JPH08283986A - 筒状部分の内周面形成方法及び内面めっきエンジンシリンダ - Google Patents

筒状部分の内周面形成方法及び内面めっきエンジンシリンダ

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JPH08283986A
JPH08283986A JP8403795A JP8403795A JPH08283986A JP H08283986 A JPH08283986 A JP H08283986A JP 8403795 A JP8403795 A JP 8403795A JP 8403795 A JP8403795 A JP 8403795A JP H08283986 A JPH08283986 A JP H08283986A
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inner peripheral
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tubular portion
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Masaaki Isobe
正章 磯部
Seiji Inoue
清治 井上
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワークに最適な筒状部分の内周面を形成す
る。 【構成】 シリンダブロック1のシリンダ1aをクラン
クケース側から燃焼室側に向かって先拡がりの円錐台形
に形成し、このシリンダ1aの内部に電極13を突入さ
せた状態で、電極13とシリンダ1aとの間で処理液を
流動させながらめっき処理を行うことにより、シリンダ
1aの内周面に均一な厚さのめっき皮膜Pを形成する。
そして、一定径Rを有するホーニングヘッド31をシリ
ンダ1aの中心軸に沿って移動させることにでシリンダ
1aの内周面に対してホーニング仕上げ加工を施し、こ
れによりクランクケース側から燃焼室側に向かって厚み
が漸増し、かつその表面がシリンダ1aの中心軸と平行
となるめっき皮膜Paを得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒状部分を有するワー
クの当該筒状部分の内周面にめっき処理を施して当該内
周面を形成する筒状部分の内周面形成方法と、この方法
によりシリンダ内周面にめっき皮膜を形成した内面めっ
きエンジンシリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、筒状部分を有するワークの当該筒
状部分の内周面を形成する方法として、筒状部分の内径
を軸方向に略均一に形成しておき、その内周面にめっき
処理を施して厚みが略均一のめっき皮膜を形成した後、
このめっき皮膜の表面に仕上げ加工を施すことによっ
て、筒状部分の内径をその軸方向に均一に仕上げること
が行われている。具体的な例として、エンジンのシリン
ダブロックであれば、シリンダの内径をその軸方向に略
均一に加工しておき、シリンダ内周面にニッケル等のめ
っきを施した後にシリンダ内周面に対してホーニング加
工を施し、これによってシリンダ内径がその軸方向に均
一となるようにしてピストン摺動面を確保するようにし
ている。
【0003】なお、このようなめっきの方法としては、
処理液を溜めた浴槽にシリンダブロックを浸漬し、シリ
ンダ内に電極を位置させてシリンダと電極の間に電圧を
印加してめっきを施すようにした静止浴めっきの技術
や、シリンダ内に電極を位置させるとともに、シリンダ
の開口部を封鎖した状態で、シリンダ内に処理液を供給
してシリンダ内で処理液を流動させつつ、シリンダと電
極との間に電圧を印加してめっきを施すようにしたいわ
ゆる高速めっきの技術が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にして形成されたシリンダ内周面では、単に、めっき皮
膜がシリンダのクランクケース側から燃焼室側に亘って
略均一の厚さに形成されるため、エンジンの運転状態を
適正に維持する上では未だ改善の余地がある。
【0005】つまり、シリンダ内周面の摩耗特性は、熱
負荷が大きい側、すなわちシリンダヘッドに近い側での
摩耗が激しく、そのため、シリンダにおいては、クラン
クケース側に比べて燃焼室側の劣化が進行し易くなって
いる。
【0006】また、鍍着物資が例えばニッケルであり、
シリンダ母材がアルミ合金の場合においては、線膨張係
数はめっき層よりもシリンダ母材の方が大きく、このた
めエンジンの運転中にめっき層を外側に膨張させようと
する熱応力が作用する。一方、鍍着物資の方がシリンダ
母材より線膨張係数が大きいような場合には、逆に、エ
ンジンの運転中にめっき層を外側から圧縮しようとする
熱応力が作用する。すなわち、いずれの場合も、運転、
停止によるヒートサイクルが繰返されることにより熱応
力が断続的に作用し、めっき表面に亀裂が生じてエンジ
ンの長期の運転によりめっき層の剥離が生じる可能性が
あり、特に、温度が上昇し易いシリンダヘッド側で発生
する可能性が高い。
【0007】さらに、エンジンの運転中、シリンダ内周
は熱歪みにより内径がシリンダヘッド側ほど増加する。
このため、シリンダ内径をその軸方向に一定とするとエ
ンジンの運転中はシリンダヘッド側の内径が増加してし
まう。特に、吹き抜けが大きいため、シリンダヘッド側
の熱膨張に合わせてピストンリングの緊迫力が設定され
ると、運転中に、シリンダの軸方向において、クランク
ケース側の緊迫力が更に大きくなり、その部分の摩耗が
増加してしまうという問題もある。
【0008】従って、エンジンの適正な運転状態をより
長期に亘って保持するためには、このようなシリンダ内
周面の摩耗特性等を考慮してシリンダ内周面を形成し、
これにより上述のような偏っためっきの摩耗、あるいは
熱応力に対処してシリンダ内周面の耐久性を高める必要
がある。
【0009】本発明は、上記の技術的課題を解決するも
のであり、筒状部分の内径をその軸方向に均一に確保し
つつワークに適した厚みのめっき皮膜を形成することに
より、ワークに最適な筒状部分の内周面を形成する方法
を提供するとともに、これをエンジンシリンダの内周面
の形成に適用することにより高品質の内面めっきエンジ
ンシリンダを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る筒状部分
の内周面形成方法は、筒状部分を有するワークの当該筒
状部分の内径を筒状部分の軸方向片方側から他方側に向
かって変化するように形成し、上記筒状部分に電極を挿
入して筒状部分の内周面と電極との間を処理液で満たし
