JPH08285832A - 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置

Info

Publication number
JPH08285832A
JPH08285832A JP7116357A JP11635795A JPH08285832A JP H08285832 A JPH08285832 A JP H08285832A JP 7116357 A JP7116357 A JP 7116357A JP 11635795 A JP11635795 A JP 11635795A JP H08285832 A JPH08285832 A JP H08285832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
moving medium
liquid
liquid sample
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7116357A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomokichi Onoda
友吉 小野田
Hiroshi Yamamoto
博 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIMAMURA KEIKI SEISAKUSHO KK
Original Assignee
SHIMAMURA KEIKI SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIMAMURA KEIKI SEISAKUSHO KK filed Critical SHIMAMURA KEIKI SEISAKUSHO KK
Priority to JP7116357A priority Critical patent/JPH08285832A/ja
Publication of JPH08285832A publication Critical patent/JPH08285832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体クロマトグラフィー用検出器のための液
体試料前処理方法及び装置の提供。 【構成】 位置移動が自在な強磁性体からなる移動媒体
11と、該移動媒体11の所定部位をキューリー点にて
加熱する高周波第1加熱手段15と、移動媒体11にお
ける高周波加熱部位に液体クロマトグラフが備える分離
カラムから流下する液体試料Lを付着する液体試料付着
手段18と、移動媒体11における液体試料付着部位を
キューリー点以下の温度で予熱して液体試料L中から溶
離液を蒸発させる高周波予熱手段31と、移動媒体11
における溶離液除去後の試料残存部位をキューリー点に
て加熱して残存試料を気化させる高周波第2加熱手段3
3と、気化後に得られるガス成分を高感度ガス検出装置
の側へと送り込むガス成分導入手段35とを少なくとも
備え、前記高周波予熱手段31と高周波第2加熱手段3
3とを不活性ガスが供給される隔室25内に配設して液
体試料Lの前処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体クロマトグラフィー
用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置に係
り、さらに詳しくは、液体試料の分析に水素炎イオン化
検出器(FID)や電子捕獲型検出器(ECD)などの
高感度ガス検出装置が利用できるように前処理する上で
好適な液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試
料前処理方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフを構成する検出手段
については、示差屈折率検出器が汎用検出器として、紫
外吸収検出器が選択的検出器としてそれぞれ最もよく用
いられているものの、そのいずれもが物質に対し特異性
があるばかりでなく、感度の点でも難点があるとされて
きた。
【0003】ところで、液体試料中の物質成分をそのま
まの物性を保持させた状態のもとで高感度分析したい場
合には、熱分解されてしまうガスクロマトグラフを用い
ることができないことから、液体クロマトグラフが備え
る分離カラムを流下させて得られる分離後の液体試料を
気化させ、そのガス成分を検出して行うことも有力な解
決策となる。
