JPH08281428A - 自動溶接方法 - Google Patents

自動溶接方法

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Publication number
JPH08281428A
JPH08281428A JP11260395A JP11260395A JPH08281428A JP H08281428 A JPH08281428 A JP H08281428A JP 11260395 A JP11260395 A JP 11260395A JP 11260395 A JP11260395 A JP 11260395A JP H08281428 A JPH08281428 A JP H08281428A
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JP
Japan
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groove
welding
torch
weaving
degrees
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Withdrawn
Application number
JP11260395A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsuke Fukami
俊介 深見
Osamu Tatsuta
修 立田
Takeshi Makabe
健 真壁
Norimitsu Baba
則光 馬場
Iwao Shimizu
巖 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP11260395A priority Critical patent/JPH08281428A/ja
Publication of JPH08281428A publication Critical patent/JPH08281428A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大電流溶接を可能にして溶接能率を向上させ
ることができ、また、相隣接する溶接ビード間で良好な
溶け込みを得ることができ、さらに、良好な溶接ビード
外観を得ることができる自動溶接方法を提供する。 【構成】 横向き開先の開先深さ方向の全幅を、開先深
さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービングを行
いながら、溶接トーチ3を徐々に溶接進行方向に移動さ
せて横向き溶接を行い、開先手前部でトーチ傾斜角度を
小さくして溶接トーチ3を起こし、開先奥部でトーチ傾
斜角度を大きくして溶接トーチ3を寝かせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉鉄皮等の厚板を溶
接する自動溶接方法に係り、特に横向き姿勢のレ型開先
又はK型開先を自動で溶接する自動溶接方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】高炉の炉体強度は鉄皮強度に依存してい
るため、高炉改修工事において、鉄皮溶接を高品質に行
うことが要望される。しかし、近年、熟練溶接工の確保
は難しく、且つ高炉鉄皮は厚板であるので、溶接品質を
均一し、溶接能率を向上させるため、鉄皮溶接の自動化
が図られている。
【0003】従来、この種の自動溶接方法に関する発明
としては、特開平5−293655号公報(以下、「引
用例1」という。)に開示されている「自動溶接方
法」、特開平5−293656号公報(以下、「引用例
2」という。)に開示されている「自動溶接方法」が提
案されている。
【0004】これら引用例1及び引用例2の自動溶接方
法は、図18に示すように、開先深さ方向の幅に応じ
て、開先深さ方向にパルス波形状になるようにウィービ
ングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向に
移動させて溶接を行い、次層以降の各層を同様に狙い高
さまで積層することにより、多層盛り溶接を行うもので
ある。
【0005】特に、引用例1は開先手前で教示データに
したがって溶接トーチを制御しており、引用例2は溶接
中の電流値あるいは電圧値の変化によって開先奥の位置
を検出し、狙い位置を変更しつつ溶接を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、引用例1及
び引用例2にあっては、開先深さ方向にパルス波形状に
なるようにウィービングを行いながら、溶接トーチを徐
々に溶接進行方向に移動させて横向き溶接を行っている
が、トーチ傾斜角度が一定であり、かつその角度が大き
いため、大電流で溶接することができず、溶接能率が低
下するという問題があった。
【0007】また、溶接トーチの開先奥方向への移動及
び開先手前方向への移動を直線軌跡で行っているため、
相隣接する溶接ビード間の溶け込みが小さいという問題
があった。
【0008】さらに、開先深さ方向の幅いっぱいにウィ
ービングして横向き溶接を行っているので、開先手前縁
部において溶接ビード形状に凹凸ができ、溶接ビードの
外観が良くないという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記課題に鑑み、大電流
での溶接を可能にして溶接能率を向上させることがで
き、また、相隣接する溶接ビード間で良好な溶け込みを
得ることができ、さらに、良好な溶接ビード外観を得る
ことができる自動溶接方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明に係る自動溶接方法は、横向き開先の開先深さ方
向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くよう
にウィービングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶接
進行方向に移動させて横向き溶接を行う自動溶接方法に
おいて、開先手前部でトーチ傾斜角度を小さくして溶接
トーチを起こし、開先奥部でトーチ傾斜角度を大きくし
て溶接トーチを寝かせるようにしたものである。
【0011】上記構成において、好ましくは、上記開先
手前部でのトーチ傾斜角度が鉛直軸に対して5度〜75