た状態で上記電極とワークの間に電圧を印加して筒状部
分の内周面にめっき処理を施した後、筒状部分の内周面
に形成されためっき皮膜の表面が筒状部分の中心軸と略
平行となるように仕上げ加工を施すようにしたものであ
る。
【0011】請求項2に係る筒状部分の内周面形成方法
は、請求項1記載の内周面形成方法において、上記筒状
部分の内径が大きい箇所ほどその内周面と電極との距離
が小さくなるようして上記めっき処理を施すようにした
ものである。
【0012】請求項3に係る筒状部分の内周面形成方法
は、筒状部分を有するワークの当該筒状部分の内径を筒
状部分の軸方向片方側から他方側に向かって変化するよ
うに形成し、上記筒状部分の内径が大きい箇所ほどその
内周面との距離が小さくなるように形成された電極を上
記筒状部分に挿入し、この電極と筒状部分の内周面との
間を処理液で満たした状態で上記電極とワークの間に電
圧を印加し、形成されるめっき皮膜の表面が筒状部分の
中心軸と略平行となるように筒状部分の内周面にめっき
処理を施すようにしたものである。
【0013】請求項4に係る筒状部分の内周面形成方法
は、請求項1乃至3のいずれかに記載の筒状部分の内周
面形成方法において、上記ワークをワーク支持部に載置
し、ワーク支持部に突設された流路構成部材を兼ねる電
極を上記ワーク筒状部分に突入させることにより筒状部
分の内部に処理液を流動させるための経路を形成し、こ
の状態で上記経路内に処理液を供給して筒状部分の内周
面に上記めっき処理を施すようにしたものである。
【0014】請求項5に係る筒状部分の内周面形成方法
は、請求項1乃至4のいずれかに記載の筒状部分の内周
面形成方法において、上記筒状部分の内周面形成方法
が、エンジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形
成する方法であって、上記シリンダの内径を当該シリン
ダのクランクケース側から燃焼室側に向かって先拡がり
に形成して上記めっき処理を施すようにしたものであ
る。
【0015】請求項6に係る筒状部分の内周面形成方法
は、請求項1乃至4のいずれかに記載の筒状部分の内周
面形成方法において、上記筒状部分の内周面形成方法
が、エンジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形
成する方法であって、上記シリンダの内径を当該シリン
ダの燃焼室側からクランクケース側に向かって先拡がり
に形成して上記めっき処理を施すようにしたものであ
る。
【0016】請求項7に係る筒状部分の内周面形成方法
は、請求項1乃至4のいずれかに記載の筒状部分の内周
面形成方法において、上記筒状部分の内周面形成方法
が、エンジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形
成する方法であって、上記シリンダの内径を当該シリン
ダの軸方向略中央部分から燃焼室側及びクランクケース
側に向かってそれぞれ先拡がりに形成して上記めっき処
理を施すようにしたものである。
【0017】請求項8に係る内面めっきエンジンシリン
ダは、上記請求項5記載の筒状部分の内周面形成方法に
よりシリンダ内周面を形成したエンジンシリンダであっ
て、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシリンダのク
ランクケース側から燃焼室側に向かって漸増し、かつめ
っき皮膜の表面がシリンダの中心軸と平行になるように
形成されてなるものである。
【0018】請求項9に係る内面めっきエンジンシリン
ダは、上記請求項6記載の筒状部分の内周面形成方法に
よりシリンダ内周面を形成したエンジンシリンダであっ
て、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシリンダの燃
焼室側からクランクケース側に向かって漸増し、かつめ
っき皮膜の表面がシリンダの中心軸と平行になるように
形成されてなるものである。
【0019】請求項10に係る内面めっきエンジンシリ
ンダは、上記請求項7記載の筒状部分の内周面形成方法
によりシリンダ内周面を形成したエンジンシリンダであ
って、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシリンダの
軸方向略中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に
向かってそれぞれ漸増し、かつめっき皮膜の表面がシリ
ンダの中心軸と平行になるように形成されてなるもので
ある。
【0020】
【作用】上記請求項1記載の筒状部分の内周面形成方法
によれば、内径がその軸方向に変化する筒状部分の内周
面にめっき皮膜が形成され、このめっき皮膜の表面が筒
状部分の中心軸と略平行となるように加工されるので、
めっき皮膜の内周面の径をその軸方向に均一に形成しな
がら、筒状部分の内径が大きい箇所ではめっき皮膜の厚
みを厚く、逆に、筒状部分の内径が小さい箇所ではめっ
き皮膜の厚みを薄く形成することが可能となる。
【0021】上記請求項2記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、筒状部分内周面において内径が大きい箇
所での鍍着物質の析出が効果的に促進され、当該内径が
大きい箇所でのめっき皮膜の厚みを効果的に厚く形成す
ることができる。
【0022】上記請求項3記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、筒状部分の内径が大きい箇所ではめっき
皮膜の厚みが厚く、また、筒状部分の内径が小さい箇所
ではめっき皮膜の厚みが薄く、しかもめっき皮膜の表面
が筒状部分の中心軸と略平行となるめっき皮膜が形成さ
れるため、特別の仕上げ加工を要することなく、めっき
皮膜を形成した筒状部分の内径をその軸方向に均一とす
ることが可能となる。
【0023】上記請求項4記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、処理液が流動させられることにより電極
と筒状部分の内周面の間の処理液中の鍍着物質の濃度が
高濃度に維持されることになり、これによって鍍着物質
の析出が効果的に促進されて、上述のような筒状部分内
周面の形成が効率良く行われる。
【0024】上記請求項5記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、エンジンのシリンダにおいて、摩耗、あ
るいはめっき皮膜の剥離が発生し易い燃焼室側でのめっ
き皮膜の厚みを厚くしながら、めっき皮膜を形成したシ
リンダの内径をその軸方向に均一としてピストン摺動面
を確保することが可能となる。
