JP3448857B2 - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JP3448857B2
JP3448857B2 JP10034894A JP10034894A JP3448857B2 JP 3448857 B2 JP3448857 B2 JP 3448857B2 JP 10034894 A JP10034894 A JP 10034894A JP 10034894 A JP10034894 A JP 10034894A JP 3448857 B2 JP3448857 B2 JP 3448857B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の変速制御装
置に係わり、特に、ステッピングモータにより変速比制
御弁をストロークさせて無段変速機構の変速比を制御す
る無段変速機の変速制御装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】自動車に搭載されている変速機として、
エンジンの回転を無段階に変速して出力軸に伝達するこ
とができるトロイダル型無段変速機が知られている。こ
のトロイダル型無段変速機は、エンジン出力が入力され
て回転する入力ディスクと、この入力ディスクと同軸上
に対向配置された出力ディスクと、この出力ディスクと
上記入力ディスクとの間に配置されて両ディスクに接し
て回転し且つ傾動可能とされた複数のローラとを有し、
このローラを傾動させることにより、その傾動角度に応
じて入力ディスクの回転を無段階に変速して出力ディス
クに伝達するように構成されている。そして、上記各ロ
ーラをそれぞれ回転自在に支持するトラニオンと称され
るローラ毎のローラ支持部材が設けられていると共に、
これらのローラ支持部材はそれぞれ変速機ケーシングに
回動ならびに軸方向に移動可能に支持されており、各ロ
ーラ支持部材を油圧装置の一部を構成する変速比制御弁
により軸方向に移動させることにより、このローラ支持
部材に支持された各ローラを傾動させるようになってい
る。
【0003】この変速比制御弁は、ステッピングモータ
によりそのストロークが制御されるとともに、フィード
バック手段であるプリセスカムを用いて、オープンルー
プ制御される。この場合には、制御原点を設定してこの
原点からの移動量を制御することが必要になる。ところ
で、ステッピングモータをオープンループ制御する場合
には、脱調(モータのトルクが負荷に負けて回転しない
現象)、外乱等により停止位置にずれが生じたときでも
所定の移動動作が完了したものとして取り扱われるの
で、変速比の制御精度が低下するという問題があった。
このため、実際の変速比とステッピングモータの回転角
を一致させるための補正手段が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この問題を解決するた
めに、特開昭61−74953号公報には、上記の補正
をプリセスカムのリンク機構に電気的なスイッチを設置
し、最大減速位置を検出して、制御原点を補正するよう
にしたものが開示されている。しかしながら、この公報
に記載のものでは、トロイダル型無段変速機が異常変速
して停止した場合、ローラを回転させないと最大減速位
置にてモータの回転角を一致させることができない。そ
のため、車両が停止状態でも、ローラを回転させなけれ
ばならず、アイドリング状態での燃費が悪くなるという
問題がある。また、車両が停止状態でローラを回転させ
る必要があるので、変速機の寿命が短くなる。そこで、
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになさ
れたものであり、実際の変速比が最大変速比(最大減速
比)以外で停止した場合でもステッピングモータの原点
補正を確実に行うことにより常に安定した変速比制御を
行うことができる無段変速機の変速制御装置を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために請求項1に記載の第1の発明は、ステッピ
ングモータにより変速比制御弁をストロークさせて無段
変速機構の変速比を制御する無段変速機の変速制御装置
において、変速比制御弁が最大変速比に対応するストロ
ーク位置にあることを変速比制御弁のストロークを規制
するストッパー部材により検出する検出手段と、この検
出手段が変速比制御弁が最大変速比に対応するストロー
ク位置にあることを検出した状態でステッピングモータ
の制御原点を補正する原点補正手段と、を有し、検出手
段のストッパー部材は、ステッピングモータの回転軸の
回転方向を規制するように構成されていることを特徴と
している。このように構成された第1の発明において
は、検出手段のストッパー部材により変速比制御弁が最
大変速比に対応するストローク位置にあるか否かが検出
され、このとき、検出手段のストッパー部材により、ス
テッピングモータの回転軸の回転方向が規制され、変速
比制御弁が最大変速比に対応するストローク位置にある
ことが検出された場合には、原点補正手段によりこの最
大変速比に対応するストローク位置にてステッピングモ
ータの制御原点が補正される。この結果、実際の変速比
が最大変速比以外で停止した場合でもステッピングモー
タの原点補正を確実に行うことにより常に安定した変速
比制御を行うことができる。
【0006】請求項2に記載の第2の発明は、ステッピ
ングモータにより変速比制御弁をストロークさせて無段
変速機構の変速比を制御する無段変速機の変速制御装置
において、変速比制御弁が最大変速比に対応するストロ
