JPH0828646A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

トロイダル型無段変速機

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Publication number
JPH0828646A
JPH0828646A JP16089294A JP16089294A JPH0828646A JP H0828646 A JPH0828646 A JP H0828646A JP 16089294 A JP16089294 A JP 16089294A JP 16089294 A JP16089294 A JP 16089294A JP H0828646 A JPH0828646 A JP H0828646A
Authority
JP
Japan
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continuously variable
variable transmission
lubricating oil
input
valve
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Pending
Application number
JP16089294A
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English (en)
Inventor
Seiji Terauchi
政治 寺内
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP16089294A priority Critical patent/JPH0828646A/ja
Publication of JPH0828646A publication Critical patent/JPH0828646A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0434Features relating to lubrication or cooling or heating relating to lubrication supply, e.g. pumps ; Pressure control

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Friction Gearing (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 過剰な潤滑油量供給による攪拌抵抗の増大を
防止し抵抗損失を低減させる。 【構成】 入力ディスク(43)と出力ディスク(4
4)とこれらの入出力ディスクの間に介在されたローラ
(45)を備えた無段変速機構を潤滑油により潤滑する
トロイダル型無段変速機において、ライン圧を設定する
ライン圧制御弁(122)と、このライン圧制御弁のド
レン側に設けられ上記無段変速機構(7,8)に潤滑油
を供給する潤滑油供給路(152)と、この潤滑路供給
路に設けられた潤滑油量調整弁(153)と、この潤滑
油量調整弁を上記無段変速機構の入力ディスクに対する
入力トルクが大きくなるほど潤滑油量が増大するように
制御する制御手段(154,155)と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トロイダル型無段変速
機に係わり、特に入力ディスクと出力ディスクとこれら
の入出力ディスクの間に介在されらローラを備えた無段
変速機構を潤滑油により潤滑するトロイダル型無段変速
機に関する。
【0002】
【従来の技術】トロイダル型無段変速機は、例えば特開
平1−135958号公報に示されたように、入力ディ
スクと出力ディスクと該両ディスク間に介在されたロー
ラとを備えた無段変速機構を有し、この無段変速機構の
ローラの傾転角度を変更することにより、入力ディスク
に対する出力ディスクの回転比つまり変速比が変更され
る。この無段変速機構におけるローラを介した入力ディ
スクから出力ディスクへの動力の伝達は、トラクション
伝達と呼ばれる油膜の剪断力を利用したものである。こ
のため、常に確実な油膜形成ができること及び入力ディ
スク及び出力ディスクとローラとの接触部での温度上昇
を抑制することが重要である。このため、従来は、一般
的に、ライン圧を設定するライン圧設定弁のドレン油を
利用して、無段変速機構に潤滑油として供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記潤滑油は、ライン
圧設定弁のドレン油を利用しているため、ライン圧が大
であるときは減少し、ライン圧が小のときは増大する。
また、ライン圧は、油圧制御系全体の元圧力となるもの
であり、その値は、車両走行条件により変化する。一
方、必要な潤滑油量である必要潤滑油量は、図10に示
されたように、エンジン回転数と無段変速機構への入力
トルクに比例する関係を有している。従って、上記の従
来のトロイダル無段変速機のように、単に、ライン圧を
設定するライン圧設定弁のドレン油を利用して潤滑油と
して供給したのでは、適切に必要潤滑油量を無段変速機
構へ供給することは不可能である。特に、必要以上に多
量の潤滑油が無段変速機構へ供給された場合には、入力
ディスク、出力ディスク及びローラでの潤滑油の攪拌抵
抗が増大して抵抗損失が生じ、その結果、無段変速機構
の動力伝達効率が悪化すると共に燃費性能を低下させる
という問題が生じる。そこで、本発明は上記従来技術の
問題点を解決するためになされたものであり、必要潤滑
油量を供給することにより、過剰な潤滑油量供給による
攪拌抵抗の増大を防止し抵抗損失を低減させることがで
きるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とし
ている。
【0004】
【課題を達成するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために本発明は、入力ディスクと出力ディスクと
これらの入出力ディスクの間に介在されたローラを備え
