JPH08283300A - 融合蛋白質およびその融合蛋白質を固定化した材料 - Google Patents

融合蛋白質およびその融合蛋白質を固定化した材料

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JPH08283300A JP8949495A JP8949495A JPH08283300A JP H08283300 A JPH08283300 A JP H08283300A JP 8949495 A JP8949495 A JP 8949495A JP 8949495 A JP8949495 A JP 8949495A JP H08283300 A JPH08283300 A JP H08283300A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】主要組織適合性抗原クラスII蛋白質αサブユニ
ットあるいはその一部とβサブユニットあるいはその一
部を融合させたタンパク質あるいはこの融合蛋白質の全
部あるいは一部を配列中に含む蛋白質。 【効果】本発明により、MHCクラスIIの機能を維持し
たまま生産性・操作性を向上させ、固定化後の架橋操作
が不要であり、且つ、スーパー抗原結合性やT細胞活性
化等の機能を有する融合蛋白質を提供すると共にスーパ
ー抗原の除去等に有用な融合蛋白質固定化材料を提供す
ることが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原提示細胞表面など
に見られる主要組織適合性抗原クラスII蛋白質のα及び
βサブユニットを融合した蛋白質、あるいはこの融合蛋
白質の全部又は一部の配列を含有する蛋白質及びスーパ
ー抗原の除去・検出等に有用な該融合蛋白質を固定化し
た材料に関する。
【0002】
【従来技術】主要組織適合性抗原クラスII蛋白質(以下
MHCクラスIIと略す)は、B細胞やマクロファージ、
血管内皮細胞等の細胞表面に存在し、抗原提示の際に自
己非自己を識別するために用いられる糖蛋白質である。
近年になり、MHCクラスIIが細菌毒素等のスーパー抗
原類の結合蛋白質であることが判明し、且つ自己免疫疾
患においてMHCクラスIIのサブクラスに偏りが見られ
ることなどから、医学・免疫学的に重要視され始めてい
る。
【0003】また、MHCクラスIIを固定化した材料
は、MHCクラスII蛋白質結合性物質の溶液中からの分
離・検出に用いられ、免疫学や医学領域に有効に用いら
れる。現在、MHCクラスIIを単離し入手するには、哺
乳類細胞や昆虫細胞にMHCクラスIIの遺伝子を導入さ
せるか、あるいは天然に存在するMHCクラスIIをB細
胞やマクロファージ、血管内皮細胞などの細胞膜中より
精製してくる必要がある。しかし、天然型MHCクラス
IIを細胞膜中より大量に得る場合、膜表面の発現量が少
ないために、大量の細胞を必要とし、培養細胞を用いた
としても多くの時間と費用を要する。本発明者らは以前
に微生物等を用いてMHCクラスIIのα及びβサブユニ
ットを個別に発現させ、その後に再構成によりMHCク
ラスII分子が得られることを見出した(特表平6−80
9148号)。
【0004】また、哺乳類細胞や昆虫細胞に遺伝子技術
を用いて組換え型MHCクラスIIを産生させる方法も報
告されている。(ジャーナル オブ エクスペリメンタ
ルメディスン 第174 巻 219ページ(1991), セル 第68
巻 465ページ(1992))。
【0005】ここで、個別にサブユニットを発現させる
ことはサブユニット毎に変異を加えたりするのには有効
であるが、再構成MHCクラスII分子を得るためには、
各サブユニットの発現精製を別々に進める必要があるな
ど単一蛋白質を発現精製させることに比較して時間や費
用が二倍必要である。また、哺乳類細胞や昆虫細胞を用
いると、再構成したMHCクラスIIとして蛋白質が得ら
れるが、血液浄化カラム等のように固定化後の蛋白質の
遊離が禁忌の場合には再構成体の両サブユニットを架橋
した状態で固定化しサブユニットの解離による蛋白質の
カラム内からの遊離を防止する必要が生じ、この固定化
により蛋白質の活性が低下することが多い。
【0006】さらに、融合蛋白質を作製する際に、融合
のための結合部位の違いが融合蛋白質の機能に大きく影
響する。これは、融合蛋白質が本来の天然型の蛋白質と
同様の構造をとる際に、結合部位によっては立体的障害
になることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、単一蛋白質内にMHCクラスIIのα及びβの両サブ
ユニットの配列を含ませることにより生産性・操作性を
容易にし、固定化後の架橋操作が不要であり、且つ、ス
ーパー抗原結合性やT細胞活性化等の機能を有するMH
CクラスIIαサブユニットあるいはその一部とβサブユ
ニットあるいはその一部を融合させた蛋白質(以下、融
合蛋白質と呼ぶ)を提供すると共にスーパー抗原の除去
等に有用な融合蛋白質固定化材料を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は下記の構成を有する。
【0009】「主要組織適合性抗原クラスII蛋白質α及
びβサブユニットを融合させた蛋白質の製造方法。」本
発明に用いたMHCクラスII蛋白質をコードする遺伝子
は既に報告されているDNA配列(L.J.Stern
ら、セル、第68巻、465頁(1992年)、D.