ーク位置にあることを変速比制御弁のストロークを規制
するストッパー部材により検出する検出手段と、この検
出手段が変速比制御弁が最大変速比に対応するストロー
ク位置にあることを検出した状態でステッピングモータ
の制御原点を補正する原点補正手段と、を有し、検出手
段のストッパー部材は、ステッピングモータと変速比制
御弁との間にこれらと同心状に配置され且つその端部の
全周部が変速比制御弁に当接して変速比制御弁の軸方向
移動を規制するように構成されていることを特徴として
いる。このように構成された第2の発明においては、検
出手段のストッパー部材により変速比制御弁が最大変速
比に対応するストローク位置にあるか否かが検出され、
このとき、ステッピングモータと変速比制御弁との間に
これらと同心状に配置されたストッパー部材の端部の全
周部が変速比制御弁に当接して変速比制御弁の軸方向移
動が規制され、変速比制御弁が最大変速比に対応するス
トローク位置にあることが検出された場合には、原点補
正手段によりこの最大変速比に対応するストローク位置
にてステッピングモータの制御原点が補正される。この
結果、実際の変速比が最大変速比以外で停止した場合で
もステッピングモータの原点補正を確実に行うことによ
り常に安定した変速比制御を行うことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。図1は、本発明に係わる無段変速機の変速制
御装置が適用されたトロイダル型無段変速機を備えた車
両の動力伝達系を示す全体図である。図1に示すよう
に、自動車の変速装置TMには、第1〜第4気筒#1〜
#4を備えたエンジン1の出力トルクを、トルコン2
(トルクコンバータ2)と、プラネタリギヤシステムか
らなる歯車減速機構3及び前後進切替機構4とを介して
変速機出力軸5に出力する第1の変速部が設けられてい
る。さらに、エンジン1の出力トルクを、切替クラッチ
6と、第1トロイダル型変速機構7及び第2トロイダル
型変速機構8を備えたトロイダル型無段変速機Cとを介
して変速機出力軸5に出力する第2の変速部が設けられ
ている。そして、切替クラッチ6がオフ状態にあるとき
には上記第1の変速部を介してトルクが伝達され、オン
状態にあるときには第2の変速部を介してトルクが伝達
されるようになっている。第1の変速部は、トルコン2
が強力なトルク増大機能を有するので、主として発進
時、加速時等の比較的大きな変速比(トルク比)を必要
とする場合に用いられ、第2の変速部は、主として高速
走行時等の比較的小さな変速比で運転が行われる場合に
用いられる。
【0008】以下、変速装置TMの具体的な構造を説明
する。まず、第1の変速部について説明する。トルコン
2は、実質的に、ポンプインペラ12とタービンライナ
13とステータ14とで構成されている。ポンプインペ
ラ12は、ポンプカバー15を介してエンジン出力軸1
1と連結され、エンジン出力軸11と一体回転するよう
になっている。さらに、ポンプインペラ12には、第1
中空シャフト16が同軸に連結され、この第1中空シャ
フト16の後端部(図1では右端部)にオイルポンプ1
7が連結されている。タービンライナ13はトルコン出
力軸18(タービンシャフト)に同軸に連結されてい
る。また、ステータ14はワンウェイクラッチ19を介
して第2中空シャフト21に連結されている。なお、第
2中空シャフト21は変速機ケース22に固定されてい
る。歯車減速機構3は、実質的に、サンギヤ25と第1
ピニオン26と後進用リングギヤ27と第2ピニオン2
8と前進用リングギヤ29とキャリア30とで構成され
ている。サンギヤ25にはトルコン出力軸18のトルク
が入力されるようになっている。また、第1,第2ピニ
オン26,28はキャリア30によって回転自在に支持
されている。なお、キャリア30は、変速機ケース22
に固定された第2中空シャフト21に固定されている。
【0009】そして、サンギヤ25と第1ピニオン26
の前部とが噛み合い、さらに、第1ピニオン26と後進
用リングギヤ27とが噛み合い、これらは逆転減速機能
を有するプラネタリギヤシステムをなしている。このプ
ラネタリギヤシステムでは、サンギヤ25に入力される
トルクより大きい逆回転方向のトルクが後進用リングギ
ヤ27から出力されるようになっている。また、サンギ
ヤ25と噛み合っている第1ピニオン26の後部と第2
ピニオン28とが噛み合い、さらに第2ピニオン28と
前進用リングギヤ29とが噛み合い、これらは正転減速
機能を有するプラネタリギヤシステムをなしている。こ
のプラネタリギヤシステムでは、サンギヤ25に入力さ
れるトルクより大きい順回転方向のトルクが前進用リン
グギヤ29から出力されるようになっている。前後進切
替機構4は、実質的に、リバースクラッチ31とクラッ
チケース32とフォワードクラッチ33とワンウェイク
ラッチ34とで構成されている。そして、クラッチケー
ス32は、後で説明する第1トロイダル型変速機構7の
出力ディスク44fを介して、変速機出力軸5に連結さ
れている。ここで、リバースクラッチ31が締結された
ときには(フォワードクラッチ33は切断)、後進用リ
ングギヤ27とクラッチケース32とが接続され、後進
用リングギヤ27のトルクが変速機出力軸5に伝達され
る。他方、フォワードクラッチ33が締結されたときに
は(リバースクラッチ31は切断)、前進用リングギヤ
29のトルクが変速機出力軸5に伝達される。なお、ワ
ンウェイクラッチ34は、変速機出力軸5の回転数が前
進用リングギヤ29の回転数より大きいときには空転し
て、前進用リングギヤ29が変速機出力軸5によって逆