た無段変速機構を潤滑油により潤滑するトロイダル型無
段変速機において、ライン圧を設定するライン圧制御弁
と、このライン圧制御弁のドレン側に設けられ上記無段
変速機構に潤滑油を供給する潤滑油供給路と、この潤滑
路供給路に設けられた潤滑油量調整弁と、この潤滑油量
調整弁を上記無段変速機構の入力ディスクに対する入力
トルクが大きくなるほど潤滑油量が増大するように制御
する制御手段と、を有することを特徴としている。この
ように構成された本発明においては、ライン圧を設定す
るライン圧制御弁のドレン側に無段変速機構に潤滑油を
供給する潤滑油供給路を設け、この潤滑油供給路に、潤
滑油量調整弁を設け、この潤滑油量調整弁を制御手段に
より、無段変速機構の入力ディスクに対する入力トルク
が大きくなるほど潤滑油量が増大するように制御してい
る。これにより、無段変速機構には、必要な潤滑油量が
供給される。これにより、必要以上の潤滑油量が供給さ
れることにより生じていた潤滑油の攪拌抵抗の増大を防
止でき、抵抗損失が低減する。
【0005】また、本発明においては、上記制御手段
が、上記無段変速機構の入力トルクに対応する油圧を発
生させる油圧発生手段により上記潤滑油量調整弁を制御
することが好ましい。また、本発明においは、上記油圧
発生手段が、上記無段変速機の変速比とこの変速比を制
御するための変速比制御弁の作動油の差圧とにより上記
入力トルクを算出して上記入力トルクに対応する油圧を
発生させることが好ましい。2記載のトロイダル型無段
変速機。また、本発明においては、上記油圧発生手段
が、スロットルバルブ開度に基づいて上記入力トルクを
算出して上記入力トルクに対応する油圧を発生させるこ
とが好ましい。さらに、本発明においは、上記油圧発生
手段が、電磁ソレノイドバルブであることが好ましい。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例について添付図面を
参照して説明する。図1は、本発明に係わるトロイダル
型無段変速機を備えた車両の動力伝達系を示す全体図で
ある。この図1により、先ず、トロイダル型無段変速機
を備えた車両の動力伝達系を示す全体概要を説明する。
図1に示すように、自動車の変速装置TMには、第1〜
第4気筒#1〜#4を備えたエンジン1の出力トルク
を、トルコン2(トルクコンバータ2)と、プラネタリ
ギヤシステムからなる歯車減速機構3及び前後進切替機
構4とを介して変速機出力軸5に出力する第1の変速部
が設けられている。さらに、エンジン1の出力トルク
を、切替クラッチ6と、第1トロイダル型変速機構7及
び第2トロイダル型変速機構8を備えたトロイダル型無
段変速機Cとを介して変速機出力軸5に出力する第2の
変速部が設けられている。そして、切替クラッチ6がオ
フ状態にあるときには上記第1の変速部を介してトルク
が伝達され、オン状態にあるときには第2の変速部を介
してトルクが伝達されるようになっている。
【0007】第1の変速部は、トルコン2が強力なトル
ク増大機能を有するので、主として発進時、加速時等の
比較的大きな変速比(トルク比)を必要とする場合に用
いられ、第2の変速部は、主として高速走行時等の比較
的小さな変速比で運転が行われる場合に用いられる。以
下、変速装置TMの具体的な構造を説明する。まず、第
1の変速部について説明する。トルコン2は、実質的
に、ポンプインペラ12とタービンライナ13とステー
タ14とで構成されている。ポンプインペラ12は、ポ
ンプカバー15を介してエンジン出力軸11と連結さ
れ、エンジン出力軸11と一体回転するようになってい
る。さらに、ポンプインペラ12には、第1中空シャフ
ト16が同軸に連結され、この第1中空シャフト16の
後端部(図1では右端部)にオイルポンプ17が連結さ
れている。タービンライナ13はトルコン出力軸18
(タービンシャフト)に同軸に連結されている。また、
ステータ14はワンウェイクラッチ19を介して第2中
空シャフト21に連結されている。なお、第2中空シャ
フト21は変速機ケース22に固定されている。歯車減
速機構3は、実質的に、サンギヤ25と第1ピニオン2
6と後進用リングギヤ27と第2ピニオン28と前進用
リングギヤ29とキャリア30とで構成されている。サ
ンギヤ25にはトルコン出力軸18のトルクが入力され
るようになっている。また、第1、第2ピニオン26、
28はキャリア30によって回転自在に支持されてい
る。なお、キャリア30は、変速機ケース22に固定さ
れた第2中空シャフト21に固定されている。
【0008】そして、サンギヤ25と第1ピニオン26
の前部とが噛み合い、さらに、第1ピニオン26と後進
用リングギヤ27とが噛み合い、これらは逆転減速機能
を有するプラネタリギヤシステムをなしている。このプ
ラネタリギヤシステムでは、サンギヤ25に入力される
トルクより大きい逆回転方向のトルクが後進用リングギ
ヤ27から出力されるようになっている。また、サンギ
ヤ25と噛み合っている第1ピニオン26の後部と第2
ピニオン28とが噛み合い、さらに第2ピニオン28と
前進用リングギヤ29とが噛み合い、これらは正転減速
機能を有するプラネタリギヤシステムをなしている。こ
のプラネタリギヤシステムでは、サンギヤ25に入力さ
れるトルクより大きい順回転方向のトルクが前進用リン
グギヤ29から出力されるようになっている。前後進切
替機構4は、実質的に、リバースクラッチ31とクラッ
チケース32とフォワードクラッチ33とワンウェイク
ラッチ34とで構成されている。そして、クラッチケー
ス32は、後で説明する第1トロイダル型変速機構7の
出力ディスク44fを介して、変速機出力軸5に連結さ
れている。ここで、リバースクラッチ31が締結された
ときには(フォワードクラッチ33は切断)、後進用リ
ングギヤ27とクラッチケース32とが接続され、後進
用リングギヤ27のトルクが変速機出力軸5に伝達され
る。他方、フォワードクラッチ33が締結されたときに
は(リバースクラッチ31は切断)、前進用リングギヤ
29のトルクが変速機出力軸5に伝達される。なお、ワ
ンウェイクラッチ34は、変速機出力軸5の回転数が前
進用リングギヤ29の回転数より大きいときには空転し
