JPH0829694B2 - フラッシュ点火システム - Google Patents

フラッシュ点火システム

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JPH0829694B2
JPH0829694B2 JP4003629A JP362992A JPH0829694B2 JP H0829694 B2 JPH0829694 B2 JP H0829694B2 JP 4003629 A JP4003629 A JP 4003629A JP 362992 A JP362992 A JP 362992A JP H0829694 B2 JPH0829694 B2 JP H0829694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の受動身体拘束
式膨張可能な衝突保護エアバッグ又はクッションを膨ら
ます目的でガス発生のために固体燃料ガス発生材化合物
の燃焼を用いるタイプのガス発生器又は空気ポンプを点
火する機構の改良に関する。本発明は、自動車の同乗者
側に具備されるガス発生器内で使用するのに特に有利で
ある。
【0002】
【従来の技術】標準的には、エアバッグガス発生器又は
空気ポンプ内で用いられる固体燃料ガス発生材料は、ペ
レット又はウェーハの形をしている。同乗者用エアバッ
グの空気ポンプの長さからみて、この空気ポンプの長さ
全体にわたり均等にこのようなガス発生材料を点火する
よう作動する点火システムを提供することは、きわめて
困難かつ費用のかかることであった。高速爆燃コード
(RDC)及び「一番点火」の応用(ここでは固体燃料
ガス発生材料内で隣接して高速燃焼材料が置かれてい
る)が使用されているものの、これらは製造がむずかし
くしかも高価である。
【0003】従って、空気ポンプの長さ全体にわたって
均等に固体燃料ガス発生材料を点火するよう作動し、し
かも製造の容易さ及びその製品コストの低減を特徴とす
るような同乗者用エアバッグ空気ポンプのための改良型
点火システムに対する必要性及び需要が存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固体
燃料ガス発生材料を含む細長い燃焼室をもつエアバッグ
のガス発生器又は空気ポンプ内で特に有効な改良型点火
システムを提供することにある。本発明のもう1つの目
的は、中のガス発生材料の全てを瞬間的に従って均等に
点火するため細長い空気ポンプの燃焼室の長さ全体にわ
たって瞬間的に発火フラッシュを生成するような改良型
点火システムを提供することにある。
【0005】本発明のさらに限定的な目的は、生成され
たガスを保護バッグに導くためのアパーチャ手段を中に
有する管状部分を伴いしかも固体燃料ガス発生材料を中
に収納する細長いチャンバを有する管状チャンバを含
む、衝突発生時点で車両の構造との衝撃から同乗者を緩
衝するため保護バッグの膨張を行なうのにこの固体燃料
ガス発生材料を用いるガス発生器の中で使用するための
フラッシュ点火システムにおいて、中の固体燃料ガス発
生材料がそのイグナイタ管をとり囲む形でチャンバの長
さ全体にわたり分布している状態で管状ハウジング内の
細長いチャンバ内に位置づけされている細長い有孔イグ
ナイタ管、このイグナイタ管の第1の端部に隣接する管
状ハウジング内に位置づけされた爆発性の BKNO3粉末を
含む手段、及びこの爆発性 BKNO3粉末を点火するための
イグナイタ手段、を含み、前記イグナイタ管は第1の端
部と第2の端部を有し、リン酸鉄でコーティングされて
いるかアルミメッキされさらにその上にBKNO3 のコーテ
ィングが被着されている炭素鋼で構成されていることを
特徴とするフラッシュ点火システムを提供することにあ
る。
【0006】本発明のもう1つの目的は、製造の容易さ
及び経済性を特徴とする改良型点火システムを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的及
びその他の目的を達成する上で、同乗者用自動車エアバ
ッグ身体拘束システムのガス発生器内で使用するのに特