【0025】上記請求項6記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、エンジンのシリンダにおいてピストンリ
ングの緊迫力に起因するめっき皮膜の摩耗が発生し易い
クランクケース側でのめっき皮膜の厚さを厚くしなが
ら、めっき皮膜を形成したシリンダの内径をその軸方向
に均一としてピストン摺動面を確保することが可能とな
る。
【0026】上記請求項7記載の筒状部分の内周面形成
方法によれば、エンジンのシリンダにおいて摩耗、ある
いはめっき皮膜の剥離が発生し易い燃焼室側、およびピ
ストンリングの緊迫力に起因する摩耗が発生し易いクラ
ンクケース側でのめっき皮膜の厚みをそれぞれ厚くしな
がら、めっき皮膜を形成したシリンダの内径をその軸方
向に均一としてピストン摺動面を確保することが可能と
なる。
【0027】上記請求項8記載の内面めっきエンジンシ
リンダによれば、燃焼室側でのめっき皮膜の厚みが厚く
なっているので、燃焼室側での摩耗によるめっき皮膜の
耐久性の低下が抑制される。
【0028】上記請求項9記載の内面めっきエンジンシ
リンダによれば、クランクケース側でのめっき皮膜の厚
みが厚くなるので、ピストンリングの緊迫力に起因する
クランクケース側のめっき皮膜の摩耗による耐久性の低
下が抑制される。
【0029】上記請求項10記載の内面めっきエンジン
シリンダによれば、ピストンリングの緊迫力に起因する
クランクケース側のめっき皮膜の摩耗による耐久性の低
下が抑制されるとともに、燃焼室側での摩耗によるめっ
き皮膜の耐久性の低下が抑制される。
【0030】
【実施例】本発明の内周面形成方法の第1実施例につい
て図面を用いて説明する。
【0031】本実施例は、エンジンのシリンダブロック
のシリンダ内周面にめっき処理を施した後、シリンダの
内周面に対してホーニング加工を施すことによってピス
トン摺動面を形成するものである。
【0032】シリンダの内周面にめっきを施す装置とし
ては、例えば、図1に示すようなめっき処理装置が適用
される。このめっき処理装置は、いわゆる高速めっきを
行うための装置で、以下に説明するような構成となって
いる。
【0033】すなわち、同図に示すめっき処理装置10
Aには、ワーク支持部としての支持ブロック11が設け
られ、この支持ブロック11上にワークとしてのシリン
ダブロック1が支持されてシリンダ1aの下方開口部
(すなわち、燃焼室側の開口部)が支持ブロック11で
塞がれるようになっている。
【0034】具体的には、シリンダ1aを有するシリン
ダ構成部分とスカート状のクランクケース部とが一体に
形成された4サイクルエンジンのシリンダブロック1
が、車両への搭載時の状態と比べて上下反転した状態で
支持ブロック11に支持され、この状態でシリンダ1a
の燃焼室側の開口部が支持ブロック11で塞がれるよう
になっている。
【0035】本実施例に用いられる上記シリンダブロッ
ク1は、図2に示すように、シリンダ1aの内周面に対
してテーパ加工が施されている。すなわち、シリンダ1
aの内周面が鉛直軸に対して所定の角度(傾斜角度
α1)で傾斜し、これによってシリンダ1aがクランク
ケース側から燃焼室側(図2では上方から下方)に向か
って先拡がりの円錐台形となるように形成されている。
【0036】なお、上記傾斜角度α1は、シリンダ1a
に形成されるめっき皮膜に対して所望の厚み変化を与え
ることが可能となるように設定されている。すなわち、
めっき皮膜の厚みの変化を大きくする場合には傾斜を大
きくするようになっている。
【0037】上記支持ブロック11には、図1に示すよ
うに、シリンダブロック1のシリンダ構成部分の下方と
なる位置に処理液導出通路12が形成されるとともに、
支持ブロック11の上面には、シリンダブロック1のシ
リンダ1aに対応する位置に、上記処理液導出通路12
に連通する開口部11aが設けられている。そして、上
述のようにシリンダブロック1が支持ブロック11上に
支持された状態では、シリンダブロック1のシリンダ1
aの下方開口部と上記開口部11aとが合致するように
なっている。なお、シリンダブロック1が支持ブロック
11上に支持された状態では、これらの間が電気的に絶
縁され、かつ処理液が外部に洩れることがないようにシ
ールされている。
【0038】さらに、めっき処理装置10Aには、上記
シリンダブロック1のシリンダ1aに対応する位置に流
路構成部材を兼ねる電極13が配設されている。電極1
3は、その径が軸方向に均一の筒状に形成されており、
上記処理液導出通路12の底部に取付けられたホルダー
14を介して支持ブロック11に取付けられるととも
に、処理液導出通路12を突き抜けて上記開口部11a
から上方に突出している。
【0039】そして、支持ブロック11上にシリンダブ
ロック1が支持された状態で、電極13がシリンダブロ
ック1のシリンダ1a内に突入してその上端がシリンダ
1aの上端近傍に達し、かつ電極13の外周面とシリン
ダ内周面との間に所定の隙間が保たれるようになってい
る。これにより、シリンダブロック1のシリンダ1a内
で電極13の内側と外側に、上部で互いに連通する流路
15,16が形成されるとともに、外側の流路16が処
理液導出通路12に連通するようになっている。
【0040】また、上記ホルダー14には貫通孔が形成
されており、この貫通孔と支持ブロック11に形成され
た貫通孔とによって上記電極13の内側の流路15に連
通する処理液導入通路17が形成されている。
【0041】一方、上述のようにめっき処理装置10A
に支持されたシリンダブロック1の上部には、シリンダ
1aの上記支持ブロック11側とは反対側の開口部であ
る上部開口部(すなわち、クランクケース側の開口部)
を塞ぐためのシール治具18が装着されている。
【0042】このシール治具18は、シリンダブロック
1の上部に圧接されるプレート部材19と、このプレー
ト部材19の下方に突出する柱状部材20と、この柱状
部材20の下端部にゴム等の弾性部材からなる拡縮可能
な傘状等のシール部材21とから構成されており、同図
に示すようにプレート部材19がシリンダブロック1上
部に圧接されることにより柱状部材20がシリンダ1a
に突入され、さらに、この状態で上記プレート部材19
が拡開されることにより、プレート部材19の外周部が
シリンダ1aの内周面に圧接されてシリンダ1aのクラ
ンクケース側の開口部がシールされるようになってい
る。
【0043】なお、上記めっき処理装置10に対する処
理液の給排系統は、図1に示すように、処理液が、処理
液貯蔵タンク22からポンプ23及び各バルブ24,2
5を備えた処理液供給管26を介して上記処理液導入通
路17に送り込まれ、上記流路15,16を通った後に
処理液導出通路12から処理液回収管27を介して処理
