JPH08284649A - 内燃機関の触媒劣化診断装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化診断装置

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JPH08284649A
JPH08284649A JP7089097A JP8909795A JPH08284649A JP H08284649 A JPH08284649 A JP H08284649A JP 7089097 A JP7089097 A JP 7089097A JP 8909795 A JP8909795 A JP 8909795A JP H08284649 A JPH08284649 A JP H08284649A
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ratio
deterioration
catalyst
reversal
diagnosis
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JP7089097A
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Toru Sakuma
徹 佐久間
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】診断領域内における触媒劣化診断の精度を向上
させる。 【構成】触媒の上流側と下流側とにそれぞれ酸素センサ
を設け、これらの酸素センサに基づいて空燃比フィード
バック制御を行なう。一方、前記空燃比フィードバック
制御中における両酸素センサの出力反転比Xに基づいて
触媒の劣化診断を行う。ここで、所定の診断領域内(S
2)に入ってから初期N回における反転比Xの算出結果
を用いずに(S7)、前記N回後に算出された3個の反
転比Xの平均値Xavを求め(S8)、この平均値Xavに
基づいて劣化診断を行わせる(S9〜S11)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の触媒劣化診断
装置に関し、詳しくは、排気浄化触媒の上流側及び下流
側それぞれで酸素濃度を検出し、これらの検出値に基づ
いて空燃比フィードバック制御を実行するよう構成され
た内燃機関において、触媒上流側の酸素センサと触媒下
流側の酸素センサとの出力反転比に基づいて触媒劣化を
診断する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、排気浄化用に排気系に設けら
れる三元触媒の上流側と下流側とにそれぞれ酸素センサ
を設け、これらの2つの酸素センサの検出値を用いて空
燃比をフィードバック制御するものが種々提案されてい
る(特開平4−72438号公報等参照)。
【0003】また、上記のようにして触媒の上流側と下
流側とにそれぞれ設けた酸素センサを用いて空燃比フィ
ードバック制御を行なっているとき、即ち、目標空燃比
に対するリッチ状態とリーン状態とを繰り返す状態のと
きには、触媒の酸素ストレージ効果によって、上流側の
酸素センサの出力変動周期(周波数)に対して下流側の
酸素センサの出力変動周期(周波数)が長くなる(小さ
くなる)傾向を示し、触媒が劣化して前記酸素ストレー
ジ効果が低下すると、下流側の酸素センサの出力変動周
期(周波数)が上流側の値に近づくようになる。
【0004】そこで、空燃比フィードバック制御中にお
ける両酸素センサの出力反転比に基づいて触媒の劣化を
診断することが行なわれていた。前記反転比は、例え
ば、上流側酸素センサの出力反転数が規定数に達する間
における下流側酸素センサの出力反転数として求められ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記触媒の
劣化診断においては、触媒が活性温度に達していること
が診断の前提条件とされるため、常用運転領域内で触媒
温度が充分に高くなる運転領域を診断領域として特定
し、前記診断領域内で演算された反転比に基づいて劣化
診断を行わせるようにしていた(図7参照)。また、前
記反転比に基づく診断においては、複数個(例えば3
個)の反転比の平均を求め、該平均値と基準値との比較
によって劣化診断を行わせるようにしていた(図7参
照)。
【0006】しかしながら、前記診断領域内に入った直
