JPH0828156B2 - 直流高速度真空遮断器 - Google Patents

直流高速度真空遮断器

Info

Publication number
JPH0828156B2
JPH0828156B2 JP1201178A JP20117889A JPH0828156B2 JP H0828156 B2 JPH0828156 B2 JP H0828156B2 JP 1201178 A JP1201178 A JP 1201178A JP 20117889 A JP20117889 A JP 20117889A JP H0828156 B2 JPH0828156 B2 JP H0828156B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vacuum valve
capacitor
direct current
commutation
vacuum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1201178A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0367429A (ja
Inventor
三吉 長谷川
孝 坪井
弘之 秋山
忠 鎌田
太郎 内井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP1201178A priority Critical patent/JPH0828156B2/ja
Priority to KR1019900011238A priority patent/KR0179365B1/ko
Priority to US07/560,785 priority patent/US5214557A/en
Priority to AU60124/90A priority patent/AU629018B2/en
Priority to DE69031818T priority patent/DE69031818T2/de
Priority to EP90114979A priority patent/EP0411663B1/en
Priority to CN90106747A priority patent/CN1028063C/zh
Publication of JPH0367429A publication Critical patent/JPH0367429A/ja
Publication of JPH0828156B2 publication Critical patent/JPH0828156B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T10/645

Landscapes

  • High-Tension Arc-Extinguishing Switches Without Spraying Means (AREA)
  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は真空バルブを用いた直流遮断器に関する。
〔従来の技術〕
電車や電気機関車(以下、電気車という)は、インバ
ータやチヨツパの主回路に用いる素子(サイリスタ,ゲ
ートターンオフサイリスタ,トランジスタ等)の破損に
よる短絡故障,主回路の一部配線の絶縁不良による地絡
故障,制御系故障による電流の異常上昇などの故障が発
生する可能性を内在している。このような故障をそのま
ま放置しておくと機器の焼損を招く恐れがありこれを未
然に防止するため、従来から電気車には過大電流が流れ
たときそれを遮断する遮断器が設けられている。
しかしながら、従来から用いられている気中(空気)
遮断器では、その構造上事故電流が流れてからそれを遮
断するまでの遮断速度が遅く、その遮断器が動作する前
に、その電気車が存在するき電区間の地上変電所に設け
られている遮断器が先に動作してしまう場合があつた。
この地上変電所の遮断器が動作すると、その変電所が電
力を供給するき電区間内に存在する電気車全てが電力の
供給を受けられず停止してしまう。すなわち、一電気車
の事故が他の電気車にまで波及してしまうわけである。
もし、過密ダイヤを有する路線でこのような事故が起こ
ると、そのき電区間の電気車だけでなく他の区間の電気
車にも影響を及ぼすことは容易に想像し得る。
この原因は、前述の車上に搭載された気中遮断器の遮
断速度の遅さによるものである。
そこで、近年さらに高速な遮断器として直流真空遮断
器が必要となつてきた。
直流の遮断は、特開昭54−132776号公報にもあるよう
に、直流は電流零点を持たないため、交流の遮断に比較
して困難である。これを解決するため、直流遮断では、
開閉バルブ(以下、バルブという)に並列に転流コンデ
ンサを設け、回路のインダクタンス分とともに発振回路
(転流回路)を形成させ、人工的に電流零点を作り出し
ている。この方法は、予備充電方式と無充電方式の2者
