JPH08286059A - チャープ格子形成装置 - Google Patents

チャープ格子形成装置

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JPH08286059A
JPH08286059A JP7088312A JP8831295A JPH08286059A JP H08286059 A JPH08286059 A JP H08286059A JP 7088312 A JP7088312 A JP 7088312A JP 8831295 A JP8831295 A JP 8831295A JP H08286059 A JPH08286059 A JP H08286059A
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chirp grating
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JP7088312A
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English (en)
Inventor
Masaichi Mobara
政一 茂原
Susumu Inoue
享 井上
Toru Iwashima
徹 岩島
Tadashi Enomoto
正 榎本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光導波路内にチャープ格子を容易に量産性良
く形成することの可能なチャープ格子形成装置を提供す
る。 【構成】 本発明のチャープ格子形成装置(100)
は、光源(10)と、この光源(10)からの光が入射
するプレート型位相格子(20)と、プレート型位相格
子(20)から出射した二つの回折光(22、24)が
内部に入射するブロック体(30)とを備えている。ブ
ロック体(30)は、回折光(22、24)をそれぞれ
反射する反射面(33、34)であって、少なくとも一
方が曲面であるものを有している。これらの反射面でそ
れぞれ反射された回折光を干渉させて生成した干渉縞を
感光性の光導波路(40)に照射することにより、この
光導波路内にチャープ格子が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ等に代表さ
れる光導波路のコアやクラッドに、光軸に沿って周期が
徐々に変化する回折格子(チャープ格子)を形成する技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、光導波路に紫外光の干渉縞を
照射することにより光導波路のコアに光誘起屈折率変化
を生じさせて回折格子を形成する方法が知られている。
このうち、一定の周期を有する回折格子(等格子間隔の
回折格子)を形成する方法としては、(a)ビームスプ
リッタとミラーを用いる特許出願公表昭和62−500
052号公報記載の方法、(b)プレート型回折格子を
用いるK.O.Hillらの方法(OFC93,PD15-1,pp64,
1993)、(c)プレート型回折格子と直方体のブロック
体を用いるR.Armitageの方法(Electron.Let
t.,Vol.29,No.13,pp1181-1183,1994)がある。
【0003】一方、周期が光導波路の光軸に沿って徐々
に変化する回折格子(チャープ格子)を形成する方法と
しては、二光束干渉計の二つの光路中にそれぞれシリ
ンドリカルレンズを配置し、円筒波同士を干渉させる
M.C.Farriesらの方法( Electron.Lett.,Vo
l.30,No.11,pp.891-892,1994)、照射時間を調節しな
がら紫外光を光ファイバに照射し、コアの屈折率変化量
を光軸に沿って変化させておいてから、一定周期(等間
隔)の紫外光干渉縞を照射するK.O.Hillらの方
法(Opt.Lett.,Vol.19,No.17,pp.1314-1316,1994)、
光ファイバを曲げて一定周期の紫外光干渉縞を照射する
K.Sugdenの方法(Electron.Lett.,Vol.30,No.