に有効な点火システムが提供される。この点火システム
は、特別に処理され、細長い形の空気ポンプで燃焼室の
ほぼ全長にわたって延びているフラッシュイグナイタ管
を含む。このイグナイタ管は、燃焼室内にこれと同心的
に位置づけされ、標準的にはペレット又はウェーハ形状
のものである固体ガス発生材料の装てん物によってとり
囲まれている。燃焼室は、イグナイタ管及び管状有孔外
側ハウジングとの関係において同心的に位置づけされて
いる内側有孔管又はバスケットによりその長さ全体にわ
たって密閉されている。管状外側ハウジングの内側壁と
有孔バスケットの間の空間内には、スクリーンパック又
はガスろ過アセンブリ及びスペーサスクリーンが具備さ
れている。複数の有孔フラッシュイグナイタディスク
が、燃焼室内にこのチャンバをとり囲む形で位置づけさ
れていてもよい。
【0008】フラッシュイグナイタ管は、有孔炭素鋼又
は管内に巻き込まれ溶接された炭素鋼であってよい。い
ずれの場合でも、フラッシュイグナイタ管は、管の表面
を適切に下塗りするためリン酸鉄でコーティングされて
いるか又はアルミメッキされており、次に、水40% B
KNO3粉末60%の混合物から成る溶液中に浸漬しその後
それを空気乾燥させることによって処理されBKNO3 のコ
ーティングを以下に記述するようにその表面上に被着さ
せる。管の表面の下塗りは、それに対するBKNO 3 被着物
の付着力を促進する。
【0009】フラッシュ点火システムは、ガス発生器の
燃焼チャンバの長さ全体にわたり瞬間的に発火フラッシ
ュを与えるように活化された時点で作動可能である。こ
のような点火フラッシュは、燃焼室の長さに沿って分布
したガス発生材料全ての同時点火を生成する。本発明の
一実施態様においては、衝突センサを含む電気付勢回路
から供給された電流は、イグナイタ管の片端に具備され
た BKNO3粉末の装てん物の中へと導火線又は起爆剤を活
化させるか又はそれに着火する。火は、ガス発生器のベ
ース及び導火線ホルダーにより BKNO3溶液に浸漬された
イグナイタ管を下へと導かれる。イグナイタ管からの急
速な発火フラッシュは、ガス発生材料及びこの材料と接
触した状態でイグナイタ管に沿って位置づけされている
間隔どりされた BKNO3ディスクを点火する。ガス発生材
料からの高温ガスは、エアバッグの膨張のためガス発生
器の外側管状ハウジングから出る前にスクリーンパック
アセンブリにより冷却されろ過される。
【0010】本発明のもう1つの実施態様においては、
電気的手段の代わって花火技術によって衝突に応答して
起爆剤又は導火線を活化できるということが考えられて
いる。このような花火技術手段は先行技術において既知
のものであり本発明の一部を成すものでないことから、
それについてのさらに詳しい説明はここでは行なわな
い。
【0011】本発明を特徴づけしている新規性のさまざ
まな特性は、明細書に付加されその一部を成しているク
レームの中で特に指摘されている。本発明、その作動上
の利点及びその使用により達成される特定の目的により
良く理解するためには、本発明の好ましい態様が例示さ
れている添付図面及び記述事項を参照されたい。本発明
についてのこの記述の後には、明細書の一部を成し同様
の部品が同じ参照番号で示されている添付図面を参照し
た詳細な説明を記す。
【0012】
【実施例】図面の図1で10という番号で示されたガス
発生器は、エアバッグ(図示せず)を含む自動車クッシ
ョンシステム内での使用に応用できる。空気ポンプ(ガ
ス発生器であり、インフレータとも呼ばれる)10は、
車のダッシュボードの中又は上に適切な形で取りつけら
れ、車の同乗者側での使用のために特に適合されてい
る。
【0013】図示されているガス発生器10は細長い。
一実施態様において、発生器10の長さは11.82イ
ンチ(30.02cm)、全体の直径は2.43インチ
(6.17cm)である。発生器10のための細長い管状
外側ハウジング12はアルミニウムで作られていてもよ
い。その長さの大部分について、外側ハウジングは薄い
円筒形の壁を有しており、その中に穴14の複数のガス
出口が具備されている。
【0014】ハウジング12の一方の端部16は、図1
