JPH08285699A - 加熱容器内温度センサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱放射を併用した加熱において、被加熱物の
受ける加熱温度を精度良く測定することができる加熱容
器内温度センサを提供する。 【構成】 加熱容器１４内に温度感知部３ａが配設され
た温度センサ３において、温度感知部３ａに板状の耐熱
性材料１１を取付けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加熱容器内の温度を測
定する温度センサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、被加熱物の温度制御をおこなうた
めに加熱容器内の温度を測定する温度センサとして、異
種金属の一対の接合部の温度差が熱起電力を発生して熱
電流を流すゼーベック効果を利用した熱電対方式の温度
センサが知られている。

【０００３】一般に加熱容器内に配設された図３に示す
熱電対型の温度センサ３は、抵抗体やランプ等のヒータ
２と共に耐火レンガや耐熱金属等で箱体を形成する炉体
１の内部にその温度感知部３ａが位置するように配設さ
れている。そして温度センサ３で容器内部の温度を検出
し、ヒータ２の熱量をコントロールして被加熱物４を所
定の温度に加熱している。

【０００４】温度センサ３の先端は、図４に示すように
直径約１ｍｍ程度の１組の異種金属５、６が溶接等によ
り接合されて、接合部７は直径約３ｍｍの球状に形成さ
れて、熱電対方式の温度感知部３ａを構成している。

【０００５】熱電対型温度センサ３としては、前記異種
金属５、６が、図５に示すセラミック質の碍子８に収め
られ、前記接合部７が碍子８より露出したものが一般で
ある。しかし図６に示すように、ステンレスパイプ等の
タンマン状耐熱管からなる保護管９で接合部７及び異種
金属５、６の全体を覆ったものもある。なお、図６の保
護管９内には耐熱性酸化マグネシウム粉末等の絶縁耐熱
粉末１０が充填され前記接合部７等を覆っている。図５
における接合部７及び図６における保護管９の先端が、
温度感知部３ａを構成し加熱容器１内に配設され、容器
内の温度を測定している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成におい
ては、温度センサの温度感知部は点状、あるいは棒状の
先端と小さいため、加熱された気体等による熱伝達に対
する受熱感度は良好であるが、加熱されたヒータや炉体
の表面からの熱放射線による受熱感度は悪く、熱輻射を
考慮しなければならない温度測定においては測定精度が
悪くなるという問題があった。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑み、被加熱物の受
ける加熱温度を正確に検出することができる加熱容器内
温度センサを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、加熱容器内に温度感知部が配設された温度セ
ンサにおいて、前記温度感知部に板状の耐熱性材料を取
付けたことを特徴とする。

【０００９】また板状の耐熱性材料が、被加熱物と略同
じ材質でかつ同じ表面状態のものであるか、または被加
熱物と略同一の熱放射線の吸収率特性を有するものであ
ることが好適である。

【００１０】

【作用】本発明は上記構成によって、次のような作用を
営むことができる。すなわち、温度センサの温度感知部
に板状の耐熱性材料を備えることで、受熱部分の面積を
大きくとれ、加熱されたヒータや炉体の表面から輻射さ
れる熱放射線に対する受熱感度を大幅に向上させること
ができる。その結果、従来の温度センサに比べてより高
精度に被加熱物の受ける加熱温度を検知することができ
る。

【００１１】また板状の耐熱性材料が、加熱容器内の被
加熱物と略同じ材質でかつ略同じ表面状態のものである
か、または加熱容器内の被加熱物と略同一の熱放射線の
吸収率特性を有するものであれば、板状の耐熱性材料は
被加熱物の輻射熱の吸収とほとんど同一の状態で輻射熱
を吸収することとなり、より一層被加熱物の受ける加熱
温度を正確に測定できる。

【００１２】

【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図１及び図２は本発明の第１実
施例に係る温度センサを用いた加熱容器の内部構成を示
している。加熱容器１４は、耐火レンガで作られた炉体
１と、複数本のヒータ２と、先端に温度感知部３ａを有
する熱電対型温度センサ３とを備えている。

