JPH08297122A - ヒスタミンの測定方法及びその測定用試薬 - Google Patents

ヒスタミンの測定方法及びその測定用試薬

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JPH08297122A
JPH08297122A JP12456895A JP12456895A JPH08297122A JP H08297122 A JPH08297122 A JP H08297122A JP 12456895 A JP12456895 A JP 12456895A JP 12456895 A JP12456895 A JP 12456895A JP H08297122 A JPH08297122 A JP H08297122A
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JP
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protein
group
polysaccharide compound
measuring
histamine
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JP12456895A
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Masami Sugiyama
正巳 杉山
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Fujirebio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 検体中のヒスタミンをアミンオキシダーゼで
酸化反応させて得られる4−イミダゾリルアセトアルデ
ヒドと、ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオール基を
有する蛋白質又は多糖化合物とを反応させて4−イミダ
ゾリル基を有する蛋白質又は多糖化合物を得、それを測
定してヒスタミンを測定する方法である。 【効果】 この方法は、検体中のヒスミンを酸化反応さ
せた後、蛋白質又は多糖化合物を反応させ、その反応物
の測定からヒスタミンを測定するため、煩雑な操作を行
うことなく30分〜1時間でヒスタミンの測定結果を得
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヒスタミン(β−イミ
ダゾリルエチルアミン)の測定方法及びこの測定試薬に
関する。更に詳しくはヒスタミンをアミンオキシダーゼ
で酸化反応させて得られる4−イミダゾリルアセトアル
デヒドと、ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオール基
を有する蛋白質又は多糖化合物とを反応させて4−イミ
ダゾリル基を有する蛋白質又は多糖化合物を得、それを
測定することによるヒスタミンの測定方法である。
【0002】
【従来の技術】ヒスタミンは、哺乳動物組織中に広く分
布し、即過敏反応の主な伝達物質であることが知られて
いる。またヒスタミンが、特にアレルギー反応に深く係
わっていることから、アレルゲンの特定、生体内でのヒ
スタミンの動態を調査するためにヒスタミンの測定法が
見い出された。
【0003】従来、ヒスタミンの測定法は、高速液体ク
ロマトグラフィー(HPLC)法、ガスクロマトグラフ
ィー質量分析(GC−MS)法等の機器を使用した方法
で行われてきたが、多数検体の測定には対応した方法で
はなかった。そこで新たな測定方法として(イ)検体中
のヒスタミンにS−アデノシル−L−〔メチル−14C〕
メチオニンとヒスタミン−N−トランスフェラーゼとを
加え放射標識された14C−メチルヒスタミンを調製し、
この標識化合物を抽出した後、放射能測定によりヒスタ
ミンを測定する方法(臨床検査,Vol.26(2),
