JPH08283684A - 接着性ポリエチレン組成物 - Google Patents

接着性ポリエチレン組成物

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JPH08283684A
JPH08283684A JP8214895A JP8214895A JPH08283684A JP H08283684 A JPH08283684 A JP H08283684A JP 8214895 A JP8214895 A JP 8214895A JP 8214895 A JP8214895 A JP 8214895A JP H08283684 A JPH08283684 A JP H08283684A
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JP
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ethylene
polyethylene
polyethylene composition
olefin copolymer
weight
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JP8214895A
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English (en)
Inventor
Shotaro Urawa
正太郎 浦和
Yasuhisa Kamei
康央 亀井
Giichi Ozawa
義一 小澤
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン酸
類をグラフトさせた変性ポリエチレン95〜51重量%及び
エチレン−α−オレフィン共重合体 5〜49重量%からな
る接着性ポリエチレン組成物であって、該エチレン−α
−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw /Mn )が
2.5以下であり、かつ、メルトフロー比(MI10/MI
2.16)が 5〜15の範囲(ただし、MI10は 190℃での荷
重10Kgのメルトインデックス、MI2.16は 190℃での荷
重2.16Kgのメルトインデックスを表す。)であることを
特徴とする接着性ポリエチレン組成物。 【効果】金属およびポリオレフィンなどとの接着性が優
れ、特に低温での耐衝撃性が優れた接着性ポリエチレン
組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属およびポリオレフ
ィンなどとの接着性が優れ、特に低温での耐衝撃性が優
れた接着性ポリエチレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】従来、金属の耐食性、外
観、食品衛生上の改善のために金属管(例えば鋼管)の
内外面、金属板、電線、ケーブル等にポリエチレン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンに不飽和ジカルボン酸
類をグラフトした変性ポリオレフィンで積層(接着)す
ることが知られている。
【0003】例えば、特開平4-300933号公報には、α−
オレフィンランダム共重合体の不飽和カルボン酸による
変性物とポリプロピレン樹脂とを成分とする組成物、あ
るいは特開平5-50556 号公報、特開平5-50557 号公報に
は、特定の構造と物性を有するポリオレフィンランダム
共重合体の不飽和カルボン酸による変性物を成分とする
組成物が開示されている。しかしながら、従来の変性ポ
リオレフィンは、鋼、鉄、アルミニウム等の金属に対す
る接着強度が小さく、低温での耐衝撃性が不十分である
ため、強い接着力はもちろん耐久性も要求される分野に
は使用できない欠点を有している。また、従来、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体で、分子量分布を狭くする
と、衝撃性、引張り特性などの機械特性の向上が見られ
るものの、反面、成形加工性が悪くなりやすく、両特性
を満足できるものは得られていない。
【0004】
【本発明の目的】本発明は、金属との接着強度が大き
く、低温耐衝撃性にも優れた接着ポリエチレン組成物を
提供することにある。特に、防食を目的とした鋼管等の
被覆に際し、極低温下( -50〜-20 ℃)での耐衝撃性に
優れ、比較的高い温度(40℃以上)での接着性能の優れ
た新規の接着性ポリエチレン組成物を提供することにあ
る。本発明は優れた機械特性及び良好な成形加工性を有
する接着性ポリエチレン組成物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、線状低密度ポ
