JPH08291284A - ジフルオロメタンとペンタフルオロジメチルエーテルをベースとする擬似共沸混合物及びその冷媒としての使用 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍システム又は空気調和システムにおける
クロロジフルオロメタンの代替用冷媒として用いるのに
適した、ジフルオロメタン及びペンタフルオロジメチル
エーテルの二成分混合物に比べて低い蒸気圧を示す擬似
共沸混合物を提供する。 【解決手段】 ジフルオロメタン、ペンタフルオロジメ
チルエーテル、及び１，１，１，２−又は１，１，２，
２−テトラフルオロエタン、１，１，１−トリフルオロ
エタン、１，１−ジフルオロエタン、フルオロエタン、
１，１，１，２，３，３，３−又は１，１，１，２，
２，３，３−ヘプタフルオロプロパン及び１，１，１，
２，２−ペンタフルオロプロパンから成る群から選ばれ
る少なくとも１種の化合物を含むことを特徴とする擬似
共沸混合物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は冷凍の分野に係わ
り、そして更に詳しくは冷凍システム又は空気調和シス
テム（空気調和又はヒートポンプ）においてクロロフル
オロカーボン（ＣＦＣ）又はクロロフルオロヒドロカー
ボン（ＣＦＨＣ）の代替物として用いる、環境に対する
影響がないあるいは殆どない冷媒の擬似共沸混合物に係
わる。

【０００２】

【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気調
和に用いるシステムで、該システムは一般に０℃乃至１
０℃（最も頻繁には７℃）の蒸発温度、３０℃乃至６０
℃の凝縮温度、約−５℃の液体のサブクーリング、及び
少なくとも１０℃の蒸気の過熱で定義される熱力学的サ
イクルに従って作動する。

【０００３】空気調和に通常用いられる冷媒は、クロロ
ジフルオロメタン（ＣＦＨＣ−２２として知られる）で
ある。しかしながら、オゾンへの影響から、ＣＦＨＣ及
びとりわけＣＦＨＣ−２２は遅かれ早かれオゾン層への
影響がない冷媒に置き換えられる必要があることが現今
の定説となった。

【０００４】空気調和装置においてＣＦＨＣ−２２に置
き換わるために、代替物は高い効率を維持し且つ妥当な
圧力レベルを保持ながら、ＣＦＨＣ−２２と同等で、事
実それより良好な熱力学的特性（とりわけ冷凍能力）を
発揮する必要がある。更に、製品の安定性及び装置の耐
久性を良くするために、吐出し温度がＣＦＨＣ−２２よ
りも約５℃分以上高まらないことが望ましい。最後に、
回路内での蒸留及び保守の問題をできるだけ抑止するた
めに、混合物が擬似共沸挙動を示すことが望ましい。

【０００５】ジフルオロメタン（ＦＨＣ−３２）及びペ
ンタフルオロジメチルエーテル（Ｅ−１２５）は、ＣＦ
Ｃ及びＣＦＨＣとは対照的にオゾンに対する影響がな
い。しかしながら、ＦＨＣ−３２は引火性であるという
最大の不都合がある。不燃性化合物であるＥ−１２５
（ＣＦ₃−Ｏ−ＣＨＦ₂）は、ＣＦＨＣ−２２に比べ冷凍
能力がかなり劣る。

【０００６】国際公開第９３１４１７４号に記載されて
いるＦＨＣ−３２とＥ−１２５との二成分混合物は、冷
凍効率と能力の点で良好な妥協をもたらすが、これらの
混合物は冷凍システム並びに空気調和システムを大規模
に改造しなければならない様な極めて大きな圧力上昇を
示す。

【０００７】

【課題を解決するための手段】ジフルオロメタン及びペ
ンタフルオロジメチルエーテルと、下記表１中の流体か
ら選ばれる少なくとも１種の化合物とを含む混合物が擬
似共沸挙動を示すことを、今回見い出した。