【0004】液体クロマトグラフィーにおいては、上記
視点に立脚して液体試料中の溶離液(溶媒)を除去し、
試料のみをガス化して検出器に導入しようとする手法が
従来から種々試みられてきており、例えば、主にガスク
ロマトグラフィー用検出器として使用されている水素炎
イオン化検出器(FID)や電子捕獲型検出器(EC
D)などが有機物のすべてを高感度に分析できるが故に
液体クロマトグラフィー用検出器としても使用できるよ
うにする手法の確立が急がれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記問題を
解決するものとしては、例えば液体クロマトグラフの分
離カラムから流出した液体試料を金属ワイヤーや金属デ
ィスクに付着させ、この付着部位を所定位置へと移動さ
せながら高温熱風により気化させて溶離液をまず除去
し、その結果残った試料を例えば水素炎イオン化検出器
(FID)の水素炎中に導入して気化されたガス成分を
検出する手法も既に行われてはいる。
【0006】しかし、上記水素炎イオン化検出器(FI
D)や電子捕獲型検出器(ECD)などを用いる場合に
は、液体試料を採集して加熱し、溶離液をまず、気化し
て除去した後、さらに加熱して試料を気化させ、ガス成
分として上記検出器に送り込む必要があり、溶離液の除
去が不完全であれば、試料が気化される際に残存溶離液
も同時に気化して検出されてしまうことになり、結果的
に分析精度を劣化させてしまうという大きな問題があっ
た。
【0007】また、仮に溶離液を完全に除去できたとし
ても、残存試料は、移動する金属ワイヤー等に付着され
た状態のもとで例えば検出器が水素炎イオン化検出器
(FID)であれば水素炎中で加熱されることになり、
金属ワイヤー等の金属成分や金属ワイヤー等に付着して
いる以前に分析した試料成分の残滓も同時に気化されて
しまうのみならず、金属ワイヤー等自体が発熱するもの
ではないこともあって加熱温度を一定化できず、結果的
に分析精度の低下を招いてしまう不都合もあった。
【0008】さらには、上記手法による場合、酸化され
て二酸化炭素(Co2 )になったものは検出できず、ニ
ッケル触媒を使ってメタンガスにするための装置が別途
に必要になるほか、高温熱風を吹き付けるための電気ヒ
ータや電気炉なども必要になり、全体構造を複雑化し、
作業コストの上昇を招いたり、作業を煩雑にする不具合
もあった。
【0009】本発明は従来手法にみられた上記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的は、液体試料の分析
に水素炎イオン化検出器(FID)や電子捕獲型検出器
(ECD)などの高感度ガス検出装置が利用できるよう
に前処理する上で好適な液体クロマトグラフィー用検出
器のための液体試料前処理方法及びその装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
すべくなされたものであり、そのうち、請求項1記載の
方法発明の構成上の特徴は、強磁性体からなる移動媒体
の所定部位をキューリー点にて高周波加熱して付着不純
物を除去する不純物除去処理と、前記移動媒体に付着す
る不純物を除去した不純物除去部位に液体クロマトグラ
フが備える分離カラムから流下する液体試料を付着させ
る液体試料付着処理と、前記移動媒体における液体試料
付着部位を不活性ガスの雰囲気中でキューリー点以下の
温度で高周波予熱し液体試料中の溶離液を蒸発させて試
料を残存させる溶離液除去処理と、前記移動媒体におけ
る試料残存部位を不活性ガスの雰囲気中でキューリー点
にて高周波加熱し試料を気化させる試料気化処理と、試
料を気化させて得られるガス成分を高感度ガス検出装置
の側に導き入れるガス成分導入処理とを経て行うことに
ある。
【0011】また、請求項2記載の装置発明の構成上の
特徴は、所定部位の経時的な位置移動が自在に配設され
る強磁性体からなる移動媒体と、この移動媒体の前記所
定部位をキューリー点にて高周波加熱する高周波第1加
熱手段と、前記移動媒体における前記高周波加熱部位に
液体クロマトグラフが備える分離カラムから流下する液
体試料を付着する液体試料付着手段と、前記移動媒体に
おける液体試料付着部位をキューリー点以下の温度で高
周波予熱して液体試料中から溶離液を蒸発させて除去す
る高周波予熱手段と、前記移動媒体における溶離液除去
後の試料残存部位をキューリー点にて高周波加熱して試
料を気化させる高周波第2加熱手段と、試料を気化させ
て得られるガス成分を高感度ガス検出装置の側へと送り