に大別される。
予備充電方式は、予めコンデンサを充電しておき、バ
ルブ開放の際、コンデンサに蓄えられた電荷を放電させ
るもので、コンデンサとインダクタンス分で振動が発生
する。この発振回路は純抵抗分が存在するので振動の振
幅は指数関数的に減少する。この振動の初期の頃の振幅
が電流零点を通過することにより、バルブ内のアーク電
流がなくなり遮断を完了する。
無充電方式は、負性アーク特性を有するバルブを用い
て、このバルブにコンデンサを並列に接続し、バルブ開
放時に発散振動電流を得る。この発散方向にある振動の
振幅が零点を通過したときに遮断するのである。しか
し、この方式は、振動が増大してゆき零点を通過するま
でにある程度の時間が必要である。よつて、それまでに
地上変電所の遮断器を動作させてしまう場合が考えられ
る。
従つて、電気車に搭載する遮断器は予備充電式が都合
が良い。
特開昭54−132776号公報に記載された予備充電方式の
直流遮断器は次のようなものである。
バルブにコンデンサを並列にして、漂有インダクタン
スとの共振回路を形成させただけでは、バルブを流れる
電流が電流零点を横切るときの時間微分(di/dt)であ
る電流傾斜が大きすぎ遮断しづらくなる。そこで、電流
傾斜を小さくするため、漂遊インダクタンスのみでな
く、数ミリヘンリー(mH)以上のインダクタンスをコン
デンサに直列に接続している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術のコンデンサとインダクタンスの大きさ
を変える。インダクタンスを数mHとすると、コンデンサ
は数千から数万マイクロフアラツド(μF)にもなり、
その容積自体も相当大きなものとなる。
電気車は、機器や床下や屋根に据えつけており、機器
搭載スペースが著しく限られており、あまり大きな装置
になると、電気車に搭載し得ない。
本発明の目的は、電気車にも搭載し得る予備充電方式
を用いた直流真空遮断器を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するため、 直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開
閉手段の直列体と、 そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線
の漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消
費する素子とを備えたものにおいて、前記真空バルブ,
コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路の振動周波数を2K
Hz以上、転流電流を5000A以上かつ前記閉回路に含まれ
る転流インダクタンスを1μH以上としたものである。
〔作用〕
上記手段は、転流回路の振動周波数を2KHz以上とする
ことができるので、転流リアクトルは漂遊インダクタン
スでも間に合い、転流コンデンサを相当小さくできる。
従つて、狭い電気車の床下にも搭載することができる。
〔実施例〕
前述の特開昭54−132776号公報によると、予備充電方
式では、バルブに並列に接続された。転流コンデンサと
インダクタンスによる振動電流の周波数が1KHz以上にな
ると確実に遮断できないとされていた。それは、電流傾
斜が大きくなつてしまうという理由からである。
次に直流遮断器の振動周波数とインダクタンスとコン
デンサの関係を簡単に説明する。
遮断器の遮断能力(どの位に主電流まで遮断し得るか
という能力)は、予備充電された転流コンデンサからの
電流が、主電流と逆方向に流れる転流電流の大きさに依
存する。つまり、バルブに発生したアークを消滅させる
には、転流電流のピーク値が主電流より大きいことが条
件となる。
転流電流iは、下式で与えられる。
ここで R:転流回路の純抵抗分 L:転流回路のインダクタンス分 C:転流コンデンサの容量 転流回路を充分な断面積の電線で構成すれば抵抗分
は、ほぼ零とみなすことができる。従つて、 (1)式は、 (2)式より転流電流のピーク値は、 転流電流Ipを大きくするためには、転流コンデンサの
充電電圧Vまたは、コンデンサの容量Cを大きくする
か、インダクタンスLを小さくすれば良い。
一方、転流回路の固有周波数は下式となる。
そのため、インダクタンスLや転流コンデンサCの決
定には、周波数、最大電流Ipを決定すると、下式に
より決まつてしまうことになる。
従つて、転流能力を変えずに転流コンデンサ容量Cを
小さくする方法として、転流コンデンサ充電電圧Vを大
くすることが考えられる。但し、この場合、インダクタ
ンスLが大きくなつてしまうという問題があり、また、
各機器との絶縁耐圧設計上の観点からコンデンサ充電電
圧Vを回路電圧に比べ、極端に上昇させて使うことは、
それに伴つて回路機器が大きくなつてしまうので得策で
はない。
以上の式に基づいた、コンデンサ容量C,インダクタン
スL,転流電流のピーク値Ipとの関係を第2図に示す。
