JPH08283058A - 重量コンクリート - Google Patents

重量コンクリート

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JPH08283058A
JPH08283058A JP12417695A JP12417695A JPH08283058A JP H08283058 A JPH08283058 A JP H08283058A JP 12417695 A JP12417695 A JP 12417695A JP 12417695 A JP12417695 A JP 12417695A JP H08283058 A JPH08283058 A JP H08283058A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用する重量骨材を1種類に選定し、コスト
の低減を図ると共に配合設計に要する時間を短縮し、し
かも骨材分離を防止して、要求される品質、ワーカビリ
ティ等を満足させ、凍結融解に対する抵抗性に優れた重
量コンクリートを提案する。 【構成】 0.15mm以下の粒度分布率が15〜25
重量%で、実質的に10mm以下である粒度と、4以上
の比重を有する重量骨材1種類を選定使用し、増粘剤を
配合してなる比重2.4以上の重量コンクリート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、増粘剤を配合した比重
2.4以上で、物理的強度及び化学的安定性に優れた重
量コンクリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】重量コンクリートに関しては、従来から
多種な技術が提案され、多くの分野で使用されており、
例えば放射線遮蔽用、船舶類や重機械類のバランスウエ
イト用、建築物・輪転機・塔構造等の基礎用、消波ブロ
ック・護岸・橋脚等の河川・海洋工事用等の各種ブロッ
ク及びコンクリート等がある。
【0003】その主な重量骨材原料としては、磁鉄鉱、
赤鉄鉱、硫化鉄鉱等の鉄鉱石、チタン鉱、重晶石、かん
らん石、鉄系ダスト、ポンチ屑等の高比重骨材が各種用
途に応じて使用されている。
【0004】また、その重量コンクリートは、通常セメ
ントや水、重量粗骨材、重量細骨材、普通粗骨材、普通
細骨材及び混和剤を適宜配合して製造されているが、2
種類以上の重量骨材使用を使用するため、次のような問
題点がある。
【0005】即ち、2種類以上の重量骨材を使用するた
め、取扱いが煩雑で作業性が極めて悪く、輸送費やヤー
ドの確保等余計なストック費がかかってコスト高とな
る。また、使用する骨材の種類が多い程、要求される品
質やワーカビリティをクリアするための重量コンクリー
トの配合設計が困難となり、余計な時間がかかる。
【0006】重量コンクリートの配合設計は、基本的に
普通コンクリートと同様で、所要の単位容積質量や強
度、耐久性、水密性及び作業性に適するワーカビリティ
が経済的に得られるように、各材料の割合を選定するこ
とにあるが、普通コンクリートに比べ、その配合設計は
実際上かなり困難である。
【0007】また、設備的に粗骨材/細骨材の処理系統
の少ない工場では、貯蔵ビンにおいて細・粗骨材の全面
入れ替えや粗骨材と細骨材の累加計量を行わないと、普
通コンクリートとの平衡出荷ができない。そして、場合
によっては、工場設備を改善しなくてはならない。
【0008】さらに、製造する重量コンクリートの比重
が高比重になると、どうしても骨材の分離現象が発生し
易く、その結果施工性が悪くなり、目的とするコンクリ
ートが得られ難い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、使用する重
量骨材を一種類に選定することによりコスト低減を計る
と共に配合設計に必要な時間を短縮させ、しかも骨材分
離を防止して、要求される品質やワーカビリティ等を満
足させ、凍結融解に対する抵抗性に優れた重量コンクリ
ートを提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、骨材として粗
骨材/細骨材及び1種類の重量骨材を選定使用し、混和
剤として増粘剤を配合したことを特徴とするワーカビリ
ティ等の要求される品質を満足し、凍結融解に対する抵
抗性にも優れた比重2.4以上の重量コンクリートを提
供するものである。
【0011】即ち、本発明は混和剤として増粘剤を配合
してなる比重2.4以上の重量コンクリートであり、本
