JPH082834Y2 - テープカセットローディング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、構成の簡略化を図って量産性を高めたテー
プカセットローディング装置に関する。

（従来の技術及び考案が解決しようとする課題） 従来、テープカセットローディング装置本体の両側板
相互間に移動自在に装着されたテープカセットホルダ内
にテープカセットを所定状態に装入することにより、前
記テープカセットのリールハブをリール軸に嵌合させて
ローディング位置となし且つイジェクト操作により、前
記ローディング位置にある前記テープカセットを前記テ
ープカセットホルダの外方へ排出してアンローディング
位置となすビデオテープレコーダのテープカセットロー
ディング装置は公知である。

斯かる従来装置にあっては、テープカセットホルダの
両側板の上端部を連結する金属板製連結杆の左右端部に
金属板ばねより成るテープカセット押さえ片をビス止め
しているが、金属板ばねより成るテープカセット押さえ
片により、テープカセットに擦傷が付くという問題点が
あった。

本考案は上記事情に鑑みてなされたもので、テープカ
セットホルダの構成を簡略化し、しかもテープカセット
に擦傷がつかないようにしたテープカセットローディン
グ装置を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、ローディング装置
本体に移動自在に装着され、テープカセットが装填され
るテープカセットホルダを、該テープカセットを挿脱可
能なアンローディング位置とテープカセットのリールハ
ブをリール軸に嵌合させるローディング位置との間で移
送するテープカセットローディング装置において、前記
テープカセットホルダは、前記テープカセットを載置保
持し得る底板の左右端部に合成樹脂製の側板の下端部を
固定すると共に、これら側板の上端部を金属板製の連結
杆にて連結して成り、この連結杆の左右端部に押さえば
ね部を一体形成し、これら押さえばね部の自由端部を、
前記両側板の上端部に一体形成した弾性を有するテープ
カセット押さえ片の上端部に当接係合させたことを特徴
とするものである。

（作用） テープカセットには、側板と一体の合成樹脂製のテー
プカセット押さえ片が摺接するので、テープカセットに
擦傷が付かない。更に、テープカセット押さえ片の上端
部に金属板製の押さえばね部の先端を当接させたので、
テープカセット押さえ片が合成樹脂でありながら、テー
プカセットを確実に押さえられると共に、テープカセッ
ト押さえ片が押さえばね部によって補強される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づき説明する。第
１図は本考案のビデオテープレコーダのテープカセット
ローディング装置の一部を分解した斜視図であり、同図
中１はテープカセットローディング装置で、これは図示
しないテープカセットをテープカセットホルダ２内に所
定状態に装入することにより、前記テープカセットのリ
ールハブを図示しないリール軸に嵌合させてローディン
グ位置（装着位置）となし、且つイジェクト操作体（図
示省略）を操作することにより、前記ローディング位置
にあるテープカセットをテープカセットホルダ２の外方
へ排出してアンローディング位置（非装着位置）となす
ものである。

テープカセットホルダ２は、テープカセットローディ
ング装置本体３の左右の側板４、５相互間に前後方向及
び上下方向にスライド自在に装着されている。

テープカセットホルダ２は、テープカセットを載置保
持し得る金属板製の底板６の左右端部に合成樹脂製の側
板７、８の下端部を固定すると共に、これら側板７、８
の上端部を金属板製の連結杆９にて連結して成る。テー
プカセットホルダ２の左右の側板７、８の外面には、前
後に間隔を存して一対のガイド突部10、11（右方の側板
８のガイド突部は図示省略）がそれぞれ一体に突設され
ている。これらガイド突部10、11は、テープカセットロ
ーディング装置本体３の左右の側板４、５に、前後に間
隔を存して並設されたＬ字形のガイド溝12、13内にスラ
イド可能に挿通されてテープカセットローディング装置
本体３の外面側に突出され、これによって、テープカセ
ットホルダ２がテープカセットローディング装置本体３
の左右の側板４、５相互間に移動自在に支持されてい
る。

テープカセットホルダ２の左右の側板７、８の上端部
には、第２図及び第３図に示す如く弾性を有するテープ
カセット押さえ片（右方のみ図示）14が一体形成されて
いる。このテープカセット押さえ片14は、その下端面14
aが円弧面とされており、この下端面14aがテープカセッ
トの上面に圧接することにより、このテープカセットが
底板６上に濫りにがたつかないように押さえ付けられ
る。テープカセット押さえ片14の上端部には、連結杆９
の両端部に一体形成された押さえばね部15の自由端部15
aが当接係合されている。これにより、押さえばね部15
のばね力がテープカセット押さえ片14のテープカセット
に対する押圧力として作用すると共に、押さえばね部15
によりテープカセット押さえ片14が補強される。