後に算出された反転比に基づいて劣化診断を行うと、触
媒劣化が誤診断される惧れがあった。即ち、前記診断領
域外で触媒温度が比較的低く活性度が比較的低い状態か
ら前記診断領域に入ると、当初は活性度が低く、その後
徐々に触媒温度の上昇に伴って活性度が高くなる場合が
ある。このため、診断領域に入った直後は、触媒活性度
が低いために反転比が劣化時と同様な値を示すことがあ
り、前述のような平均処理を行っても、触媒劣化を誤診
断することがあったものである(図7参照)。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、診断領域内で得られた反転比データに基づいて高
精度に劣化診断が行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる内燃機関の触媒劣化診断装置は、図1に示すよ
うに構成される。図1において、第1及び第2の酸素セ
ンサは、機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒の上
流側及び下流側にそれぞれ設けられ、排気中の酸素濃度
に感応して出力値が変化するセンサである。
【0009】そして、空燃比フィードバック制御手段
は、少なくとも前記第1の酸素センサの出力値に基づい
て機関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に近づける方向
に機関への燃料供給量をフィードバック制御する。一
方、反転比演算手段は、前記空燃比フィードバック制御
手段によるフィードバック制御中に、前記上流側の第1
酸素センサと前記下流側の第2酸素センサとの出力反転
比を所定の演算周期毎に演算する。
【0010】また、診断領域検出手段は、前記排気浄化
触媒の劣化診断を行う所定の運転領域を検出する。そし
て、劣化診断手段は、診断条件検出手段で検出される所
定の運転領域内において前記反転比演算手段で所定の演
算周期毎に演算された時系列的な複数の反転比のうち、
初期の所定数以降の反転比に基づいて前記排気浄化触媒
の劣化を診断する。
【0011】請求項2の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置では、前記劣化診断手段が、前記所定の運転
領域内に留まっている間に演算された前記反転比が前記
所定数以上であるときに、前記所定の運転領域を抜け出
す直前に演算された反転比に基づいて劣化診断を行う構
成とした。請求項3の発明にかかる内燃機関の触媒劣化
診断装置では、前記劣化診断手段が、初期の所定数直後
に演算された反転比に基づいて劣化診断を行う構成とし
た。
【0012】請求項4の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置は、図2に示すように構成される。図2にお
いて、第1及び第2の酸素センサは、機関の排気通路に
設けられた排気浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ
設けられ、排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化す
るセンサである。
【0013】そして、空燃比フィードバック制御手段
は、少なくとも前記第1の酸素センサの出力値に基づい
て機関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に近づける方向
に機関への燃料供給量をフィードバック制御する。一
方、反転比演算手段は、前記空燃比フィードバック制御
手段によるフィードバック制御中に、前記上流側の第1
酸素センサと前記下流側の第2酸素センサとの出力反転
比を所定の演算周期毎に演算する。
【0014】また、反転比変化率演算手段は、反転比演
算手段で演算される反転比の変化率を演算する。更に、
診断領域検出手段は、前記排気浄化触媒の劣化診断を行
う所定の運転領域を検出する。そして、劣化診断手段
は、診断条件検出手段で検出される所定の運転領域内に
おいて、前記反転比の演算周期毎の変化率が所定値以下
であるときの前記反転比に基づいて前記排気浄化触媒の
劣化を診断する。
【0015】請求項5の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置では、前記劣化診断手段が、複数の反転比の
