JPH08290428A - ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を用いる成形方法 - Google Patents

ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を用いる成形方法

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JPH08290428A
JPH08290428A JP10117095A JP10117095A JPH08290428A JP H08290428 A JPH08290428 A JP H08290428A JP 10117095 A JP10117095 A JP 10117095A JP 10117095 A JP10117095 A JP 10117095A JP H08290428 A JPH08290428 A JP H08290428A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
glass fiber
kneading
recovery material
virgin
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Application number
JP10117095A
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English (en)
Inventor
Isao Boku
勲夫 朴
Takashi Yamamoto
孝 山本
Nozomi Iwayama
望 岩山
Tatsuo Tanaka
達夫 田中
Shigetoshi Sugiyama
繁利 杉山
Kenzo Fukumori
健三 福森
Norio Sato
紀夫 佐藤
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Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/62Plastics recycling; Rubber recycling

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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を利用し
て、簡単かつ低コストで、しかも高強度のガラス繊維入
りの熱可塑性樹脂部品を成形する。 【構成】ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材と、該熱可
塑性樹脂と同種でかつより高粘度のバージン熱可塑性樹
脂とを混合する混合工程と、得られた混合物を混練し配
合されている上記ガラス繊維を混練時の剪断応力で15
0μm以下とするとともに所定形状に成形する成形工程
とからなる。バージン熱可塑性樹脂は、回収材の熱可塑
性樹脂よりも分子量が大きいため、混練時に剪断応力で
ガラス繊維を効果的に微細化することができる。ガラス
繊維を起点とするクラックの発生を阻止でき、高強度の
バージン熱可塑性樹脂により回収材の機械的物性低下を
補うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス繊維配合熱可塑
性樹脂回収材を用いる成形方法に関する。本発明方法
は、例えばガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材として車
両用ポリエチレン製天井基材の回収材、使用済みの廃材
あるいは成形端材を用いて、ガラス繊維入り熱可塑性樹
脂材を成形する際に好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂をガラス繊維で強化
する場合、アミノシラン等でガラス繊維の表面処理を行
うか、無水マレイン酸等で変性した熱可塑性樹脂を一部
添加するか、あるいはその両方の処理を行うことが一般
的である。なお、アミノシラン等によるガラス繊維の表
面処理は、ガラス繊維とマトリックス樹脂との接着性を
改善して耐熱性や機械的物性等を向上させるために、ま
た無水マレイン酸等で変性した熱可塑性樹脂の一部添加
は、マトリックス樹脂と相溶させて機械的強度を向上さ
せる等のために行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記処理を行
う場合、ガラス繊維の表面処理剤や変性熱可塑性樹脂は
高価であり、また多くの工程が必要となる。ところで、
自動車業界では、軽量化の要請に応えるため、多くの樹
脂部品が用いられている。例えば、ガラス繊維で強化さ
れたガラス繊維配合熱可塑性樹脂部品は、耐熱性や機械
的物性に優れており自動車用成形性天井基材として用い
られている。そして、近年における省資源化の要請に応
えるためには、これら樹脂部品の回収材を再利用するこ