A.WettSteinら、ジャーナル オブ エクス
ペリメンタルメディスン、第174巻、219頁、(1
991年))をもとにPCR法によりB細胞等のヒト細
胞中より、常法、例えば「遺伝子増幅PCR法(蛋白質
・核酸・酵素臨時増刊、第35巻、17号、(1990
年)」に記載の方法に従い得られた。このDNAのコー
ドする蛋白質の調製法としては、遺伝子組換え技術を利
用して大腸菌、酵母菌、昆虫細胞や哺乳類細胞内で発現
させる方法が挙げられる。このうち、増殖の速さ等の生
産効率の高さ・培養条件等の操作性の良さから考えると
大腸菌や酵母菌を用いることがより好ましい。発現の方
法としては本蛋白質をコードするDNAあるいはその一
部に蛋白合成開始信号と終結信号、また、菌体外へ分泌
させるときは分泌信号を付加した後、種々の公知の発現
ベクターに結合させ、直接本発明の融合蛋白質を発現さ
せる方法、また、他のペプチド、例えば、インターロイ
キン2、マルトース結合蛋白質、βガラクトシダーゼ、
trpE蛋白質などと融合蛋白質として発現させる方法
がある。また、発現後の蛋白質の精製のしやすさを考慮
して、MHCクラスIIの活性が保たれるならば、ヒスチ
ジンの6量体等を付加しても良い。
【0010】MHCクラスIIの細菌に対する毒性を考慮
すると発現の際に不溶性の顆粒体を形成させるか、ヒー
トショックプロモーター等の転写開始制御能の高いプロ
モーターを用いることが好ましい。
【0011】また、αサブユニットとβサブユニットを
融合させる際に用いる連結部分のアミノ酸配列には制限
はないが、親水性を高くすると水溶液中に直鎖状に伸張
しスペーサーとして有効に作用でき、好ましい。また、
スペーサーの長さは、天然型MHCクラスIIより予想さ
れる結合部位間距離より決定することが望ましく、ま
た、再構成後に切断可能なように酵素的に切断可能なア
ミノ酸配列を導入することも可能である。
【0012】また、結合を行うαおよびβサブユニット
の位置としては天然型のMHCクラスIIの高次構造を考
慮する必要があり、単にα1 領域とβ1 領域等を任意に
結合させても連結部位が障害になり高次構造が破壊さ
れ、機能を有さない、あるいは機能低下したものが得ら
れる場合が多い。そこで、高いスーパー抗原結合能やT
細胞刺激能を有した融合蛋白質を得るためには、MHC
クラスII蛋白質の高次構造(J.H.Brownら、ネ
イチャー、第364巻、33頁、1993年)を考慮し
アミノ酸残基間に他のアミノ酸残基が障害となるように
存在せず、かつ活性発現に必要な部位を欠損しないアミ
ノ酸残基で結合させることが好ましい。本発明者が鋭意
検討した結果では、スーパー抗原を結合し、T細胞を活
性化させる機能を有するアミノ酸残基の結合は、αサブ
ユニットの第70番から第80番目のいづれかのアミノ
酸残基とβサブユニットの第1番から第10番目のいづ
れかのアミノ酸残基間あるいは、αサブユニットの第7
0番から第80番目のいづれかのアミノ酸残基とβサブ
ユニットの第50番から第60番目のいづれかのアミノ
酸残基間あるいはβサブユニットの第70番から第90
番目のいづれかのアミノ酸残基とαサブユニットの第1
番から第15番目のいづれかのアミノ酸残基間が好まし
い。また、T細胞上のCD4蛋白質により認識されるβ
2 領域を欠如させることによりT細胞活性化を制御する
ことや、他のポリペプチドと融合させることにより等電
点の改変や機能を付加すること、さらに、サブユニット
の鎖長を変化させることにより等電点や疎水性を改変
し、溶解性を制御することも可能である。
【0013】「固定化方法」融合蛋白質は、共有結合、
イオン結合、配位結合、疎水結合又は包括法を用いて結
合又は吸着することにより担体に固定化することができ
る。蛋白質の担体への固定化は、当業者にとって周知で