て、前進用リングギヤ29が変速機出力軸5によって逆
駆動されるのを防止するために設けられている。
【0009】次に、第2の変速部について説明する。第
2の変速部は、実質的に、該第2の変速部へのトルクの
入力を継・断する切替スイッチ6と、第1,第2トロイ
ダル型変速機構7,8を備えたトロイダル型無段変速機
Cと、切替クラッチ6からトロイダル型無段変速機Cへ
トルク伝達する歯車機構35とで構成されている。ここ
で、歯車機構35は、切替クラッチ6が締結されている
ときには、第1中空シャフト16のトルクすなわちエン
ジン出力軸11のトルクを、順次噛み合っている、ドラ
イブギヤ37とアイドルギヤ38とドリブンギヤ39と
を介してバイパスシャフト40に伝達し、さらにバイパ
スシャフト40のトルクを、互いに噛み合っている駆動
ギヤ41と被駆動ギヤ42とを介してトロイダル型無段
変速機Cに伝達するようになっている。トロイダル型無
段変速機Cは、変速機出力軸5を取り囲むようにして前
側(図1では左側)に配置された第1トロイダル型変速
機構7と、後側に配置された第2トロイダル型変速機構
8とで構成されている。ここで、第1,第2トロイダル
型変速機構7,8は、前後に対称となるように配置され
ているが、両者の構成と機能は基本的には同一であるの
で、対応する部材には同一番号を付し、原則として第1
トロイダル型変速機構7の各部材には添字fを付し、第
2トロイダル型変速機構8の各部材には添字rを付して
いる。ただし、ローラ等、各トロイダル型変速機構7,
8に2つづつ配置されている部材については、添字f,
rのみでは区別できないので、第1トロイダル型変速機
構7の左右に配置された各部材に夫々添字a,bを付
し、第2トロイダル型変速機構8の左右に配置された各
部材に夫々添字c,dを付している。したがって、以下
では、ある部材についてなされた説明は、原則として、
番号が同一で添字のみ異なる他の部材にも当てはまるこ
とになる。
【0010】第1トロイダル型変速機構7には、変速機
出力軸5まわりに遊嵌された第1入力ディスク43f
と、変速機出力軸5に固定された第1出力ディスク44
fと、第1入力ディスク43fのトルクを第1出力ディ
スク44fに伝達する第1、第2ローラ45a、45b
とが設けられている。そして、第1入力ディスク43f
は、被駆動ギヤ42が取りつけられたインプットカム4
8と、第1カムローラ49fを介して係合し、第1入力
ディスク43fへの入力トルクが大きいほど、インプッ
トカム48が第1入力ディスク43fに強く押し付けら
れるようになっている。第1,第2ローラ45a,45
bは、夫々、軸線Yまわりに回転できるようになってい
て、その周面を第1入力ディスク43fの湾曲面と第1
出力ディスク44fの湾曲面に当接させている。このた
め、第1入力ディスク43fのトルク(回転)が、第
1,第2ローラ45a,45bを介して第1出力ディス
ク44fに伝達されるようになっている。ここで、第1
入力ディスク43fから第1出力ディスク44fへのト
ルク伝達における変速比(トルク比)は、第1,第2ロ
ーラ45a,45bと当接している位置における、第1
出力ディスク44fの半径R2と、第1入力ディスク4
3fの半径R1の比R2/R1によって決定される。
【0011】そして、第1,第2ローラ45a,45b
と両ディスク43f,44fとの当接位置は、後で説明
するように、第1,第2ローラー45a,45bの傾転
角によって決まるようになっており、後で説明する油圧
機構によって、この傾転角を変えることによって、変速
比を所定の範囲内で任意に設定できるようになってい
る。なお、第2トロイダル型変速機構8も、基本的には
第1トロイダル型変速機構7と同様であり、その説明を
省略する。以下、図2及び図3を参照して、トロイダル
型無段変速機Cの具体的な構造を説明する。主に図2に
示すように、第1トロイダル型変速機構7においては、
第1出力ディスク44fが変速機出力軸5にスプライン
に嵌合されている。さらに、第1出力ディスク44f
は、変速機出力軸5に嵌合されたリング状の位置決め部
材46によって位置決めされた状態で、第1ベアリング
47fを介して変速機ケース22によって回転自在に支
持されている。なお、第2トロイダル型変速機構8の第
2出力ディスク44rは、変速機出力軸5に一体的に形
成された拡径部5gと変速機ケース22との間に設けら
れ該変速機出力軸5を回転自在に支持する第2ベアリン
グ47rによって位置決めされている。
【0012】第1出力ディスク44fと第2出力ディス
ク44rとの間には、第1,第2入力ディスク43f,
43rが互いに背面が対向するようにして近接配置され
ており、両入力ディスク43f,43r間にはこれらに
対して相対回転可能とされたインプットカム48が配置
されている。そして、インプットカム48と第1,第2
入力ディスク43f,43rとの間に、夫々第1,第2
カムローラ49f,49rが介設されている。ここで、
第1,第2カムローラ49f,49rは、インプットカ
ム48と第1,第2入力ディスク43f,43rとが相
対回転したときに、第1,第2入力ディスク43f,4
3rを、出力ディスク44f,44r側に押し付ける押
圧力を発生させる機能を有していて、第1,第2入力デ
ィスク43f,43rへの入力トルクが大きいときほ
ど、第1,第2カムローラ49f,49rによる第1,
第2入力ディスク43f,43rに対する押圧力が増加
するようになっている。第1,第2入力ディスク43
f,43r間には、変速機出力軸5に遊嵌され、かつ両
端を夫々第1,第2入力ディスク43f,43rの背面
に当接された状態で、第1,第2入力ディスク43f,
43rとスプライン嵌合された係合部材50が配置され
ている。そして、この係合部材50と第2入力ディスク
43rとの間に皿ばね51が介設され、この皿ばね51
によって第1入力ディスク43fと第2入力ディスク4
3rとが互いに離間する方向に予圧されるようになって
いる。この皿ばね51は、第2入力ディスク43rの背
面に当接してこれを第2出力ディスク44r側に付勢す
る一方、その付勢反力によって、係合部材50を介し
て、第1入力ディスク43fを第1出力ディスク44f