例えば、周波数を前述の1KHz,転流電流を10KAで考え
ると、コンデンサの容量は、 1,000μF,インダクタンスは20μHとなり、この容量の
コンデンサの大きさは、一般に幅800mm,奥行500mm,高さ
500mm位であるとされている。これでは、電気車の床下
に搭載するには大きすぎる。
転流コンデンサ容量Cや転流インダクタンスLを小さ
くするには、第2図から転流回路の周波数を高くす
れば良いことが容易に理解できる。
しかし、前述の特開昭54−132776号公報及び、電気学
会誌昭和53年6月号98巻6号臨界プラズマ試験装置JT−
60用直流遮断器第44頁に記載されているとおり、転流電
流の周波数は、1KHz位が限界であることが示されてい
る。これは、電流零点近傍の電流減少率が大きいとバル
ブが電流を遮断しにくいためであると云われているから
である。
このままでは、転流コンデンサCや転流インダクタン
スLを小さくすることができない。
ここで、真空遮断器について簡単に説明する。
空気中で、電流が流れているバルブを開放すると、電
極間に存在する原子がイオン化される。このイオンの流
れがアークである。一方、真空中では電極間に原子が存
在しないので、原理的には、真空中でのバルブ開放時に
はアークは発生しないこととなる。この原理を応用した
ものが真空遮断器である。これが、真空遮断器が高速で
動作する理由である。しかし、完全な真空状態を作り出
すことは非常に困難であり、また、バルブ開放時に溶融
した電極の金属原子がイオン化される等の理由により実
際には、数十ボルトのアーク電圧によるアークが発生し
ており、電流が流れ続ける。このアークを消弧させるた
めに転流回路が必要なのである。
さて、話を元に戻すと、転流周波数を大きくすればコ
ンデンサ,インダクタンス共に小さくすることができる
のであるが、転流周波数の最大値には限度があり、その
実現は不可能と考えられていた。
そこで本発明の発明者らは以下のような実験を試み
た。
第11図(a)が測定回路である。直流電源Eからの電
流が可変の負荷Ll,Rlを介して事故電流となる。はじめ
は、ラインブレーカLBをOFF,真空バルブVIを接続状態に
しておく。主電流IL,IC、真空バルブVI間の電圧VVCB
主に観測することとした。実験方法は、OFF状態にある
ラインブレーカLBをオンし事故電流を発生させ、過電流
検出器CTの検出値がセツト値を越えると、制御部からト
リツプ指令が出され反発コイルが励磁され、真空バルブ
VIが開極し電流遮断状態に至るようにしておく。次にラ
インブレーカLBをOFFし、リセツト指令を与え真空バル
ブVIを閉極させて次の実験に移る。
この実験は従来遮断不能と云われていた領域で行うた
めに、はじめの数回(次表1〜4)は過電流検出器CTを
用いずに、制御部内部で時間的にトリツプ指令を出すよ
うにしたので後述のセット値は表示していない。
次に、第11図(b)で用語の説明をする。
図の実線は電流ILで、一点鎖線は事故電流を遮断せず
に流し続けた場合の電流曲線である。セツト値とは、過
電流検出装置CTの検出値がいくらになつたときに遮断器
を動作させるかという動作電流値のことで、実遮断電流
とは、実際の遮断器の動作点である。また、遮断電流
は、遮断器の遮断能力を示すものである。
次に実際の遮断が成功した実験結果を表に示す。
この表から、電源電圧1600(V),セツト値2080
(A),転流周波数11.1(KHz)で遮断できることが立
証された。転流周波数は、従来言われていた値の約10倍
である。この転流周波数を高周波にできることにより、
転流リアクトルを省略し、インダクタンス成分としては
配線にある漂遊インダクタンスのみとすることができ、
また転流コンデンサも50μFと小容量とすることができ
た。
上記漂流インダクタンスは配線をいくら短くしても1
(μH)位は残るので、転流周波数はおよそ30(KHz)
〜40(KHz)が限度である。ちなみにこの時の転流コン
デンサの値は約30(μF)である。
次に、第1図を用いて本発明の一実施例を説明する。
直流電源Eから主電流は、真空バルブVI及び静止形過
電流引外し装置SOTDを介して負荷LOADに至る。その真空
バルブVIの極間に並列に、転流コンデンサC及び開閉手
段である転流スイツチSの直列体が接続されている。ま
た、転流コンデンサC等とは別のループで、真空バルブ
VIを並列に酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRが接続されている。
この閉回路の漂遊インダクタンスは、転流コンデンサC
等から成る閉回路のそれより小さくなつている。つま
り、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRと真空バルブVIで構成され
る閉回路の方が配線長が短いのである。
尚、図示していないが、転流コンデンサCの両端に
は、充電用の回路が接続されている。
静止形過電流引出し装置SOTDが異常電流を検知するこ