度に設定され、開先奥部でのトーチ傾斜角度が鉛直軸に
対して45度〜75度に設定されるものである。
【0012】また、好ましくは、開先長手方向にウィー
ビングしながら、開先深さ方向の全幅を、開先深さ方向
にパルス波形軌跡を描くようにウィービングを行うよう
にしたものである。
【0013】さらに、横向き開先の開先深さ方向の全幅
を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィー
ビングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向
に移動させて横向き溶接を行う自動溶接方法において、
トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して45度〜75度の一定
の値とし、同一層の開先手前終点から開先手前始点へ向
けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方向に直線軌道で
溶接し、各層を同様に繰り返して多層盛溶接するように
したものである。
【0014】そして、横向き開先の開先深さ方向の全幅
を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィー
ビングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向
に移動させて横向き溶接を行う自動溶接方法において、
トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して45度〜75度の一定
の値とし、開先長手方向にウィービングしながら、開先
深さ方向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描
くようにウィービングを行うようにしたものである。
【0015】好ましくは、同一層の開先手前終点から開
先手前始点へ向けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方
向に直線軌道で溶接し、各層を同様に繰り返して多層盛
溶接するようにしたものである。
【0016】また、好ましくは、開先奥側の入熱が、開
先手前側の入熱よりも大きく設定されているものであ
る。
【0017】この構成において、開先長手方向にウィー
ビングを行う場合に、開先奥側のウィービング幅が、開
先手前側のウィービング幅よりも拡幅して設定されてい
るものである。
【0018】さらに、好ましくは、溶接トーチが開先奥
方向へ移動する際の溶接電流・電圧が、開先手前方向へ
移動する際の溶接電流・電圧よりも大きく設定されてい
るものである。
【0019】この構成において、開先長手方向にウィー
ビングを行う場合に、溶接トーチが開先奥方向へ移動す
る際のウィービング幅が、開先手前方向へ移動する際の
ウィービング幅よりも拡幅して設定されているものであ
る。
【0020】上述したいずれかの横向き溶接により複数
層を積層した後、その上に開先長手方向に沿って直線軌
道で複数パス積層するようにしたものである。
【0021】
【作用】上記構成によれば、開先深さ方向にパルス波形
軌跡を描くようにウィービングしながら横向き溶接を行
う場合に、開先手前部でトーチ傾斜角度を小さくして溶
接トーチを起こし、開先奥部でトーチ傾斜角度を大きく
して溶接トーチを寝かせるようにしたので、開先深さ方
向の全幅において比較的大電流で溶接を行うことがで
き、溶接能率を向上させることができるものである。
【0022】この場合、開先手前部でのトーチ傾斜角度
は、鉛直軸に対して5度〜75度に設定される。トーチ
傾斜角度の下限を5度にしたのは、溶接トーチが開先手
前の鉛直部(開先の上部角)に当たる限界だからであ
り、上限を75度にしたのは、開先手前部では90度以
上でも溶接トーチは接触しないが、開先水平面を延長し
た線に接触しないように設定したものである。一方、開
先奥部でのトーチ傾斜角度は、鉛直軸に対して45度〜
75度に設定される。トーチ傾斜角度の下限を45度に
したのは、溶接トーチが開先の傾斜部に当たる限界だか
らであり、上限を75度にしたのは、溶接トーチが開先
水平面に当たる限界だからである。
【0023】また、開先長手方向にウィービングさせる
ことにより、開先奥方向への移動及び開先手前方向への
移動が波形軌跡になるため、相隣接する溶接ビード間の
溶け込みが良好になるものである。
【0024】さらに、開先深さ方向にパルス波形軌跡を
描くようにウィービングしながら横向き溶接を行う際
に、トーチ傾斜角度を一定に維持する場合は、鉛直軸に
対して45度〜75度の一定の値とする。この場合、ト
ーチ傾斜角度の下限を45度にしたのは、溶接トーチが
開先の傾斜部に当たる限界だからであり、上限を75度
にしたのは、溶接トーチが開先水平面に当たる限界だか
らである。そして、各層の溶接最終段階において、同一
層の開先手前終点から開先手前始点へ向けて開先手前表
面を溶接進行方向と逆方向に直線軌道で溶接するので、
開先手前縁部において溶接ビード形状が平滑化され、各
層を同様に繰り返して多層盛溶接することにより、溶接
ビードの外観が良好になるものである。
【0025】このトーチ傾斜角度を一定に維持する場合
も、開先長手方向にウィービングさせることにより、開
先奥方向への移動及び開先手前方向への移動が波形軌跡
になるため、相隣接する溶接ビード間の溶け込みが良好
になるものである。
【0026】このように開先長手方向にウィービングさ
せる場合にも、同一層の開先手前終点から開先手前始点
へ向けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方向に直線軌
道で溶接すれば、開先手前縁部において溶接ビード形状
が平滑化され、各層を同様に繰り返して多層盛溶接する
ことにより、溶接ビードの外観が良好になるものであ
る。
【0027】また、開先奥側の入熱を、開先手前側の入
熱よりも大きく設定するのは、溶接し難い開先奥側にお
いて良好な溶け込みを得るためである。
【0028】その際、開先長手方向にウィービングを行
う場合には、開先奥側のウィービング幅を、開先手前側
のウィービング幅よりも拡幅して設定する。これは、溶
接入熱が異なると溶け込み量も異なるため、開先奥方向
の全幅において均一な溶け込みを得るためである。
【0029】さらに、溶接トーチが開先奥方向へ移動す