に示されているようにそれと一体化された形で形成され
うるベース部材18により閉鎖されている。ハウジング
12のもう一方の端部20は、導火線ホルダー及びベー
ス部材22によって閉鎖されている。部材22は、溶接
24により示されているようなイナーシア溶接によるも
のといった適切なプロセスによりハウジング12の端部
に密封する要領でとりつけることができる。使用可能な
溶接プロセスは、本発明の譲渡人に対して譲渡されその
開示が参考として本書に内含されているAdam他に対する
米国特許第4,547,342号の中に記されている。
ベース部材22の内側表面の周囲に隣接して円形リッジ
26があり、これはこのプロセス中にハウジング12の
隣接する端部に溶接される。
【0015】全体として管状部材12と同心になるよう
な形で、細長く全体として円筒形の有孔管状部材28が
全体として管状部材12の長さ全体にわたって延び管状
部材12の中心に位置づけされている。部材28は、リ
ン酸塩でコーティングされているか又はアルミメッキさ
れた炭素鋼で構成されていてよい。以下に記述する要領
での処理の後、部材28はフラッシュイグナイタ管とし
て機能し、以下そのように呼ばれる。
【0016】管口ケータキャップ30がベース部材18
の内側に隣接して位置づけされ、保持用ディスク及び管
口ケータキャップ32がベース部材22の内側に隣接し
て位置づけされており、フラッシュイグナイタ管28を
所定の場所に保持すべくその位置づけを容易にしてい
る。このディスク32は同様に、イナーシア溶接作業中
にハウジング12との関係において旋回するベース部材
22から適切に間隔どりされた状態で、組立て作業の間
ハウジング12内の所定の位置にガス発生材料34を保
つためにも用いられる。
【0017】同様に全体として管状ハウジング12の長
さ全体にわたって延びその中に同心的に位置づけされて
いるのは、軟鋼又はその他の材料で構成されていてよい
細長い有孔円筒管又はバスケット36である。バスケッ
ト36は、ロケータキャップ30内のクリンプ(折れ曲
り)38及びディスク及びロケータキャップ32内のク
リンプ40を用いてフラッシュイグナイタ管28及びハ
ウジング12との関係において同心的に位置づけされて
いる。
【0018】ガス発生材料34は、フラッシュイグナイ
タ管28とバスケット36の間で、図2を見れば最も良
くわかるように環状断面をもつ細長い空間又は領域42
の中に収納される。この環状空間42は空気ポンプ10
の燃焼又はガス発生材チャンバを形成しており以下その
ように呼ぶ。生成されたガスは、燃焼室42から有孔バ
スケット36内の孔44を通してバスケット36とハウ
ジング12内側壁の間の環状空間46内へと流れる。ガ
スろ過アセンブリ48が環状空間46内に位置づけされ
ている。ろ過アセンブリとハウジング12の内壁の間に
は、0.004インチ(0.010cm)の厚みを有しう
るヒートシールフォイルバリヤ50が位置づけされてい
る。
【0019】ガスろ過アセンブリの断面は環状であり、
一例としては、最も内側の層から始まってバスケット3
6の隣りに、ニッケルコーティングの施された炭素又は
ステンレス鋼の30メッシュのスクリーン2巻き、次に
80×700又は50×250メッシュのステンレス鋼
又は40×180メッシュのニッケルコーティングの施
こされた炭素といった金属フィルター、次に0.080
インチ(0.020cm)の厚みのセラミックフィルタペ
ーパー1巻き、それに続いて30メッシュのステンレス
鋼又はニッケルコーティングの施こされた炭素が含まれ
ていてよいが、これらに制限されるわけではない。最後
に、生成されたガスが自由に通過できるよう中の出口通
路又は穴14のまわりに空間を残すためハウジング12
の壁に隣接して5メッシュのステンレス鋼又はニッケル
コーティングが施こされた炭素を1巻き具備することが
できる。しかしながら、ガスろ過アセンブリ48は、そ
の他の適切なあらゆるろ過装置を収納しうる。
【0020】燃焼室42内の有孔バスケット36の内側
壁に隣接して、30メッシュのニッケルコーティングさ
れた炭素又はステンレス鋼の冷却スクリーン(図示せ
