JPH08281467A - レールの自動溶接方法 - Google Patents
レールの自動溶接方法Info
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- JPH08281467A JPH08281467A JP7129882A JP12988295A JPH08281467A JP H08281467 A JPH08281467 A JP H08281467A JP 7129882 A JP7129882 A JP 7129882A JP 12988295 A JP12988295 A JP 12988295A JP H08281467 A JPH08281467 A JP H08281467A
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- welding
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- welded
- weld
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 レールの突き合わせ溶接を現地で自動溶接で
行うさいに、溶接部の割れ、アンダーカットや余盛の不
均一がない溶接を行える方法を提供する。 【構成】 レールの突き合わせ溶接をガスシールドアー
ク溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用して施工する
自動溶接において、溶接部周辺を囲む銅当金で囲まれた
レールの各端面近傍の足部の足表から足先までの部位
に、レールと当接する面がレールの足部の輪郭に沿った
タブ鋼板をそれぞれ仮付け溶接してから溶接する。
行うさいに、溶接部の割れ、アンダーカットや余盛の不
均一がない溶接を行える方法を提供する。 【構成】 レールの突き合わせ溶接をガスシールドアー
ク溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用して施工する
自動溶接において、溶接部周辺を囲む銅当金で囲まれた
レールの各端面近傍の足部の足表から足先までの部位
に、レールと当接する面がレールの足部の輪郭に沿った
タブ鋼板をそれぞれ仮付け溶接してから溶接する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レールの突き合わせ溶
接を現地で自動溶接で行うさいに用いられる溶接方法に
関する。
接を現地で自動溶接で行うさいに用いられる溶接方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】レールを現地で突き合わせて溶融溶接す
る方法としては、従来から被覆アーク溶接棒を用いたエ
ンクローズドアーク溶接方法またはテルミット溶接方法
などの溶接方法が多く用いられてきた。しかしながら今
日溶接技術者の不足ならびに溶接欠陥の低減の観点から
敷設現地における半自動溶接または自動溶接に対する期
待が高まり実用化に向けて様々な技術が検討されてい
る。
る方法としては、従来から被覆アーク溶接棒を用いたエ
ンクローズドアーク溶接方法またはテルミット溶接方法
などの溶接方法が多く用いられてきた。しかしながら今
日溶接技術者の不足ならびに溶接欠陥の低減の観点から
敷設現地における半自動溶接または自動溶接に対する期
待が高まり実用化に向けて様々な技術が検討されてい
る。
【0003】レール足先にタブ材を設けて溶接する技術
としては、エンクローズドアーク溶接方法においてレー
ル足部を溶接するさい、アークスタート時の欠陥防止お
よび各パスのクレータ部を母材外に出すために用いてい
る。またレール溶接用のタブ材としては、実開昭61−
177795号公報が裏当材とタブを一体形成し、裏当
材の取り付け効率向上と溶接時の溶接金属漏洩を防止す
る技術として開示されている。
としては、エンクローズドアーク溶接方法においてレー
ル足部を溶接するさい、アークスタート時の欠陥防止お
よび各パスのクレータ部を母材外に出すために用いてい
る。またレール溶接用のタブ材としては、実開昭61−
177795号公報が裏当材とタブを一体形成し、裏当
材の取り付け効率向上と溶接時の溶接金属漏洩を防止す