5,pp.440-442,1994)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法
では、干渉計内の二つの光路のそれぞれにシリンドリカ
ルレンズを配置することから、所望のブラッグ波長を得
るためには各レンズについてレンズ位置の微調整をする
必要があり、チャープ格子の形成は容易でなかった。
【0005】また、上記の方法では、チャープ格子を
形成する前処理として屈折率を変化させおく必要があ
り、しかもその変化の割合を光ファイバの光軸に沿って
変化させるために紫外光の照射時間の制御をしなければ
ならず、工程が複雑で、量産性に乏しいという問題点が
ある。
【0006】さらに、上記の方法では、光ファイバの
曲げ方でチャープ格子の透過減衰量及びブラッグ波長が
変化することから、光ファイバの曲げ具合を干渉縞照射
のたびに再現性良く制御しなければ同一のチャープ格子
を得ることができないため、やはり量産性に乏しいとい
う問題点がある。
【0007】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、光導波路内にチャープ格子を容易に量
産性良く形成することの可能なチャープ格子形成装置を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明のチャープ格子形成装置は、(a)光源
と、(b)光源からの光が入射するプレート型位相格子
であって光源からの光の入射により第1及び第2の回折
光を生成するものと、(c)第1及び第2の回折光が内
部に入射するブロック体であってこの第1の回折光を反
射する第1の反射面およびこの第2の回折光を反射する
第2の反射面を有するものとを備え、第1および第2の
反射面でそれぞれ反射された第1の回折光と第2の回折
光とを干渉させて生成した干渉縞を生成し、この干渉縞
を感光性の光導波路に照射することにより、この光導波
路内にチャープ格子を形成する装置であって、第1及び
第2の反射面のうち少なくとも一方は、曲面であること
を特徴としている。
【0009】この曲面は、凸面または凹面であっても良
いし、円筒面であっても良い。さらに、プレート型位相
格子やブロック体は、合成石英で構成されていると良
い。
【0010】また、ブロック体は、平坦な側面を有する
本体、及びこの平坦な側面に平坦なレンズ面を密着させ
て取り付けられた平凸又は平凹のシリンドリカルレンズ
からなり、このシリンドリカルレンズの凸面又は凹面を
上記の曲面とするものであると良い。
【0011】このブロック体の一つの態様としては、直
方体の本体、及びこの本体の二つの平坦な側面であって
互いに対向するもののそれぞれに平坦なレンズ面を密着
させて取り付けられた平凸又は平凹のシリンドリカルレ
ンズからなり、このシリンドリカルレンズの凸面又は凹
面を曲面の反射面とするものがある。
【0012】また、別の態様としては、前記第1の反射
面である曲面とこの曲面に対向する平坦な側面とを有す
る六面体の本体、及びこの平坦な側面に平坦なレンズ面
を密着させて取り付けられた平凸又は平凹のシリンドリ
カルレンズからなり、このシリンドリカルレンズの凸面
又は凹面を前記第2の反射面とするブロック体もある。
【0013】また、本発明のチャープ格子形成装置は、
(d)光源とプレート型位相格子との間の光路上に設置
され、光源からの光が入射する集光レンズをさらに備え
ていると良い。
【0014】また、上記の光源は、紫外光を出力するも
のであっても良い。
【0015】なお、上記において、光導波路とは、光を
一定領域に閉じ込めて伝送する回路又は線路をいい、光
ファイバや薄膜導波路等が含まれる。
【0016】
【作用】本発明のチャープ格子形成装置では、ブロック
体が有する第1及び第2の反射面のうち少なくとも一方
が曲面であるため、その曲面で反射された回折光は波面
(等位相面)が曲面の光、すなわち曲面波となる。曲面
が凸面であっても凹面であっても、曲面波が得られる。
曲面が円筒面であると、ブロック体の作製が容易にな
り、好適である。
【0017】ブロック体の第1及び第2の反射面でそれ
ぞれ反射された第1及び第2の回折光が干渉することで
光導波路に照射すべき干渉縞が生成されるが、上述のよ
うに第1及び第2の回折光の少なくとも一方が曲面波で
あるため、この干渉縞は、所定方向に沿って周期が変化
する干渉縞、すなわちチャープ状の干渉縞となる。この
干渉縞が感光性の光導波路に照射されると、干渉縞に対