157−163(1982))、(ロ)固相に結合され
た抗ヒスタミン抗体に、検体中のヒスタミンをアシル化
したアシル化ヒスタミンとアシル化 125I標識ヒスタミ
ンとを競合反応させた後、固相に結合した標識物を測定
す方法(J.Allergy Clin.Immuno
l.,1988,82,638−46頁)等が見い出さ
れた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記(イ)の測定法で
は、放射標識された14C−メチルヒスタミンを調製する
ために1〜1.5時間の反応時間を要し、さらに得られ
た標識物をクロロホルムで抽出する操作を行いヒスタミ
ンの測定を行っていた。また(ロ)の測定法は、競合反
応を4℃で18時間行い固相に結合した標識物を測定す
ることにより結果を得ていた。そのため(イ)及び
(ロ)のいずれの方法とも抽出操作、長い反応時間等を
必要とし、迅速なヒスタミンの測定法とは言い難く、測
定結果を得るまでには多大な労力と時間とを必要として
いた。また、微量のヒスタミンの測定には充分な測定感
度を有していなかった。さらにいずれの方法も放射性同
位元素を使用するため、特定の施設中で取り扱うことが
必要であり、簡便な測定法を提供するものではなかっ
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、新
たなヒスタミンの測定方法を見出すべく鋭意研究を行っ
た結果、検体中のヒスタミンをアミンオキシダーゼで酸
化反応させて得られる4−イミダゾリルアセトアルデヒ
ドと、ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオール基を有
する蛋白質又は多糖化合物とを反応させて4−イミダゾ
リル基を有する蛋白質又は多糖化合物を得、それを測定
することによるヒスタミンの測定法を見出し本発明を完
成するに至った。
【0006】本発明をさらに詳しく説明すると、まず検
体中に存在するヒスタミンとアミンオキシダーゼとを反
応させると、ヒスタミンが酸化されて4−イミダゾリル
アセトアルデヒドが生成し、さらにこの4−イミダゾリ
ルアセトアルデヒドのアルデヒド基と蛋白質又は多糖化
合物のヒドラジノ基、アミノ基又はチオール基とが付加
反応して4−イミダゾリル基を有する蛋白質又は多糖化
合物が得られ、この4−イミダゾリル基を有する蛋白質
又は多糖化合物を測定する方法である。ヒスタミンを酸
化して得られる4−イミダゾリルアセトアルデヒドは、
安定性が低く分解を起こしやすいため、通常は溶液中か
ら単離せずに次の反応に用いられる。この4−イミダゾ
リルアセトアルデヒドは、例えば溶液中で1,2−ジア
ミノ−4,5−ジメトキベンゼンを用いるアルデヒド基
の蛍光分析法(下記参考例1参照)により生成を確認す
ることができる。さらにこの4−イミダゾリルアセトア
ルデヒドが反応して得られる4−イミダゾリル基を有す
る蛋白質又は多糖化合物は、抗ヒスタミン抗体を用いこ
の抗体との反応を行った結果、4−イミダゾリル基を有
する蛋白質又は多糖化合物が生成していることが確認さ
れた。
【0007】前記蛋白質又は多糖化合物は、例えばヒド
ラジノ基、アミノ基、チオール基等のアルデヒド基との
反応性をもつ官能基を有する化合物である。蛋白質とし
ては、例えばアルブミン、キーホール・リンペット・ヘ
モシアニン(KLH)、カゼイン等の他、パーオキシダ
ーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、クルコースオキシダ
ーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコース−6−リン酸
デヒドロゲナーゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ等の酵素を
挙げることができる。多糖化合物としては例えばアミロ
ース、キトサン等を挙げることができる。
