JPH08283260A - ピリダジノン誘導体及びその製造法 - Google Patents

ピリダジノン誘導体及びその製造法

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Publication number
JPH08283260A
JPH08283260A JP5644396A JP5644396A JPH08283260A JP H08283260 A JPH08283260 A JP H08283260A JP 5644396 A JP5644396 A JP 5644396A JP 5644396 A JP5644396 A JP 5644396A JP H08283260 A JPH08283260 A JP H08283260A
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JP
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alkyl
ester
compound
carboxy
ethyl
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Application number
JP5644396A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kato
眞行 加藤
Mitsuru Okubo
充 大久保
Hiroyoshi Sakai
裕義 酒井
Fumie Takahashi
史江 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 はN含有シクロ(低級)アルキル、R2
水素または低級アルキル、R3 はカルボキシまたは保護
されたカルボキシ、R4 は低級アルキルまたはアリー
ル、A1 は低級アルキレン、低級アルカニル−イリデン
または低級アルケニレン、A2 は低級アルキレン、A3
は低級アルキレン、XはO、SまたはNH、およびmお
よびnは同一または異なって、各々0または1である〕
で表される化合物、または医薬上許容されうる塩。 【効果】 化合物(I)およびその塩は、糖蛋白IIb/
IIIa拮抗剤、血小板凝集阻害剤およびフィブリノーゲ
ンの血小板への結合阻害剤として使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピリダジノン誘導体
およびその医薬上許容される塩、およびその用途に関す
る。更に詳しくは、糖蛋白IIb/ IIIa拮抗剤、血小板
凝集阻害剤およびフィブリノーゲンの血小板への結合阻
害剤として有用なピリダジノン誘導体およびその医薬上
許容される塩、およびその用途に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】現在まで
に血栓形成によって引き起こされる種々の疾患の治療や
予防薬、手術等における血栓形成の予防や治療薬とし
て、種々の化合物が提案されている。例えば、欧州特許
第512,831 A1号公報にはフィブリノーゲンレ
セプター拮抗物質が開示されている。また欧州特許出願
第445,796 A2号公報には血小板凝集阻害剤が
開示されている。しかし、現在まで提案されている化合
物は必ずしも充分な効果を与えるものではなく、さらに
優れた効果を示す化合物の開発が求められている。
【0003】本発明の一つの目的は、前記した薬剤とし
て有用な新規化合物を提供することである。本発明の他
の目的は、上記新規化合物を含む医薬組成物を提供する
ことである。さらに、本発明の他の目的は、上記した新
規化合物の製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のピリダジノン誘
導体は、以下の一般式(I)
【0005】
【化9】
【0006】〔式中、R1 は1つまたはそれ以上の適切
な置換基を有してもよいN含有シクロ(低級)アルキ
ル、R2 は水素または低級アルキル、R3 はカルボキシ
または保護されたカルボキシ、R4 は各々1つまたはそ
れ以上の適切な置換基を有してもよい低級アルキルもし
くはアリール、A1 は各々1つまたはそれ以上の適切な
置換基を有してもよい低級アルキレン、低級アルカニル
−イリデンもしくは低級アルケニレン、A2 は低級アル
キレン、A3 は1つまたはそれ以上の適切な置換基を有
してもよい低級アルキレン、XはO、SまたはNH、お
よびmおよびnは同一または異なって各々0または1で
ある〕で表される。
【0007】
【発明の実施の形態】ピリダジノン誘導体(I)または
その塩は次の反応式で示される方法によって製造でき
る。方法1
【0008】
【化10】
【0009】
【化11】
【0010】
【化12】
【0011】〔上記反応式中、R1 、R2 、R3
1 、A2 、A3 、mおよびnはそれぞれ上記と同義、
1aは1つまたはそれ以上の適切な置換基を有してもよ
いアミノ保護基を有するN含有シクロ(低級)アルキル
であり、R1bは1つまたはそれ以上の適切な置換基を有
してもよいN含有シクロ(低級)アルキルであり、R3a
は保護されたカルボキシである。〕
【0012】出発化合物(II)またはその塩は新規化
合物であり、次の反応式で示される方法によって製造で
きる。方法A
【0013】
【化13】
【0014】
【化14】
【0015】〔上記反応式中、R1 、R4 、A1
2 、X、mおよびnはそれぞれ上記と同義、R5 は保
護されたカルボキシであり、およびA1 ’は1つまたは
それ以上の適切な置換基を有してもよいハロ−低級アル
キル、ハロ−低級アルカニル−イリデンまたはハロ−低
級アルケニルである。〕
【0016】出発化合物 (III)またはその塩は、次
の反応式で示される方法によって製造できる。方法C
【0017】
【化15】
【0018】
【化16】
【0019】〔上記反応式中、A4 は低級アルキニレン
であり、3つのR6 はそれぞれ独立して低級アルキルで
あり、R7 は低級アルキルであり、2つのR8 はそれぞ
れ独立してハロゲンであり、3つのR9 はそれぞれ独立
して低級アルキルであり、およびR11は低級アルキルで
ある。〕
【0020】出発化合物の中にも新規化合物があり、こ
れらはこの技術分野の慣用の方法または本明細書で以下
に記載する製造例および/または実施例に開示された方
法と同様の方法によって既知化合物から調製される。
【0021】目的化合物(I)の医薬上許容されうる適
切な塩は、慣用の無毒性塩であって、アルカリ金属塩
〔例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等〕およびアルカ
リ土類金属塩〔例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩
等〕等の金属塩、アンモニウム塩、有機塩基塩〔例え
ば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジ
ン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N
−ジベンジルエチレンジアミン塩等〕、有機酸付加塩
〔例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレ
イン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンス
ルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩等〕、無機酸付加塩
〔例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫
酸塩、リン酸塩等〕、アミノ酸塩〔例えば、アルギニン
酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩等〕等が挙げ
られる。
【0022】本明細書の前述および後述の説明におい
て、式中の種々の定義を説明し、適当な例を以下詳細に
挙げる。「低級」とは、特に断らない限り、炭素原子1
〜6個を意味する。「高級」とは、特に断らない限り、
炭素原子7〜20個を意味する。「1つまたはそれ以上
の適切な置換基」なる語の「1つまたはそれ以上」の数
字は、好ましくは1〜4である。
【0023】適切な「低級アルキル」としては、メチ
ル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等の直鎖または
分枝鎖状のものが挙げられる。
【0024】適切な「保護されたカルボキシ」として
は、エステル化されたカルボキシ基等の慣用の保護基が
挙げられる。
【0025】「エステル化されたカルボキシ基」のエス
テル部分の具体例としては、例えば、適切な置換基を有
してもよい低級アルキルエステル〔低級アルキルエステ
ルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステ
ル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエス
テル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキ
シルエステル、イソヘキシルエステル、1−シクロプロ
ピルエチルエステル等が挙げられる〕、例えば、低級ア
ルカノイルオキシ(低級)アルキルエステル〔例えば、
アセトキシメチルエステル、プロピオニルオキシメチル
エステル、ブチリルオキシメチルエステル、バレリルオ
キシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステ
ル、1−アセトキシエチルエステル、1−プロピオニル
オキシエチルエステル、ピバロイルオキシエチルエステ
ル、2−プロピオニルオキシエチルエステル、ヘキサノ
イルオキシメチルエステル等〕、低級アルカンスルホニ
ル(低級)アルキルエステル〔例えば、2−メシルエチ
ルエステル等〕、モノ(またはジまたはトリ)ハロ(低
級)アルキルエステル〔例えば、2−ヨードエチルエス
テル、2,2,2−トリクロロエチルエステル等〕;高
級アルキルエステル〔例えば、ヘプチルエステル、オク
チルエステル、3,5−ジメチルオクチルエステル、
3,7−ジメチルオクチルエステル、ノニルエステル、
デシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステ
ル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ペン
タデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシ
ルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステ
ル、アダマンチルエステル等〕;低級アルケニルエステ
ル〔例えば、(C2-6 )アルケニルエステル(例えば、
ビニルエステル、アリルエステル等)〕;低級アルキニ
ルエステル〔例えば、(C2-6 )アルキニルエステル
(例えば、エチニルエステル、プロピニルエステル
等)〕;適切な置換基を1つまたはそれ以上有してもよ
いアル(低級)アルキルエステル〔例えば、1〜4の低
級アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、低級ア
ルキル、フェニルまたはハロ(低級)アルキルを有して
もよいフェニル(低級)アルキルエステル(例えば、ベ
ンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−
クロロベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステ
ル、フェネチルエステル、トリチルエステル、ベンズヒ
ドリルエステル、ビス(メトキシフェニル)メチルエス
テル、3,4−ジメトキシベンジルエステル、4−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルエステ
ル、4−トリフルオロメチルベンジルエステル等)〕;
適切な置換基を1つまたはそれ以上有してもよいアリー
ルエステル〔例えば、1〜4個の低級アルキルまたはハ
ロゲンを有してもよいフェニルエステル(例えば、フェ
ニルエステル、4−クロロフェニルエステル、トリルエ
ステル、4−tert−ブチルフェニルエステル、キシ
リルエステル、メシチルエステル、クメニルエステル
等)、インダニルエステル等〕;低級アルキルを有して
もよいシクロアルキルオキシカルボニルオキシ(低級)
アルキルエステル(例えば、シクロペンチルオキシカル
ボニルオキシメチルエステル、シクロヘキシルオキシカ
ルボニルオキシメチルエステル、シクロヘプチルオキシ
カルボニルオキシメチルエステル、1−メチルシクロヘ
キシルオキシカルボニルオキシメチルエステル、1−
(または2−)〔シクロペンチルオキシカルボニルオキ
シ〕エチルエステル、1−(または2−)〔シクロヘキ
シルオキシカルボニルオキシ〕エチルエステル、1−
(または2−)〔シクロヘプチルオキシカルボニルオキ
シ〕エチルエステル等)等〕;(5−(低級)アルキル
−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)(低
級)アルキルエステル〔例えば、(5−メチル−2−オ
キソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルエステ
ル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール
−4−イル)メチルエステル、(5−プロピル−2−オ
キソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチルエステ
ル、1−(または2−)(5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソール−4−イル)エチルエステル、1
−(または2−)(5−エチル−2−オキソ−1,3−
ジオキソール−4−イル)エチルエステル、1−(また
は2−)(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキ
ソール−4−イル)エチルエステル等〕等が挙げられ
る。
【0026】これらのうちでも好ましいものとしては、
低級アルキルエステル、低級アルカノイルオキシ(低
級)アルキルエステル、適切な置換基を1つまたはそれ
以上有してもよいアル(低級)アルキルエステル、低級
アルキルを有してもよいシクロアルキルオキシカルボニ
ルオキシ(低級)アルキルエステル、高級アルキルエス
テルおよび〔5−(低級)アルキル−2−オキソ−1,
3−ジオキソール−4−イル〕(低級)アルキルエステ
ルである。
【0027】さらに好ましいものとしては、メチルエス
テル、エチルエステル、イソブチルエステル、ブチルエ
ステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘ
キシルエステル、イソヘキシルエステル、ベンジルエス
テル、4−トリフルオロメチルベンジルエステル、4−
クロロベンジルエステル、フェニルエステル、フェネチ
ルエステル、インダニルエステル、アダマンチルエステ
ル、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール
−4−イル)メチルエステル、(1−シクロヘキシルオ
キシカルボニルオキシ)エチルエステルおよびピバロイ
ルオキシメチルエステルである。
【0028】適切な「低級アルカニル−イリデン」とし
ては、メチン、1−エタニル−2−イリデン、1−プロ
パニル−3−イリデン、2−メチル−1−プロパニル−
