JPH0829292B2 - 管の先端付近の▲揆▼水性処理 - Google Patents

管の先端付近の▲揆▼水性処理

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JPH0829292B2 JP12654888A JP12654888A JPH0829292B2 JP H0829292 B2 JPH0829292 B2 JP H0829292B2 JP 12654888 A JP12654888 A JP 12654888A JP 12654888 A JP12654888 A JP 12654888A JP H0829292 B2 JPH0829292 B2 JP H0829292B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、管の先端等の表面を撥水性にするための方
法およびその方法の実施に用いる装置に関する。
特に化学分析において一定量の試料液を供給するため
の定量ピペットのノズル(吐出管)の先端付近に撥水性
表面を形成するのに有用な方法および装置に関する。
[従来の技術] 最近、乾式法による臨床化学検査が、分析作業の簡易
性、測定の迅速性等において優れているため多く用いら
れるようになってきた。この乾式法による臨床化学検査
は、検体である血液等の液体試料中のグルコース、尿素
窒素(BUN)等の特定成分と反応する試薬を含有させた
化学分析スライドに液体試料を点着し、試薬と特定成分
の反応により生じた発色、変色等を比色分析することに
より特定成分を定量している。
従来、化学分析スライドに検体(試料液)を点着する
には、ピペットで検体を所定量吸入した後、ピペットの
先端に検体に丸い液滴を形成し、この液滴を化学分析ス
ライドの中央部にそっと触れるようにして点着してい
た。
検体のこのような点着方法においては点着精度の個人
差が大きく、満足な検査精度を得ることが困難であっ
た。この個人差の主な原因は、ピペットの先端(ノズル
の)と化学分析スライドの点着面との相対的な位置関係
を一定に保つことが困難なことと、液吸引後にノズルの
先端外側に付着している液を拭き取らないとしばしば液
滴が形成されないことにあった。
点着の個人差をなくすには、ピペットを架台に装着
し、手動でまたは自動的に液をピペットから吐出させる
のが、一つのよい方法である。しかしこの場合にはピペ
ットの先端と化学分析スライドの点着面との距離が一定
であるから、ピペットのノズルの先端に液滴を形成させ
てから、化学分析スライドに接触させて点着することが
できない。
化学分析スライドで検査される試料液には、全血、血
漿、血清、それらの希釈液、尿、唾液等種々あり、粘度
等が異なるので、化学分析スライドの液受容面(通常は
展開層)に吸収される速度が異なる。また、被検出成分
によりそれぞれ異なる種類の分析スライドが用いられ、
同種の試料液でも化学分析スライドの種類によって液受
容面(通常は展開層)に吸収される速度が異なる。化学
分析スライドに吸収される速度に対し、ピペットからの
吐出速度が速すぎると、液滴の一部がノズルの先端の周
囲に付着してそのまま残留するため、点着液量の誤差を
生ずる。すなわち、付着を起こした点着では供給液量が
不足となり、その後の点着では前に付着した液が合併す
るために、液量に正(+)の誤差を生ずる。
ノズル先端付近の管の外側表面に液滴が付着しないよ
うにするために、ノズルの外側のみを撥水性の材料で構
成することも考えられた。しかしノズルを二重構造にす
ることは、ノズルの製造工程を複雑にし、コストを大き
くする。
また液吸引の都度ノズルの先端外側に付着している液
を拭き取ることは手間がかかることであり、充分注意し
ないとつい忘れることがあり、液量の誤差を生ずる。
[解決しようとする技術的課題] 本発明は、分析において用いるピペット等のノズル
(吐出管)等の開放された管の先端から一定量の液を、
一回または反復して排出する際に、管の先端付近の外側
に液の一部が付着することを防ぐために、管の先端付近
の外側表面に撥水性表面を形成する方法、およびその方
