JPH08282090A - 被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法 - Google Patents

被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法

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JPH08282090A
JPH08282090A JP7086790A JP8679095A JPH08282090A JP H08282090 A JPH08282090 A JP H08282090A JP 7086790 A JP7086790 A JP 7086790A JP 8679095 A JP8679095 A JP 8679095A JP H08282090 A JPH08282090 A JP H08282090A
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ink
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ink receiving
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JP7086790A
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Yuji Kondo
祐司 近藤
Takeshi Santo
剛 三東
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材上に熱溶融物質を含有する熱溶融層、顔
料とバインダーとを含有する受容層が順次積層されてな
る被記録媒体。 【効果】 上記被記録媒体にインクの小滴を微細孔から
吐出させ、印字を行った後、被記録媒体を加熱して画像
形成することにより、透明性、画像濃度、色調の良好な
印字物が得られ、かつ印字物の耐久性、保存性も良好に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性インクを用いた記
録に適する被記録媒体及びこれを用いた画像形成方法に
関するものであり、特にインク吸収性に優れ、画像濃度
が高く、色調が鮮明で、印字物の耐久性、保存性が良好
で、さらにオーバーヘッドプロジェクター用途に適した
透明性の良い印字物の得られる被記録媒体及びこれを用
いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、インクの微
小液滴を種々の作動原理により飛翔させて、紙などの被
記録媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うもの
である。この方式は高速低騒音、多色化が容易、記録パ
ターンの融通性が大きく、現像、定着が不要などの特徴
があり、各種画像の記録装置として情報機器をはじめ各
種の用途において近年急速に普及している。さらに多色
インクジェット方式により形成される画像は、製版方式
による多色印刷や、カラー写真方式による印画と比較し
て遜色のない記録を得ることも可能であり、作成部数が
少ない場合には通常の多色印刷や印画によるよりも安価
であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用
されつつある。記録の高速化、高精細化、フルカラー化
などの記録特性の向上に伴って記録装置、記録方法の改
良が行われてきたが、被記録媒体に対しても高度な特性
が要求されるようになってきた。
【0003】かかる要求を満たすために、従来から多種
多様の被記録媒体の形態が提案されてきた。例えば、特
開昭55−5830号公報には支持体表面にインク吸収
性の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が開示さ
れ、特開昭55−51583号公報には被覆層中の顔料
として非晶質シリカを用いた例が、また、特開昭55−
146786号公報には水溶性高分子塗工層を用いた例
がそれぞれ開示されている。
【0004】また近年、ベーマイト構造のアルミナ水和
物を用いた塗工層を有する被記録媒体が提案されてお
り、例えば、米国特許明細書第4879166号、同5
104730号、特開平2−276670号公報、同3
−275378号公報、同3−281384号公報、同
5−32037号公報に開示されている。
【0005】さらに米国特許明細書第4374804
号、同5104730号、特開昭58−110287号
公報、特開平1−97678号公報、同2−27667
1号公報、同4−37576号公報に示されているよう
に、シリカまたはアルミナ材料を用いて多層構成のイン
ク受容層を形成することも行われている。
【0006】これらのアルミナ水和物を用いた被記録媒
体は、アルミナ水和物が有する正電荷を持っているため
か、従来の被記録媒体に比べ、インク中の染料の定着が
良く、比較的発色性の良い画像が得られ、特にフルカラ
ー画像における画質が良好である。しかしながら、未だ
印字物の耐久性、保存性は十分とは言えず、下記問題点
の改善が必要である。
【0007】上記アルミナ水和物を用いた塗工層を有
する被記録媒体は、ヘイズが少なく、比較的透明性も高
いが、十分な透明性は得られておらず、オーバーヘッド