込むガス成分導入手段とを少なくとも備え、前記高周波
予熱手段と高周波第2加熱手段とは、不活性ガスが供給
される隔室内に配設したことにある。
【0012】なお、請求項2記載の前記移動媒体は、請
求項3記載のごとく供給スプールと巻取りスプールとの
間に移動自在に配設されるワイヤー材により形成した
り、請求項4記載のごとく一対のローラー間に無端移動
自在に配設されるベルト材により形成したり、請求項5
記載のごとく回転軸を中心に回転自在に配設されるディ
スク材により形成することができる。
【0013】
【作用】このため、本発明方法及び装置によれば、移動
媒体に付着している不純物をキューリー点で加熱して気
化させることで確実に除去し、残滓のないクリーンな状
態の移動媒体に液体試料を付着することができ、さらに
は、溶離液分離処理において移動媒体における液体試料
付着部位が不活性ガスの雰囲気中でキューリー点以下の
温度で高周波予熱されることから、液体試料中から溶離
液を蒸発させて移動媒体の側に試料のみを残存させるこ
とができる。
【0014】このため、次工程である試料気化処理にお
いては、移動媒体における前記試料付着部位を不活性ガ
ス雰囲気中でキューリー点である一定温度のもとで高周
波加熱し、残存試料を酸化を防止しながら瞬時に気化さ
せることができるので、水素炎イオン化検出器(FI
D)や電子捕獲型検出器(ECD)などの高感度ガス検
出装置を液体クロマトグラフィー用検出器として使用す
ることができ、したがって、熱分解生成物を高感度分析
することができるのみならず、上記高感度ガス検出装置
を液体クロマトグラフィー用検出器として用いること
で、液体クロマトグラフィーによっても従来は困難であ
るとされていた高精度の分析ができるようになる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明のうち、請求項2記載の装置
発明の一実施例についての概略構成を示す説明図であ
り、その全体は、強磁性体からなる移動媒体11と、こ
の移動媒体11の所定部位に付着している不純物を除去
する高周波第1加熱手段15と、高周波第1加熱手段1
5を経た移動媒体11の不純物除去部位に液体試料Lを
付着する液体試料付着手段18と、前記移動媒体11に
おける液体試料付着部位を予熱する高周波予熱手段31
と、前記移動媒体11の予熱部位を高温加熱する高周波
第2加熱手段33と、高周波第2加熱手段33にて気化
されたガス成分を例えば水素炎イオン化検出器(FI
D)などの高感度ガス検出装置41の側に導入するガス
成分導入手段35とを少なくとも備えて構成されてい
る。
【0016】このうち、前記移動媒体11は、例えば鉄
(Fe)や、鉄(Fe)とニッケル(Ni)とコバルト
(Co)との合金などからなる強磁性体を用いて図1に
示すようにワイヤー材12として形成し、このワイヤー
材12を供給スプール13と巻取りスプール14との間
に移動自在に配設するなどして使用される(以下、本明
細書では、移動媒体11としてワイヤー材12を使用す
る場合を例に説明する。)なお、前記移動媒体11は、
図示は省略してあるが、請求項4記載のごとく一対のロ
ーラー間に無端移動自在に配設されるベルト材により形
成したり、請求項5記載のごとく回転軸を中心に回転自
在に配設されるディスク材により形成するなど、所定部
位の経時的な位置移動を自在にして配設される適宜の構
造のものを使用することができる。
【0017】また、前記高周波第1加熱手段15は、ワ
イヤー材12からなる移動媒体11の前記所定部位を強
磁性体のキューリー点にて高周波加熱するものであり、
具体的には、前記ワイヤー材12を石英管16を介して
捲回させた配線17に所要の交流電圧を印加すること
で、高周波電磁界を発生させて前記ワイヤー材12の側
を加熱し、例えば、ワイヤー材12が鉄(Fe)で形成
されているものであれば、そのキューリー点である77
0℃の温度で高周波加熱できるようになっている。
【0018】また、前記液体試料付着手段18は、移動
媒体11としての前記ワイヤー材12における高周波加
熱部位(不純物除去部位)に液体クロマトグラフが備え
る分離カラムの側から流下する液体試料Lを付着させる
ために設けられている。具体的には、例えば図2に示す
ようにワイヤー材12の挿通を自在に水平方向に配設さ
れるガイド材19と、このガイド材19を挿通させて垂
直方向に配設される送液パイプ21とで形成されてお
り、この送液パイプ21の上流側は分離カラムからの流
出路と直結されている。
