JPH08284777A - 高圧噴射式のディーゼル・エンジン内の液体燃料の噴射タイミングを可変調節する方法及びその燃料装置 - Google Patents

高圧噴射式のディーゼル・エンジン内の液体燃料の噴射タイミングを可変調節する方法及びその燃料装置

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JPH08284777A
JPH08284777A JP8078695A JP7869596A JPH08284777A JP H08284777 A JPH08284777 A JP H08284777A JP 8078695 A JP8078695 A JP 8078695A JP 7869596 A JP7869596 A JP 7869596A JP H08284777 A JPH08284777 A JP H08284777A
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JP
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fuel
pressure
volume
gas
injection
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JP8078695A
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English (en)
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Niels Kjemtrup
ニールス・キェムトルプ
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MAN B&W Diesel AS
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MAN B&W Diesel AS
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポンプと噴射装置とで区画された容積部分の
フレキシビリティ(調節可能性)を変えることにより噴
射タイミングを変化させ、シリンダ内の最高圧力が過大
となることを防止する。 【解決手段】 高圧注入式のディーゼル・エンジンにお
いて、液体燃料の噴射タイミングを調節することにより
シリンダ内の最高圧力を変化させ得る。該エンジンは高
圧導管9を介して燃料ポンプ1に接続された少なくとも
一つの燃料噴射装置13を有する幾つかのシリンダを備
え、ポンプと噴射装置との間には区画された容積があ
る。噴射タイミングをこのポンプと噴射装置との間の一
定容積分のフレキシビリティをエンジン負荷に対応して
変更することにより調整する。その一方法はポンプ入口
において制御された量の気体を可調弁20を介して圧力
タンク21から燃料中に導入することである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高圧噴射式のディ
ーゼル・エンジン内の液体燃料の噴射タイミングを可変
調節する方法及びその燃料装置に関するものである。詳
しくは、燃焼中におけるシリンダ内の最高圧力を変化さ
せるもので、該ディーゼル・エンジンは、その各々が高
圧の導管を介して燃料ポンプに接続された少なくとも一
つの燃料噴射装置を有する幾つかのシリンダを備え、該
燃料ポンプと該燃料噴射装置との間に区画された容積
が、噴射を開始するため、噴射装置の開放圧力(始動圧
力)よりも高圧の燃料で加圧され、エンジンの負荷に対
応してその噴射タイミングが変化する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル・エンジンにおいて、液体燃
料は、例えば、300乃至800バールといった高圧で
噴射され、そしてシリンダ内の圧縮熱により点火され
る。その結果、燃焼が進むに伴い、シリンダ圧力は最高
圧力まで上昇する。エンジンの効率は、最高圧力の上昇
と共に増大するが、その場合、エンジンの構成部品に対
する物理的な影響も増す。エンジンに過負荷を加えず
に、可能な限り最良の効率を達成するため、エンジンの
小さい負荷領域にて、可能な限り最大の最高圧が実現さ