ず)を2〜3巻き配置することもできる。燃焼室42内
には、図1においてペレット52の形をしているものと
して示されている固体の火工品材料の装てん物を含むガ
ス発生材料34が配置されている。ペレット52は、前
述の米国特許第4,547,342号に開示されている
ガス発生材料のペレットに類似したものであってよい。
【0021】30メッシュの炭素鋼スクリーンから成る
適切に間隔どりされたフラッシュイグナイタディスク5
4は、燃焼室42内に半径方向に位置づけされうる。フ
ラッシュイグナイタディスク54は、燃焼室42のそれ
ぞれ内径及び外径と同じである内径及び外径をもつ座金
形状を有していてよい。換言すると、ディスク54は、
半径方向平面内で切りとった燃焼室42の断面とほぼ同
じ形状をしている。
【0022】ガス発生材料34は、燃焼速度、無毒性及
び火炎温度の必要条件を満たす数多くの化合物のうちの
1つであってよい。使用可能な1つの化合物は、Schnei
ter他に対する米国特許第4,203,787号に記さ
れているものである。有利に用いられうるもう1つの化
合物は、Shawに対する米国特許第4,369,079号
に記されているものである。本書中に参考としてその開
示が内含されているこれらの特許は両方共、本発明の譲
渡人に譲渡されている。
【0023】本発明は、ガス発生材料34の特定のいか
なる組成又は幾何形状にも制限されていない。従って、
ガス発生材料34は、並んだ列状に互いに離隔された形
で配置されている複数のウェーハで構成されていてもよ
い。図示されていないウェーハは、環状燃焼室42のそ
れぞれ内径及び外径と全体として同じである内径及び外
径をもつ、フラッシュイグナイタディスク54と同様の
座金形状を有していてもよい。
【0024】ベース部材22の外表面上のアパーチャ5
6の中には、適切な保持用バネ(図示せず)を含む適切
なプラスチック製の短絡用クリップ58が押し込まれて
いる。この短絡用クリップ58は、本書にその開示が参
考として内含されているBudde に対する米国特許第4,
369,707号に開示されているものと類似のもので
あってよい。適当な導火線62を含む起爆剤アセンブリ
60がクリップ58の中に固定され、フラッシュイグナ
イタ管28の隣接する端部内に延びている。この導火線
62は、空気ポンプ10の点火を開始させるためベース
部材から電源まで外向きに延びる電気引込み線(図示せ
ず)へ、64として一方が示されている一対の端子によ
って接続されている。
【0025】起爆剤アセンブリ60内に含まれているの
は、急速点火及び無毒性についての必要条件を満たすさ
まざまな化合物のいずれであってもよい適切な火工品材
料66である。この用途のための標準的な材料は BKNO3
粉末であることも考えられる。火工品材料66は導火線
62によって点火可能である。フラッシュイグナイタ管
28の隣接する端部と心合せされた状態でベース部材1
8の内側壁の中のリセス70中にコンテナ68が具備さ
れている。コンテナ68は、本書に参考として包含され
ている本発明の譲受け人に譲渡されたAdams 他に対する
米国特許第4,561,675号内に開示されている自
己点火装置に類似した自己点火装置を構成すべく、自己
発火粉粒体72を保持又は収納している。この粉粒体7
2は、この自己発火装置が具備されていなかったならば
火工品が点火するであろう約650°Fの温度に代え
て、たき火程度の約350°Fの高温環境に装置がさら
されたときに、空気ポンプ10内の火工品を機能させ得
るように発火可能である。このため、空気ポンプハウジ
ング12のためにアルミニウムを用いることが可能とな
る。アルミニウムは、350°Fの温度では生成される
ものの650°Fでは生成されない内部自己発火圧力を
受容するのに充分な高温特性を有するのである。ハウジ
ング12は好ましくは、ガス発生器10の重量を最小限
におさえるためアルミニウムで構成される。
【0026】制限的な意味のない一例として、フラッシ
ュイグナイタ管28は、リン酸鉄でコーティングされた
か又はアルミメッキされしかもその円筒壁に穴あけする
ことにより孔が導入されている外径3/8インチ(0.