【0019】また、前記ガイド材19における送液パイ
プ21内に位置する部位は、前記ワイヤー材12を露出
させると同時に、液体試料Lを溜めることもできる凹陥
部20がその上面に設けられており、この凹陥部20内
の液体試料L中をワイヤー材12が通過する際に液体試
料Lをワイヤー材12に付着できるようになっている。
なお、送液パイプ21の下流側には、流下した液体試料
lを貯留するための貯槽22が配設されている。
【0020】一方、前記高周波予熱手段31と高周波第
2加熱手段33とが配設される隔室25は、隔室25内
に導入される不活性ガスを室温〜300℃程度にまで昇
温させるためのものであり、ワイヤー材12の挿通を自
在とした水平管部27と、外部から供給されるヘリウム
ガス(He)等の不活性ガスを導入するするための垂直
管部28とからなる略T字形を呈する石英管26を備え
ている。このため、垂直管部28を介して石英管26の
側に導入された前記不活性ガスは、水平管部27との交
差部位にて図1における左側方向(高周波予熱手段31
側)と右側方向(高周波第2加熱手段33側)とに分岐
され、左側方向に流入した一方の分岐流は高周波予熱手
段31にて後述するようにして気化される溶離液のすべ
てを伴って水平管部27の左端側から強制排出され、右
側方向に流入した他方の分岐流は高周波第2加熱手段3
3にて後述するようにして気化される試料のガス成分と
ともに導入管36を経て高感度ガス検出装置41の側へ
と送り込むことができるようになっている。なお、前記
不活性ガスは、前記垂直管部28の管端部と接続させた
供給管29を介して隔室25外から導入できるようにな
っている。
【0021】このような構造からなる隔室25内に配設
される前記高周波予熱手段31は、導入されたワイヤー
材12の液体試料付着部位を加熱して液体試料L中の溶
離液を蒸発させて除去し、試料をワイヤー材12の側に
残存させるために設けられている。具体的には、石英管
26の前記水平管部27における始端側を介して捲回さ
せた配線32に所要の交流電圧を印加することで、キュ
ーリー点以下の温度で液体試料付着部位を加熱し、液体
試料L中の溶離液を室温〜300℃程度にまで昇温され
た温度の不活性ガス雰囲気中で気化させることができる
ようになっている。
【0022】また、前記高周波予熱手段31と同様に隔
室25内に配設される高周波第2加熱手段33は、ワイ
ヤー材12からなる移動媒体11における溶離液除去後
の試料残存部位(予熱部位)をキューリー点にて高周波
加熱して試料を気化させるために設けられている。具体
的には、石英管26の水平管部27における終端側を介
して捲回させた配線34に所要の交流電圧を印加するこ
とで、溶離液除去後の試料残存部位を強磁性体のキュー
リー点、例えば、ワイヤー材12が鉄(Fe)で形成さ
れているものであれば、そのキューリー点である770
℃の一定温度のもとで高周波加熱し、残存試料を不活性
ガス雰囲気中で酸化させることなく瞬時に熱分解して気
化させ、不純物を含まないガス成分として生成すること
ができるようになっている。
【0023】さらに、前記ガス成分導入手段35は、高
周波第2加熱手段33にてワイヤー材12に付着してい
る残存試料を加熱して気化させ、生成されたガス成分を
水素炎イオン化検出器(FID)や電子捕獲型検出器
(ECD)などの高感度ガス検出装置41へと送り込む
ために設けられている。具体的には、石英管26の水平
管部27における末端部側にその始端部36aを、その
終端部36bを前記高感度ガス検出装置41の側に接続
させた例えば石英管などからなる導入管部36により形
成されている。なお、図1に示すように高感度ガス検出
装置41が水素炎イオン化検出器(FID)であれば、
水素を導入するための第1供給路41aや酸素もしくは
空気を導入するための第2供給路41bが配設されてい
る。
【0024】次に、請求項1記載の本発明方法の実施例
につき、図1に示す請求項2記載の発明装置についての
作用とともに説明する。
【0025】すなわち、本発明方法は、強磁性体からな
る移動媒体11の所定部位につきまず行われる不純物除
去処理と、移動媒体11における不純物除去部位に対す
る液体試料付着処理と、移動媒体11における液体試料
付着部位から溶離液を蒸発させて分離する溶離液除去処
理と、溶離液を除去した後の前記移動媒体11における
残存試料を気化する試料気化処理と、試料を気化させて
得られるガス成分を高感度ガス検出装置41の側に導入
するガス成分導入処理とを少なくとも経ることで行われ
る。
