JPH08288582A - 光学材料の製造方法 - Google Patents

光学材料の製造方法

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JPH08288582A
JPH08288582A JP7117893A JP11789395A JPH08288582A JP H08288582 A JPH08288582 A JP H08288582A JP 7117893 A JP7117893 A JP 7117893A JP 11789395 A JP11789395 A JP 11789395A JP H08288582 A JPH08288582 A JP H08288582A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】活性剤の価数状態の制御性に優れた光学材料の
製造方法に関する。 【構成】光学材料の合成工程、あるいは合成後の熱処理
工程の少なくとも一つの工程において、価数変換前の活
性剤イオンのポテンシャル曲線1が励起状態2になるよ
うな波長の光を照射して製造することを特徴とする。 【効果】 活性剤として、希土類元素あるいは遷移金属
元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する光
学材料の製造方法を材料の温度を制御した状態で価数変
換前の活性剤イオンのポテンシャル曲線が励起状態にな
るような波長の光を照射して製造する製造する方法とす
ることにより、活性剤の価数状態の制御性に優れた製造
方法を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学材料の製造方法にか
かわり、特に活性剤の価数状態の制御性に優れた光学材
料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性剤として、希土類元素あるいは遷移
金属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有す
る光学材料は、従来より蛍光体、固体レーザー材料、あ
るいは波長校正用光学フィルター材料として広く用いら
れている。
【0003】希土類元素および遷移金属元素からなる活
性剤はイオンとして存在しており、活性剤の種類および
価数に応じて固有の光吸収特性、発光特性を示す。この
特性を利用して種々の波長域における発光材料、光吸収
材料として用いられている。通常、活性剤の価数は、母
体、すなわち活性剤の添加されている固体の構成元素の
うち、活性剤が置換する元素の価数と同一である場合が
エネルギー的に安定であるので、母体構成元素の価数と
同一になる傾向がある。したがって、置換元素と異なる
価数の活性剤イオンの光学的特性を利用した光学材料を
製造しようとした場合、電荷補償剤を添加し熱処理を行
うなどの方法を用いねばならない。
【0004】光通信で用いる1.3μm近傍の波長領域
における波長可変レーザー材料として実用価値が高いC
4+:YAGを例にとれば、例えば、Crを添加したY
AGでは、CrはAlを置換しAlの価数が3価である
ために通常Crは3価イオンとして含有されている。こ
のため、4価Crを生成するために電荷補償剤としてC
aあるいはMgを添加してYAGを製造し、これを13
00度程度の温度で数時間熱処理を施し4価Crを含有
するYAGを製造している。
【0005】後の説明をわかりやすくするために、3価
Crから4価Crを生成する機構をCr添加YAGを例
にとり説明する。図9は、3価Crイオン(Cr3+)お
よび4価Crイオン(Cr4+)を含有するYAGのポテ
ンシャルエネルギーを配位座標表示で表した図である。
横軸は配位座標であり、活性剤イオンに配位する原子の
配列、位置関係の平衡状態からの変位を表しており、縦
軸は活性剤を含む系のポテンシャルエネルギーを表して
いる。
【0006】Cr添加YAGは3価イオンが最も安定に
存在する系であるので、Cr3+のポテンシャル曲線1の
最下点aは、Cr4+のポテンシャル曲線2の最下点cよ
りもエネルギーが低い。したがって、Cr3+をCr4+
変化させるためには、Crが状態aから状態bを経て、
状態cへと変化するのに必要なエネルギーを加える必要
がある。
【0007】通常このエネルギーは非常に高く通常の製
法ではCr4+を含むYAGを製造することは困難であ
る。このため、YAG中で2価陽イオンとなるCaやM
gをCr4+に対する電荷補償剤として共に添加してCr
4+を含むYAGを製造する方法は広く用いられている
(曲線3)。電荷補償剤はCr4+を安定化させ、Cr4+
のポテンシャル曲線2の最下点cを曲線3の最下点c’
のように低下させ価数変化に必要なエネルギーEab
(点b’)を低下させる効果を有している。
【0008】図10を用いてCr4+を含むYAGを製造
する方法を説明する。Cr3+を含むYAGを加熱する
と、エネルギーが上昇し、図中の斜線で囲まれるエネル
ギー状態をもったCr3+が分布して存在するようになる
((1)昇温課程)。このCr3+を含むYAGを更に加熱
しkT>Eabとなる温度まで加熱するとポテンシャル
曲線1上にあるCrの一部はポテンシャル曲線3上に分
布するようになり、Cr4+が生成される((2)アニール
中)。これにより生成されたCr4+はポテンシャル曲線
2上にあるCrは系が加熱された状態にあるため、図中
斜線の状態に分布して存在するようになり、その一部は
Cr3+へと逆戻りするようになる。すなわち、kT>E
abなる温度においては3価から4価へ、4価から3価
への両過程が共に起きており、平衡状態においては熱力
学的分布に従う割合のCr3+とCr4+が共存した状態と
なる。
【0009】このようにしてCr4+を生成したYAGは
室温にまで冷却されるが、Eab≧kT>Ebcである
温度領域では4価から3価へなる過程のみが起きるため
((3)降温課程)、Cr4+の割合は(1)の状態よりも減少
するが、ポテンシャルの交差点bの状態を乗り越えるに
必要なエネルギーEbc以下の温度、すなわちEbc≧
kTとなる温度領域まで降温すると、4価から3価へ逆
変化する過程が停止するため、Cr4+の割合は(1)の状
態よりも減少するものの一定割合のCr4+を含むYAG
が製造される((4)降温課程)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この方法の第1の欠点