平均値に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する構
成とした。
【0016】
【作用】請求項1の発明にかかる内燃機関の触媒劣化診
断装置によると、触媒の上流側と下流側とにそれぞれ酸
素センサが設けられ、少なくとも前記上流側の酸素セン
サの出力に基づいて空燃比フィードバック制御が行なわ
れ、このときの両酸素センサの反転比に基づいて触媒の
劣化が診断される。
【0017】ここで、所定の診断領域内で前記劣化診断
を行うが、前記診断領域に入ってから演算された反転比
のうちの初期の所定数については診断に用いず、前記所
定数以降に演算された反転比に基づいて劣化診断を行わ
せる。即ち、診断領域に入った直後は、触媒温度が低い
ことによって劣化が誤診断される惧れがあるので、充分
に触媒温度が上がり活性度が高くなっているものと推定
されるようになってから演算された反転比に基づいて劣
化診断を行わせるものである。
【0018】請求項2の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、所定の診断領域内に留まっている
間に、触媒が活性温度に達するものと予測される回数だ
け反転比が演算された場合には、診断領域を抜け出す直
前に演算された反転比に基づいて劣化診断を行わせ、な
るべく診断領域内に長くいた状態で演算された反転比に
基づいて診断を行わせる。
【0019】請求項3の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、診断領域に入ってから所定数だけ
反転比が演算された後は、直後から信頼性の高い診断が
可能であると見做し、前記所定数直後の反転比に基づい
て劣化診断を行わせ、早期に診断結果が得られるように
した。請求項4の発明にかかる内燃機関の触媒劣化診断
装置によると、所定の診断領域内で演算された反転比に
基づいて劣化診断を行わせるが、前記反転比の変化率を
演算させ、該変化率が所定値以下であるときの反転比、
換言すれば、安定状態にある反転比に基づき劣化診断さ
せ、例えば診断領域に入った直後で反転比が演算毎に大
きく変化するような状態では劣化診断を行わない。
【0020】請求項5の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、複数の反転比の平均値に基づき劣
化診断を行わせ、反転比の変動による診断精度の低下を
回避する。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図3において、内燃機関1には、エアクリーナ2
から吸気ダクト3,スロットル弁4及び吸気マニホール
ド5を介して空気が吸入される。吸気マニホールド5の
ブランチ部には各気筒毎に燃料噴射弁6が設けられてい
る。前記燃料噴射弁6は、ソレノイドに通電されて開弁
し、通電停止されて閉弁する電磁式燃料噴射弁であっ
て、後述するコントロールユニット12からの噴射パルス
信号により通電されて開弁し、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されプレッシャレギュレータにより所定の圧力に
調整された燃料を吸気マニホールド5内に噴射供給す
る。
【0022】機関1の燃焼室にはそれぞれ点火栓7が設
けられていて、これにより火花点火して混合気を着火燃
焼させる。そして、機関1からは、排気マニホールド
8,排気ダクト9,排気浄化用の三元触媒10(排気浄化
触媒)及びマフラー11を介して排気が排出される。前記
三元触媒10は、酸素ストレージ効果を有するものであっ
て、排気成分中のCO,HCを酸化し、また、NOx を
還元して、他の無害な物質に転換する触媒であり、機関
吸入混合気を理論空燃比で燃焼させたときに両転換効率
が最も良好なものとなる。
【0023】コントロールユニット12は、CPU,RO
M,RAM,A/D変換器及び入出力インタフェイスを
含んで構成されるマイクロコンピュータを備え、各種の
センサからの検出信号を入力して、後述の如く演算処理
して、燃料噴射弁6の作動を制御する。前記各種のセン
サとしては、吸気ダクト3中に熱線式或いはフラップ式
などのエアフローメータ13が設けられていて、機関1の
吸入空気量Qに応じた電圧信号を出力する。
【0024】また、クランク角センサ14が設けられてい
て、所定ピストン位置毎の基準角度信号REFと、単位
角度毎の単位角度信号POSとを出力する。ここで、前