る技術として開示されている。
【0004】またガスシールドアーク溶接方法とエレク
トロスラグ溶接方法とを併用して施工するレールの自動
溶接方法としては、特開平3−297558号公報およ
び特開平6−52261号公報がレール足部をガスシー
ルドアーク溶接方法で多層溶接し、連続してレール腹部
以降をエレクトロスラグ溶接方法で立向および水平溶接
する技術として開示されている。
トロスラグ溶接方法とを併用して施工するレールの自動
溶接方法としては、特開平3−297558号公報およ
び特開平6−52261号公報がレール足部をガスシー
ルドアーク溶接方法で多層溶接し、連続してレール腹部
以降をエレクトロスラグ溶接方法で立向および水平溶接
する技術として開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】レールを現地で施工す
る場合、限られた時間内にレール老朽部の除去および開
先調整、溶接、溶接後の余盛の除去、後熱処理、溶接部
の外観と内質検査等を行わなければならない。またレー
ルは人命確保の性格上、溶接部内部および外観にも耐疲
労性能、耐曲げ性能に有害な欠陥を形成してはならない
構造物であり、溶接部に発生する欠陥は前記性能に影響
を及ぼさない程度に抑え込む必要がある。
る場合、限られた時間内にレール老朽部の除去および開
先調整、溶接、溶接後の余盛の除去、後熱処理、溶接部
の外観と内質検査等を行わなければならない。またレー
ルは人命確保の性格上、溶接部内部および外観にも耐疲
労性能、耐曲げ性能に有害な欠陥を形成してはならない
構造物であり、溶接部に発生する欠陥は前記性能に影響
を及ぼさない程度に抑え込む必要がある。
【0006】しかしながら従来のレール足先にタブ材を
仮付けして施工されているエンクローズドアーク溶接方
法は、溶接継手において前記継手性能に優れた溶接方法
ではあるものの、自動溶接ではないために溶接および溶
接後の余盛の処理で効率が悪く、また溶接に関しても溶
接技術者の技能に依存するところが大きいが、溶接作業
環境に起因して溶接技術者の育成が問題になっている。
仮付けして施工されているエンクローズドアーク溶接方
法は、溶接継手において前記継手性能に優れた溶接方法
ではあるものの、自動溶接ではないために溶接および溶
接後の余盛の処理で効率が悪く、また溶接に関しても溶
接技術者の技能に依存するところが大きいが、溶接作業
環境に起因して溶接技術者の育成が問題になっている。
【0007】また実開昭61−177795号公報に開
示されている技術においては、裏当材の取り付け効率の
向上とレール足裏および足先からの溶接金属の漏洩防止
が達成され高能率な溶接ができる技術ではあるが、レー
ル足表におけるアンダーカットや溶接後の余盛の処理に
ついての改善がなされていない点が課題となる。
示されている技術においては、裏当材の取り付け効率の
向上とレール足裏および足先からの溶接金属の漏洩防止
が達成され高能率な溶接ができる技術ではあるが、レー
ル足表におけるアンダーカットや溶接後の余盛の処理に
ついての改善がなされていない点が課題となる。
【0008】また特開平3−297558号公報および
特開平6−52261号公報に開示されている技術にお
いては、レールに開先をとって突き合わせたレール周囲
を銅当金で囲み、レール足部をガスシールドアーク溶接
方法で多層溶接し、これに続いてレール柱部以降レール
頭部までをエレクトロスラグ溶接方法に移行して立向お
よび水平溶接することにより溶接中の溶接金属および溶
融スラグの流出がない円滑な溶接が効率よく実施できる
技術である。この技術で使用される周囲を囲む銅当金に
は、レール足表から頭頂部まで溶接金属と接する部分に
テーパー状あるいは2段以上の段差形状を設けて溶接余
盛の止端部がアンダーカットになるのを防止している。
しかしレール足先においては溶接金属が被溶接材である
レールから開放され、溶接部周囲を囲む銅当金およびレ
ール足先の銅当金に直接接するため溶接金属周囲からの
凝固が急速に進行し中央部に凝固割れを生ずる可能性が
ある。またレールの足表においても溶接部周囲を囲む銅
当金のテーパー状または2段以上の段差加工の先端とレ
ールの間には微小な隙間があり、溶接中にその隙間をア