【0008】また、蛋白質又は多糖化合物に前記ヒドラ
ジノ基、アミノ基、チオール基等の官能基が存在しない
ときには、例えばイミノチオラン化合物を用いるチオー
ル基を導入する方法(例えば生化学実験法27巻,60
頁(学会出版センタ−)参照)、エチレンイミンを用い
るアミノ基を導入する方法(例えば生化学実験法8巻,
68頁(学会出版センタ−)参照)等により官能基を導
入し用いることができる。また蛋白質又は多糖化合物に
は、末端に官能基を持つ各種架橋剤により官能基を導入
することもできる。この架橋剤として例えばヒドラジノ
基を導入する試薬として4−(N−マレイミドメチル)
シクロヘキサン−1−カルボキシルヒドラジド塩酸塩
(M2 2 H)、4−(4−N−マレイミドフェニル)
ブチリックアシッドヒドラジド塩酸塩(MPBH)、3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(P
DPH)等を挙げることができる。蛋白質又は多糖化合
物に導入する官能基としてはアルデヒド基との反応性が
高いヒドラジノ基を用いることが好ましい。
【0009】また、測定に用いるアミンオキシダーゼ
は、第一級アミンを酸化するほ乳動物の腎、脳、又は
肝、微生物、豆科植物等由来のモノアミンオキシダーゼ
(E.C1.4.3.4)、ジアミンオキシダーゼ
(E.C1.4.3.6)等である。これらのアミンオ
キシダーゼは、ヒスタミンを酸化し4−イミダゾリルア
セトアルデヒドを生成する酵素であれば種、由来を問わ
ず用いることができる。測定に用いるアミンオキシダー
ゼは、10mU/ml〜1000mU/mlであるが、
60mU/ml〜500mU/ml用いることが反応を
効率よく行う上で好ましい。
【0010】さらに、アミンオキシダーゼを用いるヒス
タミンの酸化反応と、この反応により得られる4−イミ
ダゾリルアセトアルデヒドと、ヒドラジノ基、アミノ基
若しくはチオール基を有する蛋白質又は多糖化合物とを
反応させるには、同一の溶液中で連続して行うことが好
ましい。反応は、通常10〜55℃、好ましくは30〜
45℃で行うことができる。さらにこの反応は5〜30
分間行うことが好ましい。また反応は、アミンオキシダ
ーゼの由来する種により適宜変更できるが、pH4〜
9、好ましくはpH6〜8の溶液中で行うことができ、
例えばリン酸、トリス、コハク酸、クエン酸、ほう酸、
塩酸、水酸化ナトリウム、ベロナール等の緩衝液を用い
行うことができる。
【0011】以上の反応により得られる4−イミダゾリ
ル基を有する蛋白質又は多糖化合物は、引き続いてこの
化合物の測定を行うことによりヒスタミンの測定を行う
ことができる。この4−イミダゾリル基を有する蛋白質
又は多糖化合物は例えば標識抗ヒスタミン抗体を用い測
定を行うことができる。測定を行うには、この4−イミ
ダゾリル基を有する蛋白質又は多糖化合物を固相に結合
させた試薬を予め製造し、この試薬と上記反応により得
られた4−イミダゾリル基を有する蛋白質又は多糖化合
物とを、標識抗ヒスタミン抗体との競合反応に付した
後、固相に結合した抗ヒスタミン抗体の標識物を測定す
ることにより検体中のヒスタミンを測定することができ
る。
【0012】競合反応による測定は、公知の方法に従い
前記反応により得られる4−イミダゾリル基を有する蛋
白質又は多糖化合物と、4−イミダゾリル基を有する蛋
白質又は多糖化合物が結合した固相と、標識抗ヒスタミ
ン抗体とを溶液中で混合し反応させることにより行うこ
とができる。この反応は、例えばリン酸緩衝液、トリス
−塩酸緩衝液、炭酸緩衝液等を用い行うことが好まし
い。また反応は、4℃〜40℃、好ましくは37℃付近
で混合することにより行うことができる。
【0013】固相に結合させる4−イミダゾリル基を有
する蛋白質又は多糖化合物は、前記した方法で製造した
化合物を挙げることができる他、ヒスタミンのアミノ基
と蛋白質又は多糖化合物の官能基とを架橋剤を緩衝液中
で用いて反応させ製造することもできる。この架橋剤と