駆動されるのを防止するために設けられている。
【0010】次に、第2の変速部について説明する。第
2の変速部は、実質的に、該第2の変速部へのトルクの
入力を継・断する切替スイッチ6と、第1,第2トロイ
ダル型変速機構7,8を備えたトロイダル型無段変速機
Cと、切替クラッチ6からトロイダル型無段変速機Cへ
トルク伝達する歯車機構35とで構成されている。ここ
で、歯車機構35は、切替クラッチ6が締結されている
ときには、第1中空シャフト16のトルクすなわちエン
ジン出力軸11のトルクを、順次噛み合っている、ドラ
イブギヤ37とアイドルギヤ38とドリブンギヤ39と
を介してバイパスシャフト40に伝達し、さらにバイパ
スシャフト40のトルクを、互いに噛み合っている駆動
ギヤ41と被駆動ギヤ42とを介してトロイダル型無段
変速機Cに伝達するようになっている。トロイダル型無
段変速機Cは、変速機出力軸5を取り囲むようにして前
側(図1では左側)に配置された第1トロイダル型変速
機構7と、後側に配置された第2トロイダル型変速機構
8とで構成されている。ここで、第1,第2トロイダル
型変速機構7,8は、前後に対称となるように配置され
ているが、両者の構成と機能は基本的には同一であるの
で、対応する部材には同一番号を付し、原則として第1
トロイダル型変速機構7の各部材には添字fを付し、第
2トロイダル型変速機構8の各部材には添字rを付して
いる。ただし、ローラ等、各トロイダル型変速機構7,
8に2つづつ配置されている部材については、添字f,
rのみでは区別できないので、第1トロイダル型変速機
構7の左右に配置された各部材に夫々添字a,bを付
し、第2トロイダル型変速機構8の左右に配置された各
部材に夫々添字c,dを付している。したがって、以下
では、ある部材についてなされた説明は、原則として、
番号が同一で添字のみ異なる他の部材にも当てはまるこ
とになる。
【0011】第1トロイダル型変速機構7には、変速機
出力軸5まわりに遊嵌された第1入力ディスク43f
と、変速機出力軸5に固定された第1出力ディスク44
fと、第1入力ディスク43fのトルクを第1出力ディ
スク44fに伝達する第1,第2ローラ45a,45b
とが設けられている。そして、第1入力ディスク43f
は、被駆動ギヤ42が取りつけられたインプットカム4
8と、第1カムローラ49fを介して係合し、第1入力
ディスク43fへの入力トルクが大きいほど、インプッ
トカム48が第1入力ディスク43fに強く押し付けら
れるようになっている。第1,第2ローラ45a,45
bは、夫々、軸線Yまわりに回転できるようになってい
て、その周面を第1入力ディスク43fの湾曲面と第1
出力ディスク44fの湾曲面に当接させている。このた
め、第1入力ディスク43fのトルク(回転)が、第
1,第2ローラ45a,45bを介して第1出力ディス
ク44fに伝達されるようになっている。ここで、第1
入力ディスク43fから第1出力ディスク44fへのト
ルク伝達における変速比(トルク比)は、第1,第2ロ
ーラ45a,45bと当接している位置における、第1
出力ディスク44fの半径R2と、第1入力ディスク4
3fの半径R1の比R2/R1によって決定される。
【0012】そして、第1、第2ローラ45a、45b
と両ディスク43f、44fとの当接位置は、後で説明
するように、第1、第2ローラー45a、45bの傾転
角によって決まるようになっており、後で説明する油圧
機構によって、この傾転角を変えることによって、変速
比を所定の範囲内で任意に設定できるようになってい
る。なお、第2トロイダル型変速機構8も、基本的には
第1トロイダル型変速機構7と同様であり、その説明は
省略する。以下、図2及び図3を参照して、トロイダル
型無段変速機Cの具体的な構造を説明する。主に図2に
示すように、第1トロイダル型変速機構7においては、
第1出力ディスク44fが変速機出力軸5にスプライン
に嵌合されている。さらに、第1出力ディスク44f
は、変速機出力軸5に嵌合されたリング状の位置決め部
材46によって位置決めされた状態で、第1ベアリング
47fを介して変速機ケース22によって回転自在に支
持されている。なお、第2トロイダル型変速機構8の第
2出力ディスク44rは、変速機出力軸5に一体的に形
成された拡径部5gと変速機ケース22との間に設けら
れ該変速機出力軸5を回転自在に支持する第2ベアリン
グ47rによって位置決めされている。
【0013】第1出力ディスク44fと第2出力ディス
ク44rとの間には、第1,第2入力ディスク43f,
43rが互いに背面が対向するようにして近接配置され
ており、両入力ディスク43f,43r間にはこれらに
対して相対回転可能とされたインプットカム48が配置
されている。そして、インプットカム48と第1,第2
入力ディスク43f,43rとの間に、夫々第1、第2
カムローラ49f,49rが介設されている。ここで、
第1,第2カムローラ49f,49rは、インプットカ
ム48と第1,第2入力ディスク43f,43rとが相
対回転したときに、第1,第2入力ディスク43f,4
3rを、出力ディスク44f,44r側に押し付ける押
圧力を発生させる機能を有していて、第1,第2入力デ
ィスク43f,43rへの入力トルクが大きいときほ
ど、第1,第2カムローラ49f,49rによる第1,
第2入力ディスク43f,43rに対する押圧力が増加
するようになっている。第1,第2入力ディスク43
f,43r間には、変速機出力軸5に遊嵌され、かつ両
端を夫々第1,第2入力ディスク43f,43rの背面
に当接された状態で、第1,第2入力ディスク43f,