る際の溶接電流・電圧を、開先手前方向へ移動する際の
溶接電流・電圧よりも大きく設定するのは、移動方向が
相違してもトーチ傾斜方向が変わらないため、双方の移
動方向において良好な溶け込みを得るためである。
【0030】その際、開先長手方向にウィービングを行
う場合には、溶接トーチが開先奥方向へ移動する際のウ
ィービング幅を、開先手前方向へ移動する際のウィービ
ング幅よりも拡幅して設定する。これは、溶接電流・電
圧が異なると溶け込み量も異なるため、開先奥方向の全
幅において均一な溶け込みを得るためである。
【0031】上述したいずれかの横向き溶接により複数
層を積層した後、その上層は開先長手方向に沿って直線
軌道で複数パスにより積層するのは、開先内上部におい
ては、開先表面から開先奥までの長さが短いことによる
溶接トーチを動作させる装置上の限界と、1パス1レア
溶接法では溶接電流が大きく溶接池が大きくなり過ぎて
安定性が悪くなる場合(ワイヤ種や鋼種で変化する)な
どに、これを補うためである。
【0032】
【実施例】以下、本発明に係る自動溶接方法の好適実施
例を添付図面に基づいて詳細に説明する。本実施例の自
動溶接方法は、図1に示すような自動溶接装置を使用し
て行われる。図示するように、自動溶接装置1の溶接機
本体2は、溶接トーチ3を支持しながら走行レール4に
沿って走行移動するように成っている。
【0033】上記走行レール4は、被溶接物(図示せ
ず)の横向き継手と略平行に設置される。従って、溶接
機本体2は、走行レール4の長手方向に沿って略水平に
走行移動することになる。この走行レール4には直状走
行レールと円弧状走行レールとを使用することができ、
円弧状走行レールを使用すれば、この自動溶接装置1を
高炉鉄皮の周方向継手の溶接に適用することができる。
【0034】また、溶接機本体2の下方には、溶接アー
ム5に支持されて、溶接トーチ3が配置されている。溶
接アーム5は、溶接機本体2に配置されている前後移動
手段6、上下移動手段7及び水平回動手段8を介して溶
接機本体2と接続されている。
【0035】前後移動手段6は溶接トーチ3を被溶接物
の板厚方向に移動させ、上下移動手段7は溶接トーチ3
を上下方向に移動させ、水平回動手段8は溶接トーチ3
を水平面内で回動させる手段であり、それぞれ図示しな
い制御装置に接続されている。
【0036】よって、前後移動手段6、上下移動手段7
及び水平回動手段8は、制御装置で演算した回転速度・
位置に従ってモータ駆動される歯車機構(図示せず)に
より作動されるように成っている。特に、水平回動手段
8は、被溶接物の曲率軸と溶接トーチ3の軸とが常に平
行になるようにモータの回転速度・位置の制御が行われ
る。
【0037】即ち、前後移動手段6により溶接トーチ3
を前後に、上下移動手段7により溶接トーチ3を上下に
動作することができ、さらに、これらを制御装置によっ
て制御することにより、溶接トーチ3の狙いを上下左右
自由に決定することができる。
【0038】また、水平回動手段8により、溶接トーチ
3を水平面内で回動することができる。従って、走行レ
ール4と被溶接物との曲率が違う場合には、水平回動手
段8を動作させることで、溶接トーチ3の向きを被溶接
物に対して常に一定方向に保つことができる。
【0039】そして、溶接アーム5のトーチ取付部に
は、円弧状を呈する鉛直回動手段9が設けられている。
この鉛直回動手段9は溶接トーチ3を鉛直面内で回動さ
せる手段であり、制御装置で演算した回転速度・位置に
従ってモータ駆動される歯車機構(図示せず)により作
動されるように成っている。この鉛直回動手段9によ
り、溶接トーチ3が、溶接ワイヤ先端(溶接アーク点)
を中心に円弧を描いて回動するので、溶接アークが振れ
ることなく、鉛直面内でトーチ傾斜角度を変化させるこ
とができる。
【0040】また、溶接機本体2には、検査ユニット1
0が連結装備され、検査ユニット10内には、継手開先
に向けて赤外線レーザ光を照射するレーザ光発信機11
と、開先のレーザ切断像を撮像する2台のCCDカメラ
12a,12bとが収納されている。これらCCDカメ
ラ12a,12bは、図示しない画像処理装置にそれぞ
れ接続されおり、画像処理装置は制御装置内に内蔵され
ている。
【0041】以下に、上記自動溶接装置1を使用して行
う本発明に係る自動溶接方法の実施例を説明する。 実施例1 図2及び図3は、実施例1の自動溶接方法におけるトー
チ狙い位置の軌跡を示すものである。図示するように、
実施例1の自動溶接方法は、K型横向き開先の開先深さ
方向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くよ
うにウィービングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶
接進行方向に移動させて横向き溶接を行う。その際、図
4に示すように、開先手前部でトーチ傾斜角度を小さく
して溶接トーチ3を起こし、開先奥部でトーチ傾斜角度
を大きくして溶接トーチ3を寝かせる。
【0042】具体的には、開先手前部で被溶接物の垂直
断面における溶接トーチ3のトーチ傾斜角度は、鉛直軸
に対して38度に設定される(図3中)。この38度
は、鉛直軸に対して5度〜75度の範囲から選択された
トーチ傾斜角度である。開先手前部でのトーチ傾斜角度
の下限を5度にしたのは、溶接トーチ3が開先手前の鉛
直部(開先の上部角)に当たる限界だからであり、上限
を75度にしたのは、開先手前部では90度以上でも溶
接トーチ3は接触しないが、開先水平面を延長した線に
接触しないように設定したものである。
【0043】また、開先奥部へ向けて移動するにしたが
って、溶接トーチ3を一定速度で寝かせていく(図3中
)。このとき、開先奥部でトーチ傾斜角度が65度と
なるように制御装置により鉛直回動手段9を一定速度で
制御する。溶接トーチ3が開先奥部まで到達したとき
に、トーチ傾斜角度は65度とする(図3中)。この
65度は、鉛直軸に対して45度〜75度の範囲から選
択されたトーチ傾斜角度である。開先奥部でのトーチ傾
斜角度の下限を45度にしたのは、溶接トーチ3が開先
の傾斜部に当たる限界だからであり、上限を75度にし
たのは、溶接トーチ3が開先水平面に当たる限界だから
である。
【0044】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先奥と平行になるように、制御装置により溶接機本体