3−イリデン、7−ペンタニル−5−イリデン、1−ヘ
キサニル−6−イリデン等の直鎖または分枝鎖状のもの
が挙げられる。好ましくは、(C1-4 )アルカニル−イ
リデンであり、さらに好ましくは、メチンである。
【0029】適切な「低級アルキレン」としては、メチ
レン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペン
タメチレン、ヘキサメチレン、メチルメチレン、1−エ
チルメチレン、2−プロピルメチレン等の直鎖または分
枝鎖状のものが挙げられる。好ましくは、(C1
4 )アルキレンであり、さらに好ましくは、メチレ
ン、エチレンおよびトリメチレンである。
【0030】適切な「低級アルケニレン」としては、ビ
ニレン、プロペニレン、ブテニレン、1または2または
3−ペンテニレン、1または2または3−ヘキセニレ
ン、メチルビニレン、エチルビニレン、1または2また
は3−メチルプロペニレン、1または2または3−エチ
ルプロペニレン、1または2または3または4−メチル
−1または2−ブテニレン等の炭素原子を2〜6個有す
る直鎖または分枝鎖状のものが挙げられる。
【0031】適切な「アミノ保護基」としては、以下で
説明するアシル基、適切な置換基を1〜3個有してもよ
いアル(低級)アルキル(例えば、ベンジル、フェネチ
ル、1−フェニルエチル、ベンズヒドリル、トリチル
等)、〔5−(低級)アルキル−2−オキソ−1,3−
ジオキソール−4−イル〕(低級)アルキル〔例えば、
(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4
−イル)メチル等〕等の慣用の保護基が挙げられる。
【0032】適切な「アシル基」および「アシル」とし
ては、カルボン酸、炭酸、カルバミン酸、スルホン酸等
から誘導される脂肪族アシル、芳香族アシル、芳香脂肪
族アシルおよび複素環−脂肪族アシルが挙げられる。
【0033】「アシル基」の適切な例を以下に具体的に
示す。脂肪族アシルとしては、例えば、低級または高級
アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロパノ
イル、ブタノイル、2−メチルプロパノイル、ペンタノ
イル、2,2−ジメチルプロパノイル、ヘキサノイル、
ヘプタノイル、オクタノイル、ノナノイル、デカノイ
ル、ウンデカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、
テトラデカノイル、ペンタデカノイル、ヘキサデカノイ
ル、ヘプタデカノイル、オクタデカノイル、ノナデカノ
イル、イコサノイル等);低級または高級アルコキシカ
ルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、tert−ブトキシカルボニル、tert−ペ
ンチルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニル
等);低級または高級アルキルスルホニル(例えば、メ
チルスルホニル、エチルスルホニル等);および低級ま
たは高級アルコキシスルホニル(例えば、メトキシスル
ホニル、エトキシスルホニル等)等が挙げられる。
【0034】芳香族アシルとしては、例えば、アロイル
(例えば、ベンゾイル、トルオイル、ナフトイル等);
アル(低級)アルカノイル〔例えば、フェニル
(C1-6 )アルカノイル(例えば、フェニルアセチル、
フェニルプロパノイル、フェニルブタノイル、フェニル
イソブタノイル、フェニルペンタノイル、フェニルヘキ
サノイル等)、ナフチル(C1-6 )アルカノイル(例え
ば、ナフチルアセチル、ナフチルプロパノイル、ナフチ
ルブタノイル等)等〕;アル(低級)アルケノイル〔例
えば、フェニル(C3-6 )アルケノイル(例えば、フェ
ニルプロペノイル、フェニルブテノイル、フェニルメタ
クリロイル、フェニルペンテノイル、フェニルヘキセノ
イル等)、ナフチル(C3-6 )アルケノイル(例えば、
ナフチルプロペノイル、ナフチルブテノイル等)等〕;
アル(低級)アルコキシカルボニル〔例えば、フェニル
(C1-6 )アルコキシカルボニル(例えば、ベンジルオ
キシカルボニル等)等〕;アリールオキシカルボニル
(例えば、フェノキシカルボニル、ナフチルオキシカル
ボニル等);アリールオキシ(低級)アルカノイル(例
えば、フェノキシアセチル、フェノキシプロピオニル
等);アリールカルバモイル(例えば、フェニルカルバ
モイル等);アリールチオカルバモイル(例えば、フェ
ニルチオカルバモイル等);アリールグリオキシロイル
(例えば、フェニルグリオキシロイル、ナフチルグリオ
キシロイル等);および1〜4個の低級アルキルを有し
てもよいアリールスルホニル(例えば、フェニルスルホ
ニル、p−トリルスルホニル等)等が挙げられる。
【0035】複素環アシルとしては、例えば、複素環カ
ルボニル;複素環(低級)アルカノイル(例えば、複素
環アセチル、複素環プロパノイル、複素環ブタノイル、
複素環ペンタノイル、複素環ヘキサノイル等);複素環
(低級)アルケノイル(例えば、複素環プロペノイル、
複素環ブテノイル、複素環ペンテノイル、複素環ヘキセ
ノイル等);複素環グリオキシロイル等が挙げられる。
【0036】ここに、上記「複素環カルボニル」、「複
素環(低級)アルキル」、「複素環(低級)アルケノイ
ル」および「複素環グリオキシロイル」なる用語中の適
切な「複素環部分」は、詳細には、酸素原子、硫黄原
子、窒素原子等のヘテロ原子を少なくとも1個含有する
飽和または不飽和の単環式または多環式複素環基を意味
する。
【0037】特に好ましい複素環基としては、1〜4個
の窒素原子を含有する3〜8員(より好ましくは5また
は6員)不飽和複素単環基、例えば、ピロリル、ピロリ
ニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ジヒドロ
ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、ト
リアゾリル(例えば、4H−1,2,4−トリアゾリ
ル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,
3−トリアゾリル等)、テトラゾリル(例えば、1H−
テトラゾリル、2H−テトラゾリル等)等;1〜4個の
窒素原子を含有する3〜8員(より好ましくは5または
6員)飽和複素単環基、例えば、ピロリジニル、イミダ
ゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル等);1〜4個
の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基、例えば、イ
ンドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジ
ニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、ジヒドロキノリ
ル、イソキノリル、インダゾリル、キノキサリニル、ジ
ヒドロキノキサリニル、ベンゾトリアゾリル等;1〜2
個の酸素原子と1〜3個の窒素原子とを含有する3〜8
員(より好ましくは5または6員)不飽和複素単環基、
例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジア
ゾリル(例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,
3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾ
リル等)等;1〜2個の酸素原子と1〜3個の窒素原子
とを含有する3〜8員(より好ましくは5または6員)
飽和複素単環基、例えば、モルホリニル、シドノニル
等;1〜2個の酸素原子と1〜3個の窒素原子とを含有
する不飽和縮合複素環基、例えば、ベンゾオキサゾリ
ル、ベンゾオキサジアゾリル等;1〜2個の硫黄原子と
1〜3個の窒素原子とを含有する3〜8員(より好まし
くは5または6員)不飽和複素単環基、例えば、チアゾ
リル、イソチアゾリル、チアジアゾリル(例えば、1,
2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリ
ル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジ
アゾリル等)、ジヒドロチアジニル等;1〜2個の硫黄
原子と1〜3個の窒素原子とを含有する3〜8員(より
好ましくは5または6員)飽和複素単環基、例えば、チ
アゾリジニル等;1〜2個の硫黄原子を含有する3〜8
員(より好ましくは5または6員)不飽和複素単環基、
例えば、チエニル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチ
オニル等;1〜2個の硫黄原子と1〜3個の窒素原子と
を含有する不飽和縮合複素環基、例えば、ベンゾチアゾ
リル、ベンゾチアジアゾリル等;1個の酸素原子を含有
する3〜8員(より好ましくは5または6員)不飽和複
素単環基、例えば、フリル等;1個の酸素原子と1〜2
個の硫黄原子とを含有する3〜8員(より好ましくは5
または6員)不飽和複素単環基、例えば、ジヒドロオキ
サチイニル等;1〜2個の硫黄原子を含有する不飽和縮
合複素環基、例えば、ベンゾチエニル、ベンゾジチイニ
ル等;1個の酸素原子と1〜2個の硫黄原子とを含有す
る不飽和縮合複素環基、例えば、ベンゾオキサチイニル
等;等;の複素環基が挙げられる。
【0038】上記のアシル部分は、同一また異なる1〜
10個の適切な置換基、例えば、低級アルキル(例え
ば、メチル、エチル、プロピル等);低級アルコキシ
(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等);低級
アルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ等);
低級アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ、エチルア
ミノ、プロピルアミノ等);シクロ(低級)アルキル
〔例えば、シクロ(C3-6 )アルキル(例えば、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等)〕;シクロ(低級)アル
ケニル〔例えば、シクロ(C3-6 )アルケニル(例え
ば、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル等)〕;
ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);ア
ミノ;前述のアミノ保護基;ヒドロキシ;後述の保護さ
れたヒドロキシ;シアノ;ニトロ;カルボキシ;前述の
保護されたカルボキシ;スルホ;スルファモイル;イミ
ノ;オキソ;アミノ(低級)アルキル(例えば、、アミ
ノメチル、アミノエチル等);カルバモイルオキシ;ヒ
ドロキシ(低級)アルキル(例えば、ヒドロキシメチ
ル、1または2−ヒドロキシエチル、1または2または
3−ヒドロキシプロピル等)等を有してもよい。
【0039】適切な「保護されたヒドロキシ」の保護基
としては、前述のアシル、適切な置換基を1つまたはそ
れ以上有してもよいフェニル(低級)アルキル(例え
ば、ベンジル、4−メトキシベンジル、トリチル等)、
三置換シリル〔例えば、トリ(低級)アルキルシリル
(例えば、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチ
ルシリル等)等〕、テトラヒドロピラニル等が挙げられ
る。
【0040】「アミノ保護基」のより好ましい例として
は、低級アルコキシカルボニルおよびアル(低級)アル
コキシカルボニルが挙げられ、最も好ましいのは、te
rt−ブトキシカルボニルおよびベンジルオキシカルボ
ニルである。
【0041】「適切な置換基を1つまたはそれ以上有し
てもよい低級アルキレン」なる用語中の適切な「低級ア
ルキレン」としては、前述したものが挙げられる。
【0042】「適切な置換基を1つまたはそれ以上有し
てもよい低級アルキレン」なる用語中の「適切な置換
基」としては、低級アルキル(例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t
ert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、tert−
ペンチル、ヘキシル等);低級アルコキシ(例えば、メ
トキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソ
ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ネオ
ペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ヘキシル
オキシ等);低級アルケニル〔例えば、(C2-6 )アル
ケニル(例えば、ビニル、1−プロペニル、アリル、1
−メチルアリル、1または2または3−ブテニル、1ま
たは2または3または4−ペンテニル、1または2また
は3または4または5−ヘキセニル等〕;低級アルキニ
ル〔例えば、(C2-6 )アルキニル(例えば、エチニ
ル、1−プロピニル、プロパルギル、1−メチルプロパ
ルギル、1−エチルプロパルギル、1または2または3
−ブチニル、1または2または3または4−ペンチニ
ル、1または2または3または4または5−ヘキシニル
等〕;モノ(またはジまたはトリ)ハロ(低級)アルキ
ル(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリ
フルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリ
クロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブ
ロモメチル、1または2−フルオロエチル、1または2
−ブロモエチル、1または2−クロロエチル、1,1−
ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル等);ハ
ロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素);カル
ボキシ;前記の保護されたカルボキシ;ヒドロキシ;前
述の保護されたヒドロキシ;アリール(例えば、フェニ
ル、ナフチル等);前述の複素環基〔例えば、1〜4個
の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基(例えば、イ
ンドリル、イソインドリル、インドリニル、インドリジ
ニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、ジヒドロキノリ
ル、イソキノリル、インダゾリル、キノキサリニル、ジ
ヒドロキノキサリニル、ベンゾトリアゾリル等)〕;フ
ェニル(低級)アルキル等のアル(低級)アルキル(例
えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル等);
低級アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ハロ(低級)アル
キル、低級アルキレンジオキシ等を1つまたはそれ以上
(好ましくは1〜4)有するアル(低級)アルキル等の
適切な置換基を1つまたはそれ以上有するアル(低級)
アルキル;カルボキシ(低級)アルキル;保護されたカ
ルボキシ(低級)アルキル;ニトロ;アミノ;保護され
たアミノ、つまり前述の「アミノ保護基」により保護さ
れたアミノであり、好ましくはアシルアミノ;「アシル
アミノ」なる用語中のアシル部分は、前述の「アシ
ル」、例えば、低級または高級アルカノイルアミノ(例
えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロパノイル
アミノ、ブタノイルアミノ、2−メチルプロパノイルア
ミノ、ペンタノイルアミノ、2,2−ジメチルプロパノ
イルアミノ、ヘキサノイルアミノ、ヘプタノイルアミ
ノ、オクタノイルアミノ、ノナノイルアミノ、デカノイ
ルアミノ、ウンデカノイルアミノ、ドデカノイルアミ
ノ、トリデカノイルアミノ、テトラデカノイルアミノ、
ペンタデカノイルアミノ、ヘキサデカノイルアミノ、ヘ
プタデカノイルアミノ、オクタデカノイルアミノ、ノナ
デカノイルアミノ、イコサノイルアミノ等)、シクロ
(低級)アルキルカルボニルアミノ〔例えば、シクロ
(C3-6 )アルキルカルボニルアミノ(例えば、シクロ
プロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルア
ミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシ
ルカルボニルアミノ等)〕、低級または高級アルコキシ
カルボニルアミノ(例えば、メトキシカルボニルアミ
ノ、エトキシカルボニルアミノ、tert−ブトキシカ
ルボニルアミノ、ペンチルオキシカルボニルアミノ、ヘ
プチルオキシカルボニルアミノ等)〕、低級アルコキシ
(低級)アルカノイルアミノ(例えば、メトキシアセチ
ルアミノ、2−または3−メトキシプロピオニルアミ
ノ、エトキシアセチルアミノ、2−または3−エトキシ
プロピオニルアミノ等)、低級アルキニルカルボニルア
ミノ〔例えば、(C2-6 )アルキニルカルボニルアミノ
(例えば、プロパルギルカルボニルアミノ、1−メチル
プロパルギルカルボニルアミノ、1−または2−または
3−ブチニルカルボニルアミノ等)〕、低級または高級
アルキルスルホニルアミノ(例えば、メチルスルホニル
アミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニル
アミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、sec−ブチル
スルホニルアミノ、tert−ブチルスルホニルアミ
ノ、n−ペンチルスルホニルアミノ、ネオペンチルスル
ホニルアミノ、ヘキシルスルホニルアミノ等)、低級ま
たは高級アルコキシスルホニルアミノ(例えば、メトキ
シスルホニルアミノ、エトキシスルホニルアミノ等)、
適切な置換基を1つまたはそれ以上(好ましくは1〜
3)有するアロイルアミノ(例えば、ベンゾイルアミ
ノ、トルオイルアミノ、ナフトイルアミノ、2−または
3−または4−ヒドロキシベンゾイルアミノ、2−また
は3−または4−メトキシベンゾイルアミノ、2−また
は3−または4−クロロベンゾイルアミノ、フェニルベ
ンゾイルアミノ等)、アル(低級)アルカノイルアミノ
〔例えば、フェニル(C1-6 )アルカノイルアミノ(例
えば、フェニルアセチルアミノ、フェニルプロパノイル
アミノ、フェニルブタノイルアミノ、フェニルイソブタ
ノイルアミノ、フェニルペンタノイルアミノ、フェニル
ヘキサノイルアミノ等)、ナフチル(低級)アルカノイ
ルアミノ(例えば、ナフチルアセチルアミノ、ナフチル
プロパノイルアミノ、ナフチルブタノイルアミノ
等)〕、アル(低級)アルケノイルアミノ〔例えば、フ
ェニル(C3-6 )アルケノイルアミノ(例えば、フェニ
ルプロペノイルアミノ、フェニルブテノイルアミノ、フ
ェニルメタクリロイルアミノ、フェニルペンテノイルア
ミノ、フェニルヘキセノイルアミノ等)、ナフチル(C
3-6 )アルケノイルアミノ(例えば、ナフチルプロペノ
イルアミノ、ナフチルブテノイルアミノ等)等〕、アル
(低級)アルコキシカルボニルアミノ〔例えば、フェニ
ル(C1-6 )アルコキシカルボニルアミノ(例えば、ベ
ンジルオキシカルボニルアミノ、フェネチルオキシカル
ボニルアミノ等)等〕、アリールオキシカルボニルアミ
ノ(例えば、フェノキシカルボニルアミノ、ナフチルオ
キシカルボニルアミノ等)、アリールオキシ(低級)ア
ルカノイルアミノ(例えば、フェノキシアセチルアミ
ノ、フェノキシプロピオニルアミノ等)、アリールカル
バモイルアミノ(例えば、フェニルカルバモイルアミノ
等)、アリールチオカルバモイルアミノ(例えば、フェ
ニルチオカルバモイルアミノ等)、アリールグリオキシ
ロイルアミノ(例えば、フェニルグリオキシロイルアミ
ノ、ナフチルグリオキシロイルアミノ等)等の脂肪族ア
シルアミノ;アリールスルホニルアミノ(例えば、フェ
ニルスルホニルアミノ、p−トリルスルホニルアミノ
等)等;ジ(低級)アルキルアミノ(例えば、ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、エチ
ルメチルアミノ、イソプロピルメチルアミノ、エチルプ
ロピルアミノ等);ヒドロキシ(低級)アルキル;保護
されたヒドロキシ(低級)アルキル;前述のアシル;シ
アノ;メルカプト;オキソ;低級アルキルチオ(低級)
アルキル(例えば、メチルチオメチル、エチルチオメチ
ル、プロピルチオメチル、イソプロピルチオメチル、ブ
チルチオメチル、メチルチオエチル、エチルチオエチル
等);アリールチオ(低級)アルキル(例えば、フェニ
ルチオメチル、フェニルチオエチル等);アリールスル
ホニル(低級)アルキル(例えば、フェニルスルホニル
メチル、フェニルスルホニルエチル、p−トリルスルホ
ニルエチル等);低級アルキルスルホニル(低級)アル
キル(例えば、メチルスルホニルメチル、エチルスルホ
ニルメチル、プロピルスルホニルメチル等);アシル部
分が前述の「アシル」であるアシルアミノ(低級)アル
キル〔例えば、アリールスルホニルアミノ(低級)アル
キル(例えば、フェニルスルホニルアミノメチル、フェ
ニルスルホニルアミノエチル、p−トリルスルホニルア
ミノメチル、p−トリルスルホニルアミノエチル等)、
低級アルキルスルホニルアミノ(低級)アルキル(例え
ば、メチルスルホニルアミノメチル、エチルスルホニル
アミノメチル、プロピルスルホニルアミノメチル、ブチ
ルスルホニルアミノメチル、tert−ブチルスルホニ
ルアミノメチル、ペンチルスルホニルアミノエチル等)
等〕;低級アルキルカルボニル(低級)アルキル(例え
ば、メチルカルボニルメチル、エチルカルボニルメチ
ル、プロピルカルボニルメチル等);アロイル(低級)
アルキル(例えば、ベンゾイルメチル、ナフトイルメチ
ル、トルオイルメチル、アニソイルメチル等);複素環
低級アルキル、前に例示した複素環基を有する(低級)
アルキル〔例えば、1〜4個の窒素原子を含有する不飽
和縮合複素環基を有する(C1-6 )アルキル(例えば、
インドリルエチル、イソインドリルエチル、インドリニ
ルメチル、インドリジニルエチル、ベンゾイミダゾリル
メチル、キノリルエチル、ジヒドロキノリルメチル、イ
ソキノリルエチル、インダゾリルエチル、キノキサリニ
ルエチル、ジヒドロキノキサリニルメチル、ベンゾトリ
アゾリルエチル等)〕等;低級アルキルスルファモイル
(低級)アルキル(例えば、メチルスルファモイルメチ
ル、エチルスルファモイルメチル、n−プロピルスルフ
ァモイルメチル、イソプロピルスルファモイルメチル、
n−ブチルスルファモイルメチル、tert−ブチルス
ルファモイルメチル、メチルスルファモイルエチル
等);アリールスルファモイル(低級)アルキル(例え
ば、フェニルスルファモイルメチル、トリルスルファモ
イルメチル、フェニルスルファモイルエチル、ナフチル
スルファモイルメチル等);低級アルキルカルバモイル
(低級)アルキル(例えば、メチルカルバモイルメチ
ル、エチルカルバモイルメチル、n−プロピルカルバモ
イルメチル、イソプロピルカルバモイルメチル、n−ブ
チルカルバモイルメチル、tert−ブチルカルバモイ
ルメチル、メチルカルバモイルエチル等);アリールカ
ルバモイル(低級)アルキル(例えば、フェニルカルバ
モイルメチル、トリルカルバモイルメチル、フェニルカ
ルバモイルエチル、ナフチルカルバモイルメチル等);
適切な置換基を1つまたはそれ以上有してもよいアル
(低級)アルキルカルバモイル〔例えば、1〜3個の低
級アルコキシを有してもよいフェニル(C1-6 )アルキ
ルカルバモイル(例えば、2−メトキシフェネチルカル
バモイル、3−メトキシフェネチルカルバモイル、4−
メトキシフェネチルカルバモイル等);等が挙げられ
る。
【0043】なかでも好ましい置換基としては、(C
1-6 )アルキル、(C2-6 )アルケニル、(C2-6 )ア
ルキニル、フェニル、フェニル(C1-6 )アルキル、1
〜4個の(C1-6 )アルコキシ、ハロ(C1-6 )アルキ
ルまたは(C1-6 )アルキレンジオキシを有してもよい
フェニル(C1-6 )アルキル、1〜4個の窒素原子を含
有する不飽和縮合複素環基を有する(C1-6 )アルキ
ル、シアノ、アミノ、(C 1-6 )アルカノイルアミノ、
1〜3個のヒドロキシ、(C1-6 )アルコキシ、ハロゲ
ンまたはフェニルを有するアロイルアミノ、シクロ(C
3-6 )アルキルカルボニルアミノ、(C1-6 )アルコキ
シ(C1-6 )アルキルカルボニルアミノ、(C2-6 )ア
ルケニルカルボニルアミノ、(C1-6 )アルキルスルホ
ニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、フェニル(C
1-6 )アルキルカルバモイルである。
【0044】さらに好ましい置換基としては、メチル、
エチル、ビニル、エチニル、シアノ、フェニル、フェネ
チル、2−メトキシフェネチル、3−メトキシフェネチ
ル、4−メトキシフェネチル、3,4−ジメトキシフェ
ネチル、3−トリフルオロメチルフェネチル、3,4−
メチレンジオキシフェネチル、2−インドリルエチル、
4−メトキシフェネチルカルバモイル、フェニルスルホ
ニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノメチル、ベン
ゾイルアミノ、アミノ、アセチルアミノ、p−ヒドロキ
シベンゾイルアミノ、p−メトキシベンゾイルアミノ、
p−クロロベンゾイルアミノ、n−ブタノイルアミノ、
シクロプロピルカルボニルアミノ、3−メトキシプロピ
オニルアミノ、ビフェニルカルボニルアミノおよびプロ
パルギルカルボニルアミノである。
【0045】適切な「アリール」としては、フェニル、
ナフチル(例えば、1−ナフチル、2−ナフチル等)、
アントリル(例えば、1−アントリル、2−アントリ
ル、9−アントリル等)等が挙げられ、好ましくは、フ
ェニルである。
【0046】「適切な置換基を1つまたはそれ以上有し
てもよいN含有シクロ(低級)アルキル」なる用語中の
適切な「N含有シクロ(低級)アルキル」としては、例
えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジル、ピペ
ラジニル等の1〜3個の窒素原子を含有する3〜8員シ
クロアルキルが挙げられる。
【0047】「適切な置換基を1つまたはそれ以上有し
てもよいN含有シクロ(低級)アルキル」なる用語中の
「適切な置換基」としては、オキソ、前述のアミノ保護
基が挙げられる。
【0048】「適切な置換基を1つまたはそれ以上有し
てもよい低級アルキレン、低級アルカニル−イリデンま
たは低級アルケニレン」なる用語中の「適切な置換基」
としては、低級アルキルおよびオキソが挙げられる。
【0049】本発明の化合物のなかでも、好ましいもの
は、式(I)中、R1 が1〜3個の窒素原子を含有する
3〜8員シクロアルキル、R2 が水素、R3 がカルボキ
シまたはエステル化されたカルボキシ、R4 が適切な置
換基を1つまたはそれ以上有してもよいフェニルまたは
低級アルキル、A1 が低級アルキレンまたは低級アルケ
ニレン、A2 が低級アルキレン、A3 が適切な置換基を
1つまたはそれ以上有してもよい低級アルキレン、mが
1およびnが0である化合物(I−A)である。
【0050】より好ましいものは、式(I)中、R1
ピペリジル、R2 が水素、R3 がカルボキシ、R4 がフ
ェニル、低級アルキルまたは低級アルコキシを有するフ
ェニル、またはメチル、A1 が低級アルキレン、A2
低級アルキレン、A3 が低級アルキル、低級アルキニ
ル、フェニル(低級)アルキル、1〜4個の低級アルコ
キシを1〜4個有するフェニル(低級)アルキルおよび
低級アルカノイルアミノよりなる群より選ばれた適切な
置換基を1〜3個有してもよい低級アルキレン、mが
1、およびnが0である化合物(I−B)である。
【0051】本発明の目的化合物(I)の製造法を以下
に詳細に説明する。 方法1 目的化合物(I)またはその塩は、化合物(II)、カ
ルボキシ基における反応性誘導体またはその塩と化合物
(III)、アミノ基における反応性誘導体またはその
塩とを反応させることにより製造できる。化合物(I
I)のカルボキシ基における適切な反応性誘導体として
は、酸ハロゲン化物、酸無水物、活性アミド、活性エス
テル等が挙げられる。該反応性誘導体の適切な例として
は、酸塩化物;酸アジド;置換リン酸〔例えば、ジアル
キルリン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベ
ンジルリン酸、ハロゲン化リン酸等〕、ジアルキル亜リ
ン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、スルホン酸〔例えば、
メタンスルホン酸等〕、脂肪族カルボン酸〔例えば、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバル酸、ペンタ
ン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪酸、トリクロロ酢
酸等〕および芳香族カルボン酸〔例えば、安息香酸等〕
等の酸との混合酸無水物;対称酸無水物;イミダゾー
ル、4−置換イミダゾール、ジメチルピラゾール、トリ
アゾール、テトラゾールまたは1−ヒドロキシ−1H−
ベンゾトリアゾールでの活性アミド;活性エステル〔例
えば、シアノメチルエステル、メトキシメチルエステ
ル、ジメチルイミノメチル〔(CH3 2 + =CH
−〕エステル、ビニルエステル、プロパルギルエステ
ル、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフ
ェニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタ
クロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フ
ェニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、
p−ニトロフェニルチオエステル、p−クレジルチオエ
ステル、カルボキシメチルチオエステル、ピラニルエス
テル、ピリジルエステル、ピペリジルエステル、8−キ
ノリルチオエステル等〕およびN−ヒドロキシ化合物
〔例えば、N,N−ジメチルヒドロキシアミン、1−ヒ
ドロキシ−2−(1H)−ピリドン、N−ヒドロキシス
クシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、1−ヒド
ロキシ−1H−ベンゾトリアゾール等〕とのエステル等
が挙げられる。適切な反応性誘導体は使用する化合物
(II)の種類に応じて、上記した化合物中から適宜選
択することができる。
【0052】化合物(II)およびその反応性誘導体の
適切な塩としては、化合物(I)で例示したものが挙げ
られる。
【0053】化合物(III)のアミノ基における適切
な反応性誘導体としては、化合物(III)とアルデヒ
ドまたはケトン等のカルボニル化合物とを反応させるこ
とによって形成されるシッフ塩基型のイミノまたはその
互変異性のエナミン型異性体、化合物(III)とビス