テープカセットホルダ２の一側（右側）の側板８の略
中央には、第４図及び第５図に示す如く、テープカセッ
トの蓋のロックを解除する弾性を有するロック解除部材
16が一体形成されている。このロック解除部材16は、前
後方向に沿って細長い杆状をなして側板８の長孔8a内に
位置し、その基端部のみが側板８に連設されて、先端側
が平面Ｖ字状に屈曲され、この屈曲部16aが側板８の内
側面より内方に突出されて、基端部を支点として左右方
向に弾性変位するようになっている。屈曲部16aと基端
部との中間には、側板５側に突出した突起16bが設けら
れ、また、側板５には、側板８がアンローディング位置
よりローディング位置方向に移動したとき突起16bと当
接し、屈曲部16aをテープカセットホルダ２内に位置さ
せるガイド5aが設けられている。そして、テープカセッ
トを載置保持したテープカセットホルダ２が、テープカ
セットローディング装置本体３内を水平状態で前進移動
するのに伴い、まず、突起16bとガイド5aとの当接によ
り、ロック解除部材16の屈曲部16aによって、テープカ
セットのロック解除突起が押圧されて、このテープカセ
ットの蓋のロックが解除される。

また、テープカセットホルダ２の一側の側板８の下端
部には、第２図及び第４図に示す如く、テープカセット
の蓋を開く蓋開き部材17が一体形成されている。この蓋
開き部材17は、前後方向に沿って細長い杆状主体17aの
先端に軸線を左右方向に向けて小径丸棒状の係合体17b
を一体形成して成り、その主体17aの基端部のみが側板
８の下端部に連設されて、この基端部を支点として上下
方向に弾性変位する。そして、テープカセットホルダ２
が前進するのに伴い、ロック解除部材16によりテープカ
セットの蓋のロックが解除された後、更に、テープカセ
ットホルダ２が前進するのに伴い、蓋開き部材17の係合
体17bが、側板８の内側面に一体形成されたガイド壁18
に摺接することにより、蓋開き部材17が自身の弾性に抗
して上方に変位する。このとき、係合体17bの内端部が
テープカセットの蓋の一側下端に係合することにより、
蓋開き部材17の上方への変位に伴い、蓋が上方（開き方
向）に所定範囲回動されるようになっている。

そして、テープカセットの水平移動のとき、テープカ
セットの蓋とキャプスタン等との当接を回避できるよう
にしている。側板５の奥には、Ｌ字形のフック5bが一体
形成されており、テープカセットホルダ２がリール軸に
嵌合するように降下するとき、フック5bの先端がテープ
カセットの蓋と係合して、この蓋を大きく開くようにし
ている。

テープカセットローディング装置本体３の左右の側板
４、５の一端縁部相互間には上下方向略全体に亘って金
属板製の接続杆19が介装されている。また、左右の側板
４、５の他端縁側の上部相互間には金属板製の接続杆20
が、下部相互間には合成樹脂製の接続板21がそれぞれ介
装されている。

テープカセットローディング装置本体３の左右の側板
４、５の略中央部には、ローディングギヤ22がそれぞれ
設けられている。これらローディングギヤ22には二股形
状の係合部材23が設けられており、この係合部材23は、
一方（図中手前側）のガイド突部11と係合されている。
左右のローディングギヤ22には駆動ギヤ24がそれぞれ噛
合しており、これら駆動ギヤ24は共通の軸25の両端部に
それぞれ固定されて、テープカセットローディング装置
本体３の左右の側板４、５に支持されて、図示しないモ
ータにより回転駆動される。

（考案の効果） 以上の如く本考案のテープカセットローディング装置
は、テープカセットホルダの両側板を合成樹脂とし、こ
の側板に、テープカセット押さえ片を一体形成したか
ら、テープカセットには、側板と一体の合成樹脂製のテ
ープカセット押さえ片が摺接するので、テープカセット
に擦傷が付かない。

更に、テープカセット押さえ片の上端部に金属板製の
押さえばね部の自由端部を当接させたので、テープカセ
ット押さえ片が合成樹脂でありながら、テープカセット
を確実に押さえられると共に、テープカセット押さえ片
が押さえばね部によって補強される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はビデオテープ
レコーダのテープカセットローディング装置の一部を分
解した斜視図、第２図は同要部の拡大斜視図、第３図は
第２図のIII-III線に沿う断面図、第４図はテープカセ
ットホルダの側板の側面図、第５図は第４図のＶ−Ｖ線
に沿う断面図である。 １……テープカセットローディング装置、２……テープ
カセットホルダ、３……テープカセットローディング装
置本体、4,5……テープカセットローディング装置本体
の側板、６……底板、7,8……テープカセットホルダの
側板、９……連結杆、14……テープカセット押さえ片、
15……押さえばね部、15a……自由端部、16……ロック
解除部材、17……蓋開き部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ローディング装置本体（３）に移動自在に
   装着されたテープカセットホルダ（２）を備えてなり、
   このテープカセットホルダに装填されたテープカセット
   を、該テープカセットを挿脱可能なアンローディング位
   置とリールハブがリール軸に嵌合するローディング位置
   との間で移送するテープカセットローディング装置にお
   いて、 前記テープカセットホルダは、前記テープカセットを載
   置保持する底板（６）と、この底板の左右端部に下端部
   が固定された左右一対の合成樹脂製の側板（7,8）と、
   これらの側板の上端部を連結してなる金属板製の連結杆
   （９）と、前記両側板の上端部にそれぞれ一体形成され
   た弾性を有するテープカセット押さえ片（14）とからな
   り、 前記連結杆の左右端部に前記テープカセット押さえ片の
   上端部に当接係合する押さえばね部（15）を一体形成し
   てなることを特徴とするテープカセットローディング装
   置。