れるが、エンジンの公称の全負荷点の80乃至105%
といった高負荷領域内での最高圧力は、構造体部材の機
械的強度を十分に考慮して決まる略一定の値に制限され
るような方法で燃焼過程は、通常、制御される。
【0003】ターボ過給機付きエンジン内で、圧縮圧力
によって影響を受ける最高圧力は、エンジン負荷、及び
噴射タイミングに依存する。即ち、ピストンがその上死
点(TDC)にあり、作動ストロークが開始される、エ
ンジン・サイクル中の点に関して、燃料噴射の開始時点
が見られる。この噴射タイミングは、通常、噴射が開始
される、クランクの相対的な角度位置として設定され
る。
【0004】高負荷領域において、ピストンがある距
離、下方に動いているから、燃焼室内の気体がある程
度、膨張したときのサイクル中の後の時点で最高シリン
ダ圧力が達成されるように、噴射時点を遅らせることに
より、シリンダの最高圧力を制限することが出来る。
【0005】また、噴射時点(噴射タイミング)を調節
することにより最高圧力を制御することは、低エンジン
負荷のときにも実施可能である。デンマーク国特許第1
47951号の明細書を参照。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】噴射タイミングを調節
する公知の方法は、高圧の導管内での圧力を上昇させる
時点を変化させる方法に基づいている。これは、次の三
つの方法の一つで行うことが出来る。
【0007】(a)例えば、案内シャフト上でカムを回
転させるか、又は、カムとポンプ・ピストンとの間に設
けられた調節部材を調節して、ポンプ・ピストンに対す
る燃料カムの影響力を変化させる方法。
【0008】(b)ピストン及びシリンダを相互に回転
させ、又は変位させることにより、ポンプのピストン及
びシリンダに形成された、協働する遮断縁部及びドレー
ン孔を調節する方法。
【0009】(c)高圧導管内に設けられた被制御ドレ
ーン弁の閉鎖時点を変化させる方法。
【0010】これらの機械的装置は、寸法が大きく、そ
の結果、その質量が大きいポンプの場合、ポンプのエン
ジンの1サイクルで供給される燃料の量が増大すると
き、複雑な設計となり、及び/又は所望の精度で制御す
ることが困難である。
【0011】本発明の目的は、高圧の導管内の圧力を上
昇させ始める時点が一定に保たれても、噴射タイミング
の制御を可能にすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記に鑑みて、本発明の
方法は、ポンプと噴射装置との間に区画された容積の内
容のフレキシビリティ(調整可能性 flexibility)を変更
することにより、噴射タイミングを変化させ得るように
したことを特徴としている。
【0013】シリンダ内の最高圧力を制限すべく噴射時
点を遅らせようとするとき、境を接して区画された容積
の内容(区画された容積内の容量)のフレキシビリティ
を高める。このフレキシビリティ(調整可能性)が増す
結果、その容量を、燃料噴射装置の開放圧力(始動圧
力)まで上昇させるために、圧縮しなければならず、ま
た、圧縮中にそのポンプの吐出量の一部が消費されるか
ら、この圧縮により圧力が上昇する時点が遅れる。本発
明の方法は、噴射時点を遅らせようとするかどうかに関
係無く、有効なポンプ・ストロークが同時に開始される
ように、ポンプ装置の機械的設計を簡略化するという有
利な利点を提供するものである。
【0014】好ましくは、燃料のフレキシビリティ(調
整可能性)を、燃料に気体を導入することで変更させ
る。燃料自体は、略非圧縮性である一方、気体は極めて
圧縮性である。二種類の流体の圧縮性の差が大きいた
め、燃料中の気体の量を変化させることにより、燃料の
フレキシビリティ(調整可能性)を正確に且つ簡単に制
御することが可能となる。
【0015】エンジンの全てのシリンダに対する噴射タ
イミングを均一に変化させる設計において、制御された
量の気体が、各噴射装置と関係付けられた境を接して区
画された容積内に高圧で導入される前に、燃料中に均一
に分配される。この気体の導入は、燃料ポンプに導入す
る前に、即ち、燃料の圧力が低い間に行うことが出来
る。
【0016】これと代替的に、少なくとも制御された所
定量の気体が、噴射装置の開放圧力(始動圧力)迄、燃