【００１３】炉体１内には温度センサ３の温度感知部３
ａと、被加熱物４が配設されている。そして前記温度感
知部３ａには、炉体１の内径幅より僅かに短い四角形状
の板状の耐熱性材料１１が取り付けられている。耐熱性
材料１１としては金属、セラミック、耐熱樹脂など加熱
温度に耐えるものであればよい。

【００１４】以上のように構成された加熱容器１４内の
温度センサ３について、その動作を説明する。

【００１５】まず、ヒータ２が熱せられるとヒータ２の
表面に接している気体に熱が伝わり、熱せられた気体は
加熱容器１４内を対流移動する。この熱の対流は被加熱
物４や炉体１及び、温度センサ３の温度感知部３ａの先
端に取り付けられた板状の耐熱材料１１を加熱する。

【００１６】同時に、上記被加熱物４と板状の耐熱性材
料１１は、ヒータ２及び炉体１の表面から輻射される放
射熱線を受けて加熱される。その結果上記対流による伝
達熱と輻射熱の両者で前記耐熱材料１１が加熱され、そ
の熱が温度センサ３の温度感知部３ａに伝えられる。

【００１７】次に、本発明の第２の実施例を説明する。
第２実施例は第１実施例の耐熱性材料１１を被加熱物４
の材質と同質でかつ表面状態が同一の材料を用いている
点に特徴がある。たとえば被加熱物４の材質がセラミッ
クスであると、第２実施例における耐熱性材料１１は同
じ表面状態を有するセラミックス材で構成されている。

【００１８】第２実施例によれば、耐熱性材料１１が、
被加熱物４の材質と同質、かつ同じ表面状態に形成され
ていることから、被加熱物４と同様の輻射熱の吸収が可
能となり、第１実施例と比較してより一層被加熱物の温
度状態を正確に測定できる。

【００１９】なお上記第２実施例においては、耐熱性材
料１１を被加熱物４と同質かつ同じ表面状態を有する材
料で形成したが、被加熱物４の輻射熱の吸収率とほとん
ど同一の特性を有する材料で形成したものであっても、
上記第２実施例のものとほとんど同様の効果を得ること
ができる。

【００２０】なお、上記実施例においては温度感知部３
ａへの板状の耐熱性材料１１の取り付け方法を具体的に
説明していないが、接着剤による接着、溶接、ボルト締
めなど周知の方法を採用することができる。また、板状
の耐熱性材料１１の形状は四角形状に特定するものでは
なく、多角形や円形または楕円形であってもよい。さら
に、温度センサ３の温度感知部３ａへの板状の耐熱性材
料１１の取り付け方向は、水平方向に限定されず、温度
センサ３に対し任意の角度をもたせても良い。

【００２１】すなわち本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、例えば上記実施例では本発明を熱電対型
温度センサに適応しているが他の温度センサ（金属系測
温抵抗体、半導体系測温抵抗体）に対しても適用するこ
とができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明の加熱容器内温度センサを用いる
と、熱放射線の吸収が良好となるため、熱放射を併用し
た加熱において、被加熱物の受ける加熱温度を精度良く
測定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す構成図。

【図２】その温度感知部を示す断面図。

【図３】従来例を示す加熱容器の構成図。

【図４】その温度感知部を示す斜視図。

【図５】従来例を示す温度センサの断面図。

【図６】他の従来例を示す温度センサの断面図。

【符号の説明】

１ 炉体 ２ ヒータ ３ 温度センサ ３ａ 温度感知部 ４ 被加熱物 ５ 金属 ６ 金属 ７ 接合部 １１ 板状耐熱性材料 １４ 加熱容器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 加熱容器内に温度感知部が配設された温
   度センサにおいて、前記温度感知部に板状の耐熱性材料
   を取付けたことを特徴とする加熱容器内温度センサ。
2. 【請求項２】 板状の耐熱性材料が被加熱物と略同じ材
   質で、かつ略同じ表面状態である請求項１記載の加熱容
   器内温度センサ。
3. 【請求項３】 板状の耐熱性材料が被加熱物と略同一の
   熱放射線の吸収率特性を有する請求項１記載の加熱容器
   内温度センサ。