2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トーチ
3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して6
5度の一定角度を維持するように制御する(図3中
)。
【0045】次に、開先手前部へ向けて移動するにした
がって、溶接トーチ3を一定速度で起こしていく(図3
中)。このとき、開先手前部で38度となるように制
御装置により鉛直回動手段9を一定速度で制御する。溶
接トーチ3が開先手前部まで到達したときに、トーチ傾
斜角度は38度とする(図3中)。
【0046】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先手前と平行になるように、制御装置により溶接機本
体2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トー
チ3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して
38度の一定角度を維持するように制御する(図3中
)。
【0047】上記からの動作を繰り返して1層にお
ける溶接を行い、図5に示すように、これを各層につい
て行うことによって、多層盛りを行う。各層の教示点
は、1層毎にずらしてあり、これによって開先奥方向と
開先手前方向に移動しつつ溶接する際に生じる溶接ビー
ド間の融合不良をなくすことができる。尚、図2乃至図
5において、bのウィービングピッチ1は3mm、cの
ウィービングピッチ2は3mmであり、図5において、
eの積層ピッチは4mmである。
【0048】このように横向き溶接を行う際、被溶接物
の組立精度のうち、開先奥方向のズレに対しては、CC
Dカメラによる画像処理によって得られた溶接トーチ3
の軌道を算出する。さらに、開先奥から開先手前に溶接
トーチ3を動作させる際に、被溶接物の開先手前に合わ
せて動作を止め、開先長手方向の動作に移行する。これ
によって、開先手前部の溶接倣いを自動的に行うことが
できる。
【0049】実施例1にあっては、開先手前部でトーチ
傾斜角度を65度に設定するため、溶接状態が向上し、
表1に示すように、大電流、大電圧及び高速度溶接を実
現することができ、良好な溶け込みと溶接能率を向上さ
せることができた。
【表1】
【0050】実施例2 図6及び図7は、実施例2の自動溶接方法におけるトー
チ狙い位置の軌跡を示すものである。図示するように、
実施例2の自動溶接方法は、開先長手方向にもウィービ
ング行う点で、実施例1と異なる。実施例2において
も、図4に示したように、開先手前部でトーチ傾斜角度
を小さくして溶接トーチ3を起こし、開先奥部でトーチ
傾斜角度を大きくして溶接トーチ3を寝かせる。
【0051】具体的には、開先手前部で被溶接物の垂直
断面における溶接トーチ3のトーチ傾斜角度は、鉛直軸
に対して38度に設定される(図7中)。この38度
は、実施例1と同様に、鉛直軸に対して5度〜75度の
範囲から選択されたトーチ傾斜角度である。
【0052】また、開先奥部へ向けて移動するにしたが
って、溶接トーチ3を一定速度で寝かせていく(図7中
)。このとき、開先奥部でトーチ傾斜角度が65度と
なるように制御装置により鉛直回動手段9を一定速度で
制御する。その際、制御装置により水平回動手段8を制
御して、溶接トーチ3を開先長手方向にウィービングさ
せる。溶接トーチ3が開先奥部まで到達したときに、ト
ーチ傾斜角度は65度とする(図7中)。この65度
は、実施例1と同様に、鉛直軸に対して45度〜75度
の範囲から選択されたトーチ傾斜角度である。
【0053】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先奥と平行になるように、制御装置により溶接機本体
2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トーチ
3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して6
5度の一定角度を維持するように制御する(図7中
)。
【0054】次に、開先手前部へ向けて移動するにした
がって、溶接トーチ3を一定速度で起こしていく(図7
中)。このとき、開先手前部で38度となるように制
御装置により鉛直回動手段9を一定速度で制御する。そ
の際、制御装置により水平回動手段8を制御して、溶接
トーチ3を開先長手方向にウィービングさせる。溶接ト
ーチ3が開先手前部まで到達したときに、トーチ傾斜角
度は38度とする(図7中)。
【0055】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先手前と平行になるように、制御装置により溶接機本
体2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トー
チ3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して
38度の一定角度を維持するように制御する(図7中
)。
【0056】上記からの動作を繰り返して1層にお
ける溶接を行い、図5に示したように、これを各層につ
いて行うことによって、多層盛りを行う。各層の教示点
は、1層毎にずらしてあり、これによって開先奥方向と
開先手前方向に移動しつつ溶接する際に生じる溶接ビー
ド間の融合不良をなくすことができる。尚、図5、図6
及び図7において、bのウィービングピッチ1は6m
m、cのウィービングピッチ2は6mmであり、図5に
おいて、eの積層ピッチは4mmであり、図6及び図7
において、dの振幅は3mm、周波数は2Hzである。
【0057】実施例2は、実施例1と同様に溶接倣いを
自動的に行い、表2に示すように、同様の作用効果を奏
するが、特に実施例2にあっては、開先奥方向への溶接
および開先手前方向への溶接の際に、開先長手方向にも
ウィービングを行うことによち、直線軌道で溶接する場
合に比して、相隣接する溶接ビード間の溶け込みが良好
になり、かつ、1段下層への溶け込みが向上するもので
ある。
【表2】
【0058】実施例3 図8及び図9は、実施例3の自動溶接方法におけるトー
チ狙い位置の軌跡を示すものである。図示するように、
実施例3の自動溶接方法は、K型横向き開先の開先深さ