とが望まれる。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を利用して、
簡単かつ低コストで、しかも高強度のガラス繊維入りの
熱可塑性樹脂部品を成形することのできるガラス繊維配
合熱可塑性樹脂回収材を用いる成形方法を提供すること
を解決すべき技術課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ガラス繊
維配合熱可塑性樹脂回収材をバージン熱可塑性樹脂とと
もに混練してガラス繊維入りの熱可塑性樹脂部品を成形
する方法について十分検討した結果、機械的物性が低下
したガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材をバージン熱可
塑性樹脂とともに普通に混練して得られる成形品では、
バージン熱可塑性樹脂のみからなる成形品の物性よりも
著しく低下してしまうが、成形品に含まれるガラス繊維
長さを制御することによりその再成形品の機械的強度を
制御できることを見い出した。すなわち、本発明は成形
品に含まれるガラス繊維を微細化することにより成形品
の機械的強度の低下を効果的に防止できることを見い出
して完成されたものである。
【0006】本発明のガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収
材を用いる成形方法は、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回
収材と、該熱可塑性樹脂と同種でかつより高粘度のバー
ジン熱可塑性樹脂とを混合する混合工程と、得られた混
合物を混練し配合されている上記ガラス繊維の平均繊維
長を混練時の剪断応力で150μm以下とするとともに
所定形状に成形する成形工程とからなることを特徴とす
る。
【0007】なお、上記ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回
収材の回収材とは、使用済みの廃材、又は成形端材(ト
リミングで生ずる切れ端等)を含むものを意味する。ま
た、上記より高粘度とは、バージン熱可塑性樹脂は、ガ
ラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材の熱可塑性樹脂より粘
度が高い、即ち分子量が大きいことを意味する。好適な
態様において、上記成形工程は、得られた混合物を混練
し、棒状に押出し、所定長さに切断するペレット化工程
と、得られたペレットを成形する本成形工程とからな
る。
【0008】上記ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材、
及び上記バージン熱可塑性樹脂は、同種のものである。
この熱可塑性樹脂の種類としては特に限定されず、ポリ
エチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ナイロン
(PA)等を用いることができる。上記バージン熱可塑
性樹脂は、上記ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材の熱
可塑性樹脂より高粘度のものである。メルトインデック
ス(MI)値の概念でいえば、バージン熱可塑性樹脂の
MI値は、回収材の熱可塑性樹脂のMI値よりも小さい
ものであればよく、具体的には(バージン熱可塑性樹脂
のMI値)/(回収材の熱可塑性樹脂のMI値)≧約5
であることが好ましい。
【0009】上記ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材に
おけるガラス繊維の配合比は、特に限定されないが、重
量比で、回収材中のガラス繊維の配合量が50wt%以
上になると、ガラス繊維の配合比率が高過ぎて一般的に
樹脂と良好に混合できなくなる。上記ガラス繊維配合熱
可塑性樹脂回収材、及び上記バージン熱可塑性樹脂の配
合比も特に限定されない。しかし、ガラス繊維配合熱可
塑性樹脂回収材の混合量が少な過ぎると、耐熱性や強度
を十分に向上させることができず、一方ガラス繊維配合
熱可塑性樹脂回収材の混合量が多過ぎると、成形性に悪
影響を与える。したがって、ガラス繊維配合熱可塑性樹
脂回収材及びバージン熱可塑性樹脂の配合比は、以下に
示す範囲の配合比とすることが好ましい。すなわち、ガ
ラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材:5〜50wt%、バ
ージン熱可塑性樹脂:50〜95wt%とすることが好
ましい。なお、回収材中のガラス繊維の配合量が50w
t%である場合、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材及
びバージン熱可塑性樹脂の最適配合比は、ガラス繊維配
合熱可塑性樹脂回収材:10wt%(熱可塑性樹脂:5
wt%、ガラス繊維:5wt%)、バージン熱可塑性樹
脂:90wt%である。