とにより、真空バルブVIが動作するのである。
以下、第3図を用いて、本発明の動作原理を説明す
る。
第3図(a)には、閉極された真空バルブVIを介して
主電流が流れている様子が描かれている。また、転流コ
ンデンサCは図示の方向に充電されている。故障条件に
より開指令が出されると、まず、(b)に示されるよう
に真空バルブVIが開極される。開極後も主電流は、真空
中をアークとなつて流れ続ける。次に転流スイツチSに
ON指令が出て(c)のように閉じる。その瞬間、転流コ
ンデンサCに充電された電荷は、転流コンデンサC→漂
遊インダクタンスL→転流スイツチS→真空バルブVI→
転流コンデンサCの閉回路が形成されるため、主電流と
逆方向の振動電流となつて流れ始める。やがて、真空バ
ルブVIの電流が零近辺(数A)になるとアークは消弧す
る。しかし、通常アークが消えても残存電流(アークと
なつて真空バルブVI中を流れていた電流)が存在し、ア
ークが消えた瞬間尖頭的な電圧(dv/dt)が真空バルブV
Iの両端に印加され再点弧してしまう。本実施例では、
酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRの配線長を転流回路の配線長よ
り短くしてあるためインダクタンスが小さくなるように
なつている。従つて、変化する電流に対して、インダク
タンスが大きい場合に比べ、電流が酸化亜鉛非直型抵抗
ZNLR側に流れ易い。
酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRは、容量分がありその大きさ
は、真空バルブVIの開極時の容量の2,000倍前後であ
る。
上述のことを踏まえて、真空バルブVIのアーク再点弧
防止の現象を説明する。
アークが消弧した瞬間の残存電流は、一番流れ易い容
量分に向つて流れ込む。この場合は、酸化亜鉛非直線抵
抗ZNLRである。よつて、尖頭的電圧が真空バルブVIに印
加されるのを防ぎ、アークの再点弧が防止できるのであ
る。
尚、上記実施例には酸化亜鉛非直線抵抗を代表的に挙
げているが、定電圧特性を有しエネルギー消費型の素子
であつて、若干の容量分のあるものであれば他の素子を
用いても構わない。
また、転流電流のピークIpは、実遮断電流の1.2倍以
上が良いとされている。実遮断電流の大きさは負荷とな
る電気車等の出力及び直流電源電圧によつて決定され
る。電気車の出力500Kw〜6000Kw程度及び直流電源電圧6
00V〜3000V位を考慮するとその転流電流Ipの大きさは、
5000(A)以上が望ましい。
これにより、アークは完全に消弧し、主電流は転流コ
ンデンサCを充電する(第3図(d))。
酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRの定電圧は電源電圧Eより大
きいものを選び、転流コンデンサCの電圧が上昇し
(e)の如く、電流スイツチSを開くと、主回路のイン
ダクタンスに蓄えられたエネルギーを消費する。この場
合酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRは抵抗として動作するのであ
る。
次に、トリツプしたときの各部の波形を第5図を用い
て説明する。
第5図において横軸は時間の経過を示したものであ
る。
事故により主電流が漸増し、(a)において過電流セ
ツト値を超えたとする。過電流が検知され、主極の開極
指令が与えられ、(b)で開極する。主電流は、真空中
のギヤツプをアークとなつて流れ続ける。次に(c)に
おいて転流スイツチSを閉じ転流電流を流し始める。真
空バルブを流れる電流は転流電流と打消し合つてやがつ
て零になる(d)。次に、アークが消弧した瞬間の残り
の主電流は酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRに向つて流れ、真空
バルブVI極間尖頭的な電圧の上昇を防ぐ。その後、転流
コンデンサCに流れる量が増え、やがて、酸化亜鉛非直
線抵抗ZNLRの放電開始電圧に到達し(e)、酸化亜鉛非
直線抵抗ZNLRに電流が流れ、主回路のインダクタンスに
たくわえられていたエネルギーが消費され主電流は減衰
し全遮断が完了する(f)。
上記の回路の配置を第4図を用いて説明する。第4図
は、直流高速真空遮断器の真空バルブ及び励磁コイル等
を収納した収納箱HSVCB,転流コンデンサC,転流スイツチ
S,酸化亜鉛非直線抵抗ZNLR、他の機器等を納め電気車の
床下に取付ける収納箱内の配置図である。この図は、収
納箱を上から見た図、つまり電気車の床側から見た図で
ある。本来であれば、転流コンデンサCを含む閉ループ
の配線長を極力短くしたいのであるが、図からも分かる
ように転流コンデンサCは大きいので、それは難しい。
従つて、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRの配線を短くしてあ
る。ちなみに、この収納箱の大きさは、幅550mm,たて60