【０００８】

【表１】

【０００９】本発明の組成物は、この混合物がＦＨＣ−
３２／Ｅ−１２５二成分混合物に比べて蒸気圧の低下、
擬似共沸挙動と高い冷凍能力を示す様に選択される。

【００１０】かくして、本発明の混合物は空気調和シス
テムにおいて、とりわけＣＦＨＣ−２２の代替物として
用いることが可能である。

【００１１】

【発明の実施の形態】下記重量割合の組成物が、本発明
混合物のうちで非常に好適な混合物である。

【００１２】（１） ５乃至８５％（好ましくは１５
乃至４０％）のＦＨＣ−３２、５乃至７５％（好ましく
は５０乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至８０％（好
ましくは５乃至３０％）のＦＨＣ−１４３ａ。

【００１３】（２） ５乃至８５％（好ましくは２０
乃至３５％）のＦＨＣ−３２、５乃至９０％（好ましく
は５５乃至７０％）のＥ−１２５及び５乃至６０％（好
ましくは５乃至１０％）のＦＨＣ−１６１。

【００１４】（３） ５乃至９０％（好ましくは２５
乃至４０％）のＦＨＣ−３２、５乃至９０％（好ましく
は５０乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至２０％（好
ましくは５乃至１５％）のＦＨＣ−１５２ａ。

【００１５】（４） ５乃至９０％（好ましくは２５
乃至５０％）のＦＨＣ−３２、５乃至９０％（好ましく
は３０乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至２５％のＦ
ＨＣ−１３４ａ。

【００１６】（５） ５乃至９０％（好ましくは３３
乃至５０％）のＦＨＣ−３２、８乃至９３％（好ましく
は４２乃至６０％）のＥ−１２５及び２乃至７％のＦＨ
Ｃ−１３４。

【００１７】（６） ５乃至９０％（好ましくは２５
乃至５０％）のＦＨＣ−３２、５乃至９０％（好ましく
は１５乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至３５％のＦ
ＨＣ−２２７ｅａ。

【００１８】（７） ５乃至９０％（好ましくは２５
乃至５０％）のＦＨＣ−３２、５乃至９０％（好ましく
は２５乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至２５％のＦ
ＨＣ−２２７ｃａ。

【００１９】（８） ２５乃至９０％（好ましくは２
５乃至５０％）のＦＨＣ−３２、５乃至６０％（好まし
くは３０乃至６０％）のＥ−１２５及び５乃至２０％の
ＦＨＣ−２４５ｃｂ。

【００２０】下記実施例により、本発明を限定せずに例
証する。

【００２１】

【実施例】実施例１ 表２に、ＦＨＣ−３２とＥ−１２５と、ＦＨＣ−１４３
ａ、−１６１、−１３４ａ、−１５２ａ、−１３４、−
２２７ｅａ、−２２７ｃａ及び−２４５ｃｂから選ばれ
る化合物Ａとの様々な三成分混合物の大気圧におけるバ
ブルポイント（Ｂｐ）と露点（Ｄｐ）との差を示す。

【００２２】

【表２】

【００２３】

【表３】

【００２４】

【表４】

【００２５】表に示したデータから大気圧における温度
の僅かな変動が見られ、従って本発明の混合物の擬似共
沸的性質が確認された。

【００２６】実施例２ 本実施例により、本発明混合物の冷媒としての使用例を
示す。熱力学的挙動を、以下に示す熱力学サイクルにつ
いてＣＦＨＣ−２２と比較した。

【００２７】 凝縮温度 ４３℃ 蒸発温度 ７℃ 圧縮機入口温度 １８℃ 液体サブクーリング −５Ｋ 本発明に係わる様々な混合物についての、これらの条件
下で観察した熱力学的挙動を、表３にまとめた。