プロジェクターで投影した場合、非画像部は茶黄色がか
り、画像部は暗くなり、色調が鮮明ではない。
【0008】反射画像として観察した場合、塗工層が
透明性不足のため、白っぽく、画像は多少白がかり、塗
工層内部に浸透したインクは反射濃度に寄与しにくくな
るため画像濃度が低下し、さらに当然色調も鮮明ではな
い。
【0009】これら,の問題点を解消するため、ア
ルミナ水和物として小粒径のものを使用する、あるい
は、塗工層の細孔容積を小さくするなどの方策がある
が、塗工層のクラック発生やインク吸収性低下という事
態が生じてしまう。
【0010】上記被記録媒体において、インクは塗工
層の細孔を通じて浸透し、アルミナ水和物あるいはバイ
ンダーにインク中の染料が吸着しているだけなので、印
字物の耐水性、耐光性、耐オゾン性などの耐久性が不十
分であり、また印字物の経時的変色(例えば、保存用フ
ァイルなどに入れていた場合、ファイルから少し出てい
る印字物の端部の余白部が黄変・着色する)などの保存
性も十分でない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決する目的でなされたものであり、インク吸収性に
優れ、画像濃度が高く色調が鮮明で耐水性、耐光性、耐
オゾン性などの耐久性や保存性(経時的変色)が良好で
透明性の良い印字物の得られる被記録媒体及びこれを用
いた画像形成方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】上記課題を解決
するために、発明者が鋭意検討した結果、基材と顔料、
バインダーを含有するインク受容層の間に、熱溶融性物
質を含有する熱溶融層を設けた被記録媒体を用い、イン
クを印字後、加熱することにより熱溶融物質が溶融し、
インク受容層の細孔中に浸透し、インク受容層の細孔が
埋まるため、細孔による空気散乱がなくなり十分透明と
なり、それ故、画像濃度が高く(低下がなくなる)、色
調が鮮明になり、かつ印字物の耐久性、保存性が良好に
なることを見出し本発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、基材上に熱溶融物質を
含有する熱溶融層、顔料とバインダーを含有するインク
受容層が順次積層されてなることを特徴とする被記録媒
体である。
【0014】また、本発明は前記被記録媒体に対して、
インクの小滴を微細孔から吐出させ、印字を行った後、
被記録媒体を加熱することを特徴とする画像形成方法で
ある。
【0015】まず、本発明の被記録媒体の好ましい態様
について説明する。
【0016】本発明の被記録媒体は、図1に示すように
基材1上に熱溶融性物質を含有する熱溶融層2、顔料と
バインダーを含有するインク受容層3が順次積層された
構成である。
【0017】本発明の被記録媒体を構成するインク受容
層の全細孔容積は0.1〜1.0ml/gの範囲が好ま
しい。インク受容層の細孔容積が上記範囲より大きい場
合はインク受容層にクラック、粉落ちが発生し、上記範
囲よりも小さい場合にはインクの吸収が悪くなり、特に
多色印字を行った場合にインク受容層からインクが溢れ
て画像に滲みが発生し易い。
【0018】インク受容層のBET比表面積について
は、20〜450m2 /gの範囲が好ましい。この範囲
より小さい場合、インク受容層が光沢性がなくなり、ま
たヘイズが増加するため画像に白モヤがかかったように
なる。また、上記範囲より大きい場合、インク受容層に
クラックが生じ易くなる。前記BET比表面積及び細孔
容積の値は、24時間、120℃で脱気処理した後、窒
素吸着脱離方法により求めるものである。
【0019】インク受容層に用いられる顔料としては、
例えば炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、チタニア、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、
ケイ酸アルミニウム、アルミナ水和物、ケイ酸、ケイ酸
ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、
シリカなどの無機系顔料や、プラスチックピグメント、
尿素樹脂顔料などの有機系顔料が挙げられ、これらの併
用が可能である。
【0020】特に、インク吸収性や解像性などの画像適
性の観点から好ましい顔料としては、シリカ、アルミナ
水和物である。
【0021】シリカとしては、天然シリカ、合成シリ
カ、非晶質シリカなどや化学修飾されたシリカ系化合物
を用いることができるが、特に正電荷を有するシリカが
好ましく、例えば、商品名「アデライトCT−100」
(旭電化工業(株)社製)、「スノーテックスAK」
(日産化学工業(株)社製)などが市販されていおり、
入手可能で好ましく用いられる。
【0022】アルミナ水和物は、正電荷を持っているた
めインク中の染料の定着が良く、高光沢、発色の良い画
像が得られ、また、他顔料を用いたインク受容層に比
べ、低ヘイズで透明性も高くなり、インク受容層に用い
る顔料としてはより好ましい。
【0023】本発明に用いられるアルミナ水和物は、下
記一般式により表されるものである。
【0024】Al23-n (OH)2n・mH2 O 式中、nは0,1,2または3の整数の内のいずれかを
表し、mは0〜10、好ましくは0〜5の値を表す。m
2 Oは多くの場合結晶格子の形成に関与しない脱離可
能な水相を表すものであるため、mは整数でない値をと