料の圧力が上昇する前に、境を接して区画された容積中
の燃料に導入されるようにしてもよい。この気体は、圧
力管の内部で少なくとも一つの気泡の形態にて導入さ
れ、その管内の燃料が少なくとも二つの別個の量の油に
分離する。この気泡は、燃料噴射装置が開放(始動)す
る迄、圧縮され、次に、管の最前列に位置する油がシリ
ンダ内に噴霧され且つ燃焼される間に、気泡は噴射装置
に向けて流動する。気泡が噴霧装置に達したならば、そ
の油の噴霧が瞬間的に中断される。このため、本発明に
よる方法は、間欠的な燃料噴射を実現して燃焼の促進を
可能にするものである。
【0017】使用される気体は、大気から吸引した空気
とすることが出来、この空気は、その空気を燃料中に導
入するために必要とされる、例えば、8乃至10バール
の比較的低圧に圧縮することが出来る。殆どの大型のデ
ィーゼル・エンジンは、加圧空気を発生させる機械的装
置を備えており、燃料システムへの気体の供給源として
この装置を直接、使用することが出来る。
【0018】可干渉性の大きい気泡(large coherent ga
s)が発生するような方法で燃料中に気体を導入する場
合、使用する気体は排気又は不活性気体のような酸素濃
度が低い気体又は無酸素の気体であることが好ましく、
これにより噴射圧力までの圧縮によって加熱されたと
き、気泡中に油煙が発生するおそれがない。小さい気泡
の場合、圧縮熱は周囲の燃料に伝達されて失われるか
ら、この油煙が発生する虞れは殆どない。
【0019】気体を燃料中に導入する方法の一つの代替
的な方法として、境を接して区画された容積の一部が、
該容積の燃料を通す残りの部分から、圧力の伝達が可能
なように分離されるようにすることも可能である。この
場合、この残りの容積に含まれる気体中の圧力を変化さ
せて、区画された体積の全体の容積のフレキシビリティ
(調整可能性)を変更させる。燃料が通る部分から部分
容積を分離させる結果、完全に従来通りの燃料、即ち、
混合気体を含まない燃料となる。ポンプが油の吐出を開
始し、また、区画された容積中の圧力が上昇すると、そ
の部分容積における気体が圧縮される。この部分容積の
圧縮と同時に、燃料が通る、区画された容積の残りの部
分の大きさが増して、これにより噴射装置の開放(始
動)が遅くなる。
【0020】ドイツ国特許893,128号には、燃料
ポンプと燃料噴射装置との間の圧力導管内にディスク形
状の閉鎖チャンバが配置され、該閉鎖チャンバが外方で
薄膜と境を接している、高速度エンジンが開示されてい
る。圧力管に形成された二つの横断穴が該管内の油を、
薄膜と境を接する可撓性のキャビティに接続する。該薄
膜の外側は、自由にその周囲方向を向いているため、そ
の噴射時点は一定である。
【0021】また、本発明は、燃焼の最高圧力を変化さ
せ得るようにエンジン負荷に対応して噴射タイミングを
可変調節する装置と、その各々が高圧導管を介して燃料
ポンプと接続された、少なくとも一つの燃料噴射装置を
有する幾つかのシリンダとを備える、高圧噴射式のディ
ーゼル・エンジンの燃料装置であって、ポンプと噴射装
置との間に境を接して区画された容積があり、区画され
た容積は、噴射過程を開始するため、噴射装置の開放圧
力よりも高い圧力にて液体燃料によって加圧される燃料
装置に関する。本発明によれば、この燃料装置は、上記
可変調節装置がポンプと噴射装置との間に区画された体
積の容量のフレキシビリティ(調整可能性 flexibilit
y)を変更し得ることを特徴としている。これにより、
上記の利点が得られる。
【0022】好適な実施例において、上記可変調節装置
は、燃料ポンプの低圧側に配置され且つ制御された量の
気体を燃料中に均一に分配し得るようにした計量装置で
ある。この装置は、全てのシリンダの噴射タイミングを
同時に変化させることが出来るように、エンジンの全体
に共通のものとすることが可能である。又は、シリンダ
の各々、或いはシリンダ群の各々が個々の調節を可能に
する別個の計量装置を備えるようにしてもよい。
【0023】第二の実施例において、上記可変の調節装
置は、ポンプと噴射装置との間に境を接して区画され
た、気体で充填した容積の一部を備えており、この一部
の容積は、区画された容積の他の部分と分離している
が、該他の部分と圧力伝達状態に接続されており、この