方向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くよ
うにウィービングを行いながら、溶接トーチを徐々に溶
接進行方向に移動させて横向き溶接を行う。その際、図
10に示すように、トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して4
5度〜75度の一定の値とする。また、図8、図9及び
図11に示すように、各層の溶接最終段階において、同
一層の開先手前終点から開先手前始点へ向けて開先手前
表面を溶接進行方向と逆方向に直線軌道で溶接し、各層
を同様に繰り返して多層盛溶接する。
【0059】具体的には、開先手前部で被溶接物の垂直
断面における溶接トーチ3のトーチ傾斜角度は、鉛直軸
に対して65度に設定される(図9中)。この65度
は、鉛直軸に対して45度〜75度の範囲から選択され
たトーチ傾斜角度である。トーチ傾斜角度の下限を45
度にしたのは、溶接トーチ3が開先の傾斜部に当たる限
界だからであり、上限を75度にしたのは、溶接トーチ
3が開先水平面に当たる限界だからである。
【0060】また、開先奥部へ向けて移動する際もトー
チ傾斜角度は65度と一定に維持され、一定速度で溶接
できるように溶接機本体2を制御する(図9中)。ト
ーチ傾斜角度を65度に維持したまま、溶接トーチ3が
開先奥部に到達する(図9中)。
【0061】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先奥と平行になるように、制御装置により溶接機本体
2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トーチ
3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して6
5度の一定角度を維持するように制御する(図9中
)。
【0062】次に、開先手前部へ向けて移動する際もト
ーチ傾斜角度は65度と一定に維持され、一定速度で溶
接できるように溶接機本体2を制御する(図9中)。
トーチ傾斜角度を65度に維持したまま、開先手前部か
らの間隔aが3mmの位置まで溶接する(図9中)。
【0063】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先手前と平行になるように、制御装置により溶接機本
体2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トー
チ3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して
65度の一定角度を維持するように制御する(図9中
)。
【0064】上記からの動作を繰り返して1層にお
ける溶接を行い、図5に示したように、これを各層につ
いて行うことによって、多層盛りを行う。各層の教示点
は、1層毎にずらしてあり、これによって開先奥方向と
開先手前方向に移動しつつ溶接する際に生じる溶接ビー
ド間の融合不良をなくすことができる。尚、図5、図8
及び図9において、bのウィービングピッチ1は3m
m、cのウィービングピッチ2は3mmであり、図5に
おいて、eの積層ピッチは4mmである。また、bのウ
ィービングピッチ1は溶接電流に応じて、行きと帰りの
幅の50%〜120%の範囲で変化させるものであり、
例えば、300Aで幅55%、260Aで幅90%とす
る。
【0065】実施例3は、実施例1及び2と同様に溶接
倣いを自動的に行い、表3に示すように、同様の作用効
果を奏するが、特に実施例3にあっては、開先手前縁部
において溶接ビード形状が平滑化され、各層を同様に繰
り返して多層盛溶接することにより、溶接ビードの外観
が良好になるものである。
【表3】
【0066】実施例4 実施例4は、図6及び図7に示したように、開先長手方
向にウィービングしながら、開先深さ方向の全幅を、開
先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービング
を行い、図12に示すように、開先深さ方向の全幅に亘
って、トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して65度の一定値
に維持するものである。
【0067】具体的には、開先手前部で被溶接物の垂直
断面における溶接トーチ3のトーチ傾斜角度は、鉛直軸
に対して65度に設定される(図7中)。この65度
は、鉛直軸に対して45度〜75度の範囲から選択され
たトーチ傾斜角度である。
【0068】また、開先奥部へ向けて移動する際もトー
チ傾斜角度は65度と一定に維持され、一定速度で溶接
できるように溶接機本体2を制御する(図7中)。そ
の際、制御装置により水平回動手段8を制御して、溶接
トーチ3を開先長手方向にウィービングさせる。トーチ
傾斜角度を65度に維持したまま、溶接トーチ3が開先
奥部に到達する(図7中)。
【0069】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先奥と平行になるように、制御装置により溶接機本体
2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トーチ
3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して6
5度の一定角度を維持するように制御する(図7中
)。
【0070】次に、開先手前部へ向けて移動する際もト
ーチ傾斜角度は65度と一定に維持され、一定速度で溶
接できるように溶接機本体2を制御する(図7中)。
その際、制御装置により水平回動手段8を制御して、溶
接トーチ3を開先長手方向にウィービングさせる。開先
手前部に到達するまで、トーチ傾斜角度を65度に維持
したまま溶接する(図7中)。
【0071】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先手前と平行になるように、制御装置により溶接機本
体2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トー
チ3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して
65度の一定角度を維持するように制御する(図7中
)。
【0072】上記からの動作を繰り返して1層にお
ける溶接を行い、図5に示したように、これを各層につ
