JPH082835B2 - シクロペンタンカルボン酸類、その製法及び抗消化性潰瘍剤 - Google Patents

シクロペンタンカルボン酸類、その製法及び抗消化性潰瘍剤

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JPH082835B2
JPH082835B2 JP18671487A JP18671487A JPH082835B2 JP H082835 B2 JPH082835 B2 JP H082835B2 JP 18671487 A JP18671487 A JP 18671487A JP 18671487 A JP18671487 A JP 18671487A JP H082835 B2 JPH082835 B2 JP H082835B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般式(I) (式中、Rは水素原子又は塩形成陽イオンである)で表
される光学活性な2−イソプロペニル−5−メチル−4
−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(以下「シク
ロペンタンカルボン酸」と略称する)及びその塩(これ
らを併わせて「シクロペンタンカルボン酸類」と称す
る)、その製法及び2−イソプロペニル−5−メチル−
4−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸を有効成分
とする抗消化潰瘍剤に係る。
この光学活性なシクロペンタンカルボン酸は、シクロ
ペンタン環上に3個の不斉炭素を有し、農薬、医薬品及
び香料等の各種化合物の合成用中間体として重要であ
る。
2−イソプロペニル−5−メチル−4−オキソシクロ
ペンタン−1−カルボン酸メチルエステルは、従来で
は、下記反応式で示す如き方法(「テトラヘドロン・レ
ターズ」1972,1597)を利用して、所望生成物の前駆体
である4−ヒドロキシ−2−イソプロペニル−5−メチ
ルシクロペンタン−1−カルボン酸を生成し、これを
メチルエステル化した後、酸化することによって生成さ
れていた。
上述の従来法によれば、所望化合物の前駆体である4
−ヒドロキシ体は、4−イソプロペニル−1−メチル
−6−オキソシクロヘキサン−1,2−エポキシド(以下
「カルボンモノエポキシド」と称する)を原料とし、
ナトリウムエチラートとの反応における副生成物の1つ
として生成され、その収量は低く(約20%)、なおか
つ、この反応の主生成物である2−ヒドロキシ−4−イ
ソプロペニル−1−メチル−6−オキソシクロヘキセン
−1 及び前記4−ヒドロキシ体の構造異性体であ
る2−ヒドロキシ−4−イソプロペニル−1−メチルシ
クロペンタン−1−カルボン酸からの単離も煩雑であ
り、大量合成には適さないものである。
発明者らは、上述の如き従来法の欠点を解消し、簡単
かつ経済的にシクロペンタンカルボン酸類を合成できる
よう研究を行なうと共に、これらシクロペンタンカルボ
ン酸類の生理活性の検討を行なってきた。
その結果、上記従来法による反応において使用されて
いたNaOEtの代わりに、一般式(II) MOCH3 (式中、Mはアルカリ金属である)を使用して反応を行
ない、その後、加水分解を行なう場合には、従来法の主
生成物であった化合物は全く生成されず、少量の化合
と共に、一般式(III) (式中、Rは前記と同意義である)で表される所望の4
−ヒドロキシ体が主生成物として収率よく得られ、し
かも生成された4−ヒドロキシ体及び化合物の混合
物を酸化して、対応するケトカルボン酸及びに導い
た後、加熱することにより、所望のシクロペンタンカル
ボン酸のみ収率よく得られることを見出し、本発明に
至った。
本発明によるシクロペンタンカルボン酸の製法を反
応式で示せば、下記のとおりである。
なお、所望のシクロペンタンカルボン酸は再結晶に
よる精製が容易であり、本発明による方法は大量合成に
も適している。
得られたシクロペンタンカルボン酸を、アルカリと
反応させることにより、容易にシクロペンタンカルボン
酸塩を生成できる。
かかる塩としては、前記一般式(I)のRが、リチウ
ム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属又は他の
金属、あるいはアンモニア又は有機アンモニウムイオン
である化合物がある。