液貯蔵タンク22に回収されるように構成されている。
【0044】また、めっき処理装置10Aに対する電気
系統は、シール治具18及び支持ブロック11がそれぞ
れ電流調整器28に接続されるとともに、この電流調整
器28が交直変換器29を介して交流電源30に接続さ
れ、これにより支持ブロック11を介して上記電極13
とシリンダブロック1との間に電圧が印加されるように
構成されている。
【0045】そして、このめっき処理装置10Aにおい
て、シリンダブロック1が支持ブロック11に支持され
た図1に示す状態で、上記給排系統により処理液の供
給、循環が行われるとともに、電極13への通電が行わ
れ、これによりシリンダブロック1のシリンダ1aの内
周面にめっきが施される。
【0046】具体的には、処理液導入通路17に供給さ
れた処理液が、図1中に矢印で示すように、電極13の
内側の流路15を通り、電極13の上端部分を経て、電
極13の外側面とシリンダ1aの内周面の間の流路16
へ流れる。そしてさらに、開口部11aを介して処理液
導出通路12に流れ込んだ後、処理液貯蔵タンク22に
戻される。そして、このように処理液が循環され、シリ
ンダブロック1のシリンダ1a内周面に沿って処理液が
流動させられつつ、上記電極13とシリンダ1aとの間
に電流が通電されることによりシリンダ1aに対してめ
っきが施され、図2に示すように、シリンダ1aの軸方
向に略均一の厚みを有するめっき皮膜Pが形成される。
この場合、傾斜角度α1は小さく、かつ電極とシリンダ
内周面との距離が大きい状態でめっき処理を行っている
ので、後述する第4〜第6実施例のようにシリンダ内周
面と電極との距離が大きく変わることがなく、従ってめ
っき析出速度は略均一となる。
【0047】このようにしてめっき処理装置10Aによ
りシリンダ1aの内周面にめっき皮膜Pが形成される
と、シリンダブロック1がめっき処理装置10Aから取
外されてシリンダ1aの水洗が行われた後、シリンダ1
aに対して所定のホーニング仕上げ加工が施される。
【0048】ホーニング仕上げ加工は、詳しく図示して
いないが、一定径Rを有する円柱状のホーニングヘッド
31(図2参照)を回転させながらシリンダ1aの中心
軸に沿ってシリンダ1aの内部を移動させることにより
行われる。
【0049】これによりめっき皮膜Pが削られて、シリ
ンダ1aの内径がその軸方向に均一になるように仕上げ
られ、図5に示すようにクランクケース側から燃焼室側
に向かって厚みが漸増し、かつその表面がシリンダ1a
の中心軸と平行となるめっき皮膜Paが形成されたシリ
ンダ内周面が得られる。
【0050】このようにして得られたシリンダ内周面に
よれば、上述のように、めっき皮膜の厚みがシリンダ1
aのクランクケース側から燃焼室側に向かって漸増する
ため、熱負荷が大きく、それ故に摩耗が激しい燃焼室側
でのシリンダ1aのめっき皮膜の劣化を抑えることがで
きる。しかも、皮膜表面がシリンダ1aの中心軸と平行
となっているので、ピストンの摺動面も適切に確保され
る。従って、従来のように、クランクケース側から燃焼
室側に亘って略一定の厚さのめっき皮膜を形成していた
シリンダブロックと比較すると、シリンダ1aのめっき
皮膜の耐久性がより良く高められ、これによりエンジン
の運転状態を長期に亘り適正に維持することが可能とな
る。
【0051】なお、このような内周面形成方法の第2実
施例として、図3に示すように、内周面が鉛直軸に対し
て所定の角度(傾斜角度α2)で傾斜し、これによって
燃焼室側からクランクケース側に向かって先拡がりに形
成されたシリンダ2aを有するシリンダブロック2をワ
ークとするようにしても有効である。
【0052】この場合には、図3に示すように、シリン
ダ2aの内周面に対して略均一なめっき皮膜Pが形成さ
れた後、一定径Rを有する円柱状のホーニングヘッド3
1によりホーニング仕上げ加工が行われることで、完成
したシリンダ2aの内周面に、図6に示すように燃焼室
側からクランクケース側に向かって厚みが漸増し、かつ
その表面がシリンダ2aの中心軸と平行となるめっき皮
膜Pbを形成することができる。
【0053】このめっき皮膜Paによれば、その厚みが
シリンダ2aの燃焼室側からクランクケース側に向かっ
て漸増するため、クランクケース側でのシリンダ2aの
めっき皮膜の劣化を効果的に抑えることができる。その
ため、シリンダヘッド側の熱膨張に合わせてピストンリ
ングの緊迫力が設定され、これによって、エンジンの運
転中にクランクケース側のピストンリングの緊迫力が増
加するような事態が生じても、クランクケース側でのめ
っき皮膜の耐久性を効果的に高めることができる。
【0054】さらに、内周面形成方法の第3実施例とし
て、図4に示すように、シリンダの内周面が、その軸方
向略中央部分からクランクケース側及び燃焼室側へそれ
ぞれ鉛直軸に対して所定の角度(燃焼室側に向かって傾
斜角度α3、クランクケース側に向かって傾斜角度α4
で傾斜し、これによって軸方向略中央部分から燃焼室側
及びクランクケース側に向かってそれぞれ先拡がりに形
成されたシリンダ3aを有するシリンダブロック3をワ
ークとするようにしても有効である。
【0055】この場合には、図4に示すように、シリン
ダ3aの内周面に対して略均一なめっき皮膜Pが形成さ
れた後、一定径Rを有する円柱状のホーニングヘッド3
1によりホーニング仕上げ加工が行われることで、完成
したシリンダ3aの内周面に、図7に示すようにシリン
ダ3aの軸方向略中央部分から燃焼室側及びクランクケ
ース側に向かって厚みが漸増し、かつその表面がシリン
ダ3aの中心軸と平行となるめっき皮膜Pcを形成する
ことができる。
【0056】このめっき皮膜Pcによれば、その厚みが
シリンダ3aの軸方向中央部分から燃焼室側及びクラン
クケース側に向かってそれぞれ漸増するため、燃焼室側
及びクランクケース側双方でのシリンダ3aのめっき皮
膜の劣化を効果的に抑えることができる。従って、上記
めっき皮膜Pc,Pb双方の効果、つまり熱負荷、ある
いは熱応力が大きく、それ故に摩耗が激しい燃焼室側で
のめっき皮膜の劣化抑制、およびピストンリングの緊迫
力の増大に起因したクランクケース側でのめっき皮膜の
劣化抑制といった双方の効果を得ることが可能である。
【0057】次に、本発明の内周面形成方法の第4実施
例について説明する。
【0058】第4実施例の内周面形成方法は、上記シリ
ンダブロック1をワークとしてそのシリンダ1aの内周
面にめっき処理を施すことによりシリンダ内周面を形成
する方法であり、この点で上記第1実施例と共通する
が、基本的にホーニング加工を行わない点で第1実施例
の内周面形成方法と相違している。
【0059】第4実施例の内周面形成方法におけるめっ
き処理は、上記めっき処理装置10Aの電極13に代え