ークにより溶かし込むことにより溶接後の溶接部外観に
微小なアンダーカットを残すことがある。
特開平6−52261号公報に開示されている技術にお
いては、レールに開先をとって突き合わせたレール周囲
を銅当金で囲み、レール足部をガスシールドアーク溶接
方法で多層溶接し、これに続いてレール柱部以降レール
頭部までをエレクトロスラグ溶接方法に移行して立向お
よび水平溶接することにより溶接中の溶接金属および溶
融スラグの流出がない円滑な溶接が効率よく実施できる
技術である。この技術で使用される周囲を囲む銅当金に
は、レール足表から頭頂部まで溶接金属と接する部分に
テーパー状あるいは2段以上の段差形状を設けて溶接余
盛の止端部がアンダーカットになるのを防止している。
しかしレール足先においては溶接金属が被溶接材である
レールから開放され、溶接部周囲を囲む銅当金およびレ
ール足先の銅当金に直接接するため溶接金属周囲からの
凝固が急速に進行し中央部に凝固割れを生ずる可能性が
ある。またレールの足表においても溶接部周囲を囲む銅
当金のテーパー状または2段以上の段差加工の先端とレ
ールの間には微小な隙間があり、溶接中にその隙間をア
ークにより溶かし込むことにより溶接後の溶接部外観に
微小なアンダーカットを残すことがある。
【0009】本発明はこれらの課題を解決し、高能率で
内質および外観の健全なレールの自動溶接方法を提供す
ることを目的とした技術である。
内質および外観の健全なレールの自動溶接方法を提供す
ることを目的とした技術である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するものであって、レールの突き合わせ溶接をガスシー
ルドアーク溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用して
施工する自動溶接において、溶接のさいに用いる溶接部
周辺を囲む銅当金で囲まれたレールの各端面近傍の足部
の足表から足先までの部位に、レールと当接する面がレ
ールの足部の輪郭に沿ったタブ鋼板をそれぞれ仮付け溶
接してから溶接することを特徴としたレールの自動溶接
方法である。またここにおいて、タブ鋼板の厚さは、
2.5mmから5mmであることも特徴とする。
するものであって、レールの突き合わせ溶接をガスシー
ルドアーク溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用して
施工する自動溶接において、溶接のさいに用いる溶接部
周辺を囲む銅当金で囲まれたレールの各端面近傍の足部
の足表から足先までの部位に、レールと当接する面がレ
ールの足部の輪郭に沿ったタブ鋼板をそれぞれ仮付け溶
接してから溶接することを特徴としたレールの自動溶接
方法である。またここにおいて、タブ鋼板の厚さは、
2.5mmから5mmであることも特徴とする。
【0011】
【作用】以下、図面に従い本発明を詳細に説明する。図
1は本発明のタブ鋼板の使用例を示す斜視図であり、図
1中1A,1Bはレールで、溶接のさいに溶接トーチが
横行できるだけの間隔を開けて突き合わせた状態で設置
される。また図中5A,5B,5C,5Dはタブ鋼板
で、レール1A,1Bの端面近傍の足先から足表に、タ
ブ鋼板5A,5B,5C,5Dのレール1A,1B足部
輪郭に沿った形状に加工された面が当接するようにレー
ル端面側から仮付け溶接して使用される。
1は本発明のタブ鋼板の使用例を示す斜視図であり、図
1中1A,1Bはレールで、溶接のさいに溶接トーチが
横行できるだけの間隔を開けて突き合わせた状態で設置
される。また図中5A,5B,5C,5Dはタブ鋼板
で、レール1A,1Bの端面近傍の足先から足表に、タ
ブ鋼板5A,5B,5C,5Dのレール1A,1B足部
輪郭に沿った形状に加工された面が当接するようにレー
ル端面側から仮付け溶接して使用される。
【0012】またこのさいに使用されるタブ鋼板5A,
5B,5C,5Dのレール1A,1B足部輪郭に沿った
形状とは、図1に示す形状である必要は無く、レール1
A,1Bの大きさおよび形状によって変えればよい。す
なわち図2(a)に示す60kg対応の形状であっても
よく、または図2(b)のような50Nレール対応の形
状でもよく、さらには132LBSレールやその他の規