【0010】上記成形工程において、ガラス繊維配合熱
可塑性樹脂回収材及びバージン熱可塑性樹脂の混合物を
混練する方法は、混合物を均一にゲル化分散でき、しか
も混練時の剪断応力によりガラス繊維の平均繊維長を1
50μm以下に微細化できる方法であれば特に限定され
ない。通常のミキサーやニーダ等の混練機を用いる方法
の他、2軸混練押出機や半溶融型押出造粒装置等の混練
用押出機を用いることができる。2軸混練押出機や半溶
融型押出造粒装置等の混練用押出機を用いる場合は、ガ
ラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材及びバージン熱可塑性
樹脂の混合物を混練した後、引き続き、棒状に押出し、
所定長さに切断してペレットとするペレット化工程を実
施することができる。なお、混練時におけるガラス繊維
の微細化のし易さを考慮すれば、半溶融型押出造粒装置
を用いることが好ましい。
【0011】ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材及びバ
ージン熱可塑性樹脂の混合物を混練した後、あるいは必
要に応じてペレット化工程を実施した後、所定形状に成
形する際の成形方法は、特に限定されず、真空圧成形
機、スタンピング成形機や射出成形機などを用いてシー
ト状等の所定形状に成形することができる。なお、かか
る成形品の用途は、回収材の原用途に限定されない。例
えば、車両用ポリエチレン製天井基材の回収材を利用し
て、いわゆる車両用アンダーフード部品等を成形するこ
とができる。
【0012】
【作用】本発明のガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を
用いる成形方法は、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材
と、該熱可塑性樹脂と同種でかつより高粘度のバージン
熱可塑性樹脂とを混合し、得られた混合物を混練する。
バージン熱可塑性樹脂は、回収材の熱可塑性樹脂よりも
粘度が大きい、すなわち分子量が大きいため、回収材の
熱可塑性樹脂よりもMI値が小さく、かつ、高強度であ
る。このため、混練時には、バージン熱可塑性樹脂によ
る剪断応力でガラス繊維を効果的に微細化することがで
き、短時間でガラス繊維の平均繊維長を150μm以下
とすることができる。
【0013】また、回収材とバージン熱可塑性樹脂とが
同種の樹脂であるため相溶性に優れており、高粘度のバ
ージン熱可塑性樹脂の剪断力が効果的にガラス繊維の微
細化に寄与できる。さらに同種の樹脂であるため相溶性
に優れている効果は、再成形品中のガラス繊維と樹脂と
の界面での相溶性が良いことに結びつく。再成形品の耐
衝撃性などの物性は前記界面での相溶性に大きくかかわ
るものであって、界面での相溶性が良いことは耐衝撃性
などの物性の向上に結びつくものである。
【0014】このようにガラス繊維配合熱可塑性樹脂回
収材とバージン熱可塑性樹脂との混合物を混練してガラ
ス繊維の平均繊維長を150μm以下とした後、あるい
は必要に応じて混練後に棒状に押出し所定長さに切断し
てペレット化した後、所定形状に成形すれば、強度が向
上した成形品を得ることができる。すなわち、成形品に
含まれるガラス繊維はその平均繊維長が150μm以下
に微細化されて、マトリックス樹脂と一体化されてお
り、このガラス繊維はいわゆる強化用の充填材として機
能する。このため、成形品の強度を効果的に向上させ
る。また、ガラス繊維が微細化されていることから、ガ
ラス繊維を起点としてクラックが発生することもない。
さらに、バージン熱可塑性樹脂は回収材の熱可塑性樹脂
よりも分子量が大きく、高強度であることから、回収材
の機械的物性低下を補うことができ、これによっても成
形品の強度が向上する。
【0015】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 (実施例1)本実施例はガラス繊維配合熱可塑性樹脂回
収材として自動車用ポリエチレン製成形天井基材の回収
材を使用し、ガラス繊維入りのフェンダライナ用高粘度
ポリエチレン材を製造するものである。
【0016】ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材とし
て、自動車用ポリエチレン製成形天井基材の使用済みの
廃材と、該成形天井基材の基材成形工程にて発生するト
リミング屑との混合材を準備した。この材料は、下記組
成の低粘度ポリエチレン(PE)とガラス繊維(平均繊
維長:6〜8cm)とからなる。また、この低粘度PE
は、繊維状低粘度PEとフィルム状低粘度PEとから構
成されており、粘度:η=100poise(g/cm
・sec)(200℃)、メルトインデックス:MI=
6.0g/10minの物性を有する。
【0017】低粘度PE : 50wt% ガラス繊維 : 50wt% なお、上記成形天井基材の成形方法は、ポリエチレン繊
維とガラス繊維とを解繊、混合して不織布とし、その上