は、熱力学的分布によってCr4+を生成するためYAG
中のCrの全てを価数変化させCr4+とすることはでき
ないということにある。また、加熱によって4価へと価
数変化させた活性剤イオンのうち大部分が冷却過程で3
価イオンへと戻ってしまい、4価へと価数変化させ得る
活性剤の割合は極めて少ないということが挙げられる。
【0011】実際に電荷補償による従来の方法でCr4+
添加YAG単結晶を製造した場合、4価のCr量は添加
Cr量に対して高々5%にしかすぎない。したがって、
レーザー特性を示すに必要な1016〜1017個/cm3
濃度を得るためには、総濃度にして1018〜1019個/
cm3のCrを添加する必要がある。不純物を添加しな
い単結晶と比較して、不純物として活性剤を添加した単
結晶は、母体構成元素の一部をイオン半径の異なる活性
剤で置換したことによって生じる欠陥により、結晶性が
低下する。結晶性の低下はレーザーの発振しきい値を増
大させ効率の低下を招く。このため、レーザー発振に不
要なCrが一桁以上含有される従来の製法で製造したC
4+添加YAG単結晶を用いてレーザーを作製した場合
効率が低いという問題が生じている。
【0012】第2の欠点は、電価補償を行っても、所望
の価数をもったイオンのエネルギーを十分に低下させる
ことができない場合、すなわち価数変化を起こさせるに
必要なエネルギーEabが大きい場合、電荷補償による
従来の方法では価数変化を起こすことができないことに
ある。
【0013】実際、希土類元素を種々の母体に添加した
場合、希土類元素は3価イオンとなる傾向が強いため4
価イオンを生成するために必要とされるエネルギーは極
めて高い。このため電荷補償による従来の方法で4価の
希土類イオンを含む光学材料の製造に成功した例はな
い。4価希土類イオンを含む光学材料は従来の3価希土
類イオンを含む光学材料と異なる波長の発光あるいは光
吸収遷移を起こすため従来では実現し得なかった波長の
光学材料を提供することができるため光学材料の使用波
長範囲を大幅に増大することができるため有用性が高
い。
【0014】上述したように電荷補償剤の添加と熱処理
により活性剤の価数制御を行う従来の方法では、活性剤
の価数を制御することに限界があり、高性能の光学材料
を得ることは困難であった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の欠点に鑑
みなされたものであり、光学材料の合成工程、あるいは
合成後の熱処理工程の少なくとも一つの工程において、
価数変換前の活性剤イオンのポテンシャル曲線が励起状
態になるような波長の光を照射して製造することによっ
て活性剤の価数状態が制御された光学材料の製造方法を
提供するものである。
【0016】
【作用】本発明の作用をCr添加YAGを再び例にとり
説明する。Cr添加YAGに、Cr3+イオンの光吸収波
長に相当する波長の光を照射すると、Cr3+イオンは照
射光を吸収して励起状態になる。この様子を配位座標を
用いて示したものが図1である。曲線1は基底状態のC
3+のポテンシャルエネルギー曲線、曲線2は励起状態
のCr3+のポテンシャルエネルギー曲線、曲線3はCr
4+のポテンシャルエネルギー曲線である。
【0017】図1に示すように、Cr3+のポテンシャル
エネルギー曲線は照射光を吸収することにより図中上向
き矢印で示したように曲線1から曲線2へと遷移する。
これに伴い、Cr3+のポテンシャルエネルギー曲線の最
下点はaからa’に、Cr4+イオンのポテンシャルエネ
ルギー曲線3との交差点はbからb’に変化する。この
光照射による遷移によって、Cr3+イオンの安定点であ
る状態a’とCr4+イオンのポテンシャルエネルギー曲
線3との交差点b’とのエネルギー差Ea’b’は光を
照射しない従来の方法によるエネルギー差Eabよりも
小さくなり、価数変化を起こすために必要な加熱温度は
低くなる。
【0018】光照射を行った状態での価数変化の様子を
図2を用いて説明する。Cr3+イオンに限らず、遷移金
属元素や希土類元素の活性剤イオンに活性剤イオンの光
吸収波長帯域内の波長の光、あるいは活性剤イオンの光
吸収波長帯域の波長を含む光を照射すると活性剤イオン
は基底状態から励起状態へ遷移するが、励起状態にある
時間は無限ではなく自然放出寿命に相当する時間が経過
すると、光とフォノンを放出して再び基底状態へと緩和
する。したがって、連続的に光照射を行っていても活性
剤イオンは励起状態と基底状態の2つの状態を交互に繰
り返し続けている。緩和の際に放出されるフォノンは熱
エネルギーとなり、活性剤イオン近傍は局所的に加熱さ
れる。したがって、活性剤イオン近傍の温度TVは材料
全体の温度Tsよりも高くなっている。
【0019】Cr3+イオンの光吸収を伴う電子遷移は、
d−d遷移と呼ばれ、特にフォノン放出効果が高く局所
的な温度上昇効果が大きい。Cr添加YAGの温度をE
b’c>kTsとなるように温度を制御した状態で、光
を照射すると、図4に示したように励起状態(1)と基底
状態(2)を交互に繰り返しはじめる。Cr3+の場合自然
放出寿命は数十マイクロ秒であるので1秒あたり数万回
状態(1)と状態(2)が繰り返されている。励起状態(1)で
は、Cr3+イオンのポテンシャルエネルギー曲線2とC
4+イオンのポテンシャルエネルギー曲線3との交差点
b’よりCr3+のエネルギーは高くなりb’を乗り越え
て状態cへの変化、すなわちCr3+からCr4+への価数
変化が起きる。一方基底状態(2)では、この価数変化に
より生じたCr4+は、熱エネルギーによりポテンシャル
エネルギー曲線3内で最分布し図中斜線で示される状態
となるが、Eb’c>kTsであるため、状態b’を乗
り越えて状態a’へと遷移を起こすことができない。こ
のため3価への価数変化を起こすことなく4価の安定に
保持される。光照射を行っている間、図4の(1)、(2)の
状態が繰り返されるため、Cr3+からCr4+への価数変
化が効率よく起きる。このため本方法ではCr4+イオン
の含有量を極めて大きくすることができる。
【0020】上記作用の説明においては、価数変化効果
をわかりやすく説明するために、照射光の波長が単一波
長であるとして説明を進めたが、実際の光は波長分散を
もっている。またCrの光吸収スペクトルも波長分散を
