JPH08290984A - 着色セメントコンクリート製品の製造法 - Google Patents

着色セメントコンクリート製品の製造法

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JPH08290984A
JPH08290984A JP9666395A JP9666395A JPH08290984A JP H08290984 A JPH08290984 A JP H08290984A JP 9666395 A JP9666395 A JP 9666395A JP 9666395 A JP9666395 A JP 9666395A JP H08290984 A JPH08290984 A JP H08290984A
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colored
cement concrete
concrete product
cement
product
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JP9666395A
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Yoshio Yoshimoto
良夫 吉本
Takayuki Kimoto
孝之 城元
Takahiro Nakamizu
高博 中水
Yoshinori Nakajima
義則 中嶋
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Ube Industries Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、従来法による着色セメントコンクリ
ート製品の難点を改良でき、発色不良等もなく強固で安
定した色調の着色皮膜層の生成を早期に形成させること
がで、長期の耐候・耐久性、安定性に優れ、白華現象、
酸性雨、塩害、凍結、中性化、風化等による劣化をも防
止できるた着色セメントコンクリート製品の製造法に関
し、余剰着色生成物の水洗等による除去作業も必要とせ
ず有色廃水の発生も抑制できる。 【構成】セメントコンクリート製品に金属塩及び又はそ
の反応生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる工程
と着色皮膜を生成させる前及び又は生成させた後にセメ
ントコンクリート製品の表面をアルカリ及び又は酸化剤
で処理する工程及び又は着色皮膜を生成させた後蒸気養
生する工程、前記工程後にセメントコンクリート製品の
表面を合成樹脂上塗り剤で表面処理する工程を具備して
なる着色セメントコンクリート製品の製造法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属塩を使用して着色
セメントコンクリート製品を製造する方法の改良に関す
る。さらに詳しくは本発明は、セメントモルタル、コン
クリートパネル、ブロック、パイル、タイル、人造石、
槽塔類、セメントコンクリート建築物、構築物等のモル
タル及び又はコンクリート製品の表面を化学的に処理し
て発色を促進させた後、表面を合成樹脂上塗り剤で表面
処理することによって、生成した着色皮膜(層)が剥離
したりせず、かつ長期の耐候・耐久性、安定性に優れた
着色セメントコンクリート製品を容易に効率よく製造す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セメントコンクリート製品は、建築、土
木分野で大量に使用されているが、近年は自然との調
和、景観への関心の高まりから、周囲の環境に配慮した
着色セメントコンクリート製品が強く望まれるようにな
ってきた。
【0003】従来着色セメントコンクリート製品を製造
する方法としては、顔料を製品の製造時にセメント等
の原料と混合して製造する方法、製品の表面に所定の
色の塗料や顔料のエマルジョンを刷毛塗りしたり吹きつ
けたりして塗布する方法等が知られている。しかしなが
ら、の原料と混合する方法は多量の顔料を必要とする
だけでなく高価な白色セメントを使用しなければ着色効
果がでず、自然な色合いをだすのが難しい等の難点があ
る。またの塗料を塗布する方法による場合は、塗膜の
剥離が生じ易い、耐候性が劣る等の他に、多量の有機溶
剤が使用されるためその取扱や安全衛生上にも問題があ
り、さらには自然な色合いをだすのが難しい。
【0004】また前記、の方法とは別に、特開昭4
8−68620号公報には、セメント製品の表面に硫
酸マンガン、硫酸鉄等の金属塩の水溶液を塗布して発
色、着色する方法についての提案がある。この方法は化
学的な反応を利用する方法であるため、、の方法の
難点は改善することができるが、色が経時的に変化した
りして色調が安定するまでに長時間を要し、またセメン
トコンクリート製品の表面状態、乾燥速度等に応じて異
なるが、最適塗布量をコントロールするのが難しい。過
剰の金属塩を塗布した場合、余剰の着色生成物がセメン
トコンクリート製品の表面に析出し、水洗等の方法で除
去しなければならず、余剰の着色生成物を含んだ廃水処
理の問題もある。また製造後長期間経過したセメントコ
ンクリート製品では発色しなかったり、発色が不十分で
着色できなかったりする。それ故、の方法も改善の余
地がある。
【0005】本発明者らの研究によると、の金属硫酸
塩を使用する方法の発色、着色機構の詳細は明らかでは
ないが、セメントコンクリート製品中のセメントの水和
反応によって生じた遊離Ca(OH)2 が、金属硫酸塩
と反応して金属水酸化物の微小結晶を生成して発色し、
同時に生成する硫酸カルシウムや他の反応生成物と共に
セメントコンクリート製品の表面層部のセメントコンク
リートの微小な間隙に入り込み表面層を緻密化して表面
に微小結晶の水酸化物の塩特有の色の皮膜層を形成して
着色していると推察される。また微小結晶の水酸化物
は、空気中の水分や酸素と反応してその一部は酸化物の
微小結晶となって表面層に混在ていると推察される。ま
た色調が安定するまでに長時間を要するのは、発色がセ