0mm,高さ500mmである。高さが500mmと低い理由は、リニ
アモータ式地下鉄にも使えるように配慮したためであ
る。
以上の実験結果及び実施例を次にまとめる。前述の公
知例2件から転流電流の周波数を1KHz以上では、遮断で
きないということであつた。それは、遮断電流傾斜(di
/dt)が大きすぎ再点弧してしまうからであつた。こと
ろが本発明者らによる実験では、1KHz以上の周波数でも
遮断可能であることがわかつた。
その結果、上述の実施例では、転流回路にはリアクト
ルを挿入していない。つまり、転流回路のインダクタン
スは、配線による漂遊インダクタンスのみである。その
値を5μHとして、転流コンデンサC,転流電流の周波数
を計算する。
で表わされ、充電電圧Vを1500V、最大転流電圧Ipを600
0Aで計算すると、 C=80(μF) となり、この時の転流周波数は、 となる。
本実施例の効果は、上記の如く、転流コンデンサを小
さくし、転流リアクトルを省くことだけでなく、何らか
の理由により最初の零点で遮断失敗しても、周波数が高
いため零点までの時間が短く済むという効果もある。
次に上記のような直流高速度真空遮断器を電気車に用
いた場合について第6図を用いて説明する。
通常直流高速度真空遮断器HSVCB閉極状態となつてい
る。次にパンダグラフを架線に接触させ、ラインブリー
カLB1,CHKを投入する。容量の大きいフイルタコンデン
サFCは、充電抵抗CHReを介し充電される。充電完了後、
ラインブレーカLB2が投入され運転可能状態となる。図
示していない主幹制御器を運転士がその操作量に応じて
主電動機制御部が図示していない電動機を動作させる。
力行運転中に運転士がノツチオフすると、主電動機制
御部(特にインバータの場合)は、主電流を減少させ、
その後ラインブレーカLB1,LB2を開き遮断する。これ
を、減流遮断という。
次に事故時について説明する。
事故の検出は、この場合2通りある、第1は過電流検
出器CTがセツト値以上の主電流を検出した場合、第2は
主電動機制御部内部で素子等の故障が検知され、外部ト
リツプ指令を送出した場合である。
これらの信号が直流高速度真空遮断器HSVCB内部の制
御部(以下、制御部という)に入力されると、その制御
部はトリツプ指令を反発コイル1に送出し、その反発力
により真空バルブIが開極し、ロツク機構によりその状
態にロツクされる。次に、有効に転流電流が働く地点ま
で開極された頃(時間で動作する)に制御部は転流指令
を反発コイル2に送出し転流スイツチSを動作させる。
すると予め充電された転流コンデンサCから転流電流が
流れ、前述の如く遮断が完了する。遮断が完了すると主
電流が零になるので、制御部はLBオフ指令を送出しライ
ンブレーカLB1,LB2を開極する。
事故が回復すると、運転士が運転台にあるリセツト釦
スイツチを押すことによりリセツト動作が開始される。
制御部にリセツト指令が入力されると、制御部はリセ
ツト指令をリセツトコイルに送出し、ロツク機構が解除
され真空バルブVIが閉極する。次に充電電流を流し転流
コンデンサCを所定値に充電し、直流高速度真空遮断器
HSVCBは待機状態に入る。
本実施例によれば、電気車用に特にコンパクト化され
た高性能な直流高速度真空遮断器を電気車に搭載するこ
とができ、事故時でも地上変電所の遮断器より早く事故
電流を遮断することができるので他の電気車に多大な影
響を与えない。
本発明の他の実施例を第7図を用いて説明する。
本図において、第1図と相違する点は、酸化亜鉛非直
線抵抗ZNLRを転流回路(転流コンデンサCと転流スイツ
チを含む回路)側に並列に接続し、サージ吸収コンデン
サCsを真空バルブVIの近傍(転流回路の閉ループよりも
配線長が短くなるよう)に並列に接続したものである。
この回路において、転流電流が真空バルブVIに流れ込
みアークが消弧するとアーク消弧時の残存電流の大半は
サージ吸収コンデンサCsに流れ電圧上昇率が押えられ再
点弧を抑止する。
このコンデンサCsの容量を、真空バルブの開極時の容
量よりも大きく選べば良い。但し、あまり大きなものと
すると、形状が大きくなりすぎるので電気車には不向き
なものとなつてしまう。
この実施例の効果は、サージ吸収コンデンサCsの容量
を目的に選ぶことができる点にある。例えば、酸化亜鉛
非直線抵抗ZNLRが大きい物の場合、漂遊インダクタンス
を充分小さくとれない。このときサージ吸収コンデンサ
Csの大きさが小さいものを選択すれば良い。
その他の実施例を第8図を用いて説明する。
第7図の構成と相違するところは、酸化亜鉛非直線抵
抗ZNLRに並列に抵抗Rを接続したところである。
真空バルブVIを開極して遮断し、酸化亜鉛非直線抵抗
ZNLRが動作するとき、直流電源Eからの漂遊インダクタ
ンスに蓄積されたエネルギーが大きい場合、抵抗Rも消
費する。従つて、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRの負担が軽減