記基準角度信号REFの発生周期、或いは、所定時間内
における前記単位角度信号POSの発生数を計測するこ
とより、機関回転速度Neを算出することができる。ま
た、機関1のウォータジャケットの冷却水温度Twを検
出する水温センサ15が設けられている。
【0025】更に、前記三元触媒10の上流側となる排気
マニホールド8の集合部に第1酸素センサ16が設けられ
ており、また、前記三元触媒10の下流側でマフラー11の
上流側には第2酸素センサ17が設けられている。前記第
1酸素センサ16及び第2酸素センサ17は、排気中の酸素
濃度に感応して出力値が変化する公知のセンサ(例えば
ジルコニアチューブ型酸素センサ)であり、理論空燃比
を境に排気中の酸素濃度が急変することを利用し、理論
空燃比に対する排気空燃比のリッチ・リーンを検出し得
るリッチ・リーンセンサである。
【0026】本実施例において、前記第1及び第2の酸
素センサ16,17は、空燃比が理論空燃比よりもリッチで
あるときには、1V付近の高い電圧(リッチ出力)を出
力し、空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときには
0V付近の低い電圧(リーン出力)を出力するものとす
る。ここにおいて、コントロールユニット12に内蔵され
たマイクロコンピュータのCPUは、前記各センサによ
って検出される吸入空気流量Qと機関回転速度Neとに
基づいて基本燃料噴射量Tpを演算する一方、冷却水温
度Twなどに基づいて前記基本燃料噴射量Tpを補正す
るための各種補正係数COEFを演算設定する。
【0027】また、空燃比フィードバック制御手段とし
ての機能を有するコントロールユニット12は、所定のフ
ィードバック制御条件が成立しているときには、前記基
本噴射量Tpを補正するための空燃比フィードバック補
正係数LMDを、前記第1酸素センサ16及び第2酸素セ
ンサ17の出力に基づいて以下のようにして演算する。即
ち、例えば特開平4−72438号公報に開示されるよ
うに、上流側の第1酸素センサ16の出力に基づいて判別
される目標空燃比に対するリッチ・リーンに応じて比例
・積分制御により空燃比フィードバック補正係数LMD
を設定する一方、下流側の第2酸素センサ17で検出され
る目標空燃比に対するリッチ・リーンに基づき、前記比
例・積分制御における比例操作量(比例分P)を補正す
る。
【0028】但し、第2酸素センサ17を用いた空燃比フ
ィードバック制御を、上記の比例操作量の補正に限定す
るものではなく、前記比例制御を行なうタイミング(空
燃比の反転検出から比例制御を実行するまでの遅延時
間)を第2酸素センサ17の検出結果に基づいて修正する
構成や、第1酸素センサ16の出力に基づいてリッチ・リ
ーン判定に用いる基準レベルを、第2酸素センサ17の出
力に基づいて修正する構成などであっても良い。
【0029】そして、前記基本燃料噴射量Tpを前記各
種補正係数COEF,空燃比フィードバック補正係数L
MD、更には、バッテリ電圧による補正分Tsなどによ
って補正して最終的な燃料噴射量Tiを求め、該燃料噴
射量Tiに相当するパルス幅の噴射パルス信号を燃料噴
射弁6に所定タイミングで出力する。一方、前記コント
ロールユニット12には、図4のフローチャートに示すよ
うに、前記三元触媒10の劣化を診断する自己診断機能が
備えられている。
【0030】尚、本実施例において、反転比演算手段,
診断領域検出手段,劣化診断手段としての機能は、前記
図4のフローチャートに示すように、コントロールユニ
ット12がソフトウェア的に備えている。図4のフローチ
ャートにおいて、ステップ1(図中ではS1としてあ
る。以下同様)では、前記第1酸素センサ16及び第2酸
素センサ17を用いた空燃比フィードバック制御が実行さ
れているか否かを判別し、更に、ステップ2では、所定
の診断領域であるか否かを判別する。
【0031】前記所定の診断領域は、例えば、車速,機
関負荷を代表する基本燃料噴射量Tp,機関回転速度N
eがそれぞれ所定範囲内であるときとする。ここで、空
燃比フィードバック制御中であってかつ所定の診断領域
内であるとき以外では、ステップ3へ進み、後述する演
算数カウンタnをゼロリセットして本ルーチンを終了さ
せる。
【0032】一方、空燃比フィードバック制御中であっ
てかつ所定の診断領域内であるときには、ステップ4へ
進み、前記第1酸素センサ16と第2酸素センサ17との反