もっている。そこで、励起光の波長分散がCrの励起に
及ぼす効果について、更に説明を進める。実際にはCr
の吸収スペクトルと照射光の波長領域に一部でも重なり
があれば、3価Crは照射光を吸収することができ、3
価Crイオンを光励起することができるのである。照射
光の波長分散と活性剤の光吸収スペクトルの波長分散と
の関係をわかりやすく図3に示す。すなわち、(1)照
射光の波長分散が吸収波長域に内包される場合、(2)
照射光の波長分散と活性剤イオンの光吸収波長域が波長
域の一部を共有する場合、(3)照射光の波長分散が吸
収波長域の全てを内包する場合の全ての場合で活性剤イ
オンを光励起することができる。
【0021】3価Crと同様に4価Crも光吸収による
励起が行われる。したがって、照射光の波長分散と4価
Crの光吸収スペクトルの波長領域に重なりがある場
合、4価Crも励起され、4価Crから3価Crへの逆
遷移が起きる。したがって、この場合には3価Crを4
価Crに価数変化させる効果は低下し、4価Crの全C
rに対する割合は照射光の波長分散と4価Crの光吸収
スペクトルの波長領域に重なりがない場合よりも低下す
る。しかし、この場合には単に価数変化を起こす効果だ
けでなく3価Crと4価Crの比率が制御された光学材
料を提供できる効果が得られる。すなわち、4価Crか
らの逆遷移はフィードバック制御と同じ効果があり、3
価Crと4価Crの比率を一定にする効果があるからで
ある。
【0022】この効果を図4を用いて説明する。照射光
の波長分散と4価Crの光吸収スペクトルの波長領域に
重なりがない場合、光照射を行いながらの熱処理時間が
増大するにつれ、4価Crの全Crに対する割合は指数
関数的に増大し一定時間経過後はほぼ1に達する。
【0023】一方、照射光の波長分散と4価Crの光吸
収スペクトルの波長領域に重なりがある場合には、4価
Crからの逆遷移によるフィードバック制御によって3
価Crと4価Crの比率が一定に保たれた状態となる。
図4中曲線Bと曲線Cは、3価Crの光吸収率と4価C
rの光吸収率が、それぞれ1:1および1:9となるよ
うな波長分散をもった光を照射した場合の価数変化の様
子を示したものである。3価Crと4価Crの光吸収率
が、1:1である場合には、4価Crの割合が50%と
なる値が飽和値となり、1:9の場合には、4価のCr
の割合が10%となる値が飽和値となり3価Crと4価
Crの割合が一定値に制御されていることが図4から明
らかにみてとれる。
【0024】照射光の波長分散と4価Crの光吸収スペ
クトルの波長領域に重なりがない場合にも熱処理時間を
制御すれば3価Crと4価Crの比率を制御することは
可能であるが、図中Aの曲線で示したように、この領域
は処理時間の増加に対して4価Crの比率が急激に変動
する領域であるため、製造中の制御因子である熱処理温
度、光強度等に変動が生じた場合、4価Crの比率が大
きく変動し、得られた光学材料の性能再現性を確保する
ことが困難である。したがって、所望の比率で3価Cr
と4価Crの共存する光学材料を製造しようとした場合
には、照射光の波長分散が3価Crと4価Crの両者の
光吸収スペクトルの波長領域に重なりをもつようにし、
且つその波長分散により3価Crおよび4価Crの光吸
収率を制御してやれば、所望の比率で3価Crと4価C
rの共存する光学材料を再現性よく製造できる。
【0025】上記では結晶性材料を例にとり説明した
が、ガラス等の非晶質材料でも同様の価数制御効果が得
られる。ガラスの場合、熱処理温度をガラス転移点以上
融点以下の温度に制御しておけば、活性剤イオン周辺の
原子の移動は結晶性材料と比較して更に容易できるた
め、価数変化効果を大きくすることができる。
【0026】また、前記作用の説明においては熱処理工
程における光照射による価数変化について記載したが、
光学材料の合成工程においても光照射による価数変化効
果が得られる。この場合、合成後の熱処理工程と比較し
て活性剤イオン周辺の原子が移動しやすい状態にあるた
め、大きな価数変化効果が得られる。
【0027】上述したように照射する光は、活性剤イオ
ンの光吸収波長帯域内の波長の光、あるいは活性剤イオ
ンの光吸収波長帯域の波長を含む光であればいずれでも
価数変化を起こす効果がある。しかし、照射光の波長が
活性剤を含まない光学材料の光透過帯域外にある場合に
は母体材料による光吸収により、光学材料内での光減衰
が生じ、厚みのある材料の場合、材料内部で十分な価数
制御効果が得られない場合がある。したがって、照射す
る光の波長分散は、光学材料の厚さと光学材料の光透過
特性を併せて決定する必要がある。
【0028】光学材料の光透過帯域は、短波長域では基
礎吸収による吸収、また長波長域では結晶の格子振動等
による吸収があるために生じる。このうち基礎吸収とは
光学材料のバンドギャップ間での光吸収に起因する吸収
のことであり、母体材料によって固有の波長をもってい
る。この波長域の光吸収では母体材料の充満帯と伝導体
との間で電子正孔対の生成が行われ、イオン性結晶では
欠陥が生じ易いためこの波長域の光を含まないようにす
ることが望ましい。
【0029】基礎吸収の例として図5にYAG、YG
G、GSAG、GGGの例を示す。図7縦軸は光吸収の
度合いを吸収係数αを用いて表したものである。入射光
強度がIoの場合、厚みdの物質を透過した後の光強度
Iは、I=Ioexp(−αd)で表される。したがっ
て、この式を用いて、試料の厚みと試料内部で必要とさ
れる透過光強度から、許容される吸収係数が決定し、照
射光の波長領域が決定できる。
【0030】レーザー結晶を製造する場合、通常レーザ
ー結晶の大きさは2cm程度である。結晶端面から光を
照射すれば照射光の透過すべき距離はこの半分の1cm
程度となる。結晶内部と表面での活性剤濃度の変動が1
桁以上ある場合には、レーザー発振は不可能であるた
め、結晶内部での光強度は入射光の1/10以上である
必要がある。結晶内部での光強度が入射光の1/10と
なる吸収係数を上式から求めるとα=2.3となる。し
たがって、αが2.3となる波長が限界波長となり、波
長領域が、この波長よりも長波長にある光を照射する必
要がある。図5より、YAGでは200nm、YGGで
は280nm、GSAGでは270nm、GGGでは3
00nmであり、良質のレーザー結晶を得るためにはこ
れらの波長以上の波長領域にある照射光を用いることが
望ましい。