リエチレンに不飽和カルボン酸類をグラフトさせた変性
ポリエチレン95〜51重量%及びエチレン−α−オレフィ
ン共重合体 5〜49重量%からなる接着性ポリエチレン組
成物であって、該エチレン−α−オレフィン共重合体の
分子量分布(Mw /Mn )が 2.5以下であり、かつ、メ
ルトフロー比(MI10/MI2.16)が 5〜15の範囲(た
だし、MI10は 190℃での荷重10Kgのメルトインデック
ス、MI2.16は 190℃での荷重2.16Kgのメルトインデッ
クスを表す。)であることを特徴とする接着性ポリエチ
レン組成物に関する。
【0006】本発明における線状低密度ポリエチレンと
は、チーグラー系又はクロム系の触媒の存在下に、中低
圧の圧力で、エチレンとα−オレフィンとを溶液重合、
気相重合あるいはスラリー重合などの方法で共重合させ
ることによって製造できる比較的分子量分布の広いエチ
レン−α−オレフィン共重合体である。
【0007】共重合のコモノマーとしては、プロピレ
ン、ブテン-1、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、オク
テン-1などの炭素数3以上のα−オレフィンが挙げられ
る。線状低密度ポリエチレンのα−オレフィンから誘導
される繰り返し単位は、 0.1〜10mole% であることが好
ましい。
【0008】線状低密度ポリエチレンとしては、特に下
記の物性を有するものが好ましい。190℃でのメルトイ
ンデックスが 0.1〜 10g/10分であり、より好ましく
は、 0.5〜5g/10分である。また、分子量分布(Mw
n )は、 3以上であり、より好ましくは 4〜30であ
る。
【0009】本発明の変性ポリエチレン、上記の線状低
密度ポリエチレンに不飽和ジカルボン酸類をグラフトし
たものである。
【0010】また、不飽和カルボン酸類としては、マレ
イン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボ
ン酸、及びこれらの酸の無水物が挙げられる。
【0011】線状低密度ポリエチレンにグラフトさせる
不飽和カルボン酸類の量は、0.01〜5重量%が好まし
く、0.04〜 1重量%がより好ましい。
【0012】線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボン
酸類をグラフトさせる方法としては、例えば、該組成物
及び不飽和ジカルボン酸類を反応開始剤の存在下に溶融
混練することにより製造できる。
【0013】反応開始剤としては、t-ブチル- ハイドロ
パーオキサイドなどの有機過酸化物系の反応開始剤が使
用できる。また、2,3-ジメチル-2,3- ジフェニルブタン
などのクメンの二量体およびその誘導体が使用できる。
【0014】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体は、分子量分布(Mw /Mn )が、好ましくは2.5 以
下であり、より好ましくは、1.9 〜2.3 である。また、
メルトフロー比(MI10/MI2.16)が 5〜15の範囲、
好ましくは 6.8〜11.5の範囲(ただし、MI10は 190℃
での荷重10Kgのメルトインデックス、MI2.16は 190℃
での荷重2.16Kgのメルトインデックスを表す。)であ
る。
【0015】エチレン−α−オレフィン共重合体を構成
するα−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、
ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテ
ン-1などが挙げられるが、炭素数 4以上のα−オレフィ
ンが好ましく、炭素数 5〜10のα−オレフィンがより好
ましい。この場合、タイ分子結合数の増加が考えられ、
機械強度の向上などが見込まれる。例えば、オクテン-1
が好適に用いることができる。
【0016】エチレン−α−オレフィン共重合体中のα
−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通常、30
wt% 以下含まれている。α−オレフィンは、エチレン−
α−オレフィン共重合体中に単独であっても、二種以上
含まれていてもよい。
【0017】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体としては、特に下記の物性を有するものが好ましい。
190℃での荷重 2.16Kg のメルトインデックスが 10g/1
0分以下であり、より好ましくは 0.5〜5g/10分であ
る。密度が 0.94g/cm3 以下であり、より好ましくは
0.86 〜 0.92g/cm3 である。分子量分布(Mw/M