格のレール足部形状であってもよい。
5B,5C,5Dのレール1A,1B足部輪郭に沿った
形状とは、図1に示す形状である必要は無く、レール1
A,1Bの大きさおよび形状によって変えればよい。す
なわち図2(a)に示す60kg対応の形状であっても
よく、または図2(b)のような50Nレール対応の形
状でもよく、さらには132LBSレールやその他の規
格のレール足部形状であってもよい。
【0013】また図3は、本発明の構成に従った溶接方
法を説明するためのレール端面方向からみた断面図であ
る。図中2A,2Bはそれぞれ図面で重なった位置にあ
る2C,2Dと共に開先をとって突き合わせたレール1
A,1Bの溶接部を囲む銅当金で、溶接中レール足部で
はCO2 ガスシールドアーク溶接のアーク部を外気と遮
断してアークを安定状態に保ち、またレール柱部以降の
エレクトロスラグ溶接では、スラグ浴および溶接金属の
流出を防ぎ溶接部外観の形状を規制し整える。
法を説明するためのレール端面方向からみた断面図であ
る。図中2A,2Bはそれぞれ図面で重なった位置にあ
る2C,2Dと共に開先をとって突き合わせたレール1
A,1Bの溶接部を囲む銅当金で、溶接中レール足部で
はCO2 ガスシールドアーク溶接のアーク部を外気と遮
断してアークを安定状態に保ち、またレール柱部以降の
エレクトロスラグ溶接では、スラグ浴および溶接金属の
流出を防ぎ溶接部外観の形状を規制し整える。
【0014】また3A,3Bは摺動銅当金でレール柱部
以降のエレクトロスラグ溶接でスラグ浴の流出を防止し
てスラグ浴を安定に保ち溶接部外観を整える。また4
A,4Bはそれぞれレール足先の銅当金で溶接部周囲を
囲む銅当金2Aと2C(2Cは図示しない)または2B
と2D(2Dは図示しない)の尾部にそれぞれの間に挟
み込む形態で用いられ、溶接部周囲を囲む銅当金間の幅
を規制し、さらにレール足部溶接のさいに溶接金属のレ
ール足先への流出を規制する。
以降のエレクトロスラグ溶接でスラグ浴の流出を防止し
てスラグ浴を安定に保ち溶接部外観を整える。また4
A,4Bはそれぞれレール足先の銅当金で溶接部周囲を
囲む銅当金2Aと2C(2Cは図示しない)または2B
と2D(2Dは図示しない)の尾部にそれぞれの間に挟
み込む形態で用いられ、溶接部周囲を囲む銅当金間の幅
を規制し、さらにレール足部溶接のさいに溶接金属のレ
ール足先への流出を規制する。
【0015】また5A,5B(5C,5Dは図示しな
い)はタブ鋼板で、レール足部溶接中に被溶接母材であ
るレール1A,1Bと共に開先内に面した一部が溶融し
溶接金属の一部となり、タブ鋼板5A,5B,5C,5
D残部と共に溶接余盛りを形成する。これによりレール
足表を溶接中のアークでレール足表が過剰に溶融するの
を防止し、レール足表のアンダーカット発生を無くす。
したがってタブ鋼板5A,5B,5C,5Dの厚さは
2.5mm以上が必要であり、5mm以上では溶接余盛
りが過大になるので好ましくない。またレール足先にお
いては被溶接材であるレール1A,1Bから開放された
溶接金属が直接銅当金に接するのを防止できるので溶接
金属の急冷が緩和され溶接端部の凝固収縮割れをレール
1A,1B開先内に発生させない。
い)はタブ鋼板で、レール足部溶接中に被溶接母材であ
るレール1A,1Bと共に開先内に面した一部が溶融し
溶接金属の一部となり、タブ鋼板5A,5B,5C,5
D残部と共に溶接余盛りを形成する。これによりレール
足表を溶接中のアークでレール足表が過剰に溶融するの
を防止し、レール足表のアンダーカット発生を無くす。
したがってタブ鋼板5A,5B,5C,5Dの厚さは
2.5mm以上が必要であり、5mm以上では溶接余盛
りが過大になるので好ましくない。またレール足先にお
いては被溶接材であるレール1A,1Bから開放された
溶接金属が直接銅当金に接するのを防止できるので溶接
金属の急冷が緩和され溶接端部の凝固収縮割れをレール
1A,1B開先内に発生させない。
【0016】また6は裏当材で、コージライト系セラミ
ックタイルのレール1A,1B裏面と当接する面に溶接
線を横切る方向の連続した凹凸を設け、ガラス繊維シー
トを表面に貼ってある。これによりレール1A,1B足
部初層を裏波溶接するさいに適度に凸部が溶融し均一な