法の実施に用いる装置を提供することである。
本発明はまた、管の先端付近の外側に液の一部が付着
することなく、試料液を高い液量精度で一回または反復
して滴下できるように、定量ピペットのノズルの先端付
近の外側表面に撥水性表面を形成する方法を提供するこ
とを、技術的課題とする [技術的課題の解決手段] 本発明の上記課題の一つは、液保持性の面を有する2
つの部材の、液保持性の面に撥水性を付与する性質をも
つ液を保持させ、前記2つの部材の液保持性の面に管の
先端付近を接触させて、管の先端付近の外面に撥水性表
面を形成する方法によって解決された。
本発明の上記課題の他の一つは、液保持性である面を
有し、この液保持性の面に撥水性を付与する性質をもつ
液を保持している2つの部材と、管の先端付近を前記2
つの部材の液保持性の面に同時に接触させつつ管がこれ
ら2つの面の間で回転するように管を保持する手段と、
前記2つの部材の液保持性の面が面に沿って互いに反対
方向に移動するように前記2つの部材を運動させる手段
とを備えることを特徴とする、管の先端付近の外面に撥
水性表面を形成する装置により、解決された。
本発明で撥水性処理される管は、断面が長円、多角形
等の断面を有してもよいが、円であることが望ましい。
処理される管(例えばピペットのノズル)の外径は長さ
方向に対し一定でもよく、また変化してもよいが、管は
少なくとも先端付近で直線の回転体であることが好まし
い。管の外径が一定である場合には、先端部を除き円柱
の外周部に液保持性の面を設けることが好ましい。管の
先端付近が円錐台の形状をもつ場合は、先端を除き円錐
台の外周部に液保持性の面を設けることが好ましい。
2つの部材に液保持性の面を設けるには、部材の外面
に布類、フェルト、紙、不織布、紐類、糸等を巻き付け
るか、貼り付ければよい。液保持部材は柔らかい方がよ
い。なぜなら管の先端付近を接したとき、少しへこむの
で、管の外周の比較的広い面積に接するからである。部
材の全体あるいは中心付近以外の部分を液保持性材料で
構成してもよい。
本発明の方法の実施に際し、管の先端付近を前記2つ
の部材の液保持性の面に同時に接触させ、該2つの面の
間で管を回転させる方法が好ましい。2つの部材の液保
持性の面はともに平面であってもよく、ともに円柱面ま
たは円柱面の一部であってもよい。前記2つの部材の一
つが有する液保持性の面は平面で、他の1つが有する液
保持性の面は円柱面または円柱面の一部であってもよ
い。前記2つの部材が互いに反対方向に平行に移動し得
る液保持性の平面を有するものであると、それらの面の
間で管の先端付近を回転させるに好都合である。例えば
2つの部材が、対向する面に液保持性の平面を有する板
状部材であると、それらを互いに反対方向に平行に移動
させることにより、2つの平面の間に管の先端付近をは
さんで回転させることができ、好都合である。
前記2つの部材を円柱または円筒とすると、それらを互
いに同じ方向に回転させるこ とによって、それらの外
周面の間に管の先端付近をはさんで、回転させるのに好
都合である。
管の先端付近に撥水性表面を形成するために用いる撥
水性液体としては、撥水処理剤として広く用いられてい
るシリコン油が、入手のし易さ、価格等の点で好適であ
る。しかし、植物油、動物油、鉱油、合成エステル類、
高級アルコール等の中から管の先端付近の外周面に付着
し得るものを選んで用いてもよい。適当な揮発性を持つ
溶媒を含んでもよい。前記シリコン油は、分子量5000以
上のものを用いるのが好ましい。
本発明は臨床化学検査において、試料液、試薬等の計
量に用いられるピペットの注液ノズルの先端外面の撥水
化処理に有用である。
臨床化学検査における化学分析スライドへの点着等に
用いられるピペットは、シリンダーとピストンを有する
ものが多い。ピペットは、ノズルが固定されているもの
でもよいし、着脱自在な、またさらに使い捨てのノズル
チップを用いるものでもよい。ノズルチップは例えば米
国特許4,072,330、同4,237,095、同4,347,875に記載さ
れたものを用いることができる。市販のノズルチップ