あり、周知のいずれの方法など、特に限定することなく
用いることができる。これらのうち、蛋白質が遊離する
可能性のない共有結合法を用いることが最も好ましい。
共有結合にて蛋白質を固定化する場合には、蛋白質のア
ミノ基、カルボキシル基又はスルフィド基を利用する方
法が一般的である。
【0014】「固定化担体」融合蛋白質を固定化する担
体としては、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリスルホン、ポリアリルアミン、ポリビニルアル
コール等の合成高分子やセルロース、キトサンあるいは
その誘導体のような天然高分子、セラミックスや金属等
の無機材料等で構成されるビーズ、繊維、中空糸、織
物、プレート、チューブ等を用いることができる。この
うち、固定化材料として官能基の挿入容易な高分子化合
物を用いることがより好ましく、形態としては操作性や
表面積の大きさから中空糸、ビーズ、繊維等がより好ま
しい。
【0015】本発明の融合蛋白質固定化材料はサブユニ
ット同士が解離しないため、固定化された蛋白質はカラ
ム上からは脱離することなく、血液、尿等の体液や食料
品、飲料物中からスーパー抗原を除去する目的に用いる
ことができ、これにより、食中毒、敗血症や自己免疫性
疾患の治療や発症の予防が可能になる。また、免疫学的
に抗原提示細胞に類似した人工材料を作製することや生
体あるいは生体成分を人工的に刺激、活性化あるいは抑
制する際に有効に利用することができる。
【0016】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるもので
はない。
【0017】
【実施例】
実施例1 MHCクラスIIαサブユニットとβサブユニットの融合
蛋白質の大腸菌内でのヒートショックプロモーターを用
いた発現及びスーパー抗原結合能とT細胞活性化能の回
復。
【0018】MHCクラスIIのα及びβサブユニットの
融合蛋白質は以下のように調製した。pUTベクターに
制限酵素としてNcoI及びHindIII を用いてαサ
ブユニットの第1番から第80番アミノ酸残基を挿入し
た。次にPCR法により、βサブユニットの1番目のア
ミノ基残基のアミノ末端側にLグリシン- Lスレオニン
ー Lセリンー Lグリシンをスペーサーとして、また、1
95番目のアミノ酸残基のカルボキシル末端側に翻訳終
結信号を付加した後、この修飾したβサブユニットの遺
伝子断片を制限酵素HindIII を用いて、αサブユニ
ットの遺伝子を挿入した上記pUTベクターへ組み込
み、これにより、αサブユニットその後ろに4アミノ酸
残基のスペーサーを介してβサブユニットが結合した融
合蛋白質のための発現ベクターを得た。このベクターを
用いて大腸菌を形質転換し、L培地中で30℃、8時間
培養後、培地温度を42℃に上昇させて誘導をかけ、誘
導後に培地温度を37℃に低下させて、さらに2時間培
養した後、培養液より大腸菌を回収した。
【0019】ここで発現させた融合蛋白質は不溶性顆粒
体であり、活性を維持していなかった。そこで、以下の
方法で融合蛋白質の活性を回復させた。菌体の超音波破
砕後の沈殿画分を6M塩酸グアニジン、10mMジチオ
スレイトールを含む、50mMトリス塩酸緩衝液PH
8.0により可溶化した。可溶化後に、イオン交換クロ
マトグラフ、ゲルろ過、硫安分画により精製し、その
後、精製された融合蛋白質を、50μg/mlの濃度で
6M塩酸グアニジン溶液に溶解し、4℃、1時間撹拌し
た。その後、4℃で100mMNaClを含む50mM
トリス塩酸緩衝液PH7.4中で透析した。
【0020】透析後の液を遠心処理し、沈殿部を除去
後、遠心上清を濃縮し濃度50μg/mlに調製した。
濃縮後の溶液を0.1mlずつ酵素免疫学的測定(EI
A)用の96穴プレート上に固相化した。