応して光導波路内の屈折率が変化する。これにより、光
導波路内に光軸に沿って周期が変化する回折格子、すな
わちチャープ格子が形成される。なお、干渉縞の周期の
変化方向は一つとは限らない。
【0018】本発明のチャープ格子形成装置では、干渉
縞が照射される位置に感光性の光導波路を配置するだけ
でチャープ格子を形成することができるため、作業が容
易でチャープ格子の量産性に優れている。また、本発明
のチャープ格子形成装置は、部品点数が少ないことから
各部品の配置調整が容易であり、光ファイバの曲げ等の
微調整をする必要もないため、所望のチャープ格子が容
易に再現性良く形成される。
【0019】本発明者らの知見によれば、第1及び第2
の反射面が互いに対向し、左右対称の面形状を有してい
ると、光導波路の配置調整が特に容易になる。
【0020】ブロック体やプレート型位相格子が合成石
英で構成されていると、光源から出射する光が紫外光で
ある場合に紫外光が損失少なく透過するので、チャープ
格子形成の効率が良くなる。
【0021】また、本体にシリンドリカルレンズが取り
付けられたブロック体を備える装置では、直方体に機械
加工を施して曲面の反射面を形成したブロック体を備え
るものに比べて、第1及び第2の回折光の光路が精度良
く設定され、光導波路の配置調整も特に容易である。
【0022】また、本発明のチャープ格子形成装置う
ち、光源とプレート型位相格子との間に集光レンズが配
置されているものによれば、光源からの光が集光される
結果、光強度の大きい干渉縞が光導波路に照射されるの
で、効率良くチャープ格子が形成される。
【0023】また、光源が紫外光を出力するものである
と、コアやクラッドが、酸化ゲルマニウムがドープされ
た石英ガラスから構成される光導波路内にチャープ格子
を形成するのに適している。この場合、特に、紫外光の
波長が、約150nm〜約300nmであるとチャープ
格子の形成が好適に行われる。
【0024】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明の実施
例を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の
要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致して
いない。
【0025】実施例1 図1は、本実施例のチャープ格子形成装置100の構成
を示す図である。このチャープ格子形成装置100は、
紫外域のレーザ光を出力する光源10、透過型のプレー
ト型位相格子20及びブロック体30から構成されてい
る。この装置100を用いることで、光ファイバ40の
内部にチャープ格子45を形成することが可能である。
【0026】本実施例の場合、光源10からは、略平行
の光束(平面波)12が出射する。この光源10として
は、例えば、アルゴンレーザとBBO結晶とを備えるも
のであって、BBO結晶を用いてアルゴンレーザの第2
高調波(244nm)を生成するものを用いることがで
きる。
【0027】プレート型位相格子20は、光源10から
光がその光入射面に略垂直に入射するように配置されて
いる。なお、反射型のプレート型位相格子を用いること
も可能で、この場合には、光源10からの光がプレート
型位相格子により反射される方向にチャープ格子書き込
み用の光ファイバ40を配置すれば良い。
【0028】ブロック体30は、合成石英から構成され
る六面体であり、紫外域の光に対して透明、すなわち紫
外域の光に対する透光性を備えている。このブロック体
30は、プレート型位相格子20からの光が入射する上
面31(以下、光入射面と呼ぶ。)、及びこの上面31
に平行な面であって、プレート型位相格子20からの光
が出射する底面32(以下、光出射面と呼ぶ。)を有し
ている。また、ブロック体30の四つの側面のうち互い
に対向する側面33及び34は、ブロック体30内に入
射してこれらの面に到達した光を高い反射率で内面反射
する。以後、これらの側面を光反射面と呼ぶことにす
る。
【0029】本実施例の場合、光反射面34は平面であ
るが、光反射面33は曲面である。この曲面は、曲率半
径130mmの円筒凸面である。光反射面33及び34
を除く二側面は、互いに平行な平面である。また、ブロ
ック体30の光入射面31には、プレート型位相格子2
0からの0次回折光を遮蔽する遮光板35が設けられて
いる。
【0030】ブロック体30は、直方体ブロックの平坦
な側面を機械加工により曲面、すなわち光反射面33に