95cm)の炭素鋼製の長さ11インチ(27.94cm)
の21ゲージの中空円筒形本体を含んでいる可能性があ
る、ということに留意されたい。代替的には、同様に1
1インチ(27.94cm)の長さをもつフラッシュイグ
ナイタ管28を3/8インチ(0.95cm)の外径をも
つ管の中に巻き込まれ溶接された、リン酸鉄でコーティ
ングされたか又はアルミメッキされた30メッシュの炭
素鋼スクリーンで作ることも可能である。
【0027】本発明に従うと、上述のようなフラッシュ
イグナイタ管28は、空気ポンプ10内に組込まれる前
に、水40%、 BKNO3粉末60%の攪拌混合物を含む溶
液中で処理されている。効率及び経済性の理由から、同
時に複数のフラッシュイグナイタ管をこのように処理す
ることが望ましい。従って、図4,5及び6に示されて
いるように、間隔どりされたフラッシュ管28の列、限
定的にはこのような管5本の列が、上述の割合での水と
BKNO3 の攪拌混合物を含むタンク74の中で浸漬され
る。約2ミリセカンドの遅延の後、フラッシュイグナイ
タ管28の列はタンク74から引き抜かれ、図7に示さ
れているように循環する暖気の中で乾燥させられる。
【0028】上述のように単一の浸漬の結果、外径3/
8インチ(0.95cm)で長さ11インチ(27.94
cm)のフラッシュイグナイタ管28の上に約3.5グラ
ムのBKNO3 の被着が得られるということに留意された
い。空気乾燥された後、タンク74内での2回目の浸漬
は管28上にさらに約3.5グラムのBKNO3 のコーティ
ングを付加することになる。
【0029】フラッシュイグナイタディスク54は、直
径0.55インチ(1.40cm)の穴を有する外径1.
40インチ(3.56cm)に合わせて打抜き加工又は成
形された30メッシュの炭素鋼スクリーンで作られてい
てよい。このディスク54は、幅0.06インチ(0.
15cm)でリッジ成形され、同様にリン酸鉄コーティン
グが施されている。フラッシュイグナイタディスク54
を溶液処理するための浸漬プロセスは、フラッシュイグ
ナイタ管28のためのものと類似したものであってよ
い。このような処理を待つ5枚のフラッシュイグナイタ
ディスク54の列が、図8に示されている。
【0030】空気ポンプ10の作動中、フラッシュイグ
ナイタ管28、フラッシュイグナイタディスク54及び
起爆剤アセンブリ60を含むフラッシュ点火システム
は、ガス発生材料34を点火するため瞬間的な発火フラ
ッシュを生成する。この発火フラッシュはガス発生チャ
ンバ42の長さ全体にわたって同時にガス発生材料の全
てのペレット52に対し瞬間的点火を提供する。
【0031】システムの機能を、図1を参照しながら説
明する。衝突センサ(図示せず)から導火線62のコネ
クタピン64へと供給された電流は、爆発性 BKNO3粉末
内へ向かって起爆剤を点火する。火は、導火線ホルダ及
びベース部材22により、BKNO3 溶液浸漬されたフラッ
シュイグナイタ管28を下へと導かれる。フラッシュイ
グナイタ管28からの急速な発火フラッシュは、BKNO3
浸漬されたイグナイタディスク54及びガス発生材ペレ
ット52を点火し、燃焼室42の長さに沿って同時に高
温ガスを急速に生成させる。ガス発生材ペレット52か
らの高温ガスは、エアバッグの膨張のため出口又は穴1
4を通って空気タンク10から出る前に、スクリーンパ
ックろ過アセンブリ48により冷却されろ過される。
【0032】浸漬されたすなわち溶液処理されたフラッ
シュイグナイタディスク54を用いることなくいくつか
の形態の空気ポンプ10をうまく作動させることも可能
であることがわかっている。従って、本発明によると、
その燃焼室の長さ全体にわたり均等にガス発生材を点火
すべく作動する、標準的には細長い同乗者用エアバッグ
空気ポンプのための、改良型点火システムすなわちフラ
ッシュ点火システムが提供された。本発明のフラッシュ
点火システムは、製造の容易さ及びその製造コストの低
減を特徴とする。
【0033】本発明に関するこの詳細な説明により、当