て、図8に示すような電極33を設けためっき処理装置
10Bにより行われる。なお、めっき処理装置10Bの
電極以外の構成は上記めっき処理装置10Aと同一であ
るため同一符号を用いて説明することにする。
【0060】上記電極33は、その外周面がテーパ状に
形成されている。具体的には、同図に示すように、外周
面が鉛直軸に対して所定の角度(傾斜角度β1)で傾斜
し、これにより全体が上方から下方、つまりシリンダ1
aのクランクケース側から燃焼室側に向かって次第に太
くなる円錐台形に形成されている。
【0061】ここで、上記電極33の傾斜角度β1は、
上記シリンダブロック1におけるシリンダ1aの傾斜角
度α1よりも充分に大きくされており、これによってシ
リンダ1aの内周面と電極33の外周面との間に形成さ
れる流路16が、上方から下方、つまりシリンダ1aの
クランクケース側から燃焼室側に向かって徐々に狭まる
ように設定されている。
【0062】このようなめっき処理装置10Bによりシ
リンダ1aにめっき処理が施されることにより、上記第
1実施例同様、めっき皮膜の厚みがクランクケース側か
ら燃焼室側に向かって漸増し、かつその表面がシリンダ
1aの中心軸と平行となるめっき皮膜をシリンダ1aに
形成することが可能となっている。
【0063】すなわち、処理液を流動させてめっきを行
う装置では、電極と処理面の距離が接近しているほど、
処理時の電流密度が高くなって鍍着物質の析出が促進さ
れる。また、処理液の流動速度が高いほど、電極と処理
面の間に存する処理液中の鍍着物質濃度が高く維持さ
れ、これによって鍍着物質の析出が促進されることにな
る。そのため、流路16がクランクケース側から燃焼室
側に向かって狭まっている上記めっき処理装置10Bで
は、シリンダ1aと電極33との距離がクランクケース
側から燃焼室側に向かって接近しており、また、これに
よって流路16を流れる処理液の流動速度がクランクケ
ース側から燃焼室側に向かって高まることになるので、
上述のような鍍着物質の析出促進作用が効果的に発揮さ
れ、その結果、シリンダ1aへの鍍着物質の析出量がク
ランクケース側から燃焼室側に向かって増加してめっき
皮膜の厚みがシリンダ1aのクランクケース側から燃焼
室側に向かって漸増することになる。
【0064】従って、クランクケース側から燃焼室側に
向かって先拡がりの円錐台形に形成されている上記シリ
ンダブロック1のシリンダ1aに上述のようにしてめっ
きを施し、この処理において、皮膜表面がシリンダ1a
の中心軸と平行に形成されるようにシリンダ1aの内周
面の傾斜角度α1、電極33の傾斜角度β1、電極33へ
の通電量及びめっき処理時間等を適宜設定することによ
って、シリンダ1aのクランクケース側から燃焼室側に
向かってその厚みが漸増し、かつめっき皮膜の表面がシ
リンダ1aの中心軸と平行、もしくはこれに近い状態と
なるようなめっき皮膜Pa(図5参照)を形成すること
ができる。そして、必要に応じてさらにホーニング仕上
げ加工を施すことによりめっき皮膜の表面をシリンダ1
aの中心軸と平行にする。
【0065】なお、上記第4実施例のめっき処理装置1
0Bにおいては、上記電極33を図9に示すように構成
することによってもめっき皮膜の厚みを燃焼室側からク
ランクケース側に向かって漸増させることができる。
【0066】この電極33は、その径が軸方向に均一と
され、あるいはその外周面が鉛直軸に対してシリンダ1
aの傾斜角度α1と同一の角度で傾斜することにより全
体が上方から下方に向かって次第に太くなる円錐台形に
形成されている。また、電極33には、流路15と流路
16とを連通する連通路35が電極33の周方向及び軸
方向に多数形成されている。
【0067】この電極33にれば、流路16がシリンダ
1aのクランクケース側から燃焼室側に向かって狭まる
ことはないが、処理液が電極33の上端部分を経て流路
16に流れ込む以外に上記連通路35を介して流路16
に流れ込むため、これによって処理液の流動速度がクラ
ンクケース側から燃焼室側に向かって高められる。その
ため、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがクランクケ
ース側から燃焼室側に向かって漸増することになり、こ
れにより上記めっき皮膜Paを得ることが可能となる。
【0068】次に、本発明の内周面形成方法の第5実施
例について説明する。
【0069】第5実施例の内周面形成方法は、上記シリ
ンダブロック2をワークとしてそのシリンダ2aの内周
面にめっき処理を施すことによりシリンダ内周面を形成
する方法であり、この点で上記第2実施例と共通する
が、ホーニング加工を行わない点で第2実施例の内周面
形成方法と相違している。
【0070】第5実施例の内周面形成方法におけるめっ
き処理は、上記めっき処理装置10Aの電極13に代え
て、図10に示すような電極43を設けためっき処理装
置10Cにより行われる。なお、めっき処理装置10C
の電極以外の構成は上記めっき処理装置10Aと同一で
あるため同一符号を用いて説明することにする。
【0071】上記電極43は、その外周面がテーパ状に
形成されている。具体的には、同図に示すように、外周
面が鉛直軸に対して所定の角度(傾斜角度β2)で傾斜
し、これにより全体が下方から上方、つまりシリンダ2
aの燃焼室側からクランクケース側に向かって次第に太
くなる円錐台形に形成されている。
【0072】ここで、上記電極43の傾斜角度β2は、
上記シリンダブロック2におけるシリンダ2aの傾斜角
度α2よりも大きくされており、これによってシリンダ
2aの内周面と電極43の外周面との間に形成される流
路16が、シリンダ2aの燃焼室側からクランクケース
側に向かって徐々に狭まるように設定されている。
【0073】このように流路16が燃焼室側からクラン
クケース側に向かって狭まっているめっき処理装置10
Cでは、シリンダ2aと電極43との距離が燃焼室側か
らクランクケース側に向かって接近し、また流路16を
流れる処理液の流動速度が燃焼室側からクランクケース
側に向かって高まることになるので、シリンダ2aへの
鍍着物質の析出量が燃焼室側からクランクケース側に向
かって増加し、その結果、めっき皮膜の厚みがシリンダ
2aの燃焼室側からクランクケース側に向かって漸増す
ることになる。
【0074】従って、シリンダ2aの内周面の傾斜角度
α2、電極43の傾斜角度β2、電43への通電量及びめ
っき処理時間等を適宜設定することによって、シリンダ
2aの燃焼室側からクランクケース側に向かってその厚
みが漸増し、かつめっき皮膜の表面がシリンダ2aの中
心軸と平行となるようなめっき皮膜Pb(図6参照)を
形成することができる。
【0075】なお、上記第5実施例のめっき処理装置1