ビード形状を得ることができる。
ックタイルのレール1A,1B裏面と当接する面に溶接
線を横切る方向の連続した凹凸を設け、ガラス繊維シー
トを表面に貼ってある。これによりレール1A,1B足
部初層を裏波溶接するさいに適度に凸部が溶融し均一な
ビード形状を得ることができる。
【0017】また7は補助溶加材で、レール鋼成分に合
わせた鋼板であって、レール1A,1Bで形成する開先
幅と同等の幅を有し、溶接中の通電を可能にし、補助溶
加材7もすべて溶融して裏波ビード形状を均一に形成す
る。
わせた鋼板であって、レール1A,1Bで形成する開先
幅と同等の幅を有し、溶接中の通電を可能にし、補助溶
加材7もすべて溶融して裏波ビード形状を均一に形成す
る。
【0018】また8はレール1A,1B足先のタブ部に
散布するカットワイヤで溶接開始側では溶接のアークス
タートを容易にし、終端部では溶接ビードの肉厚減少を
防止する。
散布するカットワイヤで溶接開始側では溶接のアークス
タートを容易にし、終端部では溶接ビードの肉厚減少を
防止する。
【0019】また9は溶接トーチで溶接ワイヤ10を溶
接部まで導くために用いる。Pが溶接開始位置の溶接ト
ーチで、Vが溶接完了位置の溶接トーチを示す。また1
1は溶接トーチに設けられたノズルで、ガラス繊維シー
トを筒状に加工し表面にマイカを塗布した耐火性のある
ものを用いる。これによりレール1A,1B足部では溶
接アークの輻射熱で溶融することなくシールドガスを溶
接部に供給し、さらにレール1A,1B柱部以降のエレ
クトロスラグ溶接時にはスラグ浴によりノズル11自体
が溶融しながら図には示さないフラックス散布装置から
供給される溶融型フラックスを適時溶接部に散布でき
る。
接部まで導くために用いる。Pが溶接開始位置の溶接ト
ーチで、Vが溶接完了位置の溶接トーチを示す。また1
1は溶接トーチに設けられたノズルで、ガラス繊維シー
トを筒状に加工し表面にマイカを塗布した耐火性のある
ものを用いる。これによりレール1A,1B足部では溶
接アークの輻射熱で溶融することなくシールドガスを溶
接部に供給し、さらにレール1A,1B柱部以降のエレ
クトロスラグ溶接時にはスラグ浴によりノズル11自体
が溶融しながら図には示さないフラックス散布装置から
供給される溶融型フラックスを適時溶接部に散布でき
る。
【0020】また17A,17Bはシールドガス噴出口
でレール1A,1B足部のガスシールド溶接時にCO2
ガスを噴出し外気から溶接部を遮断する。また18は裏
当材保持金具である。
でレール1A,1B足部のガスシールド溶接時にCO2
ガスを噴出し外気から溶接部を遮断する。また18は裏
当材保持金具である。
【0021】次に本発明を溶接手順に従って述べる。ま
ずレール1A,1B足部初層の溶接は溶接トーチ9の位
置Pから開始してノズル11とシールドガス噴出口17
A,17Bから噴出されるCO2 ガスによりCO2 ガス
シールド溶接方法の1層1パス溶接で裏波ビードを形成
する。溶接が図中15の溶接軌跡に従い端部Qに達する
と溶接トーチ9の横行を一時中断し端部のクレータ処理
を行い、その後連続して溶接トーチの横行方向を反転し
2層目の溶接を行う。その後は溶接が図中R点に達する
まで溶接トーチ9の反復水平横行と溶接電流検知による
溶接トーチ上昇を繰り返してレール足部の溶接を完了す
る。
ずレール1A,1B足部初層の溶接は溶接トーチ9の位
置Pから開始してノズル11とシールドガス噴出口17
A,17Bから噴出されるCO2 ガスによりCO2 ガス
シールド溶接方法の1層1パス溶接で裏波ビードを形成
する。溶接が図中15の溶接軌跡に従い端部Qに達する
と溶接トーチ9の横行を一時中断し端部のクレータ処理
を行い、その後連続して溶接トーチの横行方向を反転し
2層目の溶接を行う。その後は溶接が図中R点に達する
まで溶接トーチ9の反復水平横行と溶接電流検知による
溶接トーチ上昇を繰り返してレール足部の溶接を完了す
る。
【0022】このさい、溶接ワイヤ10を螺旋状に変形
して連続的に溶接部に供給すれば溶接ワイヤ10先端は
見かけ状の円運動をして安定した溶込み形状が得られ
る。また溶接トーチ9の反復水平横行は溶接軌跡15で
示すように横行幅を順次減少していけばレール足表の溶
接余盛りを最小限に形成でき、溶接後の溶接余盛り除去