メントコンクリート製品中から表面層部へ滲み出る遊離
Ca(OH)2 の滲出速度、水酸化物生成反応速度及び
酸化物生成速度等に依存して徐々に発色が進むことが原
因と推察される。また製造後長期間経過したセメントコ
ンクリ−ト製品は、表面が中性化していたり乾燥しすぎ
ている等のため、遊離Ca(OH)2 の滲出が十分でな
いことが、発色しなかったり、発色不良の原因になって
いると推察される。またセメントコンクリート製品の表
面が湿潤している場合は金属硫酸塩水溶液が浸透しずら
く、屋外では塗布量をコントロールすることができない
ため、過剰に塗布しすると表面に余剰着色成分が析出し
たりして、水洗や廃液処理を余儀なくされていると推察
される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、前述し
た点に鑑み、〜の難点を改良できる着色セメントコ
ンクリート製品の製造法、さらには(イ)安定した色調
の着色皮膜(層)を形成させることができる、(ロ)長
期の耐候・耐久性、安定性に優れた着色セメントコンク
リート製品を容易に効率よく製造できる、(ハ)余剰着
色生成物を固定でき水洗等による除去作業を必要としな
い、(ニ)有色廃水の発生を抑制できる、(ホ)セメン
トコンクリート製品の白華現象、酸性雨、塩害、凍結、
中性化等による劣化をも防止できる、着色セメントコン
クリート製品の製造法を開発することを目的として鋭意
研究を重ねた。その結果、セメントコンクリート製品に
金属塩を使用して着色皮膜(層)を生成させる前及び又
は生成させた後、セメントコンクリート製品の表面又は
着色皮膜(層)の表面をアルカリ及び又は酸化剤処理す
ると、また蒸気養生すると、発色が促進され、早期に強
固な着色皮膜(層)の生成を促して安定した色調の着色
皮膜(層)を形成させることができこと、皮膜が剥離し
たりせず、長期の耐候・耐久性、安定性に優れた着色セ
メントコンクリート製品を容易に効率よく製造すること
ができこと、製造後長期間経過したセメントコンクリー
ト製品で中性化、乾燥等により発色不能あるいは発色不
良となっているものでも良好な着色をすることができる
こと、さらにはセメントコンクリート製品の白華現象等
による劣化をも防止でき、また着色皮膜を形成させた後
表面を合成樹脂上塗り剤で処理すると前記効果を一段と
高めることができ、さらに余剰着色生成物を固定でき、
有色廃水処理の問題も解決できることを知見し、本発明
に到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】本発明は、セメントコンクリート製品に金
属塩及び又はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を
生成させる工程、着色皮膜を生成させる前及び又は生成
させた後にセメントコンクリート製品の表面をアルカリ
及び又は酸化剤で処理する工程、前記2工程後にセメン
トコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面処
理する工程を具備することを特徴とする着色セメントコ
ンクリート製品の製造法に関する。
【0009】本発明は、セメントコンクリート製品に金
属塩及び又はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を
生成させた後蒸気養生する工程、前記蒸気養生後にセメ
ントコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面
処理する工程を具備することを特徴とする着色セメント
コンクリート製品の製造法に関する。
【0010】本発明は、セメントコンクリート製品に金
属塩及び又はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を
生成させる工程、着色皮膜を生成させる前及び又は生成
させた後にセメントコンクリート製品の表面をアルカリ
及び又は酸化剤で処理する工程、前記2工程後にセメン
トコンクリート製品を蒸気養生する工程、及び前記蒸気
養生後セメントコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗
り剤で表面処理する工程を具備することを特徴とする着
色セメントコンクリート製品の製造法に関する。
【0011】本発明は、セメントコンクリート製品に、
周期律表1B族、6A族、7A族及び8族よりなる群か
ら選択された金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、
スルファミン酸塩、又は硫酸アンモニウム塩の水溶液
を、含浸及び又は塗布して前記金属塩及び又はその反応
生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる前及び又は
生成させた後、セメントコンクリート製品の表面をアル
カリ及び又は酸化剤水溶液で処理し、着色皮膜が形成さ
れたセメントコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り
剤で表面処理することを特徴とする着色セメントコンク
リート製品の製造法に関する。
【0012】本発明は、セメントコンクリート製品に、
周期律表1B族、6A族、7A族及び8族よりなる群か
ら選択された金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、
スルファミン酸塩、又は硫酸アンモニウム塩の水溶液
を、含浸及び又は塗布して前記金属塩及び又はその反応
生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる前及び又は
生成させた後、セメントコンクリート製品の表面をアル
カリ及び又は酸化剤水溶液で処理し、着色皮膜が形成さ
れたセメントコンクリート製品を蒸気養生した後、表面
を合成樹脂上塗り剤で表面処理することを特徴とする着
色セメントコンクリート製品の製造法に関する。
【0013】本発明が適用できるセメントコンクリート