いて行うことによって、多層盛りを行う。各層の教示点
は、1層毎にずらしてあり、これによって開先奥方向と
開先手前方向に移動しつつ溶接する際に生じる溶接ビー
ド間の融合不良をなくすことができる。尚、図5、図6
及び図7において、bのウィービングピッチ1は6m
m、cのウィービングピッチ2は6mmであり、図5に
おいて、eの積層ピッチは4mmであり、図6及び図7
において、dの振幅は3mm、周波数は2Hzである。
【0073】実施例4は、実施例1乃至3と同様に溶接
倣いを自動的に行い、表4に示すように、同様の作用効
果を奏するが、特に実施例4にあっては、開先奥方向へ
の溶接および開先手前方向への溶接の際に、開先長手方
向にもウィービングを行うことにより、直線軌道で溶接
する場合に比して、相隣接する溶接ビード間の溶け込み
が良好になり、かつ、1段下層への溶け込みが向上する
ものである。
【表4】
【0074】実施例5 実施例5は、K型横向き開先の開先深さ方向の全幅を、
開先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービン
グを行い、図8、図9及び図14に示すように、各層の
溶接最終段階において、同一層の開先手前終点から開先
手前始点へ向けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方向
に直線軌道で溶接し、各層を同様に繰り返して多層盛溶
接する。その際、図13に示すように、開先手前部でト
ーチ傾斜角度を小さくして溶接トーチ3を起こし、開先
奥部でトーチ傾斜角度を大きくして溶接トーチ3を寝か
せる。
【0075】具体的には、開先手前部で被溶接物の垂直
断面における溶接トーチ3のトーチ傾斜角度は、鉛直軸
に対して38度に設定される(図9中)。この38度
は、鉛直軸に対して5度〜75度の範囲から選択された
トーチ傾斜角度である。
【0076】また、開先奥部へ向けて移動するにしたが
って、溶接トーチ3を一定速度で寝かせていく(図9中
)。このとき、開先奥部でトーチ傾斜角度が65度と
なるように制御装置により鉛直回動手段9を一定速度で
制御する。溶接トーチ3が開先奥部まで到達したとき
に、トーチ傾斜角度は65度とする(図9中)。この
65度は、鉛直軸に対して45度〜75度の範囲から選
択されたトーチ傾斜角度である。
【0077】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先奥と平行になるように、制御装置により溶接機本体
2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トーチ
3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して6
5度の一定角度を維持するように制御する(図9中
)。
【0078】次に、開先手前部へ向けて移動するにした
がって、溶接トーチ3を一定速度で起こしていく(図9
中)。このとき、開先手前部で38度となるように制
御装置により鉛直回動手段9を一定速度で制御する。開
先手前部からの間隔aが3mmの位置まで到達したとき
に、トーチ傾斜角度は38度とする(図9中)。
【0079】その後、開先長手方向に沿って被溶接物の
開先手前と平行になるように、制御装置により溶接機本
体2の走行移動と水平回動手段8を制御して、溶接トー
チ3が被溶接物の垂直断面と平行でかつ鉛直軸に対して
38度の一定角度を維持するように制御する(図9中
)。
【0080】上記からの動作を繰り返して1層にお
ける溶接を行い、図5に示したように、これを各層につ
いて行うことによって、多層盛りを行う。各層の教示点
は、1層毎にずらしてあり、これによって開先奥方向と
開先手前方向に移動しつつ溶接する際に生じる溶接ビー
ド間の融合不良をなくすことができる。尚、図5、図8
及び図9において、bのウィービングピッチ1は3m
m、cのウィービングピッチ2は3mmであり、図5に
おいて、eの積層ピッチは4mmである。
【0081】実施例5は、実施例1乃至4と同様に溶接
倣いを自動的に行い、表5に示すように、同様の作用効
果を奏するが、特に実施例5にあっては、開先手前部で
トーチ傾斜角度を65度に設定するため、表5に示すよ
うに、大電流、大電圧及び高速度溶接を実現することが
でき、良好な溶け込みと溶接能率を向上させることがで
きる。且つ、開先手前縁部において溶接ビード形状が平
滑化され、各層を同様に繰り返して多層盛溶接すること
により、溶接ビードの外観が良好になるものである。
【表5】
【0082】実施例6 実施例6は、上記実施例1乃至実施例5において、開先
奥側の入熱を、開先手前側の入熱よりも大きく設定し
て、溶接し難い開先奥側において良好な溶け込みを得る
ものである。
【0083】具体的には、図15中に示すように、開
先奥側で溶接電流を250A〜350A、溶接電圧を3
0V〜40V、溶接速度を90cm/min〜120c
m/minの範囲に維持することにより、入熱を3.8
kJ〜9.3kJに設定する。好ましくは、280A、
36V、120cm/minに維持する。また、図15
中に示すように、開先手前側で溶接電流を100A〜
160A、溶接電圧を18V〜26V、溶接速度を90
cm/min〜120cm/minの範囲に維持するこ
とにより、入熱を0.9kJ〜2.5kJに設定する。
好ましくは、120A、22V、120cm/minに
維持する。
【0084】実施例7 実施例6の条件下で開先長手方向にウィービングを行う
場合に、開先奥側のウィービング幅を、開先手前側のウ
ィービング幅よりも拡幅して設定することにより、開先
奥方向の全幅において均一な溶け込みを得るものであ
る。
【0085】例えば、開先奥側のウィービング幅は溶接
電流320Aで行きと帰りの幅に対して幅55%に設定
し、開先手前側のウィービング幅は溶接電流150Aで
行きと帰りの幅に対して幅120%に設定する。
【0086】実施例8 実施例8は、上記実施例1乃至実施例5において、溶接
トーチが開先奥方向へ移動する際の溶接電流・電圧を、
開先手前方向へ移動する際の溶接電流・電圧よりも大き
く設定して、双方の移動方向において良好な溶け込みを
得るものである。
【0087】具体的には、開先奥方向へ移動する際は、
溶接速度を90cm/min〜120cm/minにお
いて、溶接電流を250A〜300A、溶接電圧を32
V〜38V、の範囲に設定することにより、入熱を4.