【0026】このうち、前記不純物除去処理は、ワイヤ
ー材12からなる移動媒体11の前記所定部位を強磁性
体のキューリー点にて高周波加熱して付着不純物を除去
するものであり、具体的には、図1に示すように前記ワ
イヤー材12を石英管16を介して捲回させた配線17
に所要の交流電圧を印加することで高周波電磁界を発生
させる高周波第1加熱手段15により行われる。この高
周波第1加熱手段15を用いることにより、例えば前記
ワイヤー材12が鉄(Fe)で形成されているものであ
れば、そのキューリー点である770℃の一定温度のも
とで高周波加熱し、付着不純物を蒸発させて確実に除去
することができる。
【0027】また、上記不純物除去処理を経た後に行わ
れる液体試料付着処理は、前記ワイヤー材12における
前記高周波加熱部位(不純物除去部位)に液体クロマト
グラフが備える分離カラムの側から流下する液体試料L
を付着させるものであり、具体的には、例えば図2に示
すようにワイヤー材12の挿通を自在に水平方向に配設
されるガイド材19と、このガイド材19を挿通させて
垂直方向に配設される送液パイプ21とからなる液体試
料付着手段18を介して行われる。この液体試料付着手
段18における前記ガイド材19は、その上面に前記ワ
イヤー材12が露出する凹陥部20を備えており、この
凹陥部20内に溜められた液体試料L中をワイヤー材1
2が通過する際に液体試料Lがワイヤー材12に付着さ
れることになる。
【0028】上記液体試料付着処理を終えた後に行われ
る溶離液分離処理は、前記ワイヤー材12からなる移動
媒体11における液体試料付着部位を不活性ガスの雰囲
気中でキューリー点以下の温度で高周波予熱し、液体試
料L中の溶離液を蒸発させることで行われる。
【0029】これを図1に従いより具体的に説明すれ
ば、前記溶離液分離処理は、ワイヤー材12の挿通を自
在とした水平管部27と、外部から供給管29を介して
供給されるヘリウムガス(He)等の不活性ガスを導入
するするための垂直管部28とからなる略T字形を呈す
る石英管26を備えた隔室25内に配設される高周波予
熱手段31を用いて行われる。
【0030】この高周波予熱手段31は、石英管26の
前記水平管部27における始端側を介して捲回させた配
線32に所要の交流電圧を印加することで、ワイヤー材
12における液体試料付着部位をキューリー点以下の温
度で加熱させることができるようになっており、これに
よりワイヤー材12における液体試料付着部位の液体試
料L中から溶離液を前記水平管部27内に供給される不
活性ガス雰囲気中で気化させて分離し、同部位に試料の
みを残存させることで行われる。なお、この場合、気化
された溶離液のすべては、不活性ガスの前記一方の分岐
流に乗って石英管26における水平管部27の左端側か
ら排出されることになる。
【0031】このようにして行われる溶離液分離処理を
経た後に行われる試料気化処理は、前記隔室25内に配
設された高周波第2加熱手段33を用いることで前記ワ
イヤー材12からなる移動媒体11における前記試料残
存部位を不活性ガス雰囲気中でキューリー点にて高周波
加熱し、残存試料を気化させることで行われる。
【0032】これを図1に従いより具体的に説明すれ
ば、高周波第2加熱手段33は、石英管26の水平管部
27における終端側を介して捲回させた配線17に所要
の交流電圧を印加することで高周波電磁界を発生させ、
前記ワイヤー材12の溶離液除去後の試料残存部位を強
磁性体のキューリー点、例えばワイヤー材12が鉄(F
e)で形成されているものであれば、そのキューリー点
である770℃の一定温度で高周波加熱し、残存試料を
不活性ガス雰囲気中で酸化を防止しながら気化させてガ
ス化することができるようになっている。なお、この場
合、試料を気化させて得られるガス成分は、不活性ガス
の前記他方の分岐流とともに石英管26における水平管
部27の末端部に位置する導入管36に導入され、気化
された溶離液の混入を阻止して前記高感度ガス検出装置
41の側へと送り込まれることになる。
【0033】上記試料気化処理を終えた後に行われるガ
ス成分導入処理は、残存試料を気化させて得られるガス
成分をガス成分導入手段35を用いて高感度ガス検出装
置41の側に導き入れることで行われる。
【0034】これを図1に従いより具体的に説明すれ
ば、ガス成分導入手段35は、前記石英管26の水平管
部27における末端部側にその始端部36aを、その終
端部36bを水素炎イオン化検出器(FID)や電子捕
獲型検出器(ECD)などの前記高感度ガス検出装置4