側に付勢し、第1入力ディスク43fと第1出力ディス
ク44fとの間、及び第2入力ディスク43rと第2出
力ディスク44rとの間に所定の予圧を付与するように
なっている。
【0013】次に、主に図3を参照して、第1〜第4ロ
ーラ45a〜45dを夫々傾動させるための油圧機構に
ついて説明する。第1トロイダル型変速機構7と第2ト
ロイダル型変速機構8の油圧機構は、ほぼ同一であるた
め、ここでは、第1トロイダル変速機構7のみについて
説明する。図3に示すように、第1トロイダル型変速機
構7には、第1,第2ローラ45a,45bを夫々回転
自在に支持する第1,第2トラニオン59a,59bが
設けられている。そして、第1,第2トラニオン59
a,59bによって、夫々、第1,第2偏心軸60a,
60bを介して、第1,第2ローラ45a,45bが回
転自在に支持されている。また、第1,第2トラニオン
59a,59bには、夫々、これらを下方(変速機出力
軸5と直交する方向)に延長するようにして伸長する第
1,第2軸部材61a,61bが一体的に取り付けられ
ている。さらに、第1,第2ローラ45a,45bより
はやや上方において、変速機ケース22には上側連結部
材62が取り付けられている。他方、第1,第2ローラ
45a,45bより下方において、変速機ケース22に
固定された仕切壁部53には下側連結部材63が取り付
けられている。そして、上側連結部材62に形成された
第1,第2軸穴65a,65bによって、夫々、第1,
第2トラニオン59a,59bの上端部が、第1,第2
上側球面ブッシュ64a,64bを介して回動自在に支
持されている。他方、下側連結部材63に形成された第
1,第2軸穴67a,67bによって、夫々、第1,第
2トラニオン59a,59bの下端部が、第1,第2下
側球面プッシュ66a,66bを介して回動自在に支持
されている。また、第1,第2軸部材61a,61bの
下部は、仕切壁部53の下面に取り付けられたアッパハ
ウジング55の開口部55gを貫通して、該アッパハウ
ジング55の下面に取り付けられたロアハウジング56
の凹部56gによって、第1第2支持ベアリング54
a、54bを介して回転自在に支持されている。
【0014】仕切壁部53内には、夫々第1,第2トラ
ニオン59a,59bを作動させるために、第1,第2
油圧シリンダ76a,76bが設けられ、これらの第
1,第2油圧シリンダ76a,76bは、夫々、仕切壁
部53の一部をなす隔壁部53gによって上下に仕切ら
れている。そして、第1,第2油圧シリンダ76a,7
6bの上半部には夫々第1,第2上側ピストン77a,
77bが嵌入され、下半部には第1,第2下側ピストン
78a,78bが嵌入されている。このため、第1,第
2上側ピストン77a,77bと隔壁部53gとによっ
て夫々第1,第2上側油圧室79a,79bが画成さ
れ、他方第1,第2下側ピストン78a,78bと隔壁
部53gとによって夫々第1,第2下側油圧室80a,
80bが画成されている。ここで、第1,第2上側油圧
室79a,79bに油圧がかけられたときには、第1,
第2上側ピストン77a,77bによって、第1,第2
トラニオン59a,59bが上向きに変位させられ、他
方第1,第2下側油圧室80a,80bに油圧がかけら
れたときには、第1,第2下側ピストン78a,78b
によって、第1,第2トラニオン59a,59bが下向
きに変位されるようになっている。そして、このように
第1,第2トラニオン59a,59bが上下方向に変位
すると、これに伴って変位量に応じて第1,第2ローラ
45a,45bが傾転し、第1トロイダル型変速機構7
の変速比が変わるようになっている。また、これに伴っ
て第1,第2トラニオン59a,59bがその軸線まわ
りに回転するようになっている。
【0015】なお、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dへの油圧の
供給を制御することによって変速比を制御する変速比制
御装置は、後で詳しく説明する。また、油圧機構故障時
において、第1,第2トラニオン59a,59bの回動
の同期をバックアップするために、両トラニオン59
a,59b(59c,59d)には、連動ワイヤ57,
58が巻きかけられている。上側連結部材62には、第
1軸穴65aと第2軸穴65bの中間部に第1上側位置
決め穴68fが形成され、第3軸穴65cと第4軸穴6
5dの中間部に第2上側位置決め穴68rが形成されて
いる。そして、第1上側位置決め穴68fに、変速機ケ
ース22と一体形成された第1支持部69fが挿通され
ている。なお、第1支持部69fには第1ローラ潤滑部
材70fが、第1取付部材71fを用いて取り付けられ
ている。下側連結部材63には、第1軸穴67aと第2
軸穴67bの中間部に第1下側位置決め穴72fが形成
されている。そして、第1下側位置決め穴72fには、
夫々、仕切壁部53の上面に第1取付ボルト74fを用
いて固定された第1下側球面軸受73fが挿通されてい
る。このように、下側連結部材63は、第1下側球面軸
受73fによって、仕切壁部53(変速機ケース22)
に対して固定ないしは位置決めされている。
【0016】次に、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧80a〜80dへの油圧の供
給を制御することによって変速比を制御する変速比制御
装置について説明する。図3に示すように、この変速比
制御装置において、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dへは、運転
状態に応じて変速比制御弁Vから、後で説明する油状回
路を介して油圧が供給されるようになっている。この変
速比制御弁Vは、後で詳しく説明するように、バルブボ
ディ82内にスリーブ83が嵌入され、さらに該スリー
ブ83内にスプール84が嵌入されたいわゆる三層弁で
あって、作動機構としてスプリング85、回転部材8
6、ピン部材87等を備えていて、コントロールユニッ
ト(図示せず)からの信号に従って動作するステッピン
グモータ88によって駆動ないし制御され、運転状態に
応じて、元圧受入ポートP1に受け入れられた油圧(ラ
イン圧)をシフトアップ用制御ポートP2またはシフト