面及び下面にポリエチレンフィルムを加熱融着して成形
天井基材を成形するものである。
【0018】一方、バージン熱可塑性樹脂として、粘
度:η=90.2poise(g/cm・sec)(2
00℃)、MI=0.2g/10minの物性を有する
高粘度ポリエチレンを準備した。 (混合工程)上記成形天井基材回収材と高粘度ポリエチ
レンとを下記の配合比で混合した。
【0019】成形天井基材廃材 : 5wt% 高粘度PE : 95wt% (成形工程)得られた混合物を、半溶融型押出造粒装置
を用いて混練し、ペレット化した。なお、この半溶融型
押出造粒装置を用いる混練条件は、混練時間:1分未満
であり、この条件の混練後のガラス繊維の平均繊維長さ
は137μmであった。
【0020】そして、得られたペレットから真空圧成形
機を用いて自動車用フェンダーライナを成形した。な
お、成形条件は、温度:200℃である。 (実施例2、3)成形天井基材廃材及び高粘度ポリエチ
レンの配合比を下記表1に示すように変化させること以
外は、上記実施例1と同様に自動車用フェンダーライナ
を成形した。なお、成形天井基材廃材を構成する低粘度
ポリエチレン及びガラス繊維の組成は、いずれも低粘度
ポリエチレン:50wt%、ガラス繊維:50wt%で
ある。また、混練条件は上記実施例1と同様であり、混
練後のガラス繊維の平均繊維長は実施例2が138μ
m、実施例3が141μmであった。
【0021】(比較例1〜3)成形天井基材廃材及び高
粘度ポリエチレンの配合比を下記表1に示すように変化
させること、及び混練用押出機として半溶融型押出造粒
装置を用いる代わりに2軸型混練用押出機を用いること
以外は、上記実施例1と同様に自動車用フェンダーライ
ナを成形した。なお、成形天井基材廃材を構成する低粘
度ポリエチレン及びガラス繊維の組成は、いずれも低粘
度ポリエチレン:50wt%、ガラス繊維:50wt%
である。
【0022】また、2軸型混練用押出機を用いる混練条
件は、混練温度:190℃、混練時間:1分間であり、
混練後のガラス繊維の平均繊維長は比較例1が158μ
m、比較例2が178μm、比較例3が254μmであ
った。 (比較例4)上記実施例1で用いた高粘度ポリエチレン
のみから、真空圧成形機を用いて上記実施例1と同様に
自動車用フェンダーライナを成形した。なお、これが現
行品に相当する。
【0023】(品質評価)上記実施例1〜3及び比較例
1〜4について、以下に示す品質評価を行った。 (混練性)上記実施例1〜3及び比較例1〜3につい
て、成形工程後の成形品を目視により観察し、成形品の
外観が平滑で凹凸がなく、樹脂流れ模様が無いものを
○、これらの欠陥があるものを×として評価した。その
結果を表1に示す。
【0024】(真空圧成形性)上記実施例1〜3及び比
較例1〜4について、成形工程時に成形可能で、かつ、
成形品に変形、亀裂、割れや穴などの欠陥がないものを
○、成形工程時に成形可能であるが、上記欠陥があるも
のを△、成形時に成形不可能なものを×として評価し
た。その結果を表1に示す。
【0025】(経済性・コスト)上記実施例1〜3及び
比較例1〜3について、比較例4の自動車フェンダーラ
イナの現行品と比較して、有利なものを◎、同等なもの
を○、不利なものを×として評価した。その結果を表1
に示す。なお、上記比較例4の現行品は、平均分子量:
1000、η=1000poise(g/cm・se
c)(200℃)、MI=0.2g/10minの物性
を有する高粘度ポリエチレンよりなるものである。
【0026】(耐熱性)上記実施例1〜3及び比較例1
〜4の成形品について、70℃で2時間加熱する耐熱試
験後を行い、試験後の変形量(ボディとフェンダーライ
ナとの隙間の幅)にて耐熱性を評価した。評価の基準
は、比較例4の自動車フェンダーライナの現行品と比較
して、変形及びソリの双方が少ないものを◎、変形及び
ソリが同程度のものを○、変形又はソリの一方が大きい
ものを△、変形及びソリの双方が大きいものを×とし
た。その結果を表1に示す。
【0027】(耐衝撃性)上記実施例1〜3及び比較例
1〜4の成形品について、ASTM D256「Standa
rd Test Methods for Impact Resistance of Plastics
and Electrical Insulating Materials 」のTest Metho
d A-Cantilever Beam (Izod-Type) Testによって、−3
0℃におけるアイゾット衝撃強度を測定した。
【0028】そして、フェンダライナ材料物性規格(−
30℃におけるアイゾット衝撃強度:98J/m以上)
を基準として評価し、この材料物性規格を満足し、比較
例4の現行品並の衝撃強度をもつものを◎、材料物性規
格を満足していないが、製品規格(−30℃におけるア
イゾット衝撃強度:77.5J/m以上)を満足してい
るものを○、材料物性規格及び製品規格ともに満足して
いないものを△とした。その結果を表1に示す。