次に、本発明によるシクロペンタンカルボン酸類の製
法の各工程について説明する。
本発明による方法の工程a)で使用される塩基として
は、一般式(II)のMがリチウム、ナトリウム、カリウ
ムなどのアルカリ金属であるものがある。
この反応は溶媒中で行なわれる。溶媒としては、メタ
ノール、又はメタノールと他の有機溶媒との混合物が使
用できる。
反応温度は特に限定されないが、0ないし65℃の範囲
が好ましく、反応時間は30分ないし24時間である。
工程b)における加水分解にあたっては、前記工程
a)終了後、反応液に適量の水を加え、撹拌しながら、
0℃ないし100℃に10分ないし24時間維持することによ
り行なわれる。
工程c)の酸化において使用される酸化剤は、一般に
使用される酸化剤の中から選ばれる。たとえばジョーン
ズ試薬、クロム酸−ピリジン、ピリジニウムクロロクロ
メート(PCC)、ピリジニウムジクロメート(PDC)等の
クロム酸系酸化剤、ジメチルスルホキシド−無水酢酸、
酸化ルテニウム、次亜鉛素酸ナトリウム、次亜鉛素酸カ
ルシウム等がある。
工程d)の加熱は、反応温度50ないし200℃、反応時
間1分ないし24時間の条件下で行なわれる。
発明者らは、さらに、本発明に係る2−イソプロペニ
ル−5−メチル−4−オキソシクロペンタン−1−カル
ボン酸及びその塩が抗消化性潰瘍作用を有することを見
出し、本発明に至った。
Wister系ラットを使用し、150mM塩酸の60%エタノー
ル水溶液を経口投与することによりラットの胃に消化性
の潰瘍を生じさせて実験した場合、シクロペンタンカル
ボン酸類を、塩素−エタノールの30分前に経口投与する
ことにより、生ずる消化性潰瘍が明らかに小さいもので
あることが証明された。
本発明をさらに詳述するため、次にいくつかの実施例
を例示するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1 (1S,2R,5R)−2−イソプロペニル−5−メチル−4−
オキソシクロペンタン−1−カルボン酸の合成 上記反応式に従って、(1S,2R,5R)−2−イソプロペ
ニル−5−メチル−4−オキソシクロペンタン−1−カ
ルボン酸を生成した。
文献記載(「テトラヘドロン」1963,19,1091)の
(+)−カルボンモノエポキシド166gを、28%NaOMe−M
eOH溶液770gに滴加し、室温にて5時間撹拌した。この
反応液に水200mlを加え、室温にて3時間撹拌し、その
後MeOHを留去した。
残留物をベンゼンにて洗浄し、水層を塩酸で酸性と
し、酢酸エチルにて抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩
水にて洗浄後、無水Na2SO4で乾燥し、溶媒を留去した。
これにより、粗の化合物 155gが油状物として得られ
た。
この化合物は、精製することなく、次工程の反応に用
いられるが、同定のため、一部をベンゼン−シクロヘキ
サンより再結晶したところ、無色針状晶が得られた。
mp:127−128℃(lit:127℃) NMR(CDCl3):δ1.16(3H,d,J=6.5Hz,CH3) 1.74(H,s,CH3) 4.77(2H,s,C=CH2) 6.05(2H,br s,CO2H及びOH) 〔α〕D:−53゜(c=0.67,CHCl3) (lit:〔α〕−57.8゜(c=1.23,CHCl3)) (lit=「テトラヘドロン」1974,30,3257) ついで、上記の如くして得られた粗の化合物 15.5g
をアセトン200mlに溶解し、氷冷下て過剰量の4Nジョー
ンズ試薬を滴加し、室温にて2時間撹拌した。過剰のジ
ョーンズ試薬をイソプロパノールにて処理し、溶媒を留
去した。残留物に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、抽
出液を飽和食塩水にて洗浄後、無水Na2SO4で乾燥し、溶
媒を留去した。
得られた粗結晶をキシレン100mlに溶解し、1時間加
熱還流した。反応御を飽和NaHCO3水溶液にて抽出し、抽
出液を塩酸で酸性とし、酢酸エチルにて抽出した。酢酸
エチル層を飽和食塩水にて洗浄後、無水Na2SO4で乾燥
し、溶媒留去した。
得られた結晶についてベンゼンより再結晶を行なった
ところ、(1S,2R,5R)−2−イソプロペニル−5−メチ
ル−4−オキソシクロペンタン−1−カルボン酸 10.