【0031】一方、薄膜状で厚みの小さい光学材料の熱
処理工程で光照射を行う場合や、薄膜成長法など成長面
での価数変化効果が大きい合成工程で光照射を行う場合
には必要とされる光浸透距離は上記例と比較して4桁か
ら5桁短くてすむため、光透過帯域外の光を用いても効
果を得ることができる。
【0032】希土類元素の場合、光吸収を行う遷移はf
−f遷移とf−d遷移の2種類の遷移がある。このうち
f−d遷移は、結晶格子との相互作用が強いため活性剤
近傍の加熱効果に優れ、また許容遷移であるため光吸収
効率が高く特に価数変化効果が高い。図9にf−d遷移
の例を示す。図9に示したようにYAG中のCe3+、T
3+、Nd3+それぞれのf−d遷移に起因する吸収帯
は、それぞれ、300〜550nm、210〜340n
m、200〜250nmにありこれら波長域の光を照射
した場合に最も効率よく価数変化を起こす。
【0033】以上の例では価数の異なる2種類のイオン
が含有される場合について述べたが、2種以上存在する
場合でも各イオンに固有の波長に相当する光をそれぞれ
同時にあるいは個別に照射することにより各イオン間で
の価数変化を起こすことができる。
【0034】
【実施例1】硫化カルシウム蛍光体に活性剤としてEu
を熱拡散反応によって添加してEu添加硫化カルシウム
蛍光体を製造した例について述べる。硫化カルシウムを
母体とした蛍光体は高い量子効率をもつ蛍光体として実
用価値が高いが、Eu添加CaSは視感度の低い赤色に
発光するため、量子効率が高くても人間の眼には暗く感
じられ照明用、あるいはブラウン管用蛍光体には適して
いない。赤色発光の原因は、2価イオンとして含有され
るEuの発光遷移が赤色域にあることによる。
【0035】母体材料として硫化カルシウム、活性剤と
して酸化ユーロピウム、融剤として弗化カルシウムを混
合し、これをボールミルを用いて更に粉砕混合した後、
窒化シリコン製の容器に入れ1200℃に加熱し1時間
保持することによってEuを硫化カルシウム中に熱拡散
させた。この熱拡散反応工程において容器開口部から波
長450nmから550nmにわたる連続スペクトルを
有する緑色光を照射した。この後、毎時150℃の降温
速度で室温まで冷却し蛍光体粉末を得た。高原としてX
eランプを用い、波長450nmから550nmの光を
透過させる帯域フィルターを用いて緑色光を得た。波長
450nmから550nmの光はCaS中の2価Euの
f−d遷移に起因する吸収波長に相当している。
【0036】得られた蛍光体をPL法を用いて検査した
結果、3価Eu固有の線状スペクトルが観測され、蛍光
体中のEuが3価の状態で含有されていることが確認さ
れた。従来の方法で作製した蛍光体中にはEuが2価の
状態で含有されており赤色発光をするのに対し、本発明
の方法で製造した蛍光体はEuが3価の状態で含有され
ているため、橙色に発光する。従来の方法による赤色に
比較し橙色は視感度が高いため、量子効率が同じであっ
てもより明るく認識される。このため本法による蛍光体
は従来法で作製した蛍光体よりも明るく実用的価値の高
い蛍光体を提供することができた。
【0037】
【実施例2】合成方法としてブリッジマン法による単結
晶成長法を用いて、2価Smイオンを含む弗化カルシウ
ム単結晶を製造し、合成過程で光照射を行った例につい
て述べる。
【0038】2価Smイオンを含む弗化カルシウムは7
08.5nmの波長で発振するレーザーとして知られて
いる。レーザー結晶が酸素等の不純物や欠陥を含まない
場合には、Smは2価Caイオンを置換するためSmは
2価のイオンとして存在する。しかし、結晶内に不純
物、特に酸素が混入した場合2価Smは容易に3価Sm
に変化し2価Smが得られなくなる。このため通常の方
法では結晶成長中に弗化水素ガスを導入し還元性雰囲気
にして成長する方法が用いられている。
【0039】黒鉛製の坩堝内に弗化カルシウム粉末と弗
化サマリウム粉末を入れ、温度勾配をもった炉内を坩堝
を移動させ結晶成長を行った。坩堝の上部には開口が設
けられており、この開口部から坩堝内に光照射を行っ
た。弗化カルシウム中の2価Smは290nm〜710
nmにかけて、f−d遷移による強い光吸収を示すた
め、この波長域の光を照射すると2価Smが3価Smに
変化してしまうので、照射光の波長は710nm以上
で、且つ3価Smの光吸収波長帯域内にある光を選ぶ必
要がある。本実施例ではこの条件にあてはまる3価Sm
のf−f遷移に起因する光吸収線の一つである65/2
611/2遷移に起因する吸収線の波長範囲を含む光、波
長900nm〜1.1μmの光を照射した。光源として
ハロゲンランプを用いバンドパスフィルターを用い上記
波長域の光とした。結晶成長時には電気炉内にHeガス
を流した。電気炉の高温部の温度は、弗化カルシウムの
融点1418℃よりも高い1468℃とし低温部の温度
は1350℃とした。坩堝を高温部から低温部に徐々に
移動させて結晶成長を行った。坩堝の全体が低温部に移
動し、結晶成長が終了した時点で、炉の温度を1100
℃一定とし、焼き鈍しを5時間行った。この後、電気炉
の温度を徐々に低下させて冷却し温度が室温に低下して
から光照射を停止した。
【0040】比較用として光照射をせずに上記と同様の
方法で試料を製造した従来法による試料と、本発明の方
法による試料をPL法を用いて検査したところ、本発明
の方法で製造した結晶では3価Smが全く認められず、
Smの全てが2価イオンとして含有されていることが確
認された。一方従来法で製造した試料では、製造途上の
微量酸素混入により2価イオンの一部が3価Smとなっ
ていることが確認された。
【0041】このように、従来の方法では2価Smを安
定に含有する弗化カルシウムを製造することが困難であ
った従来の方法と比較し、本方法では弗化水素等の危険
性ガスを用いずとも2価Smを安定に含有する弗化カル
シウムを提供することができた。
【0042】
【実施例3】合成工程で、電子ビーム蒸着法を用による
薄膜合成法を用い、薄膜合成過程で光照射を行った例に
ついて述べる。
【0043】基板として単結晶YAG基板を用い、Y2
3、Al23、Nd23を混合し燒結したセラミクス
を蒸発源とし、このセラミクスを電子ビームにより加熱
蒸発させ基板上に薄膜形成を行った。
【0044】薄膜形成中はチャンバー内に設置したXe
ランプからの光を基板上、薄膜成長面から照射した。X
eランプ前面には波長250nmから長波長の光をカッ