転比Xを算出する。本実施例では、第1酸素センサ16の
出力の反転回数が所定回数となる間において、第2酸素
センサ17の出力が反転した回数を、反転比Xとして規定
する。従って、前記所定回数を例えば40回とすれば、第
1酸素センサ16の出力の反転回数40回に1回の割合で反
転比Xが演算され、前記第1酸素センサ16の出力の反転
回数=40回が反転比Xの演算周期となる。
【0033】ステップ5では、前記ステップ4において
演算される反転比Xの最新値を含め最近の3個のデータ
を順次更新記憶する。ステップ6では、前記反転比Xの
演算回数をカウントするためのカウンタnを1アップさ
せる。ステップ7では、前記カウンタnが所定値N+3
以上になっているか否かを判別する。前記所定値Nは、
診断領域に入ってからかかる所定値Nだけ反転比Xが演
算される期間だけ経過していれば、触媒の充分な昇温が
推定される値として予め設定されている。また、本実施
例では、前記反転比Xの3個のデータを平均化してか
ら、劣化診断に用いる構成としてある。従って、前記N
+3は、触媒の充分な活性が推定される回数になってか
ら更に平均値の演算に必要な3回だけ反転比Xが演算さ
れたか否かを示す閾値である。
【0034】ステップ7で、前記カウンタnが所定値N
+3未満であると判定されたときには、反転比Xが高精
度に劣化診断できる程度に安定していないものと推定し
て、そのまま本ルーチンを終了させる。即ち、前記診断
領域は、触媒が充分な活性温度に達する領域として設定
されるが、非診断領域から前記診断領域に入った直後
は、触媒温度が充分に高くなく活性度が低い場合があ
り、このときの反転比Xに基づいて劣化診断を行うと、
正常であるのに温度が低いことに基づいて劣化判定され
てしまう惧れがある。そこで、反転比Xの演算数が所定
回数Nに達した後の3個のデータに基づいて劣化診断を
行わせる構成とし、前記所定回数Nにおける反転比Xの
データを劣化診断を用いない構成として、前記誤判定の
発生を回避するようにしてある。
【0035】一方、前記カウンタnが所定値N+3以上
になると、ステップ8へ進む。ステップ8では、記憶さ
れている最近3個の反転比Xのデータ、即ち、カウンタ
nがNに達した直後に演算された3個の反転比Xの平均
値Xavを算出する。ステップ9では、前記平均値Xavと
所定値Xsとを比較し、前記平均値Xavが所定値Xs以
上であるときには、ステップ10へ進み、触媒劣化の発生
を判定する。一方、前記平均値Xavが所定値Xs未満で
あるときには、ステップ11へ進み、触媒は正常であるも
のと判定する。
【0036】触媒の正常な活性状態では、第1酸素セン
サ16の出力が所定数だけ反転する間における第2酸素セ
ンサ17の出力反転回数が、触媒の酸素ストレージ効果に
よって大幅に小さくなるが、劣化が進むと、前記反転回
数の差が縮まる傾向を示し、これは、前記反転比Xが大
きくなることに対応する。従って、前記反転比Xが前記
所定値Xs以上になった場合には、触媒の劣化が所定以
上に進行しているものと判断するものである。
【0037】ここで、前記劣化診断の結果は、運転者に
ランプ等で知らせるようにしても良いし、コントロール
ユニット12内に記憶保持させておいて、整備時に診断来
歴が任意に読み出せるようにしても良い。尚、上記実施
例では、反転比Xの演算回数がN+3になるまで反転比
Xの演算を繰り返し行わせる構成としたが、カウンタn
がNに達するまでの反転比Xを劣化診断に用いることは
ないので、反転比Xの演算周期をカウントさせて、該カ
ウント値がNに達した後で初めて反転比Xを演算させる
ようにしても良い。
【0038】上記第1実施例では、反転比XがN回だけ
演算された直後の3個のデータの平均に基づいて劣化診
断を行わせる構成としたが、診断領域に入ってからなる
べく長く経過しているときの方が、より確実に触媒の活
性温度状態で診断を行わせることができる。そこで、図
5のフローチャートに示す第2実施例では、診断領域に
入ってからの反転比Xの演算回数がN回に達しても、診
断領域を脱するまで劣化診断に用いる反転比Xの特定を
行わず、診断領域を抜け出す直前に演算された反転比X
に基づいて劣化診断を行うよう構成されている。従っ
て、診断領域内で演算された反転比Xの回数がN+3で
あれば、第1実施例と同じ反転比Xを用いて劣化診断さ
れることになるが、前記回数N+3よりも多くの回数に
渡って反転比Xが演算されれば、それだけ後の反転比X