は、加工精度の点からポリプロピレン製のものが多い。
ピペットのノズルの先端の外径は、通常0.3mmから1.5mm
程度のものである。好ましくは0.5mmから1.2mmである。
本発明は管の外径により適用が制限されるものではな
いが、液滴が管の外面に形成されるような場合に有用で
あり、5mmをこえる外径をもつ管では実際的な効果は得
にくいであろう。
着脱自在のノズルを有するピペット等に適用する場
合、ノズルの長さは特に制限はないが、本発明を実施す
るに際してノズルは保持することができるだけの長さを
もつ必要がある。使い捨てのノズルチップ等の場合は、
収容すべき所望の液量によってノズルの長さは自ずから
きまる。本発明によって先端付近の外面を撥水性にする
範囲は、外径が0.5ないし3mm程度のノズルの場合、先端
から10mm程度までで充分で、3ないし10mm程度が最適で
ある。先端からこれ以上遠いところまで撥水性にする
と、外面に沿う液の流れ落ちを防止する効果がむしろ低
下する。
[発明の効果] 本発明を用いると、分析において用いるピペット等の
ノズル(吐出管)等の開放された管の先端から一定量の
液を、一回または反復して排出する際に、管の先端付近
の外側に液の一部が付着することがないので、管から滴
下される液量の正または負の誤差が生じない。その結
果、例えば液中の成分に関する定量化学分析の精度を向
上することができる。
また本発明を用いると、液を吸入するためにピペット
のノズル部を比較的深く液中に浸けたときに、ノズル部
の比較的上方の外面に付着した液が徐々に流れ落ちてき
て、排出される液に加わること(滴下液量の正誤差とな
る)も防止できる。
本発明は、ピペットに限らず、定量分析に用いるビュ
ーレット等にも有用である。さらに本発明は、化学分析
に用いる液体計量容器のみならず、比較的一定した大き
さの液滴を常に形成することが重要な場合に有用である
(例えば点滴の際のように滴数により流量を管理する場
合)。
[実施例1] 第1図に示すような装置を製作した。第1図におい
て、1は支持枠、2および2′は樋状部材、3および
3′は樋状部材2および2′にそれぞれ固定された液保
持部材、4および4′は樋状部材の一方の縁に設けられ
たラック、5はラック4,4′に噛み合うピニオン、6お
よび6′は板状部材2,2′を互いに反対の方向に付勢す
るバネ、7は処理される管、8は管保持部材、9はバネ
6の付勢に抗して板状部材2の水平方向に運動させるノ
ブを示す。液保持部材3は樋状部材2の縁にはさまれた
面に、液保持部材3′は樋状部材2′の縁にはさまれた
面に、それぞれ固定されている。液保持部材3と3′
は、管保持部材に保持された管7に接することができ
る。管保持部材8は中心に、管7を通して回転自在に保
持するための穴を有する。液保持部材3および3′はフ
ェルトである。
液保持部材3および3′の全面に適量の市販シリコン
油を浸み込ませ、管保持部材8の穴に処理すべき管7、
例えばマイクロピペットのノズルチップを下向きに差し
込む。ノブ9を指で押すと、樋状部材2がバネ6の付勢
に抗して図中右向きに動かされ、同時にラック4が図中
右向きに動き、これと噛み合ったピニオン5を介してラ
ック4′が図中左向きに動かされる。ラック4′と一体
である樋状部材2′は従って樋状部材2と反対方向に運
動する。これにより樋状部材2および2′にはさまれた
管7は時計方向に回転する。
管7の先端は液保持部材3および3′に接して回転す
るので、管5の先端部が液保持部材3および3′に接す
る面は、上記回転の間に管7の全周に及ぶ。すなわち管
7の先端付近の全周にシリコン油が付着し、撥水性の表
面が形成される。このようにして、管7の先端付近の外
面に撥水性の表面が形成された。
[実施例2] 第2図に示すような装置を製作した。第2図におい
て、1は基板を兼ねる外箱、2および2′は円柱状部
材、3および3′は円柱状部材を囲んで設けられた液保
持部材、4および4′は円柱状部材2および2′にそれ
ぞれ固定された歯車、5は軸5aの回りに回転する回動部
材、6は回動部材5を回転させるための歯車群、7は処
理される管、8は管保持部材、8aは管保持部材8の一端