部分容積中の圧力は、上記フレキシビリティ(調整可能
性)を変更させ得るよう調節可能である。
【0024】第三の実施例において、上記可変調節装置
は、高圧導管内に取り付けられ且つ制御された量の気体
を高圧導管内の燃料中に導入し得るようにした少なくと
も一つの計量装置を備えている。
【0025】温度T=20°C、圧力P=101325
N/mという通常の状態で示した該調節装置は、最大
10%、即ち容積比で0乃至10%の相対的な気体量を
燃料中に導入することが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に概略図的な添付図面に関し
て本発明を詳細に説明する。
【0027】船の推進用、又は固定型発電所の発電機用
の大型の2ストローク・ディーゼル・エンジンにおい
て、通常、燃料中に所望の噴射圧力を発生させるために
ボッシュ(Bosch)型のカム作動ピストン・ポンプ
が使用されている。シリンダの寸法及び数に対応して、
エンジンは4,000乃至70,000kWの出力を発
生させることが出来、典型的なシリンダ出力は、1,0
00乃至5,700kWの範囲である。このことは、エ
ンジンの1サイクル中に相当量の燃料を噴射しなければ
ならないことを意味する。例えば、1エンジン・サイク
ル当たり200gの燃料を噴射することになり、その燃
料は、1シリンダ当たり3つの噴射装置で分配されるこ
とになる。
【0028】図5には、マン・ディー・アンド・ダブリ
ュー(MAN D&W)・ディーゼル・エンジン社製の
周知の燃料ポンプ1の一例が示してある。制御装置上、
すなわちカム・シャフト3上に設けられたカム2は、カ
ム・ローラ4を介してポンプ・ピストンを上方に動か
し、ポンプが吐出工程を行い、これにより、ピストン5
及びその周囲のポンプ・シリンダ7と境を接したポンプ
室6内の油がポンプの排出口から押し出されて、図5に
点線で示す高圧導管9内に入る。圧縮ばね10がカム・
ローラ4を圧縮して、カム2と接触させる。このため、
吐出工程の後、ポンプ・ピストンはその開始位置に戻
り、これと同時に、燃料の新たな部分が入口11、ポン
プ・ピストン周囲の環状チャンバ12、吸入弁8を介し
て、また、ある程度、ポンプ・シリンダの側壁に形成さ
れたドレーン孔8′を通じてポンプ室に吸引される。
【0029】高圧導管9は、ばね偏倚弁を有する中央の
貫通燃料通路を備える燃料噴射装置13に達している。
該ばね偏倚弁のばね力は、噴射装置の開放圧力(始動圧
力)を調節し得るように調節可能である。該燃料通路
は、噴霧孔を有するノズル14内まで下方に開口してい
る。この噴霧孔からシリンダの燃焼室内に燃料を噴霧す
ることが出来る。
【0030】高圧導管及びポンプ室6は、一定の容積を
有しており、この一定の容積は、図示した実施例におい
て、ポンプ・ピストンの上方側から噴射装置13内のば
ね偏倚弁まで伸長している。図1には、噴射時間中の可
能な限り早期の噴射時点にてポンプ室6内で測定した圧
力過程が実線で示してある。この圧力は、クランク角の
関数としてバールで表示されており、180°は、ピス
トンがその上死点の中央位置にあるクランク角度である
ことを示す。
【0031】燃料噴射装置の開放圧力(始動圧力)は、
300バールに設定されている。ポンプ室内の圧力は約
8バールのポンプ前(ポンプによる加圧前)の圧力から
点Oで示す約500バールの圧力まで上昇するのが分か
る。この点Oにて、燃料噴射装置が開放して、吸入波を
ポンプ室に戻すため、曲線が僅かに平らになるのが分か
る。シリンダ内への燃料の噴射は、ポンプ・シリンダの
ドレーン孔8′が開放したときである、点Mで示す、約
735バールの圧力に上昇した高圧力にて行われる。そ
の結果、ポンプ室内の圧力は、約100バールまで低下
し、噴射装置内の弁が閉鎖して、燃料の噴射を中断す
る。
【0032】この噴射過程により、図2に実線で示した
シリンダ内での圧力過程が生じる。最初の180°のク
ランクの回転中、シリンダ内の空気は約124バールの
圧縮圧力Pまで圧縮され、その結果、燃料の燃焼によ
り、圧力は、約193°のクランク角度における約17
0バールの最高圧力Pmaxまで更に上昇する。
【0033】図1及び図2において、点線は、噴射タイ
ミングを調節する公知の方法で得られる圧力過程を示
す。この場合、高圧導管内の圧力は、基本的に不変の経