される。但し、この場合は、主電流は完全に消滅せず、
直流電源E→抵抗R→負荷LOADの順に流れ続けるので、
低い電流を遮断するスイツチが必要になろう。
他の実施例について第9図を用いて説明する。第8図
との構成上の相違は、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRがなくな
つた点である。抵抗Rのみに、漂遊インダクタンスに蓄
えられたエネルギー等を消費させるのである。抵抗Rに
は、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRのように、定電圧特性がな
いので電流は流れ放しになる。この場合もやはり、他の
ブレーカーが必要となろう。
本実施例によれば、構成が簡単な上しかも安価である
ため比較的小さい電流を遮断する場合に適している。
他の実施例について第10図を用いて説明する。
第7図と相違するところは、酸化亜鉛非直線抵抗ZNLR
をサージ吸収コンデンサCsに並列にしたところである。
酸化亜鉛非直線抵抗ZNLRだけでは容量が不足して再点
弧の可能性がある場合などに有効である。
〔発明の効果〕
本発明によれば、転流電流の振動電流をより高い周波
数まで遮断能力を持たせることができるので、転流コン
デンサを小型軽量にすることができ、さらに転流リアク
トルは最小でも配線の漂遊インダクタンスですみ、直流
高速度真空遮断器をコンパクトにすることができる。
従つて、高速性能の良い真空遮断器を電気車の床下に
搭載することができ、故障が生じた場合でも地上変電所
の遮断器を動作させなくてすみ、他の電気車全てを停止
させるということがなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す図、第2図は転流コン
デンサ容量,転流インダクタンス,転流周波数及び転流
電流の関係を示す図、第3図は本発明の転流原理を示す
図、第4図は本発明による直流高速度真空遮断器を収納
箱に収納した図、第5図は動作波形を示す図、第6図は
本発明による直流高速度真空遮断器を電気車に適用した
図、第7図〜第10図は他の実施例を示す図、第11図は実
験装置を示す図である。 HSVCB……直流高速度真空遮断器、VI……真空バルブ、
C……転流コンデンサ、L……転流インダクタンス(漂
遊のみも含む)、S……転流スイツチ、MRC……電磁反
発コイル、SRC……シヨートリング、SOTD……静止形過
電流引外し装置、ZNLR……酸化亜鉛非直線抵抗、E……
直流電源、LOAD……負荷、Cs……サージ吸収コンデン
サ、R……直線抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鎌田 忠 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内 (72)発明者 内井 太郎 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日立 製作所水戸工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子とを備えたものにおいて、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    の振動周波数を2KHz以上、転流電流を5000A以上かつ前
    記閉回路に含まれる転流インダクタンスを1μH以上と
    した直流高速度真空遮断器。
  2. 【請求項2】直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、 そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子と、 前記真空バルブに並列に接続された容量性素子を備え、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    のループ長より、前記真空バルブ及び前記容量性素子を
    含む閉回路のループ長を短くした直流高速度真空遮断
    器。
  3. 【請求項3】直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子とを備え、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    のループ長より、前記真空バルブ及び前記導線の浮遊イ
    ンダクンスに蓄えられているエネルギーを消費する素子
    を含む閉回路のループ長を短くした直流高速度真空遮断
    器。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかの項において、
    前記エネルギー消費素子は、非線形抵抗素子又は抵抗素
    子のいずれかであることを特徴とする直流高速度真空遮
    断器。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3のいずれかの項において、