に基づいて劣化診断が行われる。
【0039】尚、本第2実施例において、反転比演算手
段,診断領域検出手段,劣化診断手段としての機能は、
前記図5のフローチャートに示すように、コントロール
ユニット12がソフトウェア的に備えている。図5のフロ
ーチャートにおいて、ステップ21,22で、空燃比フィー
ドバック制御中かつ診断領域内であることが判別される
と、ステップ23で反転比Xを算出する。
【0040】ステップ24では、最新値を含む最近3個の
反転比Xのデータを更新記憶し、次のステップ25では、
反転比Xの演算回数nをカウントアップする。ステップ
26では、前記演算回数nが所定値N+3以上になってい
るか否かを判別し、前記演算回数nが所定値N+3以上
になると、ステップ28へ進み、それまでステップ27でゼ
ロがセットされているフラグFに対して1をセットす
る。
【0041】即ち、前記フラグFは、その後診断領域を
抜け出したときに、記憶されている最近3個の反転比X
に基づいて劣化診断を行えるか否かを示すことになる。
診断領域内では、演算回数nが所定値N+3以上になっ
た後も、反転比Xの演算を繰り返し行い、最近3個の反
転比Xのデータを更新記憶する。診断領域を脱すると、
ステップ29へ進み、前記フラグFの判別を行い、フラグ
Fがゼロであるとき、即ち、診断領域内に留まっている
間に演算された反転比Xの回数がN+3に達しなかった
ときには、診断不能であると判断し、ステップ35で演算
回数nをゼロリセットして、診断を行うことなく本ルー
チンを終了させる。
【0042】一方、ステップ29でフラグFが1であると
判別されたときには、ステップ30へ進み、記憶されてい
る最近の3個の反転比Xデータ、換言すれば、診断領域
を抜け出す直前で算出された3個の反転比Xの平均値X
avを算出する。ステップ31では、前記平均値Xavと所定
値Xsとを比較して、触媒の劣化又は正常を判別する
(ステップ32,33)。
【0043】診断終了後は、ステップ34でフラグFをゼ
ロリセットし、また、ステップ35で演算回数nをゼロリ
セットしてルーチンを終了させる。ところで、上記実施
例では、反転比Xの演算回数nが所定値Nに達したこと
に基づいて、触媒が活性温度に達していることを推定し
たが、この場合、環境条件によっては活性温度に達する
前の反転比Xに基づいて劣化診断が行われたり、前記所
定値Nを余裕を見込んで比較的大きく設定すると、診断
機会が失われたり、必要以上に劣化診断が遅れたりする
ことにある。
【0044】そこで、図6のフローチャートに示す第3
実施例では、診断領域内に入ってからの触媒温度の上昇
変化を、反転比Xの変化として捉え、反転比Xが比較的
安定してから劣化診断を行わせることで、実際に充分な
昇温状態になってから劣化診断が行えるようにした。即
ち、触媒温度が比較的低く活性度の低い状態では、反転
比Xが比較的大きくなり、昇温に伴う活性度の増大によ
って前記反転比Xは低下して、活性温度状態における反
転比Xに落ち着くことになるので、反転比Xが落ち着い
た状態が、活性温度に達した状態であると見做せるもの
である。
【0045】尚、本第3実施例において、反転比演算手
段,反転比変化率演算手段,診断領域検出手段,劣化診
断手段としての機能は、前記図6のフローチャートに示
すように、コントロールユニット12がソフトウェア的に
備えている。図6のフローチャートにおいて、ステップ
41,42で空燃比フィードバック制御中かつ診断領域内で
あると判別されたときには、ステップ45へ進むが、それ
以外では、ステップ43,ステップ44へ進んで、後述する
フラグF及び演算回数nをそれぞれゼロリセットする。
【0046】ステップ45では、反転比Xの演算を行い、
次のステップ46では、最近に演算された反転比Xを3個
だけ順次更新記憶する。ステップ47では、フラグFの判
別を行い、フラグFがゼロであるときには、ステップ48
へ進む。ステップ48では、前記反転比Xの変化率ΔX
を、変化率ΔX=最新のX−前回値Xold として算出す
る。
【0047】ステップ49では、前記変化率ΔXと所定値
ΔXsとを比較し、変化率ΔXが所定値ΔXs以上であ
るときには、ステップ50へ進み、フラグFをゼロのまま
として劣化診断を行わずに本ルーチンを終了させる。一
方、前記変化率ΔXが所定値ΔXs未満になると、ステ
ップ51へ進んで、フラグFに1をセットし、更に、ステ