業者は、本発明の精神から逸脱することなく本発明に修
正を加えることができるということがわかることだろ
う。従って本発明の範囲を図示され記述されてきた特定
の実施態様に制限しようとしているわけではなく、むし
ろ、本発明の範囲を冒頭のクレーム及びその等価物によ
って決定しようとするのが意図されたところである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフラッシュ点火システムが実施された
ガス発生器の縦断面図である。
【図2】ライン2−2に沿って切りとった図1の空気ポ
ンプの断面図である。
【図3】図1の左端部から見た場合の空気ポンプの端面
図である。
【図4】本発明に従った溶液処理のために準備された5
本のフラッシュイグナイタ管の列を示す図である。
【図5】処理のためフラッシュイグナイタ管を浸漬すべ
き攪拌された BKNO3溶液を含むタンクを示す図である。
【図6】図5のタンク内の溶液中に沈められた5本のフ
ラッシュイグナイタ管の列を示す図である。
【図7】図6のタンク内の溶液から引き出した後空気乾
燥されているフラッシュイグナイタ管の列を示す図であ
る。
【図8】図7のフラッシュイグナイタ管に与えられた処
理と類似した要領で BKNO3溶液の中で処理すべき5枚の
フラッシュイグナイタディスクの列を示す図である。
【符号の説明】
10…ガス発生器 12…管状外側ハウジング 14…穴 18,22…ベース部材 26…円形リッジ 28…有孔管状部材(フラッシュイグナイタ管) 30,32…管口ケータキャップ(ディスク) 34…ガス発生材料 36…バスケット 42…環状空間(燃焼室) 44…穴 48…ガスろ過アセンブリ 50…ヒートシールフォイルバリヤ 52…ペレット 54…フラッシュイグナイタディスク 56…アパーチャ 58…クリップ 60…起爆剤アセンブリ 62…導火線 66…火工品材料 68…コンテナ 70…リセス 74…タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−63951(JP,A) 特公 昭57−29440(JP,B2) 米国特許4561675(US,A)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 衝突の際に車両構造との衝撃から同乗者
    を保護するために保護バッグを膨張させるための固体燃
    料ガス発生材料を使用するガス発生器に採用されるフラ
    ッシュ点火システムであって、ガス発生器が管状のハウ
    ジングを含み、管状ハウジングが細長いチャンバを有
    し、細長いチャンバが固体燃料ガス発生材料を包含し、
    管状ハウジングの管状部分がアパーチャ手段を有し、ア
    パーチャ手段が発生したガスを保護バッグに導くような
    ものにおいて、 管状ハウジングの細長いチャンバの中に位置決めされた
    細長い有孔イグナイタ管であって、イグナイタ管を囲む
    ような関係でチャンバ全長にわたって固体燃料ガス発生
    材料が分配されて成り、第1の端部と第2の端部を有す
    るイグナイタ管と、 イグナイタ管の第1の端部に隣接する管状ハウジング内
    に位置決めされる爆発性 BKNO3粉末を包含する手段と、 爆発性 BKNO3粉末を点火するためのイグナイタ手段、 とを含んで成り、 イグナイタ管は、炭素鋼から形成され、その表面は、BK
    NO3 のコーティングが付着し易いように適切に下地層が
    形成され、この下地層の上には、BKNO3 のコーティング
    が被着されていることを特徴とするフラッシュ点火シス
    テム。
  2. 【請求項2】 上記イグナイタ管表面の下地層は、リン
    酸鉄のコーティングから成ることを特徴とする請求項1
    記載のフラッシュ点火システム。
  3. 【請求項3】 上記イグナイタ管表面の下地層は、アル
    ミメッキから成ることを特徴とする請求項1記載のフラ
    ッシュ点火システム。