過を経るが、エンジン・サイクルの時間で多少の変位が
生ずる。図1において、この遅延時間は、約4°のクラ
ンク角度に匹敵し、このため、点O′、及びM′は、こ
のサイクルの後半でこの角度だけ変位される。図2に
は、この遅延した燃料の噴射により、圧力は、点P
ら点P′′まで僅かに低下し、その後に、燃焼により
シリンダ圧力が上昇し、196°のクランク角度のと
き、約140バールの最高圧力P′maxに達する。
【0034】図3及び図4の点線は、本発明の方法によ
り、噴射タイミングを調節したときの圧力が示してあ
り、また、比較のため高圧導管内に境を接して区画され
た容積の容量のフレキシビリティ(調整可能性 flexibi
lity)を選択したときの圧力が示してある。この容積の
容量のフレキシビリティの選択は、シリンダの最高圧力
P′′maxのときの寸法及び位置が従来の技術で達成さ
れる、196°にて約140バールのP′maxのときに
対応し得るように選択したものである。図示した実施例
において、燃料は、ある量の気体をその内部に均一に分
配することによって、より大きいフレキシビリティが付
与されている。図示した実施例において、温度T=20
°C、圧力P=101325N/mという通常の状態
のときに約2%の相対的な量の気体を混合した。
【0035】ポンプにおける燃料の吐出の開始時間は、
実線の曲線に関して不変であるが、導管内の容量のフレ
キシビリティが大きいため、圧力の上昇は緩やかとな
る。これは、ポンプの吐出量の一部が気体の圧縮のため
に消費されるからである。噴射の開放圧力(始動圧力)
は、300バールのままであるが、その後に及び圧力が
低下するときの双方の時点で点O′′における曲線が平
らになる。これは、燃料中の気体容量が、弁開放位置か
らポンプ室に戻る吸入波の動きを遅くし、少なくするか
らである。噴射中、約191°のクランク角度て、燃料
の圧力は約710バールに上昇する。これは、ポンプ・
シリンダのドレーン孔が開放したときの時点、M′′で
示してある。
【0036】燃料中に気体が均一に分配される結果、ノ
ズルから噴射した後の燃料の噴霧化が改善される可能性
がある。その理由は、燃料中に微細に分散した気泡が、
燃料を燃焼室内で点火する前に、約4倍の容積に膨張す
るからである。この燃料の更なる微細な分散が燃焼を促
進する。
【0037】次に、高圧導管内に境を接して区画された
容積中の容量のフレキシビリティ(調節可能性 flexibi
lity)を調節可能に変化させ得るようにした三つの異な
る実施例について説明する。これら三つの実施例にお
て、同一の構成要素は、同一と同様の参照符号で表示す
る。
【0038】図6には、本発明に直接関係する燃料シス
テムの構成要素のみが示してある。ポンプ15は、重油
のような燃料を貯蔵タンク16から供給導管17を通じ
て燃料ポンプの入口11まで送る。計量装置18がこの
供給導管に接続されており、このため、燃料はこの装置
を通ってからポンプに供給される。この計量装置は幾つ
かの燃料ポンプで共用することが可能である。
【0039】この計量装置は、円筒状の外側ハウジング
と、二つの底端部とを備えており、この装置には、気体
分配ホイールを有する、長手方向に伸長する中央の回転
シャフトが取り付けられている。この供給導管は、外側
ハウジングの各端部に接続され、このため、燃料は、分
配ホイールの外側部とハウジングの内側部との間の環状
スペースを通って流れるように付勢される。シャフト
は、ホイールの外周にて開口する多数の気体通路を気体
導管19に接続する、長手方向の中央孔を有している。
この気体導管は、可調節弁20を介して圧力タンク21
の形態による気体源に接続されている。エンジンが作動
しているとき、導管17内の燃料圧力よりも高圧の圧力
が分配ホイールに付与され、これにより分配ホイールが
回転し、このため気体は、小さい気泡の形態にて気体通
路から放出され、これらの気泡は燃料中に取り込まれ
る。この気泡の寸法は、分配ホイールの回転速度により
調節することが出来、その速度が速ければ、より微細な
気泡となる。燃料はかなり低粘度であるため、大きい気
泡でも燃料から逃げることは出来ない。しかしながら、
高圧管9内での気泡の圧縮により、形成される熱が燃料
に放散されるように気泡は小さいことが好ましい。