0Cおいては、上記電極43を図11に示すように構成
することによってもめっき皮膜の厚みを燃焼室側からク
ランクケース側に向かって漸増させることができる。
【0076】この電極43は、その径が軸方向に均一と
され、あるいはその外周面が鉛直軸に対してシリンダ2
aの傾斜角度α2と同一の角度で傾斜することにより全
体が下方から上方に向かって次第に太くなる円錐台形に
形成されている。また、電極43には、上記流路15以
外に、流路16をシリンダ内周面に対向する部分より下
方の位置にバイパスする流路45が形成され、この流路
45と流路16とを連通する連通路46が電極43の周
方向及び軸方向に多数形成されている。
【0077】この電極43によれば、流路16がシリン
ダ2aの燃焼室側からクランクケース側に向かって狭ま
ることはないが、流路16の処理液が連通路46を介し
て流路45に流れ込むことによって流路16を流れる処
理液の流動速度がクランクケース側から燃焼室側に向か
って遅くなる。つまり、換言すれば、処理液の流動速度
が燃焼室側からクランクケース側に向かって高められ
る。そのため、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みが燃
焼室側からクランクケース側に向かって漸増することに
なり、これにより上記めっき皮膜Pbを得ることが可能
となる。
【0078】次に、本発明の内周面形成方法の第6実施
例について説明する。
【0079】第6実施例の内周面形成方法は、上記シリ
ンダブロック3をワークとしてそのシリンダ3aの内周
面にめっき処理を施すことによりシリンダ内周面を形成
する方法であり、この点で上記第3実施例と共通する
が、ホーニング加工を行わない点で第3実施例の内周面
形成方法と相違している。
【0080】第6実施例の内周面形成方法におけるめっ
き処理は、上記めっき処理装置10Aの電極13に代え
て、図12に示すような電極53を設けためっき処理装
置10Dにより行われる。なお、めっき処理装置10D
の電極以外の構成は上記めっき処理装置10Aと同一で
あるため同一符号を用いて説明することにする。
【0081】上記電極53は、外周面がその軸方向略中
央部分から上方及び下方へそれぞれ鉛直軸に対し所定の
角度(下方に向かって傾斜角度β3、上方に向かって傾
斜角度β4)で傾斜し、これにより全体が軸方向略中央
部分から上方及び下方に向かって次第に太くなる形状に
形成されている。
【0082】ここで、電極53とシリンダ3aとの関係
では、傾斜角度α3<傾斜角度β3、傾斜角度α4<傾斜
角度β4となっており、これによってシリンダ3aの内
周面と電極53の外周面との間に形成される流路16
が、上下方向中央部分から下方及び上方、つまりシリン
ダ3aの軸方向中央部分から燃焼室側及びクランクケー
ス側に向かってそれぞれ徐々に狭まるように設定されて
いる。
【0083】このように流路16が中央部分から燃焼室
側及びクランクケース側に向かってそれぞれ狭まってい
るめっき処理装置10Dでは、シリンダ3aと電極53
との距離が中央部分から燃焼室側及びクランクケース側
に向かっそれぞれ接近し、また流路16を流れる処理液
の流動速度が中央部分から燃焼室側及びクランクケース
側に向かってそれぞれ高まることになる。そのため、シ
リンダ3aへの鍍着物質の析出量が中央部分から燃焼室
側及びクランクケース側に向かってそれぞれ増加し、め
っき皮膜の厚みがシリンダ3aの中央部分から燃焼室側
及びクランクケース側に向かってそれぞれ漸増すること
になる。
【0084】従って、シリンダ3aの内周面の傾斜角度
α3,α4、電極53の傾斜角度β3,β4、電53への通
電量及びめっき処理時間等を適宜設定することによっ
て、シリンダ3aの中央部分から燃焼室側及びクランク
ケース側に向かってその厚みが漸増し、かつめっき皮膜
の表面がシリンダ3aの中心軸と平行となるようなめっ
き皮膜Pc(図7参照)を形成することができる。
【0085】なお、上記第6実施例のめっき処理装置1
0Dおいては、上記電極53を図13に示すように構成
することによってもめっき皮膜の厚みをシリンダ3aの
中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に向かって
漸増させることができる。
【0086】この電極53では、その径が軸方向に均一
とされ、あるいはその外周面が鉛直軸に対してシリンダ
3aの傾斜角度α3,α4と同一の角度で傾斜することに
より全体が軸方向略中央部分から上方及び下方に向かっ
て次第に太くなる形状に形成されている。また、電極5
3には、流路15から分岐してシリンダ3aの軸方向略
中央部分に達する流路15aが設けられるとともに、流
路15aと流路16とを連通する連通路57が電極53
の周方向及び軸方向に多数形成されている。さらに、電
極53には、流路16をシリンダ内周面に対向する部分
より下方の位置にバイパスする流路55が形成され、こ
の流路55と流路16とを連通する連通路56がシリン
ダ3aの軸方向中央部分より上方位置において電極53
の周方向及び軸方向に多数形成されている。
【0087】この電極53よれば、流路16がシリンダ
3aの中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に向
かって狭まることはないが、流路16の処理液が連通路
56を介して流路55に流れ込むことによって流路16
を流れる処理液の流動速度がクランクケース側からシリ
ンダ中央部分に向かって遅くなるとともに、流路15a
に供給される処理液が連通路57を介して流路16に流
れ込むことによって流路16を流れる処理液の流動速度
がシリンダ3aの中央部分から燃焼室側に向かって高ま
ることになる。つまり、処理液の流動速度がシリンダ3
aの中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に向か
ってそれぞれ高くなっている。そのため、シリンダ内周
面のめっき皮膜の厚みがシリンダ3aの中央部分から燃
焼室側及びクランクケース側に向かってそれぞれ漸増す
ることになり、これにより上記めっき皮膜Pcを得るこ
とが可能となる。
【0088】上記第1〜6実施例で説明したように、本
発明の内周面形成方法を適用してシリンダ内周面を形成
することによってピストン摺動面として好適なシリンダ
内周面を形成することができる。特に、第4〜第6実施
例の内周面形成方法によれば、めっき処理においてシリ
ンダの中心軸とめっき皮膜表面とが平行に近い状態にめ
っき皮膜を形成することができるので、ホーニング仕上
げ加工でめっき皮膜方面とシリンダの中心軸とを容易に
平行にすることができる。なお、めっき処理においてシ
リンダの中心軸とめっき皮膜表面の平行が達成されれ