ダウン用制御ポートP3を介して、所定の油圧室79a
〜79d,80a〜80dに油圧を供給するようになっ
ている。なお、変速比制御弁Vにはフィードバック手段
90が設けられている。
【0017】更に、図4に具体的に示すように、変速比
制御弁Vにおいては、ロアハウジング56の一部がバル
ブボディ82とされていて、このバルブボディ82内
に、バルブボディ軸線方向に往復移動できるようになっ
たスリーブ83が嵌入され、さらに該スリーブ83内
に、バルブボディ軸線方向に往復移動できるようになっ
たスプール84が嵌入されている。ここで、スリーブ8
3には、常時元圧受入ポートP1と連通するメインポー
ト83iと、常時シフトアップ用制御ポートP2と連通
する第1ポート83jと、常時シフトダウン用制御ポー
トP3と連通する第2ポート83kとが形成されてい
る。また、スプール84には、常時メインポート83i
と連通する環状のグループ84iと、該グループ84i
の左右に夫々隣接する第1,第2ランド部84j,84
kが形成されている。図5には、各ポートP1〜P3付
近の詳細を示してある。この図5において、スプール8
4は中立位置にあるときを示しており、このとき、入力
ポートP1は、各出力ポートP2、P3に対して、アン
ダラップδ1,δ2によってわずかに連通されている。
また、上記中立位置においては、各出力ポートP2,P
3は、ドレン通路99に対して、アンダラップδ3,δ
4によってわずかに連通されている。このような中立位
置においては、各出力ポートP2,P3の圧力差は生じ
ないものとなっている。そして、アンダラップδ1ある
いはδ2の範囲でスプール84がわずかに移動すること
によって、両出力ポートP2とP3との間に所定の圧力
差が生じ、この圧力差は、入力ディスク43f,43r
に対する入力トルクに応じた大きさとなる。
【0018】そして、変速の際には、スプール84が、
大きく移動して、アンダラップδ1あるいはδ2を零に
することによって、出力ポートP2とP3との間に大き
な圧力差を発生させる。なお、δ1〜δ4はそれぞれ等
しい大きさとされていて、δ1(δ2)が零になったと
きは、δ4(δ3)が零になるように設定されている。
また、後述するように、フィードバック手段90による
フィードバック時には、スプール84が、ほぼ中立位置
へと復帰されるが、このときの復帰位置は、上述下、入
力ディスク43f,43rに対する入力トルクの大きさ
に応じた位置とされる。なお、以下の説明では、簡単化
のため、スプール84がほぼ中立位置にあるとき、つま
り、δ1およびδ2の両方共に零でないときに、ポート
P1がP2,P3と遮断された状態、あるいはポートP
2,P3がドレン通路99と遮断された状態という。ま
た、δ1が零であるときに、ポートP1がP3と連通さ
れかつポートP2がドレンされた状態という。更に、δ
2が零のときに、ポートP1がP2に連通され、ポート
P3がドレンされた状態という。図4に示されたよう
に、変速機ケース22の下端部に取り付けられたオイル
パン36の側壁部には、ステッピングモータ88が取り
付けられ、このステッピングモータ88の回転軸88i
には回転部材86が固定・連結されている。そして、回
転部材86の先端部付近には雄ねじ部86iが形成さ
れ、この雄ねじ部86iに雌ねじ付カラー92が螺合さ
れている。この雌ねじ付カラー92にはピン部材87が
固定されていて、このピン部材87の両端部は、バルブ
ボディ82に形成された上下一対の溝部82iによって
係止され、雌ねじ付カラー92はバルブボディ軸線まわ
りには回転しないようになっている。したがって、回転
部材86がバルブボディ軸線まわりに回転すると、雌ね
じ付カラー92はバルブボディ軸線方向に移動すること
になる。また、ピン部材87によって、雌ねじ付カラー
92とスリーブ83とがバルブボディ軸線方向に連動す
るようになっている。
【0019】スリーブ83内において、雌ねじ付カラー
92とスプール84との間には、両者に、互いにバルブ
ボディ軸線方向に離間させる方向の付勢力を付与するス
プリング85が配設されている。すなわち、該スプリン
グ85によって、雌ねじ付カラー92は常時ステッピン
グモータ方向(図4では左向き)に付勢されることにな
る。したがって、雌ねじ付カラー92と連動するスリー
ブ83も常時左向きに付勢されることになる。なお、ス
プリング85によって、スプール84が常時右向きに付
勢されるのはもちろんである。ここで、ステッピングモ
ータ88の回転に伴って回転部材86が回転すると、ピ
ン部材87によって回転を規制された雌ねじ付カラー9
2がバルブボディ軸線方向に移動させられ、これに伴っ
てスリーブ83がバルブボディ軸線方向に移動して、メ
インポート83iを、グループ84iを介して、第1ポ
ート83jまたは第2ポート83kと連通させ、元圧受
入ポートP1内の作動油(油圧)をシフトアップ用制御
ポートP2またはシフトダウン用制御ポートP3に出力
するようになっている。なお、ここで作動油とは所定の
油圧を伴って作動油のことであり、以下でも同様であ
る。
【0020】具体的には、例えば、シフトアップ時に
は、ステッピングモータ88がパルスに応じた回転角で
順回転し、これに伴ってスリーブ83が右向きに移動
し、このときメインポート83iがグループ84iを介
して第1ポート83jと連通し、元圧受入ポートP1の
作動油がシフトアップ用制御ポートP2から出力され
る。この場合、シフトダウン用制御ポートP3の作動油
は、ドレン通路99にリリースされる。他方、シフトダ
ウン時には、ステッピングモータ88がパルスに応じた
回転角で逆回転し、これに伴ってスリーブ83が左向き
に移動し、メインポート83iがグループ84iを介し
て第2ポート83kと連通し、元圧受入ポート1の作動
油(油圧)がシフトダウン用制御ポートP3から出力さ
れる。この場合、シフトアップ用制御ポートP2の作動
油はドレン通路99にリリースされる。スプール84の
右端部と第1軸部材61aの下端部との間には、フィー
ドバック手段90が設けられている。このフィードバッ
ク手段90には、第1軸部材61aに固定され該第1軸
部材61aと一体回転するプリセスカム100が設けら