【0040】計量装置は、供給導管17内の流量計23
から制御信号を受け取り、また、信号線24を介してエ
ンジン負荷に関する信号を受け取る制御装置22を備え
ている。こうした信号に基づき、また、エンジン負荷
と、そのエンジン負荷に対応した所望の気体量との相関
から得られる、予め設定可能な制御パラメータに基づい
て、制御装置は、信号線25を介して分配ホイールの回
転速度を調節し且つ信号線26を介して弁20による気
体の供給体積流量を調節する。
【0041】圧力タンクは、気体源28から供給される
ポンプ27により所望の圧力で気体が充填された状態に
保たれる。この気体源は、気体として大気を使用する場
合には、空気フィルタを装備し、又は、計量気体として
排気を使用する場合には、エンジンの排気装置に接続さ
れた導管を装備することが出来る。いわゆる不活性気体
装置をエンジン装置が既に備えている場合には、この不
活性気体装置から無酸素の気体を得てもよい。
【0042】分配ホイールを回転させる代わりに、計量
装置は、いわゆるガラス・フリットを含むことが出来
る。このガラス・フリットは、適正な寸法の孔を有する
焼結ガラス体である。この実施例において、気体導管
は、ガラス・フリットの内部に開口している。この気体
導管は気体を分配し且つ小さい気泡として燃料中に分散
させる。その気泡の寸法は、ガラス・フリットの孔径に
より決まる。この実施例の有利な点は、燃料が回転ホイ
ールの摩擦力による影響を受けない点である。しかし、
その不利益な点は、分配ホイールの場合のように、燃料
の品質に従って、その気泡の寸法を調節し得ない点であ
る。
【0043】図7に示した第二の実施例において、気体
は、燃料ポンプの吐出ストローク前に、高圧導管9内に
直接、供給される。これは、多数の計量装置30により
行われる。これらの計量装置には、圧力タンク21に対
応する気体源から気体導管31を介して加圧気体が供給
される。この計量装置は、作動時毎に計量された体積の
気体を調整可能に放出するノズルの形態とすることがで
きる。例えば、予め設定された一定時間開口する、調整
可能な開口領域を有するにノズル開口部や、あるいは調
整可能な時間に開口する一定開口領域を有するノズル開
口部とすることができる。ノズルと高圧導管との間に設
けられる非復帰型弁は、噴射時間中、ノズルを高圧から
保護する。この計量装置は、信号線32を通じて負荷に
対応した制御信号を受け取る。
【0044】この計量装置は、代替的に、ストロークが
調節可能なピストン・ポンプとしてもよい。この場合、
計量された量の気体は、このストロークにより調節され
る。高圧導管内における計量装置の数及び位置は、噴射
過程を中断する所望の回数、及びその中断時点に対応さ
せてある。間欠的な燃料の噴射は、それ自体、公知であ
るから、当業者は、適宜の間欠的な噴射過程に関する経
験的な値に基づいて計量装置の数及び位置を調節するこ
とが可能である。
【0045】図8に示した第三の実施例において、燃料
ポンプ1と噴射装置13との間に境を接して区画された
容積のフレキシビリティ(調節可能性 flexibility)
は、圧力導管9内に挿入した受け部材34内に設定され
た容積33の一部により変更される。可撓性の薄膜又は
仕切り35は、受け部材の内部に取り付けられる。高圧
導管に挿入された受け部材の一部分は、気体が充填され
た部分容積33から分離しているが、この部分容積33
と圧力伝達状態に接続されている。この部分容積内の気
体圧力は、この部分容積に接続された気体導管37内の
可調節弁36により調節される。この部分容積は、図示
しない可調節のドレーン孔に更に接続することが出来
る。このドレーン孔は、境を接して区画された容積のフ
レキシビリティ(調節可能性)を増そうとするとき、そ
の部分容積中の圧力を低下させることが出来る。この部
分容積内の圧力は、噴射タイミングを遅らせようとしな
いときは高圧であり、噴射タイミングを遅らせようとす
るときは低圧となるように、可調節弁及びドレーン孔
は、具体的なエンジン負荷に対応して調節可能である。
高圧導管9内の圧力が上昇すると、部分容積中の気体
は、圧縮されて、より小さい容積となる。その容積の大
きさは、部分容積中の圧力によって決まる。
【0046】エンジンの構成部品に対する物理的な影響
を考慮して、最高圧力Pmaxの調節が望まれるとき、エ