仕上げることで作製することができる。また、直方体ブ
ロックの平坦な側面に平凸シリンドリカルレンズの平坦
なレンズ面を密着させ、接着剤を用いて固定することに
より作製しても良い。この場合、所望の曲面を有するシ
リンドリカルレンズを取り付けるだけでブロック体30
を作製することができ、直方体ブロックを加工する場合
よりも精度の良い曲面が容易に得られるので好適であ
る。
【0031】本実施例では、コアにGeO2 が添加され
た石英系光ファイバ40を用意し、チャープ格子形成装
置100を用いて、光ファイバ40に干渉縞を照射する
ことによりコアの一領域にチャープ格子を形成する。
【0032】GeO2 が添加された石英系ガラスに紫外
光を照射すると屈折率が変化することは従来から知られ
ており、これを利用してコアにGeO2 が添加された石
英系光導波路に紫外光の干渉縞を照射することで、コア
に回折格子を形成する方法も知られている。なお、光フ
ァイバ内に回折格子を形成する方法は、特許出願公表昭
62−500052号公報にも開示されている。この方
法によりコアに形成される回折格子は、コアの一領域で
あって、実効屈折率が光軸に沿って最小屈折率と最大屈
折率の間で繰り返し変化している領域である。
【0033】本実施例で形成する回折格子は、屈折率変
化の周期、すなわち回折格子の周期が光軸に沿って変化
するチャープ格子である。このチャープ格子は、所定の
方向に沿って周期が変化するチャープ状の干渉縞を照射
することで形成することができる。
【0034】本実施例のチャープ格子形成装置100
も、光ファイバ40にチャープ状の紫外光干渉縞を照射
することで、光ファイバ40のコアにチャープ格子を形
成する。以下、図1を参照しながら、本実施例のチャー
プ格子形成装置100の動作を説明する。
【0035】光源10から出射した紫外域のレーザ光1
2は、プレート型位相格子20の光入射面に入射し、こ
こで回折される。プレート型位相格子20から出射する
次数の異なる回折光のうち、−1次の回折光22と+1
次の回折光24は、ブロック体30の光入射面31から
ブロック体30の内部に入射する。これらの回折光も、
光源10からの光12と同じく略平行な光束である。
【0036】回折光22は、ブロック体30内を進行し
て光反射面33に到達し、ここで反射される。光反射面
33は、円筒凸面であるから、ここで反射されることに
より回折光22は、図1の紙面内で収束しながら進行す
る回折光26となる。回折光26の波面は、図1の紙面
に垂直な方向を母線方向とする円筒の側面(円筒面)と
同様の曲面であり、このような光は円筒波と呼ばれる。
円筒波は、波面が曲面の光、すなわち曲面波の一種であ
る。
【0037】一方、回折光24も、ブロック体30内を
進行して光反射面34に到達し、ここで反射される。し
かし、光反射面34は平面であるから、回折光24はこ
こで反射された後も、略平行な光束(平面波)のままで
ある。この光束は、図1において符号28で示されてい
る。
【0038】図1に示されるように、回折光26及び2
8は、光出射面32から出射して相互に干渉し、干渉空
間50を生成する。この干渉空間50では、干渉縞が生
じている。この干渉縞は、回折光26及び28のそれぞ
れの波面に依存した空間的光強度分布を有している。こ
の干渉縞は、円筒波である回折光26と平面波である回
折光28が干渉して生成されたものであり、干渉縞の周
期は、円筒波が収束する平面(図1の紙面)と直交する
面内において所定方向に沿って変化する。このようなチ
ャープ状干渉縞の周期やパターンは、干渉する2つの回
折光の波面の形状に依存する。
【0039】本実施例の場合、周期が干渉縞の中心部で
小さく、光強度の変化方向(縞の配列方向)に沿って周
辺部に近付くにつれて周期が大きくなるようなチャープ
状干渉縞が形成される。このチャープ状干渉縞は、干渉
縞を構成する一つ一つの縞の密度が、中心部において密
であり、周辺部に近付くにつれて疎となるような干渉縞
とも言える。
【0040】上記のチャープ状干渉縞は、光ファイバ4
0に照射される。これにより、光ファイバ40のコアに
おいてチャープ状干渉縞の光強度に応じた実効屈折率の
上昇が生じる。これにより、コアの光照射領域には、チ
ャープ状干渉縞の空間的光強度分布に応じた実効屈折率
分布が形成される。
【0041】このようにして実効屈折率が変化したコア
の領域が、本実施例により形成される回折格子45であ
る。この回折格子45は、照射されたチャープ状干渉縞
に応じて、周期が光軸に沿って変化するチャープ格子と