1の側に接続させた例えば石英管などからなる導入管部
36により形成されており、これを用いることで前記高
周波第2加熱手段33にてワイヤー材12に付着してい
る残存試料を加熱して気化させ、生成されたガス成分を
高感度ガス検出装置41の側へと送り込むことができる
ことになる。
【0035】したがって、本発明方法及び装置を用いる
ことで、水素炎イオン化検出器(FID)や電子捕獲型
検出器(ECD)などの高感度ガス検出装置41が液体
クロマトグラフィー用検出器としても使用することがで
きることになり、熱分解生成物を高感度分析することが
できるのみならず、上記高感度ガス検出装置41を液体
クロマトグラフィー用検出器として用いることで、液体
クロマトグラフィーによっても従来は困難であるとされ
ていた高精度の分析ができることになる。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように本発明のうち、請求項
1記載の方法発明によれば、移動媒体に付着している不
純物をキューリー点で加熱して気化させることで確実に
除去し、残滓のないクリーンな状態の移動媒体に液体試
料を付着することができ、さらには、溶離液分離処理に
おいて移動媒体における液体試料付着部位が不活性ガス
の雰囲気中でキューリー点以下の温度で高周波予熱され
ることから、液体試料中から溶離液を蒸発させて移動媒
体の側に試料のみを残存させることができる。
【0037】このため、次工程である試料気化処理で
は、移動媒体における前記試料付着部位を不活性ガス雰
囲気中でキューリー点である一定温度のもとで高周波加
熱し、残存試料を酸化を防止しながら気化させることが
できるので、水素炎イオン化検出器(FID)や電子捕
獲型検出器(ECD)などの高感度ガス検出装置を液体
クロマトグラフィー用検出器として使用することがで
き、したがって、熱分解生成物を高感度分析することが
できることになる。
【0038】また、請求項2記載の装置発明によれば、
高周波第1加熱手段にて移動媒体に付着している不純物
を除去した上で液体試料を付着することができるので、
以前に分析した試料成分の残滓などからなる不純物が液
体試料中に混入することを確実に防止することができ
る。また、移動媒体における液体試料付着部位は、高周
波予熱手段により加熱して液体試料中から溶離液を除去
し、試料のみを残存させることができるので、高周波第
2加熱手段により残存試料を気化させた際、残存溶離液
も同時に気化されてしまうというような不都合をなくす
ことができる。
【0039】したがって、本発明装置は、水素炎イオン
化検出器(FID)や電子捕獲型検出器(ECD)など
の高感度ガス検出装置と液体クロマトグラフとの間をつ
なぐインターフェースとして機能させることができるの
で、上記高感度検出器を液体クロマトグラフィー用検出
器として用いることで、液体クロマトグラフィーにより
従来は困難であるとされていた高精度の分析ができるこ
とになる。
【0040】しかも、本発明装置を用いる場合には、従
来手法に用いられていた高温熱風を吹き付けるための電
気ヒータや電気炉などが一切不要となるので、全体構造
を簡単なものにして作業コストの低減に寄与させること
ができるだけでなく、試料から生成されるガス成分は酸
化されていないので、従来必要であったニッケル触媒を
用いてメタンガスにする装置を不要にし、分析作業をよ
り効率的に遂行することもできることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装置の概略構成例を示す説明図で
ある。
【図2】図1における一点破線囲繞部分の詳細構造例を
一部を切り欠いて示す拡大説明図である。
【符号の説明】
11 移動媒体 12 ワイヤー材 13 供給スプール 14 巻取りスプール 15 高周波第1加熱手段 16 石英管 17 配線 18 液体試料付着手段 19 ガイド材 20 凹陥部 21 送液パイプ 22 貯槽 25 隔室 26 石英管 27 水平管部 28 垂直管部 29 供給管 31 高周波予熱手段 32 配線 33 高周波第2加熱手段 34 配線 35 ガス成分導入手段 36 導入管 36a 始端部 36b 終端部 41 高感度ガス検出装置 41a 第1供給管 41b 第2供給管 L 液体試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 30/84 G01N 30/84 Z

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強磁性体からなる移動媒体の所定部位を