トするフィルターを設置し、薄膜成長面にはXeランプ
からの光のうち、250nm以下の紫外光が照射される
ようにした。この波長の光は波長220nmをピークと
する3価Ndイオンのf−d遷移による光吸収帯を含ん
でいる。
【0045】また、YAGの光吸収波長領域である20
0nm以下の光を含んでいるため、Nd:YAG内での
侵入距離は短くなるが薄膜成長による本実施例では、成
長が基板表面でのみ起きるため侵入距離が短くても十分
な価数変化効果を有する。波長カットフィルターを用い
た方が、レーザーを用いる場合よりも簡便に光源を構成
できるという長所がある。このようにして製造した試料
をPL法により検査した結果、4価Ndの発光が確認さ
れ、さらに3価Ndの発光は全く認められず、本実施例
では添加したNd濃度の全てが4価Ndとなっているこ
とが確認された。従来の方法ではNdを含有したYAG
において、4価Ndの発光が確認された例はなく、本方
法が従来法では製造できなかった4価Ndを含む光学材
料を製造できる製造法であることが示された。
【0046】
【実施例4】活性剤として、ホルミウムHoを含有する
ガラスの製造方法において、該ガラスの温度をガラス転
移点以上融点以下の温度に制御した状態で、ホルミウム
イオンの光吸収波長帯域内の波長の光を照射して該ガラ
スを製造することを特徴とする光学材料の製造方法につ
いての詳細な実施例について述べる。
【0047】ホルミウムHoを含有するガラスは3価ホ
ルミウムイオンによる光吸収によって、特定の波長でシ
ャープな光吸収を示すため、波長校正用フィルターとし
て広く用いられている。市販のホルミウムフィルター
(ケンコー社製 カタログ No.V−10)を加熱し
ガラス転移点である500℃以上で且つ融点である54
5℃以下の温度に保持し、波長353nmのXeFエキ
シマレーザー光を照射した。温度保持時間は2時間であ
る。XeFエキシマレーザーはパルスレーザーであり、
1パルスあたりのエネルギーは100mJ、1秒あたり
のパルス発振回数は10回とした。温度保持時間が2時
間を経過した後、毎時500度の降温速度で冷却しガラ
スの温度が100℃よりも低下した時点で光照射を停止
した。
【0048】得られたフィルターをPL法を用いて検査
した結果、4価Hoによる線状発光が確認され、本方法
により従来法では3価Hoしか得られなかったホルミウ
ムフィルターにおいて4価Hoを含むホルミウムフィル
ターが実現した。4価ホルミウムは3価ホルミウムと異
なる波長で光吸収を示すため、吸収線の本数が増大し、
従来よりも大幅に校正用波長が増大し、より実用的価値
の高い波長校正用フィルターを提供することができた。
【0049】
【実施例5】活性剤としてCrを含有したガーネット型
化合物、アルミナ(Al23)、クリソベリル(BeA
24)、ベリル(Be3Al2Si618)、SrAl
5、ZnWO4の単結晶において、単結晶製造工程ある
いは、単結晶製造後の熱処理工程の少なくとも一つの工
程において3価Crの光吸収波長に相当する波長の光を
照射しすることにより4価Crを含有する光学材料を製
造することを特徴とする光学材料の製造方法について詳
細な実施例を述べる。
【0050】これらの光学材料におけるCr3+イオン固
有の光吸収スペクトルを図8に示す。製造の際に照射す
る光の波長は図5に示す光吸収スペクトルの波長範囲に
ある波長であればどの波長を用いてもよい。例えば、C
r:YAGの場合、210〜700nmにかけてCr3+
イオン固有の光吸収帯があるため、この波長帯域のいず
れの波長を用いてもよい。波長633nmのHe−Ne
レーザー、波長532nmのNd:YAGの第2高調
波、波長222nmのKrClエキシマレーザーのいず
れを用いて製造しても4価Cr濃度の高い光学材料が製
造できた。
【0051】Crを0.1〜5mol%添加したイット
リウムアルミニウムガーネット(Y2Al512)、GS
GG(Gd3(Sc,Ga)2Ga312)アルミナ(A
23)、クリソベリル(BeAl24)、ベリル(B
3Al2Si618)、SrAlF5、ZnWO4の単結
晶を400〜1800℃の温度まで昇温した後、温度を
一定に保持した状態で、波長680nmのレーザー光を
照射した。このときの試料温度は1000℃であり温度
変動は50℃以内であった。レーザー光の強度は10m
Wであった。温度保持時間は2時間とし、2時間経過
後、毎時150℃の降温速度で降温した。試料温度が1
000℃に到達した後ただちにレーザー光の照射を開始
し、試料の炉からのとりだし可能温度である300度以
下に試料温度が低下した時点でのレーザー光の照射を停
止した。この試料を炉から取り出した。
【0052】この試料をPL法により4価Cr濃度を測
定したところ、本試料では添加したCr濃度の30〜9
5%に達し、従来の5%よりも6〜19倍程度の価数変
化効果があることが確認された。
【0053】
【実施例6】活性剤としてCrを含有したイットリウム
アルミニウムガーネット(YAG)の単結晶において、
単結晶製造工程あるいは、単結晶製造後の熱処理工程の
少なくとも一つの工程において、波長200nm〜75
0nmの光を照射することにより4価Crを含有するY
AGを製造することを特徴とする光学材料の製造方法に
ついて詳細な実施例を述べる。
【0054】Crを6×1017個/cm3添加したYA
G単結晶を加熱して1600℃まで昇温した後、温度を
一定に保持した状態で、光照射を行った。このときの試
料温度の変動は50℃以内であった。レーザー光の強度
は10mWであった。温度保持時間は2時間とし、2時
間経過後、毎時150℃の降温速度で降温した。試料温
度が1000℃に到達した後ただちに光照射を開始し、
試料の炉からの取り出し可能温度である300度以下に
試料温度が低下した時点で光照射を停止した。この後試
料を炉から取り出した。
【0055】照射光として用いた光の波長は、200n
m〜750nmの波長帯域のものを用いた。これは、図
8に示したYAG中の3価Crの光吸収スペクトルから
明らかなように、YAG中の3価Crは200nm〜7
50nmの波長帯域の光を吸収する。200nmよりも
短波長の光はYAGの母体による吸収により結晶内部の
侵入距離が十分でないため200nm以上の光すなわち
波長帯域200nm〜750nmの吸収帯に相当する波
長の光を用いた。照射光として用いた光は以下の3種類