なる。周期に応じて回折格子の反射波長が変化すること
から、チャープ格子は、一定周期の回折格子に比べて広
い反射波長域を有する。本実施例では、1550nm±
20nmの反射波長域を有するチャープ格子45を得る
ことができた。
【0042】本実施例のように、反射面33及び34の
それぞれで内面反射された後において回折光のいずれか
一方が曲面波でありさえすればチャープ状の干渉縞を生
成できる。このとき、光源10からの光12は必ずしも
平行光束(平面波)である必要はなく、反射面で内面反
射された後において回折光が曲面波となりさえすれば、
収束あるいは拡散しながら進行する曲面波であっても良
い。
【0043】本実施例のチャープ格子形成装置100で
は、チャープ状の干渉縞が照射される位置に回折格子書
き込み用の光ファイバ40を配置するだけでチャープ格
子45を形成することができるため、作業が容易であ
り、チャープ格子の量産性にも優れている。また、本実
施例の装置100は、光源10、プレート型位相格子2
0及びブロック体30から構成され、部品点数が少ない
ことから、各部品の配置調整が容易であり、従って、所
望のチャープ格子を容易に再現性良く形成することがで
きる。
【0044】実施例2 図2は、本実施例のチャープ格子形成装置101の構成
を示す図である。このチャープ格子形成装置101は、
実施例1と同様の光源10およびプレート型位相格子2
0、並びにブロック体36から構成されている。
【0045】ブロック体36は、実施例1のブロック体
30と同様、合成石英から構成される六面体であり、紫
外域の光に対する透光性を備えているが、その形状はブ
ロック体30と異なっている。すなわち、ブロック体3
6が有する光反射面37及び38は、ともに曲率半径1
40mmの円筒凹面である。本実施例のように、二つの
光反射面が互いに対向し、左右対称の面形状を有してい
ると、光ファイバ40の配置調整が特に容易になる。
【0046】このブロック体36は、直方体ブロックを
用意し、その平坦な側面であって互いに対向するものに
それぞれ機械加工を施して光反射面37及び38を形成
することにより作製することができる。
【0047】また、ブロック体36は、直方体ブロック
の対向する二つの平坦な側面にそれぞれ平凹シリンドリ
カルレンズの平坦なレンズ面を密着させ、接着剤を用い
て固定することにより作製しても良い。また、曲面の側
面およびこの曲面に対向する平坦な側面とを有する六面
体を用意し、この平坦な側面に平凸シリンドリカルレン
ズの平坦なレンズ面を密着させ、接着剤を用いて固定す
ることにより作製することもできる。
【0048】これらの方法によれば、所望の曲面を有す
るシリンドリカルレンズを取り付けるだけでブロック体
36を作製することができ、直方体ブロックなどを加工
する場合よりも精度の良い曲面が容易に得られるので好
適である。
【0049】また、本実施例のように左右対称の光反射
面を有するブロック体を作製する場合、直方体ブロック
に機械加工を施す方法では十分な対称性を得ることが困
難であるのに対し、直方体にシリンドリカルレンズを取
り付ける場合は、同一の凹レンズ面を有するシリンドリ
カルレンズを直方体ブロックに取り付けることで、良好
な対称性を容易に得ることができる。凹曲面の側面と平
坦な側面とを有する六面体を用いる場合も同様で、その
凹曲面と同一の凹レンズ面を有するシリンドリカルレン
ズを平坦な側面に取り付けることで良好な対称性を容易
に得ることができる。
【0050】なお、本実施例のブロック体36は、左右
対称な凹面を有するものであるが、左右対称な凸面を有
するブロック体を用いることも考えられる。この場合、
左右対称であることは、双方の凸面の曲率中心が一致す
ることを意味する。直方体ブロックの機械加工により曲
率中心を一致させることは一般に困難であり、具体的に
はブロック体の長さ50mmに対して1mm以上のずれ
が生じる。平凸シリンドリカルレンズを取り付ける方法
では、このような問題を解消することができ、左右の凸
面の曲率中心を十分な精度で一致させることができる。
【0051】次に、本実施例のチャープ格子形成装置1
01の動作を説明する。この装置101でも、実施例1
と同様に、−1次の回折光22と+1次の回折光24
が、ブロック体36の光入射面31からブロック体36
の内部に入射する。
【0052】回折光22は、ブロック体36内を進行し
て光反射面37に到達し、ここで反射される。光反射面
37は円筒凹面であるから、ここで反射されることによ