43rとスプライン嵌合された係合部材50が配置され
ている。そして、この係合部材50と第2入力ディスク
43rとの間に皿ばね51が介設され、この皿ばね51
によって第1入力ディスク43fと第2入力ディスク4
3rとが互いに離間する方向に予圧されるようになって
いる。この皿ばね51は、第2入力ディスク43rの背
面に当接してこれを第2出力ディスク44r側に付勢す
る一方、その付勢反力によって、係合部材50を介し
て、第1入力ディスク43fを第1出力ディスク44f
側に付勢し、第1入力ディスク43fと第1出力ディス
ク44fとの間、及び第2入力ディスク43rと第2出
力ディスク44rとの間に所定の予圧を付与するように
なっている。
【0014】次に、主に図3を参照して、第1〜第4ロ
ーラ45a〜45dを夫々傾動させるための油圧機構に
ついて説明する。第1トロイダル型変速機構7と第2ト
ロイダル型変速機構8の油圧機構は、ほぼ同一であるた
め、ここでは、第1トロイダル型変速機構7のみ説明す
る。図3に示すように、第1トロイダル型変速機構7に
は、第1,第2ローラ45a,45bを夫々回転自在に
支持する第1,第2トラニオン59a,59bが設けら
れている。そして、第1,第2トラニオン59a,59
bによって、夫々、第1,第2偏心軸60a,60bを
介して、第1,第2ローラ45a,45bが回転自在に
支持されている。また、第1,第2トラニオン59a,
59bには、夫々、これらを下方(変速機出力軸5と直
交する方向)に延長するようにして伸長する第1,第2
軸部材61a,61bが一体的に取り付けられている。
さらに、第1,第2ローラ45a,45bよりはやや上
方において、変速機ケース22には上側連結部材62が
取り付けられている。他方、第1,第2ローラ45a,
45bより下方において、変速機ケース22に固定され
た仕切壁部53には下側連結部材63が取り付けられて
いる。そして、上側連結部材62に形成された第1,第
2軸穴65a,65bによって、夫々、第1,第2トラ
ニオン59a,59bの上端部が、第1,第2上側球面
ブッシュ64a,64bを介して回動自在に支持されて
いる。他方、下側連結部材63に形成された第1,第2
軸穴67a,67bによって、夫々、第1,第2トラニ
オン59a,59bの下端部が、第1,第2下側球面プ
ッシュ66a,66bを介して回動自在に支持されてい
る。 また、第1,第2軸部材61a,61bの下部
は、仕切壁部53の下面に取り付けられたアッパハウジ
ング55の開口部55gを貫通して、該アッパハウジン
グ55の下面に取り付けられたロアハウジング56の凹
部56gによって、第1第2支持ベアリング54a、5
4bを介して回転自在に支持されている。
【0015】仕切壁部53内には、夫々第1,第2トラ
ニオン59a,59bを作動させるために、第1,第2
油圧シリンダ76a,76bが設けられ、これらの第
1,第2油圧シリンダ76a,76bは、夫々、仕切壁
部53の一部をなす隔壁部53gによって上下に仕切ら
れている。そして、第1,第2油圧シリンダ76a,7
6bの上半部には夫々第1,第2上側ピストン77a,
77bが嵌入され、下半部には第1,第2下側ピストン
78a,78bが嵌入されている。このため、第1,第
2上側ピストン77a,77bと隔壁部53gとによっ
て夫々第1,第2上側油圧室79a,79bが画成さ
れ、他方第1,第2下側ピストン78a,78bと隔壁
部53gとによって夫々第1,第2下側油圧室80a,
80bが画成されている。ここで、第1,第2上側油圧
室79a,79bに油圧がかけられたときには、第1,
第2上側ピストン77a,77bによって、第1,第2
トラニオン59a,59bが上向きに変位させられ、他
方第1,第2下側油圧室80a,80bに油圧がかけら
れたときには、第1,第2下側ピストン78a,78b
によって、第1,第2トラニオン59a,59bが下向
きに変位されるようになっている。そして、このように
第1,第2トラニオン59a,59bが上下方向に変位
すると、これに伴って変位量に応じて第1,第2ローラ
45a,45bが傾転し、第1トロイダル型変速機構7
の変速比が変わるようになっている。また、これに伴っ
て第1,第2トラニオン59a,59bがその軸線まわ
りに回転するようになっている。
【0016】また、油圧機構故障時において、第1,第
2トラニオン59a,59bの回動の同期をバックアッ
プするために、両トラニオン59a,59b(59c,
59d)には、連動ワイヤ57,58が巻きかけられて
いる。上側連結部材62には、第1軸穴65aと第2軸
穴65bの中間部に第1上側位置決め穴68fが形成さ
れ、第3軸穴65cと第4軸穴65dの中間部に第2上
側位置決め穴68rが形成されている。そして、第1上
側位置決め穴68fに、変速機ケース22と一体形成さ
れた第1支持部69fが挿通されている。なお、第1支
持部69fには第1ローラ潤滑部材70fが、第1取付
部材71fを用いて取り付けられている。下側連結部材
63には、第1軸穴67aと第2軸穴67bの中間部に
第1下側位置決め穴72fが形成されている。そして、
第1下側位置決め穴72fには、仕切壁部53の上面に
第1取付ボルト74fを用いて固定された第1下側球面
軸受73fが挿通されている。このように、下側連結部
材63は、第1下側球面軸受73fによって、仕切壁部
53(変速機ケース22)に対して固定ないしは位置決
めされている。
【0017】次に、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧80a〜80dへの油圧の供