ば、ホーニング仕上げ加工を省略することも可能であ
る。
【0089】ところで、上記各実施例の内周面形成方法
におけるめっき処理では、いわゆる高速めっき処理を行
うようになっているが、これ以外に、シリンダと電極の
間に処理液を溜めてめっき処理を行う静止浴めっきの方
法によりめっき処理を行うようにしても構わない。
【0090】図14は、このような静止浴めっきの方法
によりシリンダブロックのシリンダ内周面にめっき処理
を施す装置の一例を示している。この図に示すめっき処
理装置10Eは、処理液を貯留する処理槽62を備える
とともに、ワークとして、4サイクルエンジンのシリン
ダブロック4を収納した箱型のめっき治具63が処理槽
62中の処理液に沈められることでめっき処理が行われ
るようになっている。
【0091】上記シリンダブロック4は、燃焼室側を上
方にした状態でめっき治具63の内部に載置され、めっ
き治具63の底部に突設されたシール治具67によって
シリンダ4aのクランクケース側の開口部がシールされ
るようになっている。また、めっき治具63の上部に
は、シリンダブロック4との間をシールした状態で蓋体
64が装着され、この状態で蓋体64に形成された開口
部65がシリンダ4aの燃焼室側の開口部と合致するよ
うになっている。
【0092】そして、この蓋体64の開口部65を介し
て電極66が突入させられ、この電極66及び処理槽6
2が交直変換器61を介して交流電源60に接続されて
いる。
【0093】このめっき処理装置10Eによれば、シリ
ンダブロック4を収納しためっき治具63が上記処理槽
62内の処理液中に沈められることにより、シリンダブ
ロック4がめっき治具63によって隔離された状態で、
処理液が上記蓋体64の開口部65を介してシリンダブ
ロック4のシリンダ4a内に溜められる。そして、この
状態で処理槽62及びめっき治具63を介してシリンダ
ブロック4と電極66との間に電圧が印加されることに
よりシリンダ4aの内周面にめっき皮膜が形成されるこ
とになる。
【0094】このような構成のめっき処理装置10Eに
おいても、シリンダブロック4のシリンダ内周面の形状
及び電極66の形状を上記第1〜6実施例のように形成
する(同図では、電極66を上方に向かって先拡がりに
構成した例を示す)とともに、必要に応じてホーニング
仕上げ加工を施すことによって、本発明の内周面形成方
法でのめっき処理を行うことができる。
【0095】なお、上記第1〜第6実施例の内周面形成
方法は、本発明の代表的な実施例であって、その具体的
な内容は本発明の要しを逸脱しない範囲で適宜変更可能
である。例えば、上記第1〜第3実施例では、シリンダ
内周面に形成されためっき皮膜Pに対してホーニング仕
上げ加工を施すようにしているが、このような仕上げ加
工は、ホーニング加工以外に化学的処理による仕上げ加
工であっても構わない。但し、シリンダブロックのシリ
ンダ内周面の仕上げについてはホーニング仕上げ加工に
よりめっき皮膜表面に多数の細溝が形成されることによ
り、運転時に、この細溝に潤滑油が溜ってピストンの摺
動が円滑に行われるという効果が期待できるので、この
点においてはホーニング仕上げ加工を行う方が望まし
い。
【0096】また、第1〜第6実施例の内周面形成方法
に適用されるめっき処理装置の具体的な構成も、上記実
施例のものに限られず適宜変更可能である。例えば、特
に説明していないが、電極は、不溶性、あるいは可溶性
のいずれの電極であっても構わないし、また、処理液の
流動方向も、上記各実施例とは逆、すなわち電極の外側
の流路から電極内部の流路に処理液が流動するようにし
ても構わない。
【0097】さらに、電極の具体的な形状も、ワークと
電極の間を流れる処理液の流動速度、あるいは処理時の
電流密度が所望のめっき皮膜が形成されるように適宜選
定するようにすればよい。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の内周面形
成方法によれば、内径がその軸方向に変化する筒状部分
の内周面にめっき皮膜が形成され、このめっき皮膜の表
面が筒状部分の中心軸と略平行となるように加工される
ので、めっき皮膜の内周面の径をその軸方向に均一に形
成しながら、筒状部分の内径が大きい箇所ではめっき皮
膜の厚みを厚く、逆に、筒状部分の内径が小さい箇所で
はめっき皮膜の厚みを薄く形成することができる。その
ため、被処理面の要求、あるいは形状等に適しためっき
皮膜を形成することが可能となり、そのため、ワークに
応じた、より高品質のめっき皮膜を筒状部分に形成する
ことができる。
【0099】とくに、このような方法をエンジンのシリ
ンダブロックのシリンダ内周面の形成に適用すれば、ピ
ストン摺動面となるシリンダ内周面をより耐久性のある
ものにすることができる。この場合、シリンダの内径を
当該シリンダのクランクケース側から燃焼室側に向かっ
て先拡がりに形成しておけば、エンジンのシリンダにお
いて、摩耗、あるいはめっき皮膜の剥離が発生し易い燃
焼室側でのめっき皮膜の厚みを厚くしながら、めっき皮
膜を形成したシリンダの内径をその軸方向に均一として
ピストン摺動面を確保することができる。
【0100】また、シリンダの内径を当該シリンダの燃
焼室側からクランクケース側に向かって先拡がりに形成
しておけば、エンジンのシリンダにおいてピストンリン
グの緊迫力に起因するめっき皮膜の摩耗が発生し易いク
ランクケース側でのめっき皮膜の厚さを厚くしながら、
めっき皮膜を形成したシリンダの内径をその軸方向に均
一としてピストン摺動面を確保することが可能となる。
【0101】さらに、シリンダの内径を当該シリンダの
軸方向中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に向
かってそれぞれ先拡がりに形成しておけば、エンジンの
シリンダにおいて摩耗、あるいはめっき皮膜の剥離が発
生し易い燃焼室側、およびピストンリングの緊迫力に起
因する摩耗が発生し易いクランクケース側でのめっき皮
膜の厚みをそれぞれ厚くしながら、めっき皮膜を形成し
たシリンダの内径をその軸方向に均一としてピストン摺
動面を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内周面形成方法に適用されるめっき処
理装置の一例を示す断面略図である。
【図2】第1実施例の内周面形成方法を説明する説明図
である。
【図3】第2実施例の内周面形成方法を説明する説明図
である。
【図4】第3実施例の内周面形成方法を説明する説明図
である。
【図5】第1,4実施例の内周面形成方法により得られ
るシリンダ内周面を示す断面図である。
【図6】第2,5実施例の内周面形成方法により得られ
るシリンダ内周面を示す断面図である。