しては、例えばN−(8−マレイミドカプリロキシ)ス
ルホスクシイミド ナトリウム(HMCS)等を挙げる
ことができる。また、4−イミダゾリル基を有する蛋白
質又は多糖化合物を結合させる固相は、例えばポリスチ
レン、ナイロン、ABS樹脂等のビーズ、ラテックス、
各種磁性粒子、ELISA用のマイクロプレートのウエ
ル等を挙げることができる。この固相に4−イミダゾリ
ル基を有する蛋白質又は多糖化合物を結合させるには、
物理吸着法、化学結合法等を採用するこができる。物理
吸着法は、緩衝液中で前記固相に前記4−イミダゾリル
基を有する高分子結合物を混合し吸着させるこにより行
うことができる。この反応に使用する緩衝液としては、
リン酸緩衝液、トリス−塩酸緩衝液、炭酸緩衝液等であ
る。反応は、両者を4℃〜40℃、好ましくは37℃付
近で混合することにより容易に進行し、目的物を得るこ
とができる。また、化学結合法は、いわゆるペプチド結
合法におけるカルボジイミド法を採用するこができる。
さらにその他の化学結合法としては、グルタールアルデ
ヒドや塩化シアヌル等の二価性架橋剤の存在下に行うこ
ともできる(「ペプチド合成法」丸善株式会社(昭和5
0年発行)及び「酵素免疫測定法」共立出版株式会社、
「蛋白質・核酸・酵素」別冊第31号(1987年)参
照)。
【0014】また、抗ヒスタミン抗体の標識物には、例
えば酵素、発光物質、放射性同位元素等を用いることが
できるが、通常は安定で取扱いが容易であり、高感度測
定が可能な酵素を用いることが好ましい。これらの標識
物の測定は、それぞれ公知の酵素免疫測定法(EI
A)、化学発光法、放射免疫測定法(RIA)等に従い
行うことができる。
【0015】この抗ヒスタミン抗体は、4−イミダゾリ
ル基を有する蛋白質又は多糖化合物を認識する抗体であ
ればよく容易に入手可能なポリクローナル抗体又はモノ
クローナル抗体である。さらにこれらの抗体はF(a
b’)2 、Fab’、Fab等の抗体フラグメントであ
ってもよい。モノクローナル抗体は、ケラー、ミルシュ
タインらの方法に従い例えばヒスタミンのアミノ基に蛋
白質又は多糖化合物を結合させた免疫原誘導体、前記4
−イミダゾリル基を有する蛋白質又は多糖化合物等をマ
ウスに注射した後、常法により免疫マウス脾臓細胞を取
り出しミエローマ細胞と融合してハイブリドーマを得、
このハイブリドーマからモノクローナル抗体を得ること
ができる(ネイチャー第266巻、550頁〜552頁
(1977年)参照)。また抗体の標識に用いる酵素と
しては、例えばパーオキシダーゼ、アルカリ性ホスファ
ターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダー
ゼ等を挙げることができる。酵素を抗体へ標識する方法
は、公知の化学結合方法等を利用して容易に行うことが
できる(「蛋白質・核酸・酵素」別冊第31号(198
7年)共立出版株式会社参照)。
【0016】この標識酵素の活性測定に用いる基質は、
酵素に対応した化合物であり、例えば3,3’,5,
5’−テトラメチルベンチジン(TMB)、2,2’−
アジノジ(3−エチルベンズチアゾリン)−6’−スル
ホン酸(ABTS)、ルミノール−過酸化水素(パーオ
キシダーゼ用)、p−ニトロフェニルホスフェート、メ
チルウンベリフェニルホスフェート,3−(2’−スピ
ロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3”−ホスフ
ォリルオキシ)フェニル−1,2−アダマンタン二ナト
リウム塩(AMPPD)(アルカリ性ホスファターゼ
用)、P−ニトロフェニル−β−D−ガラクトース、メ
チルウンベリフェリル−β−D−ガラクトース(β−ガ
ラクトシダーゼ用)等の発色基質、蛍光基質、発光基質
等を使用することができる。測定は、4〜40℃で酵素
と基質との反応を行い、生じた発色、蛍光、発光量を検
出装置により行うことができる。これらの測定法は、公
知の発色法、蛍光法又は発光法のEIAであり、検出装