である。波長222nmのKrClエキシマレーザー
光、波長534nmの半導体励起Nd:YAGレーザー
の第2高調波レーザー光、ハロゲンランプの光をバンド
パスフィルターを用いて波長200〜750nmの波長
帯域の光とした光の3種類である。
【0056】これら3種類の光源を用いて製造した試料
をPL法により4価Cr濃度を測定したところ、2〜5
×1017個/cm3であり、添加した全Cr濃度の30
〜80%に達し、従来の5%よりも6〜16倍程度の価
数変化効果があることが確認された。また、従来法で製
造したCr:YAGの場合、同濃度の4価Crを含有さ
せるために添加されている全Cr濃度は1019個/cm
3であるのに対し、本方法で添加されている全Cr濃度
は6×1017個/cm3と1/20程度の量であるた
め、Cr添加によって結晶中に生成される欠陥の濃度が
少なく、極めて品質の高いレーザー結晶が得られた。こ
のレーザー結晶を用いてレーザー発振をさせたところ、
スロープ効率は25〜30%に達し、従来法の12%に
対し2倍強の高効率レーザーが実現した。
【0057】
【実施例7】活性剤としてCrを含有したイットリウム
アルミニウムガーネット(YAG)の単結晶において、
熱処理工程において、3価Crと4価Crそれぞれの光
吸収帯域にある光を照射することにより3価Crと4価
Crの存在比率を制御して製造した例について述べる。
【0058】チョコラルスキー法で製造したCrを1×
1018個/cm3添加したYAG単結晶を加熱して16
00℃まで昇温した後、温度を一定に保持した状態で、
光照射を行った。このときの試料温度の変動は50℃以
内であった。レーザー光の強度は10mWであった。所
定時間温度を保持した後、毎時150℃の降温速度で降
温した。試料温度が1000℃に到達した後直ちに光照
射を開始し、試料の炉からの取り出し可能温度である3
00度以下の試料温度が低下した時点で光照射を停止し
た。この後試料を炉から取り出した。この製造工程を保
持時間を2時間から50時間と変えて繰り返し行い、2
0種類の試料を製造した。
【0059】照射光として用いた光の波長は、波長63
3nmのHe−Neレーザー光である。この波長におい
ては、3価Crと4価Crの両者の光吸収があり、それ
ぞれ光吸収率は50%である。したがって、この波長の
光を照射することにより3価Crと4価Crを1:1の
比率で含有するYAGを製造できる。
【0060】上記方法で製造した試料の3価Cr濃度と
4価Cr濃度をPL法により測定したところ、平均値は
5.0×1017個/cm3、変動幅は2%以内であり極
めて再現性良く3価イオンと4価イオンの存在比率が制
御されていることが示された。したがって、本方法が3
価イオンと4価イオンの存在比率が制御された光学材料
を実現するのに有効な手段であることが明かとなった。
【0061】このようにして製造した3価Crと4価C
rを1:1の比率で含有するYAGは3価Crで吸収し
た光エネルギーを効率良く4価Crに伝達するので、3
価Crと4価Cr両者の光吸収帯域を励起用光帯域とし
て有するレーザー材料であり、フラッシュランプ励起に
より効率良く励起され、その出力は10Wに達し、1.
3μm帯で発振する高出力レーザーを提供することがで
きた。
【0062】
【実施例8】活性剤としてNdを含有したYAGにおい
て、3価Ndの光吸収波長に相当し、且つYAGの光学
的基礎吸収端に相当する光の波長よりも長波長の波長の
光を照射しつつ、該YAGを融点以下の温度に保持した
後、降温することにより4価Ndを含有するYAGを製
造することを特徴とする光学材料の製造方法を詳細に述
べる。
【0063】活性剤としてNdを1mol%、電荷補償
剤としてCaを1mol%添加したYAG単結晶をチョ
コラルスキー法で製造した。まずこの試料の光吸収スペ
クトルを測定し照射光の波長を決定した。光吸収スペク
トルを図10に示す。200〜260nmにかけてみら
れるピークは3価Ndのf−d遷移に起因する吸収帯で
あり、また、340〜920nmに見られる数多くの吸
収線は、3価Ndのf−f遷移に起因する吸収線であ
る。200nmから短波長域で急激に吸収が増大してい
るが、これはYAGの基礎吸収端に相当する吸収であ
る。したがって200nmよりも短波長域の光を照射し
た場合、母体吸収により照射光の著しく減衰レーザー結
晶全体の3価Ndを価数変化させることは、困難である
ため、f−d遷移に起因する吸収帯のうち200〜26
0nmの範囲に相当する波長の光と340〜920nm
の波長の光を照射して製造した。
【0064】まず、YAG単結晶を1000℃まで昇温
した後、温度を一定に保持した。この状態で、光を照射
し1時間経過後、毎時200度の降温速度で冷却し、試
料温度が300度以下に達してから光照射を停止し、室
温に低下するまで自然冷却を行った。
【0065】試料の製造は、上記熱処理および光照射条
件は同一とし照射光の光源を変えて4通りの方法で行っ
た。照射光として用いたのは波長222nmのKrCl
エキシマレーザー光、波長534nmの半導体励起N
d:YAGレーザーの第2高調波レーザー光、波長81
0nmの半導体レーザー光、Xeランプの光をバンドパ
スフィルターを用いて波長200〜250nmの波長帯
域の光とした光の4種類である。
【0066】これらの試料をPL法により検査した結
果、上記4通りの方法で製造された、全ての試料で4価
Ndの発光が確認された。従来の方法ではNdを含有し
たYAGにおいて、4価Ndの発光が確認された例はな
く、本方法が従来法では製造できなかった4価Ndを含
むレーザー結晶を製造でき、本方法が価数制御性に優れ
た製造法であるばかりでなく従来にない波長域で発振す
る新たなレーザーを提供する製造法であることが示され
た。
【0067】
【実施例9】活性剤としてCrを含有したイットリウム
アルミニウムガーネット(YAG)蛍光体を、固相反応
により合成し、合成工程において、3価Crの光吸収帯
域内の光を照射することによって4価Crを含有するY
AGを製造することを特徴とする光学材料の製造方法に
ついて詳細な実施例を述べる。
【0068】固相反応の原料として酸化イットリウム
(Y23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化クロ
ム(Cr23)の粉末を用いた。それぞれの重量混合比
は、Y23:Al23:Cr23=100:75:4.
