体
レーザ30から放射された波長910nmのミキシング
光33が非線形光学素子24内を共振器光軸A1に沿っ
て図5中右方へ進行する。このときミキシング光33の
偏光方向は、KNbO3 結晶のa軸方向になるように配
置される。すると、波長1064nmのレーザ発振光と
波長910nmのミキシング光33とが和周波混合され
て、波長490nmの和周波光36が発生し、共振器光
軸A1に沿って表面24bから出射される。
【0051】次に共振器光軸A2に注目すると、波長1
064nmのレーザ発振光が非線形光学素子24内を進
行することによって非線形効果が作用して、波長106
4nmの半分である波長532nmの第2高調波29が
共振器光軸A2および共振器光軸A3に沿って表面24
bおよび球面ミラー40からそれぞれ出射される。
【0052】このようにレーザ媒質23の発振波長10
64nmに関して、波長490nmのブルー光の和周波
と波長532nmのグリーン光の第2高調波とが別個の
方位に発生する。
【0053】こうして本実施例では、実施例1と同様な
波長構成であるが、リング共振器41を用いてレーザ発
振させるとともに、ミキシング光33をリング共振器4
1に導入する際、リング共振器41の構成部品の表面を
ビーム伝搬方向に対して一定角度に傾斜させることによ
って、半導体レーザ30への戻り光が防止され、半導体
レーザ30の出力および発振波長の安定化が図られる。
【0054】(実施例4)図6は、本発明の第4実施例
を示す構成図であり、実施例3と同様な構成をモノリシ
ック化したものである。この固体レーザ装置は、レーザ
媒質23を励起するための波長809nmのポンピング
光26を出力する半導体レーザ20と、ポンピング光2
6を集束するレンズ系21、22と、Ndが1%ドープ
されたNd:YVO4 から成り、波長1064nmで発
振するレーザ媒質23と、KNbO3 から成る非線形光
学素子24などで構成される。半導体レーザ20は、ペ
ルチェ素子を用いた温度調節回路(図示せず)によって
所定温度に維持され、出力および波長の安定化が図られ
ている。
【0055】レーザ媒質23と非線形光学素子24とで
リング共振器41が構成され、レーザ媒質23の表面2
3bと非線形光学素子24の表面24aは互いに接触す
るように接着剤等で固定される。レーザ媒質23の表面
23aの中央付近にはフォトリソグラフィーを利用した
微細加工技術を用いて、微小球面23cが形成されてお
り、その開口半径は80μmで、その曲率半径は20m
mである。
【0056】一方、波長910nmのミキシング光33
を出力する半導体レーザ30と、ミキシング光33を集
束するレンズ系31、32とが順次配置され、非線形光
学素子24にミキシング光33を供給している。なお、
レンズ系31とレンズ系32との間には、第2高調波2
9を取出すための偏光ビームスプリッタ35が配置され
る。
【0057】レーザ媒質23の表面23aには、レーザ
媒質23の発振波長1064nmおよびミキシング光3
3の波長910nmに対して反射率が99.9%であっ
て、かつポンピング光26の波長809nmに対して透
過率が95%以上となるコーテイングが施される。ま
た、レーザ媒質23の非線形光学素子24側の表面23
bには、波長1064nmに対して透過率が99.9%
以上となるコーテイングが施される。また、非線形光学
素子24の表面24aには、波長1064nmに対して
透過率が99.9%となるコーテイングが施される。非
線形光学素子24の表面24bには、波長1064nm
に対して反射率が99.98%で、波長910nmに対
して透過率が95%で、かつ波長532nmに対して透
過率が80.0%となるコーティングが施される。
【0058】したがって、発振波長1064nmに注目
すると、レーザ媒質23の微小球面23cと非線形光学
素子24の表面24bとの間で共振器光軸A1が形成さ
れ、非線形光学素子24の表面24bと表面24cとの
間で共振器光軸A2が形成され、レーザ媒質23の微小
球面23cと非線形光学素子24の表面24cとの間で
共振器光軸A3が形成され、全体として三角形状のリン
グ型の共振器光軸が形成されている。
【0059】非線形光学素子24としてKNbO3 結晶
を使用する場合は、実施例3と同様にb軸結晶が用いら
れ、このb軸と共振器光軸A1とが一致する。表面24
aは共振器光軸A1に対して僅かに傾斜しており、共振
器光軸A1に沿って入射するミキシング光33が表面2
4aで反射して半導体レーザ30に戻り光としてフィー
ドバックされるのを防止している。同様な理由によっ
て、レーザ媒質23の表面23a、23bも表面24a
に応じて僅かに傾斜している。また、リング型の共振器
光軸を形成するため、表面24bはc軸から9.4°傾
斜した面であり、表面24cは共振器光軸A1と平行に
鏡面研磨された面であって、表面24cにおいて発振し
たレーザ光およびミキシング光33が全反射するように