n)が 2.5以下であり、より好ましくは、1.9 〜2.3 で
ある。
【0018】本発明のエチレン−α−オレフィン共重合
体はシングルサイト系触媒によって製造できる。シング
ルサイト系触媒としては、周期律表第IV又は V族遷移金
属のメタロセン化合物と、有機アルミニウム化合物及び
/又はイオン性化合物の組合せが用いられる。
【0019】周期律表第IV又は V族遷移金属としては、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(H
f)、バナジウム(V )などが好ましい。
【0020】そのメタロセン化合物とは、少なくとも一
個のシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニ
ル基(例えば、メチル、ジメチル、ペンタメチルなどの
アルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、
フルオレニル基)を配位子とするもの、あるいはそれら
のシクロペンタジエニル基がヒドロカルビル基(例え
ば、アルキレン基、置換アルキレン基)、ヒドロカルビ
ル珪素(例えば、シラニレン基、置換シラニレン基、シ
ラアルキレン基、置換シラアルキレン)などによって架
橋されたもの、さらにシクロペンタジエニル基が酸素、
窒素、燐原子に架橋されたもの(例えば、オキサシラニ
レン基、置換オキサシラニレン基、オキサシラアルキレ
ン基、置換オキサシラアルキレン基、アミノシリル基、
モノ置換アミノシリル基、ホスフィノシリル基、モノ置
換ホスフィノシリル基)を配位子とする、いわゆる公知
のメタロセン化合物をいずれも使用できる。
【0021】それらの具体例としては、特開昭58-19309
号公報、同60-35006号公報、同61-130314 号公報、同61
-264010 号公報、同61-296008 号公報、同63-222177 号
公報、同63-251405 号公報、特開平1-66214 号公報、同
1-74202 号公報、同1-275609号公報、同1-301704号公
報、同1-319489号公報、同2-41303 号公報、同2-131488
号公報、同3-12406 号公報、同3-139504号公報、同3-17
9006号公報、同3-185005号公報、同3-188092号公報、同
3-197514号公報、同3-207703号公報、同5-209013号公
報、特表平1-501950号公報、同1-502036号公報、及び同
5-505593号公報に記載されたものを挙げることができ
る。
【0022】本発明においては、上記以外のシングルサ
イト系触媒として、特開昭61-130314 号公報、同61-264
010 号公報、同63-142004 号公報、特開平1-129004号公
報、同1-301704号公報、同2-75605 号公報、同3-12406
号公報、同3-12407 号公報、同4-227708号公報、同4-26
8308号公報、同4-300887号公報、同6-25343 号公報など
に記載されているようなメタロセン化合物を挙げること
ができる。また、特開平3-163088号公報などにに記載さ
れている拘束幾何型触媒を用いることができる。
【0023】これらのメタロセン化合物は、それ自体が
C2対称要素を有する錯体を形成できる架橋型、及び/又
は多置換配位子を有する。その具体例としては、ジメチ
ルシリル(2,4- ジメチルシクロペンタジエニル)(3',5'-
ジメチルシクロペンタジエニル) ジルコニウムジクロラ
イド、ジメチルシリル(2,4- ジメチルシクロペンタジエ
ニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル) ハフニウ
ムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロセン化合
物、、エチレンビスインデニルジルコニウムジクロライ
ド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロライド、
エチレンビス( メチルインデニル) ジルコニウムジクロ
ライド、エチレンビス( メチルインデニル)ハフニウム
ジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセン化合
物を挙げることができる。
【0024】本発明でメタロセン化合物との組合せで用
いられる有機アルミニウム化合物としては、一般式、(-
Al(R)O-)n で示される直鎖状、あるいは環状重合体(R
は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子
及び/ 又はRO基で置換されたものも含む。n は重合度で
あり、 5以上、好ましくは10以上である)であり、具体