発明において、0.15mm以下の粒度分布率が15〜
25重量%で、実質的に10mm以下である粒度と、4
以上の比重を有する重量骨材を配合して構成されること
が好ましく、また増粘剤が水溶性メチルセルロース系ポ
リマーであることが好ましいのである。
【0012】次に、本発明に係る重量コンクリートの各
構成要素の限定理由について説明する。 A:重量骨材の比重。 重量骨材の比重が4未満では、用途により要求される比
重を満足する重量コンクリートが製造できず、要求され
た比重を満足させるために重量骨材量を増加させなくて
はならず、非経済的である。従って、重量骨材の比重を
4以上とした。
【0013】B:重量骨材の粒度。 本発明に係る重量コンクリートの特徴の一つは、増粘剤
を配合して、1種類の重量骨材を使用して物理的強度及
び化学的安定性に優れた品質のよい重量コンクリートを
製造することであるため、重量骨材の粒度範囲をあまり
広げると理想とする粒度分布を得ることが困難となる。
従って、重量骨材の粒度を10mm以下とした。
【0014】C:重量骨材の微粉分の粒度分布率。 重量骨材の0.15mm以下の粒度分布率が15重量%
未満では、ブリーディングが増加して分離抵抗が小さく
なり、セメントペーストの粘性及びコンクリートの流動
性が低下する。一方、0.15mm以下の粒度分布率が
25重量%を越えると、細骨材率が上昇し、コンクリー
ト中のモルタル分が過剰となり、配合によるワーカビリ
ティの改善ができない。また、コンクリート中のモルタ
ル分が多くなると、1m当りの空気量が同一でも、モ
ルタルに対する空気量が低下し、凍結融解に対する抵抗
力が低下する。従って、重量骨材中の0.15mm以下
の粒度分布率を15〜25重量%の範囲とした。
【0015】
【作用】次に、本発明を構成する要素につき説明する。 1.配合設計について 普通コンクリートに準ずるが、次の(1)、(2)、
(3)について考慮する必要がある。 (1)単位容積質量:2.4t/m以上とする。 (2)強度:構造物の設計基準強度を210kgf/c
とし、JISA5308に準じて強度保証を行う。 (3)耐久性:苛酷な自然環境にさらされるコンクリー
トを前提条件として考えて、凍結融解に対する耐久性を
確保するため、空気量はJISA5308−1989に
規定する4%、許容範囲±1%とする。また、水セメン
ト比:65%以下とする。
【0016】2.材料について 本発明に係る重量コンクリートの材料として使用するセ
メント、重量骨材、普通骨材及び増粘剤としては、下記
(1)、(2)、(3)、(4)のものがあげられる。
【0017】(1)セメント:速かに潜在水硬性を発現
し強固に硬化する高炉セメントB種(高炉スラグ分量が
30〜60重量%のもの。日本セメント社製等)が好ま
しい。
【0018】(2)重量骨材:比重が大きく、化学的に
安定している磁鉄鉱(Fe)等が好ましい。
【0019】(3)普通骨材: a)細骨材:普通コンクリートに使用している砂が好ま
しく、粗砂としては風化花崗岩加工砂、細砂としては例
えば旧出雲砂丘砂が好ましく、その混合率はコンクリー
トの単位容積質量に応じて変化させる。 b)粗骨材:普通コンクリートに使用している砕石で、
例えば砕石2005と砕石4020を1:1に混合した
粗骨材が好ましい。
【0020】(4)増粘剤:重量骨材の分離及びブリー
ディングを抑制し、セメントペーストの粘性を増すため
に使用する。その主成分は、水溶性メチルセルロース系
ポリマーである(例えば商品名:トクヤマ製マリンキー
プ)。なお、好ましくは、次のAE減水剤を配合するこ
とにより、特性のより一層の向上を図ることができる。
【0021】(5)AE減水剤:コンクリート中に多数
の微細な独立した空気泡を一様に分布させ、ワーカビリ
ティ及び耐凍害性を向上させるAE剤と、所要のスラン
プを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いる
減水剤との両方の効果を兼ね備えた高性能AE減水剤
を、単位水量をできる限り小さくするために使用する。
AE減水剤の主成分は、ポリカルボン酸エーテル系複合
体(例えば商品名:レオビルドSP−8N)である。次
に、本発明の実施例を説明する。
【0022】
【実施例】表1は、210−8−40−BBベースとし
た消波ブロック用重量コンクリートの配合例を示したも
ので、重量骨材として磁鉄鉱砕砂を使用した場合であ
る。上記のうち210は強度、8はスランプ、40は粗