(トリメチルシリル)アセタミド、モノ(トリメチルシ
リル)アセタミドまたはビス(トリメチルシリル)尿素
等のシリル化合物との反応により形成されるシリル誘導
体、化合物(III)と三塩化リンまたはホスゲン等と
を反応させることにより形成される誘導体等が挙げられ
る。
【0054】化合物(III)およびその反応性誘導体
の適切な塩としては、化合物(I)で例示したものが挙
げられる。
【0055】反応は、通常、水または慣用の溶媒、例え
ば、アルコール〔例えば、メタノール、エタノール
等〕、アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロ
ホルム、塩化メチレン、塩化エチレン、テトラヒドロフ
ラン、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピ
リジンまたは反応に悪影響を及ぼさないその他の任意の
溶媒中で実施する。これらの慣用の溶媒は、水との混合
物として使用してもよい。
【0056】この反応において、化合物(II)を遊離
酸の形で、またはその塩の形で使用する際には、N,
N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−シクロヘ
キシル−N’−モルホリノエチルカルボジイミド、N−
シクロヘキシル−N’−(4−ジエチルアミノシクロヘ
キシル)カルボジイミド、N,N’−ジエチルカルボジ
イミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N
−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド、N,N’−カルボニルビス−(2−メチル
イミダゾール)、ペンタメチレンケテン−N−シクロヘ
キシルイミン、ジフェニルケテン−N−シクロヘキシル
イミン、エトキシアセチレン、1−アルコキシ−1−ク
ロロエチレン、亜リン酸トリアルキル、ポリリン酸エチ
ル、ポリリン酸イソプロピル、オキシ塩化リン(塩化ホ
スホリル)、三塩化リン、塩化チオニル、塩化オキサリ
ル、ハロギ酸低級アルキル〔例えば、クロロギ酸エチ
ル、クロロギ酸イソプロピル等〕、トリフェニルホスフ
ィン、2−エチル−7−ヒドロキシベンゾイソオキサゾ
リウム塩、水酸化2−エチル−5−(m−スルホフェニ
ル)イソオキサゾリウム分子内塩、1−(p−クロロベ
ンゼンスルホニルオキシ)−6−クロロ−1H−ベンゾ
トリアゾール、いわゆるヴィルスマイヤー試薬(N,N
−ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、ク
ロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リンまたは塩化
メタンスルホニル等との反応により調製される)等の慣
用の縮合剤の存在下にて反応を実施するのが好ましい。
【0057】また、反応は、アルカリ金属炭酸塩、アル
カリ金属炭酸水素塩、トリ(低級)アルキルアミン、ピ
リジン、N−(低級)アルキルモルホリン、N,N−ジ
(低級)アルキルベンジルアミン等の無機塩基または有
機塩基の存在下にて実施してもよい。反応温度は特に限
定されず、通常、冷却下ないしは加温下にて反応を実施
する。
【0058】方法2 目的化合物(Ib)またはその塩は、化合物(Ia)ま
たはその塩をアミノ基保護基の脱離反応に付すことによ
り製造できる。この反応は、加水分解または還元等の慣
用の方法に従って実施できる。加水分解は、塩基または
ルイス酸をはじめとする酸の存在下にて実施するのが好
ましい。適切な塩基としては、アルカリ金属〔例えば、
ナトリウム、カリウム等〕、アルカリ土類金属〔例え
ば、マグネシウム、カルシウム等〕、これらの水酸化
物、炭酸塩または炭酸水素塩、トリアルキルアミン〔例
えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等〕、ピコ
リン、1,5−ジアザビシクロ〔4.3.0〕ノン−5
−エン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタ
ン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕ウンデク−
7−エン等の無機塩基および有機塩基が挙げられる。適
切な酸としては、有機酸〔例えば、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等〕および
無機酸〔例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、塩化水素、
臭化水素等〕が挙げられる。トリハロ酢酸〔例えば、ト
リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等〕等のルイス酸を用
いる脱離反応は、陽イオン捕獲剤〔例えば、アニソー
ル、フェノール等〕の存在下で行うことが好ましい。反
応は、通常、水、アルコール〔メタノール、エタノール
等〕、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、これらの混
合溶媒または反応に悪影響を及ばさないその他の任意の
溶媒中で実施される。液状塩基あるいは酸は溶媒として
使用することができる。反応温度は、特に限定されず、
通常、冷却下または加温下にて反応を実施する。
【0059】脱離反応に適用できる還元法は、化学還元
または接触還元が挙げられる。化学還元に使用される適
切な還元剤としては、金属〔例えば、錫、亜鉛、鉄等〕
または金属化合物〔例えば、塩化クロム、酢酸クロム
等〕、および有機または無機酸〔例えば、ギ酸、酢酸、
プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホ
ン酸、塩酸、臭化水素酸等〕との組合せが挙げられる。
接触還元に使用される適切な触媒としては、白金触媒
〔例えば、白金板、海綿状白金、白金黒、白金コロイ
ド、酸化白金、白金線等〕、パラジウム触媒〔例えば、
海綿状パラジウム、パラジウム黒、酸化パラジウム、パ
ラジウム炭、パラジウムコロイド、パラジウム/硫酸バ
リウム、パラジウム/炭酸バリウム等〕、ニッケル触媒
〔例えば、還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケ
ル等〕、コバルト触媒〔例えば、還元コバルト、ラネー
コバルト等〕、鉄触媒〔例えば、還元鉄、ラネー鉄
等〕、銅触媒〔例えば、還元銅、ラネー銅、ウルマン銅
等〕等の慣用のものが挙げられる。還元は、通常、水、
またはメタノール、エタノール、プロパノール、N,N
−ジメチルホルムアミド、またはこれらの混合物等の反
応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒中で実施する。尚、
化学還元に使用する酸が液体の場合には、それらを溶媒
としても使用できる。さらに、接触還元で使用される適
切な溶媒としては、上記した溶媒、ジエチルエーテル、
ジオキサン、テトラヒドロフラン等のその他の慣用の溶
媒、およびそれらの混合物が挙げられる。この還元反応
の温度は、特に限定されないが、通常、冷却下または加
温下にて反応を実施する。
【0060】本発明では、R2 中の保護されたカルボキ
シ基がカルボキシに変換される場合も本発明の範囲に包
含する。
【0061】方法3 目的化合物(Id)またはその塩は、化合物(Ic)ま
たはその塩をカルボキシ基保護基の脱離反応に付すこと
により製造できる。反応は、前記の方法2と同様にして
実施でき、従って、この方法の反応方式および反応条件
〔例えば、塩基、酸、触媒、溶媒、反応温度等〕につい
ては、方法2のところでの説明を参照すればよい。
【0062】出発化合物(II)および(IV)の製造
方法を、以下に詳細に説明する。 方法A 目的化合物(3)またはその塩は、化合物(1)、カル
ボキシ基における反応性誘導体またはその塩と化合物
(2)、アミノ基における反応性誘導体またはその塩と
を反応させることにより製造できる。この反応は、前記
の方法1と同様にして実施でき、従って、この方法の反
応方式および反応条件〔例えば、反応性誘導体、溶媒、
反応温度等〕については、方法1のところでの説明を参
照すればよい。
【0063】方法B 目的化合物(II)またはその塩は、化合物(3)また
はその塩をカルボキシ保護基の脱離反応に付すことによ
り製造できる。反応は、前記の方法3と同様にして実施
でき、従って、この方法の反応方式および反応条件〔例
えば、塩基、酸、触媒、溶媒、反応温度等〕について
は、方法3のところでの説明を参照すればよい。本発明
では、R1 中の保護されたアミノ基がアミノに変換され
る場合も本発明の範囲に包含する。
【0064】方法C 目的化合物(IIIa)またはその塩は、化合物(9)
と酸とを反応させることにより製造できる。化合物
(9)は、以下のようにして製造できる。化合物(5)
は、化合物(4)とホルマリンとを反応させることによ
り製造でき、化合物(7)および化合物(8)は、化合
物(5)と化合物(6)とをリパーゼ触媒反応に付すこ
とにより製造でき、化合物(9)は、化合物(8)とア
ンモニア水とを反応させることにより製造できる。それ
ぞれの段階の反応は、製造例に記載の方法等の慣用の方
法で実施することができる。
【0065】方法D 目的化合物(IIIb)またはその塩は、化合物(1
4)と酸とを反応させることにより製造できる。化合物
(14)は、以下のようにして製造できる。化合物(1
2)は、化合物(10)と化合物(11)とを反応(ウ
ィッティヒ反応)させることにより製造でき、化合物
(14)は、化合物(12)と化合物(13)とを反応
させることにより製造できる。それぞれの段階の反応
は、製造例に記載の方法等の慣用の方法で実施すること
ができる。
【0066】前記の方法により得た目的化合物(I)が
遊離形である場合は、慣用の方法により塩の形に変える
ことができる。一方、このようにして得た目的化合物
(I)が塩の形である場合は、慣用の方法により遊離形
または別の塩の形に変えることもできる。
【0067】方法1〜3および方法A〜Dのより得られ
た化合物は、粉末化、再結晶、カラムクロマトグラフィ
ーまたは再沈殿等の慣用の方法により、単離および精製
できる。
【0068】化合物(I)には、不斉炭素および二重結
合による光学異性体および幾何異性体等の立体異性体が
存在し得るが、かかる異性体のすべてならびにそれらの
混合物も本発明の範囲に包含されるものである。
【0069】目的化合物(I)の有用性を例証するため
に、本発明の代表的化合物(I)の薬理データを以下に
示す。
【0070】試験1 (i)試験方法 アデノシン二リン酸(ADP)誘発血小板凝集に対する
効果 3×10-8個の血小板を含有する多血小板血漿(PR
P)をヒトの血液から調製した。PRP225μlに薬
剤溶液(試験化合物を水中に溶解した)25μlを添加
し、次いで37℃にて2分間攪拌した。該溶液に凝集誘
発物質としてADP5μl(最終的には2.5μM)を
添加した。凝集をアグリゴメーター(NBSHEMA-TRACER 8
01)を用いて測定した。阻害剤(試験化合物)の活性
は、IC50値、つまり血小板凝集の完全阻害に必要な量
として表す。 (ii)試験結果
【0071】
【表1】
【0072】本発明の医薬組成物は、例えば、固体状、
半固体状または液状の医薬製剤の形で使用できる。該組
成物は、活性成分として化合物(I)またはその医薬上
許容されうる塩と直腸投与、肺吸入(鼻または口腔から
の吸入)、点鼻、点眼、外用(局所)、経口または非経
口(皮下、静脈または筋肉内を含む)投与または吸入用
の有機または無機担体または賦形剤とを含有する。
【0073】活性成分は、例えば、錠剤、顆粒剤、トロ
ーチ剤、カプセル剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、エア
ゾール剤、吸入用散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、その他の
使用に適した任意の形態にするため通常の無毒性の医薬
上許容されうる担体と混合してもよい。必要に応じて、
さらに補助剤、安定剤、増粘剤、着色剤、香料等を使用
してもよい。
【0074】目的化合物(I)またはその医薬上許容さ
れる塩は、疾患の経過または症状に応じて所望の効果を
奏するのに充分な量で該医薬組成物に含有される。本発
明の医薬組成物は、この技術分野における慣用の方法に
より製造できる。必要に応じて、この技術分野において
常用されている薬物生体内利用率向上手法を、本発明の
医薬組成物に適用できる。
【0075】該組成物をヒトまたは動物に適用するに当
っては、静脈内(点滴静注を含む)、筋肉内、経肺また
は経口投与、あるいは定量吸入器、噴霧器または乾燥粉
末吸入器からのエアゾールの吸入により適用するのが好
ましい。特に好ましいのは、経口投与である。
【0076】目的化合物(I)の薬効量は、処置すべき
各個の患者の年齢および症状により相異し、またそれら
にも依存するが、一般的には、静脈内投与の場合、ヒト
または動物の体重1kg当り化合物(I)0.001〜
100mg/日、筋肉内投与の場合、ヒトまたは動物の
体重1kg当り目的化合物(I)0.001〜100m
g/日、経口投与の場合、ヒトまたは動物の体重1kg
当り目的化合物(I)0.001〜200mg/日を、
ヒトまたは動物における前記疾患の予防および/または
治療のために投与する。
【0077】本発明の一般式(I)で表されるピリダジ
ノン誘導体およびその塩は、動脈血栓症、動脈硬化症、
虚血性心疾患〔例えば、狭心症(例えば、安定狭心症、
急性梗塞をはじめとする不安定狭心症等)、心筋梗塞
(例えば、急性心筋梗塞等)、冠状動脈血栓症等〕、虚
血性脳疾患〔例えば、大脳梗塞{例えば、大脳血栓症
(例えば、急性大脳血栓症等)、大脳塞栓症等}、一過
性大脳虚血症(例えば、一過性脳虚血発作等)、脳出血
後の脳血管性痙攣(例えば、クモ膜下出血後の脳血管性
痙攣等)等〕、肺動脈血管疾患(例えば、肺動脈血栓
症、肺動脈塞栓症等)、末梢循環疾患〔例えば、閉塞性
動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎(つまり、バージャー
病)、レイノー病、真性糖尿病の合併症(例えば、糖尿
病性血管障害、糖尿病性神経障害等)、静脈血栓症(例
えば、深静脈血栓症等)等〕のような血栓形成により引
き起こされる疾患の予防および/または治療のための薬
剤、経皮経管冠動脈形成(PTCA)の再狭窄および/
または再閉塞、血栓崩壊剤(例えば、組織プラスミノー
ゲン賦活剤(TPA)等)の投与後の再狭窄および/ま
たは再閉塞のような再狭窄および/または再閉塞の予防
および/または治療のための薬剤、血栓崩壊剤(例え
ば、TPA等)または抗凝固剤(例えば、ヘパリン等)
を伴うアジュバント治療のための薬剤、血管手術、弁置
換手術、体外循環(例えば、手術(例えば、開心術、人
工心肺等)血液透析等)、移植のような血栓形成の予防
および/または治療のための薬剤、播種性血管内凝固
(DIC)、血栓血小板減少症、本態性血小板増加症、
炎症(例えば、腎炎等)、免疫疾患等の予防および/ま
たは治療のための薬剤、およびがん転移等を阻害する薬
剤として有用である。
【0078】
【実施例】以下の製造例および実施例によって、本発明
を説明する。
【0079】製造例1 工程1 4−メチル−γ−オキソ−ベンゼン酪酸(7.69g)
およびヒドラジン1水和物(3.0ml)のエタノール
(40ml)溶液を、2.5時間還流した。室温まで冷
却した後、結晶を濾取し、4,5−ジヒドロ−6−(4
−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジノン(6.