れ、このプリセスカム100には傾斜面100iが形成
されている。また、アップハウジング55の所定の位置
に設けられた回転軸101に、第1アーム102iと第
2アーム102jとが固定されている。ここで、第1ア
ーム102iの先端部はプリセスカム100の傾斜面1
00iと係合し、第2アーム102jの先端部は、スプ
ール84の右端部に形成されたスリット84mと係合し
ている。
【0021】このフィードバック手段90の基本的な機
能は、一般に用いられている普通のフィードバック手段
と同様であるので、詳しい説明は省略するが、概ね次の
ようなプロセスで、各ローラ45a〜45dの傾転角
(変速比)を目標傾転角(目標変速比)に保持するよう
になっている。すなわち、変速時において、ステッピン
グモータ88が目標傾転角(目標変速比)に対応する角
度だけ回転すると、スリーブ83がこの回転角に対応す
る分だけバルブボディ軸線方向に移動して、所定の油圧
室79a〜79d、80a〜80dに油圧が供給され、
各ローラ45a〜45dが目標傾転角まで傾転する。他
方、このようにローラ45a〜45dが傾転すると、こ
れに対応して各トラニオン59a〜59dと各軸部材6
1a〜61dとが回動し、これに伴ってプリセスカム1
00が回動する。このとき、プリセスカム100によっ
て第1アーム102iを介して回転軸101が回転させ
られ、さらにこの回転軸によって、第2アーム102j
を介してスプール84が、スリーブ83の上記移動方向
と同一方向に移動させられ、ローラ45a〜45dの傾
転角が目標傾転角に達した時点で、スプール84の移動
量がちょうどスリーブ83の移動量と等しくなり、ここ
でメインポート83iと、第1ポート83jまたは第2
ポート83kとの連通が遮断され、油圧室79a〜79
d、80a〜80dへの油圧の供給が停止され、傾転角
の変化が停止して、傾転角が目標傾転角に保持される。
【0022】ただし、かかるフィードバック動作が行わ
れるときに、第2アーム102jの先端部がスプール8
4から離間する方向(すなわち右向き)に変位する場合
には、前記のスプリング85によって、スプール84が
第2アーム102jの変位に追従させられる。次に、油
圧供給源から変速比制御弁Vに作動油(油圧)を供給
し、かつ変速比制御弁Vから各油圧室79a〜79d,
80a〜80dに作動油を供給する油圧回路について説
明する。図6に示すように、かかる油圧回路において
は、オイルパン36内の作動油が、オイルポンプ17か
ら吐出された後、ライン圧制御部122で所定の圧力
(元圧)に調整された後、元圧供給通路123を介し
て、変速比制御弁Vの元圧受入ポートP1に供給される
ようになっている。シフトアップ用制御ポートP2から
出力された作動油は共通シフトアップ油路130に流入
し、この後、第1〜第4分岐シフトアップ油路130a
〜130dを介して、夫々、第1下側油圧室80aと、
第2上側油圧室79bと、第3下側油圧室80cと、第
4上側油圧室79dとに供給されるようになっている。
他方、シフトダウン用制御ポートP3から出力された作
動油は共通シフトダウン油路131に流入し、この後、
第1〜第4分岐シフトダウン油路131a〜131dを
介して、夫々、第1上側油圧室79aと、第2下側油圧
室80bと、第3上側油圧室79cと、第4下側油圧室
80dとに供給されるようになっている。
【0023】かかる変速制御装置において、シフトダウ
ン時には、スリーブ83が図6中では右向きに移動し、
元圧受入ポートP1の作動油がシフトダウン用制御ポー
トP3から出力され、この作動油が、第1上側油圧室7
9aと、第2下側油圧室80bと、第3上側油圧室79
cと、第4下側油圧室80dとに供給される。なお、図
6中の変速比制御Vは、図3,図4中の変速比制御弁V
とは、左右の位置関係が逆に示されている。このとき、
図8に示すように、第1,第3トラニオン59a,59
cつまりローラ45a,45cが上向きに変位し、第
2,第4トラニオン59b,59dつまりローラ45
b,45dが下向きに変位し、かかるトラニオン59a
〜59dの変位によって、第1〜第4ローラ45a〜4
5dが減速側に変化する。このとき各トラニオン59a
〜59dしたがって各軸部材61a〜61dが回動する
が、第1軸部材61aの回動に伴って、プリセスカム1
00が、傾斜面100iとその一端部が当接しているL
字型リンク102を介して、スプール84を、元圧受入
ポートP1とシフトダウン用制御ポートP3の連通を遮
断するまで右向きに移動させる。このようにして、傾転
角が目標傾転角に保持される。
【0024】他方、シフトアップ時には、スリーブ83
が図6中では左向きに移動し、元圧受入ポートP1の作
動軸がシフトアップ用制御ポートP2から出力され、こ
の作動軸が、第1下側油圧室80aと、第2上側油圧室
79bと、第3下側油圧室80cと、第4上側油圧室7
9dとに供給される。このとき、図7に示すように、第
1,第3トラニオン59a,59cつまりローラ45
a,45cが下向きに変位し、第2,第4トラニオン5
9b,59dつまりローラ45b,45dが上向きに変
位し、かかるトラニオン59a〜59dの変位によっ
て、第1〜第4ローラ45a〜45dが増速側(オーバ
ードライブ側)に変化する。このとき各トラニオン59
a〜59d(各軸部材61a〜61d)が回動し、第1
軸部部材61aの回動に伴って、プリセスカム100
が、傾斜面100iとその一端部が当接しているL字型
リンク102が作動させられるが、この場合は上記のシ
フトダウンの場合とは違って、L字型リンク102の他
端部がスプール84から離間する方向(図1では左向
き)に変位する。このためスプリング85の付勢力によ
って、スプール84が図6中では左向きに移動させら
れ、元圧受入ポートP1とシフトアップ用制御ポートP
2の連通を遮断するまで左向きに移動させられる。この
ようにして、傾転角が目標傾転角に保持される。
【0025】次に、図9を参照して、油圧回路の全体を
説明する。先ず、ポンプ17から吐出された圧力がライ
ン圧制御弁122によって制御されて、ライン123の
圧力がライン圧とされる。ここで、ポンプ17は、エン
ジンにより駆動され、エンジン回転数が増大するぼど、