製品としては、その種類、形状、大きさ等に特に制限は
なく、例えばセメントモルタル、コンクリートパネル、
ブロック、パイル、タイル、目地、人造石、槽塔類、セ
メントコンクリート建築物、構築物等のセメントモルタ
ル製品、セメントコンクリート製品であれば、いずれに
も又いずれの箇所にも適用することができる。また本発
明による着色セメントコンクリート製品の製造は着色施
行現場で行っても、セメントコンクリート製品の製造工
場で行ってもよい。
【0014】本発明において金属塩としては、硫酸塩、
硝酸塩、塩化物、酢酸塩、スルファミン酸塩、硫酸アン
モニウム塩等が好適に使用される。なかでも硫酸塩及び
硝酸塩は特に好適である。金属塩としては、水可溶性
の、好ましくは周期律表の1B族、6A族、7A族及び
8族よりなる群から選択された水可溶性の金属塩が使用
される。これら金属塩の具体例としては、硫酸銅、硫酸
第一鉄、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫酸ニッケル、硫
酸マンガン、硝酸銅、硝酸銀、硝酸クロム、硝酸コバル
ト、硝酸鉄、硝酸ニッケル、硝酸マンガン、塩化クロ
ム、塩化マンガン、塩化コバルト、塩化鉄、酢酸コバル
ト、酢酸鉄、酢酸マンガン、スルファミン酸コバルト、
硫酸鉄アンモニウム、硫酸クロムアンモニウム、硫酸ニ
ッケルアンモニウム、硫酸マンガンアンモニウム等の水
可溶性の金属塩を挙げることができる。金属塩は、1種
使用しても、複数種併用して使用してもよい。
【0015】金属塩は、溶液状態、一般には水溶液とし
てセメントコンクリート製品の表面に、含浸及び又は塗
布する。含浸及び又は塗布すると発色してセメントコン
クリート製品の表面に着色皮膜が生成する。含浸及び又
は塗布の方法は特に制限されないが、普通には例えば刷
毛塗り、吹きつけ、ディピング等の方法が採用される。
含浸及び又は塗布の操作は、1回でも複数回繰り返し行
ってもよい。また部分的に金属塩の種類を変えて含浸及
び又は塗布してもよい。これらの操作によって種々の着
色模様をつけることができる。
【0016】金属塩水溶液として使用する場合の濃度
は、セメントコンクリート製品への金属塩の含浸、塗布
量によっても異なるが、2重量%(無水物基準)以上か
ら飽和濃度以下の範囲、好ましくは5〜30重量%の範
囲から色調を考慮して適宜選択使用される。一般に濃度
が低いほど色調が淡く高くなるにつれて色調が濃くなる
が、濃度が2重量%未満ではほとんど着色しない。また
金属塩のセメントコンクリ−ト製品への含浸、塗布量
(使用量)は、セメントコンクリート製品の表面状態、
金属塩水溶液の濃度等によっても異なるが、金属塩水溶
液として製品表面積1m2 当たり1〜300g、好まし
くは20〜200gが好適である。含浸、塗布量が少な
すぎると着色が十分でなく、また過度に多くしても特に
色調に大きな変化はなく200gを越えると余剰の着色
生成物がセメントコンクリ−ト製品の表面に析出するこ
とがある。
【0017】本発明においてアルカリ及び又は酸化剤で
の処理は、セメントコンクリート製品に金属塩及び又は
その反応生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる前
に行っても又生成させた後、あるいは生成の前と後に行
ってもよい。アルカリ及び又は酸化剤で処理すると、発
色は促進され、中性化しているセメントコンクリート製
品に対しても発色効果を高めることができる。
【0018】アルカリでの処理は、一般にはPH8以
上、好ましくはPH10以上のアルカリ水溶液を、着色
皮膜を生成させる前及び又は生成させた後のセメントコ
ンクリート製品の表面に、含浸及び又は塗布する方法で
行われる。PHが8より低いと発色促進効果がほとんど
ないので、高いPHのアルカリ水溶液を使用するのが好
適である。含浸及び又は塗布の方法は特に制限されない
が、普通には例えば刷毛塗り、吹きつけ、デッピング等
の方法が採用される。含浸及び又は塗布の操作は、1回
でも複数回繰り返し行ってもよい。
【0019】アルカリ水溶液の含浸及び又は塗布量(使
用量)は、セメントコンクリート製品の表面状態、アル
カリ水溶液のPH、粘度、乾燥速度等によっても異なる
が、処理する製品表面積1m2 当たり20〜2000
g、好ましくは50〜500gである。含浸及び又は塗
布量が少なすぎると効果が期待できず、また過度に多す
ぎると金属塩成分がセメントコンクリート製品の内部に
浸透できなくなるので好ましくない。
【0020】アルカリでの処理に使用されるアルカリ物
質としては、水可溶性で水溶液のPHが8以上、好まし
くは10以上のものであればよく、また使用にあたって
アルカリ物質は水に完全に溶解していても一部溶解した
懸濁水溶液であってもよい。アルカリ物質の具体例とし
ては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物、(重)炭酸ナトリム、(重)炭
酸カリウム等のアルカリ金属の(重)炭酸塩、メタ珪酸
ナトリウム、メタ珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸
塩、水ガラス、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属の水酸
化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ
土類金属の酸化物等を挙げることができる。またこれら
は混合物であってもよい。またセメントコンクリート工
場から排出されるスラッジやスラッジ水も使用できる。
【0021】また酸化剤での処理は、アルカリでの処理
と同様に、普通には酸化剤の水溶液をセメントコンクリ
ート製品の表面に、金属塩及び又はその反応生成物を主
成分とする着色皮膜を生成させる前又は生成させた後あ
るいは生成の前と後との両方に含浸及び又は塗布するこ
とによって行われるが、金属塩の水溶液に添加する方法
で行ってもよい。含浸及び又は塗布の方法は、普通には
刷毛塗り、吹きつけ、デッピング等の方法が採用され
る。含浸及び又は塗布の操作は、1回でも複数回繰り返
