JPH0829583B2 - 磁気加圧式のスクィージを備えた塗工機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明の対象は、磁気加圧式のスクィージを備えた塗
工機である。塗工機とは、捺染機、たとえばフラットス
クリーン捺染機またはロータリスクリーン捺染機ならび
に全面塗工式の、つまり模様付けなしに塗工する塗工機
を意味する。塗工の行なわれる基板は、商品ウェブ、つ
まり面状の織布製品、たとえば繊維材料、紙、プラスチ
ック等である。また前記基板は、カーペットまたは別の
床張り材、壁張り材等、薄板ウェブまたは伝達ベルトで
あってもよい。いずれの場合にも、塗工過程は、本発明
による塗工機に組み込まれた少なくとも１つの塗工装置
と、基板との間での相対運動と相まって行なわれる。

塗工を行なう構成部分は磁力によって基板もしくはス
クリーン型に加圧される。このような構成部分はローラ
スクィージ、掻取りスクィージ、ドクタナイフ等であっ
て、磁化可能な材料から成っているか、または場合によ
っては磁化可能な材料から成る成分を備えている。

本発明の課題は、塗工機で商品ウェブ（基板）を、塗
工過程にとって要求される最適な平面位置にもたらすこ
とである。このことは、従来の公知先行技術では不可能
である。なぜならば、塗工機内で基板商品ウェブが塗工
装置の手前もしくは背後において多かれ少なかれ常時垂
れ下がってしまうからである。このような基板商品ウェ
ブの垂下がりは塗工過程の品質を損なう。このことは特
にフラットスクリーン捺染機においてマグネットスクィ
ージ式塗工装置が使用される場合に言える。このような
捺染機では、塗工過程が、互いに逆向きの２つの運動方
向でそれぞれ交互に行なわれる。これにより、各運動方
向においてかつ各塗工部分区間の各移動区間区分におい
て、種々異なる垂下がり状態が生じ、ひいては磁力を形
成する装置と、小幅のテーブル（このようなマグネット
テーブルの代わりに、マグネットローラも可能である）
と、塗工過程の間に基板商品ウェブに接触するスクリー
ン下面との間に種々異なる接触区間もしくは接触時間が
生じてしまう。

このような機能欠点もしくは構造欠点は塗工機で基板
ウェブを調節することによっても、また塗工機に、基板
ウェブが載置されるエンドレスなコンベヤベルトを装備
することによっても回避不可能である。このことは、ロ
ープ張設およびロープ垂下がりに関する、物理学的に既
知の原則により実証されている。

塗工機に設けられたマグネットテーブル式塗工装置に
は、多数の変化構成が知られているので、この塗工機に
関する詳しい説明は省略し、以下に本発明の対象を説明
する。

磁気加圧式の塗工装置を備えている塗工機、特に前記
構造のフラットスクリーン捺染機は既に数十年来世界市
場に広く普及されており、しかも前で説明した構造欠点
および機能欠点を有効に取り除く目的で、既に多くの努
力がなされているが、しかし現在まで十分に満足し得る
解決手段は見出されていない。という事実は、本発明の
新規性と重要性とを示している。

本発明の対象は、磁力作用する、自体公知の形式の少
なくとも１つの塗工装置もしくはスクィージ装置と、場
合によってはコンベヤベルトとを備えている塗工機に、
少なくとも１つの支持ベルトまたは成形条片が端部で保
持もしくは緊締されており、この支持ベルトまたは成形
条片が、磁力を形成する少なくとも１つのエレメントを
備えたマグネットテーブルと協働して、塗工機に緊締さ
れた前記支持ベルトまたは前記成形条片の上面が、マグ
ネットテーブルの表面と同一の平面に配置されるように
なっていて、塗工機のこれら両構成部分が（協働して）
基板ウェブのための載置平面もしくは場合によっては存
在する、基板ウェブを支持するコンベヤベルトのための
載置面を形成していることにより特徴付けられている。

第１図〜第３図には、公知先行技術が示されている。
第４図〜第６図には、本発明による塗工機の多数の実施
例が示されている。

第１図には、テーブルプレート１とマグネットコア２
と電磁コイル３とから成るマグネットテーブル５の、第
２図のＡ−Ｂ線に沿った断面図が示されている。

第２図には、第１図に横断面図で示したマグネットテ
ーブル５のＣ−Ｄ線に沿った縦断面図が示されている。
この縦断面図には、電磁コイル３を含めて４つのマグネ
ットコア２が示されているが、第４の電磁コイルは半分
しか見えていない。

第３図には、エンドレスなコンベヤベルト４を備えた
塗工機の一部の縦断面図が示されている。第３図に示し
た塗工機、つまりこの場合にはフラットスクリーン捺染
機の部分では、３つのフラットスクリーン型8,9,10が示
されている。このフラットスクリーン型8,9,10の下方
で、しかも移動区間範囲ａには、各１つのマグネットテ
ーブル５が配置されている。

コンベヤベルト４はその下側の部分では３つの支持ロ
ーラ６に載置されており、上側の部分では載置範囲ａに
おいて３つの前記マグネットテーブル５に載置されてい
る。コンベヤベルト４の符号７で示した範囲は、３つの
マグネットテーブル５上の３つの載置範囲ａの間の中間
範囲におけるコンベヤベルト４のそれぞれ最も低く垂れ
下がっている個所を示している。矢印11は塗工機もしく
はフラットスクリーン捺染機の次の作業サイクルにおけ
るマグネットテーブル５の運動方向を示している。

各運動過程の間、接触範囲（マグネットテーブル５、
コンベヤベルト４、スクリーン型８およびこれらの間に
位置する基板ウェブ）の不断の変化が行なわれることは
容易に想像される。スクリーン型8,9,10に関して、もし
くはスクリーン型8,9,10によって生ぜしめられる塗工過
程に関しては、各作業サイクルにおいてマグネットテー
ブル５の休止状態位置がａからｂに、もしくは逆にｂか
らａに変化していく。種々異なる接触状態もしくは種々
異なる接触時間が品質を損なう作用もしくは機能を妨害
する作用を招くことは、既に冒頭で述べたとおりであ
る。ただし、第３図に示したコンベヤベルト４もしくは
基板ウェブの垂下がりの程度は、事情を明瞭にする目的
で誇張して図示されている。実際の状態では、垂下がり
７はたいてい僅か数cmであるが、時折僅か数mmでしかな
い場合もある。しかし、塗工過程に課される高い品質要
求では、比較的小さな垂下がり差でも既に大きな品質不
良が生じてしまうおそれがある。

第４図〜第６図には、第１図、第２図および第３図と
同様の図面が示されているが、しかし第４図〜第６図に
は本発明の対象が示されている。さらに第４図および第
５図には、マグネットテーブル５に載置されたか、もし
くは被せ嵌められたカバー16も付加的に示されている。
第４図および第５図には、本発明による塗工機の縦断面
図が示されている。第５図には、Ｔ字形に設置された挿
入体がカバー16を備えた状態とカバー16を有しない状態
とで示されている。第１の構成では、本発明の対象の接
触面がマグネットテーブルプレートの表面と平行平面的
に配置されており、第２の構成では、接触面または載置
面のレベルがマグネットテーブルカバーの表面と等しく
形成されている。

本発明の前記両構成は同様の機能性を有している。

第５図に示したように本発明の構成では、マグネット
テーブル５に個々のマグネットコア２の間て切欠き12が
設けられている。この切欠き12には、挿入体17;18が挿
入されている。挿入体17では、さらにカバー16が設けら
れている。それに対して挿入体18では、その上面がテー
ブルプレート１の表面の高さに位置している。挿入体1
7,18自体は成形条片であるか、または支持ベルトによっ
て形成されていてもよい。切欠き12に関しては、複数の
変化形が可能である。第５図には、無接触の切欠き12が
示されているが、しかし支持ベルトもしくは成形条片を
１つまたは複数の部分面で切欠き12に接触させ、これに
よって側方の案内もしくは安定化および／または支持
（滑り案内）を生ぜしめることも考えられる。

また、マグネットテーブル５に成形体のための切欠き
12を加工成形することは必ずしも必要であるわけではな
く、マグネットテーブル５は互いに間隔をおいて配置さ
れた複数のマグネットテーブルエレメントから成ってい
てもよい。この場合、これらのマグネットテーブルエレ
メントは一緒になって支持ビームまたはその他の支持構
造体に載置され、支持ベルトまたは成形条片17,18は個
々のマグネットテーブルエレメントの間の中間室に配置
されている。この場合、この支持構造体は支持ベルトま
たは成形条片17,18のための滑りガイドまたは転動ガイ
ドを備えていてもよい。

第６図には、本発明による構成で形成された塗工機、
特にフラットスクリーン捺染機が示されている。この塗
工機は垂下がりを全く有しない塗工面を有している。こ
の塗工面はいかなる垂下がり危険もなしに、塗工機もし
くはフラットスクリーン捺染機の全長もしくは全幅にわ
たって延びている。本発明による塗工機もしくは捺染機
を用いると、従来の公知先行技術により得られた塗工品
質よりも高い塗工品質を得ることができる。また、本発
明による変化構成は図示の長手方向運動方向に関するも
のだけでなく、横方向運動させられるマグネットテーブ
ルに対しても可能である。滑り被膜（カバー16）の変わ
りに、滑りロッドを使用することもできる。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全面塗工または模様付け塗工、つまりスク
   リーン型なしの塗工またはスクリーン型を用いる塗工の
   ための、磁気加圧式のスクィージを備えた塗工機であっ
   て、場合によってはエンドレスなコンベヤベルトが設け
   られており、さらにマグネットテーブルと、磁気加圧式
   のスクィージ（塗工エレメント）とを備えた少なくとも
   １つの塗工装置が設けられている形式のものにおいて、
   塗工機に長手方向もしくは横方向に延びるように少なく
   とも１つの支持ベルトまたは成形条片（17,18）が端部
   で保持されているか、もしくは緊締されており、該支持
   ベルトまたは成形条片（17,18）が、コンベヤベルト
   （４）もしくは基板ウェブのための載置面を有してお
   り、一方では前記支持ベルトもしくは前記成形条片（1
   7,18）とマグネットテーブル（５）との間に、他方では
   前記支持ベルトもしくは前記成形条片（17,18）とコン
   ベヤベルト（４）もしくは基板ウェブとの間に、相対運
   動が与えられていることを特徴とする、磁気加圧式のス
   クィージを備えた塗工機。
2. 【請求項２】全面塗工または模様付け塗工、つまりスク
   リーン型なしの塗工またはスクリーン型を用いる塗工の
   ための、磁気加圧式のスクィージを備えた塗工機であっ
   て、エンドレスなコンベヤベルトが設けられており、さ
   らにマグネットテーブルと、磁気加圧式のスクィージ
   （塗工エレメント）とを備えた少なくとも１つの塗工装
   置が設けられている形式のものにおいて、塗工機に長手
   方向もしくは横方向に延びるように少なくとも１つの支
   持ベルトまたは成形条片（17,18）が端部で保持されて
   いるか、もしくは緊締されており、該支持ベルトまたは
   成形条片（17,18）がマグネットテーブル（５）と協働
   して、前記支持ベルトまたは前記成形条片（17,18）の
   上面が、マグネットテーブル（５）の表面と同一の平面
   に配置されるようになっており、両構成部分、つまり前
   記支持ベルトまたは前記成形条片（17,18）とマグネッ
   トテーブル（５）とが、基板ウェブのための載置平面も
   しくは場合によっては存在する、基板ウェブを支持する
   コンベヤベルト（４）のための載置平面を形成している
   ことを特徴とする、磁気加圧式のスクィージを備えた塗
   工機。
3. 【請求項３】マグネットテーブル（５）に各マグネット
   コア（３）の間で切欠きが設けられており、該切欠きに
   各１つの支持ベルトもしくは成形条片（17,18）が配置
   されている、請求項１または２記載の塗工機。
4. 【請求項４】前記支持ベルトまたは前記成形条片（17,1
   8）の上面が、マグネットテーブル（５）の表面と同一
   の平面に位置している、請求項１から３までのいずれか
   １項記載の塗工機。
5. 【請求項５】前記支持ベルトまたは前記成形条片（17,1
   8）の上面が、カバー（16）を備えている、請求項１ま
   たは２記載の塗工機。
6. 【請求項６】前記支持ベルトまたは前記成形条片（17,1
   8）の１つまたは複数の部分面が、マグネットテーブル
   （５）に設けられた切欠きに接触しており、これによっ
   て側方の案内もしくは安定化および／または支持が与え
   られている、請求項１から５までのいずれか１項記載の
   塗工機。
7. 【請求項７】前記切欠きが任意に成形されて、かつ任意
   の深さを有している、請求項３記載の塗工機。
8. 【請求項８】マグネットテーブル（５）が、互いに間隔
   をおいて配置された複数のマグネットテーブルエレメン
   トから成っており、該マグネットテーブルエレメント
   が、一緒になって支持ビームまたはその他の支持構造体
   に載置されており、前記支持ベルトまたは前記成形条片
   （17,18）が、個々のマグネットテーブルエレメントの
   間の中間室に配置されている、請求項１から７までのい
   ずれか１項記載の塗工機。