骨材の最大寸法、BBはセメント記号で高炉セメントB
種を示している。
【0023】
【表1】
【0024】本実施例で使用した材料は下記の通りであ
る。 1.セメント:日本セメント社製の高炉セメントB種。 2.重量骨材:磁鉄鉱砕砂の1種類。(表4、5参照) 3.細骨材:粗砂として風化花崗岩加工砂、細砂として
旧出雲砂丘砂を使用し、その混合率はコンクリートの単
位容積質量に応じて変化させた。 4.粗骨材:松江地区で普通コンクリートに使用してい
る砕石で、砕石2005と砕石4020を1:1に配合
したもの。 5.増粘剤:商品名:トクヤマ製マリンキープ。 6.AE減水剤:商品名:レオビルドSP−8N。
【0025】上記材料を表1に示す割合で次のように配
合した。配合に使用したミキサーは3切傾胴型を用い、
全材料同時投入方式で投入後3分練りとし、1バッチ当
りの容量は40lとした。
【0026】ミキサーから排出されたコンクリートは、
水密性の練り板上で切り返しを行った後、スランプ、単
位容積質量、空気量の測定及びワーカビリティの測定を
行った。
【0027】圧縮強度、曲げ強度等の重量コンクリート
の特性値の確認のための試し練りは各々4バッチとし、
4バッチ分を練り船に移して充分切り返しを行った後、
供試体を作成して、各種試験を行った。
【0028】まず、スランプ、空気量、圧縮強度、曲げ
強度及びワーカビリティの各測定試験結果を表2に示
す。
【0029】
【表2】
【0030】表2の結果から、圧縮強度はかなり大き
く、設計強度;210kgf/cm(28日)は充分
保証できる。次に、凍結融解試験結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】本試験に使用した試料は、210−8−4
0−BB、W/C=60%、重量骨材として磁鉄鉱砕砂
を使用した重量コンクリートであり、その試験方法はA
STMC666「水中における急速凍結融解に対するコ
ンクリート供試体の抵抗試験方法」によった。
【0033】凍結融解試験については、一般に試験結果
の相対動弾性係数が300サイクルで60%以上あれ
ば、耐久性の良好な製品コンクリートであるとされてい
る。表3に示される結果では300サイクル終了時で、
相対動弾性係数が85%以上であり、空気量も4%以上
と連行しているので、凍結融解に対する抵抗性は全く問
題ないことが分る。上記本実施例で使用した重量骨材の
品質例を表4に、またその粒度分布例を表5に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、使用する重量骨材を1種類に選定してコストの低減
を図ると共に、配合設計に要する時間を短縮し、しかも
骨材分離を防止して、要求される品質、ワーカビリティ
等を満足させ、凍結融解に対する抵抗性に優れた重量コ
ンクリートを比較的安価に提供することができるのであ
る。
【0037】従って、本発明によれば複数の重量骨材を
使用せずに1種類の重量骨材を選定し使用するので、従
来技術では困難であった各種品質に擾れた重量コンクリ
ートを単純な設備で安価に製造し、多種の用途に提供す
ることができるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾島 武利 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増粘剤を配合し比重2.4以上であるこ
    とを特徴とする重量コンクリート。
  2. 【請求項2】 0.15mm以下の粒度分布率が15〜
    25重量%で、実質的に10mm以下である粒度と、4
    以上の比重を有する重量骨材を配合してなる請求項1記
    載の重量コンクリート。
  3. 【請求項3】 前記増粘剤が水溶性メチルセルロース系
    ポリマーである請求項1又は2記載の重量コンクリー
    ト。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001199754A (ja) * 1999-11-12 2001-07-24 Onoda Co モルタル組成物
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KR100930658B1 (ko) * 2008-05-23 2009-12-09 다이헤이요 세멘토 가부시키가이샤 중량골재 및 중량콘크리트
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