し行ってもよい。酸化剤としては、強酸化性のものが好
適に使用される。酸化剤として固体状のものは適当な溶
媒に溶解させて溶液状態、例えば水溶液にして使用され
る。酸化力があまり弱すぎるものを使用すると発色促進
効果はほとんどない。
【0022】酸化剤の水溶液の含浸及び又は塗布量(使
用量)は、セメントコンクリート製品の表面状態、酸化
剤の種類や濃度等によっても異なるが、処理する製品表
面積1m2 当たり20〜2000g/m2 、好ましくは
50〜500g/m2 である。含浸及び又は塗布量が少
なすぎると、その効果が期待できず、また過度に多すぎ
ると金属塩成分がセメントコンクリート製品内部に浸透
し難くなるので前記範囲が好適である。また酸化剤の水
溶液としては、一般には酸化剤の濃度が0.5〜30重
量%のものが使用される。
【0023】酸化剤での処理に使用される酸化剤として
は、固体又は液体状の酸化力を有する化合物であれば使
用できるが、水溶液等溶液状態にしたときに強酸化性を
示す化合物が特に好適である。酸化剤の代表例として
は、例えば過酸化水素、亜硝酸ナトリウム、過酸化カル
シウムやさらし粉、亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸ナ
トリウム、塩素酸ナトリウムの如き塩素酸塩類を挙げる
ことができる。
【0024】本発明において、アルカリ及び又は酸化剤
での処理によって発色が促進され、早期に安定した色調
の強固な着色皮膜(層)を形成させることができる機構
については、十分に明らかではないが、アルカリ及び又
は酸化剤でセメントコンクリート製品の表面(層)が活
性化され、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属塩化物、金属
酢酸塩、金属スルファミン酸塩、金属硫酸アンモニウム
塩等の金属塩との反応を促進し、セメント成分と金属塩
及びその反応生成物をより強固に一体化させる作用をし
ていると推察される。
【0025】また本発明において、金属塩の水溶液の含
浸及び又は塗布したセメントコンクリート製品、金属塩
の水溶液を含浸及び又は塗布して着色皮膜を生成させる
前及び又は生成させた後にアルカリ及び又は酸化剤水溶
液での処理を行ったセメントコンクリート製品は、これ
を蒸気養生すると、さらに発色が促進され、安定した色
調の強固な着色皮膜(層)の形成を一段と促進させるこ
とができる。蒸気養生は、セメントコンクリート製品の
表面が湿潤状態にあることが発色効果の面で特に好まし
い。蒸気養生の温度は、40〜90°C、好ましくは6
0〜80°Cがよく、相対湿度は60〜98%の範囲
が、早期に安定した色調の着色皮膜を形成させるうえで
好適である。蒸気養生の時間は、温度、養生雰囲気等に
よっても異なるが、普通には30分〜24時間、好まし
くは40分〜4時間で十分である。
【0026】本発明においては着色皮膜が形成されたセ
メントコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表
面処理する。合成樹脂上塗り剤での処理によって、より
長期間にわたっての色調の安定化、褪色の防止を図るこ
とができ、また着色面の余剰着色生成物の固定化による
除去作業の省略、有色廃水の発生を抑制でき、さらにセ
メントコンクリート製品の白華現象、酸性雨、塩害、凍
結、中性化、風化等による劣化をも防止できる。合成樹
脂上塗り剤としては、普通には透明なものが使用され
る。例えばエチレン酢酸ビニル系、アクリル酸エステル
系、ポリウレタン系、ポリエステル系、アクリルシリコ
ン系、塩化ビニル系、シリコーン系、シラノール系、シ
ラン系、フッ素系等の合成樹脂上塗り材を挙げることが
できる。合成樹脂上塗り剤での表面処理は、着色皮膜が
形成されたセメントコンクリート製品の表面に合成樹脂
上塗り剤を含浸及び又は塗布する方法が採用される。普
通には刷毛塗り、吹きつけ、デッピング等の方法で行わ
れる。表面処理は1回でも複数回繰り返し行ってもよい
が、一度に厚塗りせずに2〜3回塗り重ねするのが好適
である。また表面処理は、着色皮膜が形成されたセメン
トコンクリート製品の表面が乾燥していればいつ行って
もよい。
【0027】合成樹脂上塗り剤の含浸及び又は塗布量
は、セメントコンクリート製品の表面状態、合成樹脂の
粘度、乾燥速度等によっても異なるが、一般には処理す
る製品の表面積1m2 当たり50〜600g、好ましく
は300〜500gが適当である。含浸・塗布量が少な
すぎるとその効果が期待できず、また過度に多くしても
特に効果に大きな変化はない。
【0028】本発明において、合成樹脂上塗り剤による
表面処理の効果発現機構についての詳細は明らかではな
いが、合成樹脂が化学的に基材表面と内部で結合し、高
分子化して固化定着することにより緻密化した安定な保
護層を形成していると推察される。
【0029】
【発明の効果】本発明によると、(イ)従来法による着
色セメントコンクリート製品の難点を改良でき、発色不
良等がなく強固な着色皮膜層の生成を早期に形成させる
ことができる、(ロ)安定した色調の着色皮膜(層)を
形成させることができる、(ハ)皮膜が剥離したりせ
ず、長期の耐候・耐久性、安定性に優れた着色セメント
コンクリート製品を容易に効率よく製造できる、(ニ)
余剰着色生成物を固定でき水洗等による除去作業を必要
としない、(ホ)有色廃水の発生を抑制できる、(ヘ)
セメントコンクリート製品の白華現象、酸性雨、塩害、
凍結、中性化、風化等による劣化をも防止できる。
【0030】
【実施例】各例において、色彩の測定は色彩色差計(ミ
ノルタカメラ株式会社製、CRー210)を使用し、色
差はJIS・Z8730に準拠して計算により求めた。
促進耐候の試験は、JIS・A1415「プラスチック
建築材料の促進暴露試験方法」に準じて、長さ150m
m、幅70mm、厚さ30mmの試料を用い、サンシャ
インカーボン、ブラックパネル温度63±3°C、湿度
50%RH、スプレーサイクル60分中12分降雨の条
件で行った。促進白華試験は、(財)建材試験センター
の方法を参考にして7°C、相対湿度50%、風速0.