構成される。この配置によって、共振器光軸A1の方位
では和周波発生(1064nm+910nm→490n
m)に対して位相整合条件を満足する。また、b軸に対
して角度18.8°で折り返された共振器光軸A2で
は、第2高調波発生(1064nm→532nm)に対
して位相整合条件を満足する。なお、これらの位相整合
条件を達成するために、非線形光学素子24は温度調節
装置(図示せず)に搭載されて温度チューニングされて
いる。
【0060】次に動作について説明する。半導体レーザ
20から放射されるポンピング光26はレンズ系21、
22によって集束されて、微小球面23cを通過してレ
ーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質23中に反転分
布が形成され、Nd:YVO4 結晶の場合は波長106
4nmのレーザ発振が起こる。発振したレーザ光は、共
振器光軸A1、A2、A3に沿って右回りおよび左回り
に周回する。
【0061】まず共振器光軸A1に注目すると、半導体
レーザ30から放射された波長910nmのミキシング
光33が非線形光学素子24内に共振器光軸A2に沿っ
て入射して、表面24cおよび微小球面23cで反射し
て、リング共振器41を右回りで進行する。すると、波
長1064nmのレーザ発振光と波長910nmのミキ
シング光33とが和周波混合されて、波長490nmの
和周波光36が発生し、共振器光軸A1に沿って表面2
4bから出射される。
【0062】次に共振器光軸A2に注目すると、波長1
064nmのレーザ発振光がリング共振器41を左回り
で進行することによって、非線形光学素子24の非線形
効果が作用して、波長1064nmの半分である波長5
32nmの第2高調波29が共振器光軸A2に沿って表
面24bから出射され、レンズ系32を通って偏光ビー
ムスプリッタ35で反射され、外部に取出される。
【0063】このようにレーザ媒質23の発振波長10
64nmに関して、波長490nmのブルー光の和周波
と波長532nmのグリーン光の第2高調波とが別個の
方位に発生する。
【0064】こうして本実施例では、実施例3と同様な
構成であるが、レーザ媒質23と非線形光学素子24と
が接着材等で固定されてモノリシック化され、部品点数
が削減するとともに光軸変動が解消され、小型で信頼性
の高い固体レーザ装置が得られる。
【0065】(実施例5)図7は、本発明の第5実施例
を示す構成図である。固体レーザ装置は、レーザ媒質2
3を励起するための波長809nmのポンピング光26
を出力する半導体レーザ20と、ポンピング光26を集
束するレンズ系21、22と、Ndが1%ドープされた
Nd:YVO4 から成り、波長1064nmで発振する
レーザ媒質23と、KNbO3 から成る和周波用光学素
子42と、KTP(KTiOPO4)から成る第2高調
波用光学素子43などが順次配置されて構成される。半
導体レーザ20は、ペルチェ素子を用いた温度調節回路
(図示せず)によって所定温度に維持され、出力および
波長の安定化が図られている。また、レンズ系21とレ
ンズ系22との間には、ミキシング光33を導入するた
めの偏光ビームスプリッタ35が配置される。
【0066】レーザ媒質23と和周波用光学素子42と
第2高調波用光学素子43とで光共振器25が構成さ
れ、レーザ媒質23の表面23bと和周波用光学素子4
2の表面42a、および和周波用光学素子42の表面4
2bと第2高調波用光学素子43の表面43aとはそれ
ぞれ互いに接している。レーザ媒質23の表面23aの
中央付近にはフォトリソグラフィーを利用した微細加工
技術を用いて、微小球面23cが形成されており、その
開口半径は100μmで、その曲率半径は12mmであ
る。
【0067】一方、波長695nmのミキシング光33
を出力する半導体レーザ30(東芝製、TOLD−91
50S)が配置され、ミキシング光33はレンズ系31
によってコリメートされ、アナモルフィックプリズムペ
ア37によってビーム径が整形され、さらに焦点調節用
のレンズ系32を通過して、偏光ビームスプリッタ35
によって図7中右方に反射されて、ポンピング光26と
共軸になる。
【0068】レーザ媒質23の表面23aには、レーザ
媒質23の発振波長1064nmに対して反射率が9
9.9%であって、かつポンピング光26の波長809
nmおよびミキシング光33の波長695nmに対して
透過率が95%以上となるコーテイングが施される。ま
た、レーザ媒質23の和周波用光学素子42側の表面2
3bには、波長1064nmに対して透過率が99.9
%であって、波長695nmに対して透過率が95%以
上となるコーテイングが施される。また、和周波用光学
素子42の表面42a、42bおよび第2高調波用光学
素子43の表面43aには、波長1064nmに対して
透過率が99.9%となるコーテイングが施される。第
2高調波用光学素子43の表面43bには、波長106