2g)を得た。
【0080】融点:135−150℃ IR (Nujol) : 3200, 1650 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :2.33 (3H, s), 2.43 (2H, t, J=
7Hz),2.91 (2H, t, J=7Hz), 7.23 (2H, d, J=8Hz),7.64
(2H, d, J=8Hz)
【0081】工程2 4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−3
(2H)−ピリダジノン(1.0g)のN,N−ジメチ
ルホルムアミド(7ml)溶液に、0℃にて水素化ナト
リウム(鉱油中60%、0.22g)を添加した。室温
にて1時間攪拌後、混合物を0℃まで冷却した。ヨウ化
2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン
−4−イル)エチル(1.7g)のN,N−ジメチルホ
ルムアミド(4ml)溶液を、混合物に添加した。該混
合物を0℃にて、30分間攪拌し、次いで14時間室温
にて攪拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで
抽出した。酢酸エチル層を水および食塩水で洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:2
%メタノール含有クロロホルム)で精製し、4,5−ジ
ヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−2−〔2−(1
−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−ピリダジノン(1.71
g)を、油状物質として得た。
【0082】NMR(DMSO-d6, δ) :0.96 - 1.07 (2H,
m), 1.38 (9H, s),1.49 - 1.72 (5H, m), 2.33 (3H,
s), 2.64 (2H, m),2.94 (2H, m), 3.65 - 3.94 (4H,
m), 7.24 (2H, d, J=8Hz),7.67 (2H, d, J=8Hz)
【0083】工程3 4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−2−
〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジ
ン−4−イル)エチル〕−3(2H)−ピリダジノン
(1.38g)および炭酸ジエチル(5ml)のベンゼ
ン(40ml)溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60
%、0.36g)を添加した。混合物を窒素雰囲気下、
80℃にて13時間加熱した。反応混合物を水で希釈
し、1N塩酸で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。有機
層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物質をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:1%メタノー
ル含有クロロホルム)で精製し、〔4,5−ジヒドロ−
6−(4−メチルフェニル)−2−〔2−(1−ter
t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチ
ル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕カル
ボン酸エチル(1.34g)を、油状物質として得た。
【0084】IR(Film) : 1740, 1680, 1610 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.90 - 1.10 (2H, m), 1.18 (3
H, t, J=7Hz),1.38 (9H, s), 1.51 - 1.73 (5H, m), 2.
34 (3H, s),2.63 (2H, m), 3.22 (2H, d, J=8Hz), 3.60
- 4.00 (5H, m),4.10 (2H, q, J=7Hz), 7.25 (2H, d,
J=8Hz),7.67 (2H, d, J=8Hz)
【0085】工程4 水素化ナトリウム(鉱油中60%、137mg)のN,
N−ジメチルホルムアミド(4ml)懸濁液に、窒素雰
囲気下、0℃にて〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチ
ルフェニル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕カルボン酸エチル
(1.47g)のN,N−ジメチルホルムアミド(9m
l)溶液を添加した。室温にて1時間攪拌後、混合物を
ブロモ酢酸エチル(580mg)のN,N−ジメチルホ
ルムアミド(2ml)溶液で処理した。混合物を0℃に
て、2時間、次いで室温にて14時間攪拌した。反応混
合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
し、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物質をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:ジクロロメタ
ン)で精製し、〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチル
フェニル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−4−エトキ
シカルボニル−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕酢酸エチル(1.12g)を、油状物質として得
た。
【0086】NMR(DMSO-d6, δ) :1.00 (2H, m), 1.0
3 (3H, t, J=7Hz),1.17 (3H, t, J=7Hz), 1.38 (9H,
s), 1.54 - 1.71 (5H, m),2.34 (3H, s), 2.60 (2H,
m), 2.87 (1H, d, J=17Hz),2.99 (1H, d, J=17Hz), 3.1
0 - 4.00 (6H, m), 4.05 (4H, m),7.26 (2H, d, J=8H
z), 7.62 (2H, d, J=8Hz)
【0087】工程5 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−2
−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリ
ジン−4−イル)エチル〕−4−エトキシカルボニル−
3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸エチル
(1.16g)を1N水酸化ナトリウム(5ml)とエ
タノール(5ml)に溶解した溶液を、室温にて8時間
攪拌した。溶媒を留去後、残渣を水に溶解し、2N硫酸
で中和し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水お
よび食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下
溶媒を留去した。得られた油状物質を、1,2−ジクロ
ロエタン(20ml)に溶解した。この溶液を4時間還
流した。溶媒を留去して、〔4,5−ジヒドロ−6−
(4−メチルフェニル)−2−〔2−(1−tert−
ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕
−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸(2
97mg)を得た。
【0088】NMR(DMSO-d6, δ) :0.90 - 1.10 (2H,
m), 1.38 (9H, s),1.50 - 1.70 (5H, m), 2.33 (3H,
s), 2.64 - 2.90 (4H, m),3.20 (1H, d, J=10Hz), 3.70
- 3.90 (4H, m),7.25 (2H, d, J=8Hz), 7.65 (2H, d,
J=8Hz)
【0089】製造例2 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−2
−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリ
ジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダ
ジン−4−イル〕酢酸(297mg)、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール・1水和物(110mg)および1
−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩(136mg)をN,N−ジメチルホル
ムアミド(5ml)に溶解し、該溶液に0℃にて、β−
アラニンのエチルエステル・塩酸塩(110mg)、次
いでN−メチルモルホリン(74ml)を添加した。混
合物を0℃にて4時間、次いで室温にて14時間攪拌し
た。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。
有機層を水および食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた油状物質をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:1%メタノ
ール−ジクロロメタン)で精製し、N−〔4,5−ジヒ
ドロ−6−(4−メチルフェニル)−2−〔2−(1−
tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕アセチル−β−アラニンのエチルエステル(327
mg)を得た。
【0090】IR (Film) : 3300, 1725, 1660, 1520 c
m-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.00 - 1.80 (7H, m), 1.26 (3
H, t, J=7Hz),1.45 (9H, s), 2.36 (3H, s), 2.40 - 2.
95 (8H, m),3.16 (1H, dd, J=6 and 16Hz), 3.53 (2H,
q, J=6Hz),3.88 (2H, t, J=7Hz), 4.04 (2H, m), 4.14
(2H, q, J=7Hz),6.57 (1H, brs), 7.20 (2H, d, J=8H
z), 7.62 (2H, d, J=8Hz)
【0091】製造例3 製造例1の工程5で得られた化合物を用いて、製造例2
と同様にしてN−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチ
ルフェニル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−3
(S)−エチニル−β−アラニンエチルエステルを得
た。
【0092】NMR(DMSO-d6, δ) :0.86 - 1.10 (2H,
m), 1.18 (3H, t, J=7.1Hz),1.38 (9H, s), 1.34 - 1.7
5 (7H, m), 2.11 - 2.38 (1H, m),2.34 (3H, s), 2.55
- 2.89 (4H, m), 3.05 - 3.16 (1H, m),3.26 (1H, dd,
J=4.4 and 2.3Hz), 3.72 - 3.96 (4H, m),3.94 - 4.09
(3H, m), 4.83 - 4.97 (1H, m),7.26 (2H, d, J=8.0H
z), 7.61 - 7.65 (2H, m),8.52 (1H, d, J=8.3Hz) Mass (m/z) : 581 (M+ + 1)
【0093】製造例4 工程1 γ−オキソ−メトキシ酪酸を用いて、製造例1の工程1
と同様にして4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフ
ェニル)−3(2H)−ピリダジノンを得た。
【0094】融点:144−145℃ IR (Nujol) : 1660, 1615 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :2.60 (2H, td, J=8.3 and 0.9Hz),
2.96 (2H, td, J=8.2 and 0.9Hz), 3.85 (3H, s),6.93
(2H, dt, J=9.6 and 2.7Hz),7.68 (2H, dt, J=9.5 and
2.7Hz), 8.89 (1H, s) Mass (m/z) : 205 (M+ + 1)
【0095】工程2 製造例1の工程2と同様にして、4,5−ジヒドロ−6
−(4−メトキシフェニル)−2−〔2−(1−ter
t−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチ
ル〕−3(2H)−ピリダジノンを得た。
【0096】IR (Film) : 2960, 2910, 2840, 1655,
1600 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.04 - 1.26 (2H, m), 1.45 (9H,
s),1.60 - 1.78 (3H, m), 2.52 - 2.60 (2H, m),2.60 -
2.73 (2H, m), 2.87 - 2.95 (2H, m), 3.85 (3H, s),
3.89 (2H, d, J=7.0Hz), 4.03 - 4.15 (2H, m),6.93 (2
H, td, J=9.5 and 2.7Hz),7.70 (2H, td, J=9.5 and 2.