【００２８】

【表５】

【００２９】

【表６】

【００３０】＊ ＣＦＨＣ−２２に対して。

Claims (17)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ジフルオロメタン（ＦＨＣ−３２）、ペ
   ンタフルオロジメチルエーテル（Ｅ−１２５）、及び
   １，１，１，２−又は１，１，２，２−テトラフルオロ
   エタン、１，１，１−トリフルオロエタン、１，１−ジ
   フルオロエタン、フルオロエタン、１，１，１，２，
   ３，３，３−又は１，１，１，２，２，３，３−ヘプタ
   フルオロプロパン及び１，１，１，２，２−ペンタフル
   オロプロパンから成る群から選ばれる少なくとも１種の
   化合物を含むことを特徴とする擬似共沸混合物。
2. 【請求項２】 質量割合で、５乃至８５％のＦＨＣ−３
   ２、５乃至７５％のＥ−１２５及び５乃至８０％の１，
   １，１−トリフルオロエタン（ＦＨＣ−１４３ａ）を含
   む請求項１に記載の混合物。
3. 【請求項３】 質量割合で、５乃至８５％のＦＨＣ−３
   ２、５乃至９０％のＥ−１２５及び５乃至６０％のフル
   オロエタン（ＦＨＣ−１６１）を含む請求項１に記載の
   混合物。
4. 【請求項４】 質量割合で、５乃至９０％のＦＨＣ−３
   ２、５乃至９０％のＥ−１２５及び５乃至２５％の１，
   １，１，２−テトラフルオロエタン（ＦＨＣ−１３４
   ａ）又は１，１，１，２，２，３，３−ヘプタフルオロ
   プロパン（ＦＨＣ−２２７ｃａ）を含む請求項１に記載
   の混合物。
5. 【請求項５】 質量割合で、５乃至９０％のＦＨＣ−３
   ２、５乃至９０％のＥ−１２５及び５乃至２０％の１，
   １−ジフルオロエタン（ＦＨＣ−１５２ａ）を含む請求
   項１に記載の混合物。
6. 【請求項６】 質量割合で、５乃至９０％のＦＨＣ−３
   ２、８乃至９３％のＥ−１２５及び２乃至７％の１，
   １，２，２−テトラフルオロエタン（ＦＨＣ−１３４）
   を含む請求項１に記載の混合物。
7. 【請求項７】 質量割合で、５乃至９０％のＦＨＣ−３
   ２、５乃至９０％のＥ−１２５及び５乃至３５％の１，
   １，１，２，３，３，３−ヘプタフルオロプロパン（Ｆ
   ＨＣ−２２７ｅａ）を含む請求項１に記載の混合物。
8. 【請求項８】 質量割合で、２５乃至９０％のＦＨＣ−
   ３２、５乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至２０％の
   １，１，１，２，２−ペンタフルオロプロパン（ＦＨＣ
   −２４５ｃｂ）を含む請求項１に記載の混合物。
9. 【請求項９】 質量割合で、１５乃至４０％のＦＨＣ−
   ３２、５０乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至３０％の
   ＦＨＣ−１４３ａを含む請求項２に記載の混合物。
10. 【請求項１０】 質量割合で、２０乃至３５％のＦＨＣ
    −３２、５５乃至７０％のＥ−１２５及び５乃至１０％
    のＦＨＣ−１６１を含む請求項３に記載の混合物。
11. 【請求項１１】 質量割合で、２５乃至５０％のＦＨＣ
    −３２、３０乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至２５％
    のＦＨＣ−１３４ａを含む請求項４に記載の混合物。
12. 【請求項１２】 質量割合で、２５乃至４０％のＦＨＣ
    −３２、５０乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至１５％
    のＦＨＣ−１５２ａを含む請求項５に記載の混合物。
13. 【請求項１３】 質量割合で、３３乃至５０％のＦＨＣ
    −３２、４２乃至６０％のＥ−１２５及び２乃至７％の
    ＦＨＣ−１３４を含む請求項６に記載の混合物。
14. 【請求項１４】 質量割合で、２５乃至５０％のＦＨＣ
    −３２、１５乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至３５％
    のＦＨＣ−２２７ｅａを含む請求項７に記載の混合物。
15. 【請求項１５】 質量割合で、２５乃至５０％のＦＨＣ
    −３２、２５乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至２５％
    のＦＨＣ−２２７ｃａを含む請求項４に記載の混合物。
16. 【請求項１６】 質量割合で、２５乃至５０％のＦＨＣ
    −３２、３０乃至６０％のＥ−１２５及び５乃至２０％
    のＦＨＣ−２４５ｃｂを含む請求項８に記載の混合物。
17. 【請求項１７】 請求項１乃至１６のいずれか一項に記
    載の混合物を冷凍又は空気調和用の冷媒として使用する
    ことを特徴とする方法。