例としてR がそれぞれメチル、エチル、イソブチル基で
ある、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、イソ
ブチルエチルアルモキサンなどが挙げられる。
【0025】さらに、その他の有機アルミニウム化合物
としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロ
ゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアル
ミニウム、セスキアルキルハイドロアルミニウムなどが
挙げられる。
【0026】その具体例としては、トリメチルアルミニ
ウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミ
ニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアル
ミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジメチルア
ルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライ
ドなどのジアルキルハロゲノアルミニウム、セスキメチ
ルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウム
クロライドなどのセスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、エチルアルミニウムジクロライド、ジエチルアルミ
ニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイド
ライドを挙げることができる。これらの有機アルミニウ
ム化合物は、前記の有機アルミニウムオキシ化合物と併
用することができる。
【0027】イオン性化合物としては、一般式、C+
- で示され、C+ は有機化合物、有機金属化合物、ある
いは無機化合物の酸化性のカチオン、又はルイス塩基と
プロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロセン
配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオンを生
成することができる。
【0028】A- は嵩高く、非配位性のアニオンであ
り、メタロセンに配位せずにメタロセンカチオンを安定
化することができるものである。それらの具体例として
は、特開平4-253711号公報、同4-305585号公報、特公表
平5-507756号公報、同5-502906号公報に記載されたよう
なものを用いることができる。
【0029】特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチ
オンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオ
ン化合物が好ましい。これらのイオン化合物は、前記の
有機アルミニウム化合物と併用することができる。
【0030】シングルサイト系触媒を用いて行うエチレ
ンとα−オレフィンの共重合方法としては、良く知られ
た各種の方法を採用でき、不活性ガス中での流動床式気
相重合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラ
リー重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げ
られる。
【0031】重合温度は、通常、10〜150 ℃、好ましく
は20〜90℃であり、重合時間は、通常0.1 〜10時間であ
る。
【0032】本発明のシングルサイト系重合触媒とし
て、メタロセン化合物と有機アルミニウム化合物を用い
る場合、有機アルミニウム化合物のアルミニウム(Al)
原子とメタロセン化合物の遷移金属原子のモル比(Al/遷
移金属原子モル比) として、通常、10〜100,000 、好ま
しくは10〜1,000 である。
【0033】本発明のシングルサイト系重合触媒として
有機アルミニウム化合物に代えて、イオン性化合物を単
独で又は有機アルミニウム化合物と混合して用いてもよ
い。イオン性化合物/遷移金属原子モル比は、通常、
0.1〜50、好ましくは 0.5〜5である。
【0034】本発明における線状低密度ポリエチレンに
不飽和カルボン酸類をグラフトさせた変性ポリエチレン
とエチレン−α−オレフィン共重合体との配合割合は、
変性ポリエチレン95〜51重量%、好ましくは、90〜51重
量%であり、エチレン−α−オレフィン共重合体 5〜49
重量%、好ましくは、10〜49重量%である。本発明の接
着性ポリエチレン組成物は、上記の割合で各成分を含有