5×10-4とした。これら粉末原料をボールミルを用い
て混合した後、窒化シリコン製の容器に入れ1200℃
に加熱し2時間保持して固相反応を起こさせてCrを含
有したイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)
蛍光体を得た。この固相反応工程において容器開口部か
ら波長534nmの半導体励起Nd:YAGレーザーの
第2高調波レーザー光を照射した。波長534nmの光
は3価Crの光吸収帯域内の波長の光である。固相反応
後、毎時150℃の降温速度で室温まで冷却し蛍光体粉
末を得た。レーザー光の強度は10mWであった。光照
射は試料温度が1200度に達した時点から開始し、試
料の炉からの取り出し可能温度である300度以下に試
料温度が低下した時点で光照射を停止した。
【0069】このようにして製造した試料の4価Cr濃
度をPL法により測定したところ、添加した全Cr濃度
の80%に達し、従来の5%よりも16倍程度の価数変
化効果があることが確認された。このように本方法の製
造方法によれば、高濃度の4価Crを含有するYAG蛍
光体を提供できることが明かとなった。
【0070】
【発明の効果】以上述べてきたように活性剤として、希
土類元素あるいは遷移金属元素から選択される少なくと
も1種の元素を含有する光学材料の製造方法を本発明構
成の製造方法すなわち、材料の温度を制御した状態で活
性剤イオンの光吸収波長帯域内の波長の光、あるいは活
性剤イオンの光吸収波長帯域の波長を含む光を照射して
製造する方法とすることにより、活性剤の価数状態の制
御性に優れた製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光照射によりCr3+イオンが励起状態となる様
子を配位座標を用いて示した図。
【図2】光照射を行った状態での価数変化の様子を示す
図。
【図3】照射光の波長分散と活性剤の光吸収スペクトル
の波長分散との関係を示す図。
【図4】照射光の波長分散と4価Crの光吸収スペクト
ルの波長領域に重なりがある場合の価数変化の様子を示
した図。
【図5】YAG、YGG、GSAG、GGGの基礎吸収
を示す図。
【図6】各種光学材料におけるCr3+イオン固有の光吸
収スペクトルを示す図。
【図7】YAG中のCe3+、Tb3+、Nd3+それぞれの
f−d遷移に起因する吸収帯を示す図。
【図8】Ndを1mol%、Caを1mol%添加した
YAG単結晶の光吸収スペクトルを示す図。
【図9】3価Crイオン(Cr3+)および4価Crイオ
ン(Cr4+)を含有するYAGのポテンシャルエネルギ
ーを配位座標表示で表した図。
【図10】Cr4+を含むYAGを製造する方法を説明す
る図。
【符号の説明】
1 小さい価数の活性剤イオンの基底状態のポ
テンシャルエネルギー曲線 2 励起状態又はEab低下前のポテンシャル
エネルギー曲線 3 大きい価数の活性剤イオンのポテンシャル
エネルギー曲線
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C30B 33/02 7202−4G C30B 33/02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    単結晶からなる光学材料の製造方法であり、該光学材料
    の結晶成長工程、あるいは結晶成長後の熱処理工程の少
    なくとも一つの工程において、活性剤イオンの光吸収波
    長帯域内の波長の光、あるいは活性剤イオンの光吸収波
    長帯域の波長を含む光を照射することを特徴とする光学
    材料の製造方法。
  2. 【請求項2】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    光学材料の製造方法であり、かつ該光学材料が固相反応
    により合成される方法であって、該光学材料の合成工
    程、あるいは合成後の熱処理工程の少なくとも一つの工
    程において、活性剤イオンの光吸収波長帯域内の波長の
    光、あるいは活性剤イオンの光吸収波長帯域の波長を含
    む光を照射することを特徴とする光学材料の製造方法。
  3. 【請求項3】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    光学材料の製造方法であり、かつ該活性剤を熱拡散反応
    によって添加する製造方法であって、該活性剤の熱拡散
    工程、あるいは熱拡散後の熱処理工程の少なくとも一つ
    の工程において、活性剤イオンの光吸収波長帯域内の波
    長の光、あるいは活性剤イオンの光吸収波長帯域の波長
    を含む光を照射することを特徴とする光学材料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    単結晶からなる光学材料の製造方法であり、該光学材料
    の結晶成長工程、あるいは結晶成長後の熱処理工程少な
    くとも一つの工程において、光を照射して光学材料を製
    造する方法であって、照射する光が活性剤イオンの光吸
    収波長帯域内の波長の光、あるいは活性剤イオンの光吸
    収波長帯域の波長を含む光であり、かつ活性剤を含まな
    い該光学材料の光透過帯域内にある光であることを特徴
    とする光学材料の製造方法。
  5. 【請求項5】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    光学材料の製造方法であり、かつ該光学材料が固相反応
    により合成される方法であって、該光学材料の合成工
    程、あるいは合成後の熱処理工程の少なくとも一つの工
    程において、光を照射して光学材料を製造する方法であ
    って、照射する光が活性剤イオンの光吸収波長帯域内の
    波長の光、あるいは活性剤イオンの光吸収波長帯域の波
    長を含む光であり、かつ活性剤を含まない該光学材料の
    光透過帯域内にある光である照射することを特徴とする
    光学材料の製造方法。
  6. 【請求項6】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有する
    光学材料の製造方法であり、かつ該活性剤を熱拡散反応
    によって添加する製造方法であって、該活性剤の熱拡散
    工程、あるいは熱拡散後の熱処理工程の少なくとも一つ