給を制御することによって変速比を制御する変速比制御
装置について説明する。図3に示すように、この変速比
制御装置において、第1〜第4上側油圧室79a〜79
d及び第1〜第4下側油圧室80a〜80dへは、運転
状態に応じて変速比制御弁Vから、油圧回路(図示せ
ず)を介して油圧が供給されるようになっている。この
変速比制御弁Vは、バルブボディ82内にスリーブ83
が嵌入され、さらに該スリーブ83内にスプール84が
嵌入されたいわゆる三層弁であって、作動機構としてス
プリング85、回転部材86、ピン部材87等を備えて
いて、コントロールユニット81からの信号に従って動
作するステッピングモータ88によって駆動ないし制御
され、運転状態に応じて、元圧受入ポートP1に受け入
れられた油圧(ライン圧)をシフトアップ用制御ポート
P2またはシフトダウン用制御ポートP3を介して、所
定の油圧室79a〜79d、80a〜80dに油圧を供
給するようになっている。なお、変速比制御弁Vにはフ
ィードバック手段90が設けられている。
【0018】さらに、図に具体的に示すように、変速
比制御弁Vにおいては、ロアハウジング56の一部がバ
ルブボディ82とされていて、このバルブボディ82内
に、バルブボディ軸線方向に往復移動できるようになっ
たスリーブ83が嵌入され、さらに該スリーブ83内
に、バルブボディ軸線方向に往復移動できるようになっ
たスプール84が嵌入されている。ここで、スリーブ8
3には、常時元圧受入ポートP1と連通するメインポー
ト83iと、常時シフトアップ用制御ポートP2と連通
する第1ポート83jと、常時シフトダウン用制御ポー
トP3と連通する第2ポート83kとが形成されてい
る。また、スプール84には、常時メインポート83i
と連通する環状のグループ84iと、該グループ84i
の左右に夫々隣接する第1、第2ランド部84j、84
kが形成されている。図4には、各ポートP1〜P3付
近の詳細を示してある。この図4において、スプール8
4は中立位置にあるときを示しており、このとき、入力
ポートP1は、各出力ポートP2,P3に対して、アン
ダラップδ1,δ2によってわずかに連通されている。
また、上記中立位置においては、各出力ポートP2,P
3は、ドレン通路99に対して、アンダラップδ3,δ
4によってわずかに連通されている。このような中立位
置においては、各出力ポートP2,P3の圧力差は生じ
ないものとなっている。そして、アンダラップδ1ある
いはδ2の範囲でスプール84がわずかに移動すること
によって、両出力ポートP2とP3との間に所定の圧力
差が生じ、この圧力差は、入力ディスク43f,43r
に対する入力トルクに応じた大きさとなる。
【0019】そして、変速の際には、スプール84が、
大きく移動して、アンダラップδ1あるいはδ2を零に
することによって、出力ポートP2とP3との間に大き
な圧力差を発生させる。なお、δ1〜δ4はそれぞれ等
しい大きさとされていて、δ1(δ2)が零になったと
きは、δ4(δ3)が零になるように設定されている。
また、後述するように、フィードバック手段90による
フィードバック時には、スプール84が、ほぼ中立位置
へと復帰されるが、このときの復帰位置は、上述下、入
力ディスク43f,43rに対する入力トルクの大きさ
に応じた位置とされる。なお、以下の説明では、簡単化
のため、スプール84がほぼ中立位置にあるとき、つま
り、δ1およびδ2の両方共に零でないときに、ポート
P1がP2,P3と遮断された状態、あるいはポートP
2,P3がドレン通路99と遮断された状態という。ま
た、δ1が零であるときに、ポートP1がP3と連通さ
れかつポートP2がドレンされた状態という。更に、δ
2が零のときに、ポートP1がP2に連通され、ポート
P3がドレンされた状態という。図4に示されたよう
に、変速機ケース22の下端部に取り付けられたオイル
パン36の側壁部には、ステッピングモータ88が取り
付けられ、このステッピングモータ88の回転軸88i
には回転部材86が固定・連結されている。そして、回
転部材86の先端部付近には雄ねじ部86iが形成さ
れ、この雄ねじ部86iに雌ねじ付カラー92が螺合さ
れている。この雌ねじ付カラー92にはピン部材87が
固定されていて、このピン部材87の両端部は、バルブ
ボディ82に形成された上下一対の溝部82iによって
係止され、雌ねじ付カラー92はバルブボディ軸線まわ
りには回転しないようになっている。したがって、回転
部材86がバルブボディ軸線まわりに回転すると、雌ね
じ付カラー92はバルブボディ軸線方向に移動すること
になる。また、ピン部材87によって、雌ねじ付カラー
92とスリーブ83とがバルブボディ軸線方向に連動す
るようになっている。
【0020】スリーブ83内において、雌ねじ付カラー
92とスプール84との間には、両者に、互いにバルブ
ボディ軸線方向に離間させる方向の付勢力を付与するス
プリング85が配設されている。すなわち、該スプリン
グ85によって、雌ねじ付カラー92は常時ステッピン
グモータ方向(図4では左向き)に付勢されることにな
る。したがって、雌ねじ付カラー92と連動するスリー
ブ83も常時左向きに付勢されることになる。なお、ス
プリング85によって、スプール84が常時右向きに付
勢される。ここで、ステッピングモータ88の回転に伴
って回転部材86が回転すると、ピン部材87によって
回転を規制された雌ねじ付カラー92がバルブボディ軸
線方向に移動させられ、これに伴ってスリーブ83がバ
ルブボディ軸線方向に移動して、メインポート83i