    キューリー点にて高周波加熱して付着不純物を除去する
    不純物除去処理と、前記移動媒体に付着する不純物を除
    去した不純物除去部位に液体クロマトグラフが備える分
    離カラムから流下する液体試料を付着させる液体試料付
    着処理と、前記移動媒体における液体試料付着部位を不
    活性ガスの雰囲気中でキューリー点以下の温度で高周波
    予熱し液体試料中の溶離液を蒸発させて試料を残存させ
    る溶離液除去処理と、前記移動媒体における試料残存部
    位を不活性ガスの雰囲気中でキューリー点にて高周波加
    熱し試料を気化させる試料気化処理と、試料を気化させ
    て得られるガス成分を高感度ガス検出装置の側に導き入
    れるガス成分導入処理とを経て行うことを特徴とする液
    体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理
    方法。
  2. 【請求項2】 所定部位の経時的な位置移動が自在に配
    設される強磁性体からなる移動媒体と、この移動媒体の
    前記所定部位をキューリー点にて高周波加熱する高周波
    第1加熱手段と、前記移動媒体における前記高周波加熱
    部位に液体クロマトグラフが備える分離カラムから流下
    する液体試料を付着する液体試料付着手段と、前記移動
    媒体における液体試料付着部位をキューリー点以下の温
    度で高周波予熱して液体試料中から溶離液を蒸発させて
    除去する高周波予熱手段と、前記移動媒体における溶離
    液除去後の試料残存部位をキューリー点にて高周波加熱
    して試料を気化させる高周波第2加熱手段と、試料を気
    化させて得られるガス成分を高感度ガス検出装置の側へ
    と送り込むガス成分導入手段とを少なくとも備え、前記
    高周波予熱手段と高周波第2加熱手段とは、不活性ガス
    が供給される隔室内に配設したことを特徴とする液体ク
    ロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理装
    置。
  3. 【請求項3】 前記移動媒体は、供給スプールと巻取り
    スプールとの間に移動自在に配設されるワイヤー材であ
    ることを特徴とする請求項2記載の液体クロマトグラフ
    ィー用検出器のための液体試料前処理装置。
  4. 【請求項4】 前記移動媒体は、一対のローラー間に無
    端移動自在に配設されるベルト材であることを特徴とす
    る請求項2記載の液体クロマトグラフィー用検出器のた
    めの液体試料前処理装置。
  5. 【請求項5】 前記移動媒体は、回転軸を中心に回転自
    在に配設されるディスク材であることを特徴とする請求
    項2記載の液体クロマトグラフィー用検出器のための液
    体試料前処理装置。
JP7116357A 1995-04-18 1995-04-18 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置 Pending JPH08285832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7116357A JPH08285832A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7116357A JPH08285832A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08285832A true JPH08285832A (ja) 1996-11-01

Family

ID=14684966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7116357A Pending JPH08285832A (ja) 1995-04-18 1995-04-18 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08285832A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017509906A (ja) * 2014-03-27 2017-04-06 スミスズ ディテクション−ワトフォード リミテッド 検出器インレット及びサンプリング方法