置としては、例えば分光光度計、蛍光光度計、フォトン
カウンター等を用い行うことができる。
【0017】化学発光測定法は、例えばイソルミノール
誘導体、アクリジニウムアシルスルホンアミド誘導体、
アクリジニウムエステル誘導体等の化学発光物質を標識
物質とし、抗体に標識して用いることができる。また放
射免疫測定法は、前記標識物質の代わりに 125I、トリ
チウム等の放射性同位元素をボルトンハンター試薬等を
用い抗体に標識した試薬を用いて反応を行った後、放射
活性の測定を行うものである。
【0018】また、本発明においては、前記ヒドラジノ
基、アミノ基若しくはチオール基を有する蛋白質又は多
糖化合物を前記物理吸着法、化学結合法等により前記し
た固相に結合させた試薬を用い、ヒスタミンを酸化させ
て得られる4−イミダゾリルアセトアルデヒドを反応さ
せた後、固相に結合した4−イミダゾリルアセトアルデ
ヒドを測定することによりヒスタミンの測定を行うこと
ができる。この測定は、前記標記抗ヒスタミン抗体を用
た方法に従い標識物の測定を行うこにより実施すること
ができる。
【0019】さらに、4−イミダゾリル基を有する蛋白
質又は多糖化合物の測定において、蛋白質が酵素の場合
には、例えば前記抗ヒスタミン抗体を固相に結合させた
試薬を用いて反応を行い、固相に結合した4−イミダゾ
リル基を有するの酵素の活性を測定することによりヒス
タミンの測定を行うことができる。この抗ヒスタミン抗
体結合固相は、前記した固相を用い、この固相へ抗体を
前記物理吸着法、前記化学結合法等により結合させるこ
とにより製造することができる。また、4−イミダゾリ
ル基を有する酵素と抗ヒスタミン抗体結合固相との反応
は、通常4℃〜40℃、好ましくは37℃付近で混合す
ることにより行うことができる。さらに酵素活性の測定
は、前記したEIAと同様に酵素に対応した基質を用い
行うことができる。
【0020】
【実施例】以下実施例及び参考例により本発明をさらに
詳細に説明する。
【0021】実施例 1 イミノチオラン化KLHの作
製(M2 2 H法) キーホール・リンペット・ヘモシアニン(KLH,ピア
ス社)1バイアル(20mg/ml)を精製水2mlで
復元し、200mM炭酸緩衝液(pH=8.2,1mM
EDTA2Naを含む)で平衡化したPD−10(ファ
ルマシア社製)カラムを用いて緩衝液の置換を行った。
この緩衝液で置換をしたKLH溶液3mlに、イミノチ
オラン20mg(シグマ社製)を加え、37℃で30分
間攪拌し反応させた。反応終了後、限界濾過膜(セント
リプレップ、ミリポア社)を用いて1mlまで濃縮し、
この濃縮したイミノチオラン化KLHを50mMリン酸
緩衝液(pH=7.0,1mMEDTA2Naを含む)
で平衡化したPD−10カラムを用いて分画し未反応の
イミノチオランを除き、イミノチオラン化KLHを得
た。
【0022】実施例 2 ヒドラジノ化KLHの作製
(PDPH法) 実施例1で作製したイミノチオラン化KLH溶液5ml
にジメチルスルホキシドに溶解したPDPH(10mg
/ml)を少しづつ加え、25℃で2時間反応させた。
反応後、50mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を用い
て透析し、ヒドラジノ化KLHを得た。
【0023】実施例 3 ジアミンオキシダーゼの精製 エンドウ豆1Kgを一昼夜蒸留水に浸し十分に水分を吸
わせた後、十分に蒸留水を含ませた脱脂綿を敷き詰めた
平らな浅い容器にエンドウ豆を均等にばらまき、25℃
の暗所で8日間放置した。発芽したエンドウ豆の根と芽
を取り除き豆のみをミキサーに入れ、更に50mMリン
酸緩衝液(pH=5.8)2リットルを加えスラリー状
になるまですり潰した。スラリーに硫安を1.3Mとな
るように加え、4℃で2時間攪拌した。その後、遠心機
を用いて不溶成分を取り除いた。得られた澄明な上澄み
を疎水クロマト担体(フェニルセファロース、ファルマ
シア社製)に流し50mMリン酸緩衝液(pH=5.