5m/sの環境下で1cmの高さまで濃度0.18重量
%水酸化カルシウムと濃度2.5重量%硫酸ナトリウム
の1:1混合溶液に浸して保存し、白華の発生状況を観
察した。遮塩性試験は、飽和塩化ナトリウム溶液に7日
間浸漬後2分割して、その断面に0.1%フルオレセイ
ンナトリウム溶液及び0.1N硝酸銀溶液を噴霧して塩
素イオンの浸透深さを測定した。
【0031】実施例1 30×30×3cmの型枠に、普通ポルトランドセメン
ト:砂=1:2(重量比)、水セメント比(W/C)=
0.45(重量比)のセメントモルタルを流し込み、一
夜湿空養生した後脱型し、更に一夜湿空養生し次いで9
0日間気中養生を行ってセメントパネルを製造した。セ
メントパネルに濃度23重量%の酢酸マンガン水溶液を
100g/m2 塗布し、パネル表面が湿潤している間に
濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を200g/m
2 吹きつけ、濃度3重量%の過酸化水素水溶液を100
g/m2 吹きつけて含浸させ室温に放置した。セメント
パネルの表面は過酸化水素水溶液の吹きつけと同時に発
色し、室温に放置して1時間乾燥後、表面に褐色の着色
皮膜が生成した。ついでこの着色セメントパネルの表面
に、透明なシラン系樹脂上塗り剤(商品名:U−ガー
ド、宇部興産株式会社製)を300g/m2 塗布して表
面処理した。処理後のパネルは、3年以上屋外に放置し
ても製造時の褐色の色調を保持しており、また色調の変
化、褪色、白華現象などは認められなかった。促進耐候
性試験250時間後の色差を表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度23重量%
の酢酸マンガン水溶液を100g/m2 吹きつけ、湿潤
状態のパネルを80°C、相対湿度98%で1時間蒸気
養生した。パネルの表面は養生1時間で褐色の着色皮膜
が生成した。ついでこの着色セメントパネルの表面に、
透明なシラン系樹脂上塗り剤(商品名:U−ガード、宇
部興産株式会社製)を300g/m2 塗布して表面処理
した。処理後のパネルは、3年以上屋外に放置しても製
造時の褐色の色調を保持しており、また色調の変化、褪
色、白華現象などは認められなかった。促進耐候性試験
250時間後の色差を表1に示す。
【0033】実施例3 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度23重量%
酢酸マンガン水溶液を100g/m2 吹きつけ、パネル
表面が湿潤している間に濃度5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液を200g/m2 吹きつけ、ついで濃度3重量
%の過酸化水素水溶液を100g/m2 吹きつけて含浸
させ、湿潤状態のパネルを80°C、相対湿度98%で
30分間蒸気養生した。パネルの表面は、過酸化水素水
溶液の吹きつけ含浸と同時に発色し、養生30分で褐色
の皮膜を有する着色セメントパネルを得た。ついでこの
着色セメントパネルは、実施例1と同様に透明なシラン
系樹脂上塗り剤(商品名:U−ガード、宇部興産株式会
社製)を300g/m2 塗布して表面処理した。処理後
のパネルは、3年以上屋外に放置しても製造時の褐色の
色調5保持しており、また色調の変化、褪色、白華現象
などは認められなかった。促進耐候性試験250時間後
の色差を表1に示す。
【0034】実施例4 セメントパネルの製造における90日間の気中養生を1
80日に代えたパネルを使用し、過酸化水素水溶液を使
用せず、蒸気養生を行わなかったほかは、実施例3と同
様にして酢酸マンガン水溶液及び水酸化ナトリウム水溶
液を使用して褐色の着色皮膜を有する着色セメントパネ
ルを得た後、実施例1と同様に透明なシラン系樹脂上塗
り剤(商品名:U−ガード、宇部興産株式会社製)を3
00g/m2 塗布して表面処理した。処理後のパネル
は、3年以上屋外に放置しても製造時の褐色の色調を保
持しており、また色調の変化、褪色、白華現象などは認
められなかった。促進耐候性試験250時間後の色差を
表1に示す。
【0035】参考例1〜3 透明なシラン系樹脂上塗り剤(商品名:U−ガード、宇
部興産株式会社製)300g/m2 の塗布による表面処
理を行わなかったほかは、実施例1〜3を繰り返し、褐
色の着色皮膜を有する着色セメントパネルを得た。未処
理後のパネルは、屋外に放置すると徐々に色調が濃色化
した。促進耐候性試験250時間後の色差を表1に示
す。
【0036】比較例1 実施例1の水酸化ナトリウム水溶液及び過酸化水素水溶
液の吹きつけをせず、透明なシラン系樹脂上塗り剤の塗
布による表面処理も行わなかったほかは、実施例1と同
様にして着色セメントパネルの製造を試みた。吹きつけ
た酢酸マンガン水溶液が乾燥するに従いパネル表面に薄
い褐色の皮膜が生成したが、促進耐候250時間に匹敵
する褐色に至らなかった。その後屋外に放置したとこ
ろ、徐々に色調が褐色化し、半年から1年かけて褐色へ
と変化した。
【0037】比較例2 実施例1のセメントパネル製造における90日間の気中
養生を、180日に代えたパネルを使用し、実施例1の
水酸化ナトリウム水溶液及び過酸化水素水溶液の吹きつ
けをせず、透明なシラン系樹脂上塗り剤の塗布による表
面処理も行わなかったほかは、実施例1と同様にして着
色セメントパネルの製造を試みた。しかし吹きつけた酢
酸マンガン水溶液はパネルに浸透してしまい発色しなか
った。そこで再度濃度23重量%の酢酸マンガン水溶液
を100g/m2 吹きつける操作を2回繰り返したとこ
ろ、僅かにパネルが褐色に変化しただけであった。