ることができる。また、この種のアルミナ水和物をか焼
するとmは0の値に達することがありうる。
【0025】本発明の実施に好適なアルミナ水和物とし
ては、X線回折法による分析で非晶質のアルミナ水和物
であり、特に、特願平5−125437号、同5−12
5438号、同5−125439号、同6−11457
1号に記載のアルミナ水和物を用いるのが好ましい。
【0026】前記アルミナ水和物は、製造過程において
細孔物性の調整がなされるが、前記インク受容層のBE
T比表面積、細孔容積を満たすためには、細孔容積が
0.1〜1.0ml/gであるアルミナ水和物を用いる
ことが好ましい。アルミナ水和物の細孔容積が上記範囲
外ではインク受容層の細孔容積を前記規定範囲内にする
ことが困難になる。
【0027】BET比表面積については、40〜500
2 /gであるアルミナ水和物を用いることが好まし
い。アルミナ水和物のBET比表面積が、上記範囲外で
は、インク受容層の比表面積を前記規定範囲にすること
が困難になる。
【0028】上記顔料と組み合わせて使用するバインダ
ーとしては、水溶性、水分散性高分子物質が好ましい。
例えば、ポリビニルアルコールまたはその変性体(カチ
オン変性、アニオン変性、シラノール変性)、澱粉また
はその変性体(酸化、エーテル化)、ゼラチンまたはそ
の変性体、カゼインまたはその変性体、カルボキシメチ
ルセルロース、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセル
ロース誘導体、SBRラテックス、NBRラテックス、
メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役
ジエン系共重合体ラテックス、官能基変性重合体ラテッ
クス、エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重
合体ラテックス、ポリビニルピロリドン、無水マレイン
酸またはその共重合体、アクリル酸エステル共重合体な
どが好ましい。これらのバインダーは、単独であるいは
複数種混合して用いることができる。
【0029】インク受容層のBET比表面積、細孔容積
が前記の範囲を満たす限りにおいては、前記顔料とバイ
ンダーの混合比は重量比で1:1〜30:1、好ましく
は5:1〜20:1の間で任意に選択できる。バインダ
ーの量が上記範囲よりも少ない場合はインク受容層の機
械的強度が不足して、クラックや粉落ちが発生し、上記
範囲よりも多い場合は細孔容積が少なくなってインクの
吸収が悪くなる。
【0030】本発明の被記録媒体を構成する熱溶融層の
含有する熱溶融性物質としては、50〜180℃で溶融
するものが好ましく、さらに60〜120℃で流動性を
示すものが好ましい。
【0031】画像形成時の加熱温度は、熱溶融性物性の
溶融温度以上の高温が必要であることから、上記温度を
超えると、被記録媒体の画像形成時の加熱により、基材
の変形、溶解などが生じ、満足な印字物を得ることが困
難となる。上記温度未満では、経時的に溶融性物質がイ
ンク受容層内部にしみ込む可能性があり、被記録媒体の
インク吸収性に問題が生じ好ましくない。また、後述す
る厚みにした場合、透明性の高いものが好ましい。
【0032】熱溶融物質としては、例えば、カルナバワ
ックス、オーキュリーワックス、キャンデリラワック
ス、ライスワックス、木ろう、みつろう、ラノリン、鯨
ろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペ
トロラタムなどの天然ワックス;フィッシャー・トロプ
シュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワック
ス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリス
タリンワックス誘導体などの合成ワックス;ソルビタン
ステアレート、プロピレングリコールモノステアレー
ト、グリセリンステアレート、ポリオキシエチレンステ
アレートなどの常温で固体の界面活性剤、ラウリン酸、
パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、ベヘン
酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸鉛、ステ
アリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、パルミチン酸亜
鉛、メチルヒドロキシステアレート、グリセロールモノ
ヒドロキシステアレートなどの高級脂肪酸あるいはその
金属塩、アミドエステルなどの誘導体;ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンワッ
クス、酸化ポリエチレン、ポリ四ふっ化エチレン、エチ
レン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのオレ
フィンの単独または共重合体あるいはこれらの誘導体な
どからなる熱可塑性樹脂、などが用いられる。これら熱
溶融性物質は、単独でまたは二種以上混合して用いられ
る。
【0033】熱溶融層と基材あるいはインク受容層との
接着性向上のために、適宜樹脂またはゴムを配合しても
よい。この樹脂またはゴムを使用するときは、それらは
熱溶融層の全量を10重量部としたとき0.01〜4.