に設けられ歯車4および4′と噛み合う固定歯車、9は
モータを示す。円柱状部材2および2′は回動部材5に
固定された軸2aおよび2a′の回りに回転できる。円柱状
部材2,2′の面に設けられた液保持部材3,3′は、管保持
部材8に保持された管7に接することができる。管保持
部材8は中心に管7を通して保持するための穴を有し、
外箱1に固定されている。管7は保持部材8により回転
自在に保持される。液保持部材3,3′はスポンジ(発泡
プラスチック)である。モータ9は、図示しないスイッ
チを介し、図示しない電源に接続されている。
モータ9が停止した状態で、液保持部材3および3′
に市販シリコン油を供給して浸み込ませ、管保持部材8
の穴に処理すべき管7、例えばマイクロピペットのノズ
ルチップを下向きに差し込む。モータ9を回転させる
と、歯車群6を介して回動部材5が軸5aの回りに回転
し、歯車4,4′が歯車8aの回りに公転しながら軸2aの回
りに自転する。歯車4,4′が固定された円柱状部材2,
2′、従って液保持部材3,3′も同じような回転運動をす
る。管7の先端は液保持部材3と3′の間にはさまれて
回転するので、管7の先端部が液保持部材3および3′
に接する面は、上記回転の間に管7の全周に及ぶ。すな
わち管7の先端付近の全周にシリコン油が付着し、撥水
性の表面が形成される。このようにして、管7の先端付
近の外面に撥水性の表面が形成された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1に用いた装置の使用状態を示
す3方向の断面図、第2図は本発明の実施例2に用いた
装置の使用状態を示す断面図、第3図は本発明の方法で
処理されたノズルチップに形成される液滴の状態を示す
略図、第4図は外周に撥水性表面を形成していないノズ
ルチップ(従来技術)に形成される液滴の状態を示す略
図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液保持性の面を有する2つの部材の、前記
    液保持性の面に撥水性を付与する性質をもつ液を保持さ
    せ、前記2つの部材の液保持性の面に管の先端付近を接
    触させて、管の先端付近の外面に撥水性表面を形成する
    方法。
  2. 【請求項2】前記液保持性の面が柔軟である、特許請求
    の範囲1)の方法。
  3. 【請求項3】管の先端付近を前記2つの部材の液保持性
    の面に同時に接触させ、該2つの面の間で管を回転させ
    る、特許請求の範囲1)の方法。
  4. 【請求項4】前記2つの部材の液保持性の面がともに平
    面である、特許請求の範囲1)の方法。
  5. 【請求項5】前記2つの部材の一つが有する液保持性の
    面は平面であり、他の一つが有する液保持性の面は円柱
    面または円柱面の一部である、特許請求の範囲1)の方
    法。
  6. 【請求項6】前記2つの部材の液保持性の面が円柱面ま
    たは円柱面の一部である、特許請求の範囲1)の方法。
  7. 【請求項7】前記2つの部材が円柱または円筒である、
    特許請求の範囲1)の方法。
  8. 【請求項8】液保持性である面を有し該液保持性の面に
    撥水性を付与する性質をもつ液を保持している2つの部
    材と、管の先端付近を前記2つの部材の液保持性の面に
    同時に接触させつつ管が該2つの面の間で回転するよう
    に保持する手段と、前記2つの部材の液保持性の面が面
    に沿って互いに反対方向に移動するように前記2つの部
    材を運動させる手段とを備えることを特徴とする、管の
    先端付近の外面に撥水性表面を形成する装置。
  9. 【請求項9】前記2つの部材が互いに反対方向に平行に
    移動し得る液保持性の平面を有する、特許請求の範囲
    8)の装置。
  10. 【請求項10】前記2つの部材が回転し得る円柱または
    円筒である、特許請求の範囲8)の装置。
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