【0038】実施例5 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度5重量%の
水酸化ナトリウム水溶液を400g/m2 塗布し、パネ
ル表面が湿潤している間に濃度32重量%の塩化ニッケ
ル水溶液を100g/m2 吹きつけ室温に放置した。セ
メントパネルの表面は塩化ニッケル水溶液の吹きつけと
同時に発色し、室温に放置して1時間乾燥後薄緑色の着
色皮膜を有する着色セメントパネルを得た。ついでこの
着色セメントパネルの表面に、透明なアクリルシリコン
系樹脂上塗り剤を500g/m2 塗布して表面処理し
た。処理後のパネルは、3年以上屋外に放置しても製造
時の薄緑色の色調を保持しており、また色調の変化、褪
色、白華現象などは認められなかった。促進耐候性試験
250時間後の色差を表1に示す。
【0039】実施例6 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度32重量%
の塩化ニッケル水溶液を100g/m2 吹きつけ、湿潤
状態のパネルを80°C、相対湿度98%で1時間蒸気
養生した。パネルの表面は養生1時間で薄緑色の着色皮
膜が生成した。ついでこの着色セメントパネルの表面
に、透明なアクリルシリコン系樹脂上塗り剤を500g
/m2 塗布して表面処理した。処理後のパネルは、3年
以上屋外に放置しても製造時の薄緑色の色調を保持して
おり、また色調の変化、褪色、白華現象などは認められ
なかった。促進耐候性試験250時間後の色差を表1に
示す。
【0040】実施例7 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度5重量%の
水酸化ナトリウム水溶液を400g/m2 塗布し、パネ
ル表面が湿潤している間に濃度32重量%の塩化ニッケ
ル水溶液を100g/m2 吹きつけ、湿潤状態のパネル
を80°C、相対湿度98%で50分間蒸気養生した。
パネルの表面は、塩化ニッケル水溶液の吹きつけと同時
に発色し、養生50分で褐色の皮膜を有する着色セメン
トパネルを得た。ついでこの着色セメントパネルの表面
に、透明なアクリルシリコン系樹脂上塗り剤を500g
/m2 塗布して表面処理した。処理後のパネルは、3年
以上屋外に放置しても製造時の薄緑色の色調を保持して
おり、また色調の変化、褪色、白華現象などは認められ
なかった。促進耐候性試験250時間後の色差を表1に
示す。
【0041】参考例4〜6 透明なアクリルシリコン系樹脂上塗り剤を500g/m
2 の塗布による表面処理を行わなかったほかは、実施例
5〜7を繰り返し、薄緑色の着色皮膜を有する着色セメ
ントパネルを得た。未処理後のパネルは、屋外に放置す
ると徐々に色調が濃色化した。促進耐候性試験250時
間後の色差を表1に示す。
【0042】実施例8 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度28重量%
の硫酸鉄アンモニウム水溶液を220g/m2 吹きつ
け、パネル表面が湿潤している間にPH12の酸化カル
シウム水溶液(石灰水)を400g/m2 吹きつけ、濃
度10重量%の塩素酸ナトリウム水溶液を200g/m
2 吹きつけて含浸させ室温に放置した。セメントパネル
の表面は塩素酸ナトリウム水溶液の吹きつけと同時に発
色し、室温に放置して1時間乾燥後、表面に赤褐色の着
色皮膜が生成した。この着色セメントパネルの表面には
余剰着色成分の析出が認められたが、表面に透明なエチ
レン酢酸ビニル系樹脂上塗り剤を500g/m2 塗布し
て表面処理した。処理後のパネルは、手で触れても余剰
着色成分が手に付着することはなく水洗も必要としなか
った。また3年以上屋外に放置しても製造時の褐色の色
調を保持しており、また色調の変化、褪色、白華現象な
どは認められなかった。
【0043】参考例7 実施例8のエチレン酢酸ビニル系樹脂上塗り剤による表
面処理をしなかったほかは、実施例8と同様にして表面
に赤褐色の着色皮膜が生成した着色セメントパネルを得
た。この着色セメントパネルの表面には余剰着色成分が
析出しており、手で触れると赤褐色の着色成分が手や衣
服に付着した。また余剰着色成分を除去するために水洗
すると、赤褐色の廃水が発生し濾過しなければ排水でき
なかった。
【0044】実施例9 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度19重量%
の塩化クロム水溶液を220g/m2 吹きつけ、パネル
表面が湿潤している間にPH12の水ガラスの水溶液を
600g/m2 吹きつけて含浸させ室温に放置した。セ
メントパネルの表面は水ガラスの水溶液の吹きつけと同
時に発色し、室温に放置して1時間乾燥後、表面に緑青
色の着色皮膜が生成した。この着色セメントパネルの表
面に透明な塩化ビニル系樹脂上塗り剤を350g/m2
塗布して表面処理した。着色セメントパネルの表面には
余剰着色成分が析出していたが、表面処理後のパネル
は、手で触れても余剰着色成分が手に付着することはな
く水洗も必要としなかった。また3年以上屋外に放置し
ても製造時の褐色の色調を保持しており、また色調の変
化、褪色、白華現象などは認められなかった。
【0045】参考例8 実施例9の塩化ビニル系樹脂上塗り剤による表面処理を
しなかったほかは、実施例9と同様にして表面に緑青色
の着色皮膜が生成した着色セメントパネルを得た。この
着色セメントパネルの表面には余剰着色成分が析出して
おり、手で触れると緑青色の着色成分が手や衣服に付着
した。また余剰着色成分を除去するために水洗すると、
赤褐色の廃水が発生し濾過しなければ排水できなかっ
た。
【0046】実施例10 10×10×2cmの型枠に、普通ポルトランドセメン