作業での再加熱で時間短縮が可能となる。
して連続的に溶接部に供給すれば溶接ワイヤ10先端は
見かけ状の円運動をして安定した溶込み形状が得られ
る。また溶接トーチ9の反復水平横行は溶接軌跡15で
示すように横行幅を順次減少していけばレール足表の溶
接余盛りを最小限に形成でき、溶接後の溶接余盛り除去
作業での再加熱で時間短縮が可能となる。
【0023】レール1A,1B足部溶接が完了すると連
続してレール柱部の溶接に移行するため溶接トーチ9の
横行はレール柱部の中心で停止し、図中S点までは溶接
電流検知による溶接トーチの上昇のみが自動的に行われ
る。またレール足部溶接が図中R点で完了すると、同時
に摺動銅当金3A,3Bがレール足先の銅当金4A,4
B上を矢印16A,16Bの方向にそれぞれ摺動し、レ
ール1A,1Bに当接される。また摺動開始と同時に図
には示さないフラックス散布装置からノズル11を介し
て溶接部に溶融型フラックスが供給され、フラックスは
溶接ワイヤ10と被溶接母材間の抵抗熱で溶融しスラグ
浴を形成してエレクトロスラグ溶接へと移行する。また
フラックスを溶接部へ散布してからスラグ浴が安定する
までには若干の時間があるので、その間はノズル11か
らフラックスと同時にCO2 ガスを供給した方が溶接後
の溶接金属内部に欠陥を作らずに済む。
続してレール柱部の溶接に移行するため溶接トーチ9の
横行はレール柱部の中心で停止し、図中S点までは溶接
電流検知による溶接トーチの上昇のみが自動的に行われ
る。またレール足部溶接が図中R点で完了すると、同時
に摺動銅当金3A,3Bがレール足先の銅当金4A,4
B上を矢印16A,16Bの方向にそれぞれ摺動し、レ
ール1A,1Bに当接される。また摺動開始と同時に図
には示さないフラックス散布装置からノズル11を介し
て溶接部に溶融型フラックスが供給され、フラックスは
溶接ワイヤ10と被溶接母材間の抵抗熱で溶融しスラグ
浴を形成してエレクトロスラグ溶接へと移行する。また
フラックスを溶接部へ散布してからスラグ浴が安定する
までには若干の時間があるので、その間はノズル11か
らフラックスと同時にCO2 ガスを供給した方が溶接後
の溶接金属内部に欠陥を作らずに済む。
【0024】さらに溶接が図中S点まで進行すると連続
してエレクトロスラグ溶接のままレール1A,1B頭部
および頭頂部の溶接を行う。このさい溶接トーチはT点
とU点までの横行を開始し電流検知による上昇を繰り返
してVの位置で溶接を完了する。
してエレクトロスラグ溶接のままレール1A,1B頭部
および頭頂部の溶接を行う。このさい溶接トーチはT点
とU点までの横行を開始し電流検知による上昇を繰り返
してVの位置で溶接を完了する。
【0025】
【実施例】上述した構成および手順に従い鉄道用60k
gレールを突き合わせ溶接した例を述べる。溶接ワイヤ
は1.6mm径のソリッドワイヤで、フラックスは溶融
型フラックス(CaF2 :35%、TiO2 :10%、
CaO:20%、SiO2:30%)である。またカッ
トワイヤは0.9径×1.0mm(8a:20g、8
b:40g)のもので、補助溶加材の寸法は2.5t×
16w×190Lである。シールドガスはCO2 で、裏
当材はコージライト系セラミック+ガラステープ(1t
×50w×300L)であり、本発明の特徴とするタブ
鋼板として27t×4w×60Lを用いた。なお、溶接
電源は直流定電圧特性電源(定格600A)である。
gレールを突き合わせ溶接した例を述べる。溶接ワイヤ
は1.6mm径のソリッドワイヤで、フラックスは溶融
型フラックス(CaF2 :35%、TiO2 :10%、
CaO:20%、SiO2:30%)である。またカッ
トワイヤは0.9径×1.0mm(8a:20g、8
b:40g)のもので、補助溶加材の寸法は2.5t×
16w×190Lである。シールドガスはCO2 で、裏
当材はコージライト系セラミック+ガラステープ(1t
×50w×300L)であり、本発明の特徴とするタブ
鋼板として27t×4w×60Lを用いた。なお、溶接
電源は直流定電圧特性電源(定格600A)である。
【0026】本発明の構成による実施例の溶接条件を表
1に示す。また実施例で得られた溶接部外観を図4に示
す。実施例においてはレール1A,1B足部から頭頂部