    前記エネルギー消費素子は、非線形抵抗素子と抵抗素子
    の並列体であることを特徴とする直流高速度真空遮断
    器。
  6. 【請求項6】請求項2において、前記容量性素子は、前
    記真空バルブ開放時の容量より大きい容量を持つ素子で
    あることを特徴とする直流高速度真空遮断器。
  7. 【請求項7】架線架線から直流が供給され、主電動機制
    御手段により主電動機を動作させる電気車において、 前記直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、 そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子とを備え、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    の振動周波数を2KHz以上、転流電流を5000A以上かつ前
    記閉回路に含まれる転流インダクタンスを1μH以上と
    した直流高速度真空遮断器を備えたことを特徴とする電
    気車。
  8. 【請求項8】架線架線から直流が供給され、主電動機制
    御手段により主電動機を動作させる電気車において、 前記直流を遮断する真空バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、 そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子とを備え、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    のループ長より、前記真空バルブ及び前記導線の浮遊イ
    ンダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費する素
    子を含む閉回路のループ長を短くした直流高速度真空遮
    断器を備えたことを特徴とする電気車。
  9. 【請求項9】架線架線から直流が供給され、主電動機制
    御手段により主電動機を動作させる電気車において、 前記直流を遮断する真空バルブと、直流を遮断する真空
    バルブと、 その真空バルブに並列に接続されたコンデンサ及び開閉
    手段の直列体と、そのコンデンサを充電する手段と、 前記真空バルブに並列に接続され、直流が流れる配線の
    漂遊インダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費
    する素子とを備え、 前記真空バルブ,コンデンサ及び開閉手段を含む閉回路
    のループ長より、前記真空バルブ及び前記導線の浮遊イ
    ンダクタンスに蓄えられているエネルギーを消費する素
    子を含む閉回路のループ長を短くした直流高速度真空遮
    断器を備えたことを特徴とする電気車。
JP1201178A 1989-08-04 1989-08-04 直流高速度真空遮断器 Expired - Fee Related JPH0828156B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1201178A JPH0828156B2 (ja) 1989-08-04 1989-08-04 直流高速度真空遮断器
KR1019900011238A KR0179365B1 (ko) 1989-08-04 1990-07-24 직류고속도 진공차단기 및 직류고속도 차단기를 구비한 전기차
US07/560,785 US5214557A (en) 1989-08-04 1990-07-31 D.c. vacuum circuit breaker for an electric motor vehicle
AU60124/90A AU629018B2 (en) 1989-08-04 1990-08-02 Dc high-speed vacuum circuit breaker and electric motor vehicle equipped with this circuit breaker
DE69031818T DE69031818T2 (de) 1989-08-04 1990-08-03 Hochgeschwindigkeitsgleichstrom-Vakuumschalter und damit ausgerüstetes elektrisches Fahrzeug
EP90114979A EP0411663B1 (en) 1989-08-04 1990-08-03 DC High-speed vacuum circuit breaker and electric motor vehicle equipped with this circuit breaker