ンジン負荷に対するこうした間隔にて燃料に気体が導入
される。かかる最高圧力の調節は、上述したように周知
である。低負荷領域にて、Pmaxを制限しようとしない
場合、燃料に混合される気体はない。即ち、装置の混合
率は、気体の容積の0%に設定される。許容可能な最高
圧力に達し、エンジン負荷が増大したならば、装置は、
気体と燃料の混合を開始し、気体の混合容積率は、エン
ジン負荷の増大と共に増大する。その気体の混合容積率
の増大は、許容可能な最高圧力に対応して最高圧力が略
一定の値に保たれるようにすることが好ましい。例え
ば、100%のエンジン負荷のとき、気体容積の10%
を混合させることが出来る。特定のエンジン負荷にて混
合される気体の量は、エンジンの寸法により決まり、こ
のため、小形のエンジンの場合、比較的多量の気体が混
合される。
【0047】圧力及びクランク角度について図1乃至図
4に示した値は、多くの可能な例の具体的な一例として
のみ解釈されるべきである。燃料の量、シリンダ圧力、
噴射過程、ポンプの特性、燃料噴射装置の開放圧力及び
噴霧装置のノズルの流量面積、及びエンジン負荷に対応
した噴射タイミングの所望の調節値は、各エンジン毎に
個々に設定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知の方法を使用して点火時点を遅らせるとき
の高圧導管内における噴射期間中の圧力過程を示す線図
である。
【図2】公知の方法を使用して点火時点を遅らせるとき
のシリンダ内における噴射期間中の圧力過程を示す線図
である。
【図3】本発明を使用したときの同様の線図である。
【図4】本発明を使用したときの更に同様の線図であ
る。
【図5】燃料ポンプ及び燃料噴射装置の部分断面図であ
る。
【図6】本発明による燃料装置における均質化装置の外
形図である。
【図7】二つの気体計量装置を備える高圧導管の外形図
である。
【図8】気体を充填した部分容積を含む高圧導管の外形
図である。
【符号の説明】
1 燃料ポンプ 2 カム 3 カム・シャフト 4 カム・ローラ 5 ピストン 6 ポンプ室 7 ポンプ・シリンダ 8 吸入弁 8′ ドレーン孔 9 高圧導管 10圧縮ばね 11 入口 12 環状チャンバ 13 燃料噴射装置 14 ノズル
フロントページの続き (71)出願人 594140904 Center Syd,161 Stamh olmen,DK−2650 HVIDOVR E,Denmark

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼中におけるシリンダ内の最高圧力
    (P′′max)を調節する目的のため、その各々が高圧
    の導管(9)を介して燃料ポンプ(1)に接続された少
    なくとも一つの燃料噴射装置(13)を有する幾つかの
    シリンダを備える、高圧噴射式のディーゼル・エンジン
    内の液体燃料の噴射タイミングを可変調節する方法であ
    って、 噴射過程を開始するため、前記ポンプと前記噴射装置と
    の間に境を接して区画された容積内に噴射装置の開放圧
    力(始動圧力)よりも高圧の燃料が存在し、エンジンの
    負荷に対応してその噴射タイミングが変化するようにし
    た、噴射タイミングを可変調節する方法にして、 前記ポンプ(1)と前記噴射装置(13)との間に境を
    接して区画された前記容積の容量のフレキシブリティ
    (調整可能性)を変化させることにより、前記噴射タイ
    ミングを調節するようにしたことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法にして、前記燃料
    のフレキシブルティを該燃料中に気体を導入することに
    より調節するようにすることを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法にして、制御され
    た量の気体を、それが高圧で前記境を接して区画された
    容積内に導入する前に前記燃料内に均一に分配すること
    を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の方法にして、前記燃料
    の圧力が前記噴射装置(13)の開放圧力(始動圧力)