まで円滑な溶接が実施できた。また溶接後の外観におい
ても図4に示すようにタブ鋼板5B,5Dの外側までを
溶かしていないので溶接ビード止端部13のアンダーカ
ット発生は無かった。また溶接後の溶接部を再加熱して
溶接余盛を押し抜く作業においてもレール1A,1B足
先の局部的な加熱が無く、押し抜くための刃物の噛み込
みも良好であることから美麗な外観の溶接継手を得るこ
とができた。また後日、本発明者らが本実施例から得た
継手溶接部を内質検査として2探触子法による超音波探
傷試験およびマクロ組織試験により検査を実施したが溶
接継手の機械的性能に有害と思われる内部欠陥の存在は
無かった。
1に示す。また実施例で得られた溶接部外観を図4に示
す。実施例においてはレール1A,1B足部から頭頂部
まで円滑な溶接が実施できた。また溶接後の外観におい
ても図4に示すようにタブ鋼板5B,5Dの外側までを
溶かしていないので溶接ビード止端部13のアンダーカ
ット発生は無かった。また溶接後の溶接部を再加熱して
溶接余盛を押し抜く作業においてもレール1A,1B足
先の局部的な加熱が無く、押し抜くための刃物の噛み込
みも良好であることから美麗な外観の溶接継手を得るこ
とができた。また後日、本発明者らが本実施例から得た
継手溶接部を内質検査として2探触子法による超音波探
傷試験およびマクロ組織試験により検査を実施したが溶
接継手の機械的性能に有害と思われる内部欠陥の存在は
無かった。
【0027】
【表1】
【0028】比較例では、従来技術で用いられている溶
接部周囲を囲む銅当金2A,2B,2C,2Dの溶接金
属が接する面にテーパー状または2段以上の段差加工が
なされた銅当金を用いて本発明のタブ鋼板5A,5B,
5C,5D無しで溶接した。比較例1および比較例2の
溶接条件をそれぞれ表2および表3に示す。また比較例
1で得られた溶接部外観を図5に示す。使用した溶接ワ
イヤ等のその他の溶接条件は前記実施例と同じである。
比較例1および比較例2においてもレール1A,1B足
部からレール1A,1B頭頂部まで円滑な溶接ができ
た。しかしながら溶接後の外観においては図5に示す比
較例1から得たレール1A,1B足部溶接部外観に見ら
れるような溶接ビード止端部13に微少なアンダーカッ
ト14が確認できる。また比較例2から得た溶接部外観
においても比較例1ほどではないがアンダーカットが確
認された。
接部周囲を囲む銅当金2A,2B,2C,2Dの溶接金
属が接する面にテーパー状または2段以上の段差加工が
なされた銅当金を用いて本発明のタブ鋼板5A,5B,
5C,5D無しで溶接した。比較例1および比較例2の
溶接条件をそれぞれ表2および表3に示す。また比較例
1で得られた溶接部外観を図5に示す。使用した溶接ワ
イヤ等のその他の溶接条件は前記実施例と同じである。
比較例1および比較例2においてもレール1A,1B足
部からレール1A,1B頭頂部まで円滑な溶接ができ
た。しかしながら溶接後の外観においては図5に示す比
較例1から得たレール1A,1B足部溶接部外観に見ら
れるような溶接ビード止端部13に微少なアンダーカッ
ト14が確認できる。また比較例2から得た溶接部外観
においても比較例1ほどではないがアンダーカットが確
認された。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明を実施することにより、レール足
部をガスシールド溶接で溶接したさいに形成される溶接
余盛の外観は絶えず均一なものとなり、溶接後の溶接余
盛押し抜き作業での加熱条件のばらつきが防止できる。
またタブ鋼板により溶接金属の急冷および母材拘束から
の開放が無くなるので溶接部の割れが防止できる。また
レール足表に発生する可能性のあった溶接中の溶込み過
多によるアンダーカットや余盛不足等の欠陥についても
防止する効果が得られる。
部をガスシールド溶接で溶接したさいに形成される溶接
余盛の外観は絶えず均一なものとなり、溶接後の溶接余
盛押し抜き作業での加熱条件のばらつきが防止できる。
またタブ鋼板により溶接金属の急冷および母材拘束から
の開放が無くなるので溶接部の割れが防止できる。また
レール足表に発生する可能性のあった溶接中の溶込み過
多によるアンダーカットや余盛不足等の欠陥についても