吐出圧及び吐出量が大となる。また、前述して変速比制
御弁Vは、正転用つまり前進走行用の前進用変速比制御
弁Vfと後進走行用の後進用変速比制御弁Vrの2個の
制御弁により構成されている。前進用変速比制御弁Vf
は、図7と図8において、入力ディスク43f(43
r)が図7と図8中反時計方向に回転している前進走行
時に用いられるもので、通常の変速制御に用いられる。
これに対して、後進用変速比制御弁Vrは、入力ディス
ク43f(43r)が図7と図8中時計方向に回転して
いる後進走行時に用いられるものであるが、この後進走
行時には、トロイダル型無段変速機構7,8は動力伝達
に関与していないので、所定の変速比に固定するための
ものとなる。つまり、ローラ45a〜45fが、各ディ
スク43a〜43fから外れない範囲で、かつその傾転
方向ストローク端に配設されたストッパに無理な力で当
接しないような変速比とされる。
【0026】いずれの変速比制御弁を用いるかの選択
が、切換弁VFRによって行われる。この切換弁VFR
によって、前進用変速比制御弁Vfが選択されたとき
は、この前進用変速比制御弁Vfの入力ポートP1にラ
イン圧が供給されるとともに、出力ポートP2、P3
が、図6に示す態様で無段変速機構7,8に接続され
る。このとき、後進用変速比制御弁Vrの各ポートP1
〜P3は、それぞれ閉じられている。切換弁VFRによ
って、後進用変速比制御弁Vrが選択されたときは、こ
の後進用変速比制御弁Vrの入力ポートP1にライン圧
が供給されるとともに、出力ポートP2,P3が、図6
に示す態様で無段変速機構7,8に接続される。このと
き、前進用変速比制御弁Vrの各ポートP1〜P3は、
それぞれ閉じられている。なお、切換弁VFRの切換え
は、ON、OFFソレノイドSL1によって行われる。
ポンプ17から吐出された油の一部は、ライン150に
吐出され、このライン150の圧力は、減圧弁151に
よって減圧された一定圧力とされる。この一定圧力とさ
れたライン150の圧力は、電磁制御弁122aによる
ライン圧制御用の制御圧力として用いられる他、後述す
るクラッチ制御用の圧力としても用いられる。
【0027】前記前進用及び後進用変速比制御弁Vf、
Vrのドレン通路99は、リリーフライン171fある
いは171rから、チェックボール式の切換弁172を
介して共通リリーフライン171に接続されている。そ
して、共通リリーフライン171には、リリーフ弁16
1が接続されている。このリリーフ弁161に対して、
前記一定圧力とされたライン150から分岐されたライ
ン156が接続されている。このライン152は、リリ
ーフ弁161からのリリーフ圧を制御するためのもので
あり、このためライン156の圧力が、電磁式の制御弁
162(リニアソレノイド)によって制御される。ま
た、ライン圧通路123から分岐された分岐ライン12
3iは、前後進切換用のクラッチ31,33に接続され
ている。図9において、201は、前進用クラッチ33
あるいは後進用クラッチ31のいずれかにライン圧を供
給して、前進状態と後進状態との切換を行うための切換
弁である。また、この切換弁201は、前後進用クラッ
チ31と32とに対する潤滑油供給の切換えも合わせて
行う。このような切換弁201の切換えは、ON、OF
FソレノイドSL2によって行われる。また、図9にお
いて、203は、比例ソレノイド205によって制御さ
れて、ライン圧を徐々に変化させて半クラッチ状態を形
成するためのクラッチ圧制御弁であり、この半クラッチ
状態を形成するかいなかの切換えが、OFFソレノイド
SL3によっておこなわれる。次に、図9に示すよう
に、前記ライン圧制御弁122によって生じた余剰の油
は、ライン圧制御弁122のドレン側に設けられた潤滑
油供給路であるライン152を経て、トロイダル型無段
変速機構7,8に潤滑油として供給される。また、この
ライン152には、潤滑油量調整弁153とこの潤滑油
量調整弁153を制御する制御弁154が設けられてい
る。
【0028】図10に示すように、トロイダル型無段変
速機構7,8に供給されるべき必要な潤滑油量は、エン
ジン回転数と無段変速機構への入力トルクに比例する関
係を有している。即ち、エンジン回転数及び入力トルク
が増大するほど必要潤滑油量が増大する。図9に示され
た潤滑油量調整弁153及び制御弁154により、この
図10により示された必要潤滑油量をトロイダル型無段
変速機構7,8に供給する。制御弁154は、所定の制
御油圧を発生させることにより潤滑油量調整弁153を
制御し、必要潤滑油量をトロイダル型無段変速機構7,
8に供給するようにしている。この制御油圧は、以下の
ように設定される。上記変速比制御弁Vの両出力ポート
P2とP3との圧力差ΔPは、トロイダル型無段変速機
構7,8の入力ディスク43から伝わる回転駆動力に比
例した圧力である。同様に、上記変速比制御弁Vの両出
力ポートP2とP3のいずれか大きい方の油圧Pmax
も、トロイダル型無段変速機構7,8の入力ディスク4
3から伝わる回転駆動力に比例した圧力である。これら
の圧力差ΔP又は大きい方の油圧Pmaxと、トロイダ
ル型無段変速機構7,8の変速比から、トロイダル型無
段変速機構7,8の入力トルクが得られる。この入力ト
ルクに比例する圧力を制御弁154により制御油圧とし
て発生させる。具体的には、制御弁154は、デューテ
ィソレノイド弁又リニアソレノイド弁等の電磁弁で構成
されており、上記圧力差ΔP又は油圧Pmaxを油圧セ
ンサにて検出すると共に変速比を変速機の入出力軸回転
数センサ又はローラの傾転各を反映する部材のポジショ
ン等から検出して、制御油圧を制御するようにしたもの
である。この制御油圧により潤滑油量調整弁153が制
御され、図10により示された必要潤滑油量がトロイダ
ル型無段変速機構7,8に供給される。また、不要な油
は、潤滑油量調整弁153からドレンされる。
【0029】このように構成された本発明の実施例にお
いては、ライン圧制御弁によって生じた余剰の油は、ラ
イン圧を設定するライン圧制御弁122のドレン側に潤
滑油供給路であるライン152を経て、トロイダル型無
段変速機構7,8に潤滑油として供給される。このと
き、ライン152に設けられた潤滑油量調整弁153及