5重量部の割合で配合される。前記樹脂またはゴムとし
ては、石油樹脂、炭化水素系樹脂、ポリエチレン樹脂、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン、ブタジェンゴ
ムなどの一種または二種以上が適宜選択使用される。
【0034】本発明の被記録媒体の基材としては適度の
サイジングを施した紙、無サイズ紙、レジンコート紙な
どの紙類、熱可塑性フィルムのようなシート状物質及び
布帛が使用でき、特に制限はない。
【0035】基材が熱可塑性フィルムの場合はポリエス
テル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタ
クリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリカー
ボネートなどの透明フィルムや、アルミナ水和物、チタ
ンホワイトの充填または微細な発泡による不透明化した
シートを用いることもできる。
【0036】基材にレジンコート紙を用いた場合、通常
の写真プリントと同じ手触り、こし、風合いが得られ、
さらに本発明の被記録媒体は、インク受容層に高い光沢
性を有していることもあり、通常の写真プリントにかな
り近似したものになる。
【0037】また、基材に前記透明フィルムを用いた場
合、後述する画像形成方法により、被記録媒体が十分透
明化するので、オーバーヘッドプロジェクターに使用す
るシートに適したものになる。
【0038】本発明の被記録媒体は、基材上に熱溶融層
を形成後、インク受容層を積層して製造することができ
る。
【0039】熱溶融層は、前記熱溶融物質を適当な溶
媒に溶解させるホットメルトさせるボールミルなど
の粉砕機により、粉砕して塗工液中に分散させるなどの
方法で塗工液を作製し、基材上に塗工し、必要に応じて
乾燥して形成する。
【0040】塗工液中には必要に応じて、熱可塑性樹
脂、水分散性樹脂、水溶性樹脂などを混合することも可
能である。
【0041】熱可塑性樹脂としては例えばアクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリブタジエン、
ポリアクリロニトリル、あるいはそれらの共重合体など
の種々のものを用いることができる。
【0042】水分散性樹脂、水溶性樹脂としては、これ
も種々のものを用いる得るが、例えば前述のインク受容
層に用いられる水溶性、水分散性高分子などを用いるこ
とができる。
【0043】さらに必要に応じて、塗工液中に分散剤、
増粘剤、pH調整剤、潤滑剤、流動性変性剤、界面活性
剤、消泡剤、耐水化剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透
剤、着色染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、防腐剤、防バイ剤などを添加することも可能であ
る。
【0044】耐水化剤として、例えばクリオキザール、
メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド
樹脂などのアミノプラスト初期縮合物、メチロール化ポ
リアミド樹脂のような変性ポリアミド樹脂、ポリアミド
・ポリアミン・エピクロルヒドリン付加物、ポリアミド
エピクロルヒドリン樹脂、変性ポリアミドイミド樹脂、
多価金属塩などが挙げられる。
【0045】上記樹脂は、単独で使用するか二種以上併
用することもできる。
【0046】塗工方法としては、ブレードコート方式、
エアーナイフ方式、ロールコート方式、ブラッシュコー
ト方式、グラビアコート方式、キスコート方式、ダイコ
ート方式、エクストル−ジョン方式、スライドホッパー
(スライドビート)方式、カーテンコート方式、スプレ
ー方式などを用いることができる。
【0047】熱溶融層の厚みとしては、加熱によりイン
ク受容層の細孔に十分浸透し埋めるだけの熱溶融性物質
を含有する厚みが必要で、1μm〜20μm、好ましく
は2〜15μmである。
【0048】上記未満の厚みの場合、インク受容層の細
孔に十分浸透せず、形成された印字物に白さが多少残
り、画像濃度、色調が好ましくなく、また、透明基材を
用いた場合の印字物の透明性も十分ではない。また上記
を超える厚みの場合熱溶融層自体の透明性が低くなり、
また熱溶融性物質がインク受容層表面にしみ出し、表面