防止する効果が得られる。
【図1】本発明のタブ鋼板使用方法を示す斜視図
【図2】(a),(b)はそれぞれ本発明のタブ鋼板の
例を示す正面図
例を示す正面図
【図3】本発明の溶接法実施態様を示すレール端面から
の断面図
の断面図
【図4】本発明実施例におけるレール足部の溶接部外観
を示す図
を示す図
【図5】比較例におけるレール足部の溶接部外観を示す
図
図
1A,1B レール 2A,2B,2C,2D 溶接部周囲を囲む銅当金 3A,3B 摺動銅当金 4A,4B レール足先の銅当金 5A,5B,5C,5D タブ鋼板 6 裏当材 7 補助溶加材 8A,8B カットワイヤ 9 溶接トーチ 10 溶接ワイヤ 11 ノズル 12 溶接ビード 13 ビード止端部 14 アンダーカット 15 溶接トーチ移動軌跡 16A,16B 摺動銅当金移動方向 17A,17B シールドガス噴出口 18 裏当材保持具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 狩峰 健一 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項1】 レールの突き合わせ溶接をガスシールド
アーク溶接法とエレクトロスラグ溶接法を併用して施工
する自動溶接において、溶接のさいに用いる溶接部周辺
を囲む銅当金で囲まれたレールの各端面近傍の足部の足
表から足先までの部位に、レールと当接する面がレール
の足部の輪郭に沿ったタブ鋼板をそれぞれ仮付け溶接し
てから溶接することを特徴としたレールの自動溶接方
法。 - 【請求項2】 タブ鋼板の厚さは、2.5mmから5m
mであることを特徴とする請求項1記載のレールの自動
溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7129882A JPH08281467A (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | レールの自動溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7129882A JPH08281467A (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | レールの自動溶接方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08281467A true JPH08281467A (ja) | 1996-10-29 |
Family
ID=15020669
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7129882A Withdrawn JPH08281467A (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | レールの自動溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08281467A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107931826A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-04-20 | 中国铁道科学研究院金属及化学研究所 | 一种适用于钢轨的管极电渣焊接模具装置 |
-
1995
- 1995-04-12 JP JP7129882A patent/JPH08281467A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107931826A (zh) * | 2017-12-28 | 2018-04-20 | 中国铁道科学研究院金属及化学研究所 | 一种适用于钢轨的管极电渣焊接模具装置 |
CN107931826B (zh) * | 2017-12-28 | 2023-10-13 | 中国铁道科学研究院集团有限公司金属及化学研究所 | 一种适用于钢轨的管极电渣焊接模具装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20020702 |