【図7】第3,6実施例の内周面形成方法により得られ
るシリンダ内周面を示す断面図である。
【図8】第4実施例の内周面形成方法を説明する説明図
である。
【図9】第4実施例の内周面形成方法の別の例を説明す
る説明図である。
【図10】第5実施例の内周面形成方法を説明する説明
図である。
【図11】第5実施例の内周面形成方法の別の例を説明
する説明図である。
【図12】第6実施例の内周面形成方法を説明する説明
図である。
【図13】第6実施例の内周面形成方法の別の例を説明
する説明図である。
【図14】静止浴めっきを行うための装置を示す断面略
図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック 1a シリンダ 10A めっき処理装置 11 支持ブロック 11a 開口部 12 処理液導出通路 13 電極 14 ホルダー 15,16 流路 17 処理液導入通路 18 シール治具 19 プレート部材 20 柱状部材 21 シール部材 31 ホーニングツール α1 傾斜角度 P,Pa めっき皮膜

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状部分を有するワークの当該筒状部分
    の内径を筒状部分の軸方向片方側から他方側に向かって
    変化するように形成し、上記筒状部分に電極を挿入して
    筒状部分の内周面と電極との間を処理液で満たした状態
    で上記電極とワークの間に電圧を印加して筒状部分の内
    周面にめっき処理を施した後、筒状部分の内周面に形成
    されためっき皮膜の表面が筒状部分の中心軸と略平行と
    なるように仕上げ加工を施すことを特徴とする筒状部分
    の内周面形成方法。
  2. 【請求項2】 上記筒状部分の内径が大きい箇所ほどそ
    の内周面と電極との距離が小さくなるようして上記めっ
    き処理を施すことを特徴とする請求項1記載の筒状部分
    の内周面形成方法。
  3. 【請求項3】 筒状部分を有するワークの当該筒状部分
    の内径を筒状部分の軸方向片方側から他方側に向かって
    変化するように形成し、上記筒状部分の内径が大きい箇
    所ほどその内周面との距離が小さくなるように形成され
    た電極を上記筒状部分に挿入し、この電極と筒状部分の
    内周面との間を処理液で満たした状態で上記電極とワー
    クの間に電圧を印加し、形成されるめっき皮膜の表面が
    筒状部分の中心軸と略平行となるように筒状部分の内周
    面にめっき処理を施すことを特徴とする筒状部分の内周
    面形成方法。
  4. 【請求項4】 上記ワークをワーク支持部に載置し、ワ
    ーク支持部に突設された流路構成部材を兼ねる電極を上
    記ワーク筒状部分に突入させることにより筒状部分の内
    部に処理液を流動させるための経路を形成し、この状態
    で上記経路内に処理液を供給して筒状部分の内周面に上
    記めっき処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれかに記載の筒状部分の内周面形成方法。
  5. 【請求項5】 上記筒状部分の内周面形成方法は、エン
    ジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形成する方
    法であって、上記シリンダの内径を当該シリンダのクラ
    ンクケース側から燃焼室側に向かって先拡がりに形成し
    て上記めっき処理を施すことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の筒状部分の内周面形成方法。
  6. 【請求項6】 上記筒状部分の内周面形成方法は、エン
    ジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形成する方
    法であって、上記シリンダの内径を当該シリンダの燃焼
    室側からクランクケース側に向かって先拡がりに形成し
    て上記めっき処理を施すことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の筒状部分の内周面形成方法。
  7. 【請求項7】 上記筒状部分の内周面形成方法は、エン
    ジンのシリンダブロックのシリンダ内周面を形成する方
    法であって、上記シリンダの内径を当該シリンダの軸方
    向略中央部分から燃焼室側及びクランクケース側に向か
    ってそれぞれ先拡がりに形成して上記めっき処理を施す
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の筒
    状部分の内周面形成方法。
  8. 【請求項8】 上記請求項5記載の筒状部分の内周面形
    成方法によりシリンダ内周面を形成したエンジンシリン
    ダであって、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシリ
    ンダのクランクケース側から燃焼室側に向かって漸増
    し、かつめっき皮膜の表面がシリンダの中心軸と平行に
    なるように形成されてなることを特徴とする内面めっき
    エンジンシリンダ。
  9. 【請求項9】 上記請求項6記載の筒状部分の内周面形
    成方法によりシリンダ内周面を形成したエンジンシリン
    ダであって、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシリ
    ンダの燃焼室側からクランクケース側に向かって漸増
    し、かつめっき皮膜の表面がシリンダの中心軸と平行に
    なるように形成されてなることを特徴とする内面めっき
    エンジンシリンダ。
  10. 【請求項10】 上記請求項7記載の筒状部分の内周面
    形成方法によりシリンダ内周面を形成したエンジンシリ
    ンダであって、シリンダ内周面のめっき皮膜の厚みがシ
    リンダの軸方向略中央部分から燃焼室側及びクランクケ
    ース側に向かってそれぞれ漸増し、かつめっき皮膜の表
    面がシリンダの中心軸と平行になるように形成されてな
    ることを特徴とする内面めっきエンジンシリンダ。
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JP2011012328A (ja) * 2009-07-06 2011-01-20 Seiko Epson Corp 搬送ローラーの製造方法及び円筒軸の製造方法

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