7Hz) Mass (m/z) : 316 (M+ - Boc + 1)
【0097】工程3 製造例1の工程3と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−(4−メトキシフェニル)−2−〔2−(N−te
rt−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エ
チル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕カ
ルボン酸エチルを得た。
【0098】IR (Film) : 2960, 2910, 2840, 1725,
1660, 1600 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.04 - 1.25 (2H, m), 1.26 (3H,
t, J=7.1Hz),1.45 (9H, s), 1.36 - 1.56 (1H, m), 1.6
6 - 1.80 (4H, m),2.60 - 2.76 (2H, m), 3.01 (1H, d
d, J=16.6 and 6.7Hz),3.37 (1H, dd, J=16.6 and 8.3H
z), 3.55 (1H, dd,J=8.3 and 6.7Hz), 3.77 - 4.14 (4
H, m), 3.81 (3H, s),4.22 (2H, q, J=7.1Hz), 6.93 (2
H, dt, J=9.0 and 2.0Hz),7.70 (2H, dt, J=9.0 and 2.
1Hz) Mass (m/z) : 388 (M+ - Boc + 1)
【0099】工程4 製造例1の工程4と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−(4−メトキシフェニル)−2−〔2−(1−te
rt−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エ
チル〕−4−エトキシカルボニル−3(2H)−オキソ
ピリダジン−4−イル〕酢酸エチルを得た。
【0100】IR (Film) : 2895, 2825, 1715, 1650 c
m-1 NMR(CDCl3, δ) :1.05 - 1.29 (2H, m), 1.17 (3H,
t, J=7.1Hz),1.25 (3H, t, J=7.1Hz), 1.45 (9H, s),
1.37 - 1.51 (1H, m),1.62 - 1.80 (4H, m), 2.61 - 2.
73 (2H, m),2.87 (1H, d, J=16.8Hz), 3.04 (1H, d, J=
16.8Hz),3.23 (1H, d, J=16.7Hz), 3.50 (1H, d, J=16.
7Hz),3.85 (3H, s), 3.77 - 3.98 (2H, m), 4.02 - 4.2
2 (2H, m),4.15 (2H, q, J=7.1Hz), 4.16 (2H, q, J=7.
1Hz),6.92 (2H, d, J=8.9Hz), 7.70 (2H, d, J=8.9Hz) Mass (m/z) : 474 (M+ - Boc + 1)
【0101】工程5 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフェニル)−
2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−4−エトキシカルボニル
−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸エチ
ル(0.88g)を1N水酸化ナトリウム(3.83m
l)およびエタノール(9ml)に溶解し、該溶液を室
温にて、2.5時間攪拌した。溶媒留去後、残渣を水に
溶解し、10%硫酸水素カリウム水溶液で中和し、酢酸
エチルで抽出した。酢酸エチル層を水および食塩水で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去
し、〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフェニ
ル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル
−ピペリジン−4−イル)エチル〕−4−カルボキシ−
3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸(0.
62g)を油状物質として得た。
【0102】IR (Film) : 2970, 2925, 2860, 1730,
1650, 1615 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.86 - 1.10 (2H, m), 1.44 -
1.75 (5H, m),1.38 (9H, s), 2.60 - 2.82 (5H, m), 3.
72 - 3.96 (5H, m),3.87 (3H, s), 7.00 (2H, d, J=8.8
Hz), 7.71 (2H, d, J=8.9Hz) Mass (m/z) : 374 (M+ - Boc - CO2 + 1)
【0103】工程6 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフェニル)−
2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−4−カルボキシ−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸(0.62
g)の1,2−ジクロロメタン(6ml)溶液を4時間
還流した。溶媒を留去して、〔4,5−ジヒドロ−6−
(4−メトキシフェニル)−2−〔2−(1−tert
−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチ
ル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸
(0.57g)を得た。
【0104】IR (Film) : 2950, 2910, 2850, 1710,
1645 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.88 - 1.10 (2H, m), 1.38 (9
H, s),1.50 - 1.75 (5H, m), 2.40 - 2.80 (5H, m),3.1
7 - 3.22 (1H, m), 3.71 - 3.97 (5H, m), 3.80 (3H,
s),7.00 (2H, d, J=8.9Hz), 7.71 (2H, d, J=8.9Hz),1
2.24 - 12.31 (1H, br)
【0105】工程7 製造例2と同様にして、N−〔4,5−ジヒドロ−6−
(4−メトキシフェニル)−2−〔2−(1−tert
−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチ
ル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセ
チル−β−アラニンエチルエステルを得た。
【0106】IR (Film) : 2920, 2845, 1720, 1650 c
m-1 NMR(CDCl3, δ) :1.05 - 1.23 (2H, m), 1.26 (3H,
t, J=7.1Hz),1.45 (9H, s), 1.34 - 1.80 (6H, m),2.41
(1H, dd, J=14.7 and 6.5Hz), 2.53 (2H, t, J=6.0H
z),2.60 - 2.99 (4H, m), 3.19 (1H, dd, J=15.8 and
6.0Hz),3.53 (2H, q, J=6.1Hz), 3.85 (3H, s), 3.85 -
3.91 (2H, m),4.00 - 4.13 (2H, m), 4.15 (2H, q, J=
7.1Hz),6.53 - 6.62 (1H, m), 6.92 (2H, d, J=8.9Hz),
7.69 (2H, d, J=8.9Hz) Mass (m/z) : 573 (M+ + 1)
【0107】製造例5 工程1 製造例1の工程1と同様にして、γ−オキソ−ベンゼン
酪酸から4,5−ジヒドロ−6−フェニル−3(2H)
−ピリダジノンを得た。
【0108】NMR(DMSO-d6) :2.45 (2H, t, J=7.8H
z), 2.95 (2H, t, J=7.8Hz),7.25 - 7.55 (3H, m), 7.6
2 - 7.9 (2H, m), 10.92 (1H, s) Mass (m/z) : 175 (M+ + 1)
【0109】工程2 製造例1の工程2と同様にして、4,5−ジヒドロ−6
−フェニル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)
−ピリダジノンを得た。
【0110】NMR(DMSO-d6, δ) :0.85 - 1.1 (2H,
m), 1.38 (3H, s),1.4 - 1.8 (5H, m), 2.65 (2H, m),
2.97 (2H, m),3.7 - 4.0 (4H, m), 7.35 - 7.54 (3H,
m), 7.7 - 7.87 (2H, m) Mass (m/z) : 286 (M+ + 1 - Boc)
【0111】工程3 製造例1の工程3と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−フェニル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕カルボン酸エチル
を得た。
【0112】NMR(DMSO-d6, δ) :0.9 - 1.2 (2H,
m), 1.17 (3H, t, J=7.1Hz),1.38 (9H, s), 1.45 - 1.8
(5H, m), 2.65 (2H, m),3.25 (2H, d, J=7.7Hz), 3.64
- 4.0 (5H, m),4.11 (2H, q, J=7.7Hz), 7.45 (3H,
m), 7.78 (2H, m) Mass (m/z) : 358 (M+ + 1 - Boc)
【0113】工程4 製造例1の工程4と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−フェニル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−4−エト
キシカルボニル−3(2H)−オキソピリダジン−4−
イル〕酢酸エチルを得た。
【0114】NMR(DMSO-d6, δ) :1.0 (2H, m), 1.03
(3H, t, J=7.1Hz),1.17 (3H, t, J=7.1Hz), 1.38 (9H,
s), 1.43 - 1.78 (5H, m),2.64 (2H, m), 2.89 (1H,
d, J=16.8Hz),3.02 (1H, d, J=16.8Hz), 3.1 - 4.0 (6
H, m), 4.05 (4H, m),7.46 (3H, m), 7.73 (2H, m) Mass (m/z) : 444 (M+ + 1 - Boc)
【0115】工程5 製造例1の工程5と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−フェニル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸を得た。
【0116】NMR(DMSO-d6, δ) : 0.85 - 1.1 (2H,
m), 1.38 (9H, s),1.45 - 1.76 (5H, m), 2.5 - 2.95
(4H, m),3.15 - 4.0 (5H, m), 7.44 (3H, m), 7.76 (2
H, m) Mass (m/z) : 344 (M+ + 1 - Boc)
【0117】製造例6 工程1 製造例1の工程2と同様にして、4,5−ジヒドロ−6
−メチル−3(2H)−ピリダジノンから、4,5−ジ
ヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブト
キシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3
(2H)−ピリダジノンを得た。
【0118】NMR(DMSO-d6, δ) :0.89 - 1.09 (2H,
m), 1.38 (9H, s),1.28 - 2.52 (3H, m), 1.59 - 1.71
(2H, m), 1.97 (3H, s),2.25 - 2.35 (2H, m), 2.40 -
2.47 (2H, m),2.57 - 2.75 (2H, m), 3.61 (2H, t, J=
7.0Hz),3.85 - 3.96 (2H, m) Mass (m/z) : 224 (M+ - Boc + 1)
【0119】工程2 製造例1の工程3と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)
−オキソピリダジン−4−イル〕カルボン酸エチルを得
た。
【0120】NMR(DMSO-d6, δ) :0.86 - 1.08 (2H,
m), 1.18 (3H, t, J=7.1Hz),1.38 (9H, s), 1.38 - 1.7
2 (5H, m), 1.98 (3H, s),2.57 - 2.68 (2H, m), 2.70
(2H, d, J=7.9Hz),3.53 (1H, t, J=7.9Hz), 3.56 - 3.7
5 (2H, m),3.85 - 3.97 (2H, m), 4.11 (2H, q, J=7.1H
z) Mass (m/z) : 296 (M+ free + 1)
【0121】工程3 製造例1の工程4と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−4−エトキ
シカルボニル−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕酢酸エチルを得た。
【0122】NMR(DMSO-d6, δ) :0.84 - 1.06 (2H,
m), 1.10 - 1.21 (6H, m),1.38 (9H, s), 1.38 - 1.71
(5H, m), 1.98 (3H, s),2.56 - 3.02 (5H, m), 3.39 -
3.58 (1H, m),3.62 - 3.79 (1H, m), 3.84 - 3.95 (2H,
m),3.99 - 4.13 (4H, m) Mass (m/z) : 382 (M+ - Boc + 1)
【0123】工程4 製造例1の工程5と同様にして、〔4,5−ジヒドロ−
6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカル
ボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)
−オキソピリダジン−4−イル〕酢酸を得た。
【0124】NMR(DMSO-d6, δ) :0.85 - 1.08 (2H,
m), 1.38 (9H, s),1.38 - 1.52 (4H, m), 1.60 - 1.72
(2H, m), 1.97 (3H, s),2.27 - 2.39 (1H, m), 2.56 -
3.77 (4H, m),3.56 - 3.69 (2H, m), 3.84 - 3.95 (2H,
m),4.00 - 4.16 (1H, m)
【0125】工程5 製造例2と同様にして、N−〔4,5−ジヒドロ−6−
メチル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニ
ル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オ
キソピリダジン−4−イル〕アセチル−3(S)−エチ
ニル−β−アラニンエチルエステルを得た。
【0126】NMR(DMSO-d6, δ) :0.84 - 1.11 (2H,
m), 1.18 (3H, t, J=7.2Hz),1.38 (9H, s), 1.29 - 1.5
1 (5H, m), 1.59 - 1.72 (2H, m),1.97 (3H, s), 2.03
- 2.40 (2H, m), 2.53 - 2.80 (6H, m),3.54 - 3.65 (2
H, m), 3.84 - 3.95 (2H, m),4.01 - 4.13 (2H, m), 4.