【0021】固相化したプレートにスーパー抗原の一つ
であるトキシックショックシンドロームトキシンー1
(TSST−1)を反応させ、その後、ペルオキシダー
ゼ標識した抗TSST−1抗体を用いて結合したTSS
T−1を検出した。結合量をEIAの発色量として測定
した(表1)ところ融合蛋白質において高いスーパー抗
原結合能が確認された。
【0022】さらに、スーパー抗原を反応させたプレー
トに、ヒト末梢血由来のT細胞を反応させ、活性化の程
度をチミジンの取り込み量として測定した(表2)とこ
ろ、融合蛋白質において高いT細胞活性化能を認めた。
【0023】
【表1】 実施例2 MHCクラスII固定化カラムからの蛋白質の遊離試験。
【0024】天然型MHCクラスII及び融合蛋白質を蛍
光標識した後に、蛋白質のカルボキシル基を利用してビ
ーズ上に共有結合により固定した。固定後、ビーズを5
0mMリン酸緩衝液(pH7)で洗浄液中に蛍光物質が
認められなくなるまで洗浄した。このビーズを等量の8
M尿素を含む50mMリン酸緩衝液中に加え室温で10
分間撹拌した。
【0025】ビーズを取り出し、溶液を50mMリン酸
緩衝液中で透析し、透析後に溶液中の蛍光を測定したと
ころ、天然型MHCクラスIIではサブユニットの解離に
より蛍光標識された蛋白質が溶液中に確認された。一
方、融合蛋白質では溶液中に蛍光は認められず、蛋白質
の解離は起こらないことが示された。
【0026】実施例3 MHCクラスIIαサブユニット部分配列とβサブユニッ
ト部分配列の融合蛋白質の大腸菌内でのT7RNAポリ
メラーゼプロモーターを用いた発現及びスーパー抗原結
合能の回復。
【0027】MHCクラスIIαサブユニットの第1アミ
ノ酸の位置にNcoI 制限酵素サイトを挿入し、第76
番目のアミノ酸の後にKpnI サイトを挿入した形でP
CRを行い、βサブユニットの第57番目のアミノ酸の
前にKpnI サイトを導入し、βサブユニットの112
番目のアミノ酸の後に翻訳終結信号とBamHI サイト
を挿入した形でPCRを行い、これらをpET3dベク
ター中に挿入することにより、αサブユニットの第76
番目のアルギニン残基とβサブユニットの第57番目の
アミノ酸アスパラギン酸残基とを、L- グリシン−L-
スレオニンをスペーサーとして結合させた融合蛋白質の
ための発現ベクターを作製した。
【0028】この発現ベクターで大腸菌BL21を形質
転換した後、IPTGで誘導をかけて発現させた。発現
した融合蛋白質は実施例1と同様の方法により、精製お
よび活性回復を行い、スーパー抗原の結合活性を測定し
た。その結果、表3に示すようにスーパー抗原の結合活
性のある融合蛋白質が得られた。
【0029】
【表2】 実施例4 MHCクラスIIαサブユニット部分配列とβサブユニッ
ト部分配列の融合蛋白質の大腸菌内でのT7RNAポリ
メラーゼプロモーターを用いた発現及びスーパー抗原結
合能の回復(2)。
【0030】βサブユニットの第1番目のアミノ酸の位
置にNcoI サイトを、第78番目のアミノ酸の後にK
pnI サイトを導入した形でPCRを行い、αサブユニ
ットの第11番目のアミノ酸の前にKpnI サイトを、
第190番目のアミノ酸の後ろに終結信号とBamHI
サイトを導入した形でPCRを行い、これらをpET3
dベクター中に挿入することにより、αサブユニットの
第11番目のグルタミン酸残基とβサブユニットの第7
8番目のチロシン残基とをL- グリシン−L-スレオニ
ン−L- セリンをスペーサーとして結合させた融合蛋白
質を作製した。この発現ベクターで大腸菌BL21を形
質転換した後、IPTGで誘導をかけて発現させた。発
現した融合蛋白質は実施例1と同様の方法により、精製
および活性回復を行い、スーパー抗原の結合活性を測定
した。その結果、表4に示すようにスーパー抗原の結合