CN115469030A (zh) * 2022-09-14 2022-12-13 中国电子技术标准化研究院 电子电气产品聚合物材料中多溴二苯醚快速筛选测试方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017509906A (ja) * 2014-03-27 2017-04-06 スミスズ ディテクション−ワトフォード リミテッド 検出器インレット及びサンプリング方法
US10613065B2 (en) 2014-03-27 2020-04-07 Smtihs Detection-Watford Limited Detector inlet and sampling method
US11150228B2 (en) 2014-03-27 2021-10-19 Smiths Detection-Watford Limited Detector inlet and sampling method
US11774421B2 (en) 2014-03-27 2023-10-03 Smiths Detection-Watford Limited Detector inlet and sampling method
CN115469030A (zh) * 2022-09-14 2022-12-13 中国电子技术标准化研究院 电子电气产品聚合物材料中多溴二苯醚快速筛选测试方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5268302A (en) Selective, high speed detection of vapors with analysis of multiple GC-separated portions
JP2684540B2 (ja) ガスクロマトグラフィー装置および方法
US5037611A (en) Sample handling technique
US5108705A (en) Vapor detection with high speed gas chromatography
JP3482497B2 (ja) 同位体組成分析計
JP2759238B2 (ja) ガス・クロマトグラフィー装置
US5661038A (en) Interface system for isotopic analysis of hydrogen
US5300758A (en) Vapor detection with high speed gas chromatography
JPH02201156A (ja) ガスクロマトグラフィー用熱分解装置
JPH08285832A (ja) 液体クロマトグラフィー用検出器のための液体試料前処理方法及びその装置
JP4034884B2 (ja) 試料中の元素分析装置
US6462334B1 (en) Analytical method and apparatus
EP0459677A2 (en) Selective, high speed detection of vapors with analysis of multiple GC-separated portions
JP5114587B2 (ja) Hplcを用いて材料特性を決定する装置および方法
JP2000002699A (ja) 試料中の元素分析装置
US4452067A (en) Apparatus for analysis of a vapor phase sample
Chung et al. On-line thermogravimetry/gas chromatography/mass spectrometry
JP3321510B2 (ja) 有機物中の酸素分析方法
JPH01203970A (ja) ガスクロマトグラフによる気相試料の濃縮気化分析装置
Young et al. Automated control and optimisation of ion mobility spectrometry responses using a sheath-flow inlet
JPH0740024B2 (ja) ガスクロマトグラフによる気相成分の分析方法
JPH0868787A (ja) 全有機炭素分析計
JP2000028597A (ja) 気相反応解析装置
JPS63182561A (ja) ステロイドの分析法
EP0414000A2 (de) Vorrichtung und Verfahren zur atomspektroskopischen Analyse flüchtiger Messproben