    の工程において、光を照射して工学材料を製造する方法
    であって、照射する光が活性剤イオンの光吸収波長帯域
    内の波長の光、あるいは活性剤イオンの光吸収波長帯域
    の波長を含む光であり、光を照射して光学材料を製造す
    る方法であって、照射する光が活性剤イオンの光吸収波
    長帯域内の波長の光、あるいは活性剤イオンの光吸収波
    長帯域の波長を含む光であり、かつ活性剤を含まない該
    光学材料の光透過帯域内にある光であることを特徴とす
    る光学材料の製造方法。
  7. 【請求項7】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素を含有し、
    かつ元素のN(N=1,2,3,4,5,6,7)価イ
    オンのみ、あるいはN価イオンとM(M=1,2,3,
    4,5,6,7但しM≠N)価イオンの両者の光学的特
    性を利用する光学材料の製造方法であり、該光学材料の
    合成工程、あるいは合成後の熱処理工程の少なくとも一
    つの工程において、光を照射して製造する方法であっ
    て、該照射光をN価イオン、あるいはM価イオンの少な
    くとも1者の光吸収波長域の一部あるいは光吸収波長域
    の全ての波長域を含み、かつ光強度の波長分布が制御さ
    れた光とすることにより、M価イオンとN価イオンの存
    在比率が制御された光学材料を製造することを特徴とす
    る光学材料の製造方法。
  8. 【請求項8】活性剤として、希土類元素あるいは遷移金
    属元素から選択される少なくとも1種の元素含有するガ
    ラスよりなる光学材料の製造方法において、該ガラスの
    温度をガラス転移点以上融点以下の温度に制御した状態
    で、活性剤イオンの光吸収波長帯域内の波長の光、ある
    いは活性剤イオンの光吸収波長帯域の波長を含む光を照
    射して該ガラスを製造することを特徴とする光学材料の
    製造方法。
  9. 【請求項9】活性剤として、希土類元素から選択される
    少なくとも1種の元素を含有する光学材料の製造方法で
    あり、該光学材料の合成工程、あるいは合成後の熱処理
    工程の少なくとも一つの工程において、活性剤イオンが
    光吸収を示す電子遷移のうち4f電子準位と5d電子準
    位間での電子遷移に起因する光吸収波長域内の波長の
    光、あるいは光吸収波長帯域の波長を含む光を照射して
    熱処理を施すことを特徴とする光学材料の製造方法。
  10. 【請求項10】活性剤として希土類元素を含有し、かつ
    製造途上において、希土類元素が3価イオンとして含有
    される光学材料において、該光学材料の合成工程、ある
    いは合成後の熱処理工程の少なくとも一つの工程におい
    て、希土類元素の3価イオンの光吸収波長帯域内の波長
    の光、あるいは光吸収波長帯域の波長を含む光を照射す
    ることにより希土類元素の4価イオンを含有する光学材
    料を製造することを特徴とする光学材料の製造方法。
  11. 【請求項11】活性剤として希土類元素を含有し、かつ
    製造途上において、希土類元素が2価イオンとして含有
    される光学材料において、該光学材料の合成工程、ある
    いは合成後の熱処理工程の少なくとも一つの工程におい
    て、該希土類元素の2価イオンの4f電子準位と5d電
    子準位間での電子遷移に起因する光吸収波長帯域内の波
    長の光、あるいは光吸収波長帯域の波長を含む光を照射
    することにより希土類元素の3価イオンを含有する光学
    材料を製造することを特徴とする光学材料の製造方法。
  12. 【請求項12】活性剤としてCrを含有し、かつ製造途
    上において、Crが3価イオンとして含有される光学材
    料において、該光学材料の合成工程、あるいは合成後の
    熱処理工程の少なくとも一つの工程において、3価Cr
    の光吸収波長帯域内の波長の光、あるいは光吸収波長帯
    域の波長を含む光を照射することにより4価Crを含有
    する光学材料を製造することを特徴とする光学材料の製
    造方法。
  13. 【請求項13】活性剤としてCrを含有したガーネット
    型化合物、アルミナ(Al23)、クリソベリル(Be
    Al24)、ベリル(Be3Al2Si618)、SrA
    lF5、ZnWO4の単結晶において、単結晶製造工程あ
    るいは、単結晶製造後の熱処理工程の少なくとも一つの
    工程において3価Crの光吸収波長帯域内の波長の光、
    あるいは光吸収波長帯域の波長を含む光を照射して4価
    Crを含有する光学材料を製造することを特徴とする光
    学材料の製造方法。
  14. 【請求項14】活性剤としてCrを含有したイットリウ
    ムアルミニウムガーネット(YAG)の単結晶におい
    て、単結晶製造工程あるいは、単結晶製造後の熱処理工
    程の少なくとも一つの工程において、波長200nm〜
    750nmの光を照射することにより4価Crを含有す
    るYAGを製造することを特徴とする光学材料の製造方
    法。
  15. 【請求項15】活性剤としてNdを含有し、ガーネット
    型化合物、アルミナ(Al23)、クリソベリル(Be
    Al24)、ベリル(Be3Al2Si618)、SrA
    lF5、ZnWO4の単結晶において、単結晶製造工程あ
    るいは、単結晶製造後の熱処理工程の少なくとも一つの
    工程において3価Ndの光吸収波長帯域内の波長の光、
    あるいは光吸収波長帯域の波長を含む光を照射して4価
    Ndを含有する光学材料を製造することを特徴とする光
    学材料の製造方法。
  16. 【請求項16】活性剤としてNdを含有したイットリウ
    ムアルミニウムガーネット(YAG)の単結晶におい
    て、単結晶製造工程あるいは、単結晶製造後の熱処理工
    程の少なくとも一つの工程において、200〜260n
    mあるいは340〜920nmの波長範囲にある光を照
    射することにより4価Ndを含有するYAGを製造する
    ことを特徴とする光学材料の製造方法。
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