CN90106747A CN1028063C (zh) 1989-08-04 1990-08-04 直流真空断路器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1201178A JPH0828156B2 (ja) 1989-08-04 1989-08-04 直流高速度真空遮断器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0367429A JPH0367429A (ja) 1991-03-22
JPH0828156B2 true JPH0828156B2 (ja) 1996-03-21

Family

ID=16436650

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1201178A Expired - Fee Related JPH0828156B2 (ja) 1989-08-04 1989-08-04 直流高速度真空遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0828156B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4641287B2 (ja) * 2006-06-22 2011-03-02 株式会社日立製作所 転流式直流遮断器
JP5654394B2 (ja) * 2011-03-16 2015-01-14 富士電機株式会社 回路遮断器
JP6382757B2 (ja) * 2015-03-18 2018-08-29 株式会社東芝 直流遮断装置
CN111640602A (zh) * 2020-05-06 2020-09-08 许继集团有限公司 转移支路振荡电流可控的多断口直流开关设备及控制方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5337866A (en) * 1976-09-20 1978-04-07 Okura Denki Co Ltd Dc vacuum switch
JPS57123620A (en) * 1981-01-26 1982-08-02 Tokyo Shibaura Electric Co Circuit breaker

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5337866A (en) * 1976-09-20 1978-04-07 Okura Denki Co Ltd Dc vacuum switch
JPS57123620A (en) * 1981-01-26 1982-08-02 Tokyo Shibaura Electric Co Circuit breaker

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0367429A (ja) 1991-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0411663B1 (en) DC High-speed vacuum circuit breaker and electric motor vehicle equipped with this circuit breaker
KR101522412B1 (ko) 양방향 직류 차단장치
KR102021863B1 (ko) 직류 차단기
US5883774A (en) Current limiter
KR101872869B1 (ko) 충전된 커패시터와 병렬 lc 회로를 사용한 초고속 dc 차단기
JP3356457B2 (ja) 真空遮断器
JP3589061B2 (ja) 真空開閉装置及び真空開閉装置の開閉方法
JPH0828156B2 (ja) 直流高速度真空遮断器
JP3245716B2 (ja) 電流遮断装置
JP2827564B2 (ja) 直流電気車用遮断システム
JPH053201B2 (ja)
JP3719456B2 (ja) 直流遮断器
JP2512187B2 (ja) 車両用断流器
JPH11355905A (ja) 電力変換装置の遮断システム
JP2002110006A (ja) 直流遮断器
JPH05199653A (ja) 高速接地開閉器の制御方法
JP6859989B2 (ja) 電流制御電極付遮断器
WO2024134713A1 (ja) 直流遮断システム、直流遮断装置の制御方法、および直流遮断装置の制御プログラム
JPS63114501A (ja) 直流電気車用電力変換装置の保護装置
JP3777926B2 (ja) 直流遮断器
JP3757726B2 (ja) 直流遮断器
JPH0614402A (ja) 電気車用インバータ制御装置
JPH0628481B2 (ja) 電気車用電力変換装置の保護装置
JPS6231458B2 (ja)
JPH06168820A (ja) 核融合装置用電源

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees