JPH08294951A

JPH08294951A - 射出成形機における射出材料の供給方法および供給装置

Info

Publication number: JPH08294951A
Application number: JP12558995A
Authority: JP
Inventors: Tadayoshi Saito; 忠義斉藤
Original assignee: Japan Steel Works Ltd
Current assignee: Japan Steel Works Ltd
Priority date: 1995-04-27
Filing date: 1995-04-27
Publication date: 1996-11-12
Anticipated expiration: 2019-03-31
Also published as: JP3513577B2

Abstract

(57)【要約】【目的】シリンダバレル装置で射出材料を計量すると
き、スクリュウを多段に強制後退させても、射出材料を
一定に供給することができる、射出成形機における射出
材料の供給方法を提供する。【構成】シリンダバレル（２）内にスクリュウ（３）
が回転および軸方向に駆動されるように設けられている
シリンダバレル装置（１）と、該シリンダバレル装置
（１）に射出材料を供給する回転式供給装置（２０）と
を備えた射出成形機を使用し、射出材料を計量すると
き、回転式供給装置（２０）のフィードスクリュウ（２
４）の回転速度を、多段に設定されたスクリュウ強制後
退設定位置（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間におけるス
クリュウ強制後退設定速度（Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_n）に連
動して制御する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、シリンダバレル内にス
クリュウが回転および軸方向に駆動されるように設けら
れているシリンダバレル装置と、このシリンダバレル装
置に射出材料を供給する回転式供給装置とを備えた射出
成形機を使用して計量する、射出成形機における射出材
料の供給方法およびこの方法に実施に使用される射出材
料の供給装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】射出成形機、例えばインラインスクリュ
ウ式射出成形機は、文献名を挙げるまでもなく従来周知
で、シリンダバレル、このシリンダバレル内で回転およ
び軸方向に駆動されるスクリュウ、シリンダバレルの後
部上方に設けられているホッパ、スクリュウを回転およ
び軸方向に駆動する駆動装置等から構成されている。し
たがって、スクリュウを駆動装置により回転駆動すると
共に、ホッパから射出材料例えば軽合金をシリンダバレ
ルに供給すると、スクリュウの回転による摩擦力、剪断
力、外部から加える熱等により混練・溶融され、そして
シリンダバレルの前方に搬送され所定量の溶融材料が蓄
積される。しかしながら、ホッパは単なる重力の作用で
シリンダバレルに供給するようになっているので、ホッ
パ内に収納されている射出材料の量、粒径、形状、密度
等により供給量にバラツキが生じることがある。そこ
で、強制的に一定に供給することのできるスクリュウ式
フィーダを備えた射出成形機が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のス
クリュウ式フィーダは、スクリュウを一定の速度で回転
駆動するようになっているので、射出材料は安定供給さ
れる。したがって、サージング防止等の効果は得られ
る。しかしながら、問題もある。特に、溶融状態におい
て粘性の低い射出材料例えば軽合金に対しては問題が大
きい。すなわち軽合金材料は、一般に粘性が低いので、
スクリュウを回転駆動しても射出材料が前方へ搬送され
ず、計量できないことがある。このようなときは、スク
リュウを強制後退させる必要があるが、スクリュウを強
制後退しているときも、スクリュウ式フィーダにより一
定量宛射出材料を供給すると、射出シリンダバレル内に
射出材料の供給ムラが生じる。供給ムラが生じると、計
量工程において混練ムラ、計量時間のバラツキ等が誘起
されることになり、その結果として成形品の品質が不安
定になる。本発明は、上記したような問題点に鑑みてな
されたものであって、シリンダバレル装置に射出材料を
一定宛供給することができる、射出成形機における射出
材料の供給方法およびこの方法に実施に使用される供給
装置を提供することを目的としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、シリンダバレル内にスクリュウが回転お
よび軸方向に駆動されるように設けられているシリンダ
バレル装置と、該シリンダバレル装置に射出材料を供給
する回転式供給装置とを備えた射出成形機を使用し、前
記回転式供給装置を回転駆動して前記シリンダバレル装
置に射出材料を供給しながら計量するとき、前記回転式
供給装置の回転速度を前記スクリュウの後退速度に連動
して制御するように構成される。請求項２記載の発明
は、請求項１記載のスクリュウの後退速度が、多段に設
定されたスクリュウ強制後退設定位置間におけるスクリ
ュウ強制後退設定速度であるように構成され、請求項３
記載の発明は、請求項１記載のスクリュウの後退速度
が、多段に設定されたスクリュウ強制後退設定位置間に
おいて検出される検出後退速度であるように構成され
る。請求項４記載の発明は、シリンダバレル内にスクリ
ュウが回転および軸方向に駆動されるように設けられて
いるシリンダバレル装置と、該シリンダバレル装置に射
出材料を供給する回転式供給装置と、射出用油圧シリン
ダに作動油を供給するスクリュウ強制後退油圧回路と、
制御装置とを備え、前記回転式供給装置は、フィードス
クリュウと、該フィードスクリュウを回転駆動するフィ
ードモータとから構成され、前記制御装置は、スクリュ
ウ強制後退速度切換位置設定手段と、該スクリュウ強制
後退速度切換位置設定手段により設定された設定位置間
におけるスクリュウ強制後退速度を設定するスクリュウ
強制後退速度設定手段と、スクリュウ位置速度検出手段
で検出されたスクリュウ位置が前記スクリュウ強制後退
速度切換位置設定手段で設定された設定位置に一致した
とき、前記スクリュウ強制後退速度設定手段で設定され
たスクリュウ強制後退設定速度を前記スクリュウ強制後
退油圧回路に出力する出力手段と、前記スクリュウ強制
後退速度設定手段で設定されたスクリュウ強制後退設定
速度と前記シリンダバレル装置の材料供給口近傍におけ
るスクリュウの形状等により決まる条件値とに基づいて
前記回転式供給装置のフィードスクリュウの最適回転速
度を演算する演算手段とを備え、前記回転式供給装置の
フィードモータは、前記演算手段で演算された演算値に
基づいてその回転速度が制御されるように構成される。
請求項５記載の発明は、シリンダバレル内にスクリュウ
が回転および軸方向に駆動されるように設けられている
シリンダバレル装置と、該シリンダバレル装置に射出材
料を供給する回転式供給装置と、射出用油圧シリンダに
作動油を供給するスクリュウ強制後退油圧回路と、制御
装置とを備え、前記回転式供給装置は、フィードスク
リュウと、該フィードスクリュウを回転駆動するフィー
ドモータとから構成され、前記制御装置は、スクリュウ
強制後退速度切換位置設定手段と、該スクリュウ強制後
退速度切換位置設定手段により設定された設定位置間に
おけるスクリュウ強制後退速度を設定するスクリュウ強
制後退速度設定手段と、スクリュウ位置速度検出手段で
検出されたスクリュウ位置が前記スクリュウ強制後退速
度切換位置設定手段で設定された設定位置に一致したと
き前記スクリュウ強制後退速度設定手段で設定されるス
クリュウ強制後退設定速度を前記スクリュウ強制後退油
圧回路に出力する出力手段と、前記スクリュウ強制後退
速度切換位置設定手段で設定された設定位置間において
前記スクリュウ位置速度検出手段で検出されたスクリュ
ウの検出後退速度と前記シリンダバレル装置の材料供給
口近傍におけるスクリュウの形状等により決まる条件値
とに基づいて前記回転式供給装置のフィードスクリュウ
の最適回転速度を演算する演算手段とを備え、前記回転
式供給装置のフィードモータは、前記演算手段で演算さ
れた演算値に基づいてその回転速度が制御されるように
構成される。

【０００５】

【作用】従来周知のように、シリンダバレル装置のスク
リュウを回転駆動すると共に、回転式供給装置の例えば
フィードスクリュウも回転駆動してシリンダバレル装置
に射出材料を供給しながら計量し、シリンダバレルの前
方に蓄積する。この計量工程時に、回転式供給装置の回
転速度をスクリュウの後退速度に連動して、例えばスク
リュウの後退速度が遅いときは回転速度は小さく、早い
ときは大きくなるように制御する。このとき、請求項２
記載の発明では、予め設定されたスクリュウのスクリュ
ウ強制後退位置間における設定されたスクリュウ強制後
退設定速度に連動して、回転式供給装置の回転速度を制
御する。また、請求項３の発明では、予め設定されたス
クリュウのスクリュウ強制後退位置間において検出され
る検出後退速度に連動して制御する。請求項４記載の発
明では、スクリュウ強制後退速度切換位置設定手段によ
りスクリュウの強制後退速度を切り換えるべきスクリュ
ウの位置を設定する。またスクリュウ強制後退速度設定
手段により、設定された設定位置間におけるスクリュウ
強制後退速度を設定しておく。そうすると、制御装置は
スクリュウ位置速度検出手段で検出されるスクリュウの
位置が設定位置に達したことを検知すると、設定された
スクリュウ強制後退設定速度でスクリュウを強制後退さ
れるように信号をスクリュウ強制後退油圧回路に出力す
る。したがって、スクリュウは設定された速度で強制後
退される。制御装置は、また設定されたスクリュウ強制
後退設定速度とシリンダバレル装置の材料供給口近傍に
おけるスクリュウの形状等により決まる条件値とに基づ
いて回転式供給装置のフィードスクリュウの最適回転速
度を演算する。そしてフィードモータにその演算値を出
力する。したがって、フィードスクリュウは、スクリュ
ウの強制後退速度に見合った速度で駆動され、射出材料
は過不足なくシリンダバレル装置に供給される。請求項
５記載の発明も、請求項４記載の発明と略同様に作用す
るが、請求項５記載の発明では回転式供給装置のフィー
ドスクリュウの最適回転速度を、スクリュウ強制後退速
度切換位置設定手段で設定された設定位置間においてス
クリュウ位置速度検出手段で検出されるスクリュウの検
出後退速度とシリンダバレル装置の材料供給口近傍にお
けるスクリュウの形状等により決まる条件値とに基づい
て演算する。

【０００６】

【実施例】以下、図１により本発明の実施例を説明す
る。図１に示されているように、本実施例に係わる射出
成形機は、シリンダバレル装置１、回転式供給装置２
０、計量および射出用の第１油圧回路３０、スクリュウ
強制後退用の第２油圧回路４０、制御装置５０等から構
成されている。シリンダバレル装置１の射出シリンダバ
レル２内には、周知のように、スクリュウ３が回転方向
と軸方向とに駆動自在に設けられている。そしてシリン
ダバレル２の後方にスクリュウ駆動装置が設けられてい
る。スクリュウ駆動装置は、射出用油圧シリンダ５、油
圧モータ１１、この油圧モータ１１に接続されている回
転機１０等から構成され、射出用油圧シリンダ５のピス
トン６のピストンロッド７にはスクリュウ軸８が機械的
に接続され、射出用油圧シリンダ５内の駆動軸９は回転
機１０に同様に機械的に接続されている。したがって、
油圧モータ１１を回転すると、スクリュウ３が回転駆動
されて計量され、射出用油圧シリンダ５の駆動軸９側に
作動油を供給すると、スクリュウ３が前進して計量され
た射出材料がシリンダバレル２の前端のノズル１２から
金型に射出され、射出用油圧シリンダ４のピストンロッ
ド７側に圧油を供給すると、スクリュウ３は強制後退さ
れることになる。

【０００７】また、シリンダバレル２の後方寄りの上壁
には材料供給口１３が設けられ、この材料供給口１３に
後述する回転式供給装置２０のフィードシリンダ２２の
出口が接続される。なお、スクリュウ３の溝４の深さ
は、スクリュウ３の全長にわたって、前方に行くにした
がい徐々に浅くなっている。

【０００８】回転式供給装置２０は、ロータリ式供給装
置でも実施できるが、図１にはスクリュウ式供給装置で
実施した例が示されている。すなわち回転式供給装置２
０は、射出材料が一時的に貯えられるホッパ２１、この
ホッパ２１の排出口に連通しているフィードシリンダ２
２、このフィードシリンダ２２内でフィードモータ２３
により回転駆動されるフィードスクリュウ２４等から構
成されている。そしてフィードシリンダ２２の出口は、
射出シリンダバレル２の後方上壁の材料供給口１３に連
通している。このフィードスクリュウ２４を回転駆動す
るフィードモータ２３の回転速度は、後述する制御器５
７により制御されるようになっている。

【０００９】油圧モータ１１および射出用油圧シリンダ
５の駆動軸９側に作動油を給排する、計量および射出用
の第１油圧回路３０は、油圧ポンプ３１、圧力調整弁３
２、工程切替用ソレノイド弁３３、流量調整弁３４等か
ら構成されている。油圧ポンプ３１の吐出管路３５は工
程切替用ソレノイド弁３３の一方の入口ポートに接続さ
れ、工程切替用ソレノイド弁３３の出口ポートにはモー
タ回路３６と射出回路３７とが接続されている。油圧ポ
ンプ３１の吐出管路３５からは分岐管路が分岐し、この
分岐管路に圧力調整弁３２が介装されている。また、射
出回路３７には流量調整弁３４が介装されている。

【００１０】工程切替用ソレノイド弁３３のソレノイド
３３ａ、３３ｂは、後に述べる制御器５７と信号ライン
ｄ、ｅで接続され、ソレノイド３３ａが制御器５７から
の信号により励起されると、ａポジションに切り替わ
り、信号ラインｅによりソレノイド３３ｂが同様に励起
されると、ｂポジションに切り替わるようになってい
る。圧力調整弁３２は信号ラインｆにより、また流量調
整弁３４は信号ラインｇにより制御器５７にそれぞれ接
続されている。そして制御器５７からの信号が圧力調整
弁３２に印加されると、吐出管路３５中の作動油の圧力
が調整され、同様に流量調整弁３４により射出回路３７
中の流量が調整されるようになっている。

【００１１】射出用油圧シリンダ５のピストンロッド７
側に圧油を給排するスクリュウ強制後退用の第２油圧回
路４０は、第１油圧回路３０と同様に、油圧ポンプ４
１、圧力調整弁４２、流量調整弁４３、工程切替用ソレ
ノイド弁４４等から構成されている。油圧ポンプ４１の
吐出管路４５には流量調整弁４３が介装されて、工程切
替用ソレノイド弁４４の一方の入口ポートに接続されて
いる。そして工程切替用ソレノイド弁４４の出口ポート
はスクリュウ強制後退管路４７により射出用油圧シリン
ダ５のピストンロッド７側に接続されている。吐出管路
４５から分岐している分岐管路には圧力調整弁４２が介
装されている。

【００１２】圧力調整弁４２、流量調整弁４３および工
程切替用ソレノイド弁４４は、制御器５７と信号ライン
ｈ、ｉおよびｊによりそれぞれ接続されている。そして
制御器５７からの信号により圧力調整弁４２の圧力と、
流量調整弁４３の流量が調整されるようになっている。
また、工程切替用ソレノイド弁４４は、そのソレノイド
４４ａが制御器５７から信号により励起されると、ａポ
ジションに切り替わるようになっている。

【００１３】本実施例の射出成形機は、制御装置５０も
備えている。制御装置５０は、条件設定器５１、演算器
５６、制御器５７等から構成されている。条件設定器５
１は、射出成形機の種々の成形条件値を設定するもの
で、その内部にはスクリュウ強制後退速度切換位置設定
器５２、スクリュウ強制後退速度設定器５３、フィーダ
回転上限設定器５４、フィーダ回転下限設定器５５等が
設けられている。スクリュウ強制後退速度切換位置設定
器５２は、計量工程中にスクリュウ３の強制後退速度を
切り換えるべきスクリュウ３の位置を設定するもので、
ｎ個のスクリュウ強制後退速度切換位置Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、
・・・Ｒ_nが設定できるようになっている。また、スク
リュウ強制後退速度設定器５３は、スクリュウ強制後退
速度切換位置設定器５２で設定されたスクリュウ３の速
度切換位置Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_nの間におけるスク
リュウ３の移動速度すなわちスクリュウ強制後退速度Ｓ
₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_nを設定するものである。そしてフィー
ダ回転上限設定器５４は、フィードモータ２３の回転上
限値を、フィーダ回転下限設定器５５はフィードモータ
２３の回転下限値をそれぞれ設定するもので、これらの
上下限値は射出シリンダバレル２の材料供給口１３付近
におけるスクリュウ３の溝深さ４等に応じて設定され
る。

【００１４】制御器５７は、射出シリンダバレル２に設
けられているスクリュウ３のスクリュウ位置速度検出器
６０によって検出される実際のスクリュウ３の位置と、
スクリュウ強制後退速度切換位置設定器５２により設定
された位置とを比較する。そしてスクリュウ３が各設定
位置に達したとき、圧力調整弁４２、流量調整弁４３、
工程切替用ソレノイド弁４４等を次の作用の項で説明す
るように調整あるいは切り換える。演算器５６は、現在
のスクリュウ３の位置におけるスクリュウ強制後退速度
設定器５３により設定された各設定値と、フィーダ回転
上下限設定器５４、５５とからフィードスクリュウ２４
の最適材料供給速度を演算する。演算した結果は、制御
器５７から信号ラインｋによりフィードモータ２３に出
力されるようになっている。

【００１５】次に、上記実施例の射出成形機により、溶
融粘度の低い射出材料、例えばマグネシウム合金、アル
ミニウム合金、鉛合金、亜鉛合金等の金属材料、ナイロ
ン、ポリエステル等の樹脂材料を射出する例について説
明する。シリンダバレル２を、例えば制御器５７からの
信号により射出材料に見合った温度に加熱する。制御器
５７から信号ラインｆにより油圧回路３０の圧力調整弁
３２に信号が印加され、油圧ポンプ３１から所定圧の作
動油が吐出されるようになる。また、制御器５７から信
号ラインｅにより工程切替用ソレノイド弁３３の右側の
ソレノイド３３ｂが励起され、工程切替用ソレノイド弁
３３はｂポジションに切り替わる。したがって、作動油
がモータ回路３６により油圧モータ１１に供給され、ス
クリュウ３は回転機１０により所定速度で回転駆動さ
れ、可塑化される状態になる。

【００１６】回転式供給装置２０のフィードモータ２３
は、制御器５７から信号ラインｋにより印加される制御
信号により所定速度で回転駆動される。したがって、ホ
ッパ２１中の射出材料は、フィードスクリュウ２４によ
りフィードシリンダ２２内を前方に送られ、そして材料
供給口１３からシリンダバレル２内に供給される。スク
リュウ３が回転駆動されるので、射出材料が前方に搬送
され蓄積・計量される。蓄積されるに従いスクリュウ３
は後退する。スクリュウ３の後退位置および後退速度は
スクリュウ位置速度検出器６０によって検出され、演算
器５６に入力されている。

【００１７】スクリュウ強制後退速度切換位置設定器５
２により、スクリュウ３が強制後退する位置Ｒ、Ｒ₁、
Ｒ₂ ・・・Ｒ_nを設定し、同様にスクリュウ強制後退速
度設定器５３によりスクリュウ３が強制後退する位置
Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n間におけるスクリュウ強制後
退速度Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_nを設定しておく。制御器５７
において、スクリュウ位置速度検出器６０によって検出
されるスクリュウ３の位置と、スクリュウ強制後退速度
切換位置設定器５２により設定された位置Ｒ、Ｒ₁、
Ｒ₂、・・・Ｒ_nとが比較され、スクリュウ３が設定位置
Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_nに達すると、制御器５７から
スクリュウ強制後退動作信号が出力される。例えばスク
リュウ位置速度検出器６０によって検出されるスクリュ
ウ３の位置が設定位置Ｒ₁に達すると、制御器５７から
スクリュウ強制後退速度Ｓ₂でピストン６が後退方向に
駆動されるように、信号ラインｉによりスクリュウ強制
後退油圧回路４０の流量調整弁４３に出力される。ま
た、圧力調整弁４２にも出力され、スクリュウ強制後退
油圧回路４０の油圧ポンプ４１から所定圧の作動油が吐
出されるようになる。

【００１８】一方、スクリュウ強制後退油圧回路４０の
工程切替用ソレノイド弁４４は、そのソレノイド４４ａ
が信号ラインｊにより制御器５７からの信号により励起
され、ａポジションに切り替わる。したがって、油圧ポ
ンプ４１から所定圧、所定流量の作動油がスクリュウ強
制後退管路４７により射出用油圧シリンダ５のピストン
ロッド７側に供給され、スクリュウ３は設定速度Ｓ₂で
強制後退される。

【００１９】このとき、演算器５６において、スクリュ
ウ強制後退速度設定値Ｓ₂と、スクリュウ３の溝深４は
スクリュウ３の位置により異なるので、フィーダ回転上
下限設定器５４、５５で設定されているフィーダ回転上
下限値とからフィードスクリュウ２４の最適材料供給速
度を演算する。そして制御器５７から信号ラインｋによ
り、その信号がフィードモータ２３に出力され、フィー
ドスクリュウ２４は最適材料供給速度で駆動されるよう
になる。以下、同様にしてスクリュウ３は、強制後退す
る位置Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂ ・・・Ｒ_nの間においてスクリュウ
強制後退速度Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_nに制御され、フィード
スクリュウ２４はスクリュウ強制後退速度Ｓ₁、Ｓ₂ ・
・・Ｓ_nに見合った速度に制御され、計量される。

【００２０】計量工程が終わったら、工程切替用ソレノ
イド弁４４は、ソレノイド４４ａが消磁され、ｂポジシ
ョンに切り替わる。また、制御器５７から信号ラインｄ
により、第１油圧回路３０の工程切替用ソレノイド弁３
３のソレノイド３３ａに信号が印加される。ソレノイド
３３ａが励起され、ａポジションに切り替わる。また、
制御器５７から信号ラインｆ、ｇにより、圧力調整弁３
２および流量調整弁３４が調整される。このとき低融点
軽金属は比較的早く冷却するので、射出速度が大きくな
るように流量が調整される。したがって、油圧ポンプ３
１から吐出される作動油は、射出回路３７により射出用
油圧シリンダ５の駆動軸９側に供給され、スクリュウ３
は軸方向に駆動されて、計量された溶融材料は金型に射
出される。所定時間保圧して、金型を開いて成形品を取
り出す。

【００２１】なお、上記実施例ではスクリュウ３を強制
後退する位置Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_nにおけるスクリ
ュウ強制後退速度Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_nは、スクリュウ強
制後退速度設定器５３により設定され、その設定された
スクリュウ強制後退速度Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_nに基づいて
フィードスクリュウ２４の最適材料供給速度を演算して
いるが、強制後退動作中のスクリュウ３の実際の速度を
スクリュウ位置速度検出器６０によって検出し、そして
この検出後退速度と、フィーダ回転上下限設定器５４、
５５で設定されているフィーダ回転上下限値とから、前
述したようにフィードスクリュウ２４の最適材料供給速
度を演算するように実施することもできる。

【００２２】

【発明の効果】以上、詳述したように本発明によると、
シリンダバレル内にスクリュウが回転および軸方向に駆
動されるように設けられているシリンダバレル装置と、
該シリンダバレル装置に射出材料を供給する回転式供給
装置とを備えた射出成形機を使用し、回転式供給装置を
回転駆動してシリンダバレル装置に射出材料を供給しな
がら計量するとき、回転式供給装置の回転速度をスクリ
ュウの後退速度に連動して制御するので、シリンダバレ
ルの計量ストロークに相当する射出材料供給区域内に射
出材料を最適に供給することができる。したがって、本
発明によると、混練ムラ、計量時間のバラツキ等がな
く、品質が安定した成形品を得ることができる。請求項
２または４記載の発明によると、計量工程時には、多段
に設定されたスクリュウ強制後退設定速度に応じてフィ
ードスクリュウの回転速度を制御するので、あるいはス
クリュウ強制後退設定速度とシリンダバレル装置の材料
供給口近傍におけるスクリュウの形状等により決まる条
件値とに基づいてフィードスクリュウの最適回転速度を
演算し、そしてフィードモータを制御するので、多段に
スクリュウ強制後退速度を変化させても品質が安定した
成形品を得ることができる。請求項３または５記載の発
明によると、多段に設定されたスクリュウ強制後退設定
位置で検出されるスクリュウ強制後退速度に応じてフィ
ードスクリュウを制御するので、あるいは検出される後
退速度とシリンダバレル装置の材料供給口近傍における
スクリュウの形状等により決まる条件値とに基づいてフ
ィードスクリュウの最適回転速度を演算し、そしてフィ
ードモータを制御するので、すなわち実測される後退速
度に応じてフィードスクリュウを制御するので、さらに
品質が安定した成形品を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を一部断面にして示す模式
図である。

【符号の説明】

１シリンダバレル装置２シリンダバレル３スクリュウ５射出用油圧シリンダ２０回転式供給装置２３フィードモータ２４フィードスクリュウ４０スクリュウ強制後退用の油圧回路５２スクリュウ強制後退速度切換位置設定
器５３スクリュウ強制後退速度設定器５６演算器５７制御器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シリンダバレル（２）内にスクリュウ
（３）が回転および軸方向に駆動されるように設けられ
ているシリンダバレル装置（１）と、該シリンダバレル
装置（１）に射出材料を供給する回転式供給装置（２
０）とを備えた射出成形機を使用し、前記回転式供給装
置（２０）を回転駆動して前記シリンダバレル装置
（１）に射出材料を供給しながら計量するとき、前記回
転式供給装置（２０）の回転速度を前記スクリュウ
（３）の後退速度に連動して制御することを特徴とする
射出成形機における射出材料の供給方法。
【請求項２】請求項１記載のスクリュウ（３）の後退
速度が、多段に設定されたスクリュウ強制後退設定位置
（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間におけるスクリュウ強
制後退設定速度（Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_n）である、射出成
形機における射出材料の供給方法。
【請求項３】請求項１記載のスクリュウ（３）の後退
速度が、多段に設定されたスクリュウ強制後退設定位置
（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間において検出される検
出後退速度である、射出成形機における射出材料の供給
方法。
【請求項４】シリンダバレル（２）内にスクリュウ
（３）が回転および軸方向に駆動されるように設けられ
ているシリンダバレル装置（１）と、該シリンダバレル
装置（１）に射出材料を供給する回転式供給装置（２
０）と、射出用油圧シリンダ（５）に作動油を供給する
スクリュウ強制後退油圧回路（４０）と、制御装置（５
０）とを備え、前記回転式供給装置（２０）は、フィードスクリュウ
（２４）と、該フィードスクリュウ（２４）を回転駆動
するフィードモータ（２３）とから構成され、前記制御装置（５０）は、スクリュウ強制後退速度切換
位置設定手段（５２）と、該スクリュウ強制後退速度切
換位置設定手段（５２）により設定された設定位置
（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間におけるスクリュウ強
制後退速度（Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_n）を設定するスクリュ
ウ強制後退速度設定手段（５３）と、スクリュウ位置速
度検出手段（６０）で検出されたスクリュウ位置が前記
スクリュウ強制後退速度切換位置設定手段（５２）で設
定された設定位置（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）に一致
したとき前記スクリュウ強制後退速度設定手段（５３）
で設定されたスクリュウ強制後退設定速度（Ｓ₁、Ｓ₂
・・・Ｓ_n）を前記スクリュウ強制後退油圧回路（４
０）に出力する出力手段と、前記スクリュウ強制後退速
度設定手段（５３）で設定されたスクリュウ強制後退設
定速度（Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_n）と前記シリンダバレル装
置（１）の材料供給口（１３）近傍におけるスクリュウ
（３）の形状等により決まる条件値とに基づいて前記回
転式供給装置（２０）のフィードスクリュウ（２４）の
最適回転速度を演算する演算手段（５６）とを備え、前記回転式供給装置（２０）のフィードモータ（２３）
は、前記演算手段（５６）で演算された演算値に基づい
てその回転速度が制御されることを特徴とする、射出成
形機における射出材料の供給装置。
【請求項５】シリンダバレル（２）内にスクリュウ
（３）が回転および軸方向に駆動されるように設けられ
ているシリンダバレル装置（１）と、該シリンダバレル
装置（１）に射出材料を供給する回転式供給装置（２
０）と、射出用油圧シリンダ（５）に作動油を供給する
スクリュウ強制後退油圧回路（４０）と、制御装置（５
０）とを備え、前記回転式供給装置（２０）は、フィードスクリュウ
（２４）と、該フィードスクリュウ（２４）を回転駆動
するフィードモータ（２３）とから構成され、前記制御装置（５０）は、スクリュウ強制後退速度切換
位置設定手段（５２）と、該スクリュウ強制後退速度切
換位置設定手段（５２）により設定された設定位置
（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間におけるスクリュウ強
制後退速度（Ｓ₁、Ｓ₂ ・・・Ｓ_n）を設定するスクリュ
ウ強制後退速度設定手段（５３）と、スクリュウ位置速
度検出手段（６０）で検出されたスクリュウ位置が前記
スクリュウ強制後退速度切換位置設定手段（５２）で設
定された設定位置（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）に一致
したとき前記スクリュウ強制後退速度設定手段（５３）
で設定されたスクリュウ強制後退設定速度（Ｓ₁、Ｓ₂
・・・Ｓ_n）を前記スクリュウ強制後退油圧回路（４
０）に出力する出力手段と、前記スクリュウ強制後退速
度切換位置設定手段（５２）で設定された設定位置
（Ｒ、Ｒ₁、Ｒ₂、・・・Ｒ_n）間において前記スクリュ
ウ位置速度検出手段（６０）で検出されるスクリュウの
検出後退速度と前記シリンダバレル装置（１）の材料供
給口（１３）近傍におけるスクリュウ（３）の形状等に
より決まる条件値とに基づいて前記回転式供給装置（２
０）のフィードスクリュウ（２４）の最適回転速度を演
算する演算手段（５６）とを備え、前記回転式供給装置（２０）のフィードモータ（２３）
は、前記演算手段（５６）で演算された演算値に基づい
てその回転速度が制御されることを特徴とする、射出成
形機における射出材料の供給装置。