することにより、接着性及び低温特性が一層向上する。
【0035】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、さ
らに、エチレン−プロピレン共重合体ゴムを配合して用
いてもよい。エチレン−プロピレン共重合体ゴムの配合
量は、上記組成物 100重量部に対して、通常、50重量部
以下であり、より好ましくは、40重量部以下である。
【0036】エチレン−プロピレン共重合体ゴムを配合
することにより、接着性ポリエチレン組成物の低温特性
がより向上する。
【0037】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、用
途に応じて酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機・
有機充填剤、顔料、帯電防止剤などを添加することがで
きる。
【0038】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、押
出成形等、通常のポリエチレンと同様な方法により、フ
ィルム又はシート状に成形することができる。単独であ
るいは金属板、箔又は管と積層されてラミネート金属板
(箔)、被覆管として用いることができる。また、接着
性ポリエチレン組成物を挟んで両側に金属板を積層した
サンドイッチ構造の積層物、金属と積層した接着性ポリ
エチレン組成物にさらにポリオレフィン(例えばポリエ
チレン)を積層した構造の積層物としても用いることが
できる。
【0039】接着性ポリエチレン組成物と金属との積層
物は、接着性ポリエチレン組成物のフィルム又はシート
状を金属と熱圧着する方法、ダイ外部でラミネートする
方法、ダイ内部でラミネートする方法、押出コーティン
グする方法、粉体塗装する方法などによって製造でき
る。
【0040】用いられる金属としては、鉄、アルミニウ
ム、銅、亜鉛、ニッケル、錫、ステンレス等が挙げられ
る。特に、鋼板、TSF鋼板が好ましい。金属は接着性
ポリエチレン組成物と積層する前に、公知の前処理、例
えば溶剤脱脂、酸洗、ショットプラスト等の前処理が行
われ、さらにプライマー処理としてエポキシ系樹脂のプ
ライマーを介することにより、より大きな接着力が有す
る積層物が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明の接着性ポリエチレン組成物は、
金属との接着強度が大きく、優れた低温耐衝撃性を示す
ため、極低温下で使用されるケーブル、金属板、金属管
内外面の被覆に好適に使用できる。
【0042】
【実施例】
(A)低温衝撃試験 (1)低温衝撃試験片の調製 ショットブラストされた鋼板(SS-41:100mm×150mm ×9m
m(t)) をアセトンに浸潰し、30分間、超音波洗浄して脱
脂する。エアーで風乾後、 140℃のオープンに入れ、30
分以上保持し、その後 180℃に加熱した熱板上に乗せ、
二液硬化型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量190 ) 100重量部とアミン系硬化剤
50重量部とを混合)をはけ塗りして、バーコーダーで50
μm の厚みに調製し、30秒間養生硬化させる。次に、T
ダイ成形した接着性ポリエチレン組成物のシート( 100
mm×150mm ×0.2mm(t))を張り合わせ、 1分間養生し、
続いてメルトインデックス(MI)0.1g/10分の高圧法
低密度ポリエチレンTダイ成形シート( 100mm×150mm
×2.5mm(t))、ポリエステルフィルム(マイラー)、 1
60℃に予熱された上記のショットブラスト鋼板の順に積
層し、この鋼板の上に10.kg の重りを乗せ 3分間圧着し
たのち、水中に投入し、冷却して低温衝撃試験用の試験
片とした。
【0043】(2)低温衝撃試験 ドライアイス・エタノールにより、 -50℃に保持された
低温槽に上記(1) の試験片を入れ、30分以上経過後、試
験片の低密度ポリエチレン層を上に向け、水平に設置す
る。この時、試験片の上部より 10mm 以上エタノールが
ある様に、エタノール量を調整する。R=19mmφの付いた
先端部を持つ鋼鉄製のポンチを試験片の上に置き、4kg
の重りを所定の高さ(重りの底面からポンチの上部まで
の距離)から自由落下させ、ポンチ上部に衝突させる。
試験片を取り出し、貫通、割れの有無を調べる(10回試
験を行い、貫通、割れの有無を表記する)。
【0044】(B)接着強度試験 (1)接着強度測定用試験片の調製 Tダイ成形した接着性ポリエチレン組成物のシート( 1
00mm×150mm ×0.2mm(t))を積層するまで、A−(1) と
同様に行い、次に、接着性ポリエチレン組成物シートと
高圧法低密度ポリエチレンシート( 100mm×150mm ×2.