【0029】なお、成形天井基材廃材の−30℃におけ
るアイゾット衝撃強度は43J/mであり、現行品のフ
ェンダライナ用ポリエチレンの−30℃におけるアイゾ
ット衝撃強度は225J/mである。 (寸法精度)上記実施例1〜3及び比較例1〜4の成形
品について、フェンダライナの外合わせ部取付穴位置
と、自動車ボディ取付穴位置とのずれ量にて寸法精度を
評価した。そして、フェンダライナの外合わせ部取付穴
の中心と自動車ボディ取付穴の中心とのずれが2mm以
下のものを◎、フェンダライナの外合わせ部取付穴の中
心と自動車ボディ取付穴の中心とのずれが2mm以上で
あるが、フェンダライナの外合わせ部取付穴から自動車
ボディ取付穴全体が見えるものを○、フェンダライナの
外合わせ部取付穴から自動車ボディ取付穴全体が見えな
いものを△とした。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】 なお、表1中、造粒は半溶融型押出造粒装置を示し、2
軸は2軸型混練用押出機を示し、ガラス繊維長は混練後
のガラス繊維の平均繊維長(μm)を示す。
【0031】表1から明らかなように、混練後のガラス
繊維の平均繊維長が150μm以下である本実施例1〜
3に係る成形品は、混練性、成形性、経済性、耐熱性、
耐衝撃性及び寸法精度のいずれも十分に満足できるもの
であった。これに対し、混練後のガラス繊維の平均繊維
長が150μmを越える比較例1〜3に係る成形品は、
成形性、経済性、耐熱性、衝撃性及び寸法精度が、本実
施例1〜3に係る成形品と比べて劣っていた。比較例2
及び3に係る成形品の成形性が低いのは、ガラス繊維の
平均繊維長が150μmを大きく越えているので、真空
圧成形による成形方法には不適応であり、その結果成形
不良となったためと考えられる。比較例2及び3に係る
成形品の耐熱性が低いのは、ガラス繊維の平均繊維長が
150μmを大きく越えているので、ポリエチレン自体
が有する耐衝撃性の材料特性が損なわれたためと考えら
れる。つまり、元来ポリエチレンは延性を有する材料の
ため脆性の材料に対し極めて耐衝撃性が高いが、繊維長
の長いガラス繊維が混入することでその延性能力が低下
するためであると考える。比較例2及び3に係る成形品
の耐熱性が低いのは、ガラス繊維の平均繊維長が150
μmを大きく越えているので、ガラス繊維を起点にクラ
ックが発生し易くなったためと考えられる。比較例1〜
3に係る成形品の経済性が低いのは2軸型混練用押出機
を用いるためで、造粒装置を装置を用いると効率的に短
時間でガラス繊維を微細化することができる。比較例1
〜3に係る成形品の寸法精度が低いのはガラス繊維とポ
リエチレン材料の相関性が関与しているためと考えられ
る。
【0032】次に、混練用押出機として、半溶融型押出
造粒装置と2軸型混練用押出機とを用いた場合のガラス
繊維の累積繊維長分布を調べた。その結果を図1に示
す。なお、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材及びバー
ジン熱可塑性樹脂は、実施例1と同様のものを用い、半
溶融型押出造粒装置の混練条件は実施例1と同様の条件
とし、2軸型混練用押出機の混練条件は比較例1と同様
の条件とした。
【0033】図1から明らかなように、ガラス繊維の平
均繊維長を150μm以下にするには半溶融型押出造粒
装置が適していることがわかる。なお、上記実施例で
は、ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材及びバージン熱
可塑性樹脂を混合、混練した後、ペレット化してから成
形する例について説明したが、ガラス繊維配合熱可塑性
樹脂回収材及びバージン熱可塑性樹脂を混合、混練し、
そのままシート状等に成形することも可能である。
【0034】また、上記実施例では、熱可塑性樹脂とし
てポリエチレンを用いる例について説明したが、ポリプ
ロピレンやナイロン等の他の熱可塑性樹脂を用いること
も可能である。また、上記実施例では、真空圧成形機を
用いて成形する例について説明したが、スタンピング成
形機や射出成形機などを用いることも可能である。
【0035】(その他の実施例及び比較例)なお、高粘
度PE、低粘度PE及びガラス繊維の配合比が比較例1
〜3とそれぞれ同一である例について、2軸型混練用押
出機を用いた場合についても、その混練条件(混練速度
及び混練時間)を比較例1〜3よりもハードな条件、例
えば、混練温度や混練時間は同一にしておき、該2軸装
置の混練スクリューのデザインを変えたものを使用し、
混練スクリューの回転速度を高めた条件に設定すれば、
混練スクリューの回転速度の向上により平均ガラス繊維
長を150μm以下にでき、再成形品の評価も概ね良好
になることを確認した。
【0036】一方、低粘度PEに高粘度PEのバージン
材を添加しない比較例、低粘度PEと同程度、むしろ低
粘度PEより低粘度のPEバージン材を添加した比較例
も行ったが、これらの例では上記よりも更にハードな混