活性のある融合蛋白質が得られた。
【0031】
【表3】 比較例1 比較例として、立体障害が存在するがスーパー抗原結合
部位が存在するα1領域とβ1領域を結合した融合蛋白
質を作製した。この融合蛋白質は、実施例1に示す融合
蛋白質とほぼ同じ配列であり、αヘリックスやβシート
を形成するのに充分なアミノ酸構成を有するが、結合の
ためのスペーサーが立体障害となるように設計した。結
合位置はαサブユニットの87番目のアミノ酸残基とβ
サブユニットの第10番目のアミノ酸残基を4アミノ酸
残基のスペーサーを介して結合した融合蛋白質のための
発現ベクターを作製した。
【0032】作製法は実施例1とほぼ同様に行い、制限
酵素としてNcoI 及びHindIII によりαサブユニ
ット断片をpUTベクターに挿入し、制限酵素Hind
IIIによりPCRでスペーサー及び翻訳終結信号を付加
したβサブユニット断片を上記αサブユニットを挿入し
たpUTベクターへ組み込んだ。
【0033】発現は実施例1と同様にヒートッショック
法を用い、可溶化、精製、活性回復固相化そしてTSS
T−1結合試験も実施例1と同様に行った。その結果、
表5に示すように、立体障害のために立体構造が回復せ
ず、TSST−1結合能が低下することが確認された。
【0034】
【表4】
【0035】
【発明の効果】本発明により、MHCクラスIIの機能を
維持したまま生産性・操作性を向上させ、固定化後の架
橋操作が不要であり、且つ、スーパー抗原結合性やT細
胞活性化等の機能を有する融合蛋白質を提供すると共に
スーパー抗原の除去等に有用な融合蛋白質固定化材料を
提供することが可能になった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 17/14 C07K 17/14 C12P 21/02 C12P 21/02 C // C12N 15/09 9162−4B C12N 15/00 A (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主要組織適合性抗原クラスII蛋白質αサブ
    ユニットあるいはその一部と、βサブユニットあるいは
    その一部とを融合させたことを特徴とする融合蛋白質。
  2. 【請求項2】主要組織適合性抗原クラスII蛋白質αサブ
    ユニットの第70番目から80番目のいづれかのアミノ
    酸残基と、βサブユニット第1番目から10番目か第5
    0番目から60番目のいづれかのアミノ酸残基とを結合
    させることを特徴とする請求項1記載の融合蛋白質。
  3. 【請求項3】主要組織適合性抗原クラスII蛋白質βサブ
    ユニットの第70番目から90番目のいづれかのアミノ
    酸残基と、αサブユニット第1番目から15番目のいづ
    れかのアミノ酸残基とを結合させることを特徴とする請
    求項1記載の融合蛋白質。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の融合蛋白
    質の全部あるいは一部を配列中に含むことを特徴とする
    融合蛋白質。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の融合蛋白
    質を固定化した材料。
  6. 【請求項6】請求項4記載の融合蛋白質を固定化した材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015505315A (ja) * 2012-01-06 2015-02-19 オレゴン ヘルス アンド サイエンス ユニバーシティ 部分的mhcコンストラクト及びその使用方法

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