    に上昇する前に、少なくとも制御された所定量の気体
    を、前記境を接して区画された容積内の燃料に導入する
    ことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】 請求項3又は請求項4に記載の方法にし
    て、使用される前記気体が空気であることを特徴とする
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項3又は請求項4に記載の方法にし
    て、使用される前記気体が排気、又は不活性気体のよう
    な、酸素濃度の低い気体、又は無酸素気体であることを
    特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の方法にして、前記境を
    接して区画された容積が、部分容積(33)を含み、該
    部分容積が、燃料を通す前記区画された残りの部分から
    圧力伝達状態に分離され、該部分容積中に保持された気
    体の圧力を変更するようにしたことを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 燃焼の最高圧力を調節する目的のため、
    エンジン負荷に対応して、噴射タイミングを可変調節す
    る装置を備え、その各々が高圧の導管(9)を介して燃
    料ポンプ(1)に接続された少なくとも一つの燃料噴射
    装置(13)を有する幾つかのシリンダを備え、該シリ
    ンダの各々が、高圧の導管(9)を介して燃料ポンプ
    (1)に接続された少なくとも一つの燃料噴射装置(1
    3)を有する、高圧噴射式のディーゼル・エンジンの燃
    料装置であって、 噴射過程を開始するため、前記ポンプと前記噴射装置と
    の間に境を接して区画された容積があり、該容積が噴射
    装置の開放圧力(始動圧力)よりも高圧の燃料で加圧さ
    れた燃料装置にして、 前記装置が、前記ポンプ(1)と前記噴射装置(13)
    との間に境を接して区画された容積の容量のフレキシビ
    リティ(調整可能性)を変化させることを特徴とする燃
    料装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の燃料装置にして、前記
    装置が、制御された所定量の気体を前記燃料中に均一に
    分配すべく前記燃料ポンプの低圧側に配置された計量装
    置(18)であることを特徴とする燃料装置。
  10. 【請求項10】 請求項8に記載の燃料装置にして、前
    記装置が、前記ポンプ(1)と前記噴射装置(13)と
    の間に境を接して区画された容積の気体充填部分容積
    (33)を備え、該部分容積が、前記区画された容積の
    残りの容積部分から分離されているが、該残りの容積部
    分と圧力伝達状態に接続され、 前記フレキシビリティを変更させ得るように前記部分容
    積中の圧力が調節可能であることを特徴とする燃料装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項8に記載の燃料装置にして、前
    記装置が、前記高圧導管(9)内の燃料に計量された量
    の気体を導入し得るように前記高圧導管内に取り付けら
    れた少なくとも一つの計量装置(30)を備えることを
    特徴とする燃料装置。
  12. 【請求項12】 請求項9又は請求項11に記載の燃料
    装置にして、温度T=20°C、圧力P=101325
    N/mという通常の状態で示したとき、前記装置が、
    体積比で最大10%の相対気体容量の気体を前記燃料中
    に導入することを特徴とする燃料装置。
JP8078695A 1995-03-31 1996-04-01 高圧噴射式のディーゼル・エンジン内の液体燃料の噴射タイミングを可変調節する方法及びその燃料装置 Pending JPH08284777A (ja)

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DK0356/95 1995-03-31

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