5mm(t))の一部未接着の部分を形成するため、長て方向
に、先端から50mmの部分までマイラーを積層し、その
後、A−(1) と同様に高圧法低密度ポリエチレンシート
を積層して、接着強度測定用試験片を調製する。
【0045】(2)接着強度の測定 B−(1) で調製した試験片を10mm間隔で長て方向にカッ
ターナイフにより亀裂を入れ、恒温槽を備えた引張強度
試験機を用いて、未接着の部分のポリエチレン層をチャ
ックに挟み、90度剥離用のジグに装着し、試験片が充分
に40℃になった後、剥離速度50mmにて90度剥離試験を行
い、接着強度を測定した。
【0046】実施例1 チーグラー系触媒を用いて製造したメルトインデックス
(MI)1.9g/10分、密度0.919g/cm3 、分子量分布
(Mw/Mn)4.2 、ブテン-1含量 8wt% の線状低密度
ポリエチレンに、 0.1重量%の無水マレイン酸とラジカ
ル発生剤として 0.04 重量%のt-ブチルハイドロパーオ
キサイドをヘンシェルミキサーにて混合して、二軸押出
機にて、窒素気流下、 220℃で溶融混練を行い、 0.095
重量%の無水マレイン酸がグラフト重合した変性ポリエ
チレンを得た。エチレン−α−オレフィン共重合体とし
て、シングルサイト系触媒を用いて製造したメルトイン
デックス(MI)1.0g/10分、密度0.87g /cm3 、分子
量分布(Mw/Mn)2.0 、メルトフロー比(MI10
MI2.16) 7.5、オクテン-1含量24wt% であるエチレン
とオクテン-1の共重合体を用いた。上記の変性ポリエチ
レン70重量%とエチレン−α−オレフィン共重合体30重
量%を混合し、二軸押出機で溶融混練して接着性ポリエ
チレン組成物を得た。
【0047】この接着性ポリエチレン組成物をTダイ成
形機を用いて、幅 150mm、厚さ 0.2mmのシートを成形
し、低温衝撃試験(A)、及び40℃での接着強度試験
(B)の測定に供した。低温衝撃試験では、 -50℃、 5
Kg・m のエネルギーの条件で10回試験を行った。被覆ポ
リエチレン層は貫通し、割れは発生しなかった。40℃で
の90度剥離接着強度試験は15kg/cm であった。
【0048】実施例2 エチレン−α−オレフィン共重合体として、メルトフロ
ーレート(MI)1.1g/10分、密度0.902g/cm3 、分子
量分布(Mw/Mn)2.1 、メルトフロー比(MI10
MI2.16) 7.6、オクテン-1含量 12wt%であるエチレン
−オクテン-1共重合体を用いた以外は、実施例1と同様
に行った。低温衝撃試験では、 -50℃、5Kg・m のエネ
ルギーで10回試験を行った。被覆ポリエチレン層は貫通
し、割れは発生しなかった。40℃での90度剥離接着強度
試験は17kg/cm であった。
【0049】比較例1 実施例1で用いた 0.095重量%の無水マレイン酸がグラ
フト重合した変性ポリエチレンを 100重量%とした以外
は実施例1を同様に行った。被覆ポリエチレン層は貫通
し、被覆ポリエチレン層に割れが 2回生じた。40℃での
90度剥離接着強度試験は、19kg/cm であった。
【0050】比較例2 実施例1で用いた 0.095重量%の無水マレイン酸がグラ
フト重合した変性ポリエチレンを70重量%と、 230℃、
荷重2.16kgで測定したメルトフローレート3.6g/10分、
プロピレン含量 22wt%であるエチレン−プロピレンラバ
ー30重量%を用いた以外は、実施例1と同様に行った。
低温衝撃試験では、 -50℃、 5Kg・m のエネルギーで10
回試験を行った。被覆ポリエチレン層は貫通し、割れが
2回生じた。40℃での90度剥離接着強度試験は 9kg/cm
であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線状低密度ポリエチレンに不飽和カルボ
    ン酸類をグラフトさせた変性ポリエチレン95〜51重量%
    及びエチレン−α−オレフィン共重合体 5〜49重量%か
    らなる接着性ポリエチレン組成物であって、該エチレン
    −α−オレフィン共重合体の分子量分布(Mw /Mn
    が 2.5以下であり、かつ、メルトフロー比(MI10/M
    2.16)が 5〜15の範囲(ただし、MI10は 190℃での
    荷重10Kgのメルトインデックス、MI2.16は 190℃での
    荷重2.16Kgのメルトインデックスを表す。)であること
    を特徴とする接着性ポリエチレン組成物。
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