を、グループ84iを介して、第1ポート83jまたは
第2ポート83kと連通させ、元圧受入ポートP1内の
作動油(油圧)をシフトアップ用制御ポートP2または
シフトダウン用制御ポートP3に出力するようになって
いる。具体的には、例えば、シフトアップ時には、ステ
ッピングモータ88がパルスに応じた回転角で順回転
し、これに伴ってスリーブ83が右向きに移動し、この
ときメインポート83iがグループ84iを介して第1
ポート83jと連通し、元圧受入ポートP1の作動油が
シフトアップ用制御ポートP2から出力される。この場
合、シフトダウン用制御ポートP3の作動油は、ドレン
通路99にリリースされる。
【0021】他方、シフトダウン時には、ステッピング
モータ88がパルスに応じた回転角で逆回転し、これに
伴ってスリーブ83が左向きに移動し、メインポート8
3iがグループ84iを介して第2ポート83kと連通
し、元圧受入ポート1の作動油(油圧)がシフトダウン
用制御ポートP3から出力される。この場合、シフトア
ップ用制御ポートP2の作動油はドレン通路99にリリ
ースされる。スプール84の右端部と第1軸部材61a
の下端部との間には、フィードバック手段90が設けら
れている。このフィードバック手段90には、第1軸部
材61aに固定され該第1軸部材61aと一体回転する
プリセスカム100が設けられ、このプリセスカム10
0には傾斜面100iが形成されている。また、アップ
ハウジング55の所定の位置に回転自在に設けられた回
転軸101に、第1アーム102iと第2アーム102
jとが固定されている。ここで、第1アーム102iの
先端部はプリセスカム100の傾斜面100iと係合
し、第2アーム102jの先端部は、スプール84の右
端部に形成されたスリット84mと係合している。この
フィードバック手段90の基本的な機能は、一般に用い
られている普通のフィードバック手段と同様であるの
で、詳しい説明は省略するが、概ね次のようなプロセス
で、角ローラ45a〜45dお傾転角(変速比)を目標
傾転角(目標変速比)に保持するようになっている。す
なわち、変速時において、ステッピングモータ88が目
標傾転角(目標変速比)に対応する角度だけ回転する
と、スリーブ83がこの回転角に対応する分だけバルブ
ボディ軸線方向に移動して、所定の油圧室79a〜79
d、80a〜80dに油圧が供給され、角ローラ45a
〜45dが目標傾転角まで傾転する。他方、このように
ローラ45a〜45dが傾転すると、これに対応して各
トラニオン59a〜59dと各軸部材61a〜61dと
が回動し、これに伴ってプリセスカム100が回動す
る。このとき、プリセスカム100によって第1アーム
102iを介して回転軸101が回転させられ、さらに
この回転軸101によって、第2アーム102jを介し
てスプール84が、スリーブ83の上記移動方向と同一
方向に移動させられ、ローラ45a〜45dの傾転角が
目標傾転角に達した時点で、スプール84の移動量がち
ょうどスリーブ83の移動量と等しくなり、ここでメイ
ンポート83iと、第1ポート83jまたは第2ポート
83kとの連通が遮断され、油圧室79a〜79d、8
0a〜80dへの油圧の供給が停止され、傾転角の変化
が停止して、傾転角が目標値傾転角に保持される。
【0022】ただし、かかるフィードバック動作が行わ
れるときに、第2アーム102jの先端部がスプール8
4から離間する方向(すなわち右向き)に変位する場合
には、前記のスプリング85によって、スプール84が
第2アーム102jの変位に追従させられる。次に、変
速比制御装置におけるステッピングモータの制御原点の
補正について説明する。上述したように、変速比制御弁
Vは、ステッピングモータ88によりそのストロークが
制御されるとともに、フィードバック手段90によりオ
ープンループ制御される。この場合、制御原点を設定し
てこの原点からの移動量を制御することが必要になる。
ところで、ステッピングモータ88をオープンループ制
御する場合には、脱調(モータのトルクが負荷に負けて
回転しない現象)、外乱等により停止位置にずれが生じ
たときでも所定の移動動作が完了したものとして取り扱
われるので、この制御原点のずれを放置しておくと、変
速比の制御精度が低下する。このため、本実施例におい
ては、実際の変速比とステッピングモータの回転角を一
致させるための以下のようにして制御原点を補正してい
る。
【0023】図6に示すように、バルブボディ82とア
ッパハウジング55の内周面と及びステッピングモータ
88の取付面との間に、断面形状がほぼハット状のスト
ッパー部材110が取り付けられている。このストッパ
ー部材110の中央部には、回転部材87が貫通できる
ように中心孔が形成されている。さらに、ストッパー部
材110のスリーブ83側には、この中心孔を有する円
板状の半径方向部材110aが設けられ、この半径方向
部材110aにスリーブ83と共に軸方向に移動する雌
ねじ付カラー92が当接する位置が、LOW状態即ち最
大減速比である最大変速比の位置に対応している。ま
た、ストッパー部材110は、雌ねじ付カラー92が当
接した際、スリーブ83の移動を規制するするように設
けられている。この実施例においては、このようなスト
ッパー部材110を設け、図7に示すフローチャートに
従って、ステッピングモータ88の制御原点の補正が実
行される。なお、この図7におけるSは、各ステップを
表している。図7に示すように、先ず、S1において、
車速を読み込み、S2において、車速に基づき、車両が
停車状態か否かを判定する。停車状態の場合には、S3