0kJ〜7.6kJに維持する。好ましくは、120c
m/minで280A、36Vに設定する。また、開先
手前方向へ移動する際は、溶接速度を90cm/min
〜120cm/minにおいて、溶接電流を280A〜
320A、溶接電圧を34V〜40Vの範囲に設定する
ことにより、入熱を4.8kJ〜8.5kJに維持す
る。好ましくは、120cm/minで320A、38
Vに設定する。
【0088】実施例9 実施例8の条件下で開先長手方向にウィービングを行う
場合に、溶接トーチが開先奥方向へ移動する際のウィー
ビング幅を、開先手前方向へ移動する際のウィービング
幅よりも拡幅して設定することにより、開先奥方向の全
幅において均一な溶け込みを得るものである。
【0089】例えば、開先奥方向へ移動する際のウィー
ビング幅は溶接電流250Aで行きと帰りの幅に対して
幅95%に設定し、開先手前方向へ移動する際のウィー
ビング幅は溶接電流300Aに対して幅55%に設定す
る。
【0090】実施例10 実施例10は、図16に示すように、上記実施例1乃至
実施例9のいずれかの横向き溶接により複数層を積層し
た後、その上に開先長手方向に沿って直線軌道により複
数パスで積層するものである。
【0091】具体的には、開先表面から開先奥までの距
離が15mm〜40mm(例えば、20mm)より広い
下層では、上記実施例1乃至実施例9のいずれかの横向
き溶接により複数層を積層する。開先表面から開先奥ま
での距離の下限を15mmとしたのは、溶接トーチ3を
動作させる装置上の限界であり、上限を40mmとした
のは、溶接能率の向上が図れる限界だからである。
【0092】次に、その上層を開先長手方向に沿ったス
トレートビードにより複数パスで積層する。このように
上層において従来の溶接法を採用するのは、本実施例の
ような1パス1レア溶接法では溶接電流が大きく溶融池
が大きくなり過ぎて安定性が悪くなる場合(ワイヤ種や
鋼種で変化する)などに、これを補うためである。この
上層でのトーチ傾斜角度は鉛直軸に対して20度〜70
度に設定する。
【0093】図16に示した下層は各パスともθ〜φ1
の間でトーチ傾斜角度を変化させたものであるが、図1
7に示したように、下層Aの部分(平行四辺形A)でθ
〜φbでトーチ傾斜角度を変化させると共に、下層Bの
部分(三角形B)でφb〜φ1でトーチ傾斜角度を変化
させれば、平行四辺形Aの部分でアークの安定性が向上
する。
【0094】例えば、平行四辺形Aでのトーチ傾斜角度
は開先奥で鉛直軸に対して45度〜75度(θ)、開先
手前で鉛直軸に対して35度〜60度(φb)とする。
一方、三角形Bでのトーチ傾斜角度は開先手前で鉛直軸
に対して5度〜50度(φ1)、開先奥で最下層が鉛直
軸に対して35度〜60度(φb)で最上層がφbまで
の値をとる(その間の層は、下層から上層へ向けて小さ
くなる)。
【0095】尚、本実施例の自動溶接方法に適用可能な
溶接姿勢は、横向き姿勢であるが、図 に示したウィー
ビング軌跡は微視的には下向き姿勢と成っている。さら
に、適用可能な開先形状は、主に横向きレ形開先、横向
きK形開先であるが、横向きX形開先にも適用すること
ができる。
【0096】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係る自動溶
接方法によれば、大電流での溶接を可能にして溶接能率
を向上させることができ、また、相隣接する溶接ビード
間で良好な溶け込みを得ることができ、さらに、良好な
溶接ビード外観を得ることができるという優れた効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動溶接方法に使用する自動溶接
装置を示す概略図である。
【図2】実施例1の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略斜視図である。
【図3】実施例1の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略平面図である。
【図4】実施例1の自動溶接方法におけるトーチ傾斜角
度の変化状況を示す垂直断面図である。
【図5】実施例1の自動溶接方法における積層状況を示
す正面図である。
【図6】実施例2の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略斜視図である。
【図7】実施例2の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略平面図である。
【図8】実施例3の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略斜視図である。
【図9】実施例3の自動溶接方法におけるトーチ狙い位
置の軌跡を示す概略平面図である。
【図10】実施例3の自動溶接方法におけるトーチ傾斜
角度一定の状況を示す垂直断面図である。
【図11】実施例3の自動溶接方法において、開先手前
を直線軌道で溶接する際のトーチ狙い位置を示す垂直断
面図である。
【図12】実施例4の自動溶接方法におけるトーチ傾斜
角度一定の状況を示す垂直断面図である。
【図13】実施例5の自動溶接方法におけるトーチ傾斜
角度の変化状況を示す垂直断面図である。
【図14】実施例5の自動溶接方法において、開先手前
を直線軌道で溶接する際のトーチ狙い位置を示す垂直断
面図である。
【図15】実施例6の自動溶接方法において、開先手前
と開先奥側とで入熱を変化させる場合の説明図である。
【図16】実施例10の自動溶接方法において、上層を