  4. 【請求項4】 上記イグナイタ管は、細長い中空の円筒
    状の本体から成り、その円筒壁には、穴が穿孔されるこ
    とを特徴とする請求項1記載のフラッシュ点火システ
    ム。
  5. 【請求項5】 上記イグナイタ管は、炭素鋼スクリーン
    を管状に丸くしてから溶接することによって形成されて
    成ることを特徴とする請求項1記載のフラッシュ点火シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 上記固体燃料ガス発生材料は、ペレット
    の形式を有していることを特徴とする請求項1記載のフ
    ラッシュ点火システム。
  7. 【請求項7】 上記管状ハウジングの細長いチャンバ内
    の細長いイグナイタ管に沿いこれを横断するようにして
    間隔を空けた関係で位置決めされた複数個のイグナイタ
    ディスクであって、 リン酸鉄でコーティングされた炭素鋼スクリーンから形
    成され、その上にBKNO3 のコーティングが被着されてい
    るイグナイタディスクを更に含むことを特徴とする請求
    項1記載のフラッシュ点火システム。
  8. 【請求項8】 上記ガス発生器の管状ハウジングは、ア
    ルミニウムで形成されており、 コンテナが備わっていない場合にガス発生材料が発火す
    るであろう約650°Fの温度ではなくて、その代わり
    に約350°Fの高温環境に管状ハウジングがさらされ
    るときに、ガス発生材料を点火させるために、イグナイ
    タ管の第2の端部に隣接する管状ハウジング内に位置決
    めされる自己発火粉粒体を保持するコンテナを更に含む
    ことを特徴とする請求項1記載のフラッシュ点火システ
    ム。
  9. 【請求項9】 上記ガス発生器の管状ハウジングは、ア
    ルミニウムで形成されており、 コンテナが備わっていない場合にガス発生材料が発火す
    るであろう約650°Fの温度ではなくて、その代わり
    に約350°Fの高温環境に管状ハウジングがさらされ
    るときに、ガス発生材料を点火させるために、イグナイ
    タ管の第2の端部に隣接する管状ハウジング内に位置決
    めされる自己発火粉粒体を保持するコンテナを更に含む
    ことを特徴とする請求項7記載のフラッシュ点火システ
    ム。
  10. 【請求項10】 衝突の際に車両構造との衝撃から同乗
    者を保護するために保護バッグを膨張させるための固体
    燃料ガス発生材料を使用するガス発生器に有用なフラッ
    シュ点火システムに用いられるイグナイタ管の製造方法
    であって、 (a)BKNO3 のコーティングを上に被着させるため、水
    40%、 BKNO3粉末60%の溶液を含む攪拌されるタン
    ク内で、少なくとも1つの炭素鋼製で、かつリン酸鉄コ
    ーティング又はアルミメッキの施された有孔管を浸漬さ
    せるステップと、 (b)約2秒の間隔をおいた後、タンクから有孔管を取
    り出すステップと、 (c)空気乾燥を行なうために有孔管に暖気を循環させ
    るステップ、 とを含むことを特徴とする製造方法。
  11. 【請求項11】 (d)少なくとも1つのイグナイタデ
    ィスクをイグナイタ管に沿いこれを横断するように位置
    決めするステップを更に含んで成り、 斯かるイグナイタディスクは、BKNO3 のコーティングを
    被着させるために、上記ステップ(a)、(b)、及び
    (c)で規定される工程で処理されることを特徴とする
    請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記ステップ(a)、(b)、及び
    (c)を繰返すステップを更に含んで成ることを特徴と
    する請求項10記載の製造方法。
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