に進み、ステッピングモータの変速比範囲に相当するパ
ルス数に所定パルス数(α)を加算したパルス数だけL
OW側(最大減速比側)にパルスを与える。このパルス
が与えられることにより、ステッピングモータ88の回
転部材86が回転し、これに伴い雌ねじ付カラー92が
図6において左向きに移動する。その後、雌ねじ付カラ
ー92がストッパー部材110に当接する。このとき、
ステッピングモータ88が、制御原点に位置しているた
め、S4に示すように、コントールユニット81によ
り、原点補正を行う。即ち、現在のステッピングモータ
88の位置を最大変速比(最大減速比)の設定位置であ
ると補正する。
【0024】この実施例によれば、雌ねじ付カラー92
に当接するストッパー部材110を設けることにより、
極めて簡単に、変速比制御弁Vの最大変速比位置である
最大変速比位置を検出することができると共に、この最
大変速比制御位置を検出した状態でステッピングモータ
88の制御原点を補正することができる。この結果、実
際の変速比がLOW状態(最大減速比位置)以外で停止
した場合でも、ステッピングモータ88の原点補正を確
実に行うことができ、常に安定した変速比制御を行うこ
とができる。さらに、雌ねじ付カラー92がストッパー
部材110に当接した状態で原点補正をするようにして
いるため、ステッピングモータ88を回し過ぎて回転部
材86と雌ねじ付カラー92との噛み込みを防止するこ
とができる。なお、この図6及び図7に示す実施例にお
いては、車両停車時に変速比制御弁がLOW状態(最大
減速比位置)となると見なして、上記のような原点補正
を行っている。しかしながら、これに限らず、変速比制
御をマップに基づいて行うような場合には、このマップ
上でLOW状態(最大減速比位置)であれば、この位置
において原点補正するようにしてもよい。
【0025】次に、図8及び図9を参照して、変速比制
御装置におけるステッピングモータの原点補正を行うた
めの他の実施例を説明する。変速比制御弁Vのスリーブ
83のステッピングモータ88側の端部には、軸方向に
延びる断面4角形状のスリーブストッパー部材112が
形成され、さらに、回転部材87には、断面4角形状の
モータ軸ストッパー部材114が形成されている。ここ
で、スリーブストッパー部材112の長さは、スリーブ
83が左向きに移動して最大減速比の位置となったとき
モータ軸ストッパー部材114と当接する長さに設定さ
れている。また、スリーブストッパー部材112とモー
タ軸ストッパー部材114の半径方向取付位置は、スリ
ーブストッパー部材112とモータ軸ストッパー部材1
14が当接したときステッピングモータ88の制御原点
であると設定できる位置である。この図8及び図9に示
すものにおいても、図7に示すフローチャートと同様な
内容に従って、ステッピングモータ88の制御原点の補
正が実行される。よって、その説明は、省略する。この
実施例によれば、ステッピングモータ88の回転部材8
6に形成されたモータ軸ストッパー部材114が回転す
ることにより、スリーブストッパー部材112に当接し
た位置を最大変速比位置(最大減速度位置)として検出
し、この位置にて、ステッピングモータ88の制御原点
を補正するようにしている。このため、この実施例にお
いても、上述した図6及び図7に示した実施例と同様な
作用効果を奏することができる。さらに、スリーブスト
ッパー部材112とモータ軸ストッパー部材114を共
にその断面4角形状として形成したため、当接する際ス
トッパー同志の乗り上げを防止することができる。
【0026】この実施例においても、同様に、車両の停
車時でなくても、変速比制御をマップに基づいて行うよ
うな場合には、このマップ上でLOW状態(最大減速比
位置)であれば、この位置において原点補正するように
してもよい。更に、図10及び図11を参照して、変速
比制御装置におけるステッピングモータの原点補正を行
うための他の実施例を説明する。変速比制御弁Vのスリ
ーブ83のステッピングモータ88側の端部に対応する
バルブボディー82及びアッパハウジング55には、電
気スイッチ116が設けられている。この電気スイッチ
116は、スリーブ83に対応する半径方向位置に配置
されたスイッチ部材116aとこのスイッチ部材116
aの左側に位置するストッパー部材116bを一体的に
備えている。この電気スイッチ116のストッパー部材
116bの左側には、このストッパー部材116bと当
接してストッパー部材116bを背面から支持する支持
部材118が設けられている。この電気スイッチ116
は、スリーブ83が右向きの方向に移動してスイッチ部
材116aがストッパ部材116bへ当接する位置が、
LOW状態(最大減速比位置)であるように設けられて
いる。また、ストッパ部材116bは、スイッチ部材1
16aが当接した際、スリーブ83の移動を規制するす
るように設けられている。
【0027】この実施例においては、電気スイッチ11
6が設けられたことにより、図10に示すフローチャー
トに従って、ステッピングモータ88の制御原点の補正
が実行される。なお、この図10におけるSは、各ステ
ップを表している。図10に示すように、先ず、S11
において、車速を読み込み、S12において、車速に基
づき、車両が停車状態か否かを判定する。停車状態の場
合には、S13に進み、ステッピングモータへLOW側
(最大減速比側)にパルスを与える。この後、S14に
おいて、電気スイッチがオンか否かを判定して、オンで
なければ、S13戻り、電気スイッチがオンとなるま
で、LOW側(最大減速比側)にパルスを与える。電気
スイッチがオンとなった場合には、S15に進み、パル