81 - 4.93 (1H, m),8.49, 8.53 (total 1H, d, J=3.6H
z) Mass (m/z) : 405 (M+ - Boc + 1)
【0127】製造例7 製造例2と同様にして、製造例6の工程4で得た化合物
から、N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2
−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−
4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−
4−イル〕アセチル−2(S)−アセチルアミノ−β−
アラニンエチルエステルを得た。
【0128】IR (Film) : 2970, 2910, 2860, 1730,
1640 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.04 - 1.23 (2H, m), 1.29 (3H,
t, J=7.1Hz),1.45 (9H, s), 1.53 - 1.77 (6H, m), 2.0
0 (3H, s),2.05 (3H, d, J=3.2Hz), 2.30 - 2.74 (8H,
m),3.72 (2H, t, J=7.5Hz), 4.00 - 4.12 (2H, m),4.16
- 4.27 (2H, m), 4.59 - 4.71 (1H, m),6.71 - 7.08
(2H, m) Mass (m/z) : 538 (M+ + 1)
【0129】製造例8 製造例2と同様にして、製造例6の工程4で得た化合物
から、N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2
−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−
4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−
4−イル〕アセチル−3(R)−(4−メトキシフェネ
チル)−β−アラニンメチルエステルを得た。
【0130】IR (Film) : 3300, 2960, 2915, 2840,
1740, 1645 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.00 - 1.26 (2H, m), 1.45 (9H,
s),1.51 - 1.92 (7H, m), 2.05 (3H, s), 2.25 - 2.44
(2H, m),2.52 - 2.89 (9H, m), 3.66 (3H, d, J=1.1H
z),3.71 - 3.78 (2H, m), 3.78 (3H, m), 4.00 - 4.13
(2H, m),4.20 - 4.32 (1H, m), 6.53 - 6.64 (1H, m),
6.81 (2H, d, J=8.6Hz), 7.08 (2H, d, J=8.2Hz) Mass (m/z) : 601 (M+ + 1)
【0131】製造例9 製造例2と同様にして、製造例6の工程4で得た化合物
から、N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2
−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−
4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−
4−イル〕アセチル−3(R)−フェネチル−β−アラ
ニンエチルエステルを得た。
【0132】IR (Film) : 3300, 2980, 2920, 2850,
1720, 1660, 1640 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.03 - 1.29 (2H, m), 1.25 (3H,
t, J=7.1Hz),1.45 (9H, s), 1.45 - 1.96 (7H, m), 2.0
5 (3H, s),2.24 - 2.41 (2H, m), 2.51 - 2.88 (9H,
m),3.70 - 3.77 (2H, m), 4.00 - 4.18 (2H, m),4.13
(2H, q, J=7.2Hz), 4.23 - 4.37 (1H, m),6.59 (1H, t,
J=10.0Hz), 7.15 - 7.31 (5H, m) Mass (m/z) : 585 (M+ + 1)
【0133】製造例10 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチル)−〔2−(1
−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕酢酸(2.46g)、3(R)−メチル−β−アラ
ニンメチル塩酸塩(0.99g)、1−ヒドロキシベン
ズトリアゾール(0.87g)およびN,N−ジメチル
ホルムアミド(20ml)の混合物に、1−エチル−3
−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
(1.18ml)を、0℃にて攪拌しながら添加した。
一晩室温にて攪拌後、混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで
抽出した。抽出物を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液:クロロホル
ム:メタノール=100:1)で精製し、〔4,5−ジ
ヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブト
キシカルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3
(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−3
(R)−メチル−β−アラニンメチルエステル(2.2
4g)を油状物質として得た。
【0134】IR (Film) : 2975, 2925, 2850, 1725,
1660, 1640 cm-1 NMR(CDCl3, δ) :1.03 - 1.17 (2H, m), 1.22 (3H,
d, J=6.8Hz),1.29 - 1.45 (1H, m), 1.45 (9H, s), 1.5
6 (2H, q, J=7.3Hz),1.65 - 1.76 (2H, m), 2.05 (3H,
s), 2.05 - 2.40 (2H, m),2.49 - 2.56 (3H, m), 2.61
- 2.85 (4H, m),3.68 (3H, d, J=1.2Hz), 3.63 - 3.78
(2H, m),4.00 - 4.12 (2H, m), 4.26 - 4.40 (1H, m),
6.52 (1H, dd, J=16.9 and 8.3Hz) Mass (m/z) : 481 (M+ + 1)
【0135】実施例1 〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1−t
ert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)
エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕
酢酸(0.5g)、β−アラニン tert−ブチル・
塩酸塩(0.5g)および1−ヒドロキシベンゾトリア
ゾール(0.2g)をN,N−ジメチルホルムアミド
(5ml)に溶解し、該溶液に、攪拌下−10℃にて、
トリエチルアミン(0.22ml)を添加した。−10
℃にて約30分間攪拌後、1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.28
g)を、攪拌下−10℃にて、該混合物に添加した。一
晩室温にて攪拌後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで
抽出した。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、水
および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減
圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(3ml)に溶
解し、塩化水素含有4N酢酸エチル溶液(3.1ml)
を添加した。室温で攪拌後、減圧下溶媒を留去した。残
渣をC18シリカゲルHPLC(溶出液;0.1%トリ
フルオロ酢酸水溶液:アセトニトリル(88:12)で
精製し、凍結乾燥してN−〔4,5−ジヒドロ−6−メ
チル−2−〔2−(ピペリジン−4−イル)エチル〕−
3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−
β−アラニン(334mg)を得た。
【0136】IR (KBr pellet) : 1716, 1670, 1647 c
m-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.14 - 1.37 (2H, m), 1.44 -
1.54 (3H, m),1.77 - 1.89 (2H, m), 1.97 (3H, s), 2.
04 - 2.21 (1H, m),2.27 - 2.55 (4H, m), 2.62 - 2.91
(3H, m),3.18 - 3.29 (5H, m), 3.57 - 3.67 (2H, m),
8.04 (1H, t, J=5.4Hz), 8.20 - 8.40 (1H, br),8.52 -
8.67 (1H, br) Mass (m/z) : 353 (M+ free + 1)
【0137】実施例2 〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフェニル)−
2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリ
ダジン−4−イル〕アセチル−β−アラニンエチルエス
テル(0.54g)を、1N水酸化ナトリウム(1.4
3ml)、テトラヒドロフラン(2ml)、エタノール
(2ml)および水(2ml)に溶解し、該溶液を、室
温にて約1時間攪拌した。反応混合物を減圧下溶媒留去
した。残渣を水に溶解し、10%硫酸水素カリウム水溶
液で中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水および
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去し、N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メト
キシフェニル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシ
カルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−β−ア
ラニン(0.52g)を油状物質として得た。
【0138】IR (Film) : 2920, 1715, 1645 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.90 - 1.11 (2H, m), 1.38 (9
H, s),1.44 - 1.60 (3H, m), 1.65 - 1.77 (2H, m),2.1
4 - 2.26 (1H, m), 2.38 (2H, t, J=6.8Hz),2.56 - 2.8
7 (5H, m), 3.03 - 3.31 (3H, m),3.75 - 4.01 (4H,
m), 3.87 (3H, s), 7.00 (2H, d, J=8.9Hz),7.69 (2H,
d, J=8.9Hz), 8.02 - 8.07 (1H, m) Mass (m/z) : 545 (M+ + 1)
【0139】実施例3 N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1
−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕アセチル−2(S)−アセチルアミノ−β−アラニ
ンエチル(0.33g)をテトラヒドロフラン(2m
l)およびエタノール(2ml)に溶解し、該溶液に、
攪拌下0℃にて、水酸化リチウム(23mg)の水(2
ml)溶液を添加した。室温にて、1.5時間攪拌後、
反応混合物を減圧下溶媒留去した。残渣を10%硫酸水
素カリウム水溶液で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。
抽出物を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下溶媒を留去し、N−〔4,5−ジヒドロ
−6−メチル−2−〔2−(1−tert−ブトキシカ
ルボニル−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−2
(S)−アセチルアミノ−β−アラニン(0.21g)
を油状物質として得た。
【0140】IR (Film) : 3290, 2950, 2910, 2850,
1710, 1650, 1620 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.86 - 1.08 (2H, m), 1.38 (9
H, s),1.32 - 1.53 (3H, m), 1.60 - 1.72 (2H, m), 1.
85 (3H, s),1.98 (3H, d, J=3.9Hz), 2.09 - 2.32 (2H,
m),2.45 - 2.74 (4H, m), 3.18 - 3.53 (3H, m),3.59
- 3.64 (2H, m), 3.82 - 3.95 (2H, m),4.26 - 4.37 (1
H, m), 7.95 - 8.03 (2H, m) Mass (m/z) : 410 (M+ - Boc + 1)
【0141】実施例4 実施例3と同様にして、製造例8で得た化合物から、
〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1−t
ert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イル)
エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕
アセチル−3(R)−(4−メトキシフェネチル)−β
−アラニンを得た。
【0142】IR (Film) : 3290, 2920, 2850, 1710,
1650, 1630 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.84 - 1.08 (2H, m), 1.24 -
1.49 (3H, m),1.38 (9H, s), 1.60 - 1.73 (4H, m), 1.
97 (3H, s),2.04 - 2.19 (2H, m), 2.33 - 2.86 (9H,
m),3.56 - 3.65 (2H, m), 3.71 (3H, s), 3.83 - 4.12
(3H, m),6.82 (2H, d, J=7.1Hz), 7.09 (2H, d, J=7.1H
z),7.92 (1H, d, J=8.1Hz) Mass (m/z) : 587 (M+ + 1)
【0143】実施例5 実施例3と同様にして、製造例9で得た化合物から、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1−
tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕アセチル−3(R)−フェネチル−β−アラニンを
得た。
【0144】IR (Film) : 3280, 2990, 2960, 2910,
2850, 1705, 1650, 1620 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.85 - 1.09 (2H, m), 1.38 (9
H, s),1.38 - 1.52 (2H, m), 1.60 - 1.82 (3H, m),1.9
8 (3H, d, J=2.5Hz), 2.01 - 2.40 (4H, m),2.47 - 2.7
6 (9H, m), 3.56 - 3.66 (2H, m),3.84 - 3.96 (2H,
m), 3.98 - 4.08 (1H, m),7.17 - 7.31 (5H, m), 7.93
(1H, d, J=8.3Hz) Mass (m/z) : 557 (M+ + 1)
【0145】実施例6 実施例3と同様にして、製造例10で得た化合物から、
N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(1
−tert−ブトキシカルボニル−ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕アセチル−3(R)−メチル−β−アラニンを得
た。
【0146】IR (Film) : 3380, 2955, 2910, 2850,
1715, 1650, 1630 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :0.89 - 1.06 (2H, m), 1.07 (3
H, d, J=6.6Hz),1.38 (9H, s), 1.38 - 1.53 (4H, m),
1.60 - 1.71 (2H, m),1.97 (3H, s), 1.99 - 2.11 (2H,
m), 2.19 - 2.74 (6H, m),3.55 - 3.66 (2H, m), 3.85
- 3.96 (2H, m),4.01 - 4.15 (1H, m), 7.90 (1H, d,
J=7.8Hz)
【0147】実施例7 N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メトキシフェニ
ル)−2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル
−ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキ
ソピリダジン−4−イル〕アセチル−β−アラニン
(0.52g)の酢酸エチル(5ml)溶液に、攪拌下
0℃にて、塩化水素含有4N酢酸エチル溶液(2.37
ml)を添加した。室温にて2時間攪拌後、得られた沈
殿物を濾取し、N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メ
トキシフェニル)−2−〔2−(ピペリジン−4−イ
ル)エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イ
ル〕アセチル−β−アラニン塩酸塩(0.36g)を得
た。
【0148】融点:62℃ IR (KBr pellet) : 2937, 2725, 1734, 1647, 1608 c
m-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.26 - 1.41 (2H, m), 1.53 -
1.61 (2H, m),1.80 - 1.92 (2H, m), 2.17 - 2.28 (1H,
m),2.39 (2H, t, J=6.9Hz), 2.54 - 2.91 (6H, m),3.0
5 - 3.29 (5H, m), 3.73 (2H, m), 3.80 (3H, s),7.00
(2H, d, J=8.9Hz), 7.70 (2H, d, J=8.9Hz),8.04 - 8.1
0 (1H, m), 8.42 - 8.55 (1H, br),8.70 - 8.80 (1H, b
r) Mass (m/z) : 445 (M+ free + 1)
【0149】実施例8 実施例7と同様にして、実施例6で得た化合物から、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリ
ダジン−4−イル〕アセチル−3(R)−メチル−β−
アラニン塩酸塩(1.02g)を得た。
【0150】IR (KBr pellet) : 3400, 2980, 1716,
1645 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.07 (3H, d, J=6.8Hz), 1.14 -
1.70 (5H, m),1.76 - 1.89 (2H, m), 1.97 (3H, s),
2.02 - 2.92 (6H, m),3.16 - 3.27 (2H, m), 3.56 - 3.
64 (2H, m),3.93 - 4.12 (4H, m), 7.93 (1H, d, J=7.8
Hz),8.44 - 8.59 (1H, br), 8.74 - 8.84 (1H, br) Mass (m/z) : 367 (M+ free + 1)
【0151】実施例9 実施例7と同様にして、実施例5で得た化合物から、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリ
ダジン−4−イル〕アセチル−3(R)−フェネチル−
β−アラニン塩酸塩を得た。
【0152】IR (KBr pellet) : 3398, 2953, 2862,
2727, 1732, 1716, 1647 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.26 - 1.53 (5H, m), 1.64 -
1.85 (4H, m),1.99 (3H, s), 2.04 - 2.88 (10H, m),
3.14 - 3.25 (2H, m),3.56 - 3.65 (2H, m), 3.98 - 4.
08 (1H, m),7.11 - 7.31 (6H, m), 7.98 (1H, d, J=8.2
Hz),8.63 - 8.77 (1H, br), 8.88 - 9.00 (1H, br) Mass (m/z) : 457 (M+ free + 1)
【0153】実施例10 実施例7と同様にして、実施例4で得た化合物から、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリ
ダジン−4−イル〕アセチル−3(R)−(4−メトキ
シフェネチル)−β−アラニン塩酸塩を得た。
【0154】IR (KBr pellet) : 1738, 1699, 1649 c
m-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.21 - 1.57 (4H, m), 1.59 -
1.86 (4H, m),1.98 (3H, d, J=1.9Hz), 2.03 - 2.31
(3H, m),2.35 - 2.38 (3H, m), 2.51 - 2.90 (5H, m),
3.14 - 3.27 (2H, m), 3.57 - 3.65 (2H, m),3.71 (3H,
s), 3.79 - 4.18 (2H, m), 6.82 (2H, d, J=8.0Hz),7.