平滑性が低下する現象がみられる。
【0049】インク受容層は、顔料とバインダーを含む
分散駅を塗工装置を用いて、支持体上に塗布、乾燥する
方法により形成される。分散液には必要に応じて、前記
同様の添加剤を混合することも可能である。塗工方法と
しては、熱溶融層形成時と同様の塗工方式を用いること
ができる。
【0050】分散液の塗布量は乾燥固形分換算で0.5
〜60g/m2 、より好ましくは5〜45g/m2 であ
るが、良好なインク吸収性、解像性を得るには、15μ
m以上、好ましくは20μm以上、特に、25μm以上
のインク受容層の厚みにする必要性がある。
【0051】前記基材と熱溶融層あるいは熱溶融層とイ
ンク受容層との接着性を良好にするために、コロナ処理
などの表面処理を行ったり、基材と熱溶融層との接着性
を向上させるために、易接着層を下引き層として設けて
もよい。さらにカールを防止するために基材裏面あるい
は、基材と熱溶融層の間に樹脂層や顔料層などのカール
防止層を設けることもできる。
【0052】次に本発明の画像形成方法について説明す
る。本発明の画像形成方法は、前記被記録媒体にインク
を付与して記録した後、この記録された被記録媒体を加
熱し、印字物を得る方法である。
【0053】前記被記録媒体にインクを付与して記録を
行う方法としては、インクジェット記録方法が好まし
い。該記録方法はインクをノズルより効果的に離脱させ
て、被記録媒体にインクを付与し得る方法であれば如何
なる方法でもよい。特に特開昭54−59936号公報
に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けた
インクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作
用力によって、インクをノズルから吐出されるインクジ
ェット方式は有効に使用することができる。
【0054】上記方法で記録された被記録媒体を加熱す
る方法としては、ホットプレート、ヒートロール、サー
マルヘッド、赤外線またはレーザー光照射などをその手
段として用いることができる。加熱温度は各種の条件す
なわち基材、インク受容層の耐熱性、熱溶融性物質の溶
融温度などによって異なるが、通常60〜200℃であ
る。上記温度を超えると、基材の変形、溶解などが生じ
るおそれがあり、満足な印字物を得ることが困難にな
る。また、上記温度未満では、十分に熱溶融性物質を溶
解し、流動性を持たせることができないおそれがる。加
熱操作としては、80〜160℃が好ましい。この加熱
時に加圧することも勿論可能である。
【0055】前記画像形成時に用いられるインクは、主
として色材(染料もしくは顔料)、水溶性有機溶剤及び
水を含むものである。染料としては、例えば直接染料、
酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素などに代
表される水溶性染料が好ましく、被記録媒体との組み合
わせで定着性、発色性、鮮明性、安定性、耐光性その他
の要求される性能を満たす画像を与えるものであればい
ずれでも使用できる。
【0056】水溶性染料は、一般に水または有機溶剤か
らなる溶媒中に溶解して使用するものであり、これらの
溶媒成分としては、好ましくは水と水溶性の各種有機溶
剤などとの混合物が使用されるが、インク中の水分含有
量が20〜90重量%、好ましくは60〜90重量%の
範囲内となるように調整する。
【0057】インクには水溶性染料の溶媒に対する溶解
性を飛躍的に向上させるために可溶化剤を加えることも
できる。さらに特性の改善のために、粘度調整剤、界面
活性剤、表面張力調整剤、pH調整剤、比抵抗調整剤、
保存安定剤などの添加剤を加えて用いることもできる。
【0058】前記画像形成方法により熱溶融性物質がイ
ンク受容層の細孔を埋めるため、細孔による空気散乱が
なくなり、十分な透明性が得られ、それ故、画像濃度の
低下がなくなり、色調が鮮明になると同時に、細孔中の
顔料もしくはバインダーと吸着している前記インクも熱
溶融性物質により固められ、外部(空気)と接触するこ
とがなくなるので、印字物(インク染料及びインク受容
層自体)の耐水性、耐光性、耐オゾン性などの耐久性が
十分好ましいものでとなる。さらに、原因は定かではな
いが、空気中の浮遊物や、被記録媒体と接触するものか