4nmに対して反射率が99.9%であって、波長42
0nmおよび波長532nmに対して透過率が95%と
なるコーティングが施される。
【0069】したがって、発振波長1064nmに注目
すると、レーザ媒質23の微小球面23cと第2高調波
用光学素子43の表面43bの間で直線的な共振器光軸
が形成されている。なお、ポンピング光26およびミキ
シング光33は、共振器光軸に沿ってレーザ媒質23、
和周波用光学素子42および第2高調波用光学素子43
に入射される。
【0070】和周波用光学素子42としてKNbO3
晶を使用する場合、結晶のc軸に対して角度θ=90゜
かつa軸に対してφ=0゜の方向に切出した、厚さ5m
mのいわゆるa軸結晶が用いられ、表面42aはa軸に
対して垂直な面となる。また、第2高調波用光学素子4
3としてKTP結晶を使用する場合、結晶のc軸に対し
て角度θ=90゜かつa軸に対してφ=24.4゜の方
向に切出した厚さ2mmのものを配置する。この配置に
よって、和周波用光学素子42において和周波発生(1
064nm+695nm→420nm)に対して位相整
合条件を満足し、また第2高調波用光学素子43におい
て第2高調波発生(1064nm→5324nm)に対
して位相整合条件を満足する。
【0071】次に動作について説明する。半導体レーザ
20から放射されるポンピング光26の偏光方向は光軸
の垂直上方(図7紙面と平行)と一致するため、ポンピ
ング光26は偏光ビームスプリッタ35を通過して、レ
ンズ系22によって集束されて、微小球面23cを通過
してレーザ媒質23に入射すると、レーザ媒質23中に
反転分布が形成され、Nd:YVO4 結晶の場合は波長
1064nmのレーザ発振が起こる。発振したレーザ光
28は、微小球面23cと表面43bとの間で往復する
ように進行する。
【0072】まず和周波光36に注目すると、半導体レ
ーザ30から放射された波長695nmのミキシング光
33がレーザ媒質23および和周波用光学素子42の内
部を共振器光軸に沿って図7中右方へ進行する。する
と、波長1064nmのレーザ光28と波長695nm
のミキシング光33とが和周波混合されて、波長420
nmの和周波光36が発生し、表面43bから共振器光
軸に沿った方位に出射する。
【0073】次に第2高調波29に注目すると、波長1
064nmのレーザ光28が第2高調波用光学素子43
を往復することによって非線形効果が作用して、波長1
064nmの半分である波長532nmの第2高調波2
9が共振器光軸に沿って出射する。
【0074】一方、ミキシング光33に注目すると、半
導体レーザ30から放射された波長695nmのミキシ
ング光33が、レーザ媒質23、和周波用光学素子42
および第2高調波用光学素子43の内部を図7中右方へ
進行するとともに、和周波発生および第2高調波発生に
寄与しなかったミキシング光33は共振器光軸に沿って
出射される。
【0075】このようにレーザ媒質23の発振波長10
64nmに関して、ブルー光である波長420nmの和
周波と、グリーン光である波長532nmの第2高調波
と、レッド光である波長695nmのミキシング光が同
一方位に発生する。こうして光の三原色に対応するレー
ザ光が同時に得られる。
【0076】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、発
振波長λaに関して、波長λcの和周波と波長(λa/
2)の第2高調波という複数波長のレーザ光を別々の方
位または同一の方位に沿って同時に得ることができる。
【0077】こうして部品点数が少なく、信頼性が高い
複数波長レーザ光の発生方法および装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図である。
【図2】図1の非線形光学素子24の形状図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す構成図である。
【図4】図3の非線形光学素子24の形状図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す構成図である。
【図6】本発明の第4実施例を示す構成図である。
【図7】本発明の第5実施例を示す構成図である。
【図8】従来の第2高調波発生用固体レーザ装置の一例
を示す構成図である。
【図9】従来の和周波発生用固体レーザ装置の一例を示
す構成図である。
【符号の説明】
20、30 半導体レーザ 21、22、31、32 レンズ系 23 レーザ媒質 23c 微小球面 24 非線形光学素子24 25 共振器 26 ポンピング光 29 第2高調波 33 ミキシング光 35 偏光ビームスプリッタ 36 和周波光 37 アナモルフィックプリズムペア 38 ビームサーキュライザ 40 球面ミラー 41 リング共振器 42 和周波用光学素子 43 第2高調波用光学素子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長λaで発振するレーザ媒質および非
    線形光学素子を共振器内に配置し、該非線形光学素子に
    波長λaに対する傾斜反射面を形成して互いに交差する
    複数の共振器光軸を形成し、外部から波長λbのレーザ
    光をレーザ媒質の第1光軸に沿って前記非線形光学素子
    に導入して波長λc(但し、1/λc=1/λa+1/
    λb)の和周波光を発生させるとともに、前記レーザ媒
    質の第2光軸に沿って波長λaの第2高調波λa/2を
    発生させることを特徴とする複数波長レーザ光の発生方
    法。
  2. 【請求項2】 波長λaで発振するレーザ媒質および非
    線形光学素子をリング共振器内に配置し、該非線形光学
    素子に波長λaに対する反射面を形成して互いに交差す
    る複数の共振器光軸を形成し、外部から波長λbのレー
    ザ光を第1光軸に沿って前記非線形光学素子に導入して
    波長λc(但し、1/λc=1/λa+1/λb)の和
    周波光を発生させるとともに、第2光軸に沿って波長λ
    aの第2高調波λa/2を発生させることを特徴とする
    複数波長レーザ光の発生方法。
  3. 【請求項3】 波長λaで発振するレーザ媒質、和周波
    用光学素子および第2高調波用光学素子を共振器内に配
    置し、外部から波長λbのレーザ光を共振器光軸に沿っ
    て和周波用光学素子に導入して、波長λc(但し、1/
    λc=1/λa+1/λb)の和周波光を発生させると
    ともに、第2高調波用光学素子から波長λaの第2高調
    波λa/2を発生させ、かつλb,λc,λa/2の3
    つの波長のレーザ光を同一方向に取り出すことを特徴と
    する複数波長レーザ光の発生方法。
  4. 【請求項4】 前記和周波用光学素子はKNbO3 から
    成り、前記第2高調波用光学素子はKTiOPO4 から
    成り、かつ波長λbは赤色光波長であることを特徴とす
    る請求項3記載の複数波長レーザ光の発生方法。
  5. 【請求項5】 波長λaで発振するレーザ媒質および非
    線形光学素子を含む共振器と、 互いに交差する複数の共振器光軸を形成するため、該非
    線形光学素子に形成された波長λaに対する傾斜反射面
    と、 波長λbのレーザ光を発生して、レーザ媒質の共振器光
    軸に沿って該非線形光学素子に導入するための混合用レ
    ーザ光源とを備え、 レーザ媒質の第1光軸に沿って波長λc(但し、1/λ
    c=1/λa+1/λb)の和周波光を発生させるとと
    もに、前記レーザ媒質の第2光軸に沿って波長λaの第
    2高調波λa/2を発生させることを特徴とする複数波
    長レーザ光の発生装置。
  6. 【請求項6】 波長λaで発振するレーザ媒質および非
    線形光学素子を含むリング共振器と、 互いに交差する複数の共振器光軸を形成するため、該非
    線形光学素子に形成された波長λaに対する反射面と、 波長λbのレーザ光を発生して、第1共振器光軸に沿っ
    て該非線形光学素子に導入するための混合用レーザ光源
    とを備え、 第1共振器光軸に沿って波長λc(但し、1/λc=1
    /λa+1/λb)の和周波光を発生させるとともに、
    第2共振器光軸に沿って波長λaの第2高調波を発生さ
    せることを特徴とする複数波長レーザ光の発生装置。
  7. 【請求項7】 波長λaで発振するレーザ媒質、和周波
    用光学素子および第2高調波用光学素子を含む共振器
    と、 波長λbのレーザ光を発生して、共振器光軸に沿って和
    周波用光学素子に導入するための混合用レーザ光源とを
    備え、 共振器光軸に沿って、和周波用光学素子から波長λc
    (但し、1/λc=1/λa+1/λb)の和周波光を
    発生させ、かつ第2高調波用光学素子から波長λaの第
    2高調波λa/2を発生させ、かつλb,λc,λa/
    2の3つの波長のレーザ光を同一方向に取り出すことを
    特徴とする複数波長レーザ光の発生装置。
  8. 【請求項8】 前記和周波用光学素子はKNbO3 から
    成り、前記第2高調波用光学素子はKTiOPO4 から
    成り、かつ波長λbは赤色光波長であることを特徴とす
    る請求項7記載の複数波長レーザ光の発生装置。
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JP2007266537A (ja) * 2006-03-30 2007-10-11 Showa Optronics Co Ltd 内部共振器型和周波混合レーザ

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