10 (2H, d, J=8.5Hz), 7.90 - 7.97 (1H, m),8.45 - 8.
60 (1H, br), 8.75 - 8.84 (1H, br) Mass (m/z) : 487 (M+ free + 1)
【0155】実施例11 実施例7と同様にして、実施例3で得た化合物から、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2−〔2−(ピペ
リジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピリ
ダジン−4−イル〕アセチル−2(S)−アセチルアミ
ノ−β−アラニン塩酸塩を得た。
【0156】IR (KBr pellet) : 1647, 1624 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.15 - 1.40 (2H, m), 1.45 -
1.53 (2H, m),1.73 - 1.82 (2H, m), 1.85 (3H, s), 1.
98 (3H, s),2.05 - 2.35 (2H, m), 2.57 - 2.90 (3H,
m),3.14 - 3.29 (2H, m), 3.40 - 4.08 (7H, m),4.25 -
4.36 (1H, m), 8.06 - 8.14 (2H, m),8.37 - 8.53 (1
H, br), 8.67 - 8.77 (1H, m) Mass (m/z) : 410 (M+ free + 1)
【0157】実施例12 N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)
−2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピ
ペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピ
リダジン−4−イル〕アセチル−β−アラニンエチルエ
ステル(310mg)を1N水酸化ナトリウム(0.9
ml)およびエタノール(4ml)に溶解し、該溶液
を、0℃にて30分間、次いで室温にて1.5時間攪拌
した。反応混合物を水で希釈し、2N硫酸で中和し、ジ
クロロメタンで抽出した。有機層を水および食塩水で洗
浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒留去した。
得られた油状物質を、0℃にて、ジクロロメタンおよび
トリフルオロ酢酸(4.5ml,2:1)の混合物に溶
解した。この溶液を0℃にて3時間放置し、減圧下溶媒
留去した。残渣をジクロロメタン(3ml)に溶解し、
塩化水素含有4N酢酸エチル溶液(1ml)で処理し
た。溶媒留去後、残渣をジエチルエーテルで粉砕し、N
−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)−
2−〔2−(ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−β−ア
ラニン塩酸塩をアモルファスとして得た。
【0158】NMR(DMSO-d6, δ) :1.30 - 1.90 (7H,
m), 2.20 - 3.30 (13H, m),2.34 (3H, s), 3.77 (2H, b
rs), 7.25 (2H, d, J=8Hz),7.65 (2H, d, J=8Hz), 8.12
(3H, brt, J=5Hz),8.80 - 9.10 (2H, m)
【0159】実施例13 実施例12と同様にして、製造例5の工程5で得た化合
物から、N−〔4,5−ジヒドロ−6−フェニル−2−
〔2−(ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)
−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−β−アラニ
ントリフルオロ酢酸塩(235mg)を得た。
【0160】IR (KBr) : 1730, 1670, 1650 cm-1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.15 - 1.95 (7H, m), 2.15 -
3.4 (13H, m),3.78 (2H, m), 7.44 (3H, m), 7.75 (2H,
m),8.06 (1H, t like), 8.0 - 8.6 (2H, m) Mass (m/z) : 415 (M+ + 1 free)
【0161】実施例14 N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メチルフェニル)
−2−〔2−(1−tert−ブトキシカルボニル−ピ
ペリジン−4−イル)エチル〕−3(2H)−オキソピ
リダジン−4−イル〕アセチル−3(S)−エチニル−
β−アラニンエチル(0.7g)、テトラヒドロフラン
(3.5ml)およびメタノール(3.5ml)の混合
物に、攪拌下0℃にて、水酸化リチウム(44mg)の
水(3.5ml)溶液を添加した。室温にて1時間攪拌
後、混合物を減圧下溶媒留去した。残渣を10%硫酸水
素カリウム水溶液で酸性にし、酢酸エチルで抽出した。
抽出物を水および食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチル(3
ml)に溶解し、塩化水素含有4N酢酸エチル溶液(3
ml)を添加した。室温にて5時間攪拌後、得られた沈
殿物を濾取し、N−〔4,5−ジヒドロ−6−(4−メ
チルフェニル)−2−〔2−(ピペリジン−4−イル)
エチル〕−3(2H)−オキソピリダジン−4−イル〕
アセチル−3(S)−エチニル−β−アラニン(0.5
4g)を白色固体として得た。
【0162】IR (KBr) : 3026, 1732, 1660, 1641 cm
-1 NMR(DMSO-d6, δ) : 1.21 - 1.91 (7H, m), 2.13 -
2.29 (1H, m),2.34 (3H, s), 2.56 - 2.92 (7H, m), 3.
09 - 3.18 (3H, m),3.24 (1H, dd, J=5.8 and 2.3 Hz),
3.74 - 3.82 (2H, m),4.80 - 4.90 (1H, m), 7.26 (2
H, d, J=8.1Hz),7.62 - 7.66 (2H, m), 8.55 (1H, d, J
=8.1Hz),8.65 - 8.81 (1H, m), 8.93 - 9.06 (1H, m) Mass (m/z) : 453 (M+ + 1) free of compound
【0163】実施例15 実施例14と同様にして、製造例6の工程5で得られた
化合物から、N−〔4,5−ジヒドロ−6−メチル−2
−〔2−(ピペリジン−4−イル)エチル〕−3(2
H)−オキソピリダジン−4−イル〕アセチル−3
(S)−エチニル−β−アラニントリフルオロ酢酸塩を
得た。
【0164】IR (KBr pellet) : 3275, 3051, 1718,
1670, 1655 cm -1 NMR(DMSO-d6, δ) :1.14 - 1.36 (2H, m), 1.42 -
1.55 (3H, m),1.67 - 1.90 (2H, m), 1.97 (3H, S), 2.
06 - 2.20 (1H, m),2.26 - 2.44 (1H, m), 2.56 - 2.93
(7H, m),3.17 - 3.32 (3H, m), 3.57 - 3.64 (2H, m),
4.75 - 4.88 (1H, m), 8.13 - 8.32 (1H, br),8.47 -
8.62 (2H, m) Mass (m/z) : 367 (M+ + 1) free of compound
【0165】
【発明の効果】本発明のピリダジノン誘導体は、細胞癒
着の阻害剤として有用であることが期待される。それ
故、該ピリダジノン誘導体は、播種性血管内凝固(DI
C)、血栓血小板減少症、本態性血小板増加症、炎症
(例えば、腎炎等)、免疫疾患等の予防および/または
治療のための薬剤、および転移等を阻害する薬剤を提供
しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/50 ADU A61K 31/50 ADU C07D 401/12 237 C07D 401/12 237 //(C07D 401/06 211:12 237:04) (C07D 401/06 211:16 237:04) (C07D 401/12 211:12 237:04) (C07D 401/12 211:16 237:04)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 〔式中、R1 は1つまたはそれ以上の適切な置換基を有
    してもよいN含有シクロ(低級)アルキル、R2 は水素
    または低級アルキル、R3 はカルボキシまたは保護され
    たカルボキシ、R4 は各々1つまたはそれ以上の適切な
    置換基を有してもよい低級アルキルもしくはアリール、
    1 は各々1つまたはそれ以上の適切な置換基を有して
    もよい低級アルキレン、低級アルカニル−イリデンもし
    くは低級アルケニレン、A2 は低級アルキレン、A3
    1つまたはそれ以上の適切な置換基を有してもよい低級
    アルキレン、XはO、SまたはNH、およびmおよびn
    は同一または異なって各々0または1である〕で表され
    る化合物、または医薬上許容されうる塩。
  2. 【請求項2】 R1 が1〜3個の窒素原子を含む3〜8
    員環のシクロアルキル、R2 が水素、R3 はカルボキシ
    またはエステル化されたカルボキシ、R4 が1つまたは
    それ以上の適切な置換基を有してもよいフェニル、A1
    は低級アルキレンまたは低級アルケニレン、A2 が低級
    アルキレン、A3 は1つまたはそれ以上の適切な置換基
    を有してもよい低級アルキレン、mが1およびnが0で
    ある請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1 がピペリジル、R3 がカルボキシ、
    4 がフェニル、低級アルキルもしくは低級アルコキシ
    を有するフェニル、A1 が低級アルキレンおよびA3
    低級アルキル、低級アルキニル、フェニル(低級)アル
    キル、1〜4個の低級アルコキシを有するフェニル(低
    級)アルキルおよび低級アルカノイルアミノよりなる群
    から選ばれる1〜3個の適切な置換基を有してもよい低
    級アルキレンである請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R1 が1〜3個の窒素原子を含む3〜8
    員環のシクロアルキル、R2 が水素、R3 がカルボキシ
    またはエステル化されたカルボキシ、R4 が低級アルキ
    ル、A1 が低級アルキレンまたは低級アルケニレン、A
    2 が低級アルキレン、A3 が1つまたはそれ以上の適切
    な置換基を有してもよい低級アルキレン、mが1および
    nが0である請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R1 がピペリジル、R3 がカルボキシ、
    4 がメチル、A1が低級アルキレンおよびA3 が低級
    アルキル、低級アルキニル、フェニル(低級)アルキ
    ル、1〜4個の低級アルコキシを有するフェニル(低
    級)アルキルおよび低級アルカノイルアミノよりなる群
    から選ばれる1〜3個の適切な置換基を有してもよい低
    級アルキレンである請求項4記載の化合物。
  6. 【請求項6】 (i)一般式(II) 【化2】 〔式中、R1 は1つまたはそれ以上の適切な置換基を有
    してもよいN含有シクロ(低級)アルキル、R4 は各々
    1つまたはそれ以上の適切な置換基を有してもよい低級
    アルキルもしくはアリール、A1 は各々1つまたはそれ
    以上の適切な置換基を有してもよい低級アルキレン、低
    級アルカニル−イリデンまたは低級アルケニレン、A2
    は低級アルキレン、XはO、SまたはNH、およびmお
    よびnは同一または異なって各々0または1である〕で
    表される化合物、またはカルボキシ基における反応性誘
    導体またはその塩と、一般式(III) 【化3】 〔式中、R2 は水素または低級アルキル、R3 はカルボ
    キシまたは保護されたカルボキシ、およびA3 は1つま
    たはそれ以上の適切な置換基を有してもよい低級アルキ
    レンである〕で表される化合物、またはカルボキシ基に
    おける反応性誘導体またはその塩とを反応させる、(i
    i)一般式(IV) 【化4】 〔式中、R2 、R3 、R4 、A1 、A2 、A3 、X、m
    およびnはそれぞれ上記と同義、およびR1aは1つまた
    はそれ以上の適切な置換基を有してもよいアミノ保護基
    を有するN含有シクロ(低級)アルキルである〕で表さ
    れる化合物、またはその塩を、アミノ保護基の脱離反応
    に付し、一般式(V) 【化5】 〔式中、R2 、R3 、R4 、A1 、A2 、A3 、X、m
    およびnはそれぞれ上記と同義、およびR1bは1つまた
    はそれ以上の適切な置換基を有してもよいN含有シクロ
    (低級)アルキルである〕で表される化合物、またはそ
    の塩を得る、または(iii)一般式(VI) 【化6】 〔式中、R1 、R2 、R4 、A1 、A2 、A3 、X、m
    およびnはそれぞれ上記と同義、およびR3aは保護され
    たカルボキシである〕で表される化合物、またはその塩
    をカルボキシ保護基の脱離反応に付し、一般式(VI
    I) 【化7】 〔式中、R1 、R2 、R4 、A1 、A2 、A3 、X、m
    およびnはそれぞれ上記と同義である〕の化合物、また
    はその塩を得る、 ことからなる、一般式(I) 【化8】 〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 、A1 、A2 、A3
    X、mおよびnはそれぞれ上記と同義である〕で表され
    る化合物、または医薬上許容されうる塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 有効成分として、請求項1記載の化合物
    または医薬上許容されうる塩と医薬上許容されうる担体
    または賦形剤とを含有する医薬。
  8. 【請求項8】 血栓形成により引き起こされる疾患、再
    狭窄または再閉塞、血管外科手術、弁置換手術、体外循
    環または移植時における血栓形成、播種性血管内凝固、
    血栓性血小板減少症、本態性血小板増加症、炎症、免疫
    疾患、または転移の予防および/または治療剤;あるい
    は血栓崩壊薬または抗凝固剤を使用する治療のアジュバ
    ント治療剤である請求項7記載の医薬。
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