ップ52では演算回数nを1アップする。従って、前記演
算回数nは、前記変化率ΔXが所定値ΔXs未満になっ
てからカウントアップされることになる。
【0048】フラグFに1がセットされると、次回から
はステップ47からステップ53へ進むようになり、ステッ
プ53で演算回数nを1アップした後で、ステップ54で前
記演算回数nが3になったか否かを判別する。前記ステ
ップ54における判別は、前記変化率ΔXが所定値ΔXs
未満になってから演算された反転比Xが、平均値演算に
必要な3個になったか否かを判別するものである。
【0049】ステップ54で、演算回数nが3になったこ
とが判別されると、ステップ55へ進み、記憶されている
最新の3個の反転比X、即ち、前記変化率ΔXが所定値
ΔXs未満になってから演算された3個の反転比Xの平
均値Xavを算出する。次のステップ56では、前記平均値
Xavと所定値Xsとを比較して、触媒劣化(ステップ5
7)又は正常(ステップ58)を判別する。
【0050】尚、上記実施例では、変化率ΔXが所定値
ΔXs未満になってからは、変化率ΔXの演算及び判別
を行わない構成としたが、一旦変化率ΔXが所定値ΔX
s未満になってからも、変化率ΔXを監視し、変化率Δ
Xが所定値ΔXs以上になった場合には、そのときの反
転比Xを用いない構成としても良い。また、上記実施例
では、第1酸素センサ16と共に第2酸素センサ17を用い
て空燃比フィードバック制御を行う構成としたが、第1
酸素センサ16のみを用いて空燃比フィードバック制御を
行う構成であっても良い。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
かかる内燃機関の触媒劣化診断装置によると、診断領域
に入ってから演算された反転比のうちの初期の所定数に
ついては診断に用いず、前記所定数以降に演算された反
転比に基づいて劣化診断を行わせる構成としたので、診
断領域に入った直後の触媒温度が低い状態で演算された
反転比に基づいて、触媒劣化が誤診断されることを回避
できるという効果がある。
【0052】請求項2の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、所定の診断領域内に留まっている
間に、触媒が活性温度に達するものと予測される回数だ
け反転比が演算された場合には、診断領域を抜け出す直
前に演算された反転比に基づいて劣化診断を行わせるよ
うにしたので、なるべく診断領域内に長くいて触媒が確
実に活性温度に達している状態で演算された反転比に基
づいて、診断を精度良く行わせることができるという効
果がある。
【0053】請求項3の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、診断領域に入ってから所定数だけ
反転比が演算された後は、直後から信頼性の高い診断が
可能であると見做し、前記所定数直後の反転比に基づい
て劣化診断を行わせるようにしたので、早期に高精度の
診断結果が得られるという効果がある。請求項4の発明
にかかる内燃機関の触媒劣化診断装置によると、反転比
の変化率を演算させ、該変化率が所定値以下であるとき
の反転比、換言すれば、安定状態にある反転比に基づき
劣化診断させるようにしたので、触媒が確実に活性温度
に達した状態で、速やかに劣化診断を行わせることがで
きるという効果がある。
【0054】請求項5の発明にかかる内燃機関の触媒劣
化診断装置によると、複数の反転比の平均値に基づ劣化
診断を行わせ、反転比の変動による診断精度の低下を回
避することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明にかかる診断装置の基本構成を
示すブロック図。
【図2】請求項4の発明にかかる診断装置の基本構成を
示すブロック図。
【図3】本発明の一実施例を示すシステム概略図。
【図4】第1実施例の触媒劣化診断制御を示すフローチ
ャート。
【図5】第2実施例の触媒劣化診断制御を示すフローチ
ャート。
【図6】第3実施例の触媒劣化診断制御を示すフローチ
ャート。
【図7】従来の診断制御の問題点を説明するためのタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1 機関 6 燃料噴射弁 10 三元触媒(排気浄化触媒) 12 コントロールユニット 13 エアフローメータ 14 クランク角センサ 16 第1酸素センサ 17 第2酸素センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