ト:砂=1:3(重量比)、水セメント比(W/C)=
0.75(重量比)のセメントモルタルを流し込み、2
0°C、相対湿度60%の空気中で24時間養生し脱型
した後、80°Cで24時間乾燥してセメントパネルを
製造した。セメントパネルに、濃度20重量%の硝酸銀
水溶液を100g/m2 吹きつけ、パネル表面が湿潤し
ている間に濃度5重量%の水酸化ナトリウム水溶液を2
00g/m2 吹きつけ、濃度10重量%の亜硝酸ナトリ
ウム水溶液を200g/m 2 吹きつけて含浸させ室温に
放置した。セメントパネルの表面は亜硝酸ナトリウム水
溶液の吹きつけと同時に発色し、室温に放置して1時間
乾燥後、表面に黒色の着色皮膜が生成した。ついでこの
着色セメントパネルの表面に、透明なアクリル酸エステ
ル系樹脂上塗り剤を300g/m2 塗布して表面処理し
た。処理後のパネルの側面をエポキシ樹脂で防水処理し
た後、促進白華試験を行い、1週間経過時点における白
華の発生状況を観察したが、白華は全く発生していなか
った。
【0047】実施例11 実施例10で製造したセメントパネルに、濃度40重量
%の硝酸銅水溶液を100g/m2 吹きつけ、パネル表
面が湿潤している間に濃度5重量%の水酸化ナトリウム
水溶液を350g/m2 吹きつけて含浸させ室温に放置
した。セメントパネルの表面は水酸化ナトリウム水溶液
の吹きつけと同時に発色し、室温に放置して1時間乾燥
後、表面に淡青色の着色皮膜が生成した。この着色セメ
ントパネルの表面に透明なフッ素系樹脂上塗り剤を55
0g/m 2 塗布して表面処理した。処理後のパネルの側
面をエポキシ樹脂で防水処理した後、促進白華試験を行
い、1週間経過時点における白華の発生状況を観察した
が、白華は全く発生していなかった。
【0048】実施例12 10×10×2cmの型枠に、普通ポルトランドセメン
ト:砂=1:2(重量比)、水セメント比(W/C)=
0.65(重量比)のセメントモルタルを流し込み、2
0°C、相対湿度60%の空気中で14日間養生して脱
型し、セメントパネルを製造した。セメントパネルに、
濃度15重量%の硫酸第一鉄水溶液を100g/m2
きつけ、パネル表面が湿潤している間に濃度5重量%の
水酸化ナトリウム水溶液を200g/m2 吹きつけ、濃
度1重量%のさらし粉の水溶液を100g/m2 吹きつ
けて含浸させ室温に放置した。セメントパネルの表面は
さらし粉の水溶液の吹きつけと同時に発色し、室温に放
置して1時間乾燥後、表面に赤褐色の着色皮膜が生成し
た。ついでこの着色セメントパネルの表面に、透明なシ
リコーン系樹脂上塗り剤を450g/m2 塗布して表面
処理した。処理後のパネルの側面をエポキシ樹脂で防水
処理した後、遮塩性試験を行い、塩素イオンの浸透深さ
を測定した。その結果を表2に示す。
【0049】実施例13 実施例12で製造したセメントパネルに、濃度15重量
%のスルファミン酸コバルト水溶液を100g/m2
きつけ、パネル表面が湿潤している間にPH12のセメ
ントスラッジ水を200g/m2 吹きつけ、濃度1重量
%の過酸化カルシウム水溶液を100g/m2 吹きつけ
て含浸させ室温に放置した。セメントパネルの表面は過
酸化カルシウム水溶液の吹きつけと同時に発色し、室温
に放置して1時間乾燥後、表面にオリーブ緑色の着色皮
膜が生成した。ついでこの着色セメントパネルの表面
に、透明なシラノール系樹脂上塗り剤を350g/m2
塗布して表面処理し、20°C、相対湿度60%で48
時間養生した。その後パネルの側面をエポキシ樹脂で防
水処理した後、遮塩性試験を行い、塩素イオンの浸透深
さを測定した。その結果を表2に示す。
【0050】参考例9〜10 実施例12及び13の上塗り剤による表面処理をしなか
ったほかは、実施例12及び13と同様にして、表面に
赤褐色の着色皮膜を有する着色セメントパネル(参考例
9)及び表面にオリーブ緑色の着色皮膜を有する着色セ
メントパネル(参考例10)を得た。パネルの側面をエ
ポキシ樹脂で防水処理した後、遮塩性試験を行い、塩素
イオンの浸透深さを測定した。その結果を表2に示す。
【0051】実施例14 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度13重量%
の塩化コバルト水溶液を50g/m2 吹きつけ、パネル
が湿潤している間に濃度3重量%の過酸化水素水溶液を
50g/m2 吹きつけて含浸させた。セメントパネルの
表面は過酸化水素水溶液の吹きつけと同時に発色し、室
温に放置して1時間乾燥後オリーブ緑色の着色皮膜を有
する着色セメントパネルを得た。ついでこの着色セメン
トパネルは、実施例1と同様に透明なシラン系樹脂上塗
り剤(商品名:U−ガード、宇部興産株式会社製)を3
00g/m2 塗布して表面処理した。処理後のパネル
は、3年以上屋外に放置しても製造時の褐色の色調を保
持しており、また色調の変化、褪色、白華現象などは認
められなかった。
【0052】実施例15 実施例1で製造したセメントパネルに、濃度10重量%
の塩素酸ナトリウム水溶液を50g/m2 塗布し、パネ
ル表面が湿潤している間に濃度12重量%の硫酸クロム
水溶液を50g/m2 吹きつけ含浸させ、湿潤状態のパ
ネルを60°C、相対湿度60%で50分間蒸気養生し
た。パネルの表面は、硫酸クロム水溶液の吹きつけ含浸
と同時に発色し、青緑色の皮膜を有する着色セメントパ
ネルを得た。ついでこの着色セメントパネルは、実施例
1と同様に透明なシラン系樹脂上塗り剤(商品名:U−
ガード、宇部興産株式会社製)を300g/m2 塗布し
て表面処理した。処理後のパネルは、3年以上屋外に放
置しても製造時の青緑色の色調を保持しており、また色
調の変化、褪色、白華現象などは認められなかった。