従来の溶接法で行う場合の説明図である。
【図17】実施例10の自動溶接方法における変形例を
示す説明図である。
【図18】従来の自動溶接方法におけるトーチ狙い位置
の軌跡を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 自動溶接装置 2 溶接機本体 3 溶接トーチ 4 走行レール 5 溶接アーム 6 前後移動手段 7 上下移動手段 8 水平回動手段 9 鉛直回動手段 10 検査ユニット 11 レーザスリット光発信機 12a,12b CCDカメラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 則光 神奈川県相模原市西橋本5−9−1 新日 本製鐵株式会社相模原技術センター内 (72)発明者 清水 巖 栃木県河内郡上三川町3967番地 日本大洋 海底電線株式会社上三川工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 横向き開先の開先深さ方向の全幅を、開
    先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービング
    を行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向に移動
    させて横向き溶接を行う自動溶接方法において、 開先手前部でトーチ傾斜角度を小さくして溶接トーチを
    起こし、開先奥部でトーチ傾斜角度を大きくして溶接ト
    ーチを寝かせるようにしたことを特徴とする自動溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 前記開先手前部でのトーチ傾斜角度が鉛
    直軸に対して5度〜75度に設定され、開先奥部でのト
    ーチ傾斜角度が鉛直軸に対して45度〜75度に設定さ
    れる請求項1に記載の自動溶接方法。
  3. 【請求項3】 開先長手方向にウィービングしながら、
    開先深さ方向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡
    を描くようにウィービングを行うようにした請求項1又
    は2に記載の自動溶接方法。
  4. 【請求項4】 横向き開先の開先深さ方向の全幅を、開
    先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービング
    を行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向に移動
    させて横向き溶接を行う自動溶接方法において、 トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して45度〜75度の一定
    の値とし、同一層の開先手前終点から開先手前始点へ向
    けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方向に直線軌道で
    溶接し、各層を同様に繰り返して多層盛溶接するように
    したことを特徴とする自動溶接方法。
  5. 【請求項5】 横向き開先の開先深さ方向の全幅を、開
    先深さ方向にパルス波形軌跡を描くようにウィービング
    を行いながら、溶接トーチを徐々に溶接進行方向に移動
    させて横向き溶接を行う自動溶接方法において、 トーチ傾斜角度を鉛直軸に対して45度〜75度の一定
    の値とし、開先長手方向にウィービングしながら、開先
    深さ方向の全幅を、開先深さ方向にパルス波形軌跡を描
    くようにウィービングを行うようにしたことを特徴とす
    る自動溶接方法。
  6. 【請求項6】 同一層の開先手前終点から開先手前始点
    へ向けて開先手前表面を溶接進行方向と逆方向に直線軌
    道で溶接し、各層を同様に繰り返して多層盛溶接するよ
    うにした請求項1、2、3又は5に記載の自動溶接方
    法。
  7. 【請求項7】 開先奥側の入熱が、開先手前側の入熱よ
    りも大きく設定されている請求項1乃至6のいずれかに
    記載の自動溶接方法。
  8. 【請求項8】 開先長手方向にウィービングを行う場合
    に、開先奥側のウィービング幅が、開先手前側のウィー
    ビング幅よりも拡幅して設定されている請求項7に記載
    の自動溶接方法。
  9. 【請求項9】 溶接トーチが開先奥方向へ移動する際の
    溶接電流・電圧が、開先手前方向へ移動する際の溶接電
    流・電圧よりも大きく設定されている請求項1乃至6の
    いずれかに記載の自動溶接方法。
  10. 【請求項10】 開先長手方向にウィービングを行う場
    合に、溶接トーチが開先奥方向へ移動する際のウィービ
    ング幅が、開先手前方向へ移動する際のウィービング幅
    よりも拡幅して設定されている請求項9に記載の自動溶
    接方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかの横向き
    溶接により複数層を積層した後、その上に開先長手方向
    に沿って直線軌道で複数パス積層するようにしたことを
    特徴とする自動溶接方法。
JP11260395A 1995-04-14 1995-04-14 自動溶接方法 Withdrawn JPH08281428A (ja)

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