8)で目的であるジアミンオキシダーゼ(DAO)を溶
出させた。DAO活性は、ヒスタミン(100μm水溶
液)を基質として用い、生成する過酸化水素をトリフェ
ニルメタン化合物とパーオキシダーゼとを用いる発色法
(特開平5−229993号参照)によって波長500
/405で測定した。さらに得られたDAO活性分画を
限外濾過膜(アミコン社)を用いて濃縮した。このDA
Oをスーパーデックス−200(superdex−2
00)のゲル濾過担体を用いて更に精製した。得られた
DAOは、前記DAO活性の測定法に従い測定し、その
結果を図1及び図2に示す。
【0024】参考例 1 4−イミダゾリルアセトアル
デヒドの生成確認試験 ヒスタミンを0、50、500又は5000nMを含む
各溶液に実施例3で製造したDAO(5000mU/m
l)100μlを加え37℃の恒温槽で15分間反応さ
せた。反応後アルデヒド体のラベル化剤である1,2−
ジアミノ−4,5−ジメチトキシベンゼン(同仁化学)
10mM溶液(100mMリン酸緩衝液,pH5.4)
100μlを加え、直ちに蛍光光度計により340/3
92nmの蛍光を測定した。この結果を表1に示す。こ
の結果からアルデヒド基の生成を確認することができ
る。
【0025】
【表1】
【0026】実施例 4 4−イミダゾリル基を有する
KLHの作製 実施例2で作製したヒドラジノ化KLH(500μg/
ml,50mMリン酸緩衝液pH=7.0)1mlに実
施例3で製造したDAOを終濃度が60mU/mlにな
るように加え、更にヒスタミン水溶液(100mM)を
終濃度が500μMとなるように添加し、37℃で15
分間反応させた。反応終了後、superdex−20
0を用いて未反応DAOを取り除き、4−イミダゾリル
基を有するKLHを得た。
【0027】実施例 5 抗原の固相化 実施例4で作製した、4−イミダゾリル基を有するKL
Hを10μg/mlとなるように、トリス塩酸緩衝液
(50mM、pH=8.2)で希釈し96ウエルのEL
ISAプレートに100μlづつ総てのウエルに分注し
た。このプレートを4℃の冷蔵庫で10時間放置した。
放置後、0.1%トライトンX−100を含むトリス塩
酸緩衝液(50mM,pH=7.5)で5回洗浄し、更
に1%BSAを含むトリス塩酸緩衝液(50mM,pH
=8.0)250μlを加え4℃で一昼夜放置してマス
キングし、固定化した抗原プレートを得た。
【0028】実施例 6 抗体の固相化1(ポリクロー
ナル抗体) 市販のウサギ抗ヒスタミンポリクローナル抗体(ケミコ
ン社)を1/100倍にリン酸緩衝液(50mM,pH
=7.0)で希釈し、96ウエルのELISAプレート
に100μlづつ総てのウエルに分注した。このプレー
トを4℃〜10℃の冷蔵庫内で10時間放置した。放置
後、0.1%トライトンX−100を含むトリス塩酸緩
衝液(50mM,pH=7.5)で5回洗浄し、更に1
%BSAを含むトリス塩酸緩衝液(50mM,pH=
8.0)250μlを加え4℃で一昼夜放置しマスキン
グした。マスキング後、0.1%トライトンX−100
を含むトリス塩酸緩衝液(50mM,pH=7.5)で
5回洗浄しこれを抗ヒスタミンポリクローナル抗体固相
とした。
【0029】実施例 7 ヒドラジノ基を有するアルカ
リ性ホスファターゼの作製 アルカリ性ホスファターゼ(オリエンタル社、以下AL
Pという)18mg/mlの溶液0.5mlをPD−1
0を用いて200mM炭酸緩衝液(pH=8.2、1m
MEDTA2Naを含む)に置換した。得られた溶液3
mlにイミノチオラン10mg(シグマ社製)を加え3
7℃の恒温槽で30分間攪拌しながら反応させた。反応
後、限界濾過膜(セントリプレップ、ミリポア社)で1
mlまで濃縮した。濃縮したイミノチオラン化ALPを
PD−10を用いて50mMリン酸緩衝液(pH=7.
0,1mMEDTA2Naを含む)に置換した。緩衝液
の置換と未反応イミノチオランを取り除いたイミノチオ
ラン化ALP溶液4mlにジメチルスルホキシドに溶解
したM2 2 H(10mg/ml)を少しづつ加え、室
温で2時間反応させた。反応終了後、50mM/MES
−NaOH緩衝液(pH=7.0,1mM塩化マグネシ
ウム)に対して透析し、ヒドラジノ基を有するアルカリ
性ALPを得た。
【0030】実施例 8 ヒスタミンの測定1 ヒスタミン標準液(0,0.05,0.5,5,50n
M)各100μlを実施例6で作製した96ウエルのE
LISAプレートに入れた。更に、各ウエルに実施例7
で作製したヒドラジノ基を有するALP100μg/m
lを50μl及び実施例3で得られたDAO(100m
U/ml)を50μl入れた。ELISAプレートを攪
拌し、37℃の恒温室で30分間放置した。
【0031】反応終了後、0.1%トライトンX−10
0を含むトリス塩酸緩衝液(50mM,pH=7.5)
で5回洗浄した。洗浄終了後、10mMp−ニトロフェ
ニルリン酸を含む1M−ジエタノールアミン−塩酸緩衝
液(1mM塩化マグネシウム入り)100μlを加え、
室温で30分間放置した。その後、1M水酸化ナトリウ
ム溶液50μl加え酵素反応を停止した。発色した各ウ
エルの吸光度をプレートリーダーを用いて波長405/
630nmで吸光度を測定した。その結果を図3に示
す。
【0032】実施例 9 ヒスタミンの測定2 ヒスタミン標準液(0,0.05,0.5,5,50n
M)各50μlを実施例5で作製した96ウエルのEL
ISAプレートに入れた。更に各ウエルに実施例2で作
製したヒドラジノ化KLH100μg/mlを50μ
l、市販抗ヒスタミン抗体(ウサギ,1/1000倍希
釈,1%BSAを含むトリス塩酸緩衝液pH=8.2)
50μl及び実施例3で製造したDAO(100mU/
ml)を50μl加えた。このELISAプレートを攪
拌し、室温で30分間放置した。反応後、0.1%トラ
イトンX−100を含むトリス塩酸緩衝液(50mM,
pH=7.5)で5回洗浄した。さらにALP標識抗ウ
サギ抗体(ヤギ,1/10,000倍希釈)を100μ
l加え室温で20分間放置した。その後了後、0.1%
トライトンX−100を含むトリス塩酸緩衝液(50m
M,pH=7.5)で5回洗浄した。洗浄後、10mM
p−ニトロフェニルリン酸を含む1M−ジエタノールア
ミン−塩酸緩衝液(1mM塩化マグネシウム入り)10
0μlを加え、室温で30分間放置した。その後、1M
水酸化ナトリウム溶液50μl加え酵素反応を停止し
た。発色した各ウエルの吸光度をプレートリーダーを用
いて波長405/630nmで吸光度を測定した。その
結果を図4に示す。
【0033】
【発明の効果】本発明の測定法は、検体中のヒスタミン
をアミンオキシダーゼで酸化して得られる化合物と蛋白
質又は多糖化合物とを反応させた後、その反応物を測定
することによって、30分間〜1時間でヒスタミンの測
定結果を得ることができる。さらに、従来のヒスタミン
測定法に比べて10倍以上の高感度な測定を行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いるジアミンオキシダーゼを疎水ク
ロマトグラフィー法で精製した時の結果を示す図であ
る。
【図2】本発明で用いるジアミンオキシダーゼをゲル濾
過法で精製した時の結果を示す図である。
【図3】ヒドラジノ基を有するアルカリ性ホスファター
ゼを用いてヒスタミンの標準液を測定したときの結果を
示す図である。
【図4】ヒドラジノ基を有するKLHを用いてヒスタミ
ンの標準液を測定したときの結果を示す図である。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒスタミンをアミンオキシダーゼで酸化
    反応させて得られる4−イミダゾリルアセトアルデヒド
    と、ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオール基を有す
    る蛋白質又は多糖化合物とを反応させて4−イミダゾリ
    ル基を有する蛋白質又は多糖化合物を得、それを測定す
    ることからなるヒスタミンの測定方法。
  2. 【請求項2】 アミンオキシダーゼがモノアミンオキシ
    ダーゼ又はジアミンオキシダーゼである請求項1記載の
    測定方法。
  3. 【請求項3】 蛋白質がアルブミン、キーホール・リン
    ペット・ヘモシアニン(KLH)又はカゼインである請
    求項1記載の測定方法。
  4. 【請求項4】 多糖化合物がアミロース又はキトサンで
    ある請求項1記載の測定方法。
  5. 【請求項5】 ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオー
    ル基を有する蛋白質又は多糖化合物が固相に結合した蛋
    白質又は多糖化合物である請求項1記載の測定方法。
  6. 【請求項6】 4−イミダゾリル基を有する蛋白質又は
    多糖化合物を標識抗ヒスタミン抗体で測定することから
    なる請求項3、4又は5のいずれかに記載の測定方法。
  7. 【請求項7】 標識が酵素である請求項6記載の測定方
    法。
  8. 【請求項8】 蛋白質が酵素であり、4−イミダゾリル
    基を有する酵素を抗ヒスタミン抗体結合固相で測定する
    ことからなる請求項1記載の測定方法。
  9. 【請求項9】 酵素が、パーオキシダーゼ、アルカリ性
    ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラク
    トシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナー
    ゼ、カタラーゼ又はウレアーゼである請求項8記載の測
    定方法。
  10. 【請求項10】 アミンオキシダーゼと、ヒドラジノ
    基、アミノ基若しくはチオール基を有する蛋白質又は多
    糖化合物と、標識抗ヒスタミン抗体とからなるヒスタミ
    ン測定用試薬。
  11. 【請求項11】 アミンオキシダーゼがモノアミンオキ
    シダーゼ又はジアミンオキシダーゼである請求項10記
    載の試薬。
  12. 【請求項12】 蛋白質がアルブミン、キーホール・リ
    ンペット・ヘモシアニン(KLH)又はカゼインの蛋白
    質である請求項10記載の試薬。
  13. 【請求項13】 多糖化合物がアミロース又はキトサン
    である請求項10記載の試薬。
  14. 【請求項14】 ヒドラジノ基、アミノ基若しくはチオ
    ール基を有する蛋白質又は多糖化合物が固相に結合した
    蛋白質又は多糖化合物である請求項10記載の試薬。
  15. 【請求項15】 標識が酵素である請求項10に記載の
    試薬。
  16. 【請求項16】 アミンオキシダーゼと、ヒドラジノ
    基、アミノ基若しくはチオール基を有する蛋白質又は多
    糖化合物と、抗ヒスタミン抗体結合固相とからなる試
    薬。
  17. 【請求項17】 アミンオキシダーゼがモノアミンオキ
    シダーゼ又はジアミンオキシダーゼである請求項16記
    載のヒスタミン測定用試薬。
  18. 【請求項18】 蛋白質が酵素である請求項16記載の
    試薬。
  19. 【請求項19】 酵素がパーオキシダーゼ、アルカリ性
    ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラク
    トシダーゼ、グルコース−6−リン酸デヒドロゲナー
    ゼ、カタラーゼ又はウレアーゼである請求項18記載の
    ヒスタミン測定用試薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010522323A (ja) * 2007-03-21 2010-07-01 ユニバーシティー プトラ マレーシア ヒスタミン測定用の電流測定バイオセンサー

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