び制御弁154により、潤滑油量は、図10に示された
必要潤滑油量が供給されるように制御される。具体的に
は、変速比制御弁Vの両出力ポートP2とP3との圧力
差ΔP又は両出力ポートP2とP3のいずれか大きい方
の油圧Pmax及びトロイダル型無段変速機構7,8の
変速比とから、トロイダル型無段変速機構7,8の入力
トルクを算出し、この入力トルクに比例する圧力を制御
油圧として制御弁154により発生させ、この制御油圧
により潤滑油量調整弁153を制御するようにしてい
る。また、潤滑油を供給するポンプ17は、エンジンに
より駆動されるため、エンジン回転数が増大する潤滑油
量は増大する。このようにして、図10に示された必要
潤滑油量がトロイダル型無段変速機構7,8に供給され
る。この結果、本発明の実施例によれば、必要潤滑油量
が、トロイダル型無段変速機構7,8に供給されるた
め、必要以上の潤滑油量が供給されることにより生じて
いた潤滑油の攪拌抵抗の増大を防止でき、抵抗損失が低
減する。これにより、動力伝達効率の悪化及び燃費性能
の低下を防止することができる。
【0030】図11は、本発明の他の実施例を示したト
ロイダル型無段変速機の部分油圧回路図である。この実
施例においては、潤滑油量調整弁153を制御するため
の制御弁155が設けられている。制御弁155も、図
9に示された制御弁154と同様に、所定の制御油圧を
発生させて潤滑油量調整弁153を制御し、必要潤滑油
量をトロイダル型無段変速機構7,8に供給するもので
あるが、制御油圧の設定の仕方が図9の制御弁154と
異なる。即ち、制御弁155は、スロットル開度に比例
する制御油圧を発生させる。この制御油圧は、エンジン
負荷に対応する圧力であり、直接的に入力トルクに比例
するものではない。しかしながら、ライン圧制御弁12
2のドレン側から潤滑油供給路であるライン152に吐
出される余剰オイル(潤滑油)の量は、ポンプ17がエ
ンジンにより駆動されるため、エンジン回転数に比例す
る。よって、制御弁155による制御油圧は、ほぼ入力
トルクに対応した値となる。従って、この実施例におい
ては、図9に示された実施例ほど正確ではないが、図1
0に示された必要潤滑油量が、トロイダル型無段変速機
構7,8に供給される。なお、上記実施例においては、
図9及び図11に示す制御弁154,155として電磁
ソレノイドバルブを使用し、各種センサからの信号にて
制御油圧を制御するように構成したが、このように電子
制御とせず、各種センサからの信号に対応する油圧信号
や変速比を表す機械的な変位等にて潤滑油量調整弁15
3や制御弁154,155等を制御するようにしてもよ
い。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように本発明のトロイダル
型無段変速機によれば、必要潤滑油量を供給することに
より、過剰な潤滑油量供給による攪拌抵抗の増大を防止
し抵抗損失を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるトロイダル型無段変速機を備
えた車両の動力伝達系を示す全体図
【図2】 トロイダル型無段変速機部分の平面断面図
【図3】 図2に示すトロイダル型無段変速機部分のA
−A線に沿う断面図
【図4】 変速比制御弁の断面図
【図5】 変速比制御弁の入出力ポート部分を示す断面
【図6】 変速比制御弁と変速比変更用の油圧シリンダ
との接続関係を示す油圧回路図
【図7】 シフトアップ時を示す説明図
【図8】 シフトダウン時を示す説明図
【図9】 本発明の一実施例を示すトロイダル型無段変
速機の全体油圧回路
【図10】 必要潤滑油量と回転数及び入力トルクとの
関係を示す線図
【図11】 本発明の他の実施例を示すトロイダル型無
段変速機の部分油圧回路
【符合の説明】
7 第1トロイダル型無段変速機構 8 第2トロイダル型無段変速機構 17 ポンプ 43 入力ディスク 44 出力ディスク 45 ローラ 59 トラニオン 122 ライン圧制御弁 152 ライン(潤滑油供給路) 153 潤滑油量調整弁 154,155 制御弁 V 変速比制御弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力ディスクと出力ディスクとこれらの
    入出力ディスクの間に介在されたローラを備えた無段変
    速機構を潤滑油により潤滑するトロイダル型無段変速機
    において、 ライン圧を設定するライン圧制御弁と、 このライン圧制御弁のドレン側に設けられ上記無段変速
    機構に潤滑油を供給する潤滑油供給路と、 この潤滑路供給路に設けられた潤滑油量調整弁と、 この潤滑油量調整弁を上記無段変速機構の入力ディスク
    に対する入力トルクが大きくなるほど潤滑油量が増大す
    るように制御する制御手段と、 を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記無段変速機構の入
    力トルクに対応する油圧を発生させる油圧発生手段によ
    り上記潤滑油量調整弁を制御することを特徴とする請求
    項1記載のトロイダル型無段変速機。
  3. 【請求項3】 上記油圧発生手段は、上記無段変速機の
    変速比とこの変速比を制御するための変速比制御弁の作
    動油の差圧とにより上記入力トルクを算出して上記入力
    トルクに対応する油圧を発生させることを特徴とする請
    求項2記載のトロイダル型無段変速機。
  4. 【請求項4】 上記油圧発生手段は、スロットルバルブ
    開度に基づいて上記入力トルクを算出して上記入力トル
    クに対応する油圧を発生させることを特徴とする請求項
    2記載のトロイダル型無段変速機。
  5. 【請求項5】 上記油圧発生手段は、電磁ソレノイドバ
    ルブであることを特徴とする請求項2記載のトロイダル
    型無段変速機。
JP16089294A 1994-07-13 1994-07-13 トロイダル型無段変速機 Pending JPH0828646A (ja)

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