練条件、つまり混練温度・混練時間を一定にし混練スク
リューの回転速度の更なる向上を条件に設定しても、平
均ガラス繊維調は150μm以下になりにくく、再成形
品の評価も良くないことを確認した。
【0037】これらの評価のうち、平均ガラス繊維長を
150μm以下とする加工に樹脂混練の剪断力を利用す
る以上、高粘度のバージン熱可塑性樹脂の混入比によっ
ても当然変わってくるものの、特に回収材とバージン材
とが異種の樹脂のものでは、不都合が生じる。つまり、
回収材とバージン材とが同種の樹脂であるため相溶性が
優れており、高粘度のバージン材の剪断力が効果的にガ
ラスの微細化に寄与できるものである。また、同種の樹
脂であるため相溶性に優れている効果は、再成形品中の
ガラス繊維と樹脂との界面での相溶性が良いことに結び
つく。再成形品の耐衝撃性などの物性は前記界面での相
溶性に大きくかかわるものであって、界面での相溶性が
良いことは耐衝撃性などの物性の向上に結びつくもので
ある。
【0038】回収材とバージン材とが異種の樹脂である
ということは、逆にいえばこれらが同種でなければ得ら
れない利点を得られないという不都合を生ずる。今回
は、回収材とバージン材とが同種であるため、前記不都
合を回避できることを確認した。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、ガラス繊維配合熱
可塑性樹脂回収材を用いる成形方法は、ガラス繊維を微
細化してクラックの発生を阻止することにより、また高
粘度、即ち高分子量のバージン熱可塑性樹脂による強度
補充により、高強度のガラス繊維入り熱可塑性樹脂成形
品を形成することができる。また、ガラス繊維の表面処
理剤や変性熱可塑性樹脂の一部添加などの処理を行う必
要がないので、簡単かつ低コストとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半溶融型押出造粒装置及び2軸型混練用押出機
を用いて、ガラス繊維の累積繊維長分布を調べた結果を
示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 101/00 LTB C08L 101/00 LTB (72)発明者 山本 孝 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田紡 織株式会社内 (72)発明者 岩山 望 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田紡 織株式会社内 (72)発明者 田中 達夫 愛知県刈谷市豊田町1丁目1番地 豊田紡 織株式会社内 (72)発明者 杉山 繁利 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 福森 健三 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐藤 紀夫 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材と、該
    熱可塑性樹脂と同種でかつより高粘度のバージン熱可塑
    性樹脂とを混合する混合工程と、 得られた混合物を混練し配合されている上記ガラス繊維
    の平均繊維長を混練時の剪断応力で150μm以下とす
    るとともに所定形状に成形する成形工程とからなること
    を特徴とするガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を用い
    る成形方法。
  2. 【請求項2】成形工程は、得られた混合物を混練し、棒
    状に押出し、所定長さに切断するペレット化工程と、得
    られたペレットを成形する本成形工程とからなる請求項
    1記載のガラス繊維含有熱可塑性樹脂回収材を用いる成
    形方法。
JP10117095A 1995-04-25 1995-04-25 ガラス繊維配合熱可塑性樹脂回収材を用いる成形方法 Pending JPH08290428A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09235405A (ja) * 1996-02-27 1997-09-09 Teijin Chem Ltd ポリカーボネート樹脂成形品の再利用方法
JP2007161791A (ja) * 2005-12-12 2007-06-28 Daicel Polymer Ltd 樹脂組成物
WO2011068077A1 (ja) * 2009-12-03 2011-06-09 株式会社東京アドバンスドテクノロジーズ ポリオレフィン成形体
JP2014205833A (ja) * 2013-04-10 2014-10-30 ザ・ボーイング・カンパニーTheBoeing Company 熱可塑性安定化材料を有する広幅物のリサイクリング

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