5gが原料のカルボンモノエポキシドより57.7%の収率
で得られた。
mp:137.5−138.5℃ NMR(CDCl3):δ1.20(3H,d,J=6.8Hz) 1.77(3H,s),2.16(1H,dd,J=18.6Hz,17.9Hz) 2.55−2.68(3H,m),3.07(1H,dd,J=11.3Hz,19.5Hz) 4.89(2H,d,J=10.7Hz) 10.70(1H,br s) MS 理論値 m/z 182.0943(M) 実測値 m/z 182.0945(M+) 〔α〕D:−158.3゜(c=2.6,CHCl3) 実施例2 (1S,2R,5R)−2−イソプロペニル−5−メチル−4−
オキソシクロペンタン−1−カルボン酸(の対掌体)
の合成 文献記載(「テトラヘドロン」1963,19,1091)の
(−)−カルボンモノエポキシド(1′の対掌体)を用
いて、実施例1と同様の反応操作を行ない、(1R,2S,5
S)−2−イソプロペニル−5−メチル−4−オキソシ
クロペンタン−1−カルボン酸を得た。
mp:136−137.5゜ 〔α〕D:+157.7゜(c=5.4,CHCl3) 他のIR,NMR,MSスペクトルは5′のスペクトルデータ
と一致した。
実施例3 抗消化性潰瘍作用に関する試験 上記実施例1及び2で調整した本発明のシクロペンタ
ンカルボン酸(及びその対掌体5′)について、抗消
化性潰瘍作用の試験を行なった。
試験方法 Wister系雄性ラット(体重200g)を1群5匹とし、24
時間絶食させたラットに150mM塩酸の60%エタノール水
溶液1mlを経口投与した。1時間後にラットを薬殺(ネ
ンブタール )し、胃を摘出した。胃内に10%ホルムア
ルデヒド水溶液を7ml注入し、次いで該胃を10%ホルム
アルデヒド水溶液中に10分間浸漬し、組織を固定した。
固定後、大弯に沿って切開し、胃腺部に発生した潰瘍の
長さを測定し、ラット一匹当りに発生した潰瘍の長さの
総計を潰瘍係数(Ulcer Index)とした。被験化合物に
ついては、ナトリウム塩の水溶液(500mg/5ml/Kg)とし
て、ラットに塩酸−エタノールを投与する30分前に経口
投与した。
試験成績 被験化合物を投与したラットにおける潰瘍係数を、無
投与ラットにおける潰瘍係数と比較して、下記の表に示
すと共に、潰瘍係数に基づき算出した被験化合物の投与
による抑制率を併記した。
表から明らかなように、被験化合物は消化性潰瘍モデ
ルに対して抑制作用を有することが認められた。
本発明による方法では、カルボン酸モノエポキシドを
MOCH3で表される塩基と反応させた後、加水分解するこ
とにより所望の4−オキソ体の前駆体である4−ヒドロ
キシ体を高収率で生成でき、しかも同時に副成する少量
の化合物も酸化後、加熱処理することにより簡単に分
離できるため、従来法に比べて、極めて高い収率で、簡
単に所望のシクロペンタンカルボン酸類を生成できる。
しかも本発明で原料として用いるカルボンモノエポキ
シドは両対掌体が入手容易であり、よってシクロペンタ
ンカルボン酸も両対掌体のいずれをも合成することがで
き、このことは光学活性化合物の合成用中間体の製造法
としては最も望ましいことである。
さらに本発明によれば、合成されたシクロペンタンカ
ルボン酸類は両対掌体のいずれも抗消化性潰瘍作用を有
しており、これらを有効成分とする抗消化性潰瘍剤とし
ての実用化の可能性がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船山 宣夫 東京都日野市百草999 百草団地132−303

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは水素原子又は塩形成陽イオンである)で表
    される2−イソプロペニル−5−メチル−4−オキソシ
    クロペンタン−1−カルボン酸又はその塩。
  2. 【請求項2】一般式(I) (式中、Rは水素原子又は塩形成陽イオンである)で表
    される2−イソプロペニル−5−メチル−4−オキソシ
    クロペンタン−1−カルボン酸又はその塩の製法におい
    て、式 を有する4−イソプロペニル−1−メチル−6−オキソ
    シクロヘキサン−1,2−エポキシドを、一般式(II) MOCH3 (式中、Mはアルカリ金属である)で表される塩基と反
    応させた後、加水分解して、一般式(III) (式中、Rは前記と同意義である)で表される3−ヒド
    ロキシ−5−イソプロペニル−2−メチルシクロペンタ
    ン−1−カルボン酸又はその塩類を生成し、該カルボン
    酸又はその塩類(III)を酸化した後、加熱することを
    特徴とする、シクロペンタンカルボン酸類の製法。
  3. 【請求項3】一般式(I) (式中、Rは水素原子又は塩形成陽イオンである)で表
    される2−イソプロペニル−5−メチル−4−オキソシ
    クロペンタン−1−カルボン酸又はその塩を有効成分と
    してなる抗消化性潰瘍剤。
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