り回折光22は、図1の紙面内で拡散しながら進行する
回折光42となる。この回折光42は、円筒波である。
【0053】回折光24に関しても同様で、光反射面3
8で反射されることにより回折光24は図1の紙面内で
拡散しながら進行する回折光44となる。この回折光4
4も、円筒波である。
【0054】回折光42及び44は、光出射面32から
出射して相互に干渉し、干渉空間50を生成する。円筒
波同士が干渉した結果、干渉空間50で生じる干渉縞
は、周期が干渉縞の中心部で小さく、周辺部に近付くに
つれて周期が大きくなるようなチャープ状干渉縞とな
る。この干渉縞が、光ファイバ40に照射され、光ファ
イバ40のコアにチャープ格子45が形成される。本実
施例では、反射波長1550nm±40nmの反射波長
域を有するチャープ格子45が得られた。
【0055】本実施例のチャープ格子形成装置101で
も、光ファイバ40を適切に配置するだけでチャープ格
子45を形成することができるため、作業が容易であ
り、チャープ格子の量産性にも優れている。また、各部
品の配置調整が容易であり、所望のチャープ格子を容易
に再現性良く形成することができる。
【0056】実施例3 図3及び図4は、本実施例のチャープ格子形成装置10
2の構成を示す図であり、図3は、装置102の第1の
側面図であり、図4は、図3と直交する方向から装置1
02を示す第2の側面図である。このチャープ格子形成
装置102は、実施例2の装置101の構成に加えて、
光源10とプレート型位相格子20との間の光路上にシ
リンドリカルレンズ(円柱レンズ)60が配置されたも
のである。
【0057】通常、干渉縞を形成しているビームの径は
回折格子書き込み用の光導波路(本実施例では、光ファ
イバ40)のコア幅よりも大きいので、光導波路に照射
されない光成分はチャープ格子の形成に寄与しない。本
実施例では、この点を改善すべく、シリンドリカルレン
ズ60が配置されている。
【0058】シリンドリカルレンズ60は、少なくとも
一つのレンズ面が、円柱の側面(円柱面)と同じ形状を
したレンズであり、円柱面の母線方向を含む面内では屈
折作用をもたないが、母線に垂直な面内では通常のレン
ズと同様の屈折作用を有している。本実施例の場合、シ
リンドリカルレンズ60は、図4の紙面内で屈折作用を
有している。このシリンドリカルレンズ60は、光源1
0からの光12を図4の紙面内において光ファイバ40
の光軸に垂直な方向に集光する集光レンズとして機能す
る。
【0059】本実施例の場合も、実施例2と同様にして
チャープ状の干渉縞が光ファイバ40に照射され、光フ
ァイバ40のコアにチャープ格子45が形成され、上記
実施例と同様の効果が得られるが、さらに、シリンドリ
カルレンズ60が配置されたことで以下の効果が得られ
る。
【0060】すなわち、図4に示されるように、シリン
ドリカルレンズ60の屈折作用により光ファイバ40に
照射される干渉縞のビームが図4の紙面内で集光される
ため、干渉縞の光強度が高まる。これにより、コアの光
誘起屈折率変化が迅速に起こるようになる。このため、
本実施例のチャープ格子形成装置102によれば、一層
効率良くチャープ格子を形成することができる。
【0061】以上、本発明の実施例を詳細に説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様
々な変形が可能である。例えば、上述した各種のチャー
プ格子形成装置を用いて、光ファイバの代わりに薄膜導
波路のコアやクラッドにチャープ格子を形成することも
可能である。
【0062】また、チャープ格子書き込み用の光導波路
は、GeO2 が添加された石英ガラスを含むものでなく
ても良い。例えば、強度の大きい光をガラス体に照射す
るとその照射部分においてガラスが溶融するが、この溶
融部分が固化すると照射前よりガラス密度が上昇し、屈
折率も上昇する。これを利用して、十分な強度の光を干
渉させて形成した干渉縞をガラス光導波路に照射するこ
とにより、光導波路内に回折格子を形成することも可能
である。このような方法にも、本発明のチャープ格子形
成装置を適用することができ、この場合、光源が出力す
る光は紫外光でなくても良い。なお、光照射によるガラ
ス溶融を良好に達成するには、光導波路を構成するガラ
スに所定波長域の光を吸収する光吸収剤を添加し、この
波長域に含まれる光で形成した干渉縞を照射すると良
い。
【0063】
【発明の効果】以上、詳細に説明した通り、本発明のチ