らの移行物、例えばプラスチックフィルム製の保存用ス
トックファイルなどの事務用品からの可塑剤と空気との
反応によるとみられる経時的な印字物の変色もなくな
り、長期保存性も向上する。
【0059】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0060】アルミナ水和物の製造 米国特許明細書第4242271号に記載された方法で
アルミニウムドデキシドを製造した。次に米国特許明細
書第4202870号に記載された方法で前記アルミニ
ウムアルコキサイドを加水分解してアルミナスラリーを
製造した。このアルミナスラリーをアルミナ水和物固形
分が7.9%になるまで水を加えた。アルミナスラリー
のpHは9.5であった。3.9%の硝酸溶液を加えて
pHを調整した。表1に示すそれぞれの熟成条件でコロ
イダルゾルを得た。このコロイダルゾルを75℃でスプ
レー乾燥してアルミナ水和物(A,B)を得た。これら
アルミナ水和物の細孔容積は、前述のように120℃で
24時間脱気処理した後、窒素吸着脱離法を用いて測定
し(カンタクローム社製、オートソーブI)、BET比
表面積は、Brunauerらの方法を用いて計算し求
め、その値を表1に示す。
【0061】
【表1】 実施例1 白色ポリエステルフィルム(東レ(株)製、ルミラーX
−21、厚み100μm)をコロナ処理した後、処理面
上に表2に記載の組成の熱溶融性物質をホットメルトコ
ーターを用いて、厚み4μmになるように塗工し、熱溶
融層を形成した。そして、この熱溶融層に対してコロナ
処理を施した後、表3に記載の組成の分散液を熱溶融層
上にダイコーターを用いて塗工し、30μmのインク受
容層を形成し本発明の被記録媒体を得た。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】 この被記録媒体に対して、1mmに16本の割合のノズ
ル間隔で128本のノズルを備えたインクジェットヘッ
ドをY,M,C,Bkの4色分備え、かつ、排紙後、加
熱加圧できるヒートロールを備えたインクジェットプリ
ンターを用い、表4に記載の組成のインクによりインク
ジェット記録を行った後、インクジェットプリンター内
の前記ヒートロール(加熱温度130℃、ニップ幅4m
m、ニップ圧2kg/cm2 )に通し加熱加圧を行い印
字物を得た。インク染料は下記のものを用いた。
【0064】インク染料 Y:C.I.ダイレクトイエロー86 M:C.I.アシッドレッド35 C:C.I.ダイレクトブルー199 Bk:C.I.フードブラック2
【0065】
【表4】 得られた被記録媒体印字物に対して、種々の物性を後述
の方法で測定し評価した。その結果を表5に示す。
【0066】実施例2 実施例1の白色ポリエステルフィルムの代わりに透明ポ
リエステルフィルム(東レ(株)製、100Q80D、
厚み100μm、透過率88.74%)を用い、さらに
アルミナ水和物Aの代わりにアルミナ水和物Bを用いた
他は実施例1と同様にして被記録媒体及び印字物を得
て、実施例1と同様の物性評価を行った。その結果を表
5に示す。
【0067】実施例3 実施例1のアルミナAの代わりにコロイダルシリカ(旭
電化(株)製、アデライトCT−100)を用いた以外
は、実施例1と同様にして被記録媒体及び印字物を得
て、実施例1と同様の物性評価を行った。その結果を表
5に示す。
【0068】評価項目 (a)インク吸収性 Y,M,C,Bkインクを単色または多色でベタ印字し
た直後(ヒートロールの通過前)の被記録媒体表面のイ
ンクの乾燥状態を記録部に指で触れて調べた。単色印字
でのインク量を100%とした。インク量300%でイ
ンクが指に付着しないものを良好とした。
【0069】(b)画像濃度 Mインクでベタ印字した画像の画像濃度を、マクベス反
射濃度計RD−1255を用いて評価した(いずれの実
施例においても4色中Mの画像濃度が最も低かったので
ここでの評価対象とした)。
【0070】(c)色調 Y,M,C,Bkインクを単色または多色でベタ印字し
た後の色調を目視で評価した。
【0071】(d)透明性 被記録媒体に対して、印字を行わず、ヒートロールを通
過させた後、ヘイズメーター(日本電色工業(株)製、
NDH−1001DP)を用いて透過率を測定した。
【0072】(e)耐水性 Y,M,C,Bkインクを単色でベタ印字した後の印字