    と、 該排気浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ設けら
    れ、排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する第1
    及び第2の酸素センサと、 少なくとも前記第1の酸素センサの出力値に基づいて機
    関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に近づける方向に機
    関への燃料供給量をフィードバック制御する空燃比フィ
    ードバック制御手段と、 を備えてなる内燃機関において、 前記空燃比フィードバック制御手段によるフィードバッ
    ク制御中に、前記上流側の第1酸素センサと前記下流側
    の第2酸素センサとの出力反転比を所定の演算周期毎に
    演算する反転比演算手段と、 前記排気浄化触媒の劣化診断を行う所定の運転領域を検
    出する診断領域検出手段と、 該診断条件検出手段で検出される所定の運転領域内にお
    いて前記反転比演算手段で所定の演算周期毎に演算され
    た時系列的な複数の反転比のうち、初期の所定数以降の
    反転比に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断する劣
    化診断手段と、 を含んで構成された内燃機関の触媒劣化診断装置。
  2. 【請求項2】前記劣化診断手段が、前記所定の運転領域
    内に留まっている間に演算された前記反転比が前記所定
    数以上であるときに、前記所定の運転領域を抜け出す直
    前に演算された反転比に基づいて劣化診断を行うことを
    特徴とする請求項1記載の内燃機関の触媒劣化診断装
    置。
  3. 【請求項3】前記劣化診断手段が、初期の所定数直後に
    演算された反転比に基づいて劣化診断を行うことを特徴
    とする請求項1記載の内燃機関の触媒劣化診断装置。
  4. 【請求項4】機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒
    と、 該排気浄化触媒の上流側及び下流側にそれぞれ設けら
    れ、排気中の酸素濃度に感応して出力値が変化する第1
    及び第2の酸素センサと、 少なくとも前記第1の酸素センサの出力値に基づいて機
    関吸入混合気の空燃比を目標空燃比に近づける方向に機
    関への燃料供給量をフィードバック制御する空燃比フィ
    ードバック制御手段と、 を備えてなる内燃機関において、 前記空燃比フィードバック制御手段によるフィードバッ
    ク制御中に、前記上流側の第1酸素センサと前記下流側
    の第2酸素センサとの出力反転比を所定の演算周期毎に
    演算する反転比演算手段と、 該反転比演算手段で演算される反転比の変化率を演算す
    る反転比変化率演算手段と、 前記排気浄化触媒の劣化診断を行う所定の運転領域を検
    出する診断領域検出手段と、 該診断条件検出手段で検出される所定の運転領域内にお
    いて、前記反転比の演算周期毎の変化率が所定値以下で
    あるときの前記反転比に基づいて前記排気浄化触媒の劣
    化を診断する劣化診断手段と、 を含んで構成された内燃機関の触媒劣化診断装置。
  5. 【請求項5】前記劣化診断手段が、複数の反転比の平均
    値に基づいて前記排気浄化触媒の劣化を診断することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の内燃機
    関の触媒劣化診断装置。
JP7089097A 1995-04-14 1995-04-14 内燃機関の触媒劣化診断装置 Pending JPH08284649A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003083047A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Mazda Motor Corp エンジンの排気浄化装置及びその浄化性能判定方法

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