【0053】実施例16 実施例1で製造したセメントパネルに、PH12の水酸
化ナトリウム水溶液を100g/m2 塗布し、パネル表
面が湿潤している間に濃度15重量%の硫酸第一鉄水溶
液を80g/m2 吹きつけ含浸させ室温に放置した。セ
メントパネルの表面は乾燥と同時に発色し含浸処理1時
間で表面に黄褐色の着色皮膜が生成した。ついでこの着
色セメントパネルは、実施例1と同様に透明なシラン系
樹脂上塗り剤(商品名:U−ガード、宇部興産株式会社
製)を300g/m2 塗布して表面処理した。処理後の
パネルは、3年以上屋外に放置しても製造時の黄褐色の
色調を保持しており、また色調の変化、褪色、白華現象
などは認められなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 義則 山口県宇部市西本町1丁目12番32号 宇部 興産株式会社宇部本社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメントコンクリート製品に金属塩及び又
    はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる
    工程、着色皮膜を生成させる前及び又は生成させた後に
    セメントコンクリート製品の表面をアルカリ及び又は酸
    化剤で処理する工程、前記2工程後にセメントコンクリ
    ート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面処理する工程
    を具備することを特徴とする着色セメントコンクリート
    製品の製造法。
  2. 【請求項2】セメントコンクリート製品に金属塩及び又
    はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を生成させた
    後蒸気養生する工程、前記蒸気養生後にセメントコンク
    リート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面処理する工
    程を具備することを特徴とする着色セメントコンクリー
    ト製品の製造法。
  3. 【請求項3】金属塩が、周期律表1B族、6A族、7A
    族及び8族よりなる群から選択された金属の硫酸塩、硝
    酸塩、塩化物、酢酸塩、スルファミン酸塩、又は硫酸ア
    ンモニウム塩である請求項2に記載の着色セメントコン
    クリート製品の製造法。
  4. 【請求項4】セメントコンクリート製品に金属塩及び又
    はその反応生成物を主成分とする着色皮膜を生成させる
    工程、着色皮膜を生成させる前及び又は生成させた後に
    セメントコンクリート製品の表面をアルカリ及び又は酸
    化剤で処理する工程、前記2工程後にセメントコンクリ
    ート製品を蒸気養生する工程、及び前記蒸気養生後セメ
    ントコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面
    処理する工程を具備することを特徴とする着色セメント
    コンクリート製品の製造法。
  5. 【請求項5】セメントコンクリート製品に、周期律表1
    B族、6A族、7A族及び8族よりなる群から選択され
    た金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、スルファミ
    ン酸塩、又は硫酸アンモニウム塩の水溶液を、含浸及び
    又は塗布して前記金属塩及び又はその反応生成物を主成
    分とする着色皮膜を生成させる前及び又は生成させた
    後、セメントコンクリート製品の表面をアルカリ及び又
    は酸化剤水溶液で処理し、着色皮膜が形成されたセメン
    トコンクリート製品の表面を合成樹脂上塗り剤で表面処
    理することを特徴とする着色セメントコンクリート製品
    の製造法。
  6. 【請求項6】セメントコンクリート製品に、周期律表1
    B族、6A族、7A族及び8族よりなる群から選択され
    た金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物、酢酸塩、スルファミ
    ン酸塩、又は硫酸アンモニウム塩の水溶液を、含浸及び
    又は塗布して前記金属塩及び又はその反応生成物を主成
    分とする着色皮膜を生成させる前及び又は生成させた
    後、セメントコンクリート製品の表面をアルカリ及び又
    は酸化剤水溶液で処理し、着色皮膜が形成されたセメン
    トコンクリート製品を蒸気養生した後、表面を合成樹脂
    上塗り剤で表面処理することを特徴とする着色セメント
    コンクリート製品の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009091216A (ja) * 2007-10-11 2009-04-30 Abc Kenzai Kenkyusho:Kk コンクリートの高耐久性着色方法
US8173586B2 (en) 2007-03-01 2012-05-08 Diversey, Inc. Coating removal composition

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US8778093B2 (en) 2007-03-01 2014-07-15 Diversey, Inc. Coating removal composition
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