ス供給を停止する。このとき、ステッピングモータ88
が、制御原点に位置しているため、S16に示すよう
に、コントールユニット81により、原点補正を行う。
即ち、現在のステッピングモータ88の位置を最大変速
比である最大減速比の設定位置であると補正する。この
実施例によれば、電気スイッチ116を設けることによ
り、極めて簡単に、変速比制御弁Vの最大変速比位置を
検出することができると共に、この最大変速比位置を検
出した状態でステッピングモータ88の制御原点を補正
することができる。この結果、実際の変速比がLOW状
態(最大減速比位置)以外で停止した場合でも、ステッ
ピングモータ88の原点補正を確実に行うことができ、
常に安定した変速比制御を行うことができる。さらに、
スリーブ83が電気スイッチ116のストッパー部材1
16bに当接した状態で原点補正をするようにしている
ため、ステッピングモータ88を回し過ぎて回転部材8
6と雌ねじ付カラー92との噛み込みを防止することが
できる。
【0028】なお、この実施例においても、車両停車時
に変速比制御弁がLOW状態(最大減速比位置)となる
と見なして、上記のような原点補正を行っている。しか
しながら、これに限らず、変速比制御をマップに基づい
て行うような場合には、このマップ上でLOW状態(最
大減速比位置)であれば、この位置において原点補正す
るようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明の無段変速機
の変速制御装置によれば、実際の変速比が最大変速比以
外で停止した場合でもステッピングモータの原点補正を
確実に行うことにより常に安定した変速比制御を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる無段変速機の変速制御装置が
適用されたトロイダル型無段変速機を備えた車両の動力
伝達系を示す全体図
【図2】 トロイダル型無段変速機の平面断面図
【図3】 図2に示すトロイダル型無段変速機部分のA
−A線に沿う断面図
【図4】 変速比制御弁の断面図
【図5】 変速比制御弁の入出力ポート部分を示す断面
【図6】 本発明の無段変速機の変速制御装置の一実施
例を示す断面図
【図7】 図6に示された実施例による制御原点の補正
手順を示すフローチャート
【図8】 本発明の無段変速機の変速制御装置の他の一
実施例を示す断面図
【図9】 図8に示された変速制御装置の部分斜視図
【図10】 本発明の無段変速機の変速制御装置の他の
実施例を示す断面図
【図11】 図10に示された実施例による制御原点の
補正手順を示すフローチャート
【符号の説明】
7 トロイダル型無段変速機構 8 トロイダル型無段変速機構 55 アッパハウジング 81 コントールユニット 82 バルブボディ 83 スリーブ 87 回転部材 88 ステッピングモータ 90 フィードバック手段 92 雌ねじ付カラー 110 ストッパー部材 110a 半径方向部材 112 スリーブストッパー部材 114 モータ軸ストッパー部材 116 電気スイッチ 116a スイッチ部材 116b ストッパー部材 118 支持部材 V 変速比制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−17132(JP,A) 特開 昭64−3361(JP,A) 特開 昭61−105346(JP,A) 特開 昭58−180867(JP,A) 特開 昭61−291229(JP,A) 特開 平6−280985(JP,A) 特開 平5−39846(JP,A) 特開 昭61−74953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータにより変速比制御弁
    をストロークさせて無段変速機構の変速比を制御する無
    段変速機の変速制御装置において、 上記変速比制御弁が最大変速比に対応するストローク位
    置にあることを変速比制御弁のストロークを規制するス
    トッパー部材により検出する検出手段と、 この検出手段が変速比制御弁が最大変速比に対応するス
    トローク位置にあることを検出した状態で上記ステッピ
    ングモータの制御原点を補正する原点補正手段と、を有
    し、上記検出手段のストッパー部材は、ステッピングモータ
    の回転軸の回転方向を規制するように構成されている
    とを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 ステッピングモータにより変速比制御弁
    をストロークさせて無段変速機構の変速比を制御する無
    段変速機の変速制御装置において、 上記変速比制御弁が最大変速比に対応するストローク位
    置にあることを変速比制御弁のストロークを規制するス
    トッパー部材により検出する検出手段と、 この検出手段が変速比制御弁が最大変速比に対応するス
    トローク位置にあることを検出した状態で上記ステッピ
    ングモータの制御原点を補正する原点補正手段と、を有
    し、上記検出手段のストッパー部材は、上記ステッピングモ
    ータと上記変速比制御弁との間にこれらと同心状に配置
    され且つその端部の全周部が変速比制御弁に当接して変
    速比制御弁の軸方向移動を規制するように構成されてい
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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