物を流水中3分間浸漬後、自然乾燥し、下記式により耐
水度を求めた。
【0073】耐水度=(流水浸漬後の画像濃度/流水浸
漬前の画像濃度)×100(%)耐水度98%以上のも
のは誤差を考慮しても十分良好といえる。また、インク
受容層自体の耐水性は目視及び触指により観察した。
【0074】(f)耐光性 前記耐水性テスト用と同様の印字物をフェードメーター
内に入れ、キセノン光源を用い、0.39w/m2 で1
00時間照射を行い下記式により耐光度を求めた。
【0075】耐光度=(照射後の画像濃度/照射前の画
像濃度)×100(%) 耐光度98%以上のものは、誤差を考慮しても十分良好
といえる。
【0076】(g)耐オゾン性 前記耐水性テスト用と同様の印字物をオゾンフェードメ
ーター内に入れ、オゾン発生装置を用いオゾン量3pp
mで40℃、55%RH条件下15時間暴露し、下記式
により耐オゾン度を求めた。
【0077】耐オゾン度=(暴露後の画像濃度/暴露前
の画像濃度)×100(%) 耐オゾン度98%以上のものは、誤差を考慮しても十分
良好といえる。
【0078】(h)保存性 Y.M.C,Bkインクを単色または多色でベタ印字し
た印字物上に僅かに小さめの透明塩化ビニルフィルムを
重ね、その状態で机上に10日間放置し、変色の様子を
目視で観察した。
【0079】
【表5】
【0080】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、顔
料を含有するインク受容層と基材との間に熱溶融層を設
け、インクを印字後加熱することにより、透明性、画像
濃度、色調の良好な印字物が得られ、かつ印字物の耐久
性、保存性も良好になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被記録媒体の実施形態を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基材 2 熱溶融層 3 インク受容層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に熱溶融物質を含有する熱溶融
    層、顔料とバインダーとを含有するインク受容層が順次
    積層されてなることを特徴とする被記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記基材が透明基材であることを特徴と
    する請求項1記載の被記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記顔料がアルミナ水和物を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の被記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の被記録媒体に対し
    て、インクの小滴を微細孔から吐出させ、印字を行った
    後、被記録媒体を加熱することを特徴とする画像形成方
    法。
  5. 【請求項5】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    ク滴を吐出させる請求項4記載の画像形成方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6140390A (en) * 1998-08-31 2000-10-31 Eastman Kodak Company Melt-fusible inkjet recording elements and inks with improved durability
US6811253B1 (en) 1999-08-04 2004-11-02 Ilford Imaging Uk Limited Ink jet printing method
US6902268B1 (en) 1999-11-18 2005-06-07 Ilford Imaging Switzerland Gmbh Printing process

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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