ャープ格子形成装置は曲面の反射面を有するブロック体
を備えていることから、干渉縞が照射される位置に感光
性の光導波路を配置するだけで容易に量産性良くチャー
プ格子を形成することができる。また、本発明のチャー
プ格子形成装置は部品点数が少ないので、各部品の配置
調整が容易であり、このため、所望のチャープ格子を容
易に再現性良く形成することができる。
【0064】ブロック体やプレート型位相格子が合成石
英で構成されていると、光源から出射する光が紫外光で
ある場合に紫外光が損失を抑えて、チャープ格子を効率
良く形成することができる。
【0065】また、本体にシリンドリカルレンズが取り
付けられたブロック体を備える装置では、第1及び第2
の回折光の光路が精度良く設定されるため、光導波路の
配置調整が特に容易であり、従ってチャープ格子の形成
も一層容易に行うことができる。
【0066】また、本発明のチャープ格子形成装置う
ち、光源とプレート型位相格子との間に集光レンズが配
置されているものによれば、光強度の大きい干渉縞が光
導波路に照射されるので、効率良くチャープ格子が形成
することができる。
【0067】また、本発明のチャープ格子形成装置のう
ち光源が紫外光を出力するものによれば、コアやクラッ
ドが、酸化ゲルマニウムがドープされた石英ガラスから
構成される光導波路内に好適にチャープ格子を形成する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のチャープ格子形成装置の構成を示す
図である。
【図2】実施例2のチャープ格子形成装置の構成を示す
図である。
【図3】実施例3のチャープ格子形成装置の構成を示す
第1の側面図である。
【図4】実施例3のチャープ格子形成装置の構成を示す
第2の側面図である。
【符号の説明】
10…光源、20…プレート型位相格子、30…ブロッ
ク体、40…光ファイバ、45…チャープ格子、50…
干渉空間、60…シリンドリカルレンズ。
フロントページの続き (72)発明者 榎本 正 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、この光源からの光が入射するプ
    レート型位相格子であって光源からの光の入射により第
    1及び第2の回折光を生成するものと、前記第1及び第
    2の回折光が内部に入射するブロック体であってこの第
    1の回折光を反射する第1の反射面およびこの第2の回
    折光を反射する第2の反射面を有するものとを備え、前
    記第1および第2の反射面でそれぞれ反射された前記第
    1の回折光と前記第2の回折光とを干渉させて生成した
    干渉縞を生成し、この干渉縞を感光性の光導波路に照射
    することにより、この光導波路内にチャープ格子を形成
    する装置であって、 前記第1及び第2の反射面のうち少なくとも一方は、曲
    面であることを特徴とするチャープ格子形成装置。
  2. 【請求項2】 前記曲面は、凸面または凹面であること
    を特徴とする請求項1記載のチャープ格子形成装置。
  3. 【請求項3】 前記曲面は、円筒面であることを特徴と
    する請求項1記載のチャープ格子形成装置。
  4. 【請求項4】 前記プレート型位相格子は、合成石英で
    構成されていることを特徴とする請求項1記載のチャー
    プ格子形成装置。
  5. 【請求項5】 前記ブロック体は、合成石英で構成され
    ていることを特徴とする請求項1記載のチャープ格子形
    成装置。
  6. 【請求項6】 前記ブロック体は、平坦な側面を有する
    本体、及びこの平坦な側面に平坦なレンズ面を密着させ
    て取り付けられた平凸又は平凹のシリンドリカルレンズ
    からなり、このシリンドリカルレンズの凸面又は凹面を
    前記曲面とするものであることを特徴とする請求項1記
    載のチャープ格子形成装置。
  7. 【請求項7】 前記光源と前記プレート型位相格子との
    間の光路上に設置され、前記光源からの光が入射する集
    光レンズをさらに備えることを特徴とする請求項1記載
    のチャープ格子形成装置。
  8. 【請求項8】 前記光源は、紫外光を出力するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載のチャープ格子形成装
    置。
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